第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営理念

当社グループの経営理念は「ヤシマキザイは、鉄道・交通ビジネスに強い専門商社として、限りの無い成長を目指します」、「ヤシマキザイは、人材育成を通して、会社の成長を社員と分かち合います」、「ヤシマキザイは、法令を遵守し、良き企業市民として社会に貢献します」としております。

 

(2) 基本方針

当社グループは、2024年度から2026年度の3ヶ年中期経営計画を策定し、基本方針として以下を定めております。

「既存事業の基盤強化と付加価値向上を図る。」

「成長発展が期待できる分野の選定と、人員配置の見直しにより、次世代を担う新事業を開拓する。」

「一般セグメントの収益性を向上させ、投下リソースに見合う採算を確保できる体制を構築する。」

「ODA鉄道インフラ整備案件への参画を通して、グローバル市場を開拓する。」

「長期的な社会課題と向き合い、人的資本への投資を通じてヤシマキザイグループの成長力を強化する。」

「ヤシマキザイグループとしての連携を強化し、信頼回復・向上を図る。」

これらの方針に基づき、当社グループの事業環境を踏まえて対処すべき課題等に取り組んでまいります。

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、2024年度から2026年度の3ヶ年中期経営計画の最終年度(2027年3月期)における売上高、営業利益等の数値目標を次のように設定し、自己資本利益率(ROE)につきましては、5%超を確保することを目標としております。

 

売上高
(百万円)

営業利益
(百万円)

経常利益
(百万円)

親会社株主に帰属
する当期純利益
(百万円)

2027年3月期

32,000

600

710

460

 

また、上記の目標達成に向けた取組みの進捗及び成果を適時に測定するため、以下の指標をKPIとしました。

営業人員1人当たり売上総利益 (目標値:20百万円/人)

営業人員比率 (目標値:66.6%)

 

(4) 経営環境

コロナウイルス感染症の感染症法上の分類が5類に引き下げられて以降、社会経済活動の正常化が進み、企業の業績回復や雇用情勢の変化による賃金上昇、インバウンド需要の増加等もあって景気は緩やかな回復基調を維持することが期待されるものの、原材料等の価格高騰や物流コストの上昇、急激な為替変動等に加え、海外経済においても地政学的ショックや中国経済の減速等の下振れリスクを抱えており、景気の先行きは不透明な状況で推移するものと予想されます。

当社グループの主要顧客である鉄道事業者においては、新型コロナウイルス感染症の影響によって落ち込んでいた運輸収入が回復基調に入り、業績の回復とともに設備投資にも意欲を見せる一方で、ポストコロナ社会における人々の行動や価値観の変容に加え、少子高齢化による定期旅客の減少傾向もあって旅客輸送量は以前の水準には戻らないと考えられ、引き続き厳しい経営環境が続くと予想されます。

また、一般事業では、産業機器業界等で過年度の供給不安時に過剰手配された電子部品等の在庫調整局面が継続しており、先行きに不透明感はありながらも、在庫調整の一巡とともに持ち直してくるものと予想しております。

 

(5) 対処すべき課題等

第79期有価証券報告書「(5)対処すべき課題等」に記載のとおり、不適切な会計処理に関連して下記の課題が識別されていました。

 

 

① 当社における課題

当社の複数の拠点で営業担当者による原価の付け替えと売上の先行計上という2つの類型からなる不適切な会計処理が複数事業年度にわたり行われていたことが確認されました。

これらの不適切な会計処理は、営業担当者が赤字案件の売上計上回避や業績目標・予算達成意識を動機に行われていたことや、営業部門や調達部門における上場企業としての会計知識やコンプライアンス意識の浸透不足により行われておりました。

その他、当社の内部統制における業務プロセスにおいて、管理職と営業担当者の立場が同一となった場合の受注処理や一部仕入先への発注に係る処理が、同一の人物だけで可能となる承認経路が看過されておりました。そのため営業部門内での点検と監視、調達部門における牽制が不十分となり、かつ形骸化していたことが確認されました。さらに、内部監査において不適切な事案の一部が検出されていたものの、金額が少額であったことから軽微な指摘事項であると判断され、経営陣への情報伝達が適時に行われなかった点や全社的に再発防止のサイクルが形成されず改善が図られていなかった点も確認されました。

 

② 連結子会社における課題

当社の中国における連結子会社であるヤシマ上海において、仕入債務の計上遅延、棚卸資産の計上範囲の誤り、売上の先行計上及び仕入先と得意先が実質的に一体である取引を行っていたことが判明しました。なお、売上の先行計上については、総経理の指示によるものでありました。また、仕入先と得意先が実質的に一体である取引については、得意先の協力が十分得られず、取引の実在性を十分に確認することができませんでした。

