当中間連結会計期間において、事業等のリスクについて新たに発生した事項又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当中間連結会計期間のわが国経済は、緩やかな景気の回復基調が見られる一方で、物価上昇の継続に加え、主要国間の通商政策の動向や地政学リスクの高まりなど、国際情勢及び国際経済は一段と不安定さを増しており、依然として先行きの不透明感が払拭できない状況が続いております。個人消費については、雇用・所得環境の改善による上昇基調が期待されるものの、足元では物価高による食料品価格の上昇、特に主食である米の価格高騰が家計への負担を増しており、消費者の生活防衛意識は一層の強まりを見せております。
当社サービスの対象である旅行市場におきましては、夏休みシーズン前の5~6月は訪日需要が比較的落ち着く時期であるものの、多くの市場でスクールホリデーに合わせた訪日需要の高まりが見られたこと等により、東アジアでは中国、韓国、東南アジアではシンガポール、インド、欧米豪では米国、ドイツを中心に訪日外客数が増加したことが押し上げ要因となり、当中間連結会計期間における訪日外客数は前年同期比21.0%増の2,151万人となり、過去最速となる6ヶ月で2,000万人を突破しました。一方、海外旅行市場におきましては、旅行先の物価高や円安、燃料費高騰などの経済的要因に加え、不安定な国際情勢による治安の悪化などの影響を受けつつも、出国日本人数は前年同期比14.0%増の660万人と緩やかな回復傾向にあります。(出典:日本政府観光局(JNTO))
このような環境の中、当社グループは国内及び世界150か国の現地体験型オプショナルツアー専門のオンライン予約サイト「VELTRA(ベルトラ)」の運営を中心に、複数の事業展開を通して、旅行者、取引先、株主を含め、当社グループに関わる人たち全ての発展と繁栄を目指し、共に成長する共存共栄の精神で観光産業をリードするとともに、「グローバルを舞台に、デジタルと体験の力で未来の観光を創造する」ことを経営の軸に置き、事業を推進しております。
セグメント別の経営成績は以下のとおりであります。
なお、当中間連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前中間期比較につきましては、前中間の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。また、各セグメントの金額は、セグメント間取引を相殺消去する前の金額であります。
(OTA事業)
アクティビティツアーの予約成立に応じて収益を得るオンライン・トラベル・エージェント(OTA)として、現地体験ツアーオンライン予約サイト(①「VELTRA」の日本語サイト及び英語サイト、②催行地をハワイに特化した英語サイト「HawaiiActivities」)を運営しております。
当事業では、市場環境の変化に迅速に対応するため、サービス及びシステムの改善、組織再編と体制構築等を継続的に進めてまいりました。海外旅行事業におきましては、昨今の円安や物価高、インバウンド需要の増加による航空券価格の高騰に加え、今年のGWは連休が分断化し、長期休暇を取得しづらい日程であったことなどの複合的な外的要因が影響し、上期を通して厳しい事業環境で推移いたしました。特に北米をはじめとするドル圏への渡航は依然として低調な状況が続いたほか、アジアの需要も市場全体として低単価傾向が見られたことで、当初の想定より伸び悩む結果となりました。一方で、このような厳しい状況下においても、当事業は全体として前年比で復調傾向にあり、特に、高単価のヨーロッパ方面や、市場の回復を上回るペースで成長しているオセアニア、ハワイ・グアムをはじめとするビーチエリアが好調に推移し、競争が激化するこれらのエリアで渡航者に占めるシェアを維持できたことが事業全体の営業収益を下支えしました。その結果、営業収益は計画比約85%に留まったものの、同水準でコストを圧縮したことにより、営業利益は計画水準でプラスを確保しております。今後も徹底したコストコントロールを継続しながら、繁忙期に合わせて、新たな看板商品の創出など商品ラインナップの強化に注力し、営業収益の拡大を図ってまいります。
国内旅行事業におきましては、上期を通してエリアによる需要の動きに大きな変化が見られ、これまで定番主力商品だったバスツアーが伸び悩み、特に人気エリアである北海道・関東・関西で依然厳しい事業環境が続いております。一方、九州・沖縄エリアは引き続き好調を維持し、当事業の取引高を支えました。今後、各エリアの特性に合わせた魅力的な商品ラインナップの拡充、チケットシステムの強化及び国内外OTAとのBtoBでの販路拡大に注力してまいります。
これらの結果、OTA事業の営業収益は1,631,373千円(前年同期比9.3%増)となりました。利益につきましては、事業生産性の向上を図るための徹底したコストコントロールが功を奏し、営業利益は245,646千円(前年同期比192.4%増)となりました。
(観光IT事業)
連結子会社であるリンクティビティ株式会社が展開するチケットプラットフォーム事業や、観光関連事業者のインフラサービスを供給するITインフラ事業により構成されております。
