第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものです。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社は、「夢が溢れる世界のために、人のあらゆる可能性を切り拓きます- all the possibilities -」というMissionに基づき、その世界の実現のために、あらゆる人のあらゆる可能性を信じ、それを切り拓くサポートをする存在であることを経営の基本方針としており、様々な業界、企業で活躍する人材を人材育成事業によって支援しております。

 

(2)中長期的な経営戦略、経営環境および対処すべき課題等

(中長期的な経営戦略、経営環境)

当社グループは「アジア人材育成No.1となる、 事業創造と人づくりで継続成長するグローバル企業」というVisionを掲げ、アジアでの人材育成No.1となり、「価値を創り出す意思」と「人」を根幹に、お客様に支持される事業によって継続的に成長する企業であることを目指しております。

当社サービスを取り巻く人材育成業界の市場規模は、これまで多くの企業において人材育成の必要性は認知されてはいるため、安定的ではあるものの、投資対効果が見えづらいために、大きく成長する市場ではありませんでした。

しかし、労働人口の長期的な減少を背景とした、労働生産性向上のニーズの高まりや、AI技術の革新による人の付加価値向上ニーズによって人材育成業界への期待は高まっています。この期待に応えるには『育成の成果』を明らかにし、より大きな投資に見合うサービスであるという認知の獲得が必要と考えております。

また、新型コロナウイルス感染症(CОVID-19)の世界的な拡大に伴い、対面を要しないオンラインでの研修やeラーニングへの注目は高まっており、今後も需要は拡大していくものと認識しております。

そのような経営環境を踏まえ、当社グループの大企業顧客向けのサービスである教室型研修サービス及びグローバル人材育成サービス並びに海外教室型研修サービスにおいては、前述のオンライン研修への注目度の高まりを背景に、引き続きオンライン研修への移行を促進し、利益率の向上に取り組んでまいります。

また、etudesサービスにおいては、従量課金型のストックビジネスモデルであるため、販売の拡大が事業規模の成長に直結するため、ASPの取引社数の拡大に邁進してまいります。

 

(対処すべき課題)

中長期的な経営戦略、経営環境に記載いたしました通り、オンライン研修からeラーニング、LMS(ラーニングマネジメントシステム)を総合的に提供する当社デジタル教材の拡大は、今後の事業成長や企業価値の向上にとって大変重要な課題であると認めております。
 当該課題認識の下、対策として以下の施策を実施してまいります。

 

(1)デジタル教材の拡大

新型コロナウイルス感染症の拡大により当社も当連結会計年度の業績は大きく影響を受けました。一方で、これまで一斉に集合して実施していた教育研修のあり方が見直され、オンラインにて複数の拠点にまたがっての研修開催が増加したほか、時間や場所を選ばないeラーニングやシステムにて学習管理を行うLMS(ラーニングマネジメントシステム)への注目も高まっております。

そのため当社は、etudesを中心に、オンライン研修、eラーニングなどを総合的に提供するデジタル教材について積極的に投資及び拡大を行い、事業の成長に取組んでまいります。

 

(2)研修テーマの拡充

オンライン研修を導入する企業が増加している流れを受け、当社はこれまでの既存顧客の他、新規取引先企業からの問い合わせも増しております。これまでの当社の強みである新人・中堅向けの研修テーマにとらわれず、取引先企業のニーズを幅広く確実に満たせるよう、管理職・経営層向けの研修や、海外での顧客人材の活躍をサポートするグローバルリーダー向けの研修など、研修テーマの拡充を行い、顧客の人材育成をフルサポートする体制の構築に注力してまいります。またそれにより、販路拡大やクロスセルの実施に取組み事業拡大を図ってまいります。

 

(3)育成成果施策

当社は投資対効果を明らかにする育成の成果の可視化だけでなく、育成の成果を最大化するために、蓄積された測定データを活用し、顧客企業ごとに最適化されたサービス提供が必要と考えてまいりました。

そのために当社は、顧客ニーズに沿ったカスタマイズが必須であると考え、カスタマイズチームを持ち、蓄積されたノウハウやデータを活用して、顧客企業の課題を解決する育成ソリューションを今後も提供してまいります。

