文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループの経営理念は「ヤシマキザイは、鉄道・交通ビジネスに強い専門商社として、限りの無い成長を目指します」、「ヤシマキザイは、人材育成を通して、会社の成長を社員と分かち合います」、「ヤシマキザイは、法令を遵守し、良き企業市民として社会に貢献します」としております。
当社グループは、2024年度から2026年度の3ヶ年中期経営計画を策定し、基本方針として以下を定めております。
「既存事業の基盤強化と付加価値向上を図る。」
「成長発展が期待できる分野の選定と、人員配置の見直しにより、次世代を担う新事業を開拓する。」
「一般セグメントの収益性を向上させ、投下リソースに見合う採算を確保できる体制を構築する。」
「ODA鉄道インフラ整備案件への参画を通して、グローバル市場を開拓する。」
「長期的な社会課題と向き合い、人的資本への投資を通じてヤシマキザイグループの成長力を強化する。」
「ヤシマキザイグループとしての連携を強化し、信頼回復・向上を図る。」
これらの方針に基づき、当社グループの事業環境を踏まえて対処すべき課題等に取り組んでまいります。
当社グループは、2024年度から2026年度の3ヶ年中期経営計画の最終年度(2027年3月期)における売上高、営業利益等の数値目標を次のように設定し、自己資本利益率(ROE)につきましては、5%超を確保することを目標としております。
また、上記の目標達成に向けた取組みの進捗及び成果を適時に測定するため、以下の指標をKPIとしました。
営業人員1人当たり売上総利益(目標値:20百万円/人)
営業人員比率(目標値:66.6%)
当連結会計年度におけるKPIの状況は、営業人員1人当たり売上総利益17.6百万円/人(達成率88.0%)、営業人員比率66.2%(達成率99.4%)であり、目標値を下回る結果となりました。引き続きKPIの達成と、それによる自己資本利益率(ROE)5%超の確保に向けて取り組んでまいります。
日本経済は、企業の業績回復や雇用情勢の変化による賃金上昇、インバウンド需要の増加等もあって景気は緩やかな回復基調を維持することが期待されるものの、原材料等の価格高騰や物流コストの上昇、急激な為替変動等に加え、海外経済においても地政学的な不確実性をはらんでいる他、米国の政権交代による政策変更とそれに伴う貿易及び世界金融の不安定化、中国経済の減速等の下振れリスクを抱えており、景気の先行きは不透明な状況で推移するものと予想されます。
当社グループの主要顧客である鉄道事業者においては、新型コロナウイルス感染症の影響によって落ち込んでいた運輸収入がインバウンド需要を取り込みながら回復し、設備投資にも意欲を見せております。安全投資の重要性も増している他、人材確保やコスト削減の問題もあって、効率化・省力化のための商材需要が高まりを見せる等、当社グループの受注環境も好転してきております。一方で、ポストコロナ社会における人々の行動や価値観の変容に加え、少子高齢化による定期旅客の減少傾向を受けて、鉄道事業者において赤字路線の存廃議論の提起や、不動産開発等に代表されるような代替収益源確保の動きを加速させており、依然として楽観できない経営環境が続くものと予想されます。
(内部統制上の課題)
第80期内部統制報告書に記載のとおり、不適切な会計処理に関連して下記の課題が識別されていました。
① 当社における課題
(決算財務報告プロセスに係る内部統制の改善)
当社の財務経理部門における連結決算プロセス上の点検事項に含めるべき項目が整備されていなかったため、再発防止策として当社はヤシマ上海における会計・決算に関するリスクを踏まえて、連結決算チェックリストにチェック項目を追加して運用してまいりました。
しかしながら、ヤシマ上海に係る連結決算プロセスにおいて当社の財務経理部門の連結子会社への方針指示等を行う担当者と連結決算作業担当者間の連携ミスによる会計処理の誤りが発見されたため、改善に向けて以下の課題に取り組んでまいりました。
・連携ミスにより会計処理誤りにつながった要因を踏まえて、連結決算チェックリストの更新を行う。
・連結決算プロセスの点検事項の追加・変更が必要な事象の有無を定期的に確認する手続を整備する。
② 連結子会社(ヤシマ上海)における課題
(決算財務報告プロセスに係る内部統制の改善)
当社の中国における連結子会社であるヤシマ上海において、決算作業プロセスにおける債権評価に関して、債権の滞留状況をチェックする手続及び債権評価と貸倒引当金の計上ルール等が整備できていなかったことを受け、再発防止策としてそれらをマニュアルとして整備し、運用してまいりました。
しかしながら、特定の得意先に対する債権について、マニュアルに定めた滞留状況のチェック及び残高確認手続を実施した際に識別された差異の解消のために、得意先と相互に取引内容を確認する手続が期末決算手続中に完了しなかったため、改善に向けて以下の課題に取り組んでまいりました。
・残高確認によって差異が識別された得意先に対し、相互に取引内容を確認するコミュニケーションを通じた差異の解消を適時適切に行う。
・必要な会計処理を行う手順を決算チェックリストの点検項目として追加し、運用する。
(業務プロセスに係る内部統制(販売プロセス)の改善)
