当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「人を想い、人に寄り添うことでよりよい世界を実現する」を企業ビジョンとして掲げております。旅行者、取引先、株主を含め、当社グループに関わる人たち全ての発展と繁栄を目指し、共に成長する共存共栄の精神で観光産業をリードするとともに、世界各地から奥深い魅力ある体験を世界中の旅行者に届けます。
当社グループのサービスは業界内でも独自性の高さを誇り、その独自性とはバリエーションの広さと奥行きの両方を追求することであります。また、ここでのバリエーションの広さとは旅行者の数に関わらず世界中の現地体験ツアーをジャンル別に幅広く提供することであり、奥行きとは個性豊かな商品を漏れなく、かつ、重複なく提供することであります。そして取扱う商品情報の正確性と品質・安全性に責任を持ち「ベルトラが扱う商品だから」と常に信頼されるサービスの実現を目指しております。
(2)経営戦略等
上記の経営方針のもと、その事業領域は旅行関連事業を収益区分別に分類し、①当社グループが運営する、現地体験ツアーオンライン予約サイト(日本語サイト「VELTRA」、催行地をハワイに特化した英語サイト「Hawaii Activities」)でのツアー予約にかかる収益を得るオンライン・トラベル・エージェント(以下、「OTA」)事業、②観光関連事業者のITインフラを供給するサービス、連結子会社であるリンクティビティ株式会社が展開するチケットプラットフォーム事業など、OTA事業以外から収益を得る事業(以下、「観光IT事業」)より構成されております。
当社グループは長年に亘り、現地体験ツアーをオンラインで取り扱ってきた中で築きあげた国内外の約9,000社のツアー催行会社とのネットワークを有し、20,000を超える質の高いアクティビティ商品を提供することで顧客満足度の向上に努めてまいりました。その結果、2024年12月末現在において、約250万人の会員基盤を保持しております。今後は、ツアー催行会社とのネットワークや会員基盤等のアセットを最大限に活かしながら、当社グループが旅行という枠を超えて「体験」と「交流」をベースに新しい技術やビジネスモデルを取り入れたサービスに変革させていくことで、新たな収益モデルの確立を行ってまいります。また、インバウンド旅行を含め、需要が急回復した国内旅行事業を強化し、これまで海外旅行事業を主力としていたビジネスポートフォリオを拡張することで、当社グループ全体の収益力を向上させる施策に努めてまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
営業収益成長率並びに営業利益率を重要な指標としております。
(4)経営環境
当連結会計年度におけるわが国経済は、社会・経済活動の正常化、雇用・所得環境の改善等を背景に、一部足踏み感があるものの緩やかな回復傾向となりました。一方、相次ぐ大規模な自然災害や混沌とする海外情勢、さらには円安の影響からのエネルギー価格や原材料価格の上昇に加え、労働力不足による人件費上昇等で物価高騰が続き、依然として先行き不透明な状況が継続しております。
当社サービスの対象である旅行業界におきましては、国内旅行については、新型コロナウイルス感染症の収束により高まった旅行意欲が落ち着きを見せ、おおむね横ばいの状況が続いています。海外旅行については、不安定な国際情勢、円安等による旅行代金の高騰や旅行先の物価上昇等の影響を受けつつもコロナ禍以前への回復が8月以降徐々に進んでいます。訪日旅行については、円安傾向の継続や外国人の長期休暇による訪日需要の高まりから大きな伸びを見せています。特に12月はスクールホリデーのほかクリスマス・年末年始に合わせた旅行需要の高まりが多くの市場で見られ、訪日外客数は3,489,800人(前年同期比27.6%増)と単月過去最高を記録し、1964年の統計開始以来、初めて単月として340万人を突破しました。また、2024年の年間訪日外客数は36,869,900人(前年同期比47.1%増)となり、年間過去最高を更新しました(出典:日本政府観光局(JNTO))。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
① 高効率経営の実現
当社グループは、2020年以降継続して親会社株主に帰属する当期純損失を計上しており、今後の各事業年度において、確実に営業利益を確保するとともに、着実に利益を積み上げていくことが重要な課題となっております。そのためには当社グループの主力事業であるOTA事業の収益拡大を推進するとともに、それを生み出すオペレーションの効率化を、業務改善及び積極的なテクノロジー活用により実現し、営業利益率の改善を図ってまいります。
② 顧客ニーズにフィットした取扱商品の拡充
当社グループの主力事業であるOTA事業の営業収益を増加させるためには、コロナ禍を経て着実に進んでいる旅行者の渡航エリアの変化、及び顧客の需要ニーズの変化に適した取扱商品を展開していくことが、喫緊の重要な課題であると認識しております。そのためには、国内外の催行会社との営業面での関係構築をこれまで以上に強固にし、さらにシステム面での連携強化を推進することによって、顧客ニーズにフィットしたユニークで魅力ある商品を展開させ、それらの十分な在庫確保に努めてまいります。
③ 人材育成及び職場環境の整備
当社グループが継続的な成長を実現するためには、既存事業の更なる拡大はもとより、新たなビジネスモデルの構築やそれを支えるコーポレート機能の強化を担う有能な人材の確保が必要と考えております。
当社グループにおいては、上記のような人材の採用を積極的に行うとともに、権限委譲を推進することで組織としてのパフォーマンス最大化を図ると共に、個々人の役割・ポジションを明確にし、リーダー人材の育成に注力してまいります。また、評価報酬制度の構築により優秀な人材の定着を促進し、多様化する働き方に応えるべく、社員のエンゲージメント向上のための施策、及び働き甲斐のある職場環境の整備に、引き続き努めてまいります。
