当中間会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間会計期間の末日現在において判断したものであります。
当中間会計期間の国内経済は、企業収益及び雇用・所得環境が改善し、日米金融政策が変化する節目で為替動向は変動する状況は見られるものの景気は緩やかに回復基調で推移いたしました。情報サービス産業においては、企業の競争力強化、生産性向上のためのDX関連投資の意欲は引き続き高い状況にあり、とりわけ、ChatGPTをはじめとする「生成AI」の普及が進み、AIを活用したDX市場が拡大しております。
このような状況の下、当社は2023年に策定した中長期目標の第1フェーズである2024年3月期から2026年3月期までの3カ年を対象とした「MISSION 2025」の2年目にあたるなか、「MISSION 2025」で掲げるコンサルティングサービスの持続的な成長を達成し、並行してプロダクトサービスのラインナップを全社挙げて強化するというテーマの実現に向けて事業を推進しております。
コンサルティングサービスでは、技術面において、大規模言語モデル(LLM)に関する技術検証、数理最適化や反実仮想機械学習等の実施プロセスの標準化及び提案ソリューションの検討、分析プラットフォームであるDataBricksのナレッジ強化に取り組んでおります。また、営業面においては、新たに設定したKPIとそれに連動する営業アクションのモニタリングによる営業管理の強化、商談プロセスの改善及び標準化、提案力強化に向けたトレーニングの充実、マーケティング施策の見直し、案件創出のためのコンサルティングファーム・協業企業との連携強化および営業支援企業の活用に取り組んでおります。
プロダクトサービスでは、製品ラインアップの拡充を進めており、当社オリジナル製品としてリサーチ型テキストマイニングツール「TDSE KAIZODE」(以下「KAIZODE」)の提供を当事業年度から開始いたしました。仕入製品としては、QUID製品に生成AIによる要約機能「AI Summary(β版)」とTikTokアカウント分析機能が新たに搭載したのに加え、生成AIアプリ開発プラットフォーム「Dify」を開発するLangGenius,Inc.と国内初となる販売・開発パートナー契約を締結しております。「Dify」はすでに国内でもコミュニティ版として広く認知されている製品ですが、日本語によるテクニカルサポートやコンサルティングサービスを提供できないことが課題となっておりました。当社が国内で提携することにより、国内企業でも安心してご利用頂ける体制を整えました。また、奈良先端科学技術大学院大学と共同で、LLM利用を促進する上で主要な障壁となるハルシネーションの発生を大幅に低減する技術開発に関する研究プロジェクトを開始しております。
以上のとおり取組んできた結果、当中間会計期間の業績においては、売上高は、コンサルティングサービスにおける新規顧客の売上高が低調に推移しましたが、既存顧客の売上高が堅調に推移、プロダクトサービスにおけるQUID製品の新規契約が順調に拡大したことにより全体では1,265,711千円(前期比1.5%増)となりました。利益面では、外注費を前期比抑制しましたが、「MISSION 2025」の実現に向け営業強化・技術員採用を目的とした投資を前期比で増加させたことにより、営業利益は80,939千円(前期比30.1%減)、経常利益は79,079千円(前期比32.7%減)、中間純利益は52,603千円(前期比34.7%減)となりました。
なお各四半期及び中間期では、以下のとおりとなっております。
(千円)
〇コンサルティングサービス
データ経営を目指す企業向けにAIを中心とした統合型ソリューションサービスを提供しています。具体的には、企業のデジタルトランスフォーメーションを共に推進していくため、企業が進める事業戦略に沿う形で、データ活用のテーマ抽出→データ分析/AIモデル構築→AIシステム構築/実装→保守/チューニングに加え、教育まで一気通貫したコンサルティングサービスを提供しています。
〇プロダクトサービス
自社および他社のAI製品ならびにサービスの製品販売、または業務特有のAIモジュール(※)を顧客企業に提供し、サービス利用料ならびに運用・保守料を受領するサービスです。当社独自AI製品や、ソーシャルリスニングツールの「 Quid Monitor(旧NetBase)」、業務システムと連携し人との対話(自然言語)よりルーティン化された業務を自動化する対話型AIプラットフォーム製品「Cognigy」、生成AIアプリ開発プラットフォームの「Dify」を提供しています。
※AIモジュール:異常検知や物体認識などのAIモデル(未学習モデルも含む)であり、業務システムやアプリケーション等に組み込む、AIシステムの根幹をなすもの。
当中間会計期間末における資産合計は2,469,377千円と、前事業年度末に比べ28,988千円(前事業年度末2,440,389千円)増加、負債合計は352,826千円と、前事業年度末に比べ12,599千円(前事業年度末365,425千円)減少、純資産の残高は、前事業年度末に比べ41,588千円(前事業年度末2,074,963千円)増加し、2,116,551千円となりました。
当中間会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は1,790,053千円となり、前事業年度末1,792,432千円と比べ、2,379千円減少しました。当中間会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
営業活動の結果得られた資金は、27,735千円(前年同中間会計期間は56,600千円の使用)となりました。これは主に税引前中間純利益78,905千円(前年同中間会計期間は119,093千円)によるプラス要因、主に前渡金の増加によるマイナス要因によるものであります。
投資活動の結果使用した資金は、6,253千円(前年同中間会計期間は9,716千円の使用)となりました。これは主に保険積立金の積立によるものであります。
財務活動の結果使用した資金は、20,822千円(前年同中間会計期間は20,636千円の使用)となりました。これは配当金の支払によるものであります。
当中間会計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
当中間会計期間において、当社の事業上及び財務上の対処すべき課題について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
当社は、成長戦略であるプロダクトサービスの拡充にむけて、『TDSEシリーズ』の企画・開発を進めております。第一弾として、正常画像のみかつ少量のデータで利用可能な画像異常検知サービスの提供を開始した「TDSE Eye」においては、よりニーズに則したものへ検証を進めております。また、奈良先端科学技術大学院大学と共同で、LLM利用を促進する上で主要な障壁となるハルシネーションの発生を大幅に低減する技術の開発にも取り組んでおります。
当中間会計期間の研究開発費は24,787千円でありました。
当社は、ビッグデータ・AIソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
当中間会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。