当第1四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績の分析
現在、日本においては、労働人口減少による人手不足の深刻化、更にはインフラ設備の老朽化の進行に加え、新型コロナウイルス感染症拡大により、本格的な無人化・効率化に対する市場要求が一層顕在化しており、産業用ドローンがインフラ点検、物流・郵便、防災・災害対策等の領域で業務革新を実現するロボティクス技術として期待されております。
当社は、「技術を通じて、人々をもっと大切なことへ」というミッションのもと、「最先端のロボティクス技術を追求し、社会インフラに革命を」というヴィジョンを掲げております。独自開発の制御技術をコアとして、用途特化型ドローンを開発し、デファクトスタンダードの技術としてドローンの社会実装を推進するべく、国産のセキュアな産業用ドローンを提供しております。
2021年6月に航空法改正案が参議院本会議で可決し同案が成立するなど、政府が2022年度を目途としている「レベル4」(有人地帯上空における目視外飛行)の実現に向けて、予定通り、機体の安全性に関する認証制度やドローン操縦者ライセンスを含む法整備が着実に進んでおります。レベル4が整備されると、既に法整備が進んでいるレベル1~3の市場に加えて、ドローン物流など、我が国においてドローンで利用可能な巨大な空間・市場が出現する見込みです。
また、ドローンのセキュリティ上のリスクの対応として、政府は2020年9月14日に、公共の安全と秩序維持等に支障の生じるおそれがある業務等に用いられるドローンの調達はセキュリティが担保されたドローンに限定し、既に導入されているドローンについても速やかな置き換えを実施する方針を公表しております。民間企業においても、政府方針と同様にセキュリティを担保したセキュアなドローンに対する需要が顕在化してきております。
現状、目視内飛行(レベル1・2)の市場については市場拡大に向けた必要条件である規制や技術・製品などが整いつつあり、市場拡大に向けて特定用途向けの専門的な運用やソリューションが開発されつつあり、ドローンの社会実装が進んでいます。また、目視外飛行(レベル3・4)の市場は市場拡大の必要条件である規制や技術の整備が着実に進んでおり、今後の市場の創出・拡大が見込まれます。
そのような中、当社は中期経営方針「ACSL Accelerate」で①用途特化型機体開発、②サブスクリプションの導入、③ASEAN等のアジアへの本格進出、④CVCによる技術調達を掲げ、市場拡大、顧客獲得に向けて戦略的な取り組みを推進しております。
①「用途特化型機体の開発」、(ⅰ)小型空撮機体においては、2021年4月に、当社がコンソーシアムリーダーとして参画しているNEDO(※1)プロジェクトにおいて、セキュリティを担保した小型空撮機体の全容を公開し、NEDO事業終了後の2021年12月期第3四半期から上市することが公表されました。(ⅱ)中型物流については、「レベル4」の技術を前提とした中型物流ドローンの開発と中型機体の量産化の実現を推進しております。(ⅲ)煙突点検においては、既に実環境での有効な実証結果を取得済みであり、2021年12月期第3四半期での初期出荷に向けた評価・生産体制を構築中であります。また、煙突点検技術を応用し、水力発電所の調圧水槽点検用ドローンの販売も開始するなど、ドローンの適用範囲の拡大も進めております。(ⅳ)下水道等の閉鎖環境点検においては、2021年12月期第2四半期から閉鎖環境点検ドローンを本格展開すべく、2021年5月にNJSと合弁会社(株式会社FINDi)を設立し、本格運用を開始しております。
②「サブスクリプションの導入」については、従前の売り切りモデルに加えて、顧客の初期導入ハードルを下げるべく、点検用途機体のサブスクリプションサービス提供を2021年5月より開始いたしました。既に複数社から引き合いを受けサービス提供の検討を開始しております。
③「ASEAN等アジアへの本格進出」については、アジア市場に本格的に展開すべく、2021年5月にインドにおいてAeroarc Private Limitedと合弁会社(ACSL India Private Limited)を設立することを決議いたしました。当社の産業用ドローンの技術を活用して、ACSL India Private Limitedにて製造した産業用ドローンを、Aeroarcのインドにおける強固なネットワークを活用して販売いたします。
④「CVCによる技術調達」については、2021年6月に、世界35カ国でサービス展開するアジアでNo.1のUAVサービスカンパニーに選出されたドローンサービスプロバイダー(※2)であるAerodyne Groupへ出資し、事業連携を進めております。また、同6月にドローン物流市場の創出を目指したエアロネクスト、セイノーホールディングス社との資本・業務連携においてエアロネクスト社へCVCを通じて出資いたしました。
また、2021年6月にレベル4におけるドローン物流の社会実装を目指すべく日本郵便及び日本郵政キャピタルとの資本業務提携契約を締結し、本資本提携契約に基づく第三者割当増資を2021年7月に完了しております。日本郵政グループとの連携を強化し、レベル4に対応した機体の開発、実証の加速を進め、2022年以降のレベル4実現を目指しております。なお、本資本業務提携契約の内容は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。
開発においては、2022年以降に飛躍的に拡大が見込まれる産業用ドローンの様々なニーズに応えるべく、短期的な利益を追うのではなく、中長期的な成長を実現するために戦略的且つ積極的に研究開発費を投下する方針を維持し、レベル4認証取得に向けた安全性・信頼性向上や画像処理(Visual SLAM等)を軸とした自律制御・エッジ処理の高度化、及び用途特化型機体の製品化・量産体制の構築を進めております。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間の連結業績は売上高267,294千円、営業損失308,019千円、経常損失294,880千円、親会社株主に帰属する四半期純損失296,085千円となりました。
