第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当社は、設立以来、「思いやり・信頼・感謝」というキーワードを経営理念とし、「お客様・社員・家族・地域社会・環境への思いやり」、「会社・技術・社員への信頼」、「お客様・家族・仲間・仕事への感謝」を標榜し、解体事業を「環境ビジネス」の一環と捉え、社業を通じて人にやさしい環境づくりに貢献していくことを企業理念としております。この企業理念・経営理念の下、当社の持続的な企業価値向上に努めると共に、社業を通じて持続可能なエコ社会の実現を目指してまいります。

 

(2) 経営戦略

当社は、2018年12月に東京証券取引所ジャスダック市場に上場を果たすことができ、名実ともに新たなステージへの第一歩を踏み出すことができました。この上場を機に、2020年5月に新たな中期計画TANAKEN“ビジョン100”を策定し、5年先を目途とした“当社のあるべき姿”を示すと共に、当面の売上目標100億円の早期達成を目指すことといたしました。営業戦略としては、当社成長戦略として掲げている、

1. 既存取引先との深耕と新規顧客の開拓

2. 大型再開発案件及びマンション・公団等の建替え案件の獲得

3. 新たな潮流を捉え、地方案件も含めた新たな解体需要の案件化

4. 官庁市場への参入

の4点を引き続き推進してまいります。また、長年かけて築き上げてきた当社のビジネスモデルである“相談を起点とした営業の好循環”を維持拡大することにより、当社の安定的な業容拡大を支えるリピート顧客の拡充を図り、また、当社の良好な収益基盤を支える“元請工事比率”の維持・拡大を図っていくことで、計画の達成と当社の持続的企業価値向上に努めてまいります。

 

(3) 経営環境

当社が属する建設業界においては、建築受注が回復傾向にあるものの、資材調達への懸念が高まっているうえ、建設技能労働者の需給が依然として逼迫しており、コスト面で不安の残る状況が続いております。そのような中で当社が専業とする解体事業におきましては、高度経済成長時代に建築された建物の維持・更新時期の到来に伴う老朽化建物の増加、ネット社会到来に伴う産業構造の変化、再開発案件の活発化等を背景に、引き続き堅調な受注環境が続いております。

なお、当社におきましては、現時点で新型コロナウイルス感染症による業績への大きな影響は見られておりませんが、先行きについては不透明であることから、現時点で入手し得る適正かつ合理的であると判断する一定の条件に基づき事業計画を策定しておりますが、今後の事業環境の推移を注視し、見直しが必要と判断した場合には適時開示してまいります。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

上記の基本方針・経営戦略並びに経営環境を踏まえ、対処すべき課題を抽出し、課題に対処するための各種施策を実施し、競争力の強化、経営全般にわたる一層の効率化を推進し、当社の持続的な企業価値の向上に繋がる経営基盤の強化を図ってまいります。

 

①持続的業容拡大に向けた営業力の強化

 既存取引先との深耕と新規顧客の開拓、大型再開発案件及びマンション等再生案件の獲得、新たな社会潮流を
捉えた解体需要の案件化、官庁市場への参入が当面の課題であり、大阪営業所を起点とした地方案件の取込みが順調に推移していること等を踏まえ、営業人員を拡充し、一層の対応力強化を図ってまいります。

 

 

②業容拡大のための現場社員の増強と現場バックアップ体制の強化

 中期計画に掲げた当面の売上目標100億円の達成のためには、現場社員の増強と現場バックアップ体制の充実が当面の課題であり、有資格者を中心に現場社員目標人数の早期確保に努めてまいります。また、現場ITサポートシステム“ALMIGHTY”の一層の活用と利用徹底を図ること等により、施工管理・現場運営の均質化や生産性向上を推進してまいります。更に、SDGsへの取組の一環である大気汚染防止法の改正に伴う建物事前調査を担える有資格者の育成にも取り組んでまいります。

 