売上計上に関して売上計上の時期、金額を示す証憑類が具備されていることを、売上計上処理担当者以外の第三者が承認するルール等が整備されていなかったことを受け、再発防止策としてヤシマ上海の販売業務における売上計上に係る内部統制の強化のため、同社を重要な事業拠点とした上で、販売プロセスを評価対象に追加しました。
しかしながら、売上計上の要件となる証憑類の具備に関するルールが、通常の取引パターン以外の事例まで含めてカバーできておらず、特定の得意先に対する販売取引において、売上計上時期の誤りが識別されたため、改善に向けて以下の課題に取り組んでまいりました。
・売上計上の証憑類具備のルールに関して、前連結会計年度において開示すべき重要な不備に至ったパターンを踏まえた更新を行う。
・通常の取引パターンと異なる事例の収集及び分析を通じてルールを定期的に更新する手続を整備する。
(業務プロセスに係る内部統制(棚卸資産管理プロセス)の改善)
棚卸資産管理に関して、その実在性の検証として、実地棚卸の実施状況を評価する手続が計画されていましたが、通常棚卸資産を保管しない一部の拠点に対して実地棚卸が計画・実施されておらず、実在性が確認できない資産が会計帳簿に計上されていることが発見できなかったことを受け、再発防止策としてヤシマ上海の実地棚卸の範囲を全拠点とし評価してまいりました。
しかしながら、全ての拠点について実地棚卸(預け在庫の確認手続含む)を実施すべきところ、特定の拠点において一部の手続が未了となっていることが識別されたため、改善に向けて以下の課題に取り組んでまいりました。
・実地棚卸(預け在庫の確認手続含む)の実施予定範囲と実施結果の報告経路を明確にし、照合手続を強化する。
(業務プロセスに係る内部統制(購買プロセス)の改善)
仕入債務計上に関して、未計上となっている証憑類から計上すべき取引の有無を確認する等、計上漏れを確認する統制手続が整備されていなかったことを受けて、再発防止策としてヤシマ上海の購買業務における仕入債務計上に係る内部統制の強化のため、同社を重要な事業拠点とした上で、購買プロセスを評価対象に追加しました。
しかしながら、仕入計上の要件となる証憑類の具備に関するルールが、通常の取引パターン以外の事例まで含めてカバーできておらず、特定の仕入先に対する購買取引において、仕入債務計上時期の誤りが識別されたため、改善に向けて以下の課題に取り組んでまいりました。
・仕入計上の証憑類具備のルールに関して、前連結会計年度において開示すべき重要な不備に至ったパターンを踏まえた更新を行う。
・通常の取引パターンと異なる事例の収集及び分析を通じてルールを定期的に更新する手続を整備する。
上記の課題において、当社の経営陣は上場企業として財務報告に係る内部統制の整備及び運用していく責任と不適切な事案の検出時に適切に全社的な再発防止策のサイクルを形成する等の立場、グループ全体でのリスクマネジメントを行っていくべき立場を十分に自覚し、各再発防止策に取り組んでまいりましたが、前連結会計年度においては一部の再発防止策について適切な水準で整備・運用することができず、継続して開示すべき重要な不備を識別するに至りました。この点について真摯に反省しており、当連結会計年度において上記のとおり再発防止策を整備し、運用の徹底に努めてまいりました。今後も長期的な視点を持ち、内部統制及びコンプライアンス意識の更なる向上に努め、信頼性ある財務報告を継続する経営管理基盤を強化してまいります。
(経営戦略上の課題)
当社グループは、新たな3ヶ年中期経営計画を策定し当連結会計年度よりスタートしております。新たな中期経営計画においては、前中期経営計画において未達成に終わった目標を引継ぎ、安定成長軌道への回帰や、新たな企業価値の創出を目指します。また資本コストを意識し、ROE5%超の達成に向けて、以下のことを基本方針として、当社グループの発展と業績の向上に取り組んでまいります。
特に、海外案件における引当金計上が当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失の計上の主因となったことから、④におけるリスク管理等には一層の注力を図ってまいります。
当社グループは鉄道専門商社として、鉄道分野への販売を事業基盤としており、この事業基盤をさらに強化するため、既存仕入先との関係強化及び新規仕入先の開拓による商権・商材の拡充を行い、持続的な成長に努めます。
鉄道分野における事業領域の拡大を図るため、市場の動向を把握し、付加価値の高いサービスの提供や、JR各社以外の公営・民間鉄道事業者への営業活動に注力するとともに、検修設備・保線等車両周辺領域への深耕や、新たなビジネスモデルの創出により、車両周辺分野に並ぶ新たな収益源の開拓に努めます。
鉄道分野以外の事業領域の拡大を図るため、人的リソースの適正配置と、新たな販売先や新たな商材の開拓・開発を進めるとともに、専任グループによる全国横断的な営業展開により、業務効率化・生産性の向上を図ります。
ODAによる鉄道インフラ整備案件に注力し、海外パートナーとの連携や、従来海外の案件対応を行っていた部門に限らず、グループ内の各部門が連携して知見の向上や体制を強化するとともに、リスク管理を図りながら中長期的に商圏の拡大を目指します。