④ 技術革新への対応
当社グループにとって、競争の激しいインターネット市場において継続的な成長を遂げるには、新しい技術やビジネスモデルへの対応を継続的に行っていくことが、重要な課題であると認識しております。旅行者の細かなニーズに対応するべく蓄積された顧客データを活用することで、旅行者ごとに最適化された商品・サービスの販売を可能にすると共に、業務の効率化を図ることでコストを圧縮し、利益率の向上を実現していくため、必要なテクノロジーに関する投資を今後も引き続き積極的に図ってまいります。
⑤ コーポレート・ガバナンス及びリスクマネジメントの強化
当社グループが継続的に安定したサービスを提供し、企業価値を向上させるためには、事業の状況に応じた経営管理体制及びコーポレート・ガバナンスの強化に向けた取り組みを行うことが重要な課題であると認識しております。より一層の取締役会の監督機能強化、及び管理体制の充実を図ると共に、法令遵守の徹底に努め、健全かつ有効、効率的に組織を運営してまいります。また、組織規模に応じた内部統制システムの整備や見直し、及びリスクマネジメントの強化を図り、潜在的リスクを早期に把握し、対策を講じます。これにより、企業の透明性と信頼性を高め、持続可能な経営基盤を築いてまいります。
⑥ コンプライアンス体制及び情報セキュリティのリスク対応の強化
当社グループは、急速な事業環境の変化に適応し、持続的な成長をしていくためには、コンプライアンス体制及び情報セキュリティのリスク対応が重要な課題であると認識しております。そのため、従業員を対象に今後も法令遵守の重要性を教育し、更なる企業倫理の徹底を図ってまいります。また、ウイルスや不正な手段による外部からのシステムの侵入やシステム障害を防止するため、高いレベルでのシステムの運用・監視強化や最新のシステムに基づく技術的な対策などシステムセキュリティの強化を継続して行ってまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社グループでは、サステナビリティを経営上の重要な要素として認識しております。気候変動を含むサステナビリティに関する取組は、サステナビリティ推進委員会を中心に組織されます。リスクに関してはリスクマネジメント・コンプライアンス委員会と連携しながら対応し、すべての取組は、取締役会にて報告され、適正に監督されております。また、取締役会において議長を務める代表取締役社長は、サステナビリティに関する諸課題の審議や決定に対し、最終的な責任を負います。
詳細は「
(2)気候変動への取組
当社グループは、『心揺さぶる体験を未来に届ける』をミッションに、旅行を通じた新たな価値創造と文化交流を推進し、信頼されるサービスの提供を目指しております。しかしながら旅行のための移動によって温室効果ガスが排出されるなど、旅行業界が自然環境に与えうる影響は、懸念すべき点も存在いたします。そのため、当社グループとしましては、気候変動対応を重要な課題として位置づけ、長期的な視点によって社会との共創を通じて持続可能な成長と顧客体験価値の最大化を追求してまいります。
また、当社グループでは気候変動への取組についてTCFDに沿った開示をしており、詳細な開示につきましては、当社HPのサステナビリティページ(https://corp.veltra.com/sustainability/)を順次更新しておりますので、そちらをご参照ください。
①ガバナンス
気候変動対応に関するガバナンスについては、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)ガバナンス」に記載のとおりであります。
②戦略
当社グループでは、TCFD提言に基づき、気候変動関連のリスク・機会の把握を目的にシナリオ分析を行いました。シナリオ分析では、国際エネルギー機関(IEA)等の科学的根拠等に基づき1.5°Cシナリオと4°Cシナリオを定義し、2030/2050年時点で事業に影響を及ぼす可能性がある気候関連のリスクと機会の重要性を評価いたしました。
1.5℃シナリオでは、炭素税導入の他、市場の変化としてサステナブルツーリズムの需要が高まる可能性や、気候変動に対する取組への評価などを想定し、リスクと機会を洗い出し、評価いたしました。一方、4℃シナリオでは、異常気象や気温上昇などによる顧客の目的地の変化や、観光資源の減少、燃料価格の変化等のリスクを評価いたしました。
シナリオ分析で重要と判断されたリスクに関しては、現在の取組を推進するとともに、今後も充実した対応策を策定してまいります。
③リスク管理
当社グループでは、気候変動に関連するものを含むサステナビリティ関連のリスクや機会は、まずサステナビリティ推進委員会にて認識されます。認識されたリスクはリスクマネジメント・コンプライアンス委員会などと連携しながら評価され、全社リスク管理プロセスに統合されます。対応が必要となるリスクについては、サステナビリティ推進委員会、リスクマネジメント・コンプライアンス委員会、各関係部署が連携し、KPIの策定やワーキンググループを個別で設立し対処いたします。
当社グループのリスクに関する詳細は、「
④指標及び目標
当社グループは、気候変動関連リスク機会の評価指標として、温室効果ガス排出量の算定を行なっております。昨年度はScope1にあたる「燃料の使用(CO2)」と、Scope2にあたる「他人から供給された電気の使用(CO2)」のみを算定しておりましたが、当年度はサプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量であるScope3につきましても、まずは当社事業(単体)に伴う実績を算定しております。
今後もScope3算定の対象を広げ、温室効果ガス排出量の把握を継続し、削減に向けた体制づくりと目標設定を進めてまいります。