これらの不適切な会計処理は、総経理の経営成績改善が必要である意識が動機となり、上場企業としての会計知識やコンプライアンス意識の浸透不足により行われていたことが確認されました。

また、ヤシマ上海の内部統制において売上計上や仕入計上に係る業務プロセスが整備されていなかったことや、グループ会計方針の整備が不十分であったことが確認されました。

 

上記の課題において、当社の経営陣は上場企業として財務報告に係る内部統制の整備及び運用に責任を有しており、内部監査によって検出された不適切な事案に対して、当該事案に対する個別対応に留まらず、類似事案の発生可能性を踏まえたリスク評価及び当該評価を踏まえたリスク対応として再発防止策の検討等を行っていくべき立場にあり、また、子会社固有の事由を踏まえたグループ全体でのリスク評価を実施し、グループ方針の策定と周知並びに継続的なモニタリングを行っていくべき立場にもあります。

根本的な原因は、当社の経営陣がこうした責任と立場を十分に自覚できていなかったことにあります。そのため報告された不適切な事案の対処だけに留まり、再発防止サイクルを形成するという本来取るべき対応ができておりませんでした。また、グループ全体でのリスクマネジメントも実施できておりませんでした。

 

当社は、当連結会計年度において以下の16項目の再発防止策を実行することで適切な内部統制の整備・運用を図ってまいりました。

 

1. 行動規範、コンプライアンスガイドラインの周知の再徹底

2. 遵守すべき法令やルールの教育

3. 営業担当者(課長職含む)の教育の徹底

4. 内部監査の監査内容改善と結果の情報共有、社内周知の仕組みの構築

5. 内部監査結果に対する評価基準の厳格化

6. 人事評価制度面からの内部統制の強化とコンプライアンス意識向上の支援

7. 受発注登録の承認プロセスの見直し

   (購買プロセスにおける開示すべき重要な不備への対応)

8. 売上計上に関する防止的・発見的統制の強化

   (販売プロセスにおける開示すべき重要な不備への対応)

9. 内部通報制度の実効性確保

10. コンプライアンス・リスク管理委員会によるリスク評価と周知

11. ヤシマ上海総経理の決裁事項に対する統制強化

12. 当社によるヤシマ上海向けのモニタリング強化

13. グループ会計方針の整備

14. ヤシマ上海における業務プロセスに係る内部統制強化

15. ヤシマ上海の単体決算プロセスにおける債権管理強化

16. 新規取引のリスク管理強化

 

 

前連結会計年度の内部統制の開示すべき重要な不備を是正するために、上記の再発防止策を実行してまいりました。

しかしながら、内部統制報告書に記載の通り、一部の再発防止策について適切な水準で整備・運用することができず、継続して開示すべき重要な不備を識別するに至りました。この点について真摯に反省しております。

当社といたしましては、次連結会計年度(2025年3月期)において当連結会計年度に継続して識別した開示すべき重要な不備に対応する再発防止策を早期に整備し、運用を徹底してまいります。

また、今後も長期的な視点を持ち、内部統制及びコンプライアンス意識の更なる向上に努め、信頼性ある財務報告を継続する経営管理基盤を強化してまいります。

 

なお、当社グループは、新たな3ヶ年中期経営計画を策定し2024年度よりスタートしております。当連結会計年度を最終年度とする中期経営計画は、基本目標・基本方針・基本戦略に基づき、各施策を着実に実行しましたが、コロナ禍による活動制限による鉄道事業者の業績低迷とそれに伴う鉄道車両や設備品の更新や修繕計画の後倒し、半導体など電子部材の供給不足が当社取り扱い商材の販売にまで影響を及ぼしたこと、当社グループ内での不適切な会計処理の発覚と再発防止に係る対応コストの増大等の要因によって、目標を達成することがかないませんでした。そのため、新たな中期経営計画においても道半ばに終わった目標を引き継ぎ、安定成長軌道への回帰や、新たな企業価値の創出を目指します。また資本コストを意識し、ROE5%超の達成に向けて、以下のことを基本方針として、当社グループの発展と業績の向上に取り組んでまいります。

 

① 既存事業の基盤強化と付加価値向上を図る。

当社グループは鉄道専門商社として、鉄道分野への販売を事業基盤としており、この事業基盤をさらに強化するため、既存仕入先との関係強化及び新規仕入先の開拓による商権・商材の拡充を行い、持続的な成長に努めます。