③内部統制システムの充実とガバナンスの強化

 当社は、企業の社会的責任を果たすと共に、持続的な成長と中長期的な企業価値向上のため、経営の効率を高めながら公正性、透明性を確保し、また、ステークホルダーとの適切な関係を保ちながら、最適なコーポレート・ガバナンスの構築に努めることを基本方針としております。この方針のもと、「改訂コーポレートガバナンス・コード」(東京証券取引所公表)を念頭に内部統制システムの充実に努め、一層のコーポレート・ガバナンスの強化を図ってまいります。

 

④技術開発部の活動強化

 引続きBIM(注)三次元モデルの更なる活用強化により、図面の整合性・作業時間の短縮を図り、設計・見積の生産性の向上に努めると共に、三次元図書による提案力の強化を図ってまいります。

 

(注)BIM(Building Information Modeling:コンピューター上に作成した3次元の建物のデジタルモデルに建築物のデータベースを追加していく、あらゆる工程で情報活用するためのソリューションであり、変化する建築の新たなワークフローです)

 

⑤安全管理体制の強化・充実

 労働安全衛生マネジメントシステムISO45001に則した管理・運営を徹底することで、一層の安全衛生管理体制の強化・充実を図ってまいります。また、前期に発足した協力業者による安全協力会を通じた合同パトロールの実施や事故情報の共有等により、安全管理体制のレベル向上を図ってまいります。

 

⑥DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進と情報セキュリティ強化

 建設業務向けERPシステム「PROCES.S」の活用促進の他、オンライン上でのデータ保存サービスやWeb会議等のアプリケーションを搭載した「Microsoft365」の導入等により、業務の効率化・均質化を図ってまいります。更には、電子帳簿保存法への対応等も絡め、業務効率化に加え、ペーパーレス化等に有効なシステムの導入検討を適宜進めてまいります。また、データセンターの委託先をより安全性の高い企業へと変更するとともに、併せてネットワークの強化を実施することで、近年大きくクローズアップされているサイバー攻撃への備えに万全を期します。

 

⑦働き方改革の推進

 新型コロナウイルス感染症の蔓延が収束しないこと等により、実施が滞っている当社元請現場での土曜日休業について、目標として「一斉休業日」を設定し、施主との交渉を促進してまいります。また、引続き毎週水曜日を“ノー残業デー”とし、原則定時退社とすることでメリハリのある職場環境にしてまいります。

 

⑧執務環境の抜本的な見直し

 コミュニケーションの円滑化促進による業務効率化向上を主な狙いとして、本社機能を1フロアに集約できる場所へ移転することを検討いたします。

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1) マクロ経済環境変化によるリスク

当社の主要な受注先は、オフィスビル・マンション等の開発事業者(デベロッパー)、大手建設会社(ゼネコン)、建物等の所有者(エンドユーザー)などに加えて、近年、再開発プロジェクトにも注力しており、受注先の業種・業態の多様化により、マクロ経済環境の変動に対して弾力的に対応できる態勢を構築しております。しかしながら、地政学的リスクを含むマクロ経済環境の想定外の変動に伴う民間建設需要の大幅な減退や、資材及び人件費の高騰に伴うコストの大幅な上昇があった場合、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 信用リスクについて

当社は、与信管理規程に基づき、取引先の信用力や支払い条件等の審査を厳格に実施して与信リスクの最小化を図っております。しかしながら、想定外の景気後退局面において取引先の信用不安等が顕在化した場合、貸倒損失が発生し、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 契約不適合工事リスクについて

当社は、施主との契約に適合した施工を完遂させるため、ISO9001(品質マネジメントシステム)及び当社の施工規定に沿った施工管理を実施しております。また、過去事例を参照するITツールを施工現場で活用し、施工における不適合の発生を未然に防いでおります。更に、不適合が発生するリスクの高い工事については、事前に本部技術者も含めて打ち合わせを行い、施工計画を作成し、これに沿った施工管理をしております。しかしながら、想定外の事態が発生し、結果的に契約不適合工事となった場合、契約解除、損害賠償、追完請求、減額請求などにより、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 法的規制について

