第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社グループは、「関わるすべての人達とともに持続的に成長し、独自の存在感をもって、観光産業と国際交流をリードするグローバル企業」を企業理念として掲げております。

当社グループは、旅行者、取引先、株主を含めた関わる人たち全ての発展と繁栄を目指し、共に成長する共存共栄の精神で観光産業をリードするとともに、世界中から奥深い魅力ある体験を世界の旅行者に届けます。

当社グループの独自性とはバリエーションの広さと奥行きの両方を追求することであります。バリエーションの広さとは旅行者の数に関わらず世界各国の現地体験ツアーをジャンル別に幅広く提供することであり、奥行きとは個性豊かな商品を漏れなく、かつ、重複なく提供することであります。そして取扱う商品情報の正確性と品質・安全性に責任を持ち「ベルトラが扱う商品だから」と常に信頼されるサービスの実現を目指しております。

 

(2)経営戦略等

 上記の経営方針のもと、主に日本人の海外旅行向けのサービスを提供する「海外旅行部門」、訪日外国人向けのサービスを提供する「インバウンド部門」、グローバルな旅行者向けに世界各地のサービスを提供する「グローバル部門」に分類し、現地体験ツアーをオンラインで提供できる基盤を作ることを目指しております。

 当社グループは現地体験ツアーをオンラインで長年に亘って取り扱ってきた中で築きあげた国内及び海外の約5,000社のツアー催行会社様とのネットワークがあり、15,000を超える質の高いアクティビティ商品を提供していると共に顧客満足度の向上に努めており、2021年12月末現在、200万人超の会員基盤を有しております。今後は、ツアー催行会社様とのネットワークや会員基盤等のアセットを最大限に活かすことなどにより、当社グループが旅行という枠を超えて「体験」と「交流」をベースにテクノロジーを活かしたサービスに変革させていくことで、新たな収益モデルの確立を行ってまいります。また、旅行需要の回復が早期に期待できる国内旅行事業を強化し、これまで海外旅行事業を主力としていたビジネスポートフォリオを拡張することで、当社グループ全体の収益力を向上させる施策に努めてまいります。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 営業収益成長率並びに営業利益率を重要な指標としております。

 

(4)経営環境

 当連結会計年度における経営環境は、COVID-19の全世界における感染拡大の影響により、世界各地で感染対策と経済活動の両立が図られたものの、収束に向かう兆しは見えず、大幅な減速となりました。わが国においては、緊急事態宣言の解除後、一時的に個人消費の回復の兆しが見られたものの、第6波の感染拡大に歯止めがからず、先行きは依然として不透明な状況が続いております。

 このような経済状況の中、旅行業界におきましては、2021年における日本人出国者数が2019年と比べて97.4%減の51万人、訪日外客数は99.2%減の24万人と、COVID-19の感染拡大の影響を大きく受けることとなりました(出典:日本政府観光局(JNTO))。本書提出日現在においても、世界各国で入出国禁止等の渡航制限や外出制限などの措置が行われており、旅行者は渡航自体ができない状況が生じているため、国内外ともにCOVID-19が与える影響を注視すべき状況が続いております。

 

(5)事業上及び財務上の対処すべき課題

①取扱商品数の拡充及び安定した在庫確保

 営業収益を増加させるために、新たな催行会社との契約及び新商品の供給をするとともに、既存の催行会社からの十分かつ安定的な在庫の確保が求められます。当社グループでは催行会社との強固な取引関係を構築しておりますが、在庫不足による機会損失も多く発生しております。催行会社との営業面での関係構築を更に強化するとともに、システム面での連携強化を推進することによって、十分な在庫の確保やよりユニークで魅力ある商品を拡充してまいります。

 

②当社グループの認知度及びブランド力の向上

 日本国内において当社グループの運営する「VELTRA」の認知度は発展途上であり、今後より多くの旅行者への認知度向上を図ることが事業の成長において重要な課題となっております。また、COVID-19の収束後、回復が見込まれる旅行需要を確実に捕捉することが重要であり、そのためには、顧客との接点を保持・拡充する必要があると考えております。更なる認知度向上に向けた広告宣伝や広報活動などを通して、顧客満足度を高めブランド力を向上させる施策に努めてまいります。