 

② 成長発展が期待できる分野の選定と、人員配置の見直しにより、次世代を担う新事業を開拓する。

鉄道分野における事業領域の拡大を図るため、市場の動向を把握し、付加価値の高いサービスの提供や、JR各社以外の公営・民間鉄道事業者への営業活動に注力するとともに、検修設備・保線等車両周辺領域への深耕や、新たなビジネスモデルの創出により、車両周辺分野に並ぶ新たな収益源の開拓に努めます。

 

③ 一般セグメントの収益性を向上させ、投下リソースに見合う採算を確保できる体制を構築する。

鉄道分野以外の事業領域の拡大を図るため、人的リソースの適正配置と、新たな販売先や新たな商材の開拓・開発を進めるとともに、専任グループによる全国横断的な営業展開により、業務効率化・生産性の向上を図ります。

 

④ ODA鉄道インフラ整備案件への参画を通して、グローバル市場を開拓する。

ODAによる鉄道インフラ整備案件に注力し、海外パートナーとの連携や、従来海外の案件対応を行っていた部門に限らず、グループ内の各部門が連携して知見の向上や体制を強化するとともに、リスク管理を図りながら中長期的に商圏の拡大を目指します。

 

⑤ 長期的な社会課題と向き合い、人的資本への投資を通じてヤシマキザイグループの成長力を強化する。

鉄道を主とした社会インフラに関わる企業として、社会の持続可能性に配慮した経営を実践いたします。環境に配慮した製品やサービス提供をはじめとして環境問題に取り組み、同時に持続可能な成長のために不可欠な、人的資本への投資を行います。当社グループは事業の中核となる経営資源を「人」と考えております。そのため、生産性の向上に寄与するエンゲージメント強化に主眼をおいた、働きやすい制度及び環境の整備を実行することで成長力の強化を図ります。

 

⑥ ヤシマキザイグループとしての連携を強化し、信頼回復・向上を図る。

不適切な会計処理が発生したことに対する反省も込めて、改めて経営の公正性・透明性、迅速な意思決定の維持・向上を目的に、コーポレートガバナンスの強化を図るとともに、コンプライアンスを徹底し、果たすべき役割と社会的責任を常に自覚して、企業活動を推進することで信頼回復と信頼向上に努めます。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

サステナビリティ全般に関して

当社グループでは、2021年5月に「サステナビリティ方針」を下記のとおり定めております。

 

ヤシマキザイグループは、鉄道を主とした社会インフラに関わる企業として、社会の持続可能性に配慮した経営を実践し、限りの無い成長を目指します。そのために、時代のニーズに合わせ、環境に配慮した製品やサービスの提供及び当社グループ内での環境問題への取組を通して社会に貢献していきます。また、持続可能な成長のために不可欠な、人材への投資を行い、生産性の向上に寄与するエンゲージメント強化に主眼をおいた働きやすい制度及び環境の整備をしていきます。さらに、コンプライアンスの徹底とともに、果たすべき役割と社会的責任を常に自覚し、長期的視点に立った企業活動を推進していきます。

 

(1) ガバナンス

当社グループでは、サステナビリティに関する課題への対応を強化するため、2022年12月26日付で代表取締役社長を委員長とする「サステナビリティ委員会」を設置いたしました。当委員会は、サステナビリティ戦略と具体的な施策、指標と目標について検討を行っております。また、当委員会は、施策所管部署への指示・実施状況管理、取締役会及び経営会議への報告・提言を行うこととしており、サステナビリティに関するガバナンスとリスク管理の中核を担います。

 

 当社における「サステナビリティ委員会」の位置づけ

 


(2) 戦略

 ① SDGs

当社グループは、SDGsの趣旨に賛同しており、下記に掲げる具体的な取組を行い、SDGsが掲げるゴールを目指します。

イ. 地球温暖化や大気・水質汚染の防止

ペーパーレス化の推進を通じ、森林破壊の抑制に取り組み、地球温暖化や大気・水質汚染の防止に貢献していきます。

<具体的な取組>

社内での紙類の使用量を低減し、ペーパーレス化を推進

 

ロ.  二酸化炭素排出量の削減

社用車のハイブリッド車両への入替を推進し、二酸化炭素排出量の削減へ貢献していきます。

<具体的な取組>

社用車のハイブリッド車両への入替を推進

 

 

ハ. 社会貢献活動

医療・環境・教育団体へ寄付を通じ、社会貢献活動を支援していきます。

<具体的な取組>

日本赤十字社、WWFジャパン、日本学生支援機構への寄付

 