研修後、職場において受講生が自分の力で経験から学習し、成長を続ける力である自己成長力を高めることを目的とした WEB サービスの「自己成長力支援サービス」や、研修後の行動実践を促して振り返りによる改善を支援し、受講生・運営管理者にとっての「手軽さ」を追求した WEB サービスである「アクションプラン実践支援サービス」など、顧客企業ごとに個別最適化された育成ソリューションを通し、育成の成果の最大化を実現するためにソリューションに対する研究開発活動を継続してまいります。

 

(4)内部管理体制の強化とコーポレート・ガバナンスの充実

当社グループは、持続的な成長と企業価値の向上のため、内部管理体制の充実が不可欠であると認識しており、役職員のコンプライアンス意識の向上、当社連結子会社ならびに各事業の取引態様に即した内部管理体制を構築するなど、コーポレート・ガバナンス体制の強化に取り組んでまいります。

今後は、上記に加え、情報セキュリティ関連システムを中心にデータを安全で効率的に管理する体制の強化を更に進めてまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある と考えられる事項を下記に記載しておりますが、当社グループの事業等のリスクは以下の事項に限定されません。当社グループは、リスクを認識した上で、発生の回避及び発生した場合には当該事象による影響が最小限となる対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、以下の事業等のリスク及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。なお、記載事項における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 新型コロナウイルス感染症(CОVID-19)の影響

新型コロナウィルス感染症の拡大に伴い、当社の教室型研修の延期や中止等によって当連結年度の経営成績は多大なる影響を受けました。オンライン研修への移行推進やeラーニングの拡大等により当社はリスクを軽減し、成長への足掛かりとしておりますが、感染拡大が今後も続き、日本をはじめ世界の市況が悪化した場合、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 事業環境について

当社グループは、大手企業を主要顧客とし、法人を対象とした人材育成事業を提供しております。現在、景気回復による労働市場の活況に伴い、企業が新卒採用を積極的に行う中、当社の主力領域である「新人・若手領域」で展開している新入社員向け研修は、堅調に推移しております。しかしながら、今後、若年労動人口及び新卒採用動向の変化により新卒採用数が減少した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 人材の確保と育成について

今後の事業拡大及び業務内容の多様化に対応すべく、優秀な人材の確保が必要となります。しかしながら、当社グループが求める人材が適切な時期に確保、育成できなかった場合、また、社外流出等何らかの事由により既存の人材が業務に就くことが困難になった場合、業務運営及び成長戦略に支障をきたし、当社グループの事業運営及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 競合について

社会人を対象とした人材育成や教育研修事業に関しては、他の研修会社やコンサルティング会社等、多数の企業が参入しており、今後より一層、品質や価格に係る競争が激化するものと認識しております。当社の競争優位性として認識しております、顧客との関係構築を通じたニーズに合わせたカスタマイズ力や、アセスメント等を通じた現場での育成成果の定着支援において、他社に対する優位性が維持できなくなった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 開始から間もないサービスについて

現在、当社グループの事業は、教室型研修等の法人向けサービスを中核としておりますが、継続的な成長に向け、2019年8月に事業譲受を行ったクラウド型eラーニングシステム「etudes」を9月より営業を開始いたしました。既存事業とのシナジー効果を最大化し「etudes」のサービス拡大を図ってまいりますが、顧客ニーズに則したサービスを提供できない場合や、システム運営や改修などによる原価の上昇が想定よりも多くなる場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 海外でのサービス展開について

① 海外関連サービスにおける外部環境の変化に係るリスクについて

当社の海外派遣研修及び語学研修「ALUGO BOOT CAMP」における派遣先国は、インド、フィリピン等、アジア方面が中心であります。海外派遣研修等を提供するにあたっては、参加者及び当社従業員の安全確保を第一に考え、常時、安全情報の入手、外務省の海外安全情報に基づく全社共通の催行基準に従って対応しております。また、当社子会社の実施する海外教室型研修は、中国並びにシンガポールにて実施しております。これらのサービスの実施に際しましては、外部機関と連携し、様々なリスクを想定した危機管理体制及び万一のトラブル・事故発生時に適切かつ迅速に対応できる体制を構築しております。