 

③技術革新への対応

 当社グループにとっては、競争の激しいインターネット市場において継続的な成長を遂げるべく、新しい技術やビジネスモデルへの対応を継続的に行っていくことが、重要な課題であると認識しております。旅行者の細かなニーズに対応するべくデータを活用し、旅行者ごとに最適化された販売促進を進めることや、お問い合わせ内容を機械学習させることによって効率的なカスタマーサービスを提供すること等、テクノロジーに関する投資を今後も引き続き積極的に行ってまいります。

 

④人材の確保及び育成

 当社グループが更なる成長を遂げるためには、世界各国において、催行会社との提携を拡大し、魅力的な現地体験ツアーを発掘し、当社グループで取り扱えるようにすることができる、国際的なビジネスに精通した営業人員が必要不可欠であると認識しております。また、技術革新が急速に進行し、市場規模も拡大し続けているインターネット市場においては、優秀なITエンジニアの更なる確保が重要な要素であると考えております。

 当社グループにおいては、上記のような人材の採用を積極的に行うとともに、既存の社員を含めた社員の教育、育成に注力してまいります。また、優秀な人材の定着を促進させるため、働きがいのある職場環境づくりに、引き続き努めてまいります。

 

⑤経営管理体制の強化

 当社グループが継続的に安定したサービスを提供し、企業価値を継続的に向上させるためには、事業の拡大等に合わせた経営管理体制の強化やコーポレート・ガバナンスの充実に向けた取り組みを行うことが重要な課題であると認識しております。組織が健全かつ有効、効率的に運営されるように、事業規模に応じた内部統制の整備、強化、見直しや法令遵守の徹底に努めてまいります。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)COVID-19感染拡大の影響について

 COVID-19の世界的な感染拡大により、日本を含む世界各国において海外渡航制限や外出自粛・禁止の措置がとられていることから、旅行需要が大幅に消失する事態となり、当社グループの財政状態及び経営成績に甚大な影響を与えている状況が続いております。

 前連結会計年度において、2020年3月以降のCOVID-19の感染拡大による営業収益の急激な落ち込みにより、営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する当期純損失を計上しておりました。当連結会計年度においても、海外への渡航制限の継続及びCOVID-19の感染再拡大により1,098,144千円の営業損失、1,104,121千円の経常損失、1,157,363千円の親会社株主に帰属する当期純損失を計上しております。

 こうした状況の中、当社グループでは、早期に徹底的なコストコントロールを実行し、また資金確保のための各種資金調達を行っておりますが、当社グループの財政状態及び経営成績が、収束まで長期化が予想されるCOVID-19の感染拡大によって、引き続き大きな影響を受ける可能性があります。なお、当該状況にかかる対応策については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(継続企業の前提に関する事項)」に記載しておりますが、これらの対応策は実施途上にあることから、現時点においては、継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。

 

(2)自然災害、人為災害、テロ、戦争等について

① 海外催行地について

 当社グループのサービスを介して申し込みが行われる現地体験ツアーは、主に海外の現地において行われております。そのため、現地において自然災害、人為災害、テロ、戦争等が起こり、現地体験ツアーを実施することが出来なくなった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

② 顧客の所在地について

 当社グループのサービスを利用する主要な旅行者は日本に居住する邦人であります。そのため、日本国内において自然災害等が起こった場合には、会員数及び現地体験ツアー申込件数が著しく減少し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 現地体験ツアー催行中の人的被害について

 当社グループは現地体験ツアーを自主催行しているわけではありませんが、現地体験ツアー催行中に、当社グループのサービスを介してお申込み頂いた旅行者に人的被害が及んだ場合には、風評被害等を受けることにより、会員数及び現地体験ツアー申込件数が著しく減少し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)競合について

 当社グループは、現地体験ツアーを専門に販売する日本最大級の旅行オンラインサービスを展開しており、業界においてユニークなポジションを築いているものと認識しております。