ニ. 社員が働きやすい環境づくり

働き方改革や健康経営の推進により、ダイバーシティとワーク・ライフ・バランスの実現を目指します。

<具体的な取組>

・ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の理解を通した、女性の働きやすい環境づくり、障がい者の働きやすい職場づくり

・テレワーク勤務制度、時差出勤制度、誕生日休暇等の各種休暇制度、ノー残業デー(健康と家族を考える日)を利用した働き方改革実施

・健康診断の受診率の向上、再検査受診促進、及び健康保険組合と連携した活動による社員の健康維持・増進支援

 

     ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の取組を推進

    D&Iの取組については、当社Webサイトで公開しております。

    URL https://www.yashima-co.co.jp/ja/company/sustainability/d_and_i.html

 

② 人的資本に関して

当社は、組織の持続的成長や価値創造を支える原動力は「人」であり、人々が持つ知識やスキル・能力を経営に必要な資本だと考えており、人材への投資を行い、生産性の向上に寄与するエンゲージメント強化に主眼をおいた働きやすい制度及び環境の整備をしていくため、人材育成基本方針及び社内環境整備方針を定めております。

 <人材育成基本方針>

当社グループでは、多様な社員一人ひとりが専門性を高めることを目標とし、社員の主体性・自立性を尊重しつつ公平な能力開発・育成の機会を提供するために、以下の方針を定めております。

(1)社員こそ企業発展の源泉であり、社会に貢献できる源であると考え、社員の能力開発を企業運営の最重要事項の一つとし、教育を実施する。

(2)会社の中長期計画・人材ビジョンに沿った視野に立って、計画的・組織的かつ継続的に行う。

(3)教育の現場は、成果を上げるべき各部署であると位置づけ、互いに学びあう習慣を確立する。

(4)社員の能力開発は、社員自らの責任と上司による部下指導の責任において行うことを基本原則とする。

 

 

当社グループは、人材育成基本方針に基づき、以下の取組を行っております。

・コンプライアンス研修等の実施

外部研修の利用や、当社グループに合わせた独自の研修資料を用いた各種研修等を実施しています。

・自己啓発援助金制度の制定

社員の研修費用や資格取得費用の70%、年間最大10万円までを助成し、社員の自主的な能力開発を促し、また取得した資格等に応じて資格手当を支給しています。

 

<社内環境整備方針>

当社グループは、会社と社員が共に高めあう関係の実現を目指しながら、社員一人ひとりの多様な個性や意思を尊重し、社員が健康かつ安全に自分らしく働ける職場づくりに取り組みます。

 

 

当社グループは、社内環境整備方針に従い、以下の取組を行っております。

・社員のエンゲージメントレベルの把握

社員のエンゲージメントレベルを定期的に把握し、組織力の維持・向上を目指します。

 

・エンゲージメントレベルに応じた1on1ミーティングの実施

自発的な発言を尊重して話し合いを行う場を提供する事により、活気ある職場づくりやエンゲージメント向上に繋げます。

・在宅勤務・時差出勤・サテライトオフィスの導入による働き易さの追求

柔軟な働き方に対応し、能力を発揮できる環境作りを行います。

・健康支援

社員の健康づくりを奨励し支援するため、予防接種の個人負担分の助成や、産業医面談の促進、健康診断受診率向上のための受診者を対象としたインセンティブの付与等を行います。

 

(3) リスク管理

当社グループでは、コンプライアンス・リスク管理委員会において、全社的なリスクを網羅的、一元的に管理を行っておりますが、サステナビリティ関連のリスク及び機会については、サステナビリティ委員会が特定、評価、優先順位付けとその対応策についての検討を実施しております。特定されたリスク及び機会は経営会議、取締役会、及び関連部署へ共有を行います。

現状において想定しているリスクは3 事業等のリスク」を参照ください。

 

(4) 指標及び目標

当社グループでは、(2)②に記載した人的資本について、2024年度から2026年度を対象とする中期経営計画において、その方針及び施策の実施状況や効果の測定のため、以下の指標をKPIとしました。

・コンプライアンス研修の受講率 (目標値:100%)

当社独自制作教材を基に、業務に関する会計やその他の法的知識、倫理について教育し、確認テストを実施の上、合格をもって受講修了としており、不合格者については合格まで再研修を施すことで教育の実効性を担保します。

・エンゲージメント指数 (継続的なポイント上昇を目標とする)

社員から見て働きやすい環境を整備できているか、自己実現のための教育体制が機能しているか等について、エンゲージメント指数の増減で測定します。当社におけるエンゲージメント指数は、メンタルヘルス調査結果等を活用しています。