当社は、建設業法に基づき、国土交通大臣の特定建設業許可及び一般建設業許可を受けております。当社は当該許可要件の維持及び各法令を遵守しており、これらの免許取消事由に該当する事実はありませんが、万一法令違反等により当該許可の取消等、不測の事態が発生した場合は、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、解体事業では建設業法のほか、関連法規として建設リサイクル法、廃棄物処理法、労働安全衛生法、土壌汚染対策法、大気汚染防止法、資源有効利用促進法等の様々な法規制を受けております。

当社はコンプライアンスの重要性を強く認識し、既存法規制等の規制はもとより、新たな法的規制が生じた場合も適切な対応をとる体制を構築しております。しかしながら、何らかの事由によりこれらの法規制に抵触する等の事態が発生した場合、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

許認可等の名称

所管官庁等

許認可等の内容

有効期間

主な取消事由

特定建設業許可

解体工事業

とび・土工工事業

建築工事業

塗装工事業

内装仕上工事業

国土交通省

国土交通

大臣許可

2025年11月20日

許可要件を満たさなくなった場合

一般建設業許可

土木工事業

国土交通省

国土交通

大臣許可

2025年11月20日

許可要件を満たさなくなった場合

 

 

 

(5) 労働災害について

当社の解体工事現場では、労働災害の防止や労働者の安全と健康管理のため、ISO45001(労働安全衛生マネジメントシステム)の認証を取得し、国際基準に則った安全管理体制を構築しております。具体的には社内に安全衛生委員会を設置していることに加えて、計画的に安全教育を実施しており、更に、経営幹部及び安全環境管理部による安全パトロールの実施等、事故災害を防止するための安全管理を徹底しております。

しかしながら、何らかの事由により重大な労働災害が発生した場合は、当社の労働安全衛生管理体制に対しての信用が損なわれ、受注活動等に制約を受けるなど、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 人材の確保について

建設事業では、優秀な資格者と施工実績の良好な評価が、事業を継続的に拡大するための要件となっております。また、現場では主任技術者の配置が必須であり、今後の業容拡大のためには、優秀な人材の採用及び育成が重要な経営課題と認識しております。当社では、2017年4月より新人事制度の導入を行い、職能・役割等級制の導入、新人事評価制度の導入等を行い、オープンで働きやすい環境づくりに注力してまいりました。

また、有資格者の資格手当・技術手当の充実、資格取得費の会社負担の実施等、資格取得促進に注力すると共に、新たな有資格者の採用にも注力しております。しかしながら、今後、必要な人材を継続的に確保できなかった場合、施工能力に問題が発生するなど、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 協力会社の確保について

当社は、工事の施工管理を行っており、実際の作業を担う優秀な協力会社の確保・育成・新規採用が不可欠であります。現状、長年取引を行っている協力会社を中心に新規業者による補完体制の拡充に努めることにより、受注工事に対応できる十分な施工能力を有しております。しかしながら、業容拡大に伴い地方現場が増加することで、協力会社の確保が困難になった場合や、施工能力に想定外の問題が発生した場合、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 自然災害について

地震、台風等の大規模自然災害が発生した場合は、工事現場の復旧等に多額の費用が発生する可能性があります。当社ではこのような自然災害に対しては、「悪天候時における作業中止等の基準」及び「台風等異常気象対策マニュアル」などで安全対策に万全を期しております。しかしながら、甚大な自然災害が発生した場合は、工事の進捗遅延及び復旧費用が発生し、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 近隣トラブルについて

当社が行う建築構造物の解体工事では、工事の施工中に、近隣住民等からの騒音・振動・粉塵等に対する苦情が発生することがあります。当社では解体工事を開始するに際して、近隣住民への明確で丁寧な説明を行うと共に、工事施工中に近隣からの何らかの要望があった場合、これに丁寧に対応し、ご理解を頂きながら工事を進めます。しかしながら、何らかの事由によりトラブルに発展し、それが訴訟等に至った場合は、損害賠償請求・工事中断等により、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 (10) 不採算工事の発生

当社は、2021年度から適用された「収益認識に関する会計基準」により、売上高及び利益を計上しております。基本的には、従来の工事進行基準の対象工事を拡大して適用するものです。当社では、工事進捗度の算定にインプット法を採用しており、見積総原価に対する発生原価の割合をもって完成工事高を計上しております。