温室効果ガス排出量(2024年12月期)
|
算定期間:2024年1月~12月 Scope1・2における開示対象:ベルトラ株式会社、リンクティビティ株式会社、VELTRA Inc. Scope3における開示対象:ベルトラ株式会社(単体) Scope2で使用した排出係数: (マーケット基準)電気事業者別排出係数 令和6年度実績 各電気事業者の調整後排出係数 (ロケーション基準)電気事業者別排出係数 令和6年度実績 温対法における全国平均係数 |
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区分 |
排出量(t-CO2) |
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Scope1(燃料の使用) |
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Scope2(電気の使用) |
マーケット基準 |
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ロケーション基準 |
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Scope3 |
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計(Scope1+2+3) |
マーケット基準 |
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ロケーション基準 |
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Scope3 カテゴリ |
排出量(tCO2) |
割合(%) |
|
1.購入した製品・サービス |
2,819.5 |
96.5 |
|
2.資本財 |
0.0 |
0.0 |
|
3.Scope1.2に含まれない燃料及びエネルギー関連活動 |
2.6 |
0.1 |
|
4.輸送、配送(上流) |
4.2 |
0.1 |
|
5.事業から出る廃棄物 |
0.0 |
0.0 |
|
6.出張 |
29.6 |
1.0 |
|
7.雇用者の通勤 |
55.4 |
1.9 |
|
8.リース資産(上流)(注1) |
11.9 |
0.4 |
|
9.輸送、配送(下流)(注2) |
対象外 |
- |
|
10.販売した製品の加工(注2) |
対象外 |
- |
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11.販売した製品の使用(注2) |
対象外 |
- |
|
12.販売した製品の廃棄(注2) |
対象外 |
- |
|
13.リース資産(下流)(注2) |
対象外 |
- |
|
14.フランチャイズ(注2) |
対象外 |
- |
|
15.投資(注2) |
対象外 |
- |
|
Scope3総排出量 |
2,923.2 |
100.0 |
(注)1.貸倉庫使用による排出量を算定しております。
(注)2.当社グループはOTA事業及び観光IT事業を主軸としており、物理的な製品や物流、フランチャイズ、投資活動を伴わないため、Scope3の「輸送、配送(下流)」から「投資」までのカテゴリは該当する排出源が無く、対象外としております。
(3)人的資本への取組
当社グループでは、事業環境の急速な変化に対応し、持続的な成長を実現するためには、人的資本の充実が重要であると認識しております。そのため、『人を想い、人に寄り添うことでよりよい世界を実現する』という経営ビジョンのもと、組織戦略やあるべき人材像の策定を行い、次世代リーダー育成の基盤構築に取り組んでおります。2024年度におきましては、当社グループの事業戦略として、商品バリエーションとターゲットの拡大、集客力強化及びサービス向上を掲げて事業を展開してまいりましたが、そのような中、全社的にAIやテクノロジーの活用を推進することで、人的資本の効率的な活用による事業生産性向上を図りました。また、従業員の健康を重要な経営資源と捉え、健康経営の推進にも積極的に取り組んでおります。
①戦略
ⅰ.組織体制の見直し
当社グループでは、2024年度からフラットな組織への移行を進め、組織文化の醸成と役員からの事業責任における権限委譲を実施いたしました。この取組により、意思決定の迅速化と現場の自律性向上を図り、組織全体の機動性を高めております。また、組織横断的なプロジェクトを推進し、部門間の連携を強化することで、より柔軟で創造的な組織体制を構築しております。
ⅱ.個、そして、組織としてのパフォーマンス最大化
当社グループでは、人的資本に基づく人事KPIを設定し、あるべき人材像・リーダーシップコンピテンシーの浸透を推進するとともに、採用ポリシー及びガイドラインを整備し、採用ミスマッチの削減を図りました。また、次世代を担うリーダー育成のためのプログラムを実施しております。さらに、従業員が主体的にチャレンジできる「手を挙げる文化」の醸成を目的とした取組の推進や、女性活躍推進の成果としての「えるぼし認定」取得、CSR(企業の社会的責任)活動として従業員の保全活動ツアー参加による社会との繋がりの強化など、従業員の成長と社会貢献の両立を目指しております。
ⅲ.あるべき人材像への取組
<ビジョン・ミッションの浸透を通じた組織風土醸成>
当社グループでは、これまでビジョン・ミッションの浸透を意識したコミュニケーションを心がけてまいりました。2024年7月に実施したエンゲージメントサーベイにおきましては、ビジョン・ミッションの浸透に関する項目でポジティブな回答率が98%を記録するなど、従業員からの共感と支持を得る結果となっております。また、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)推進に取り組む企業を認定・表彰する「D&Iアワード2024」でアドバンス認定を取得するなど、引き続き多様性を尊重する企業文化及び組織風土の醸成を推進してまいります。