しかしながら、所在国における、テロの発生、感染症の流行、自然災害等の外部環境の変化が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

② 海外関連サービスにおける新型コロナウイルス感染症拡大に伴う渡航及び外出制限に係るリスクについて

当社の海外派遣研修及び語学研修においては、海外現地へ渡航する関係上、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い渡航や外出の制限を現在受けております。当社はサービスの提供をオンラインに切り替えるなど対応を行い、現地への渡航を要しない形での研修実施に努めておりますが、今後、現地での外出制限のさらなる強化や渡航の制限が想定よりも長期化した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 海外関連サービスにおける現地法律に係るリスクについて

当社グループの海外子会社において実施しております海外教室型研修は、所在国の政治、経済、社会情勢の変化に起因して生じる事態、関連する法令改正及び新法令の制定並びに諸規則等により所在国における事業継続が困難となるリスクを有しております。本社において、各海外子会社を統括、管理する部門を設置するとともに、社内外に構築してきた危機管理体制により、リスクに対応できる体制を整備しておりますが、このようなリスクが顕在化した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) システム障害について

当社の法人向け「ALUGO」及び個人向け「ALUGO」のレッスン予約・受講管理、並びにクラウド型eラーニングシステム「etudes」は、社内システム及びサーバ等並びにインターネットに依存しております。また、サービスはインターネットを介して行われるため、通信事業者が運営する通信ネットワークに依存しております。そのため、当社グループは、サービスの安定供給に向けて、コンピューターウイルスへの感染、ネットワークへの不正侵入、サイバー攻撃等によるシステムダウン、電力不足や自然災害等に伴うシステム障害等、顧客へのサービス提供を妨げられるようなトラブルを回避するために、外部業者によるシステムサーバの管理・監視体制の構築やセキュリティ対策等により未然防止策を講じております。また、当社の社内業務は、システム化を進めており、情報システム及びインターネット技術と密接に関連しているため、ハッキングやコンピューターウイルス被害等を予防するためのセキュリティ対策を講じております。

しかしながら、何らかの障害により、顧客へのサービス提供が不可能となった場合、当社グループの社会的信用の低下や損害賠償請求等が発生する可能性があります。また、障害の規模によっては、サービス提供の中断や修復費用の増加等により、当社グループの事業運営及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 講師・コーチの確保について

① 教室型研修の講師について

講師の品質は、当社が提供する人材育成施策の成果を左右する一つの要素であります。企業の人材戦略に応じて求められる研修テーマや育成施策が多様化する中、顧客のニーズに応え、高品質の研修を実施するためには、スキル、知識、経験を兼ね備えた講師の確保が必要であります。しかしながら、将来において、当社が求める要件を備えた講師を確保できず、主力サービスである教室型研修の提供に支障が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

② 「ALUGO」のコーチについて

当社の法人向け「ALUGO」及び個人向け「ALUGO」の英会話レッスンは、マンツーマンレッスンであり、ビジネスで通用する英会話の指導ができる高品質のコーチが不可欠となります。また、当社の英会話レッスンのコーチは、主にフィリピン在住のフィリピン人であり、当社子会社ALUE PHILIPPINES INC.において、コーチの管理を行っております。しかしながら、フィリピンの社会情勢、感染症の流行による情勢の変化、景気変動に伴う雇用情勢の変化等による報酬水準の上昇や関連する法令改正及び新法令の制定、諸規則等により、コーチの確保、法人向け「ALUGO」及び個人向け「ALUGO」のサービス提供に重大な支障が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(9) 法的規制等について

① 旅行業法について

当社の海外派遣研修及び語学研修「ALUGO BOOT CAMP」は、旅行業法における一定の事業に該当するため、当社は第1種旅行業者(観光庁長官登録旅行業 第1930号)として登録し、旅行業法に則りサービスを提供しております。しかしながら、当社が旅行業法に定める登録拒否事由に該当し、登録更新を行うことができない場合、または、旅行業法上の取消事由に該当し取消処分等を受けた場合は、登録の取消又はサービス提供の停止等を命じられる可能性があります。現時点において登録更新拒否や取消し事由に該当する事実はないと認識しておりますが、何らかの理由によりこれらの事由が生じた場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

