当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績の分析
現在、日本においては、労働人口減少による人手不足の深刻化、更にはインフラ設備の老朽化の進行に加え、新型コロナウイルス感染拡大により、リモートワークや非接触等の新たな生活様式の普及が一層顕在化しております。
このような環境下、産業用ドローンは、インフラ点検、物流・郵便、防災・災害対策等の領域で業務革新を実現するロボティクス技術として期待されております。政府は、2022年度を目途に「レベル4」(有人地帯上空における目視外飛行)の実現に向けた法整備を進めており、2020年12月10日に機体認証や操縦ライセンス等の新たな制度の方向性を示しております。また、ドローンのセキュリティ上のリスクの対応として、政府は2020年9月14日に、公共の安全と秩序維持等に支障の生じるおそれがある業務等に用いられるドローンの調達はセキュリティが担保されたドローンに限定し、既存導入されているドローンについても速やかな置き換えを実施する方針を公表しております。また民間企業においても、ドローン利活用に関する実証や導入等が進んできており、産業用ドローンの「実証実験期」から「社会実装期」への移行が実現しつつあります。
当社は、ドローンのデファクトスタンダードとしてその社会実装期を支えるべく、画像処理・AIのエッジコンピューティング技術を搭載したあらゆる条件下で最適な自律飛行が可能なフライトコントローラを独自開発しており、国産のセキュアな産業用ドローンを提供しております。
当第3四半期連結累計期間においては、売上高の計上が第4四半期に集中する季節性を有している中で、2021年年初に新型コロナウイルス感染症に関する2回目の緊急事態宣言が政府により発出されたことにより、実機試験や実証など現場業務を伴う当社の業績は大きく影響を受けました。現場試験による受注確定作業や実証実験等のプロジェクトが来期以降になる等、実施時期の振替が生じ、案件の実施が当初の想定より延期しております。さらに、予定しておりましたドローンイベントの中止や、実証実験を行う上で必要な現場視察、対面会議等が実施できないため、全国各地の現場実証を伴う新規案件受注確定に繋がる作業が抑制されております。
一方で、大きなトレンドとしての無人化・効率化に対する市場要求は変わらず、新たな生活様式としてのリモートワーク・非接触・遠隔操作などの社会実装が加速的に進んでおり、ドローン利活用の検討は継続しております。新型コロナウイルス感染症拡大の影響は、一時的であると認識しており、顧客先においても、ドローン利活用の検討は継続しております。
そのような中、当社では研究開発においてリモートワークを駆使することで中期経営方針「ACSL Accelerate」で掲げた事業戦略を推進しており、当社の成長ドライバーとなる4分野(①小型空撮、②中型物流、③煙突点検、④下水道等の閉鎖環境点検)の用途特化型量産モデルの製品企画、開発は想定通りに進んでおります。
①小型空撮機体においては、新機体の試作機開発が完了し、初期評価を実施しております。また、2022年3月期第3四半期での上市に向け販売・生産体制を平行して構築中であります。②中型物流については、5kgペイロード試作機をANAHD・アインHD・セブン-イレブン・ジャパン・NTTドコモとの実証にて活用し、有用性を確認しました。フィードバックを元に、新機体の要件定義を実施しております。③煙突点検においては、実環境での実証を継続しており良好な結果を取得しております。2022年3月期第2四半期での初期出荷に向けた評価・生産体制を構築中であります。④下水道等の閉鎖環境点検においては、量産試作開発の最終段階となっております。2022年3月期第2四半期での上市に向けて販売・量産体制を構築中であります。
開発においては、2022年以降に飛躍的に拡大が見込まれる産業用ドローンの様々なニーズに応えるべく、短期的な利益を追うのではなく、中長期的な成長を実現するために戦略的且つ積極的に研究開発費を投下する方針を維持し、画像処理(Visual SLAM等)を軸とした自律制御・エッジ処理の高度化、及び用途特化型機体の製品化を進めております。
また、当第3四半期連結累計期間において新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う事業環境の変化等を受け、将来の事業計画を見直した結果、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額することとなりました。その結果、特別損失として減損損失を86,559千円計上いたしました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の連結業績は売上高125,490千円、営業損失745,820千円、経常損失688,506千円、親会社株主に帰属する四半期純損失812,195千円となりました。
なお、当第3四半期連結会計期間より、当社と技術シナジーが期待できる国内外の企業へ投資を行うために新たに設立したコーポレートベンチャーキャピタル「ACSL1号有限責任事業組合」を連結の範囲に含めております。また、前第3四半期累計期間については四半期連結財務諸表を作成していないため、前年同四半期連結累計期間との比較分析は行っておりません。
当社はドローン関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。そのため、当社の販売実績を主な内訳別に区分した売上高の状況は次のとおりであります。また、第1四半期会計期間より、従来の「ソリューションの構築(Step1、Step2)」を「実証実験」に、並びに「量産機体の販売(Step3、Step4)」を「プラットフォーム機体販売」にそれぞれ名称変更しております。当該変更は名称変更のみであり、その内容に与える影響はありません。
(単位:千円)
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区分(注) |
当第3四半期連結累計期間 (自 2020年4月1日 至 2020年12月31日) |
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実証実験 |
46,877 |
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プラットフォーム機体販売 |
28,195 |
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その他 |
50,417 |
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合計 |
125,490 |
(注)1.サービス提供の各段階に関して、実証実験として、顧客のドローン導入のニーズを踏まえて、課題解決のために当社のテスト機体を用いた概念検証(PoC)に係るサービスを提供しております。概念検証(PoC)を経て、顧客先の既存システムへの組み込みも含めた特注システム全体の設計・開発を行っております。
2.プラットフォーム機体販売において、顧客先における試用(パイロット)もしくは商用ベースでの導入として、当社のプラットフォーム機体をベースにした機体の生産・供給を行っております。
3.その他においては、機体の保守手数料や消耗品の販売料に加えて、国家プロジェクトのうち、NEDOロボット・ドローン機体の性能評価基準等の開発に係る売上高を含んでおります。一般的に国家プロジェクトにおいて、受託先が収受する補助金に関し、新規技術の研究開発に係るものについては、営業外収益として計上しております。ただし、本プロジェクトにおいては、新規の研究開発を行わず、既存の当社の技術を用いて委託された実験を行うことが主目的であるため、売上高として計上しております。
② 財政状態の分析
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における資産は、4,420,085千円となりました。主な内訳は、現金及び預金2,566,461千円、仕掛品326,577千円、投資有価証券921,367千円であります。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における負債は、181,987千円となりました。主な内訳は、買掛金52,063千円であります。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は4,238,098千円となりました。主な内訳は、資本金3,021,287千円、資本準備金2,999,287千円、利益剰余金△1,776,993千円であります。
この結果、自己資本比率は95.6%となりました。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更を行っております。当該変更の内容については、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項 追加情報」に記載しております。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、新たに発生した事業上及び財務上の対処すべき課題はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における研究開発活動の金額は、267,679千円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。