第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社は、「新しい価値を創造し、変化をもたらす次世代のチャレンジャー」を経営ビジョンとして定めており、企業の行動規範となる「Compliance」と「CSR」や、当社の強みである「CoreCompetence」を武器として、新しい価値を見出す創造性を大切にする経営方針(TripleC+C)を定めています。

 

経営方針[TripleC+C]

 

① Compliance

法令遵守だけでなく、社会人としての倫理観・正義・マナーの社会的規範などの遵守を求めます。

② CSR

本業を通じて社会に貢献していく。顧客満足の向上を目指し、ソリューションを競争力ある価値の高いものにします。

③ CoreCompetence

①②で培った企業土壌を柱として、自社を特徴づける3つの特長「技術」・「人材」・「ネットワーク」を強化します。

④ Creating New Values

当社の強みを武器として、新しい価値を見出す創造性を大切に事業を推進します。

 

 

 


 

 

(目標とする経営指標)

当社は2019年3月期を初年度とする三ヵ年の中期経営計画を策定しております。此度の新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大の影響により、冷え込んだ需要が回復していくためには一定程度の期間が必要であることが予想されるため、最終年度の2021年3月期については、当初策定した売上高20億円、営業利益3億円から、売上高16億円、営業利益2億円へと変更しております。

 

(中期経営計画最終年度の取組について)

新型コロナウイルス感染防止にむけた経済活動の影響はあるものの、フロービジネスへの人員シフトとストック売上につながるサービスラインナップの拡充で売上高は増加し、売上高・営業利益とも、創業以来最高、また売上高は8期連続増収と予想しております。一部で、企業の経営環境悪化により、開発予定であったプロジェクトが一部延期または中断になるなど影響を受けておりますが、顧客企業とは長期の関係を構築し、生産性の高いプロジェクトへの、柔軟な人材配置によるオペレーションを実現してまいります。現在、経済の回復局面を迎える各領域の需要特性に合わせ、コンサルティングおよびAI製品開発等のサービス拡充を図り、新規獲得にむけた本格的な再開準備を進めております。さらに成長戦略の継続実行に伴い、投資枠を確保する一方、コストコントロールによる固定費の効率化を実施してまいります。

以上により、中期経営計画で策定していました数値は変更しましたが、経済の回復状況により、新規売上が高まった場合においては、予想が変動することが期待されます。

 

(経営指標の目標について)

当社では、持続的に成長できる収益基盤を確立し、高付加価値のビジネス推進を狙いとして、以下の二つを重要指標として掲げております。 

 

① 成長性の高い会社

対前年売上高成長率 20%以上(年平均成長率25%以上)を目指す

② 収益性の高い会社

売上高営業利益率 12%以上、2021年3月期 15%を目指す

 

 

(中長期的な経営戦略)

今後、AI関連技術はITにおける要素技術の一つとして様々なシステムに組み込まれることから、大企業を中心に、本格的なAIシステム導入が進み、AIシステム構築の領域が大きく拡大することが予想されます。

実用的なAIシステム導入が加速していく市場の成長を見据え、当社は『AIを中心とした統合型ソリューション企業』を目指し、サブスクリプションサービス拡大を進めるとともに、成長可能性の高い重要領域のソリューションを充実させてまいります。実現にむけては、M&Aや資本提携など他企業とのアライアンスを積極的に推進していくことで、必要な人材や技術を獲得いたします。中長期的な企業価値の向上を果たすためには、絶えず戦略の見直しを行い、人材の流動化や、先行投資を進めながら、事業ポートフォリオの強化を図ってまいります。

 

図:当社が目指す企業像


 

 

当社は経営戦略の方針として、サブスクリプションサービスとコンサルティングサービスの相乗効果が起きるようなビジネスを目指します。設立以来、常に最先端の解析技術を駆使したサービスを提供することを重要戦略として位置付けており、様々な業種・業界で得られた経験を通じて、新たなプロダクト構想に向けたアイデア抽出を進めているとともに、プロジェクトの効率化運営に活かすこととしています。

 