② 個人情報保護法について

当社は、事業運営に際し、顧客企業、従業員等その他の関係者の個人情報及び機密情報を保有しております。当社では、個人情報を適切に取り扱う体制の整備にあたりプライバシーマークを取得しております。また、個人情報及び機密情報の取扱いに関する規程を定め、情報管理を徹底するための部署を設置し、定期的に情報管理に関する教育を実施する等、情報管理体制の構築、運用の徹底に努めております。しかしながら、第三者による不正アクセス、システム運用における人的過失、従業員の故意等により、個人情報や機密情報の漏洩、不正使用等の事態が生じた場合は、当社グループの社会的信用の低下や損害賠償請求等の発生により、当社グループの事業運営及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 特定商取引に関する法律について

当社の個人向け「ALUGO」は、「特定商取引に関する法律」の通信販売、特定継続的役務提供に該当し、同法並びに関連法令の適用が求められています。現時点において、同法並びに関連法令の遵守に努め、サービスの提供を行っておりますが、同法並びに関連法令に違反し、その公表による社会的信用の低下、通信販売に関する業務停止命令を受けた場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 知的財産権について

当社の事業においては、自社開発・設計によるオリジナルコンテンツを中心に顧客へ提供しております。そのため、第三者に帰属する著作権等の知的財産権、肖像権等を侵害しないよう、事前に権利関係を調査する等、細心の注意を払っております。また、当社グループの資産の保護、保全に向けて、商標権の取得や著作権の明示、自社開発した技術の特許取得を行っております。しかしながら、当社の知的財産権等に関する調査、管理が完全である保証はなく、当社が認識せずに第三者に帰属する著作権等の知的財産権、肖像権等を侵害した場合、当社に対する損害賠償や使用差し止め等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 組織体制について

① 代表取締役社長への依存について

当社の代表取締役社長である落合文四郎は、当社の創業者であり、創業以来代表取締役社長を務めております。現在においても、経営方針や事業戦略の決定から新サービスの開発等の各業務分野に至るまで、当社の事業活動全般において重要な役割を果たしております。このため当社では、取締役会や経営会議等における情報共有や経営組織の強化を図り、同氏に依存しない経営体制の整備を進めております。しかしながら、現時点においては、何らかの理由により同氏が当社グループの業務遂行を継続することが困難になった場合、当社グループの財政状態及び経営成績並びに今後の事業推進に影響を及ぼす可能性があります。

② 内部管理体制について

当社は、小規模組織による運営でありますが、当社の継続的な企業価値の向上と発展を遂げていくために、コーポレート・ガバンス体制の強化は重要な課題の一つであると認識しております。現在、財務報告の信頼性、業務の有効性及び効率性、事業活動に関わる法令等の遵守、資産の保全を実現するために、内部統制が有効に機能する体制を構築し運用に努めておりますが、今後、事業の急速な拡大により、十分な内部管理体制の構築、運用を促進できない場合、適切な業務運営が困難となり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(12) 四半期ごとの収益変動について

当社の収益の大半を占める法人向けサービスは、顧客の人材育成計画と連動しております。特に、当社が強みとしている新入社員育成については、顧客の新入社員受入れに伴う研修の実施が4月に集中いたします。その一方、月ごとの変動の小さい人件費等の固定費は継続して発生することから、第2四半期(4~6月)の売上高及び利益は大きくなる傾向にあり、第1四半期(1~3月)及び第3四半期(7~9月)の売上高及び利益は小さくなる傾向にあります。したがって、第2四半期において当社グループの経営成績が不調となる場合には、当社グループの通期の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13) 講師、コーチの不祥事、風評等のリスクについて

当社グループは、講師やコーチが、事故、事件、不祥事等を起こした場合、又は巻き込まれた場合、風評及び報道がなされた場合等には、当該講師、コーチの研修への登壇中止等の措置が必要となるため、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、これらの発生事象に対し、当社グループの対応等に関わらず、投資家、マスメディア、インターネット、その他を通じて社会全般に広まった場合において、当社グループへの悪影響により社会的信用が損なわれ、事業運営及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下の通りです。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症(CОVID-19)の世界的な拡大に伴い、各国への渡航制限が実施される中、日本国内では、4月に発出された緊急事態宣言が解除された以降も、感染症拡大の防止策を多数講じているにも関わらず、感染症の収束時期は未だ予測できないため、経済の先行きが不透明な状況が続いております。

