第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社は、「技術を通じて、人々をもっと大切なことへ/Liberate Humanity through Technology」というミッションのもと、「最先端のロボティクス技術を追求し、社会インフラに革命を」というヴィジョンを掲げております。当社は自律制御技術を始めとしたロボティクス技術を追求し、常に最先端の技術開発を行っております。それらの技術の社会実装を通じて、人類の活動の基盤となる社会インフラにおける、人類の経済活動の生産性を高め、付加価値の低い業務、危険な業務を一つでも多く代替させ、次世代に向けた社会の進化を推し進めるべく事業を進めております。

 

(2)経営戦略等

 このような事業目的を実現するため、当社では各分野のコアクライアント(一回の取引ではなく、拡張性があり、継続的な取引関係構築が見込めるクライアント)となるパートナー企業とプロジェクトを通じ、各種用途向けの社会実装に必要な要件を洗い出し、実際の経済効果を生み出すドローン・ソリューションを創出していくことを経営の基本方針としております。当社は大きな区分において製品を提供する製造業であるものの、ドローン産業の黎明期における発展を促進していくため、独自のドローン機体やシステムを用いた有償の概念検証(PoC)、顧客業務への実装を行うシステムインテグレーション及び代替プレッシャーの低い特注製品の量産を行うことで、高い水準の収益が持続的に得られ、開発投資の継続による技術革新を推進できるビジネスモデルの確立を目指します。

 

(3)経営環境

 当社を取り巻く産業用ドローン関連事業につきましては、技術の進展とともに様々な産業での利活用が広がっております。特に、当社が注力するインフラ点検、物流・郵便、防災・災害復旧支援分野を中心に、現状業務の効率化・無人化は各産業において喫緊の課題となっており、企業によるこれらの技術に関する投資が拡大しております。

 官公庁および関係機関においては、引き続き無人航空機の社会実装を本格化させるとされております。2019年6月に「小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会」により発表された「空の産業革命に向けたロードマップ2019」にて災害対応やインフラ維持管理等の用途別の施策が取りまとめてられております。2020年3月には、官民協議会により「小型無人航空機の有人地帯での目視外飛行実現に向けた制度設計の基本方針(案)」が提示され、有人地帯上空でのドローン飛行に関する制度の全体像が示されました。また、2019年12月に閣議決定された「安心と成長の未来を拓く総合経済対策」では、災害対応等の用途拡大に向けた無人航空機の基板技術開発等を進めること、またSociety5.0やSDGsの実現に向けて無人航空機の現場実装の推進を図ることが明記されております。一方で、2018年7月に閣議決定された「サイバーセキュリティ戦略」にて、ドローンがサイバー攻撃を受けて不正操作されるリスクについて言及されております。こうした流れを受け、今後はドローンの社会実装と同時に、セキュリティと安全性を確保することが喫緊の課題となっており、国産のドローンに対する需要の高まりが見込まれています。

 インフラ点検においては、国内の老朽化したインフラ設備(製造施設、倉庫、下水道、室内施設等)の維持管理のための点検ニーズの増加と、労働者人口の減少による業務効率化・無人化・IoT化の流れによって、ドローン導入投資が増加しております。各自治体の下水道、化学メーカーのプラント、電力会社の発電所、鉄道会社のトンネルなど様々な分野の点検用途にて複数年にわたる実証実験の継続に伴い、実装に向けた取り組みを進めております。

 物流用途においては、国交省より、2018年9月にレベル3(無人地帯での補助者なし目視外飛行)の要件が定められたことに伴い、2019年3月期より福島県での実証実験を行ったことに加え、複数個所でのレベル3の実証実験を行い、商用化に向けて社会的に実装が始まっております。

 防災・災害支援用途においても、目視外飛行の要件の整備とともに、頻発する自然災害時における救援等のニーズにおいて、有人ヘリコプターから無人ドローンへの置き換えが具体化しており、国及び自治体の入札案件も増加しております。当事業年度においては台風の影響により孤立した自治体にて、ドローンで生活用品や健康補助食品の輸送を行いました。