図:経営戦略イメージ

 


 

 

 

(サブスクリプション・サービス)

当社は顧客・協業先と進めてきた数多くのプロジェクトを通じ、解析技術等のノウハウをライブラリーとして蓄積し、自社AI製品「scorobo」やAIモジュールの充実を図っており、協業先と共同でサービス展開を進めてまいります。

また、先進のビッグデータ活用技術やAI技術を持った国内外企業の調査を進めており、当該企業が保有するサービス及びプロダクトを取り込んだソリューション展開を図っていくことで、ビジネス拡大を図ってまいります。サブスクリプションサービスは、当社の将来基盤を築き上げる成長事業として最も注力してまいります。

 

(コンサルティングサービス)

現在の中核ビジネスであるコンサルティングサービスは、優先的に取引獲得を進める企業を重点強化企業として指定し、全社一丸となった取組を進めることとしています。案件の選択と集中を進めることで営業効率を高め、受注金額の高い大型案件の獲得を目指します。またコンサルティングメニューを強化し、中長期にわたり顧客への経営支援を行う体制を構築し、安定的な収益基盤として強化してまいります。さらに顧客と共にサービス展開を実施していく事業参加型案件の獲得とそれを担う人材の獲得及び育成による生産性向上策を進めてまいります。

また蓄積したライブラリーを活用したプロジェクト運営の効率化、また自社開発した解析用AIエンジンの活用を進め、プロジェクト毎の工数を短縮し、利益率の向上を図ってまいります。

 

図:今後の収益拡大のイメージ

 


 

 

当社はAI製品やAIモジュールの提供開始時において、顧客企業より初期設定費としてコンサルティングフィーを受領し、その後、顧客から継続的な使用料や運用保守料を受領するサービスの形態をストック型サービスとフロー型サービスの融合と考えており、この形態のビジネスを多くの顧客企業に展開することで収益の拡大を図ってまいります。

 

(2) 経営環境

新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大による先行き不透明感が続くことが懸念されます。その影響は現在も深刻な状況が続いており、国内外の経営環境は厳しさを増していくことが懸念されます。

情報サービス産業においても、企業のIT投資意欲に短期的な影響を受けるものの、新型コロナウイルスの影響により露呈した社会共通の課題を解決するには、ITやAIの技術要素活用が大きく期待されることから、中長期的な投資は依然として強く、当社が事業を営むビジネスアナリティクス市場・AI・ビッグデータ市場は、大きく成長すると予想されます。

特に先端解析技術革新の潮流を背景に、当社の事業領域であるAIビジネスは急速な成長が見込まれ、当社の経営環境には追い風が吹くと認識しております。今後も当社データサイエンティストによるコンサルティングメニュー、AI製品「scorobo」の性能への注目がより高まるよう努め、事業拡大に注力してまいります。

 

 

(参考)AI(人工知能)ビジネス国内市場予測について

今後は、AI関連技術はITにおける要素技術の一つとしてさまざまなシステムに組み込まれAIネイティブ化が進み、2022年度は1兆2,109億円、2030年度には2兆1,286億円になると見込まれます。

ビジネスカテゴリー別では、サービス市場では、ユーザーによってAIに求める要件/ニーズが異なるため、個別構築するケースが多く、構築サービス比率が高くなっております。アプリケーション市場では、高付加価値としてAIを搭載したソフトウェアやSaaS製品が拡大し、プラットフォーム市場では、AI技術進化が早くいため運用負担を軽減したいユーザーやPoCにクラウドを活用するユーザーが多くなるとともに、ハードウェアも大規模/長期間運用におけるコスト削減、データのガバナンス、リアルタイム性を目的とした活用も引き続き拡大が見込まれ、ユーザーの要件や用途によって使い分けやハイブリッド活用が推進していく見込みです。

 

 

 


 


出典:株式会社富士キメラ総研「2019 人工知能ビジネス総調査」(2019年3月公表)

 

 