鉄道を主とした社会インフラに関わる企業として、社会の持続可能性に配慮した経営を実践いたします。環境に配慮した製品やサービス提供をはじめとして環境問題に取り組み、同時に持続可能な成長のために不可欠な、人的資本への投資を行います。当社グループは事業の中核となる経営資源を「人」と考えております。そのため、生産性の向上に寄与するエンゲージメント強化に主眼をおいた、働きやすい制度及び環境の整備を実行することで成長力の強化を図ります。
不適切な会計処理が発生したことに対する反省も込めて、改めて経営の公正性・透明性、迅速な意思決定の維持・向上を目的に、コーポレートガバナンスの強化を図るとともに、コンプライアンスを徹底し、果たすべき役割と社会的責任を常に自覚して、企業活動を推進することで信頼回復と信頼向上に努めます。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
サステナビリティ全般に関して
当社グループでは、2021年5月に「サステナビリティ方針」を下記のとおり定めております。
ヤシマキザイグループは、鉄道を主とした社会インフラに関わる企業として、社会の持続可能性に配慮した経営を実践し、限りの無い成長を目指します。そのために、時代のニーズに合わせ、環境に配慮した製品やサービスの提供及び当社グループ内での環境問題への取組を通して社会に貢献していきます。また、持続可能な成長のために不可欠な、人材への投資を行い、生産性の向上に寄与するエンゲージメント強化に主眼をおいた働きやすい制度及び環境の整備をしていきます。さらに、コンプライアンスの徹底とともに、果たすべき役割と社会的責任を常に自覚し、長期的視点に立った企業活動を推進していきます。
当社グループでは、サステナビリティに関する課題への対応を強化するため、2022年12月26日付で代表取締役社長を委員長とする「サステナビリティ委員会」を設置いたしました。当委員会は、サステナビリティ戦略と具体的な施策、指標と目標について検討を行っております。また、当委員会は、施策所管部署への指示・実施状況管理、取締役会及び経営会議への報告・提言を行うこととしており、サステナビリティに関するガバナンスとリスク管理の中核を担います。
当社における「サステナビリティ委員会」の位置づけ

当社グループは、SDGsの趣旨に賛同しており、下記に掲げる具体的な取組を行い、SDGsが掲げるゴールを目指します。
イ. 地球温暖化や大気・水質汚染の防止
ペーパーレス化の推進を通じ、森林破壊の抑制に取り組み、地球温暖化や大気・水質汚染の防止に貢献していきます。
<具体的な取組>
社内での紙類の使用量を低減し、ペーパーレス化を推進
ロ. 二酸化炭素排出量の削減
社用車のハイブリッド車両への入替を推進し、二酸化炭素排出量の削減へ貢献していきます。
<具体的な取組>
社用車のハイブリッド車両への入替を推進
ハ. 社会貢献活動
医療・環境・教育団体へ寄付を通じ、社会貢献活動を支援していきます。
<具体的な取組>
日本赤十字社、WWFジャパン、日本学生支援機構への寄付
ニ. 社員が働きやすい環境づくり
働き方改革や健康経営の推進により、ダイバーシティとワーク・ライフ・バランスの実現を目指します。
<具体的な取組>
・ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の理解を通した、女性の働きやすい環境づくり、障がい者の働きやすい職場づくり
・テレワーク勤務制度、時差出勤制度、誕生日休暇等の各種休暇制度、ノー残業デー(健康と家族を考える日)を利用した働き方改革実施
・健康診断の受診率の向上、再検査受診促進、及び健康保険組合と連携した活動による社員の健康維持・増進支援
ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の取組を推進
D&Iの取組については、当社Webサイトで公開しております。
URL https://www.yashima-co.co.jp/ja/company/sustainability/d_and_i.html
当社は、組織の持続的成長や価値創造を支える原動力は「人」であり、人々が持つ知識やスキル・能力を経営に必要な資本だと考えており、人材への投資を行い、生産性の向上に寄与するエンゲージメント強化に主眼をおいた働きやすい制度及び環境の整備をしていくため、人材育成基本方針及び社内環境整備方針を定めております。
当社グループは、人材育成基本方針に基づき、以下の取組を行っております。
・コンプライアンス研修等の実施
外部研修の利用や、当社グループに合わせた独自の研修資料を用いた各種研修等を実施しています。
・自己啓発援助金制度の制定
社員の研修費用や資格取得費用の70%、年間最大10万円までを助成し、社員の自主的な能力開発を促し、また取得した資格等に応じて資格手当を支給しています。
当社グループは、社内環境整備方針に従い、以下の取組を行っております。
・社員のエンゲージメントレベルの把握
社員のエンゲージメントレベルを定期的に把握し、組織力の維持・向上を目指します。
・エンゲージメントレベルに応じた1on1ミーティングの実施
自発的な発言を尊重して話し合いを行う場を提供する事により、活気ある職場づくりやエンゲージメント向上に繋げます。
・在宅勤務・時差出勤・サテライトオフィスの導入による働き易さの追求
柔軟な働き方に対応し、能力を発揮できる環境作りを行います。
・健康支援
