文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは「教育を科学する」をキーワードに、ラーニングサイエンスとEdTechを活用して次世代教育を実現する日本発のEdTechカンパニーを目指しております。
(2) 経営環境
国内教育市場は少子化の進行で大学受験者数が減少しているものの、英語教育は低年齢化し、平成20年度からスタートしている小学5、6年生を対象とした小学校の英語教育は、平成23年度に小学5年生から必修となり、さらに平成32年には小学3年生からの必修化、小学5年生からの教科化が実施される予定です。
また、平成32年から始まる大学入試制度改革において、文部科学省により英語試験は民間の資格・検定試験を活用して4技能を評価する方針が決定され、能力測定及び学習の両面においてICT化が不可欠となるなど、今後の市場の動きは当社グループにとって大きな事業機会となると考えております。
さらに、海外教育市場は、アジアの人口増加及び経済発展による市場が拡大する一方、最大市場である米国において教育のIT化が進む等大きな変革及び成長が進展しております。当社グループはこれを事業機会と捉え、アジア及び米国の拠点開設を積極的に行って事業拡大を図ります。
(3) 経営戦略等
当社グループは、これからを見据え、飛躍的な事業規模の拡大と安定した収益の確保を目指し、平成29年度から平成31年度を対象年度とする中長期経営計画を策定いたしました。当該計画における当社グループの基本戦略は、次のとおりであります。
① 英語試験の4技能化による事業機会をとらえる商品開発
② テスト準備のためのラーニングツールの拡充
③ 各種テストの実施、インフラの領域拡大、顧客開拓
④ 次世代の教育ソリューションのコアとなるEdTech投資
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループは、教育分野における能力測定技術・コンピュータやインターネットを用いたテスト及び教育ツールの研究に注力し、特に語学を中心として「CASEC」、「TEAP CBT」に代表される試験サービスを提供し、項目応答理論を用いた正確な能力測定技術を強みとすることで他社と差別化してまいりました。
当社グループでは、今後の業容拡大及び経営基盤の強化のため、以下の課題に取り組んでまいります。
① ソフトウエア投資の拡大
当社グループが今後も継続的な成長を果たしていくためには、当社グループが開発したIRTを実装したCBTシステムや大規模試験の利用が可能な記述式答案の採点システムが、今後も市場での優位性を確保するために必要であることから製品機能の強化が不可欠であると認識しております。
また、当社グループの提供するラーニングツールは携帯端末等向けのアプリを介して提供されることが主流となりつつありますが、快適なラーニング環境を提供するためのアプリ開発のために必要な資源と時間は確実に増大しつつあります。
当社グループは、時代の要請により変化する市場と今後も加速するテクノロジーの進歩に素早く対応できるための更なる製品機能の強化やオプション機能の開発等の実施により、製品機能を充実させ、競合他社との差別化を図ってまいります。
② コンテンツ開発の強化
当社グループが展開するテスト商品及びラーニング商品は、時代の変化による問題の陳腐化を避けるため、継続的に新たなテスト問題の作成やラーニングのためのコンテンツ制作を行うことが不可欠です。質の高いコンテンツ開発を担当する経験豊富な人材の供給は限られています。当社グループは、塾市場も含めた市場参加者との連携や海外での人材確保などを通じて、経験豊富な質の高い人材にアクセスし、優良な学習コンテンツのライブラリーの開発・提供を進めて商品の競争力を高めてまいります。
③ 海外拠点におけるソフトウエア開発・コンテンツ開発・採点業務の推進による生産性と収益性の向上
第一に、当社グループは、現在、ソフトウエア開発について自社の海外の開発拠点であるインドのプネにおいて開発エンジニア約25名体制で取り組んでいますが、この開発体制の増員及び強化を図ります。また、中国の無錫拠点において、中国市場向けソフトウエアの開発について開発エンジニア約15名体制で取り組んでいますが、この増員及び強化を図ります。当社グループはこれらの体制の増員及び強化を通じて安価で質の高い海外の開発リソースを確保し、ソフトウエア開発のみならずシステム運営業務の海外移転を積極的に推進いたします。これにより、当社グループは、更なる原価及び研究開発費の低減を図り、グループ全体のシステム開発及び運営の生産性の向上を目指してまいります。
第二に、英語関連コンテンツ開発及び採点業務について、2020年度を目処にEdutech Lab, Inc.への完全移管を目指して移管プロジェクトを推進中です。当社グループは、主要サービスである英語関連サービスの更なる品質向上のために、テスト理論や英語教育分野の修士・博士課程修了者を中心に高度な訓練を受けた人材を確保してまいります。本書提出日現在、Edutech Lab, Inc.は約10人の専門家集団とその下に約60人コントラクターと契約し英語コンテンツの開発業務を行なっておりますが、事業の拡大に伴いグローバルなサプライチェーンを拡充し更なる生産性向上を実現してまいります。