(3) 対処すべき課題

現在、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大による先行き不透明感が続くことが懸念されます。その影響は現在も深刻な状況が続いており、国内外の経営環境は厳しさを増していくことが懸念されます。当社は適切なリスクコントロールや生産性向上に向けた取組により、直接的な影響は限定的と考えていますが、今後の経済動向は決して楽観視できないことから、引き続きその動きを注視し、企業として堅実な経営を継続していきます。

この災禍のあとにはデジタルシフトが起こり、消費者行動スタイルが大きく変わると考えられます。すでに当社ではワークスタイルが多様化した企業や、顧客獲得方法の変化への対応が求められる企業に対し、AIを活用したサービスの提供を進めております。また、経済の回復局面を迎える各領域の需要特性に応じて、拡大してくる需要への対処として、コンサルティングメニュー、AIサービスの充実など準備を進めております。

 

当社が今後『AIを中心とした統合型ソリューション企業』を目指すため、成長戦略を推進させ、競争優位性を維持できるよう、以下の重要課題を着実に取り組んでまいります。

 

 ① 中長期的な成長に向けた事業ポートフォリオの強化

今後、AI関連技術はITにおける要素技術の一つとして様々なシステムに組み込まれることから、大企業を中心に、本格的なAIシステム導入が進み、AIシステム構築の領域が大きく拡大することが予想されます。

実用的なAIシステム導入が加速していく市場の成長を見据え、当社は『AIを中心とした統合型ソリューション企業』への変貌を目指し、AI製品等によるサブスクリプションサービス拡大を進めるとともに、AIビジネス市場として成長しうる重要領域のソリューションを充実してまいります。当社は、AI統合型ソリューション事業への拡大を推進していくため、実現にむけてはM&Aや資本提携など他企業とのアライアンスを積極的に推進いたします。中長期的な企業価値の向上を果たすためには、絶えず戦略の見直しを行い、人材の流動化や、先行投資を進めながら、事業ポートフォリオの強化を図ってまいります。

 

② 成長戦略について

当社は、AIサービス及び周辺ビジネスで構成される「ビッグデータソリューション・AI製品の開発」を推進しており、データ経営診断及びデータ解析支援、AI人材教育等のソリューションサービスと、独自AI製品「scorobo」シリーズや他社AI製品などを活用したサブスクリプションサービスの二軸で成り立っております。今後、この二つのサービスを融合させながら、サブスクリプションサービスが当社事業の主軸となっていくよう、成長戦略を実行してまいります。そのために、3つのコア・コンピタンスである「国内最高峰のデータサイエンティスト集団」、「幅広い領域で活かせるAI技術を保有するライブラリー「scorobox」」、「AIビジネスを推進する企業や大学・研究機関等の協業ネットワーク」を活かしてまいります。当社の成長戦略の実現には、AI製品・モジュールの導入によるサブスクリプションサービス拡充が必要であり、以下③~⑦に記載のとおり、全社で取り組んでまいります。

 

③ サブスクリプションサービスの強化について

・当社AI製品「scorobo」等の拡充

当社は創業以来、数多くのAI技術を蓄積するライブラリー「scorobox」の充実を図っております。ここに蓄積されたAI技術は、広い範囲での応用が可能であり、様々な業界に展開させることができますが、データを大量に保有する企業と共創して、推し進めていく必要があります。

現在、数多くのビジネスアイデアを活かしつつ、複数企業との研究開発やサービス企画を進めています。具体的な取組として、株式会社SKIYAKIと進めるファンサービスのAI化の実現や、東京電力パワーグリッド株式会社と進めてきたディープラーニング技術を用いた画像点検ソリューションをインフラ保全サービスとして展開していくなど、サブスクリプションサービス拡充にむけた様々な取組を推進させております。

 

・他社AI製品の調査研究及び展開

当社独自AI製品「scorobo」の充実に加えて、「Netbase」「Cognigy」をはじめとする他社AI製品の活用を増やすことで、サブスクリプションモデルの充実を図ってまいります。当社は、国内及び米国シリコンバレーをはじめとする欧米各国での調査研究に注力しており、当社ビジネスに寄与する競争力の高いベンチャー企業を発掘し、ビジネス連携を進めてまいります。