 しかしながら、世界市場には、航空券やホテル等のオンライン旅行事業を営んでいる有力な企業が多数存在しており、それらの企業が、その資本力、営業力等を活用して現地体験ツアー分野に進出すること等により、当社グループが想定している以上に競争が激化した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 これに対し、当社グループは現地体験ツアー分野を専業として長年築いてきた、ツアー催行会社様とのネットワークを継続的に強化しながら、自社予約サイトの認知度向上等に努めていくとともに、国内外の観光事業者との業務連携を積極的に進めていくことにより、競争力の維持、向上を図ってまいります。

 

(4)技術革新について

 当社グループが事業を行っているインターネット関連市場においては、技術革新のスピードが非常に速く、顧客ニーズも多様化しております。

 今後、これまでになかったような新技術が市場に導入され、投資の制約等により当社グループが当該技術革新に遅れを取った場合には、事業遂行上の制約となり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 これに対し、当社グループは市場動向や顧客ニーズの変化を早期にとらえ、変化に対応した新機能や新サービスをフレキシブルに開発、導入していくことで、技術革新に対応してまいります。

 

(5)システム障害について

 当社グループの行っている現地体験ツアーの予約サイトの運営は、インターネット環境に大きく依存しております。そのため、ITインフラ関連の障害、コンピュータウイルスへの感染、その他不測の事態が生ずることにより、インターネットが長期間使用不能となった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 これに対して、当社グループは、インターネット環境を安定させるため、ITインフラのクラウド化、システムの常時監視等の対応策を講じており、システム障害にかかるリスクを低減するための施策を続けてまいります。

 

(6)個人情報について

 当社グループにおいては、業務に関してサービス利用者の個人情報を有しており、個人情報の管理は重要なものであると認識しております。これらの情報の取り扱いについては、情報システム管理規程、情報セキュリティ管理規程、個人情報保護規程、個人番号及び特定個人情報取扱規程を設け万全を尽くすとともに、情報システムの有効性、効率性、機密性等を確保するといった対応策を講じております。しかしながら、不測の事態により、顧客情報が外部へ流出した場合、社会的信用の失墜や、損害賠償請求等により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)人材確保について

 当社グループにおいては、当社グループの知名度向上及び新規現地体験ツアー開拓が、事業拡大のための重要課題と考えております。また、事業規模の拡大に併せ、経営管理体制を強化していくことが必要と考えております。そのためには、事業の変遷に適した優秀な人材、並びに人材を監督・指導ができるマネジメント人材の確保と育成が、必要不可欠となります。

 しかしながら、人員補強が計画通りに進まなかった場合、当社グループの事業拡大が制約されることとなり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)為替変動について

 当社グループは現地体験ツアーの中でも海外の商品を主力としており、ツアー催行会社に対する代金決済の多くを外貨建で行っているため為替変動リスクに晒されており、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 これに対し、当社グループは為替予約取引を実施するなど、為替変動による業績への影響を最小限にとどめるよう努めております。

 

(9)業績の季節的変動について

 当社グループでは営業収益の計上基準として催行実施日基準を採用しており、営業収益は旅行者が現地体験ツアーに参加した日が属する月に計上されます。ツアー催行日は、旅行者が長期休暇を取得しやすい7月から9月の夏休み期間に集中する傾向にあり、当社グループの営業収益及び利益についても、その期間に増加する傾向がある一方、その他の期間については相対的に減少する傾向があります。したがって、当社グループの四半期別の業績のみを基に、当社グループの通期の業績を見通すことは困難であることに留意する必要があります。

 

(10)特有の法的規制について

 当社グループは、現地体験ツアーを自主催行しておりませんが、一部ツアーには、運送手配等が含まれているため旅行業法に該当し、当社は第二種旅行業の登録をしております。

 第二種旅行業は5年毎の更新が義務付けられています。当社が旅行業法で定める登録拒否事由に該当し更新することができない場合又は旅行業法上の登録取消し事由に該当し登録取消処分等を受けた場合は、登録の取消し又は営業の停止等を命じられる可能性があります。これに対し、当社は現時点において登録拒否事由や取消事由に該当する事実はないと認識しておりますが、今後も変化する可能性がある社会的要請に応じて、サービスを提供する企業として自主的に対応し、業界の健全性・発展性を損なうことの無いよう努めていくべきであると考えております。

 しかしながら、何らかの理由により登録拒否事由等が生じた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(許認可等の名称)