第三に、当社グループは、英語以外の教科コンテンツ開発は各市場での開発、即ちローカライゼーションをより一層促進し、各事業の拡大に伴い各国の指導要領、個別特殊事情にきめ細かく対応する体制の構築を実現したいと考えております。
④ 株式会社旺文社との業務提携に基づく「スタディギア」ブランドでの多教科プラットフォームの提供等の教育メディアサービスの拡大
当社グループは、株式会社旺文社による資本参加を受けて同社との小中学生対象サービスに関する共同事業を開始いたしました。本事業は、当社グループが英検受験者をはじめ英語学習者に広く提供している英検公式オンライン学習アプリ「スタディギア for EIKEN」を通じて獲得した会員基盤(平成30年9月30日現在約196万人)に対し、英語を含む5教科について、学習する際の“つまずき”をなくすための学習解説動画及びドリル学習を小中学生に無償提供するサービスです。本サービスは、主にアプリ及びコンテンツ開発のための先行投資を必要とする一方、主な収益源として、株式会社旺文社等の教育コンテンツを保有するパートナーからのプラットフォーム利用料、広告収入、月額課金収入(プレミアム会員費)、有料コンテンツ販売を予定しております。本事業の収益化のためには、着実に個人及び法人ユーザーを獲得し、「スタディギア」のメディアとしての価値を高めていくことのみならず、更なる教育コンテンツパートナーとの連携強化が重要であると認識しております。当社グループは、的確なマーケティング戦略及び営業戦略を通じて本事業の収益化を図ってまいります。
⑤ 株式会社NTTドコモとの業務提携に基づく新規事業の収益化
当社グループは、株式会社NTTドコモと資本参加を含む業務提携を開始いたしました。当社グループは、これまで蓄積してきた英語学習に関する学習コンテンツ、能力アセスメントのノウハウを活用し、株式会社NTTドコモが開発・運営する英語4技能トレーニングのための学習サービス「English 4skills」に英語4技能学習コンテンツやAI自動採点技術を搭載したレベルチェックテスト等を提供いたします。当社グループは株式会社NTTドコモの営業戦略、マーケティング戦略を通じ本事業の収益化を支援してまいります。
⑥ AI手書き文字認識技術「Deep Read」の早期の事業応用とAI技術の活用領域の拡大
各種学力調査は、「知識・技能」を中心に問う手法から「知識・技能」と「思考力・判断力・表現力」を総合的に評価する手法へと移行しつつあり、記述式の出題が増加する傾向にある一方、これに伴う採点費用も増加しています。当社グループは、大規模な学力調査における記述式解答の採点効率化の観点から、ディープラーニングに基づくAI技術を用いた高精度な手書き文字認識技術「Deep Read」を開発してまいりました。当社グループは、早期に「Deep Read」を事業応用し、記述式解答の採点プロセスのイノベーションを実現することで競合他社との差別化を図る方針です。また、この文字認識技術は教育IT分野のみならずOCR(光学的文字認識)関連市場など他分野にも応用可能な技術と考えており、他分野への技術転用を積極的に進め当社グループのビジネスの拡大を図ってまいります。このため、当社グループは、平成30年4月に米国ボストンにDoubleYard, Inc. を設立し、優秀なAI人材の確保と研究開発活動を積極的に進めております。事業展開に関しましては、日本市場のみならず中国、インド市場を含む他市場での同時展開を視野に活動を開始しており、その結果、外資系大手金融機関、大手新聞社、大手BPO会社、政府関連機関、大学等との協業プロジェクトを受注しております。将来の大規模な受注に向けての準備として、現在は、年内の稼働開始を目標にAPI環境の整備等の準備を進めています。本サービスの提供形態として、サーバーの利用量に応じたクラウドサービス型従量課金モデルとオンプレミス型システムソリューション提供・運営モデルの2つを予定しています。
ディープラーニングを活用した技術及びサービスの開発手法は、他の分野へ応用することが比較的に容易であることから、当社グループは、手書き文字認識技術の開発で培ったAIを活用した開発力を他の分野に展開して当社グループ全体の商品及びサービスの競争力を高めていく方針です。当社グループがAIの活用を進める予定の領域として、自然言語処理(英語:Natural Language Processing、略称:NLP)とアダプティブエンジン(個人適応型学習管理システム)を考えております。これらの開発により、当社グループの全セグメントにおいて商品及びサービスの競争力の向上及び利益率の拡大を図ることができると考えております。