 

(注)

Netbase  :米国発、TwitterなどのSNS投稿をリアルタイムで分析できる自然言語解析技術(NLP)を有するAI製品です。競合サービス分析やキャンペーン反応から消費者の興味・関心度が分析でき、また炎上防止やリスク分析など様々な用途に活かすことができます。50以上の言語に対応しています。

Cognigy  :ドイツ発、Chatbotなどの音声や言語による対話サービスに対して、最先端の自然言語処理 (NLP)と自然言語理解 (NLU)技術を用いて自動応答を可能とする対話型AIプラットフォーム製品です。ユーザーインターフェイスに優れ、LINE・Facebook・Slack・WhatsApp・Twilioなど他のコミュニケーションツールとも連携可能で、短期間でサービスを構築することができます。音声やテキストによる24時間顧客問合せの自動応答や、接客オーダーの自動化に至っては決済機能を追加することで一貫した顧客サービスが実現できるなど、対話接点がある業務に関し、幅広くサービスを提供することができます。15以上の言語に対応しています。

 

④ 技術力の強化

・専門人材の確保について

 当社は、技術革新の変化が著しいAI市場において、より先進的なサービスを創出していくため、各学会への参加や協業先との連携等により、成長の基盤となる技術力の向上に努めております。

また、各大学・大学院やAI業界団体等とのネットワークを活用し、高度な技術を保有する人材の確保に努めております。さらに各顧客企業の業務の知識並びにスキルを有した人材を確保し、業界の慣例・知識の習得及び教育を進めてまいります。

・スピードに対応できる組織運営

 AI業界は競合他社も多く、顧客企業のニーズも多様化しており、これらニーズにいち早く対応する必要があります。当社は、決定スピードを早め、激しい環境変化に対しても適切な判断ができるよう、フレキシブルな人員配置を行える体制を構築し、競合先と渡り合える製品・サービスの企画・開発を行ってまいります。

 

⑤ 営業力の強化

当社が事業拡大を進めていくにあたっては、協業先とのビジネス連携が欠かせません。協業先の拡大に伴う販売チャネル拡充及び営業活動により、より多くの新規顧客の獲得と既存案件を深耕することで、事業規模の大幅な拡大を図ってまいります。

 

⑥ 売上拡大について

当社は、AI製品「scorobo」等を活用して、サブスクリプションサービスを強化するにあたり、各企業と協業して売上が拡大するよう事業を推進してまいります。

また、データ経営を目指す企業に対し、AI技術を使った分析結果の提供だけでは、企業の経営課題を根本的に解決するに至らないことが多いため、総合的なコンサルティングサービス、つまりデータ経営診断、データ活用人材教育及び組織組成支援等、中長期にわたり経営支援を行うことで収益基盤の強化を図ってまいります。

 

⑦ 利益率向上について

これまでに蓄積した幅広い領域におけるAI技術のライブラリー「scorobox」を活かし、サブスクリプションサービスを展開していくことで、使用料収入増加に伴う利益率向上を図ってまいります。また、過去経験してきたノウハウをテンプレートとして活かすことで、各プロジェクトの生産効率向上を図り、利益率向上を進めてまいります。

データ分析支援やデジタル戦略システム構築等のソリューションサービスにおいては、自社社員に限定することなく、協力会社や海外人材など外部リソースを活用することで、プロジェクト採算性の向上に努めております。

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであり、当社の事業等に係るリスクをすべて網羅するものではありません。

 

(1) 事業環境に関するリスク
① ビッグデータ・AIソリューションサービスの技術革新の影響について

当社は、ビッグデータ活用技術及びAI技術に基づく事業を展開しておりますが、当該分野は新技術の開発が相次いでおり、変化の激しい業界となっております。当社は、顧客ニーズに応じた競争力のあるサービスを提供できるよう、人材の採用・育成や技術、ノウハウ等の取得に注力しておりますが、当社サービスに代わる競合他社の代替サービスが登場し、当社の競争力に影響を与える場合は、当社の事業に影響を与える可能性があります。