 このような経営環境の中、当社は主に既存の大手企業を中心としたコアクライアントとの継続案件への取り組みに加え、新規案件・クライアントの獲得を進めてまいりました。当事業年度においては、ソリューションの構築が大幅に拡大し、新規顧客・既存顧客の両方において、ドローン導入のニーズを踏まえた概念検証(PoC;Proof of Concept)、及び顧客先の既存システムへの組み込みも含めた特注システム全体の設計・開発を推し進めました。特に、既存顧客においては、実運用導入に向けた更なる機能開発、またこれまでと異なった用途向けのシステム開発が拡大しました。さらに、海外展開として、株式会社リバネス及びリバネスシンガポールと連携して、シンガポールにおいての顧客開拓を進めたことに加えて、2019年8月に出資した米AutoModality社を通じた米国における事業展開の具体化を進めております。

 一方で新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、世界的に経済活動が大きく停滞しており、今後も経済活動の回復に一定の期間を要すると見込まれているため、今後、当社の事業にも影響を与える懸念があります。今後の影響として、サプライチェーンの部品供給遅れ、製造中止により機体の出荷が遅れる可能性があります。また当社が展開するドローン関連サービスや機体に対して顧客においては「新規技術」や「新規投資」としての位置づけとされることが多いため、顧客が景気悪化を受けて、新規投資を抑制する場合は、新規顧客の増加が見込めない可能性があります。既存顧客については継続した取引を見込んでおりますが、景気のさらなる悪化等があった場合には、既存顧客からの受注が減少する可能性もあります。

 このような状況の中、今後、これまで行ってきた海外案件を含め、概念検証(PoC)/カスタム開発を通じた新規顧客獲得による「場の拡大」(クライアント数の増加)、に加え、一部社会実装レベルに到達した「特注ドローンの実運用開始」(出荷機体数の増加)による事業の成長を見込んでおります。さらに、既存のコアクライアントにおける案件継続及び機体の導入、また、新規顧客の獲得により売上高の拡大を企図しております。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社が優先的に対処すべき課題は下記のように考えております。

① 開発戦略

 次世代機体の開発、技術革新への投資を継続し、画像処理(Vision)を軸とした自律制御・エッジ処理の高度化、4G・5Gネットワークを活用した飛行制御の技術開発、飛行性能及び安全品質を支える基盤技術向上、操作に関連するユーザーインターフェース強化等を継続してきました。加えて、それらを活用し、顧客フィードバック、業務ノウハウを反映した用途特化型のカスタム開発を実施してまいりました。

 さらに、プラットフォーム技術の強化に加えて、用途特化型の技術開発を進めると同時に、外部の最先端技術の活用・融合により、効率的な開発を目指してまいります。

 

② 生産体制

 安全品質を最優先事項と位置づけ、開発、営業との連携を強化することで、フィードバック反映のスピードアップなど生産体制のレベルアップを図り、カスタム機体、量産機体における品質向上を推し進めております。また、量産体制の強化に向け、国内外において高品質な部品供給、高い品質での組み立て供給が可能なパートナー企業との連携を開始いたしました。

 

③ 営業戦略

 販売においては、引き続き大企業を中心とした各分野の顧客に対し、業務効率化・無人化を目指した各種用途向けの産業用ドローン・ソリューションの展開を目指します。加えて、顧客基盤の拡大を目指して、国内のパートナー企業ネットワークを強化することに加え、シンガポール、アメリカを中心とした新規地域への展開に取り組んでまいります。

 

④ 規制への対応

 ドローン関連業界を取り巻く規制やガイドライン、特にドローンの目視外飛行についての対応として、関連する経済産業省、国土交通省などの行政機関と引き続き、密な連携を図ってまいります。

 

⑤ 内部管理体制の強化

 今後一層の事業拡大を進めるにあたり、適切なコーポレート・ガバナンスシステムの構築、コンプライアンス遵守体制の整備に継続して取り組んでまいります。また、監査役、監査法人との連携を図ることで、内部統制システムの適切な運用を進めてまいります。

 

(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社では、急速かつ持続的な利益成長を目指して成長性や効率性の向上に取り組んでおり、主な経営指標として、売上高、研究開発費を特に重視しております。また、当社事業モデルを勘案した上での成長ドライバーとしてのKPIは、コアクライアントに基づいたストック型モデルを想定した上で、コアクライアント数、概念検証(PoC)及びカスタム開発におけるプロジェクトの案件数、特注システムである機体の販売台数があげられます。研究開発費においては、外部パートナーを有効活用することにより、当社としてのコア技術であるSLAMを含めた大脳・小脳の自律制御開発を推進するとともに、当面の目標として売上比率で20%~25%の投資を目標設定しております。

 

■ 当社が目標とする経営指標(KPI)等

 

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2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社は取締役及び監査役を構成員とするリスク管理委員会にて、主要なリスク発生の可能性及び対応などを検討しております。