当社は、工事案件ごとに継続的に見積総原価や予定工期の見直しを実施するなど、適切な原価管理に取り組んでおります。しかしながら、大型工事において想定外の事由により、当初見積った原価が、結果的に大幅に超過した場合は、不採算工事となり、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

 (11) 新型コロナウイルスの感染拡大

当社は、建築構造物の解体を主要な業務としており、解体工事は屋外で重機を主体とした工事が多く、工事に係る作業員の数も限られております。このような特性から解体工事の施工現場においては、密集・密接・密閉を回避し、感染を予防することは可能と考えております。当社では新型コロナウイルスの感染リスク低減のため、毎日の検温実施、マスクの着用、事務所の換気の励行、リモート会議等の対策を実施するなどの対策を講じており、現在までのところ、業績への影響は特段ありません。しかしながら、今後、新たな変異株が出現し、当社の社員や現場作業者が罹患した場合においては、工事中断による工期遅延や、新型コロナウイルス蔓延に伴う経済活動の停滞により、当社の主要受注先企業の事業縮退や工事延期により、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

当社では、上記の様々なリスクに関してリスク評価表を別途作成し、発生の可能性(頻度)・影響の重大性(損失の規模)により、下記に示す“リスクマップ”を作成し、全社及び各部署でリスク情報を共有しております。

 

 


 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況

 当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の脅威が未だ大きいものの、徐々にではありますが、経済活動を再開する動きが活発化しつつありました。しかしながら、オミクロン株の感染拡大に加え、ウクライナ情勢を主因とした原油高や世界的なサプライチェーンの混乱による資材・食料等の不足・高騰等により、国内景気や企業収益の先行きは、不透明な状況であります。
 当社が属する建設業界においては、建築受注が回復傾向にあるものの、資材調達への懸念が高まっているうえ、建設技能労働者の需給が依然として逼迫しており、コスト面で不安の残る状況が続いております。そのような中で当社が専業とする解体事業におきましては、高度経済成長時代に建築された建物の維持・更新時期の到来に伴う老朽化建物の増加、ネット社会到来に伴う産業構造の変化、再開発案件の活発化等を背景に、引き続き堅調な受注環境が続いております。
 当社は、2020年5月に中期計画TANAKEN“ビジョン100”を策定し、当期が計画の2期目となり、中期計画で謳った“当社の確固たる企業基盤の構築”と“当面の売上目標100億円の早期達成”に目途を付ける期と位置付け、中期計画の最終着地人員(特に施工管理者60名体制の構築)の当期確保を図ると共に、“営業力の更なる強化”、“施工管理体制及びバックアップ体制の強化”、“BIM三次元モデルの更なる活用強化”、“ERPシステムの本格運用による事務の効率化”及び“役員体制の強化によるガバナンスの強化”を主要施策として、当社の足腰を強化しつつ業容の拡大と企業価値の向上を目指しております。

 

*BIM(Building Information Modeling:コンピューター上に現実と同じ建物の立体モデル(BIMモデル)を再現するソリューション。解体工法の検討や施主へのプレゼンテーション、解体工事コストの算定等への活用が可能。)

 

 以上の結果、当事業年度の経営成績は、売上高は9,824,388千円(前事業年度比9.0%増)、営業利益は1,418,169千円(同1.1%減)、経常利益は1,434,676千円(同1.7%減)、当期純利益は967,393千円(同1.5%減)となりました。利益面では一部大型工事の原価増等により、同期間比でわずかながら減少となっておりますが、売上面では豊富な手持ち工事が順調に消化できたことにより、同期間比で大きく増加しております。なお、新型コロナウイルス感染症による業績への大きな影響は見られておりません。

 なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等の適用により、売上高は6,958千円増加し、営業利益、経常利益はそれぞれ527千円増加しております。

 

(2) 財政状態の状況 

(流動資産)

 当事業年度末における流動資産は、前事業年度末に比べて47,692千円増加し、5,864,002千円になりました。主な要因は、現金及び預金の増加1,265,059千円、電子記録債権の増加184,709千円及びその他の増加50,334千円が生じた一方で、完成工事未収入金の減少1,451,275千円が生じたこと等によるものです。
 