社員の健康づくりを奨励し支援するため、予防接種の個人負担分の助成や、産業医面談の促進、健康診断受診率向上のための受診者を対象としたインセンティブの付与等を行います。
当社グループでは、コンプライアンス・リスク管理委員会において、全社的なリスクを網羅的、一元的に管理を行っておりますが、サステナビリティ関連のリスク及び機会については、サステナビリティ委員会が特定、評価、優先順位付けとその対応策についての検討を実施しております。特定されたリスク及び機会は経営会議、取締役会、及び関連部署へ共有を行います。
現状において想定しているリスクは、「
当社グループでは、(2)②に記載した人的資本について、2024年度から2026年度を対象とする中期経営計画において、その方針及び施策の実施状況や効果の測定のため、以下の指標をKPIとしました。
・コンプライアンス研修の受講率(目標値:100%)
当社独自制作教材を基に、業務に関する会計やその他の法的知識、倫理について教育し、確認テストを実施の上、合格をもって受講修了としており、不合格者については合格まで再研修を施すことで教育の実効性を担保します。
・エンゲージメント指数(継続的なポイント上昇を目標とする)
当社ではこれまで、メンタルヘルス調査結果等を用いて算出した従業員エンゲージメントを測定することで従業員の状況を把握し、社員の働きやすい環境や自己実現のための教育体制の整備に取り組んでまいりました。
2025年3月期以降においては、昨今の企業経営において人的資本開示の重要性が一層高まっていることを受け、国内外で多くの企業が採用しているeNPS (職場に対する推奨度) を指標とすることといたしました。
※eNPSは従業員が会社を「友人や知人に推薦したいか」という問いに基づき、従業員エンゲージメントを定量的かつシンプルに評価できる指標です。
その他女性活躍推進法等に基づき、次の指標について目標を設定し、実績を公表しております。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
当社の主要な仕入先は株式会社日立製作所であり、2025年3月期の連結仕入高に対する割合は49.2%となっております。同社との間では情報機器、受変電設備機器、鉄道車両用部品等の販売に係る特約店契約を締結しており、取引関係は安定しております。
当社は今後もこの関係を継続する方針でありますが、手形の不渡等の契約解除事由の発生や、仕入先の特約店政策の変更や事業の再編等により今後の取引関係が継続困難となった場合、その他仕入先の製品供給の停滞、製品の品質に関する重大な欠陥の発生、取引条件の変更等により、当社が安定的に製品を調達することが困難になった場合、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、鉄道事業と一般事業の2つのセグメントによる事業展開を行っておりますが、鉄道事業における売上が相対的に高くなっており、鉄道分野の業界に依存している状況です。その中でもJR3社への売上が大きく、2025年3月期の連結売上高において西日本旅客鉄道株式会社14.4%、東海旅客鉄道株式会社14.3%、東日本旅客鉄道株式会社13.6%を占めております。そのため、これら各社の設備投資計画の動向によっては当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、鉄道業界における事業環境の変化等により、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは連結子会社の存在する中国や、フィリピン、ベトナム、インドネシア、インド等に拠点を持ち、グローバルに展開しております。これらの国又は地域におけるカントリーリスク等について慎重に検討して対応を行っておりますが、国際金融、景気変動、輸出規制や関税障壁等による貿易環境の変化等による経済的リスクや、戦争、テロ、大規模デモ、政権交代等による政情不安、感染症等による政治的・社会的リスクといった、現時点で予測不可能なリスクが内在している可能性があり、これらの事象が発生した場合、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、海外市場での成長機会を捉えるために、収益の計上が見込まれる時期より相当前から多額の投資を行う必要が当社グループに生じる可能性がありますが、その状況によっては、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、成長戦略として国内での工事案件や、海外でのODA鉄道インフラ整備案件等への取組みを行っておりますが、その中には請負契約をはじめ長期契約となる案件もあります。かかる長期請負契約等に基づく収益を認識するために、当該契約の成果が信頼性をもって見積もることができる場合、契約の進捗に応じて収益及び費用を認識しています。収益については、主に、見積原価総額に対する実際発生原価の割合で測定される進捗度に基づいて認識しています。また、当該契約の成果が信頼性をもって見積もることができない場合には、発生した原価のうち、回収される可能性が高い範囲でのみ収益を認識し、原価は発生した期間の費用として認識しています。長期請負契約等に基づく収益認識においては、見積原価総額、見積収益総額、契約に係るリスクやその他の要因について重要な仮定を見積もる必要がありますが、これらの見積は変動する可能性があります。