許認可等の名称

許認可登録番号

有効期限

関連法令

許認可等の取消事由

第二種旅行業

東京都知事登録

旅行業第2-5555

2025年1月17日

旅行業法

同法第19条

 

(11)海外の事業展開に伴うリスクについて

 当社グループは、日本国内のほか米国、東アジア、東南アジアなどグローバルに事業拠点を配置し、事業を展開しております。

 当社グループでは、本社と現地海外子会社が連携を強化することや、顧問契約を締結している現地の会計事務所や法律事務所と定期的に情報を共有することで、海外展開に伴うリスクを軽減するように努めております。

 しかしながら、海外事業拠点において、当社グループの事業に係わる法規制等の成立・改正等が実施された場合や政治情勢により事業運営に支障をきたす事態が生じた場合等には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)ウェブサイト内の書き込みについて

 当社グループが運営するウェブサイトでは、現地体験ツアーに対するツアー参加者個人の評価などを「参加体験談」として自由に発信できる仕様となっており、「参加体験談」は旅行者がツアーへの参加を検討する際、有意義な情報となっているものと認識しております。一方、「参加体験談」には好意的な内容だけでなく、現地体験ツアーに対して改善を要望する内容についても書かかれており、中には不適切な書き込みがなされるケースがあります。このような不適切な書き込みの発見が遅れた場合、当社グループの運営するウェブサイトに対する旅行者の支持が下がり、当社グループの信用低下を招き、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 これに対し、当社グループでは、参加体験談利用規約を明示しており、法令や公序良俗に反する内容や誹謗中傷等など不適切と判断した場合には、その内容を投稿者に事前通告なく削除する対応を取っており、運営サイトの健全化を維持する取組を講じております。

 

(13)知的財産権について

 当社グループでは、ツアー体験会社より直接入手した画像等が、万が一に第三者の知的財産を侵害する可能性があるため、第三者の著作権や肖像権等の知的財産を侵害しないようウェブサイト上に掲載する画像等については、知的財産権の侵害がないかの表明保証を催行会社から取得する等の対策を行っており、第三者の知的財産権の侵害は存在していないと認識しております。

 しかしながら、今後も知的財産権の侵害を理由とする訴訟やクレームが提起されないという保証はなく、そのような事態が発生した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)配当政策について

 当社グループでは、創業以来、配当を実施しておりません。これは、当社グループでは将来の事業の発展及び財務基盤の長期安定を経営の最重要課題のひとつとして認識しており、そのためには内部留保を行い、事業拡大のための投資及び財務基盤の安定化に充当することが、株主利益の最大化につながると考えているためであります。そのため、今後も当面は、内部留保の充実を図る方針であります。

 将来的には、財政状態及び経営成績等を考慮し配当の実施を検討する予定ですが、当社グループの事業が計画通り伸展しなかった場合には、配当を実施できない可能性があります。

 

(15)ストック・オプション及び第三者割当新株予約権行使における株式価値の希薄化について

 当社は、当社グループの取締役、従業員に対するインセンティブを目的に、会社法の規定に従ってストックオプションとして、2017年12月29日に第1回及び第2回新株予約権(2017年12月28日開催の取締役会決議)及び2020年4月9日に第5回新株予約権(2020年3月25日開催の取締役会決議)を発行しております。

 また、第三者割当新株予約権として、2021年12月2日に第6回及び第7回新株予約権(2021年11月16日開催の取締役会決議)を発行しております。

 今後につきましても、ストック・オプション制度及びを第三者割当新株予約権行使活用していくことを検討しており、現在付与している新株予約権に加えて、今後付与される新株予約権の行使が行われた場合には、保有株式の株式価値が希薄化する可能性があります。なお本書提出日の前月末(2022年2月28日)現在における新株予約権による潜在株式数は3,302,800株であり、発行済株式総数33,811,200株の9.7%に相当します。

 

(16)継続企業の前提に関する重要事象等

 現時点ではCOVID-19の実体経済に与える影響の更なる長期化が予測される中で、翌連絡会計年度以降の営業収益の計上についても不透明な状況であり、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。