 また、必ずしもリスク要因には該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に記載しておりますが、当社に関するすべてのリスクを網羅するものではございません。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。

 

(1)ドローンの安全性について

① ドローンが社会利用されるにつれ、飛行への信頼性も強く求められます。当社に限らず、他社においてもドローンに関する重大な墜落事故が発生した場合には、ドローンの安全性に対する社会的信用が低下することにより、顧客からの需要低下、規制の強化等により市場の成長が減速する可能性があり、その場合は、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

② 当社では、事故を起こさずに、人と安全に共生するドローンの実現に努めており、当社が有する一部の技術を活用することで、GPSが届かない環境下や悪天候の中でも、安全に飛行できるような機体を開発しておりますが、万が一、当社の製造した機体が墜落すること等により人や財産等に損害を与えた場合には、重大な製造物責任賠償やリコールによる多額の支払や費用発生及び社会的信用の失墜等により、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

③ 昨今、ドローンに対して、5Gと同様に、データセキュリティ・乗っ取り防止といった利用面における安全性の意識が高まっております。当社では、データセキュリティに関連する部品選定において安全性を重視し、また通信暗号化等により乗っ取り防止に取り組んでおります。またソリューション・パートナーの選定、顧客への直接的な取引により販売先は全て特定可能な状態です。しかし、悪意のあるハッカー等によりセキュリティが崩された場合においては、機体が操縦不能となることにより人や財産等に損害を与えたり、データ漏洩により利用者へ被害等が発生したりする可能性があり、重大な製造物責任賠償やリコールによる多額の支払や費用発生及び社会的信用の失墜等により、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(2)ドローン事業を取り巻く法規制について

 当社の事業を規制する主な法規制は、以下のとおりであります。

① 航空法

 航空法については、当社がドローンを飛行の禁止空域で飛行させること及び所定の飛行の方法によらず飛行させることに関して、同法に基づく許可・承認を得ております。なお、現在、ドローンの目視外飛行について規制の在り方についての議論が進められております。

 

② 電波法

 電波法については、ドローン操縦時における1.2GHz帯画像伝送に関して、同法に基づき一般業務用の無線局(携帯局)の免許を取得しております。また、ドローン映像伝送用の5.7GHz帯の免許を端末毎に開局しております。

 

③ 製造物責任法

 製造物責任法については、当社はドローン等の製品を製造しているため、当社製品の欠陥等が生じたことによって生命、身体又は損害を被ったことを被害者が証明した場合、損害賠償請求が認められる可能性があります。リスク軽減に向け外部のテクニカルライターによる取扱説明書のレビューや、保険会社との連携を進め、専用の保険の開発を行いました。当事業年度に置いて、品質マネジメントのISO9001の認証取得や一般社団法人日本産業用無人航空機工業会(JUAV)による機体認証の取得に取り組んでまいりました。

 

④ 外国為替及び外国貿易法

 外国為替及び外国貿易法については、当社が販売する製品及び部品の一部は、規制の対象となる可能性がございます。そのため、当社が海外にむけてドローンの輸出、又は関連する技術の提供をする場合は、同法を遵守して適切な輸出管理に努めております。

 当社は、当該規則の確認体制を構築して、法規制等の遵守に努めておりますが、今後、予期せぬ規制の制定・改廃が行われることや予定されている規制緩和が計画通りに進まないことも想定されます。そのような場合に、当社が、当該法規制に柔軟に対応できない場合には、許認可・免許の取り消し等により、当社の活動が制限されることがあり、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(3)知的財産権について

 当社の事業に関連する特許権等の知的財産権について、これまで第三者より知的財産権の侵害に関する指摘等を受けた事実はなく、また、今後も侵害を防止するため、適切な管理を行っていく方針でありますが、当社の認識していない知的財産権が既に成立している可能性や新たに第三者の知的財産権が成立する可能性もあり、当該侵害のリスクを完全に排除することは極めて困難であります。

 また、当社が保有する特許に関しては、当社の提供するドローン技術の内、必要な部分をカバーするものであり、それぞれ個別の特許が事業に与える影響がない又は軽微と考えておりますが、今後も、当社の事業拡大にあわせ、特許整備への投資をしてまいります。

 今後、当社が第三者との間の法的紛争等に巻き込まれた場合、弁護士や弁理士と協議の上、その内容によって個別具体的に対応策を検討していく方針でありますが、当該紛争に対応するために多くの人的又は資金的負担が発生するとともに、場合によっては損害賠償等の支払請求や製品等の製造及び販売の差止の請求等を受けることがあり、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(4)部品・部材等の調達及び価格、在庫について