<従業員が安心して働ける労働環境の推進>
過年度に引き続き、「フレックスタイム制度」や「Work From Anywhere制度(注1)」の運用、男女問わず柔軟な働き方などを推進してまいりました。また、2024年度は健康経営に本格的に着手いたしました。
(注1:Work From Anywhere制度:2021年12月より導入した場所を問わず働けるリモート/テレワーク制度)
(以下、取組例)
a.ワークライフバランス
運用開始3年目となったWork From Anywhere制度の2024年度の利用者数は、過去最高の83名に達しました。この制度により有給休暇の消化率が向上すると共に、Veltra Service Point(注2)を利用してアクティビティに参加することで、旅の楽しさや体験に関する情報共有が活発化するなど、従業員のエンゲージメント向上に繋がっております。
(注2:Veltra Service Point:当社独自の福利厚生。対象商品(当社HP https://www.veltra.com/jp/ 内の商品)に対し使用できるポイントを付与)
b.横断的コミュニケーションの強化
2024年度におきましては、これまでの縦割り組織からフラットな組織体制へと変化したことで、より横断的なコミュニケーションが必要となり、部署間、部門間コミュニケーションを意識した施策を実施いたしました。具体例としましては、各種サークル(社内コミュニティ)活動の立ち上げ、定期的な社内ラジオ企画の実施、コミュニケーションワークショップ開催などが挙げられます。
c.女性活躍推進
女性従業員の積極的なキャリア開発、及び女性の非正規社員の正規雇用への転換によるキャリア形成に関しても積極的に取り組んでおります。また、男女問わず、各々の可能性を広げるキャリア形成が可能な環境を整備するため、今後、キャリアデザインの運用を検討しております。
d.健康経営
従業員の健康を当社グループにおける事業運営の重要な柱と位置づけ、健康経営に関する外部認証の取得を目指し、中でも経済産業省が中心となって設計・認定をしている「健康経営優良法人」の認定基準に基づく取組を推進いたしました。具体的には、健康診断受診率の向上、ストレスチェックの実施、長時間労働者へのケア、産業医面談の実施、定期的な健康情報の発信など、従業員の健康維持を支援する施策を強化しております。2024年3月に健康保険組合連合会東京連合会の健康企業宣言を行い、2025年1月には健康優良企業STEP1の「銀の認定」を取得いたしました。
②指標及び目標
当社グループは、上記の戦略に基づき、企業としての成長をはかる中で適切な指標の設定を検討しております。2024年度におきましては、昨年度に引き続き、人的資本をベースとしたKPI設定および数値化を実施いたしました。なお、当連結会計年度現在、一部開示をおこなっている指標は次のとおりであります。
当社グループでは、2025年度の人事方針としまして、「多様性ある優秀なメンバーがチャレンジマインドを持って共に活躍・成長し続ける企業となる」を掲げております。この方針のもと、中期及び短期経営計画の達成に向けて、組織全体のパフォーマンス最大化を図ると共に、組織・人材の流動性を高め、経営計画の浸透ならびに実行力の強化を推進してまいります。また、個々の役割を明確化し、メンバーの活躍を促進するため、リーダー育成プログラムの強化や評価・報酬制度の見直しに着手しており、全従業員が当社グループの経営戦略に深くコミットし、同じ方向性で一丸となって取り組むことで、従業員の士気とエンゲージメントを高い水準で維持できる体制を構築してまいります。
加えて、先述の通り「健康経営優良法人認定制度」の取得を目指し、従業員の健康意識向上を目的とした取組やイベントなどを継続的に行い、安心安全な職場環境と従業員の健康促進をより一層進めてまいります。
以上の取組を通じて、従業員一人ひとりが成長し、組織全体の持続的な発展を実現する企業を目指してまいります。
1.有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)自然災害、人為災害、テロ、戦争等について
① 海外催行地について
当社グループのサービスを介して申し込みが行われる現地体験ツアーは、主に海外の現地において行われております。そのため、現地において自然災害、人為災害、テロ、戦争等が起こり、現地体験ツアーを実施することが出来なくなった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 顧客の所在地について
当社グループのサービスを利用する主要な旅行者は日本に居住する邦人であります。そのため、日本国内において自然災害等が起こった場合には、会員数及び現地体験ツアー申込件数が著しく減少し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 現地体験ツアー催行中の人的被害について
当社グループは現地体験ツアーを自主催行しているわけではありませんが、現地体験ツアー催行中に、当社グループのサービスを介してお申込み頂いた旅行者に人的被害が及んだ場合には、風評被害等を受けることにより、会員数及び現地体験ツアー申込件数が著しく減少し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)競合について
当社グループは現地体験ツアーを専門に販売する日本最大級の旅行オンラインサービスを展開しており、業界においてユニークなポジションを築いているものと認識しております。
しかしながら、世界市場には、航空券やホテル等のオンライン旅行事業を営んでいる有力な企業が多数存在しており、それらの企業が、その資本力、営業力等を活用して現地体験ツアー分野に進出すること等により、当社グループが想定している以上に競争が激化した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
