当第1四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績の分析
現在、日本においては、労働人口の減少による人手不足の深刻化が進む一方で、今後、インフラ設備の老朽化の進行が見込まれ、労働力の需要と供給の不一致は社会的な課題となっています。省人化・無人化を推進することは社会的な要請であり、加えて、新型コロナウイルス感染症拡大による、リモートワーク・非接触・遠隔操作など新たな生活様式の広がりに伴い、省人化・無人化に対する市場要求は、より一層顕在化しております。
当社は、「技術を通じて、人々をもっと大切なことへ」というミッションのもと、「最先端のロボティクス技術を追求し、社会インフラに革命を」というヴィジョンを掲げております。日本の社会課題である労働力のミスマッチに対し、当社のコアである独自開発の制御技術とそれを利用した産業用ドローンの社会実装により、当社のミッション・ヴィジョンの実現を通じて社会課題の解決を目指しております。
ドローン市場を取り巻く環境は、ウクライナ情勢等による地政学的リスクの高まりから経済安全保障への関心が高まっており、国産ドローンへの回帰の動きが急速に進んでおります。日本政府はドローンの調達にあたり、2020年9月に公共の安全と秩序維持等に支障の生じるおそれがある業務等に用いられるドローンの調達は、セキュリティが担保されたドローンに限定し、既に導入されているドローンについても速やかな置き換えを実施する方針を公表しております。セキュアなドローンの需要は、政府のみならず民間企業でも顕在化しており、点検、物流・郵便、防災・災害対策等の領域でドローンの社会実装へのコミットメントの機運が強まるなかで、セキュリティが担保された国産ドローンの需要が高まっております。
また、2022年4月27日に公表された、デジタル田園都市国家構想基本方針の骨子案において、ドローン物流への言及がなされており、加えて、世界的に広がるカーボンニュートラルの動きの中で、今後、増加していく風力発電設備の点検へのドローンの活用や、過疎地域等でのドローン物流の活用による輸配送の効率化など、脱炭素を実現するロボティクス技術としてドローンに注目が集まっております。
ドローンを取り巻く法規制は、日本政府が2022年度を目途としている「レベル4」(有人地帯上空における目視外飛行)の実現に向けて、2021年6月に航空法改正案が成立するなど、着実に整備が進んでおります。機体の安全性に関する認証制度やドローン操縦者ライセンスを含むレベル4が整備されると、既に法整備が進んでいるレベル1~3の市場に加えて、ドローン物流など、我が国においてドローンで利用可能な巨大な空間・市場が出現する見込みです。
現状、目視内飛行(レベル1・2)の市場については、市場拡大に向けた必要条件である規制や技術・製品などの整備とともに、市場拡大に向けて特定用途向けの専門的な運用やソリューションが開発されつつあり、ドローンの社会実装が進んでおります。また、目視外飛行(レベル3・4)の市場も、市場拡大の必要条件である規制や技術の整備が着実に進んでおり、今後の市場の創出・拡大が見込まれます。
当社は、国内のドローン関連企業において、唯一上場しているドローン専業メーカーであり、ドローンの社会実装と国産ドローンへの回帰が進む中で、日本のドローン市場の成長と合わせて、黎明期に求められる評価用機体の試作や実証実験といったソリューションの作り込みから、成熟期に求められる量産機の開発、量産体制の構築、その後の販売・導入支援までを一気通貫で提供し、デファクトスタンダードの技術としてドローンの社会実装を推進するべく、国産のセキュアな産業用ドローンを提供してまいります。
そのような中、当社は2022年1月に示した中期経営方針「ACSL Accelerate 2022」で掲げた「持続可能なグローバル・メーカーへ」進化するための取り組みを、戦略的に推進してまいりました。
直近の進捗として、用途特化型機体の量産化と社会実装について、2021年12月に上市した小型空撮機体「SOTEN」の出荷を開始し、2022年3月までに475台を出荷いたしました。また、3月末時点で初期ロット600台を上回る受注を頂いており、追加生産を決定しております。物流用ドローンについても、日本発の物流専用ドローン「AirTruck」をリリースし、量産化を決定、受注を開始いたしました。加えて、レベル4の規制整備後のドローン物流の社会実装に向け、都市部での実証実験に参画するなど、多くの企業と高難度な環境下での実証実験を実施してまいりました。
インド市場への進出については、インドにおけるパートナー企業との合弁会社(ACSL India Private Limited)にて、現地の生産拠点の整備を進めており、合わせて許認可の申請を行っております。なお、インド政府は、インド国産ドローンの製造、販売に対する優遇政策を発表するとともに、ノックダウン生産を含むドローン完成品の輸入を禁止するなど、ドローン国産化の流れを加速させており、現地の合弁会社での量産化を目指す当社にとっては追い風の状況となっております。
ESGの取組みについては、様々なバックグラウンドを持った人材の採用を継続的に進め、ダイバーシティのさらなる強化を図っております。2022年3月末時点において、19か国の国籍を持った役員及び従業員が在籍しており、研究開発部門においては約50%のメンバーが外国籍となっております。今後も多様な働き方やキャリア形成を認め、多様性を活用し、競争力の強化を図っていきたいと考えております。また、ガバナンス体制の強化のため、製品開発及び技術開発全般に豊富な経験を有している社外取締役を1名増員し、社外取締役を2名体制としております。これにより取締役会に占める社外取締役の構成割合は1/3超となっております。
自律制御システムの他分野への展開については、地上走行ロボットの開発を行っているアイ・イート株式会社との資本業務提携を進めております。今後、アイ・イート株式会社が有しているロボット開発技術と当社が有している自律制御関連技術を組み合わせることで、より付加価値の高い製品開発を効率的かつ早期に実現し、製品技術の向上と事業の拡大を目指します。