当社グループの開発する手書き文字認識技術、NLP等のAI技術の活用領域については、当社グループの従来の事業領域である文教市場のみならず、他の産業においても導入することで生産性の向上に資する可能性があると考えております。当社グループとしては、積極的に他の産業のパートナーとの協業を追求し、応用領域のみならず他産業への応用拡大を図りたいと考えております。
⑦ 海外事業の早期収益化
海外事業の課題として、当社グループが現在営んでいる以下の事業の早期黒字化と事業拡大を図るとともに、香港、シンガポール、米国法人において早期にロイヤリティ収入、キャピタルゲイン収入及び販売代理店収入の実現を図ります。
a) 中国自習室事業
約2年間のシステム及びコンテンツの開発準備期間を経て、当社グループは、平成29年夏より、新しい指導コンセプトである反転授業(Flipped Classroom)(注)を基本に、家庭学習と個人学習履歴のデータ分析をベースとしたコーチング型小学生向け個別指導学習塾事業を算数及び国語の二教科を始めとして展開中です。江蘇省無錫と湖南省長沙において直営校を運営し、またその他地域は地域代理店契約の締結等の事業提携を同時に推進しており、平成30年9月30日現在、華北、華東、中原及び華南省へ事業展開を進め、中国全国の展開都市数は47都市、運営する教室数は95、有料生徒登録数は約4,700人となっております。教材はオンラインと紙媒体の双方で提供しております。事業収入は直営店運営収入、加盟校登録料及び加盟校への教材とシステム提供によるロイヤリティ収入があります。今後の経営課題としては、早期の単年度黒字化及び中学生事業の展開を含めた更なる事業拡大、上海教材開発拠点及び無錫システム開発拠点の拡充、内部管理の体制強化、AI機能備えたアダプティブエンジン(個人適応型学習管理システム)の既存システムへの搭載による個人学習履歴データの解析の精度向上等があげられます。
(注)ブレンド型学習の形態のひとつで、生徒たちは新たな学習内容を、通常は自宅でビデオ授業を視聴して予習し、教室では講義は行わず、逆に従来であれば宿題とされていた課題について、教師が個々の生徒に合わせた指導を与え、また、生徒が他の生徒と協働しながら取り組む形態の授業をいう。
b) インド Kyoshi 事業
当社グループは、平成28年度に開始した中・高生対象の学習塾向けの単元テスト提供事業を再構築し、平成29年度より小中高生を対象とした紙媒体での理系4科目のアチーブメントテスト及び単元テストの提供を開始しております。平成29年に小・中・高校に全国規模で直接営業網を持つSmartclass Educational Services社との排他的販売パートナー契約を締結し、平成29年度10月から平成30年2月までの5ヶ月間の累計で約1万2,000テストを販売し実施いたしました。当社グループとしては早期に市場シェアの拡大を図りたいと考えております。今後の経営課題としては、早期の単年度黒字化、インドのプネのテスト開発拠点の強化及びバンガロール物流拠点の全国規模でのロジスティクスセンター化、項目応答理論を使った新テストの市場投入があげられ、将来的にはCBTテストの展開も視野に事業を展開する計画です。
c) 米国内を中心としたEdTechベンチャー企業等への投資事業
米国Edutech Lab, Inc.の子会社として、平成30年4月にEduLab Capital Management Company, LLCを米国ボストンに設立し、世界最大のEdTech市場である米国を中心に、中国、東南アジア、インド、日本のアーリステージのEdTechベンチャー企業への投資加速を目的に活動を開始しました。過去数年、米国のGSV Acceleration Fund I、Fresco Capital Education Venture Fund I及びLearnLaunch Accelerator IIへのLP(Limited Liability Partner )投資を含め、当社グループは、米国で6社、東南アジアで2社、イスラエルで2社のEdTechベンチャーへの直接投資を行いましたが、急速に変化・成長する世界のEdTech市場の動向にタイムリーに呼応するために、上記の通り別組織での投資事業展開を決定した次第です。今後は、EduLab グループの経営リソースを最大限活用した形で他のEdTechベンチャー投資ファンドとの差別化を図り、単なるキャピタルゲイン収入の追求のみならず、CodeMonkeyの中国での販売を一例とする投資先の商材の他地域での展開等により収益確保も目指していきます。
⑧ 内部管理体制及びコーポレート・ガバナンスの強化
当社グループの更なる事業の拡大、継続的な成長のためには、内部管理体制及びコーポレート・ガバナンスの更なる強化が重要な課題であると認識しております。当社は、監査役と内部監査の連携、定期的な内部監査の実施、経営陣や従業員に対する研修の実施等を通じて、内部管理体制の一層の強化に取り組んでいく方針です。
⑨ ネットワークシステムの強化