これに対し、当社グループは現地体験ツアー分野を専業として長年築いてきた、ツアー催行会社とのネットワークを継続的に強化しながら、自社予約サイトの認知度向上等に努めていくとともに、国内外の観光事業者との業務連携を積極的に進めていくことにより、競争力の維持、向上を図ってまいります。
(3)技術革新について
当社グループが事業を行っているインターネット関連市場においては、技術革新のスピードが非常に速く、顧客ニーズも多様化しております。
今後、これまでになかったような新技術が市場に導入され、投資の制約等により当社グループが当該技術革新に遅れを取った場合には、事業遂行上の制約となり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
これに対し、当社グループは市場動向や顧客ニーズの変化を早期にとらえ、変化に対応した新機能や新サービスをフレキシブルに開発、導入していくことで、技術革新に対応してまいります。
(4)システム障害について
当社グループの行っている現地体験ツアーの予約サイトの運営は、インターネット環境に大きく依存しております。そのため、ITインフラ関連の障害、コンピュータウイルスへの感染、その他不測の事態が生ずることにより、インターネットが長期間使用不能となった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
これに対して、当社グループは、インターネット環境を安定させるため、ITインフラのクラウド化、システムの常時監視等の対応策を講じており、システム障害にかかるリスクを低減するための施策を続けてまいります。
(5)個人情報について
当社グループでは業務に関してサービス利用者の個人情報を有しており、個人情報の管理は重要なものであると認識しております。
しかしながら、不測の事態により、顧客情報が外部へ流出した場合、社会的信用の失墜や、損害賠償請求等により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
これらの情報の取り扱いについては、情報システム管理規程、情報セキュリティ管理規程、個人情報保護規程、個人番号及び特定個人情報取扱規程を設け万全を尽くすとともに、情報システムの有効性、効率性、機密性等を確保するといった対応策を講じております。
(6)人材確保と教育について
当社グループの知名度向上及び新規現地体験ツアー開拓が、事業拡大のための重要課題であり、それに併せて、経営管理体制を強化していくことが必要と認識しております。またそのためには、事業の変遷に適した優秀な人材、並びに人材を監督・指導できるマネジメント人材の確保と育成が、必要不可欠となります。そのため、人材の確保および教育が不十分な場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
採用においては、採用方法や雇用形態を問わず、優秀な人材を即時採用できるように採用体制の見直しを随時実施し、教育においては、定期的なスキルアップ教育等の研修制度を実施するなど、人材の定着率向上に努めております。
(7)為替変動について
当社グループは現地体験ツアーの中でも海外の商品を主力としており、ツアー催行会社に対する代金決済の多くを外貨建で行っているため為替変動リスクに晒されており、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
これに対し、当社グループは為替予約取引を実施するなど、為替変動による業績への影響を最小限にとどめるよう努めております。
(8)業績の季節的変動について
当社グループでは営業収益の計上基準として催行実施日基準を採用しており、営業収益は旅行者が現地体験ツアーに参加した日が属する月に計上されます。ツアー催行日は、旅行者が長期休暇を取得しやすい7月から9月の夏休み期間に集中する傾向にあり、当社グループの営業収益及び利益についても、その期間に増加する傾向がある一方、その他の期間については相対的に減少する傾向があります。したがって、当社グループの四半期別の業績のみを基に、当社グループの通期の業績を見通すことは困難であることに留意する必要があります。
(9)特有の法的規制について
当社グループで取り扱いをしている一部ツアーには運送手配等が含まれており、それらは旅行業法に該当するため、当社は第二種旅行業の登録をしております。
第二種旅行業は5年毎の更新が義務付けられております。当社が旅行業法で定める登録拒否事由に該当し更新することができない場合又は旅行業法上の登録取消し事由に該当し登録取消処分等を受けた場合は、登録の取消し又は営業の停止等を命じられる可能性があります。これに対し、当社は現時点において登録拒否事由や取消し事由に該当する事実はないと認識しておりますが、今後も変化する可能性がある社会的要請に応じて、サービスを提供する企業として自主的に対応し、業界の健全性・発展性を損なうことの無いよう努めていくべきであると考えております。
(許認可等の名称)
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許認可等の名称 |
許認可登録番号 |
有効期限 |
関連法令 |
許認可等の取消事由 |
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第二種旅行業 |
東京都知事登録 旅行業第2-5555 |
2030年1月17日 |
旅行業法 |
同法第19条 |
(10)海外の事業展開に伴うリスクについて