(固定資産)

 当事業年度末における固定資産は、前事業年度末に比べて6,755千円減少し、1,186,395千円になりました。主な要因は、建物の減少9,331千円及び投資有価証券の減少7,015千円が生じた一方で、車両運搬具の増加4,434千円、繰延税金資産の増加3,170千円及びソフトウエア仮勘定の増加2,980千円が生じたこと等によるものです。
 

(流動負債)

 当事業年度末における流動負債は、前事業年度末に比べて632,129千円減少し、1,510,765千円になりました。主な要因は、短期借入金の減少300,000千円、未払法人税等の減少149,327千円、工事未払金の減少123,997千円、未払消費税等の減少45,953千円及び未成工事受入金の減少15,139千円が生じたこと等によるものです。
 

(固定負債)

 当事業年度末における固定負債は、前事業年度末に比べて15,419千円増加し、100,397千円になりました。主な要因は、役員退職慰労引当金の増加13,381千円及び退職給付引当金の増加2,037千円が生じたことによるものです。
 

(純資産)

 当事業年度末における純資産は、前事業年度末に比べて657,647千円増加し、5,439,234千円になりました。主な要因は、利益剰余金の増加671,628千円並びにその他有価証券評価差額金の減少13,981千円が生じたことによるものです。なお、利益剰余金の増加671,628千円は、当期純利益の計上による増加967,393千円並びに配当金の支払による減少295,765千円によるものです。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」)は、前事業年度末に比べ1,265,057千円増加し、2,795,535千円(前事業年度は1,530,477千円)となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 営業活動による資金の増減は、1,902,552千円増加(前年同期は23,688千円増加)となりました。主な要因は、税引前当期純利益の計上による増加1,434,265千円、売上債権の減少1,265,372千円及び減価償却費31,731千円が生じた一方で、法人税等の支払による減少607,762千円、仕入債務の減少123,997千円、その他の増加58,101千円及び未払消費税等の減少45,953千円が生じたこと等によるものです。
 
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 投資活動による資金の増減は、41,939千円減少(前年同期は64,455千円減少)となりました。主な要因は、定期預金の預入による支出231,121千円、有形固定資産の取得による支出22,497千円、投資有価証券の取得による支出13,136千円及び無形固定資産の取得による支出4,441千円が生じた一方で、定期預金の払戻による収入231,118千円が生じたことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 財務活動による資金の増減は、595,555千円減少(前年同期は125,869千円増加)となりました。主な要因は、短期借入金の返済による支出1,300,000千円、配当金の支払い295,555千円が生じた一方で、短期借入れによる収入1,000,000千円が生じたことによるものです。

 

(4) 生産、受注及び販売の実績

① 生産実績

当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

② 受注実績
当事業年度における受注実績は、次のとおりであります。

 

項 目

金額
(千円)

前期比
(%)

前期繰越工事高

4,427,295

98.6

当期受注工事高

9,941,920

111.1

当期完成工事高

9,824,388

109.0

次期繰越工事高

4,544,827

102.7

 

 

 

③ 販売実績
当事業年度における販売実績は、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前期比

(%)

解体事業

9,824,388

109.0

合計

9,824,388

109.0

 

(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

 

相手先

前事業年度

当事業年度

販売高
(千円)

割合(%)

販売高
(千円)

割合(%)

株式会社長谷工

コーポレーション

1,787,682

18.2

名古屋プロパティー

特定目的会社

1,357,325

13.8

 

※前事業年度においては、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。

 

  顧客区分別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

 

顧客区分別

前事業年度

当事業年度

販売高
(千円)

割合(%)

販売高
(千円)

割合(%)

デベロッパー

3,280,298

36.4

3,188,184

32.4

ゼネコン

3,326,952

36.9

4,580,657

46.6

エンドユーザー

1,922,553

21.3

1,980,761

20.2

官公庁

再開発

481,563

5.3

74,784

0.8

合計

9,011,368

100.0

9,824,388

100.0

 