 当社は、生産活動や研究開発活動に必要な部品・部材等の多くを外部の取引先から調達しておりますが、取引先からの供給が中断した場合や製品需要の急増などによる供給不足が発生した場合には諸活動が制限され、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 また、当社は、調達にあたっては、品質確認等の受入検品を慎重に実施しております。しかしながら、品質に問題が生じた場合や、調達品の調達先における生産体制及び品質管理体制に問題が生じる等、当社の事業運営に重要な影響を及ぼす事象が発生した場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 なお、在庫については、製品計画、売上規模にあわせ、最適量を維持してまいりますが、当初想定よりも需要が異なることで発生する、在庫不足による機会損失や逸失利益、又は在庫過多による在庫管理費用や減損等の追加費用が発生する可能性があります。

 

(5)製品の品質について

 当社では、品質保証管理規程、及び生産管理規程を設け当該規程に則り各種製品の製造、品質管理を行い、品質の保持、向上に努めております。

 信頼性には万全の配慮をしてまいりますが、万が一、製品の欠陥が発生した場合には、その欠陥内容によっては多額のコスト発生や信用の失墜を招き、当社の経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。具体的には、保証期間内の製品の不具合の発生率が想定を上回った場合や不測の不具合の発生により、アフターサービス費用や無償修理費用、リコール費用等が発生する可能性があります。

 当社は、引き続き製品の品質向上に努め、特に不具合に対する継続的な改良、不具合の起きにくい製品設計の推進、信頼性試験の導入を含め、開発時、出荷前の試験強化、製品へ非常時対策の機能開発の継続、飛行・機体管理等の運用のルール化、顧客クレーム・故障・墜落等に対する処理プロセス等について強化してまいります。なお、当社製品の欠陥等が生じたことによって生命、身体への被害、又は損害を被ったことを被害者が証明した場合、製造物責任法に基づき損害賠償請求が認められる可能性があります。これらのリスクへの対応が長期化し、当社が加入する保険でカバーできる範囲などを超えた場合などは、当社の事業活動に支障が生じ、経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)業績の不確実性について

① 過年度の業績推移について

 当社の主要な経営指標等の推移は[1企業の概況1主要な経営指標等]の推移のとおりであります。今後、顧客のニーズとのミスマッチや流行の変化、競合の出現、景気の変動等により販売量が期待を下回る可能性、また、顧客企業側での予算稟議、実行タイミングによっても、業績推移に影響を受ける可能性があります。

 当社では、上述のとおり、経営体制の強化を進め、生産体制の強化を図り、調達先の最適化、新拠点整備、人材強化に取り組むとともに、IT、コンプライアンスを含めた管理体制の整備を推進してまいりました。開発投資においては、自律制御、飛行性能及び安全性能の向上、各種用途に特化したシステムや付属品の開発や開発拡張性を持つソフトウエアの構築を進めてまいりました。販売においては、概念検証(PoC)を発端とするビジネスモデルの展開を推進して参りました。このような取組みを推進した結果、売上高は拡大傾向にありますが、損益については、上記のような体制強化及び開発に係る先行投資に注力してきたこと等から、第1期から第7期に至るまで損失を計上しております。また、様々な国家プロジェクトに参画し、最先端の技術開発に取り組んでおりますが、研究開発活動に係る補助金等の受領は各年度末に管轄機関による監査を終えて金額が確定した後、翌年度中の入金となりますが、研究開発活動を行うための資金は実施年度に必要となり先行して研究開発費用が発生しております。

 当社では、上記のような体制強化や先行する開発投資費用を上回る収益を確保すべく取り組んでおりますが、開発、販売活動に必要な人材の採用や育成が進まない場合や、当社製品が市場で受け入れられない場合等、事業展開が当社の計画どおりに推移しない場合、当社の財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

② 継続的な投資について

 当社は、継続的な成長のために、自律制御型各種ロボットシステム(ドローン等)のハードウエア及びソフトウエアの研究開発に取り組んでおります。新製品又は新技術の開発のために不可欠な研究開発活動を継続していく必要があるという考えの下、これまで積極的に研究開発費に係るコストを投下してきており、今後も継続して研究開発活動を促進していく方針であります。当社は、売上高の伸長によって、持続的な利益やキャッシュ・フローを創出できる体制を構築する方針ですが、テクノロジーの進化が早く、当社がそれらのテクノロジーの進化に追随できない場合や当社が顧客や市場からの支持を獲得できる新製品又は新技術が投入できず、研究開発活動の効果が十分に得られない場合に想定以上の投資に係る費用が発生する場合がございます。その場合には、当社が目指す計画が達成できない可能性や営業損益等の黒字化に時間を要する可能性があり、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 社歴が浅いことについて