当社グループの提供する事業は、テストやラーニングツールの配信・提供をするにあたり、コンピュータ・システムを結ぶ通信ネットワークに依存しています。自然災害や事故等により通信ネットワークが切断された場合には、当社グループの事業に重大な影響を及ぼす可能性があります。このため、当社グループではセキュリティ対策やシステムの安定性確保に取り組み、海外でのインフラの二重化やバックアップ体制の構築などを通じて当社グループのサービス提供に支障が出るリスクを低減するための措置を充実していきます。
⑩ 人材の確保と育成
当社グループは日本市場のみならず海外市場での事業の拡大を見据え、研究開発、事業開発、営業・マーケティング、内部管理のすべての面において、海外オペレーションにも対応可能な優秀な人材の確保、採用、育成が重要な課題であると認識しております。特に、専門性の高いAIエンジニア、項目応答理論等のテスト理論の専門家、教育コンテンツ開発の専門家等を各海外拠点で積極的に採用してまいります。また、事業開発、ベンチャー投資分野においても専門性の高い人材の採用を積極的に進める予定です。新たに採用した人員に対しては充実した研修を実施するなど人材の育成に取り組んでおり、今後も採用と並行して新入社員への研修・教育制度を整備することで優秀な人材の確保・育成に取り組む方針です。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
(1) 多教科プラットフォームサービスの収益化と株式会社旺文社との関係について
当社グループは、株式会社旺文社による例題提供・監修のもと、平成30年5月より小中学生を対象とした英語だけでなく他の教科も含めた無料の動画学習アプリを「スタディギア」ブランドで提供する多教科プラットフォームサービスを開始しています。
株式会社旺文社は、当社子会社の株式会社教育測定研究所の設立を支援し、平成14年3月から平成17年6月まで子会社としていました。その後、株式会社教育測定研究所の独立性を強めるために持ち分比率を下げ、平成27年2月に一度株主ではなくなりましたが、多教科プラットフォームサービスの提供に際して、再び当社グループとの関係を強化すべく平成29年10月の第三者割当増資を通じて当社の株主となりました。本サービスについての開発資金は同社への第三者割当増資を通じて調達しております。
今後、的確なマーケティング戦略や営業戦略を通じて、同プラットフォームの個人及び法人ユーザーや広告主を獲得し、早期の収益化を実現する予定ですが、計画通りにユーザーや広告主の獲得が進まない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(2) 英検協会との関係について
当社グループは、主要事業において、特定の取引先に対する販売に大きく依存しており、特に英検協会関連のサービスを提供するために英検協会及び株式会社教育デジタルソリューションズに対する平成30年9月期の全売上高に占める売上割合はそれぞれ29.4%及び30.3%となっております。当社グループは、多岐にわたって英検協会に関わる案件を受注しておりますが、その多くは、当社グループの能力測定技術、テスト理論の専門性、大規模テストに係る業務設計及び運用力等に基づき受注しており、他社代替性が低いものと理解しております。また当社グループのテスト運営・受託事業において、英検協会に対してテスト運営・受託事業における答案処理の委託を行う等、多面的な関係を構築しています。当該販売先との取引関係は安定していますが、販売先の業績が悪化した場合や販売先との契約内容に変更が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(3) テスト運営・受託事業が性質上入札の結果に大きく影響されることについて
テスト運営・受託事業は国内の公的機関が発注者となる場合が多く、安定的に発注がある一方で、受託の際に入札プロセスが導入されるため長期に亘る継続的な契約を結ぶことが難しく、毎年の入札結果によっては受託できないことも起こりえます。当社グループが実績を積み重ね、技術点を上げることである程度継続的に落札することが可能となるものの、新規参入企業による競争激化の可能性もあり、安定的かつ確実な受注環境にあるとはいえない事業です。文部科学省の実施する全国学力・学習状況調査等の特に大規模な案件が国内の公的機関から落札できなかった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(4) 当社グループの業績(売上高、営業利益)が第2四半期・第4四半期に偏重する傾向があることについて
当社グループの提供する「e-Testing/e-Learning事業」及び「テスト運営・受託事業」の主要顧客には教育機関(公的機関を含む)が多く、その多くが3月末を会計年度末としているため、受託事業における検収や、ライセンス収益の従量部分の清算などが3月に集中する傾向にあります。また、当社グループの「e-Testing/e-Learning事業」は、「CASEC」の主要顧客である多くの教育機関において、4月から始まる新年度のためのクラス分けのための調査として3月に利用されることが多く、当社グループの売上高及び営業利益の計上も同月に集中する傾向があります。