 

② 景気動向及び業界動向の変動による影響について

企業を取り巻く環境や企業経営の効率化等の動きにより、AI関連市場が今後急速に拡大すると当社では確信しております。このような状況下であるものの、景気動向や業界動向の変化等により顧客企業の事業環境や業績が悪化した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ システム障害について

当社の事業は、サービスの基盤をインターネット通信網や大規模なコンピュータサーバー群に依存しております。そのため、顧客へのサービス提供が妨げられるようなシステム障害の発生やサイバー攻撃によるシステムダウン等を回避すべく、稼働状況の監視及びシステムの冗長化、セキュリティ対策等による未然防止策を実施しております。このように対応は行っているものの、大規模なシステム障害等が発生した場合は、当社の事業に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 知的財産権におけるリスク

当社は、ビッグデータ解析及びAIにおける技術革新、知的財産権ビジネスの拡大等に伴い、知的財産権の社内管理体制を強化し、第三者の知的財産権侵害の可能性は可能な範囲で調査しております。当社にて十分な対応を行っているものの、万一他社の特許を侵害してしまった際には、ロイヤリティの支払や損害賠償請求等により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ プロジェクトの検収時期の変動あるいは赤字化によるリスク

当社が提供するサービスは、顧客の検収に基づき売上を計上しております。そのため、当社はプロジェクトごとの進捗を管理し、計画どおりに売上及び利益の計上ができるように努めておりますが、プロジェクトの進捗如何では納期が変更されることもあります。この場合、顧客の検収タイミングにより売上計上時期が変動し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、プロジェクトは、想定される工数を基に見積もりを作成し受注をしております。そのため、当社は顧客の要求する仕様に対する認識のズレや想定工数が大幅に乖離することがないよう慎重に工数の算定をしておりますが、業務量は顧客企業から受領するデータの内容に依存することから、事前に正確な工数を見込むことは困難であります。そのため見積もり作成時に想定されなかった不測の事態等により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ ソーシャルメディア活用に関するリスク

当社は業務上、ソーシャルメディアから日々大量に生成されるデータを取得しております。しかしながら、ソーシャルメディア運営側の方針転換等により情報提供の方針が変更となった場合、サービス品質の低下や情報の取得に対する追加コストの発生等により、当社サービスに影響を及ぼす可能性があります。

 

また、ソーシャルメディアデータに関する法整備においては、2010年1月に施行された改正著作権法でインターネット上の検索サービスを提供する事業者が、その検索サービスに必要な情報を収集する行為が一定の条件下で認められるようになりました。しかしながら、今後、新たな法律の制定や既存の法律の変更等により自主規制が求められるようになる可能性は否定できず、当社のサービスを提供する上での情報収集やサービスの提供方法自体に何らかの制約を受けることとなった場合、当社サービスに影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 当社の事業体制に関するリスク

① 特定の取引先の依存について

当社は株式会社リクルートへの売上高が2020年3月期売上高に対して28.7%となっております。同社との関係性は良好でありますが、同社の事情や経営施策によっては取引が大きく減少することにより、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 内部管理体制について

当社は、企業価値を最大化すべく、コーポレート・ガバナンスの充実を経営の重要課題の一つと位置づけ、監査役監査及び内部監査室による内部監査の実施、規程・マニュアルの制定により内部管理体制の強化を図っております。このような対応にも関わらず、法令等に抵触する事態や不正行為等が発生した場合は、当社の事業に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 人材の確保について

当社は、今後のさらなる事業拡大及び多様化に対応するため、専門的な情報技術や業務知識を有する優秀な人材を確保していくことが必要であると考えております。しかしながら、優秀な人材の確保が計画どおりに進まない場合や社外に流出した場合には、競争力の低下や事業拡大の制約要因が生じる可能性があり、結果として、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 業務委託先の確保について