当社グループは、価格が確定している予測損失について、その損失が見積もられた時点で費用計上していますが、この見積についても変動する可能性があります。また、コストの変動は当社グループのコントロールの及ばない様々な理由によって発生する可能性があります。さらに当社グループまたはその取引相手が契約を解除する可能性もあります。このような場合、当初の見積を見直す必要が生じ、その結果によっては、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、上述のとおりグローバルな事業展開をしており、輸出入取引等において為替の変動による影響が生じます。外貨建資産・負債のマッチングにより為替変動リスクの軽減に努めておりますが、完全に回避できるものではありません。
また、当社グループの連結財務諸表作成にあたっては、在外連結子会社等の財務諸表を円貨換算しており、為替変動による期間損益の円貨換算額が増減するリスクが存在します。これらの為替変動リスクは、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、取引先の信用リスクについては細心の注意を払い、与信設定等を通じてリスク管理を行っておりますが、取引先の業績悪化等により取引額の大きい得意先や仕入先の信用状況が低下した場合、当該リスクの顕在化によって当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、商品の販売や提供する各種サービス、それらに付随する業務の全部または一部について、他社に委託する他、協力して業務にあたるため業務提携や資本業務提携等を行っておりますが、業務委託先や業務提携先が当社グループの期待通りに業務を行うことができない場合や、不祥事や不正等により当該業務委託先及び業務提携先の信頼性低下が当社グループまで波及して信用が棄損されるような状況の他、当社の監督責任等が追及されるような状況が発生した場合、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、販売する製品に要求される品質について仕入先と十分協議して確保に努めております。
しかしながら、当社の納入した製品に規格や仕様等の品質問題が発生した場合、多額の金銭的負担や信用失墜の懸念等もあり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、提供する商材について納期管理の徹底に努めておりますが、仕入先における資材調達、生産等における予期せぬ要因により納期遅延が生じる可能性があります。また、商材の配送において、道路事情の影響や、自然災害による物流網の寸断等により遅配等が生じる可能性があります。
これらにより、納期遅延に至った場合、得意先が被った損害の賠償責任等が発生する可能性があり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが事業をより充実させて、グローバル化を図り、持続的に成長していく為には、優秀な人材を確保する事が重要であると考えております。
このため、当社グループは優秀な人材の採用及び教育研修実施・内容の充実により、当社グループの成長を支える社員、特に専門的な知識を持った人材の確保を行ってまいります。
また、積極的に人的資本経営に取り組み、各種施策により従業員エンゲージメントを高め、グループ内の人材育成及び働き方改革を一層推進してまいります。
しかし、採用環境の変化等により必要な人材が確保できない場合や採用した人材の教育が計画のとおりに実施できなかった場合、有能な人材が流出した場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、事業活動において取引先の機密情報や、取引先及び従業員の個人情報等を保有しております。これらの情報に関してセキュリティ対策を施しておりますが、人的及び技術的な過失や、違法又は不正なアクセス等により漏洩した場合、情報を保護できなかったことの責任追及や、それに伴う規制措置の対象となる可能性があります。
また、自然災害、事故等による情報システム設備の損壊や通信回線のトラブル等により、システムの停止、データの消失等の事態が発生した場合、事業活動に支障が生じ、取引先や社会的な信頼が毀損され、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
気候変動リスクへの国際的な対応として、脱炭素社会に向けた温室効果ガス排出量の削減や、取扱商材や、サービスにおける環境への配慮が、取引先に加えて社会全体からも求められております。それらに対して、当社グループ及び仕入先において適切な対応が取れない場合、得意先との取引停止や行政罰、社会的信頼の喪失、事業機会の損失が生じ、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
地震、台風、火災、感染症等の災害発生により、社員並びに事務所・倉庫等に被害を受け、事業活動に支障が生じる可能性があります。