 

目標(2026年度

2023年度実績

2022年度実績

コンプライアンス研修受講率

100

100

100%

エンゲージメント指数(前年比)

4.7

△2.2

 

 

その他女性活躍推進法等に基づき、次の指標について目標を設定し、実績を公表しております。

 

目標(2026年度)

2023年度実績

2022年度実績

女性管理職割合

7.0以上

1.4

2.7%

女性総合職(管理職候補者)割合

20.0以上

23.0

18.3%

女性労働者割合

26.0以上

26.3

23.8%

育児休業取得率(女性)

100

100

100%

育児休業取得率(男性)

100以上

100

57.1%

 

 

 

3 【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 特定仕入先への依存によるリスクについて

当社の主要な仕入先は株式会社日立製作所であり、2024年3月期の連結仕入高に対する割合は48.6%となっております。同社との間では情報機器、受変電設備機器、鉄道車両用部品等の販売に係る特約店契約を締結しており、取引関係は安定しております。

当社は今後もこの関係を継続する方針でありますが、手形の不渡等の契約解除事由の発生や、仕入先の特約店政策の変更や事業の再編等により今後の取引関係が継続困難となった場合、その他仕入先の製品供給の停滞、製品の品質に関する重大な欠陥の発生、取引条件の変更等により、当社が安定的に製品を調達することが困難になった場合、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 特定業界への依存によるリスクについて

当社グループは、鉄道事業と一般事業の2つのセグメントによる事業展開を行っておりますが、鉄道事業における売上が相対的に高くなっており、鉄道分野の業界に依存している状況です。その中でもJR3社への売上が大きく、2024年3月期の連結売上高において東日本旅客鉄道株式会社20.3%、東海旅客鉄道株式会社14.6%、西日本旅客鉄道株式会社8.6%を占めております。そのため、これら各社の設備投資計画の動向によっては当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、鉄道業界における事業環境の変化等により、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 海外事業に係るリスクについて

当社グループは連結子会社の存在する中国や、フィリピン、ベトナム、インドネシア、インド等に拠点を持ち、グローバルに展開しております。これらの国又は地域において、国際金融、景気変動等による経済的リスクや、戦争、テロ、感染症等による政治的・社会的リスクといった、現時点で予測不可能なリスクが内在している可能性があり、これらの事象が発生した場合、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、海外市場での成長機会を捉えるために、収益の計上が見込まれる時期より相当前から多額の投資を行う必要が当社グループに生じる可能性がありますが、その状況によっては、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 為替変動に係るリスクについて

当社グループは、上述のとおりグローバルな事業展開をしており、輸出入取引等において為替の変動による影響が生じます。外貨建資産・負債のマッチングにより為替変動リスクの軽減に努めておりますが、完全に回避できるものではありません。

また、当社グループの連結財務諸表作成にあたっては、在外連結子会社等の財務諸表を円貨換算しており、為替変動による期間損益の円貨換算額が増減するリスクが存在します。これらの為替変動リスクは、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 取引先の信用リスクについて

当社グループは、取引先の信用リスクについては細心の注意を払い、与信設定等を通じてリスク管理を行っておりますが、取引先の業績悪化等により取引額の大きい得意先や仕入先の信用状況が低下した場合、当該リスクの顕在化によって当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 品質問題に係るリスクについて

当社は、販売する製品に要求される品質について仕入先と十分協議して確保に努めております。

しかしながら、当社の納入した製品に規格や仕様等の品質問題が発生した場合、多額の金銭的負担や信用失墜の懸念等もあり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(7) 納期管理に係るリスクについて

当社グループは、提供する商材について納期管理の徹底に努めておりますが、仕入先における資材調達、生産等における予期せぬ要因により納期遅延が生じる可能性があります。また、商材の配送において、道路事情の影響や、自然災害による物流網の寸断等により遅配等が生じる可能性があります。

これらにより、納期遅延に至った場合、得意先が被った損害の賠償責任等が発生する可能性があり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 人材確保・育成に係るリスクについて

当社グループが事業をより充実させて、グローバル化を図り、持続的に成長していく為には、優秀な人材を確保する事が重要であると考えております。

このため、当社グループは優秀な人材の採用及び教育研修実施・内容の充実により、当社グループの成長を支える社員、特に専門的な知識を持った人材の確保を行ってまいります。

また、積極的に人的資本経営に取り組み、各種施策により従業員エンゲージメントを高め、グループ内の人材育成及び働き方改革を一層推進してまいります。

しかし、採用環境の変化等により必要な人材が確保できない場合や採用した人材の教育が計画のとおりに実施できなかった場合、有能な人材が流出した場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 情報セキュリティに係るリスクについて