 当社は、2013年11月に設立されており、設立後の経過期間は6年程度と社歴の浅い会社であります。したがって、当社の過年度の経営成績は期間比較を行うための十分な材料とはならず、過年度の業績のみでは今後の業績を判断する情報としては不十分な可能性があります。

 

(7)業績の変動に係るリスクについて

① 季節変動について

 当社は、主に大企業向け又は官公庁が関連するプロジェクトにおいてドローンの機体販売や概念検証(PoC)サービスの提供を行っているため、年度末である3月に売上高が集中する傾向にあり、四半期会計期間毎の業績について、第4四半期会計期間の比重が高くなる傾向にあります。第4四半期会計期間に比重が高くなる背景としては、当社の顧客企業の予算消化サイクルと連動していること、及び年間契約案件の検収が年度末に集中するためであります。また、官公庁、公共機関及び大型案件を行う企業とは年間契約など大型の契約を締結する場合が多く、その際は検収時期が2月及び3月など年度末となるため、かかる季節変動により、当社の一時点における業績は、通期業績の分析には十分な情報とならないことがあります。

 なお、2020年3月期の当社の売上高の四半期会計期間毎の推移は以下のとおりです。

 

2020年3月期

第1四半期

2020年3月期

第2四半期

2020年3月期

第3四半期

2020年3月期

第4四半期

売上高(千円)

60,904

143,514

130,760

943,542

 

② 検収時期の変動について

 当社では、概念検証やシステム開発等のサービス提供及び機体販売いずれの販売形態についても収益の認識基準として検収基準を採用しております。概念検証やシステム開発等のサービス提供について、主に大型案件に関する成果物の個別性が高い傾向がございます。原則として、顧客から検収を確認した時点で売上計上しておりますが、案件の個別性により検収時点では収益認識が認められず、当初の予定よりも収益認識が遅れた場合には、売上計上が遅れることになり、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 また、機体の販売に関する検収時には、顧客の要求する仕様を満たしていることを確かめるため、試験運転等の様々なテストが実施されますが、検収時期が期末付近に予定されている案件において、天候不順や顧客側の事情によりその実施時期が翌年度に延期されるような場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

(8)国家プロジェクトに係る補助金・助成金収入について

 当社では、最先端の技術開発に取り組むため産学官連携で様々なプロジェクトに参画しており、国からの補助金や助成金を受領しております。当該補助金等の受領は、各年度末に管轄機関による監査を終えて金額が確定した後、翌年度中の入金となりますが、研究開発活動を行うための資金は実施年度に必要となり、先行して研究開発費用が発生します。

 今後、当社の事業に関連する国家プロジェクトそのものの規模が縮小する場合や補助金等の受領前の期間において研究開発資金が不足する場合には、必要な研究開発活動が頓挫することがあり、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 一方で、現状の規模や制度の継続期間について、当社の受託する国家プロジェクトについて大きなウエイトを占めるものは、所轄、行政官庁より予算枠、存続期間が定められたものであり、制度そのものの存続性についての懸念は限定的であると考えられます。また、委託事業(自己負担を要するNEDO助成事業を除く)に関しては、各年での中間報告、予算配分の変更が伴いますので、将来における予算に関しては、一部減額又は新規受託の場合は増額等の修正の可能性があります。

 

(9)海外進出について

 当社は、海外市場における事業拡大のため、東南アジアやアメリカなどを中心に積極的な海外展開、現地企業との業務連携を計画しております。しかし、現地における予期しない社会的および政治的変動、税制または税率の変更などその他経済的状況の変動があった場合、それらの事象は当社の事業展開に悪影響を及ぼす可能性があります。また、海外展開に伴い、外国企業からの部品調達及び外国企業への当社製品又は技術の販売等に関し、輸出入規制、環境保護規制をはじめとした各国又は各経済圏における政策及び法規制の変更があった場合にも、当社の事業展開に悪影響を与える可能性があります。

 