当社グループは、日本国内のほか米国、東南アジアなどグローバルに事業拠点を配置し、事業を展開しております。海外事業拠点において、当社グループの事業に係わる法規制等の成立・改正等が実施された場合や政治情勢により事業運営に支障をきたす事態が生じた場合等には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、本社と現地海外子会社が連携を強化することや、顧問契約を締結している現地の会計事務所や法律事務所と定期的に情報を共有することで、海外展開に伴うリスクを軽減するように努めております。
(11)ウェブサイト内の書き込みについて
当社グループが運営するウェブサイトでは、現地体験ツアーに対するツアー参加者個人の評価・感想などを「参加体験談」として自由に発信できる仕様となっており、「参加体験談」は旅行者がツアーへの参加を検討する際、有意義な情報となっているものと認識しております。一方、「参加体験談」には好意的な内容だけでなく、現地体験ツアーに対して改善を要望する内容についても書かれており、中には不適切な書き込みがなされるケースがあります。このような不適切な書き込みの発見が遅れた場合、当社グループの運営するウェブサイトに対する旅行者の支持が下がり、当社グループへの信用低下を招くことから、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
これに対し、当社グループでは、参加体験談利用規約を明示しており、法令や公序良俗に反する内容や誹謗中傷など不適切と判断した場合には、その内容を投稿者に事前通告なく削除する対応を取っており、運営サイトの健全化を維持する対策を講じております。
(12)知的財産権について
当社グループでは、ツアー催行会社より直接入手した画像等をウェブサイト上に掲載する際、第三者の著作権や肖像権等の知的財産権の侵害がないかの表明保証を催行会社から取得する等の対策を行っております。
しかしながら、今後も知的財産権の侵害を理由とする訴訟やクレームが提起されないという保証はなく、そのような事態が発生した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
これに対し、当社グループでは、社内ガイドラインとして、知的財産権侵害クレームが発生した際の対応マニュアルを定めており、万が一侵害が発生した場合には迅速に対応できる体制を整備しております。
(13)配当政策について
当社グループでは、創業以来、配当を実施しておりません。これは、将来の事業発展と長期的な財務基盤の安定を経営の最重要課題と位置付けているためです。内部留保を充実させ、事業拡大への投資と財務基盤の強化に充当することが、株主利益を最大化する最善策であると考えております。ひいては、今後も当面は、内部留保の充実を図る方針であります。
将来的には、財政状態及び経営成績等を考慮し配当の実施を検討する予定ですが、当社グループの事業が計画通り伸展しなかった場合には、配当を実施できない可能性があります。
(14)ストック・オプション及び第三者割当新株予約権行使における株式価値の希薄化について
当社は、当社グループの取締役、従業員に対するインセンティブを目的に、会社法の規定に従ってストック・オプションとして、2017年12月29日に第1回(2017年12月28日開催の取締役会決議)及び2020年4月9日に第5回新株予約権(2020年3月25日開催の取締役会決議)を発行しております。
今後、現在付与済みの新株予約権に加えて、今後付与される新株予約権の行使が行われた場合には、保有株式の株式価値が希薄化する可能性があります。なお本書提出日の前月末(2025年2月28日)現在における新株予約権による潜在株式数は421,800株であり、これは発行済株式総数36,598,980株の1.2%に相当します。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、社会・経済活動の正常化、雇用・所得環境の改善等を背景に、一部足踏み感があるものの緩やかな回復傾向となりました。一方、相次ぐ大規模な自然災害や混沌とする海外情勢、さらには円安の影響からのエネルギー価格や原材料価格の上昇に加え、労働力不足による人件費上昇等で物価高騰が続き、依然として先行き不透明な状況が継続しております。
当社サービスの対象である旅行業界におきましては、国内旅行については、新型コロナウイルス感染症の収束により高まった旅行意欲が落ち着きを見せ、おおむね横ばいの状況が続いています。海外旅行については、不安定な国際情勢、円安等による旅行代金の高騰や旅行先の物価上昇等の影響を受けつつもコロナ禍以前への回復が8月以降徐々に進んでいます。訪日旅行については、円安傾向の継続や外国人の長期休暇による訪日需要の高まりから大きな伸びを見せています。特に12月はスクールホリデーのほかクリスマス・年末年始に合わせた旅行需要の高まりが多くの市場で見られ、訪日外客数は348万人(前年同期比27.6%増)と単月過去最高を記録し、1964年の統計開始以来、初めて単月として340万人を突破しました。また、2024年の年間訪日外客数は3,686万人(前年同期比47.1%増)となり、年間過去最高を更新しました(出典:日本政府観光局(JNTO))。
当社グループは、国内及び世界150か国の現地体験ツアーを専門に販売する日本最大級の旅行オンラインサービスを展開しており、その事業領域は旅行関連事業を収益区分別に分類し、①当社グループが運営する、現地体験ツアーオンライン予約サイト(日本語サイト「VELTRA」、催行地をハワイに特化した英語サイト「Hawaii Activities」)でのツアー予約にかかる収益を得るオンライン・トラベル・エージェント(以下、「OTA」)事業、②観光関連事業者のITインフラを供給するサービス、連結子会社であるリンクティビティ株式会社が展開するチケットプラットフォーム事業など、OTA事業以外から収益を得る事業(以下、「観光IT事業」)より構成されております。