(注) 当社が受注した案件について、顧客区分別に集計しております。

(1) デベロッパー  : マンション・オフィスビル等を開発する不動産会社

(2) ゼネコン    : 総合建設業会社

(3) エンドユーザー : 上記(1)及び(2)を除く一般法人等

(4) 官公庁     : 官公庁・自治体等の公的機関

(5) 再開発     : 再開発組合・団地再生組合等(デベロッパー、ゼネコン経由の販売を含む)

 

(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社の将来の財政状態及び経営成績に重要な影響を与えるリスク要因に関しては「第2 事業の状況」「2 事業等のリスク」に記載しております。

 

(6) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

 

① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a 経営成績

(受注高及び売上高)
 受注高は、毎期実施している営業力強化策や上場効果もあり、地方案件を含めた好調な新規受注の増加並びに大型工事の受注を主因に、前期比993,408千円増11.1%増)の9,941,920千円と大幅に増加し、過去最高の受注高となりました。

 

 売上高は、豊富な手持ち工事の消化に加え、好調な受注の出来高増を背景に、前期比813,020千円増9.0%増)の9,824,388千円と増加し、前期に引き続き過去最高の売上高となりました。

 当期は、主要な施策として営業力の強化を掲げ、特に再開発等への営業強化、地方案件への対応強化、官公庁工事受注体制の強化並びに新たな営業ソースの開拓を目的に、前期に新設した営業開発部にて関西地区での営業強化を図って参りました。また既存3部に於いても、引き続き成長戦略の一つである“新規顧客の開拓”の具体策としている“既存先で営業が出来ていない先への営業強化(再新規先開拓)並びに営業で連携している取引金融機関との関係強化による新規顧客の開拓強化“を図って参りました。これらの施策の実施が成果となって現れて来たものと考えております。

 

(売上総利益)
 売上総利益は、売上高の増加により前期比58,302千円増2.8%増)の2,138,336千円となりましたが、一部大型工事の原価増等を要因として売上総利益率は前期比1.3%減の21.8%となっております。

 

(営業利益・経常利益)
 営業利益は、売上総利益は増加したものの、販売費及び一般管理費は、主に中期計画の実施に伴う人件費の増加により前期比73,980千円増11.4%増)となり、前期比15,678千円減1.1%減)の1,418,169千円となりました。
 経常利益は、営業利益の減少に伴い、前期比24,258千円減1.7%減)の1,434,676千円となりました。

 

(当期純利益)
 当期純利益は、経常利益の減少に伴い、前期比14,875千円減1.5%減)の967,393千円となりました。

 

b 財政状態及びキャッシュ・フロー

 財政状態及びキャッシュ・フローの分析に関しては、「第2 事業の状況」「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」をご参照下さい。

 

c 資本の財源及び資金の流動性

 当社の運転資金需要の主なものは、工事原価、販売費及び一般管理費等の営業経費、法人税等の支払いであります。当社の事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

 当社の営業戦略であり、また、ビジネスモデルでもある元請工事比率の維持・拡大には、大きな資金需要が伴います。これは回収条件と支払い条件の差から生じる運転資金(立替資金)需要であり、大型工事ほど資金需要が多く発生するため、積極的に受注営業を展開する上で流動性の確保が必須となっております。

 当社では、豊富な手元流動資金により対応しておりますが、大型案件の増加に対応すべく金融機関に信用枠を設けており、必要に応じて信用枠を利用しております。2022年3月31日現在の信用枠の合計は2,700,000千円となっております。

 上記運転資金以外の資金需要としては、現状システム投資と株主への利益還元が主なものとなります。当社ではリスクのある運用は原則行わないこととしており、運用は短期的な預金に限定しております。

 株主還元については経営における重要課題の一つと考えており、配当性向30%以上を目標としております。当社の配当政策に関しては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご確認下さい。

 

 

② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針、重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況」「1 財務諸表等」「(1) 財務諸表」「注記事項 重要な会計方針及び重要な会計上の見積り」に記載しております。

なお、現時点では新型コロナウイルス感染症の拡大による影響について、当社業績への大きな影響はございませんが、今後の事業に対する影響につきましては、注視していく必要があるものと考えております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。