(10)投資活動について

 当社は、成長戦略の一貫として、海外企業も含めた企業買収、業務提携、戦略的投資につき、積極的に検討をすすめる方針としております。投資等については、投資リスク等を十分勘案したうえで決定し、投資価値の回収可能性を定期的にチェックいたしますが、経営環境・前提条件の変化等の理由により投資先の財政状態及び経営成績が悪化した場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、投資等に伴い計上される資産については、今後の業績計画との乖離や市場の変化等によって、期待されるキャッシュ・フローが生み出せない場合、減損損失を計上する可能性があります。

 

(11)小規模組織における管理体制について

 当社は、本書提出日現在、取締役6名(内2名は非常勤)、監査役3名(内2名は非常勤)、従業員54名と小規模組織で運営しており、内部管理体制も組織規模に応じたものとなっております。

 今後の事業の拡大及び多様化に対応して、人員の増強と内部管理体制の一層の充実を図っていく方針でありますが、計画通りに人員の強化が出来ない場合や、事業の中核をなす人材に不測の事態が生じ業務遂行に支障が生じた場合、当社の事業活動に支障が生じ、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(12)訴訟について

 当社は、本書提出日現在において、訴訟を提起されている事実はありません。しかしながら、販売した機体の不具合等、予期せぬトラブルが発生した場合又は取引先との関係に何かしらの問題が生じた場合等、これらに起因した損害賠償の請求、訴訟を提起される可能性があります。その場合、損害賠償の金額、訴訟内容及び結果によっては、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)事業中断に関するリスクについて

 当社は、予測不可能な地震、津波、暴風雨その他の自然災害、火災や停電等の事故、疫病の流行、コンピューターウィルスに起因する情報システムの停止、テロ行為等の違法行為などにより事業活動の停止等に備え、BCP(事業継続計画)を策定しております。しかし、事業活動の長期間に渡る停止や施設の改修に多額の費用が発生した場合、事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)その他のリスク

① 配当政策について

 当社は、財務体質の強化と事業拡大のための内部留保の充実等を図ることが重要であると考えており、設立以来配当を実施しておりません。今後の配当方針については、収益力の強化や事業基盤の整備を実施しつつ、内部留保の充実状況及び企業を取り巻く事業環境を勘案した上で、株主に対して安定的かつ継続的な利益還元を実施する方針であります。

 現時点において当社は、内部留保の充実を優先しておりますが、将来的には、業績及び財政状態等を勘案しながら株主への利益の配当を目指していく方針であります。しかしながら、配当実施の可能性及びその実施時期等については、本書提出日現在において未定であります。

 

② ストック・オプション行使による株式価値の希薄化について

 当社では、取締役、従業員に対するインセンティブを目的としたストック・オプション制度を採用しております。また、今後においてもストック・オプション制度を活用していくことを検討しており、現在付与している新株予約権に加え、今後付与される新株予約権について行使が行われた場合には、既存の株主が有する保有株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。なお、本書提出日現在における新株予約権による潜在株式数は、695,565株であり、発行済株式総数の6.5%に相当しております。

 

③ ベンチャーキャピタル等の持株比率に関するリスク

 当事業年度末におけるベンチャーキャピタル及びベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合(以下、「ベンチャーキャピタル等」という。)が所有している株式数は3,425,445株であり、発行済株式総数10,742,790株に占める割合は31.9%となっております。

 一般的に、ベンチャーキャピタル等の株式の所有目的は、株式公開後に所有株式の全部又は一部を売却してキャピタルゲインを得ることであり、当社株式についても今後ベンチャーキャピタル等が所有する株式の全部又は一部を売却することが想定されます。当該株式の売却により、株式市場における当社株式の需給バランスの悪化が生じ、当社株式の市場価格形成に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 a.財政状態の分析

(資産)

 当事業年度末における流動資産は4,818,807千円となり、前事業年度末に比べ39,199千円減少いたしました。これは主に現金及び預金が689,973千円減少し、売掛金が559,290千円増加したことによるものであります。固定資産は449,328千円となり、前事業年度末に比べ380,377千円増加いたしました。これは主に投資その他の資産が355,770千円増加したことによるものであります。

 この結果、総資産は、5,268,135千円となり、前事業年度末に比べ341,177千円増加いたしました。

 

(負債)

 当事業年度末における流動負債は233,918千円となり、前事業年度末に比べ8,792千円増加いたしました。これは主に前受金が95,042千円減少し、未払法人税等が22,595千円増加したことによるものであります。

 

(純資産)