当社は、自社の人材の確保及び育成に注力している一方、プロジェクトを成功させるためには、プロジェクトの各局面に応じて適切な業務委託先を確保することも必要であると考えております。そのため、業務委託先との関係を強化し、柔軟に事業規模を拡大する仕組みの構築に取り組んでおります。しかしながら、プロジェクトに対する業務委託先の関与割合が高まった場合には、顧客が要求する品質水準に達するまでに、契約時点では予見不能な追加コストが発生する可能性や、当社の品質水準を満たす業務委託先を選定できない場合や業務委託先の経営不振等によりプロジェクトが遅延する可能性があり、その場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 (3)新型コロナウイルス感染拡大、自然災害に関するリスク

① 新型コロナウイルス感染拡大のリスク

新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大による先行き不透明感が予想されます。その影響は現在も深刻さを増しており、国内外の経営環境は厳しさを増していくことが懸念されます。新型コロナウイルス感染症の終息の目途が立たず、経済回復の目途が立たない状況が続く場合、当社の事業活動に係る開発体制、営業活動に支障が生じ、当社業績に大きく影響を及ぼす可能性があります。

 

② 自然災害などによるリスク

大地震・火災・洪水等の自然災害の発生により、当社の事業活動が中断し、サービスに遅延が生じるおそれがあります。これにより、売上が減少し、事業の回復に多大な費用が生じた場合、当社業績に大きく影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績の状況

当事業年度は、国内の消費税増税の影響、米中間の貿易摩擦からの影響に加え、新型コロナウイルスによるパンデミックの影響が出始め、各国政府は感染の拡大防止対策や財政・金融対策を打ち出し、早期終息と国民生活へ与える影響の最小化に努めているものの、全世界において経済環境は急激に悪化しました。

 情報サービス産業においても、短期的には新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けると考えられますが、先進的なAIやIT技術を活用した中長期的な市場拡大は期待されると考えられます。実用的なAIシステム導入が加速していく市場の成長を見据え、当社は『AIを中心とした統合型ソリューション企業』を目指しております。

このような状況のなか、当社では蓄積された解析技術を基に、新規顧客開拓を図るとともに既存顧客の深耕による受注拡大に努めてまいりました。また、成長戦略であるサブスクリプションサービス拡充にむけて、AI製品・モジュールブランドである「scorobo」の開発やAI製品を活用したサービス構築を進めてまいりました。具体的には、「scorobo for Infrastructure」を活用した「社会インフラ領域向け劣化検知ソリューション」、企業名やブランド名など特定キーワードのモニタリングを可能にした「RealTimeMonitor by SNS Analysis」など各種ソリューションの提供を開始しております。さらに、株式会社SKIYAKIと共同で進めた「bitfan analysis」のAIエンジン開発も完了し、対話型AIプラットフォーム「Cognigy」を様々な業務シーンで効率的にサービス提供できるよう開発が進むなど、サブスクリプションサービス充実にむけた取組を推進しております。

以上のとおり取り組んできました結果、当事業年度の業績につきましては、売上高は1,377,117千円(前年同期比1.9%増)となりました。利益面では、自社製品・ソリューション作りのために、研究開発の投資をはじめ技術社員の増強、管理体制の強化費用を見込んだ一方で、業務の効率化を図ることができたことで、当初の見通しを上回る営業利益126,179千円(前年同期比35.3%減)、経常利益127,706千円(同39.8%減)、当期純利益90,370千円(同38.2%減)となりました。
(当初の見通し、営業利益70百万円、経常利益70百万円、当期純利益48百万円)

 

② 財政状態の状況

当事業年度末における資産合計は、前事業年度末と比べ416,378千円増加し1,955,969千円となりました。

 

(流動資産)

流動資産の残高は、前事業年度末と比べ274,110千円減少し1,134,859千円となりました。これは主に現金及び預金が263,114千円、売掛金が19,533千円減少したこと等によるものであります。

 

(固定資産)

固定資産の残高は、前事業年度末と比べ690,488千円増加し821,110千円となりました。これは主に投資有価証券が638,485千円、繰延税金資産が50,777千円それぞれ増加したこと等によるものであります。2019年7月にキーウェアソリューションズ株式会社との資本業務提携により同社株式を取得しました。その後、2020年6月に同社株式を売却し資本提携を解消しましたが、今後も業務上同社との良好な関係を継続してまいります。