なお、当社グループでは社員の安否確認や、災害対策マニュアルの作成及び防災訓練等の対策を講じてきておりますが、災害による被害を完全に回避できるものではなく、その場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業活動においては、様々な法規制の適用下にあって、訴訟等のリスクがあり、その結果、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、国内外における法令、規制、政策、行動規範、会計基準等の変更や解釈の差異に起因するコンプライアンスリスクを負っております。
当社グループは、事業展開をしている国・地域の法令を遵守しておりますが、様々な理由によって、これらが遵守できない場合、その結果生じる罰金、社会的制裁、信用毀損、営業に必要な資格の剥奪等により、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、業務プロセスの文書化や内部監査の実施等により内部統制システムの強化に努めていますが、従業員の人為的なミスや不正、複数の従業員による共謀、当初想定していなかった事業環境の変化や非定型的な取引によって、財務報告に虚偽の記載が発生する可能性を完全に否定することはできません。また、内部統制システムの開示すべき重要な不備によって、金融市場等における当社グループの評価が低下し、また不備を是正するために多額の追加費用が発生する可能性があります。このような事態が生じた場合には、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(16) 東京証券取引所スタンダード市場の上場維持に係るリスクについて
当社は、2023年3月31日時点において、東京証券取引所スタンダード市場の上場維持基準のうち流通株式比率について、上場維持基準である25%以上を充たさない状況となったことから、2023年6月14日に「上場維持基準の適合に向けた計画書」を株式会社東京証券取引所に提出しております。
流通株式比率の上場維持基準適合には、同比率を上昇させる必要があることから、大株主・金融機関・事業法人等に対する協力要請、IR活動の促進・強化等の取組みを進め、2024年3月31日以降において東京証券取引所スタンダード市場の上場維持基準の全項目について要件を充たしております。しかしながら、再度流通株式比率が低下するなどして当該要件を充たすことができなくなった場合は、スタンダード市場において当社株式の上場を維持することができず、株価又は流動性に悪影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末における資産の残高は25,394百万円で、前連結会計年度末に比べ328百万円増加しております。主な要因は、受取手形、売掛金及び契約資産(5,254百万円から5,847百万円へ592百万円増加)、有価証券(1,500百万円から2,000百万円へ500百万円増加)、長期未収入金(-百万円から333百万円へ333百万円増加)、繰延税金資産(80百万円から202百万円へ121百万円増加)が増加した一方、電子記録債権(2,051百万円から1,114百万円へ936百万円減少)、棚卸資産(2,007百万円から1,702百万円へ305百万円減少)、未収入金(365百万円から140百万円へ224百万円減少)、現金及び預金(9,779百万円から9,571百万円へ208百万円減少)が減少したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債の残高は16,030百万円で、前連結会計年度末に比べ743百万円増加しております。主な要因は、債務保証損失引当金(-百万円から385百万円へ385百万円増加)、受注損失引当金(6百万円から362百万円へ356百万円増加)、契約負債(162百万円から487百万円へ325百万円増加)、支払手形及び買掛金(10,814百万円から10,978百万円へ163百万円増加)が増加した一方、電子記録債務(1,294百万円から1,007百万円へ286百万円減少)、未払法人税等(198百万円から18百万円へ179百万円減少)が減少したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は9,364百万円で、前連結会計年度末に比べ415百万円減少しております。主な要因は、為替換算調整勘定(302百万円から417百万円へ114百万円増加)、その他有価証券評価差額金(611百万円から652百万円へ41百万円増加)が増加した一方、利益剰余金(8,022百万円から7,441百万円へ581百万円減少)が減少したことによるものであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善により個人消費に持ち直しの動きが見られ、企業収益や設備投資意欲の改善もあって景気は緩やかな回復基調にありますが、海外の地政学的な緊張状態の継続、中国経済の失速や政権交代を経た米国の政策転換等による下振れリスクが存在しており、依然として先行きは不透明な状況にあります。また、当社グループの主要顧客である鉄道事業者においては、国内旅行やインバウンド等の移動需要の回復により、業績は増収増益を示し、回復基調で推移しました。