このような事業環境のもと、当社グループでは、当期首より営業利益を確保し黒字化を達成すべく、営業収益拡大に繋がる人材への投資及び広告宣伝強化を実施いたしましたが、想定外の為替変動や物価高騰の影響に伴う顧客層・ニーズの変化への対応が遅れたことで当初の営業収益の予想との間にギャップが生じることとなり、下期は一転、コスト抑制に努めると共に、市場環境の変化に適したサービス及びシステムの改善、また組織再編と体制の構築等を進めてまいりました。
事業別では、海外旅行事業におきましては、出国日本人数がコロナ禍前の2019年と比較して漸く70%前後まで回復してきたものの、当社の主力エリアであるハワイ・グアムなどのビーチリゾートや北米といったドル圏の回復率が想定を下回る水準で推移していることで苦戦を強いられたことに加え、上記記載のとおり、円安や物価高騰の状況下、幅広い顧客層にリーチできる商品領域拡大への対応が遅れたことで、予約数が伸び悩む結果となりました。一方、順調に回復を見せるエリアもあり、中でもオセアニアや韓国・ベトナム・インド・中国などのアジア各国が取扱高を牽引し、季節性プロモーション等の各種施策も一定の効果を発揮しました。
国内旅行事業におきましては、北海道・沖縄・九州エリアで予約数を伸ばしたことに加え、関東・近畿エリアでは不調が継続しながらも前年比でのマイナス幅は縮小する結果となりました。
観光IT事業におきましては、主軸のチケットプラットフォーム事業は訪日外客数の増加傾向が続いていることで順調に事業領域を拡張しており、特に関西私鉄4社の乗車券をデジタル対応するなど関西圏で著しく進展している他、システム開発受託等のインフラ事業におきましても一部期ズレが発生した案件があるものの、こちらも概ね計画通りに進捗しております。
以上の結果、当グループの当連結会計年度の営業収益は4,304,918千円(前年同期比37.8%増)となりました。なお、営業収益を収益区分別にみますと、OTA事業が3,508,131千円(前年同期比35.2%増)、観光IT事業が796,786千円(前年同期比50.3%増)となりました。
利益につきましては、上期における旅行需要回復を見越した人員の増強及び認知獲得のための広告宣伝強化を進めたことを受け、営業損失は175,594千円(前年同期67,071千円の営業損失)、経常損失は298,365千円(前年同期112,349千円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は407,943千円(前年同期57,708千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
なお、当社グループは、旅行関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
② 財政状態の状況
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は7,846,681千円と、前連結会計年度末比2,041,241千円増加しました。これは主に、現金及び預金が1,471,017千円増加、営業未収入金が521,531千円増加したことによるものです。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産は738,040千円と、前連結会計年度末比77,034千円増加しました。これは主に、ソフトウエアが174,814千円増加したことと投資有価証券が92,416千円減少したことによるものです。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は5,695,769千円と、前連結会計年度末比589,853千円増加しました。これは主に、短期借入金の返済による500,000千円減少したことと、営業未払金が688,325千円、前受金が341,309千円それぞれ増加したことによるものです。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債は436千円と、前連結会計年度末から微増となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は2,888,515千円と、前連結会計年度末比1,528,366千円増加しました。これは主に、新株の発行等による資本金の増加254,664千円及び資本剰余金の増加1,233,943千円、親会社株主に帰属する当期純損失407,943千円の計上等によるものです。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)の残高は、前連結会計年度末より1,471,017千円増加し、5,166,676千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果増加した資金は459,565千円(前連結会計年度は1,192,903千円の収入)となりました。これは主に、仕入債務の増加677,762千円や前受金の増加333,036千円などの増加要因と、売上債権の増加514,851千円などの減少要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果減少した資金は436,202千円(前連結会計年度は352,071千円の支出)となりました。これは主に、固定資産取得による支出351,000千円、保証金の差入による支出85,201千円の減少要因によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果増加した資金は1,352,893千円(前連結会計年度は8,728千円の収入)となりました。これは主に、非支配株主からの払込みによる収入1,372,652千円の増加要因によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは、生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.受注実績