一方、「テスト運用・受託事業」において、当社グループが過去安定的に受注している顧客で完了検収を8月から9月にかけて行う団体が数件あり、これに伴い当社グループの売上高及び営業利益は8月から9月にかけて増加する傾向にあります。
これらの結果として、当社グループの売上高及び営業利益は第2四半期・第4四半期に偏重する傾向があります。なお、平成30年9月期の通期売上高に占める四半期毎の売上高の割合、並びに通期営業利益に占める四半期毎の営業利益の割合は以下のとおりです。
(単位:売上高/営業利益・千円)
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第1四半期 |
第2四半期 |
第3四半期 |
第4四半期 |
平成30年9月期合計 |
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売上高 (%) |
営業利益 (%) |
売上高 (%) |
営業利益 (%) |
売上高 (%) |
営業利益 (%) |
売上高 (%) |
営業利益 (%) |
売上高 (%) |
営業利益 (%) |
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e-Testing/e-Learning事業 |
512,955 (21.7) |
70,588 (9.5) |
552,417 (23.3) |
144,153 (19.4) |
615,101 (26.0) |
223,266 (30.0) |
687,336 (29.0) |
306,071 (41.1) |
2,367,810 (100.0) |
744,080 (100.0) |
|
テスト運営・受託事業 |
318,449 (30.1) |
10,710 (4.5) |
402,198 (38.0) |
182,916 (77.4) |
71,908 (6.8) |
11,483 (4.9) |
264,499 (25.1) |
31,321 (13.2) |
1,057,056 (100.0) |
236,432 (100.0) |
|
合計 |
831,404 (24.3) |
81,299 (8.3) |
954,615 (27.9) |
327,070 (33.4) |
687,010 (20.1) |
234,750 (23.9) |
951,836 (27.7) |
337,393 (34.4) |
3,424,867 (100.0) |
980,513 (100.0) |
(注)1.売上高には、消費税等は含まれておりません。
2.四半期毎の割合は通期に対するパーセンテージです。
(5) 売上計上の期ずれが業績に与える影響について
当社グループが展開している「テスト運営・受託事業」においては、システム開発受託、コンテンツ開発受託等のサービスを行っております。当該事業においては、取引先の都合による検収時期の変動や、受注後の仕様変更等により納入時期が変更となり、売上及び利益の計上について翌四半期あるいは翌連結会計年度への期ずれが発生する場合があります。期ずれの金額の大きさによっては、各四半期あるいは連結会計年度における当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(6) 新規事業の収益化について
当社グループは、平成29年6月より株式会社NTTドコモと資本提携を含む業務提携を開始いたしました。本件に関する開発資金の一部は同社への第三者割当増資によって調達いたしました。株式会社NTTドコモが開発・運営する英語4技能トレーニングのための学習サービス「English4Skills」の営業戦略やマーケティング戦略を通じた法人ユーザーの獲得及び早期の収益化を支援しておりますが、計画通りに収益化が進まない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、当社グループは上記以外も国内外において新規事業を検討していますが、これらの新規事業に参入した結果、当該新規事業が収益化しない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(7) 海外事業展開について
海外拠点の拡充に伴って、法律・規制・租税制度の予期しない変更や社会的混乱など、各国における諸事情の変化や為替・金利などの市場動向が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。現在、当社グループの海外拠点の活動はソフトウエア開発・コンテンツ開発・採点業務・教育ベンチャーへの投資が中心となっており、コストセンターとなっています。早いタイミングでの収益化を目指していますが、海外売上の実現の後れにより収益化が遅れ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(8) テスト運営・受託事業における収益性について