そのような状況のもと当社グループは、2024年度から2026年度の3ヶ年中期経営計画を策定しております。前連結会計年度を最終年度とする中期経営計画において道半ばに終わった目標を引き継ぎ、新たな中期経営計画においても(1)安定成長軌道への回帰、(2)新たな企業価値の創出、(3)2027年3月期ROE5%超、の3つを基本目標に掲げ、当社グループの事業環境を踏まえて対処すべき課題等に取り組んでまいります。
当連結会計年度の連結業績は、国内において主要顧客である鉄道事業者の業績回復を受けた受注環境の好転や、一部手配製品等の供給不足緩和、物価上昇を受けた価格転嫁の浸透等のプラスの影響もありましたが、海外案件における受注損失引当金の計上や海外パートナー企業に対する貸倒引当金及び債務保証損失引当金の計上、一般事業において主力商品であるコネクタ・電子部品の在庫調整局面が継続している等のマイナス影響が上回り、売上高は29,046百万円(前期比4.7%増)、営業損失は44百万円(前期は364百万円の利益)、経常損失は511百万円(前期は490百万円の利益)となりました。また、前々連結会計年度に当社連結子会社「亜西瑪(上海)貿易有限公司」(以下「ヤシマ上海」)が開始した新規取引において、販売先と仕入先が事実上一体となってヤシマ上海を挟む形の商流を形成している疑義を識別し、債権回収に生じるリスクを鑑みて、貸倒引当金を計上しておりましたが、当連結会計年度において一部の債権を回収し、貸倒引当金戻入額を特別利益として計上しました。一方で拠点別の収益性を精査した結果、海外事業を含む本社資産等について減損損失を特別損失として計上しました。その結果、親会社株主に帰属する当期純損失は509百万円(前期は392百万円の利益)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(鉄道事業)
鉄道車両製品を主な商材として、鉄道事業者及び鉄道関連メーカー等を対象に、鉄道車両用電気用品、同車体用品等を主に取り扱っております。主要顧客である鉄道事業者の業績が増収増益となり、設備投資意欲の回復等を受けて受注環境が好転したことや、全般的な物価高を受けて価格転嫁が進んだことが追い風となり、売上高は堅調に推移しました。
しかしながら、中期経営計画における海外展開の一環として、当社が元請けとして取り組んでいるバングラデシュのODA鉄道インフラ整備案件において、工事の設計変更が決定され、その対応や完工までの期間延長に伴い追加の費用が発生したほか、物価の上昇や為替変動等もあり、当初想定よりも原価が大幅に増加する見通しとなりました。それを受けて受注損失引当金繰入額を売上原価として計上することとなり、利益を押下げました。
その結果、当連結会計年度の売上高は26,605百万円(前期比6.0%増)、営業利益は92百万円(前期比84.2%減)となりました。
(一般事業)
当社グループにおいては鉄道事業以外を一般事業としております。取引を行っている業界は、産業機器メーカーや電力用機器メーカー、自動車業界メーカー等と多岐にわたっており、主な商材はコネクタや電子部品であります。自動車業界メーカー等では減産傾向が緩和されて需要が回復基調に入った一方で、産業機器メーカー等では過去に過剰手配した在庫の調整局面が依然として継続しており、全体としてコネクタや電子部品の需要回復に遅れが見られることから、売上高は低調に推移しました。
その結果、当連結会計年度の売上高は2,441百万円(前期比7.4%減)、営業損失は136百万円(前期は218百万円の損失)となりました。
当連結会計年度のキャッシュ・フローについては、営業活動により430百万円増加、投資活動により114百万円減少、財務活動により77百万円減少しました。その結果、現金及び現金同等物は10,349百万円と前連結会計年度と比較して291百万円(前年同期比2.9%増)の増加となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローの収入は、430百万円(前年同期は3,394百万円の収入)となりました。
これは主に、債務保証引当金の増加額385百万円、売上債権の減少額383百万円、受注損失引当金の増加額356百万円、棚卸資産の減少額330百万円がキャッシュ・フローのプラスとなった一方、税金等調整前当期純損失488百万円、法人税等の支払額320百万円、長期未収入金の増加額191百万円、保証債務の履行による支出額138百万円がキャッシュ・フローのマイナスとなったためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローの支出は、114百万円(前年同期は45百万円の支出)となりました。
これは主に、投資不動産の賃貸による収入57百万円がキャッシュ・フローのプラスとなった一方、貸付けによる支出91百万円、投資有価証券の取得による支出18百万円、有形固定資産の取得による支出15百万円がキャッシュ・フローのマイナスになっためであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローの支出は、77百万円(前年同期は71百万円の支出)となりました。
これは主に、配当金の支払額71百万円がキャッシュ・フローのマイナスとなったためであります。
当社は卸売業であり、生産を行っておらず、該当事項はありませんので、記載を省略しております。