なお、前第3四半期連結会計期間より、当社と技術シナジーが期待できる国内外の企業へ投資を行うために2020年12月に設立したコーポレートベンチャーキャピタル「ACSL1号有限責任事業組合」を連結の範囲に含めております。また、前第1四半期累計期間については連結財務諸表を作成していないため、前年同期との比較分析は行っておりません。
※1.NEDO:国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
※2.Frost & Sullivan“Asia-Pacific Best Practices Awards 2019”Asia-Pacific Unmanned Aerial Vehicle (UAV) Services Company of the Year
当社はドローン関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。そのため、当社の販売実績を主な内訳別に区分した売上高の状況は次のとおりであります。
(単位:千円)
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区分(注) |
当第1四半期連結累計期間 (自 2021年4月1日 至 2021年6月30日) |
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実証実験 |
14,618 |
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プラットフォーム機体販売 |
15,599 |
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その他 |
237,076 |
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合計 |
267,294 |
(注)1.サービス提供の各段階に関して、実証実験として、顧客のドローン導入のニーズを踏まえて、課題解決のために当社のテスト機体を用いた概念検証(PoC)に係るサービスを提供しております。概念検証(PoC)を経て、顧客先の既存システムへの組み込みも含めた特注システム全体の設計・開発を行っております。
2.プラットフォーム機体販売において、顧客先における試用(パイロット)もしくは商用ベースでの導入として、当社のプラットフォーム機体をベースにした機体の生産・供給を行っております。
3.その他においては、機体の保守手数料や消耗品の販売料に加えて、国家プロジェクトのうち、NEDO安全安心なドローン基盤技術開発及び準天頂衛星システムを利用した無人航空機の自律的ダイナミック・リルーティング技術の開発に係る売上高を含んでおります。一般的に国家プロジェクトにおいて、受託先が収受する補助金に関し、新規技術の研究開発に係るものについては、営業外収益として計上しております。ただし、新規の研究開発を行わず、既存の当社の技術を用いて委託された実験を行うことが主目的のプロジェクトについては売上高として計上しております。
② 財政状態の分析
(資産)
当第1四半期連結会計期間末における流動資産は2,428,057千円となり、前連結会計年度末に比べ829,660千円減少いたしました。これは主に現金及び預金が571,219千円減少、売掛金が309,778千円減少したことによるものであります。固定資産は958,707千円となり、前連結会計年度末に比べ207,494千円増加いたしました。これは主に投資有価証券が207,799千円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は3,386,764千円となり、前連結会計年度末に比べ622,165千円減少いたしました。
(負債)
当第1四半期連結会計期間末における流動負債は100,787千円となり、前連結会計年度末に比べ332,153千円減少いたしました。これは主に買掛金が137,235千円減少したことによるものであります。固定負債は3,478千円となり、前連結会計年度末に比べ131千円増加いたしました。これは繰延税金負債が131千円増加したことによるものであります。
この結果、負債は104,265千円となり、前連結会計年度末に比べ332,022千円減少いたしました。
(純資産)
当第1四半期連結会計期間末における純資産合計は3,282,499千円となり、前連結会計年度末に比べ290,143千円減少いたしました。これは主に利益剰余金が296,085千円減少、新株予約権が5,711千円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は96.2%(前連結会計年度末は88.6%)となりました。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当第1四半期連結累計期間において、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、新たに発生した事業上及び財務上の対処すべき課題はありません。
(5)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における研究開発活動の金額は、153,179千円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当社は、2021年6月15日開催の取締役会において、日本郵便株式会社及び日本郵政キャピタル株式会社(以下「日本郵政キャピタル」)との間で業務提携契約を、日本郵政キャピタルとの間で株式引受契約(以下「本資本提携契約」)を締結すること並びに日本郵政キャピタルに対する第三者割当による新株式の発行(以下「本第三者割当増資」)を行うことを決議し、同日付でそれぞれ契約を締結いたしました。
なお、本業務提携契約、本株式引受契約及び本第三者割当増資の内容は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。