研究開発については、今後、飛躍的に拡大が見込まれる産業用ドローンの様々なニーズに応えるべく、短期的な利益を追うのではなく、中長期的な成長を実現するために戦略的かつ積極的に研究開発費を投下する方針を維持し、レベル4認証取得に向けた安全性・信頼性向上や画像処理を軸とした自律制御・エッジ処理の高度化、及び用途特化型機体の製品化・量産体制の構築を進めております。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間の連結業績は、売上高952,551千円、営業損失401,072千円、経常損失362,766千円、親会社株主に帰属する四半期純損失370,909千円となりました。
なお、前連結会計年度より決算日を3月31日から12月31日に変更いたしました。決算期の変更により、前連結会計年度は2021年4月1日から2021年12月31日までの9か月間となっております。これにより、当第1四半期連結累計期間(2022年1月1日から2022年3月31日)は、比較対象となる前第1四半期連結累計期間(2021年4月1日から2021年6月30日)と対象期間が異なることから、前年同期との比較分析は行っておりません。
当社はドローン関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。そのため、当社の販売実績を主な内訳別に区分した売上高の状況は次のとおりであります。
(単位:千円)
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区分(注) |
当第1四半期連結累計期間 (自 2022年1月1日 至 2022年3月31日) |
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実証実験 |
252,046 |
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プラットフォーム機体販売 |
42,153 |
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用途特化型機体販売 |
593,679 |
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その他 |
64,673 |
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合計 |
952,551 |
(注)1.サービス提供の各段階に関して、実証実験として、顧客のドローン導入のニーズを踏まえて、課題解決のために当社のテスト機体を用いた概念検証(PoC)に係るサービスを提供しております。概念検証(PoC)を経て、顧客先の既存システムへの組み込みも含めた特注システム全体の設計・開発を行っております。
2.プラットフォーム機体販売においては、顧客先における試用(パイロット)もしくは商用ベースでの導入として、当社のプラットフォーム機体をベースにした機体の生産・供給を行っております。
3.用途特化型機体販売においては、特定の領域において量産が見込める機体について、量産機体の開発・生産・販売を行っております。
4.その他においては、機体の保守手数料や消耗品の販売に加えて、一般的に国家プロジェクトにおいて、受託先が収受する補助金等のうち、新規の研究開発を行わず、既存の当社の技術を用いて委託された実験を行うことが主目的のプロジェクトについての売上高を含んでおります。
② 財政状態の分析
(資産)
当第1四半期連結会計期間末における流動資産は4,343,483千円となり、前連結会計年度末に比べ166,124千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が513,321千円減少、売掛金が875,092千円増加したことによるものであります。固定資産は1,655,641千円となり、前連結会計年度末に比べ117,815千円増加いたしました。これは主に投資有価証券が50,687千円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は5,999,125千円となり、前連結会計年度末に比べ283,940千円増加いたしました。
(負債)
当第1四半期連結会計期間末における流動負債は892,016千円となり、前連結会計年度末に比べ604,958千円増加いたしました。これは主に買掛金が493,239千円、短期借入金が100,000千円増加したことによるものであります。固定負債は26,582千円となり、前連結会計年度末に比べ17,874千円増加いたしました。これは繰延税金負債が17,874千円増加したことによるものであります。
この結果、負債は918,599千円となり、前連結会計年度末に比べ622,833千円増加いたしました。
(純資産)
当第1四半期連結会計期間末における純資産合計は5,080,526千円となり、前連結会計年度末に比べ338,893千円減少いたしました。これは主に利益剰余金が370,909千円減少したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は83.7%(前連結会計年度末は94.0%)となりました。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当第1四半期連結累計期間において、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、新たに発生した事業上及び財務上の対処すべき課題はありません。
(5)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における研究開発活動の金額は、292,443千円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当第1四半期会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。