当事業では、主力事業である交通・観光事業者向けのチケットプラットフォーム事業がインバウンド旅行者の増加及び取扱商品の拡充により、大幅な伸びを実現しております。
また、チケットプラットフォーム事業において交通・施設事業者等のサプライヤーのデジタル化を促進した結果、サプライヤー各社の新たなデジタル課題に対して、基幹システムの構築や入退場ソリューションの提供といった課題解決のサポートを推進するITインフラ事業へと事業領域を拡大しております。
足元では、東京地下鉄株式会社との連携により開発した「Tokyo City Pass」に続いて、他の交通事業者との間においても関西・東海エリアの周遊パスの開発や利便性の高い各種企画乗車券の開発など、続々と展開しております。また、事業領域拡大への取り組みとしましては、タクシーアプリ「GO」との連携によるWeChatアプリでの配車サービスの提供や各交通・施設事業者へのQR改札機の導入支援、WeChatアプリや中国のSNSを活用した中国人訪日旅行者向けのマーケティング支援を推進するなど、交通・施設事業者の需要拡大の後押しを進める取り組みを実施するとともに、2024年8月に韓国に設立したLINKTIVITY KOREA INC.では韓国国内の交通事業者を中心としたサプライヤーの獲得を推進しております。
これらの結果、観光IT事業の営業収益は424,988千円(前年同期比36.7%増)となりました。利益につきましては、事業領域の拡大による営業及び開発スタッフの増員、及び開発にかかる先行投資により営業費用が増加した結果、営業損失116,391千円(前年同期63,768千円の営業損失)となりました。
これらセグメントごとの経営成績の結果、当中間連結累計期間の営業収益は2,101,278千円(前年同期比15.7%増)、営業損失は89,069千円(前年同期197,908千円の営業損失)となりました。また、経常損失は104,942千円(前年同期285,616千円の経常損失)、親会社株主に帰属する中間純損失は79,355千円(前年同期271,308千円の親会社株主に帰属する中間純損失)と、計画に対して堅調に推移する結果となりました。
(2)財政状態の分析
(流動資産)
当中間連結会計期間末における流動資産は8,123,321千円と、前連結会計年度末比276,640千円増加しました。これは主に、現金及び預金が453,585千円増加した一方で、営業未収入金が169,577千円減少したことによるものです。
(固定資産)
当中間連結会計期間末における固定資産は828,516千円と、前連結会計年度末比90,476千円増加しました。これは主に、ソフトウェアが50,453千円、ソフトウェア仮勘定が46,654千円、それぞれ増加したことによるものです。
(流動負債)
当中間連結会計期間末における流動負債は6,241,042千円と、前連結会計年度末比545,272千円増加しました。これは主に、営業未払金が287,773千円減少した一方で、前受金が862,919千円増加したことによるものです。
(固定負債)
当中間連結会計期間末における固定負債は4,111千円と、前連結会計年度末比3,675千円増加しました。これは主に、役員報酬引当金が3,690千円増加したことによるものです。
(純資産)
当中間連結会計期間末における純資産2,706,683千円と、前連結会計年度末比181,831千円減少しました。これは主に、親会社株主に帰属する中間純損失79,355千円の計上による利益剰余金の減少、及び為替換算調整勘定が63,824千円、非支配株主持分が29,638千円、それぞれ減少したことによるものです。
(3)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末より93,152千円増加し、5,259,828千円となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間において、営業活動の結果増加した資金は714,599千円(前中間連結会計期間は696,038千円の増加)となりました。これは主に、前受金の増加871,075千円、売上債権の減少164,287千円、減価償却費86,223千円などの増加要因と、仕入債務の減少278,996千円、税金等調整前中間純損失97,103千円などの減少要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間において、投資活動の結果減少した資金は539,404千円(前中間連結会計期間は233,358千円の減少)となりました。これは主に、定期預金の預入による支出380,650千円、固定資産の取得による支出183,205千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間において、財務活動による資金の増減はありませんでした(前中間連結会計期間は1,881,231千円の増加)。
(4)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
該当事項はありません。
該当事項はありません。