また、国内の人材育成を取り巻く環境は、従来の大人数で集合し一斉に研修を実施する形態の集合研修は、感染拡大防止の観点から実施を見送られることが多くなっており、インターネットを活用した研修の形式に注目が集まっております。

このような環境の中、当社グループでは、オンラインでの研修実施への移行を急速に進め、eラーニングの拡充やLMS(ラーニングマネジメントシステム)の販売拡大に努めるなど、「夢が溢れる世界のために、人のあらゆる可能性を切り拓きます- all the possibilities -」というMissionのもと、新しい働き方に合わせた人材育成のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進してまいりました。

なお、当社グループは、人材育成事業の単一の報告セグメントでありますが、経営成績の概況についてはセグメントに代えてサービス別に記載しております。

 

<教室型研修>

教室型研修の当連結会計年度における売上高は、上半期において、顧客の新人研修の実施が集中し毎期大きく売上が上がる4月に緊急事態宣言が発出されたことにより、教室研修の実施の延期や見送りが相次ぎ売上が減少いたしました。一方で、新型コロナウイルス感染症の拡がりの影響を受け、テレワークに代表される新しい働き方が急速に浸透し、研修のオンラインでの実施や、eラーニングの注目度が大きく高まったことで、下半期の売上高は好調に推移いたしました。

以上の結果、教室型研修の売上高は、1,394,266千円(前連結会計年度比26.9%減)となりました。

 

<グローバル人材育成>

グローバル人材として必要なマインドやスキルの習得を促すため、海外現地での研修を実施している海外派遣型研修やビジネス英会話サービスの「ALUGO」を提供しているグローバル人材育成の売上高は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う渡航制限や現地での移動制限の影響を受け、前連結会計年度の売上高を下回ることとなりました。

以上の結果、グローバル人材育成の売上高は、139,730千円(前連結会計年度比67.5%減)となりました。

 

<海外教室型研修>

当社の子会社が現地法人向けに教室型研修を提供している海外教室型研修の当連結会計年度における売上高は、グローバル人材育成と同様に渡航制限や現地での移動制限の影響を受け、前連結会計年度の売上高を下回ることとなりました。

以上の結果、海外教室型研修の売上高は、74,591千円(前連結会計年度比40.4%減)となりました。

 

<etudes>

クラウド型eラーニングシステム「etudes」の当連結会計年度における売上高は、教室型研修と同様に新型コロナウイルス感染症の拡がりによる新しい働き方の浸透が、人材育成のDXを促し、eラーニング等の受講状況の管理や、効果測定等が可能なLMS(ラーニングマネジメントシステム)への注目度が増したことで好調に推移いたしました。

以上の結果、「etudes」サービスの売上高は、211,037千円(前連結会計年度比360.4%増)となりました。

これらの結果、当社グループの当連結会計年度における売上高は、1,819,626千円(前連結会計年度比27.5%減)と前連結会計年度に比べ690,307千円の減少となりました。

 

当連結会計年度における売上原価は、etudesの事業拡大に伴う人件費やサーバー等に係る費用の増加があった一方、オンラインでの研修実施の拡大により、納品に伴う旅費交通費や、教材のデジタル化による印刷外注費の減少等により全体的な原価率の低減がありました。当連結会計年度における原価率の低下は、人材育成のオンライン化に伴う低減効果が大きいと認識しており今後も継続するものと考えております。