当社グループは、概ね受注から役務提供までの期間が短いため、受注実績に関する記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。なお、当社グループは旅行業の単一セグメントであるため、収益区分別に記載しております。
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収益区分 |
当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) |
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営業収益(千円) |
前年同期比(%) |
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OTA事業 |
3,508,131 |
35.2 |
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観光IT事業 |
796,786 |
50.3 |
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合計 |
4,304,918 |
37.8 |
(注)主要な販売先については、総販売実績に対する割合が100分の10以上に該当する相手がいないため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりましては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としておりますが、見積りによる不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りとは異なる場合があります。なお、当社グループの連結財務諸表の作成にあたって重要となる会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)及び(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(営業収益)
営業収益は、4,304,918千円(前年同期比37.8%増)となりました。
なお、営業収益を収益区分別にみますと、OTA事業部門が3,508,131千円(前年同期比35.2%増)、観光IT事業部門が796,786千円(前年同期比50.3%増)となりました。
(営業費用及び営業損益)
営業費用は、4,480,513千円(前年同期比40.4%増)となりました。主な要因は、営業収益増加に伴うカード決済手数料の増加、旅行需要の回復を見越しての人員増加による人件費及び広告宣伝費の増加によるものであります。これらの結果、営業損失は175,594千円(前年同期67,071千円の営業損失)となりました。
(営業外収益、営業外費用及び経常損益)
営業外収益は3,218千円(前年同期比26.4%減)、営業外費用は125,988千円(前年同期比153.8%増)となりました。これは主に、匿名組合投資利益の減少や円安による為替差損の増加などによるものであります。これらの結果、経常損失は298,365千円(前年同期112,349千円の経常損失)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
法人税等合計は20,238千円(前年同期△47,893千円)となりました。これらの結果、親会社株主に帰属する当期純損失は407,943千円(前年同期57,708千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
③ 当社グループの資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、広告宣伝費や人件費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は基幹システムの開発・改良等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。また、主要取引銀行と総額15億円の当座貸越契約の継続を行っておりますが、引続き、主要取引銀行との関係を維持しつつ、継続的に支援いただくための協議を行い、財務基盤の安定化に努めてまいります。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高はありません。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は5,166,676千円となっております。
④ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」で述べましたとおり、当社グループでは、営業収益成長率並びに営業利益率を重要な指標としております。当連結会計年度における営業収益成長率は37.8%でありますが、営業損失の計上となりました。
引き続きこれらの指標の改善について取り組んでまいります。
⑤ 当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」で述べましたとおり、人為災害、テロ、戦争等や、技術革新、システム障害、為替変動等が、経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
従いまして、当社グループは常に市場動向や各国の情勢等に留意しつつ、内部管理体制を強化するとともに優秀な人材を確保し、顧客のニーズに合ったサービスを展開していくことにより、上記のような経営成績に重要な影響を与えるリスクを低減してまいります。
⑥ 経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
該当事項はありません。
該当事項はありません。