 当事業年度末における純資産合計は5,034,217千円となり、前事業年度末に比べ332,385千円増加いたしました。これは主に資本金及び資本剰余金がそれぞれ44,608千円増加し、利益剰余金が239,801千円増加したことによるものであります。

 この結果、自己資本比率は95.5%(前事業年度末は95.4%)となりました。

 

b.経営成績の分析

(売上高)

 当事業年度の売上高は、前事業年度に比べて471,374千円増加し1,278,723千円(前年同期比58.4%増)となりました。これは主に概念検証を実施した既存顧客を中心に、引き続きソリューション構築が大きく拡大したことによるものであります。

 

(売上原価・売上総利益)

 当事業年度の売上原価は、前事業年度に比べて65,912千円増加し469,947千円(前年同期比16.3%増)となりました。これは主に概念検証(PoC)型の販売に伴う役務提供原価の増加によるものであります。

 その結果、売上総利益は、前事業年度に比べて405,462千円増加し808,776千円(前年同期比100.5%増)となりました。

 

(販売費及び一般管理費・営業損失)

 当事業年度の販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べて59,119千円増加し792,830千円(前年同期比8.1

%増)となりました。これは主な費目として研究開発費として275,362千円、また増加要因としては人員増員に伴う人件費の増加、監査法人等の専門家に対する支払報酬に係る費用の増加によるものであります。

 その結果、営業利益は15,945千円(前事業年度は330,396千円の営業損失)となりました。

 

(営業外損益・経常損失)

 当事業年度の営業外収益は、前事業年度に比べて27,863千円増加し221,636千円(前年同期比14.4%増)となりました。これは主に国家プロジェクトに係る助成金収入の増加によるものであります。

 当事業年度の営業外費用は、前事業年度に比べて34,199千円減少し6,154千円(前年同期比84.7%減)となりました。これは主に株式交付費及び株式公開費用の減少によるものであります。

 その結果、経常利益は231,427千円(前事業年度は176,977千円の経常損失)となりました。

 

(特別損失・法人税等・当期純損失)

 当事業年度において法人税、住民税及び事業税28,547千円及び法人税等調整額36,921千円を計上した結果、当期純利益は239,801千円(前事業年度は183,335千円の当期純損失)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べ689,973千円減少し、3,775,617千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果使用したキャッシュ・フローは、407,985千円(前年同期は176,941千円の支出)となりました。これは主に、税引前当期純利益231,427千円を計上した一方で、売上債権の増加額559,290千円があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は369,860千円(前年同期は58,063千円の支出)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出305,176千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果得られた資金は87,872千円(前年同期は2,631,687千円の収入)となりました。これは主に新株予約権の行使による株式の発行による収入88,108千円によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

 a.生産実績

 当社の生産品はその大部分が生産後すぐに顧客のもとへ出荷されているため、生産実績は販売実績とほぼ同額となります。従いまして、生産実績の記載を省略しております。下記c.販売実績をご参照ください。

 

b.受注実績

 当社では受注から販売までが事業年度をまたいで発生する案件はないため、受注状況に関する記載を省略しております。

 

c.販売実績

 当事業年度の販売実績は、次のとおりであります。なお、当社はドローン関連事業の単一セグメントであるため、売上高の主な内訳別に記載しております。

区分(注)3.

当事業年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

前年同期比(%)

ソリューションの構築(STEP1、STEP2)

(千円)

866,228

194.7

量産機体の販売(STEP3、STEP4)

(千円)

304,881

▲20.6

その他

(千円)

107,612

▲16.7

合計(千円)

1,278,723

58.4

 (注)1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前事業年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

当事業年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

VFR株式会社

-

-

298,741

23.4

日本郵便株式会社

73,861

9.1

146,340

11.4

原田物産株式会社

124,013

15.4

33,827

2.6

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.サービス提供の各段階(STEP)に関して、STEP1として、顧客のドローン導入のニーズを踏まえて、課題解決のために当社のテスト機体を用いた概念検証(PoC)に係るサービスを提供しております。概念検証(PoC)を経て、STEP2として、顧客先の既存システムへの組み込みも含めた特注システム全体の設計・開発を行っております。

 STEP3及びSTEP4で、顧客先における試用(パイロット)もしくは商用ベースでの導入として、特注システムの生産・供給を行っております。当社では、STEP4を各事業年度の発注数量が10台以上の生産供給と定義しております。