当社グループは、事業活動において取引先の機密情報や、取引先及び従業員の個人情報等を保有しております。これらの情報に関してセキュリティ対策を施しておりますが、人的及び技術的な過失や、違法又は不正なアクセス等により漏洩した場合、情報を保護できなかったことの責任追及や、それに伴う規制措置の対象となる可能性があります。

また、自然災害、事故等による情報システム設備の損壊や通信回線のトラブル等により、システムの停止、データの消失等の事態が発生した場合、事業活動に支障が生じ、取引先や社会的な信頼が毀損され、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 気候変動リスクについて

気候変動リスクへの国際的な対応として、脱炭素社会に向けた温室効果ガス排出量の削減や、取扱商材や、サービスにおける環境への配慮が、取引先に加えて社会全体からも求められております。それらに対して、当社グループ及び仕入先において適切な対応が取れない場合、得意先との取引停止や行政罰、社会的信頼の喪失、事業機会の損失が生じ、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 災害発生に係るリスクについて

地震、台風、火災、感染症等の災害発生により、社員並びに事務所・倉庫等に被害を受け、事業活動に支障が生じる可能性があります。

なお、当社グループでは社員の安否確認や、災害対策マニュアルの作成及び防災訓練等の対策を講じてきておりますが、災害による被害を完全に回避できるものではなく、その場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 訴訟に係るリスクについて

当社グループの事業活動においては、様々な法規制の適用下にあって、訴訟等のリスクがあり、その結果、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13) 法令や規制に係るリスクについて

当社グループは、国内外における法令、規制、政策、行動規範、会計基準等の変更や解釈の差異に起因するコンプライアンスリスクを負っております。

当社グループは、事業展開をしている国・地域の法令を遵守しておりますが、様々な理由によって、これらが遵守できない場合、その結果生じる罰金、社会的制裁、信用毀損、営業に必要な資格の剥奪等により、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(14) 東京証券取引所スタンダード市場の上場維持に係るリスクについて

当社は、2023年3月31日時点において、東京証券取引所スタンダード市場の上場維持基準のうち流通株式比率について、上場維持基準である25%以上を充たさない状況となったことから、2023年6月14日に「上場維持基準の適合に向けた計画書」を株式会社東京証券取引所に提出しております。

流通株式比率の上場維持基準適合には、同比率を上昇させる必要があることから、大株主・金融機関・事業法人等に対する協力要請、IR活動の促進・強化等の取組みを進め、2024年3月31日時点において東京証券取引所スタンダード市場の上場維持基準の全項目について要件を充たすことができました。しかしながら、再度流通株式比率が低下するなどして当該要件を充たすことができなくなった場合は、スタンダード市場において当社株式の上場を維持することができず、株価又は流動性に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりであります。

イ.財政状態

(資産)

当連結会計年度末における資産の残高は25,066百万円で、前連結会計年度末に比べ3,244百万円増加しております。主な要因は、現金及び預金6,479百万円から9,779百万円3,299百万円増加)、投資有価証券1,706百万円から2,052百万円346百万円増加)、受取手形、売掛金及び契約資産5,030百万円から5,254百万円224百万円増加)が増加した一方、営業未収入金1,470百万円から719百万円750百万円減少)、繰延税金資産154百万円から80百万円73百万円減少)、未収入金432百万円から365百万円66百万円減少)が減少したことによるものであります。

 

(負債)

当連結会計年度末における負債の残高は15,286百万円で、前連結会計年度末に比べ2,630百万円増加しております。主な要因は、支払手形及び買掛金8,586百万円から10,814百万円2,228百万円増加)、電子記録債務801百万円から1,294百万円493百万円増加)、未払法人税等5百万円から198百万円193百万円増加)が増加した一方、営業未払金1,688百万円から1,150百万円538百万円減少)が減少したことによるものであります。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産の残高は9,779百万円で、前連結会計年度末に比べ614百万円増加しております。主な要因は、利益剰余金7,701百万円から8,022百万円321百万円増加)、その他有価証券評価差額金384百万円から611百万円226百万円増加)が増加したことによるものであります。

 