 COVID-19の感染拡大にともなう影響につきましては、「(1)COVID-19感染拡大の影響について」に記載の通りであります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症(以下「COVID-19」という。)の感染拡大の影響が長期化しており、9月以降国内における新規感染者数は減少傾向にあったものの、年末よりオミクロン株の急拡大により新規感染者数が再び増加に転じるなど、依然として先行きの見通しも不透明な状況にあります。

 当社サービスの対象である旅行業におきましては、依然としてCOVID-19の感染拡大の影響を大きく受けており、2021年1月から12月における出国日本人者数は2019年と比べ97.4%減の51万人となり、多くの国において渡航制限や外出禁止等の措置が継続されていることなどにより大幅に減少する結果となりました。また、訪日外客数も2019年比99.2%減の24万人となっております(出典:日本政府観光局(JNTO))。現時点においても、世界各国で入出国禁止等の渡航制限や外出制限などの措置が行われており、旅行者は渡航自体ができない状況が続いており、国内外ともにCOVID-19が与える影響を注視すべき状況に見舞われております。

 そのような事業環境のもと、当社グループは、従来より現地体験ツアー専門のOTA(オンライン・トラベル・エージェント)企業として、(1)主に日本人の海外旅行向けのサービスを提供する「海外旅行部門」、(2)訪日旅行者向けのサービスを提供する「インバウンド部門」、(3)グローバルな旅行者向けに世界各地のサービスを提供する「グローバル部門」に組織編成しておりましたが、COVID-19の影響をうけて、2020年5月において、「インバウンド部門」の一部である中華圏事業(中国語サイト)及び「グローバル部門」の一部であるグローバル事業(ベルトラ英語サイト)を閉鎖しております。このような事業環境のもと、2020年3月以降のCOVID-19の全世界的な感染拡大の収束の目途は未だ見込めず、依然として海外への渡航制限が継続されており、また日本国内においても9月末まで首都圏を中心に緊急事態宣言が継続されていたこと等から、国内外における旅行需要が大幅に減少している状況が続いております。

 この結果、当連結会計年度の営業収益は492,656千円(前年同期比44.7%減)となりました。なお、営業収益を収益区分別にみますと、OTA事業が348,435千円(前年同期比56.9%減)、観光IT事業が144,220千円(前年同期比76.2%増)となりました。

 利益につきましては、COVID-19の全世界的な感染拡大が顕在化した2020年3月以降、全社的なコスト見直しを行い、広告宣伝費の大幅な削減、役員報酬の減額、従業員の休業対応などの徹底的なコストコントロールに努めておりますが、予約数の減少により営業収益が急激に落ち込んだ結果、営業損失は1,098,144千円(前期1,333,676千円の営業損失)、経常損失は1,104,121千円(前期1,250,233千円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は1,157,363千円(前年同期1,547,255千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

 なお、当社グループは、旅行関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。

 

②財政状態の状況

(流動資産)

 当連結会計年度末における流動資産は1,414,466千円と、前連結会計年度末比316,408千円増加しました。これは主に、現金及び預金が279,839千円増加したことによるものです。

 

(固定資産)

 当連結会計年度末における固定資産は455,853千円と、前連結会計年度末比164,172千円減少しました。これは主に、ソフトウェアが127,466千円減少したこと、投資その他の資産が42,521千円減少したことによるものです。

 

(流動負債)

 当連結会計年度末における流動負債は691,084千円と、前連結会計年度末比445,254千円減少しました。これは主に、短期借入金が611,384千円減少した一方で、前受金が83,074千円増加したことによるものです。

 

(固定負債)

 当連結会計年度末における固定負債は3,557千円と、前連結会計年度末比25,813千円減少しました。これは主に、長期借入金が25,019千円減少したことによるものです。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産は1,175,678千円と、前連結会計年度末比623,304千円増加しました。これは主に、新株の発行による資本金の増加798,764千円及び資本剰余金の増加798,764千円、非支配株主との取引に係る親会社の持分変動に伴う資本剰余金の増加138,300千円、親会社株主に帰属する当期純損失1,157,363千円を計上したことによる利益剰余金の減少によるものです。

 

③キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)の残高は、前連結会計年度末より279,839千円増加し、1,197,174千円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において営業活動の結果減少した資金は677,737千円(前連結会計年度は3,244,881千円の支出)となりました。これは主に、仕入債務の増加162,742千円などの増加要因と、税金等調整前当期純損失1,120,402千円などの減少要因によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において投資活動の結果減少した資金は43,531千円(前連結会計年度は213,347千円の支出)となりました。これは、固定資産の取得による支出81,580千円の減少要因によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において財務活動の結果増加した資金は970,023千円(前連結会計年度は417,237千円の収入)となりました。これは主に、株式の発行による収入1,539,258千円の増加要因と、短期借入金の純増額の減少による支出600,229千円などの減少要因によるものであります。

 

④生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社グループは、生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

b.受注実績

 当社グループは、概ね受注から役務提供までの期間が短いため、受注実績に関する記載を省略しております。

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。なお、当社グループは旅行関連事業の単一セグメントであるため、収益区分別に記載しております。

収益区分

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

  至 2021年12月31日)

営業収益(千円)

前年同期比(%)

OTA事業

348,435

△56.9

観光IT事業

144,220

176.2

合計

492,656

△44.7

 (注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.主要な販売先については、総販売実績に対する割合が100分の10以上に該当する相手がいないため、記載を省略しております。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としておりますが、見積りによる不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りとは異なる場合があります。なお、当社グループの連結財務諸表の作成にあたって重要となる会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)及び(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(営業収益)

 営業収益は、492,656千円(前年同期比44.7%減)となりました。主な要因は、COVID-19の影響に伴う営業収益の減少によるものであります。

 なお、営業収益を収益区分別にみますと、OTA事業部門が348,435千円(前年同期比56.9%減)、観光IT事業部門が144,220千円(前年同期比76.2%増)となりました。

 

(営業費用及び営業損益)

 営業費用は、1,590,800千円(前年同期比28.5%減)となりました。主な要因は、COVID-19の全世界的な感染拡大が深刻化したことに伴い全社的なコスト見直しを行い、広告宣伝費を中心に大幅な削減に加えて役員報酬の減額、賞与支給の停止、従業員の休業対応による削減などのコストコントロールを実行したことによるものであります。これらの結果、営業損失は1,098,144千円(前年同期1,333,676千円の営業損失)となりました。

 

(営業外収益、営業外費用及び経常損益)

 営業外収益は58,705千円(前年同期比48.0%減)、営業外費用は64,683千円(前年同期比118.9%増)となりました。これは主に、株式交付費の増加によるものであります。これらの結果、経常損失は1,104,121千円(前年同期1,250,233千円の経常損失)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純損益)

 法人税等合計は36,961千円(前年同期比70.7%減)となりました。これらの結果、親会社株主に帰属する当期純損失は1,157,363千円(前年同期1,547,255千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

 

③当社グループの資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、広告宣伝費や人件費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は基幹システムの開発・改良等によるものであります。

 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。COVID-19収束後の市場回復期における事業成長のための投資を維持しながら、財務基盤の健全化を図る目的で、2021年1月に第三者割当増資を実施し、1,508,800千円を調達することで資本を増強いたしました。また、主要取引銀行と総額16億円の当座貸越契約の継続を行っておりますが、引続き、主要取引銀行との関係を維持しつつ、継続的に支援いただくための協議を行い、財務基盤の安定化に努めてまいります。

 なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は25,019千円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,197,174千円となっております。

 

④経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」で述べましたとおり、当社グループでは、営業収益成長率並びに営業利益率を重要な指標としております。当連結会計年度における営業収益成長率はマイナス44.7%であり、営業損失の計上となりました。

 引き続きこれらの指標の改善について取り組んでまいります。

⑤当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因

 経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」で述べましたとおり、COVID-19の感染拡大の影響、人為災害、テロ、戦争等や、技術革新、システム障害、為替変動等が、経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。

 従いまして、当社グループは常に市場動向や各国の政情等に留意しつつ、内部管理体制を強化するとともに優秀な人材を確保し、顧客のニーズに合ったサービスを展開していくことにより、上記のような経営成績に重要な影響を与えるリスクを低減してまいります。

 

⑥経営者の問題意識と今後の方針について

 経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。