 その他においては、機体の保守手数料や消耗品の販売料に加えて、国家プロジェクトのうち、NEDOロボット・ドローン機体の性能評価基準等の開発に係る売上高を含んでおります。一般的に国家プロジェクトにおいては、収受する補助金に関して、新規技術の研究開発に係るものについては、営業外収益として計上しております。ただし、本プロジェクトにおいては新規の研究開発を行わず、既存の当社の技術を用いて、委託された実験を行うことが主目的であるため、売上高として計上しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 a.財政状態及び経営成績の分析

 当事業年度における財政状態及び経営成績の分析については、「(経営成績等の状況の概要)①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

b.経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に特に重要な影響を与える要因については、以下のとおりであります。

 当社に限らず、ドローンに関する重大な事故が発生した場合には、ドローンの安全性に対する社会的信用が低下することにより、顧客からの需要低下、規制の強化等により市場の成長が減速する可能性があります。当社では、事故を起こさないよう、安全性第一のドローンの実現に努めておりますが、万が一、当社の製造した機体が墜落すること等により人や財産等に損害を与えた場合には、製造物責任賠償やリコールによる支払や費用発生及び社会的信用の失墜等により、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。製品の信頼性には万全の配慮をしてまいりますが、万が一、製品の欠陥が発生した場合には、その欠陥内容によってはコスト発生や信用の失墜を招き、当社の経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に関しまして、中長期的に経済の停滞を招くおそれがあります。また、顧客における新規投資への影響、当社における事業活動の低下、サプライチェーンにおける影響など事業継続への影響が生じることも考えられ、影響の度合いによっては、当社の売上高等の業績に悪影響を与えるおそれがあります。

 その他、経営成績に重要な影響を与える要因については「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当事業年度におけるキャッシュ・フローの分析については、「(経営成績等の状況の概要)②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 当社の資本の財源及び資金の流動性については、自己資金、金融機関からの借入金、新株発行による調達資金により充当することとしております。

 なお、当社の資金の流動性につきましては、「(経営成績等の状況の概要)②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。現時点において重要な資本的支出の予定はございません。

 

③重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りに関して、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる可能性があります。

 当社の財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。

 なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、今後の当社の事業活動にも影響を与える懸念があります。新型コロナウイルスの影響による会計上の見積もりへの影響は「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 追加情報」に記載しております。

 

(3)経営者の問題認識と今後の方針について

 当社は、産業向けドローン・プラットフォームである「ACSL-PF2」及び国産の小型機である「Mini」を軸に、各分野のコアクライアントとなるパートナー企業とのプロジェクトを通じ、各種用途の産業向けドローン・ソリューションを構築し、実際の経済効果を生み出すドローン用途を創出していくことを経営の基本方針としております。

 この基本方針を踏まえ、ドローン機体の販売拡大及びシステムインテグレーション、ソリューション構築を通じたドローン機体の利用拡大による売上高の拡大を企図しております。

 経営者は、事業を拡大し、継続的な成長を実現するために様々な課題に対処していくことが必要であると認識しており、それらの課題に対応するため、常に事業環境についての情報を入手し、戦略の策定、顧客ニーズの把握、製品力の強化、企業規模の拡大に応じた内部管理体制・組織の整備を進め、企業価値のさらなる向上を目指して取り組んでおります。

 なお、経営者の問題認識と今後の方針についての具体的な内容は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 当社は、自律制御型各種ロボットシステム(ドローン等)のハードウエア及びソフトウエアの研究開発に取り組んでおり、当事業年度は、飛行性能及び安全性能の向上、次世代通信技術や各種用途に特化した付属品の開発や開発拡張性を持つソフトウエアの構築を進めるとともに、独自開発の技術を用いた次世代機体の開発として各種用途別の機体ラインナップの拡充を図りました。

 本書提出日現在、当社の研究開発活動は、研究開発ユニットにおいて、最高技術責任者(CTO)以下29名の体制で実施しております。

 

 当事業年度の研究開発費の総額は275,362千円であり、具体的な研究開発の成果は以下のとおりです。なお、当社はドローン関連事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。

研究開発項目

研究成果

安全性に関する研究開発

故障パターン分析によるリスク評価、故障時バックアップ機能(例 フォルトトレランス:一部モーター停止時の特殊制御アルゴリズム、パラシュート機能)

操縦性に関する研究開発

自己位置推定アルゴリズム最適化、対地高度を用いた離着陸アルゴリズム最適化

環境性に関する研究開発

防水対策などによる消耗備品の長寿命化(リチウムポリマー電池など)