ロ.経営成績

当連結会計年度におけるわが国経済は、社会経済活動の正常化が進み、雇用・所得環境の改善により景気は緩やかな回復の動きが見られましたが、物価上昇や円安の進行、世界的な金融引き締め、中国経済の失速等による下振れリスクを注視する必要があり、依然として先行きは不透明な状況にあります。また、当社グループの主要顧客である鉄道事業者において、国内旅行やインバウンド等の移動需要の回復により、業績は増収増益を示し、回復基調で推移しました。そのような状況のもと当社グループは、2023年度を最終年度とする「中期経営計画」を掲げており、(1)ポストコロナに向け、安定成長軌道への回帰、(2)事業環境の変化を見据え、新たな企業価値・存在価値の創出、(3)2024年3月期ROE5%、の3つの基本目標の達成に向けて取り組みました。

当連結会計年度の連結業績は、鉄道事業者の業績回復や一部手配製品等の供給不足が緩和傾向に転じたことを受けて、売上高は27,729百万円(前期比8.6%増)、営業利益は364百万円(前期比459.0%増)、経常利益は490百万円(前期比109.0%増)となりました。また、前連結会計年度に当社連結子会社「亜西瑪(上海)貿易有限公司」(以下「ヤシマ上海」)が開始した新規取引において、販売先と仕入先が事実上一体となってヤシマ上海を挟む形の商流を形成している疑義を識別し、債権回収に生じるリスクを鑑みて、貸倒引当金を計上しておりましたが、当連結会計年度において一部の債権を回収し、貸倒引当金戻入額を計上したことから、親会社株主に帰属する当期純利益は392百万円(前期は259百万円の損失)となりました。

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

(鉄道事業)

鉄道車両製品を主な商材として、鉄道事業者及び鉄道関連メーカー等を対象に、鉄道車両用電気用品、同車体用品等を主に取り扱っております。主要顧客である鉄道事業者の業績が増収増益となったことに加え、手配製品の納期長期化や、納入予定時期の延期等により先送りとなっていた鉄道関連メーカー向けの案件が売上計上に至ったこともあり、売上高は底堅く推移しました。

その結果、売上高は25,094百万円(前期比10.9%増)、営業利益は582百万円(前期比261.8%増)となりました。

 

(一般事業)

当社グループにおいては鉄道事業以外を一般事業としており、取引を行っている業界は、産業機器メーカーや電力用機器メーカー、自動車業界メーカー等と多岐にわたっており、主な商材はコネクタや電子部品であります。自動車業界メーカー等の一部業界では、半導体不足による減産や生産調整は緩和傾向にありますが、当社グループの取引先の多くは、依然として在庫調整局面にあり、コネクタや電子部品の需要が抑えられていることから、売上高は低調に推移しました。

その結果、売上高は2,635百万円(前期比8.8%減)、営業損失は218百万円(前期は95百万円の損失)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度のキャッシュ・フローについては、営業活動により3,394百万円増加、投資活動により45百万円減少、財務活動により71百万円減少しました。その結果、現金及び現金同等物は10,057百万円と前連結会計年度と比較して3,299百万円(前年同期比48.8%増)の増加となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローの収入は、3,394百万円(前年同期は1,207百万円の支出)となりました。

これは主に、仕入債務の増加額2,720百万円、営業未収入金の減少額750百万円、税金等調整前当期純利益605百万円、がキャッシュ・フローのプラスとなった一方、営業未払金の減少額538百万円、売上債権の増加額243百万円がキャッシュ・フローのマイナスとなったためであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローの支出は、45百万円(前年同期は545百万円の収入)となりました。

これは主に、無形固定資産の取得による支出44百万円がキャッシュ・フローのマイナスとなったためであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローの支出は、71百万円(前年同期は60百万円の支出)となりました。

これは主に、配当金の支払額71百万円がキャッシュ・フローのマイナスとなったためであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績
イ.生産実績

当社は卸売業であり、生産を行っておらず、該当事項はありませんので、記載を省略しております。

 

ロ.仕入実績

当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

仕入高(千円)

前期比(%)

鉄道事業

21,513,468

112.8

一般事業

2,258,319

92.8

合計

23,771,788

110.5

 

(注) セグメント間取引については相殺消去しております。

 

ハ.受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前期比(%)

受注残高(千円)

前期比(%)

鉄道事業

37,043,362

130.7

32,284,979

158.3

一般事業

2,072,127

65.8

889,586

83.7

合計

39,115,489

124.2

33,174,566

154.6

 

(注) セグメント間取引については相殺消去しております。

 

ニ.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前期比(%)

鉄道事業

25,094,492

110.9

一般事業

2,635,367

91.2

合計

27,729,860

108.6

 

(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

 至 2024年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

東日本旅客鉄道(株)

3,808,360

14.9

5,640,359

20.3

東海旅客鉄道(株)