 

当事業年度末における負債合計は、前事業年度末と比べ465,955千円増加し655,249千円となりました。

 

(流動負債)

流動負債の残高は、前事業年度末に比べ465,955千円増加し635,249千円となりました。これは主に、株式取得資金の一部に充てた、短期借入金が500,000千円増加し、一方で預り金が11,078千円減少したこと等によるものであります。

 

 

(固定負債)

固定負債の残高は、前事業年度末と同じ、本社に係る資産除去債務による20,000千円となりました。

 

(純資産)

当事業年度末における純資産の残高は、前事業年度末と比べ49,577千円減少し1,300,720千円となりました。これは当期純利益90,370千円を計上したこと等により繰越利益剰余金が69,870千円増加し、一方でその他有価証券評価差額金が119,447千円減少したことによるものであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は907,425千円となり、前事業年度末1,170,539千円と比べ263,114千円減少しました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、75,420千円(前事業年度は168,519千円の獲得)となりました。これは、主に税引前当期純利益127,682千円(前事業年度は203,660千円)、売上債権の減少、減価償却費等のプラス要因、未払金の減少、その他の負債の減少、その他の資産の増加等のマイナス要因によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、818,088千円(前事業年度は73,177千円の使用)となりました。これは、主に投資有価証券の取得による支出、無形固定資産の取得による支出等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は、479,553千円(前事業年度は543,430千円の獲得)となりました。これは、短期借入れによる収入のプラス要因、配当金の支払額のマイナス要因によるものであります。

 

 

(2) 生産、受注及び販売の実績

① 生産実績

当社が行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、記載しておりません。

 

② 受注実績

当事業年度における受注実績は、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

ビッグデータ・AIソリューション事業

1,440,090

113.7

373,093

120.3

合計

1,440,090

113.7

373,093

120.3

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

③ 販売実績

当事業年度における販売実績は、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

ビッグデータ・AIソリューション事業

1,377,117

1.9

合計

1,377,117

1.9

 

(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

前事業年度

当事業年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

㈱リクルート

373,492

27.6

396,059

28.7

あいおいニッセイ同和損害保険㈱

78,445

5.8

182,804

13.2

EASY BUY
PUBLIC COMPANY LIMITED

116,160

8.6

126,960

9.2

 

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(3) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたり重要となる会計方針は「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載のとおりであります。

その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討結果
 

(売上高)

当事業年度の売上高は、データ解析支援サービスを中心に、資本業務提携先企業や既存顧客からの受注増に加え、新規顧客の獲得の結果、前事業年度比1.9%増の1,377,117千円となりました。

 

(売上原価、売上総利益)

当事業年度における売上原価は、前事業年度比2.9%増の788,466千円となりました。これは主に業容拡大のための技術社員数の増加に伴う労務費の増加等によるものであります。

この結果、当事業年度の売上総利益は、前事業年度比0.5%増の588,650千円となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

当事業年度における販売費及び一般管理費は、前事業年度比18.5%増の462,470千円となりました。これは主に管理・営業部門の充実を図った社員数の増加に伴う人件費、各種ソリューションの提供を目指す研究開発費の増加等によるものであります。

この結果、当事業年度の営業利益は、前事業年度比35.3%減の126,179千円となりましたが、当初の見通しの70百万円に対し79.7%増となりました。

 

(営業外損益、経常利益)

当事業年度における営業外収益は、前事業年度比92.0%減の2,246千円となりました。これは主に、前事業年度に大きな計上のあった共同研究収入の減少等によるものであります。

また営業外費用は、前事業年度比93.7%減の719千円となりました。これは主に前事業年度に、東京証券取引所マザーズへの上場に伴う株式交付費及び株式公開費用を計上したこと等によるものであります。

この結果、当事業年度の経常利益は、前事業年度比39.8%減の127,706千円となりましたが、当初の見通しの70百万円に対し81.9%増となりました。

 

(特別損益、当期純利益)