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間取引については相殺消去しております。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間取引については相殺消去しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、貸倒引当金、債務保証損失引当金、退職給付に係る資産及び負債、税金費用等の見積りは、それぞれ過去の実績等を勘案し合理的に算定しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性の存在により、これらの見積りと異なる場合があります。また、引当金の計上基準については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は次のとおりであります。
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ1,316百万円増加し、29,046百万円(前期比4.7%増)となりました。これは主に、国内鉄道事業者の増収に伴う設備投資や修繕計画の増加によるものであります。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度の売上原価は、売上高が増加した一方、仕入原価の高騰により、前連結会計年度に比べ1,655百万円増加し、25,414百万円(前期比7.0%増)となりました。
その結果、売上総利益は前連結会計年度に比べ338百万円減少し、3,632百万円(前期比8.5%減)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ70百万円増加し、3,676百万円(前期比2.0%増)となりました。主な要因は、当社の財務報告に係る内部統制の開示すべき重要な不備及び連結子会社における不適切会計の疑義への再発防止並びに対策費用を計上したことによるもの、新規案件獲得に向けた営業費用の増加によるものであります。
以上の結果、営業利益は前連結会計年度に比べ408百万円減少し、44百万円の損失(前期は364百万円の利益)となりました。
(営業外損益、経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度に比べ21百万円増加し、189百万円(前期比13.1%増)となりました。主な要因は、受取配当金及び受取利息が増加した一方、受取出向料の減少等によるものであります。また、営業外費用は前連結会計年度に比べ616百万円増加し、657百万円(前期比1,472.9%増)となりました。主な要因は、インド市場におけるパートナー企業であるRENMAKCH INDIA PRIVATE LIMITED
に対する運転資金支援で計上した債務保証損失引当金繰入額及び貸倒引当金繰入額の増加等によるものであります。
以上の結果、経常利益は前連結会計年度に比べ1,002百万円減少し、511百万円の損失(前期は490百万円の利益)となりました。
(特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の特別利益は、前連結会計年度に比べ46百万円減少し、67百万円となりました。これは前々連結会計年度に計上しておりました貸倒引当金繰入額436百万円に対し、当連結会計年度において一部の債権を回収し、貸倒引当金戻入額を計上したことによるものです。また、特別損失は、前連結会計年度に比べ43百万円増加し、43百万円となりました。主な要因は、有形固定資産を減損したことによるものです。
以上の結果、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ1,093百万円減少し、488百万円の損失(前期は605百万円の利益)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ902百万円減少し、509百万円の損失(前期は392百万円の利益)となりました。
当社グループの運転資金需要につきましては、売上原価並びに販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資等を目的とした資金需要は、固定資産の購入及びソフトウェア投資等によるものであります。
運転資金及び設備投資資金につきましては、自己資金を基本としており、必要に応じて金融機関から短期借入を実施しております。
当社グループでは手元流動資金について常に余裕を持つべく努めており、資金繰り管理を通じた適切な資金管理をしております。
今後につきましては、引き続き財務の健全性を保ち、営業活動によるキャッシュ・フローを生み出すことによって、安定的な自己資金の確保を目指してまいります。
「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(注) 1.契約期間は再契約のものを含め最新の契約書に基づく契約期間を表示しております。
2.1年ごとの自動更新契約になっております。
3.上記契約の解除事由は個々の契約により異なりますが、概ねその基本的な規定事項としては、手形の不渡り・差押え・仮差押え・仮処分・競売・破産・民事再生・会社更生・債務不履行・監督官庁からの営業許可の取消処分等に該当する場合となっております。
当社は商社のため、研究開発を行っておりませんので、該当事項はありません。