販売費及び一般管理費においては、海外拠点の組織体制の見直しによる固定費の減少や、テレワークの推進による通勤費や営業目的での旅費交通費の低減がありました。

これらの結果、当社グループの当連結会計年度における営業損失は、218,750千円となり、経常損失は、216,934千円となりました。

また、当連結会計年度においては、特別利益及び特別損失を計上しており、生命保険の解約に伴う保険解約返戻金として7,570千円を特別利益に計上しております。また、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響を受け、事業整理損として、海外の事業規模の見直しを行ったことによる費用を11,952千円、新型コロナウイルス感染症による損失として、感染症の拡大の影響による政府の緊急事態宣言の発出を受け、集合形式での教室型研修の実施を見送るケースによる外部講師に対するキャンセル費用等を20,663千円、投資目的で保有していた有価証券を新型コロナウイルス感染症による影響を勘案し評価した結果、投資有価証券評価損として14,999千円を特別損失へ計上しております。

これらの結果、当社グループの当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純損失は、191,464千円となりました。

 

 財政状態については、当連結会計年度末では以下の通りとなりました。

(単位:千円)

 

前連結会計年度

2019年12月31日

当連結会計年度

2020年12月31日

増減

流動資産

1,067,118

1,694,793

627,674

固定資産

216,696

250,790

34,094

資産合計

1,283,814

1,945,584

661,769

 

 

 

 

流動負債

191,779

432,119

240,340

固定負債

36,909

669,119

632,209

負債合計

228,689

1,101,239

872,549

 

 

 

 

純資産合計

1,055,125

844,345

△210,780

 

 

 

 

負債純資産合計

1,283,814

1,945,584

661,769

 

 

 

主な変動理由は以下の通りです。

流動資産

当連結会計年度における流動資産残高は、1,694,793千円となり、前連結会計年度に比べて627,674千円の増加となりました。これは主に、借入の実行等により現金及び預金が566,198千円増加したことによるものです。

 

固定資産

当連結会計年度における固定資産残高は、250,790千円となり、前連結会計年度に比べて34,094千円の増加となりました。これは主に、当連結会計年度において親会社株主に帰属する当期純損失を計上したことに伴い、税務上の繰越欠損金等にかかる繰延税金資産が68,784千円増加したことによるものです。

 

流動負債

当連結会計年度における流動負債残高は、432,119千円となり、前連結会計年度に比べて240,340千円の増加となりました。これは主に、借入の実行により1年内返済予定の長期借入金が245,492千円増加したことによるものです。

 

固定負債

当連結会計年度における固定負債残高は、669,119千円となり、前連結会計年度に比べて632,209千円の増加となりました。これは主に、借入の実行により長期借入金が632,563千円増加したことによるものです。

 

純資産

当連結会計年度における純資産残高は、844,345千円となり、前連結会計年度に比べ210,780千円の減少となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失の計上及び配当金の支払いにより利益剰余金が211,728千円減少したことによるものです。

 

 ② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は、1,255,024千円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動により使用した資金は、266,307千円となりました。

これは主に、税金等調整前当期純損失が256,980千円となったことに加え、法人税等の支払額による支出が14,795千円になったこと等によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動により使用した資金は、25,713千円となりました。

これは主に、無形固定資産の取得による支出が23,628千円となったことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動により獲得した資金は、860,480千円となりました。

これは主に、長期借入による収入が1,100,000千円となった一方で、長期借入金の返済による支出が221,945千円、配当金の支払いによる支出が17,624千円となったこと等によるものです。

 

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

 なお、新型コロナウィルス感染症の影響については、「第一部 企業情報 第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。 

 

  繰延税金資産の回収可能性

 繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。

 収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するにあたっては、一時差異等の解消見込年度及び繰戻・繰越期間における課税所得を見積っております。課税所得は、事業計画数値を基に経営環境等の外部要因に関する情報や当社グループが用いている内部の情報(過去における事業計画数値の達成状況、予算など)を整合的に修正し見積っております。当該見積りには、売上高に影響する企業向け研修サービスやeラーニングサービスの過去の実績を踏まえた一定の成長率などの仮定を用いております。

 当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。

 

④ 生産、受注及び販売の状況

イ.生産実績

当社グループは、人材育成事業の単一の報告セグメントであり、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、記載をしておりません。

 

ロ.受注実績

当連結会計年度における受注実績は、次のとおりです。

 

区分

当連結会計年度

(自 2020年1月1日

至 2020年12月31日)

受注高
 (千円)

前年同期比
 (%)

受注残高
 (千円)

前年同期比
 (%)