3,525,736

13.8

4,050,160

14.6

西日本旅客鉄道(株)

2,353,124

9.2

2,391,108

8.6

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、貸倒引当金、退職給付に係る資産及び負債、税金費用等の見積りは、それぞれ過去の実績等を勘案し合理的に算定しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性の存在により、これらの見積りと異なる場合があります。また、引当金の計上基準については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

 

② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績等は次のとおりであります。

イ.経営成績等の状況

(売上高)

当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ2,206百万円増加し、27,729百万円前期比8.6%増)となりました。これは主に、国内鉄道事業者の増収に伴う設備投資や修繕計画の増加によるものであります。

 

 

(売上原価、売上総利益)

当連結会計年度の売上原価は、売上高の増加に伴い前連結会計年度に比べ1,748百万円増加し、23,759百万円前期比7.9%増)となりました。

売上総利益は前連結会計年度に比べ458百万円増加し、3,970百万円前期比13.0%増)となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ158百万円増加し、3,605百万円(前期比4.6%増)となりました。主な要因は、当社の財務報告に係る内部統制の開示すべき重要な不備及び連結子会社における不適切会計に係る疑義への調査費用並びに再発防止にかかる対策費用等を計上したことによるもの、コロナ禍での行動制限緩和に伴う営業経費の増加等によるものであります。

以上の結果、営業利益は前連結会計年度に比べ299百万円増加し、364百万円前期比459.0%増)となりました。

 

(営業外損益、経常利益)

当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度に比べ27百万円減少し、167百万円前期比14.1%減)となりました。主な要因は、受取配当金が増加した一方、受取利息及び受取出向料の減少等によるものであります。また、営業外費用は前連結会計年度に比べ15百万円増加し、41百万円前期比61.5%増)となりました。主な要因は、持分法による投資損失及び海外子会社との取引における為替差損の増加等であります。

以上の結果、経常利益は前連結会計年度に比べ256百万円増加し、490百万円前期比109.0%増)となりました。

 

(特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度の特別利益は、前連結会計年度に比べ114百万円増加し、114百万円となりました。これは前連結会計年度に貸倒引当金繰入額436百万円を計上しておりましたが、当連結会計年度において一部の債権を回収し、貸倒引当金戻入額を計上したことによるものです。

以上の結果、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ806百万円増加し、605百万円(前期は201百万円の損失)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ651百万円増加し、392百万円(前期は259百万円の損失)となりました。

 

ロ.資本の財源及び資金の流動性について

当社グループの運転資金需要につきましては、売上原価並びに販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資等を目的とした資金需要は、固定資産の購入及びソフトウェア投資等によるものであります。

運転資金及び設備投資資金につきましては、自己資金を基本としており、必要に応じて金融機関から短期借入を実施しております。

当社グループでは手元流動資金について常に余裕を持つべく努めており、資金繰り管理を通じた適切な資金管理をしております。

今後につきましては、引き続き財務の健全性を保ち、営業活動によるキャッシュ・フローを生み出すことによって、安定的な自己資金の確保を目指してまいります。

 

ハ.経営成績に重要な影響を与える要因について

「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

主要仕入契約

 

契約会社名

相手先の名称

契約の種類

契約
締結日

契約期間

契約品目

株式会社ヤシマキザイ

株式会社日立製作所

特約店契約

2021年
7月1日

2023年7月1日から

2024年6月30日まで

(注)2

受変電設備機器、鉄道車両用部品、情報機器等

株式会社ヤシマキザイ

日本航空電子工業株式会社

特約店契約

1992年
4月1日

2024年4月1日から

2025年3月31日まで

(注)2

コネクタ等

株式会社ヤシマキザイ

ナブテスコ株式会社

代理店契約

2018年
8月1日

2024年1月1日から2024年12月31日まで

(注)2

鉄道車両機器等

株式会社ヤシマキザイ

コイト電工株式会社

代理店契約

2004年
3月15日

2024年3月15日から2025年3月14日まで

(注)2

鉄道車両機器等

 

(注) 1.契約期間は再契約のものを含め最新の契約書に基づく契約期間を表示しております。

2.1年ごとの自動更新契約になっております。

3.上記契約の解除事由は個々の契約により異なりますが、概ねその基本的な規定事項としては、手形の不渡り・差押え・仮差押え・仮処分・競売・破産・民事再生・会社更生・債務不履行・監督官庁からの営業許可の取消処分等に該当する場合となっております。

 

6 【研究開発活動】

当社は商社のため、研究開発を行っておりませんので、該当事項はありません。