当事業年度における特別利益は、37千円となりました。これは保険解約返戻金によるものであります。

また特別損失は、60千円となりました。これは保険解約損によるものであります。

この結果、当事業年度の当期純利益は、前事業年度比38.2%減の90,370千円となりましたが、当初の見通しの48百万円に対し85.4%増となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況 」に記載しております。

当社の資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。

当社の事業活動における運転資金需要の主なものは、労務費、外注費のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用、研究開発のための費用であります。当事業年度における現金及び現金同等物の残高は、利益剰余金の増加のほか短期借入金による資金調達等の一方投資有価証券の取得があったこと等により、前事業年度末より263,114千円減少の907,425千円となりましたが、流動比率は178.6%と、流動性を十分に確保しております。運転資金や投資資金については、自己資金により調達することを基本としておりますが、必要に応じて金融機関等より調達を行うこととしております。

 

④ 経営上の目標の達成・進捗状況

当社は、経営指標として対前年売上高成長率20%以上、売上高営業利益率は12%以上、2021年3月期には15%を目指しております。

当事業年度の業績につきましては、売上高は1,377,117千円(前年同期比1.9%増)となりました。利益面では、自社製品・ソリューション作りのために、戦略的な投資を行ってきた一方で、業務の効率化を図ることができたため、当初の見通しを上回る営業利益126,179千円(同35.3%減)、経常利益127,706千円(同39.8%減)、当期純利益90,370千円(同38.2%減)となりました。(当初の見通し、営業利益70百万円、経常利益70百万円、当期純利益48百万円)

結果として、当事業年度は、先行的な戦略投資の影響もあるため、目標の達成には至りませんでしたが、次事業年度は、経営指標が達成できるよう社業に取り組んでまいります。

 

当社の経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであり、当社が今後、持続的な成長を果たすためには、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の様々な課題に対処していくことが必要であると認識しております。これらの課題に対し常に最大限入手可能な情報に基づき、現在及び将来の事業環境を認識し最適かつ迅速な対応に努めていく方針であります。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

ビッグデータ・AIソリューション事業に関する契約

 

相手先
の名称

国名

契約
締結日

契約期間

契約内容

NETBASE SOLUTIONS,INC.

米国

2014年

9月26日

2014年9月26日から

2015年9月25日まで

1年毎の自動更新

販売代理店契約

NETBASE SOLUTIONS,INC.が所有する製品の国内における販売権の取得等。

Cognigy GmbH

ドイツ

2018年

8月1日

2018年8月1日から

2019年7月31日まで

1年毎の自動更新

販売代理店契約

Cognigy GmbHが所有する製品の販売権の取得等。

 

 

当社は2020年6月10日開催の取締役会決議に基づき、キーウェアソリューションズ株式会社との資本業務提携契約を解消し、同日付けで業務提携契約を締結いたしました。詳細は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 注記事項」の(重要な後発事象)をご参照ください。

 

5 【研究開発活動】

当社は、成長戦略であるサブスクリプションサービス拡充にむけて、AI製品・モジュールブランドである『scorobo』の開発やAI製品を活用したサービス構築を進めております。具体的には、「scorobo for Infrastructure」を活用した『社会インフラ領域向け劣化検知ソリューション』、企業名やブランド名など特定キーワードのモニタリングを可能にした『RealTimeMonitor by SNS Analysis』など各種ソリューションの提供を開始しました。さらに、株式会社SKIYAKIと共同で進めた「bitfan analysis」のAIエンジン開発も完了しております。

また、対話型AI製品『Cognigy』の開発期間短縮、運用効率向上を図っていくため、Google Cloud上に独自プラットフォームを構築し、医療・物流・飲食・教育分野などの業務シーンに適応した新サービス提供が進むなど、サブスクリプションサービス充実にむけた取組を推進しております。 

当事業年度の研究開発投資は37,826千円でありました。なお、開発投資の一部について資産化を行っており、研究開発投資には無形固定資産に計上された開発費を含んでおります。

当社は、ビッグデータ・AIソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。