教室型研修

1,204,612

△34.8%

401,515

△32.1%

グローバル人材育成

52,973

△87.8%

52,820

△62.2%

海外教室型研修

85,057

△27.4%

18,534

129.7%

etudes

220,633

158.6%

21,331

△32.8%

合計

1,543,276

△37.7%

494,202

△35.9%

 

(注) 1.当社グループは単一の報告セグメントであるため、サービス別に記載しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

ハ.販売実績

当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。

 

区分

当連結会計年度

(自 2020年1月1日

至 2020年12月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

教室型研修

1,394,266

△26.9%

グローバル人材育成

139,730

△37.5%

海外教室型研修

74,591

△40.4%

etudes

211,037

360.4%

合計

1,819,626

△27.5%

 

(注) 1.当社グループは単一の報告セグメントであるため、サービス別に記載しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.総販売実績に対する販売実績の割合が100分の10以上の相手先が存在しないため、主な相手先別の販売

実績等の記載は省略しております。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

  文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表及び財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第一部 企業情報 第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載の通りであります。

また、当社の財務諸表作成で採用する重要な会計方針は、「第一部 企業情報 第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載の通りです。

この連結財務諸表及び財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行っておりますが、不確実性が内在しているため、将来生じる実際の結果と異なる可能性があります。

 

② 経営成績の分析

当連結会計年度における経営成績の分析につきましては、「3  経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析  (1)経営成績等の状況の概要  ①財政状態および経営成績の状況」に記載のとおりです。

 

 

③ 財政状態の分析、キャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度末における財政状態の分析ならびに当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況、②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

④ 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの資金需要は、運転資金に加え、オンライン研修導入企業増化の流れを確実にキャッチするために、若手・中堅社員向けの研修テーマに留まらず管理職・経営層向けの研修テーマやグローバルリーダー向けの研修テーマの拡充や、eラーニングコンテンツ数の拡大などへの投資、etudesサービスの機能追加及びUXの向上への投資など、当社デジタル教材の充実にのための投資があります。これらの資金需要に対して、主に自己資金を充当し、必要に応じて金融機関からの借入により調達する方針としております。

当連結会計年度末の現金及び現金同等物は1,255,024千円となっており、当社グループの事業活動を推進していくうえで十分な流動性を確保していると考えております。

 

⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループが今後も持続的に成長していくためには、経営者は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載した課題に対応していくことが必要であると認識しております。現在当社が置かれている環境を鑑み、経営者は外部環境の変化についての情報入手及び分析を継続的かつ迅速に行い、適切な対応策を策定し実施していく方針であります。

当社グループは、現状においては事業拡大フェーズにあると考えており、一定の収益性を確保しながら売上高を成長させていくことが重要であると考えています。したがって、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標としては、売上高、売上高成長率、営業利益ならびに営業利益率を重視しています。当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、重視している指標が前連結会計年度を下回る結果となったものの、研修のオンライン化が急速に浸透し、またオンライン研修は従来の集合形式での研修に比べ印刷費・会場費・旅費等の原価が低減が可能となりました。以上のことから、これら指標の当連結会計年度の実績および翌連結会計年度の計画は以下の通りとなっております。

 

 

 

前連結会計年度

(実績)

当連結会計年度

(実績)

翌連結会計年度

(計画)

売上高

(百万円)

2,509

1,819

2,270

売上高成長率

(%)

8.9

△27.5

23.4

営業利益又は営業損失(△)

(百万円)

165

△218

230

営業利益率

(%)

6.6

10.1

 

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

当連結会計年度の研究開発活動は、当社のサービス品質の向上及び既存サービス周辺領域への新規サービス提供のため、日々研究を積み重ねております。当社は、昨今の研修のオンライン化の流れを受け、研修テーマの拡充やグローバル人材育成サービスのオンライン化に積極的に取り組んでおります。

「教室型研修」においては、経営幹部人材などのマネジメント層へ向けての研修テーマの拡充を目的に教材開発へ投資を行いました。

また、グローバル人材育成においては、法人向け「ALUGO」のサービス刷新に伴うシステム開発やアプリの更新などを目的としたⅠT関連投資を行いました。

以上の結果、当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は7,355千円となりました。