テスト運営・受託事業は、実施に係る印刷コストや採点等に関する経費が原価に占める割合が高い事業です。そのため、経済状況の変動におけるアルバイト賃金の上昇や外注費の高騰等により、期待した利益率を達成できない可能性があります。また、採点や集計に関するトラブルが発生した場合、印刷コストや採点等に関して追加負担が発生することがありますが、受託金額の上乗せを実現することは困難であることから、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(9) 少子化による需要の低下について
国内の教育市場については、構造的な少子化傾向がこのまま継続して市場の縮小と受験競争の緩和が進み、業界全体に対する需要の低下が続いた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループが提供するサービスの中心となる英語学習市場については、英語学習の低年齢化、英語試験の4技能化の要請、旺盛な企業による職員に対する英語教育需要等により足元は拡大傾向にありますが、少子化の影響による市場の縮小を受け、市場拡大が頭打ちになる可能性があります。
(10) 教育に関わる各種制度の変更について
国内市場においては、学習指導要領の改訂や就学支援金制度、教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置等、行政による教育に関わる制度変更は度々発生しております。このような制度変更に対して早期に察知できなかったり、適切な対応ができなかったりした場合は、ビジネスチャンスの逸失や集客の低下等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(11) システム開発について
当社グループが開発する教育関連システムについては、受託開発から当社グループがリスクをとって開発して使用料を得るライセンスモデルへと移行しております。これによりマージンの高いライセンス収入が経常的に見込める一方、アップフロントの開発コストがかかり、サービス開始前の資金需要が発生するとともに、サービス売上が予定を下回った場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(12) コンテンツ開発について
当社グループが展開するテスト商品及びラーニング商品は、時代の変化による問題の陳腐化を避けるため、継続的に新たなテスト問題の作成やラーニングのためのコンテンツ制作を行うことが不可欠です。また、ラーニングのためのツールは、様々なデバイスに対応する教材のアプリ化などにより必要な技術も高度化する傾向にあります。当社グループは、これらをサービスインに1~2年先立ってコンテンツ制作リスクを負って開発を行いますが、商品の競争力が十分でなくサービス売上が予定を下回った場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(13) 減損会計
当社グループは、e-Testing/e-Learning事業に関する各種サービスを提供するため、無形固定資産としてシステム提供のためのソフトウエア及び学習コンテンツを保有するとともに、継続的に開発投資を行っています。これらの資産を利用して提供するサービスの収益性が著しく低下した場合には、当社グループが保有するソフトウエア等の資産について減損損失の計上が必要となることが考えられます。
また、当社グループは海外を中心にEdTech企業及びEdTechに特化したベンチャーキャピタルに対して投資を行っており、これら投資先の業績が投資時の想定に届かない場合、保有するベンチャー企業株式等やベンチャーキャピタルの持分について減損損失の計上が必要となることが考えられます。
そのような場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(14) ライセンス収入への依存度が高いことについて
当社グループの収益において、コンテンツ、ソフトウエア及びシステムの提供に基づくライセンス収入が拡大しており、平成30年9月期の連結の売上高は1,554,814千円で、当社グループの連結の売上高に占める割合は45.4%となっております。当社グループの提供するコンテンツ、ソフトウエア及びシステムは、複数年に亘ってサービスを提供する前提で顧客と協議した上で開発される場合がほとんどですが、契約期間中にライセンス料が改定された場合やライセンス契約が解除された場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(15) 有利子負債依存度について
当社グループの有利子負債依存比率(連結)は、平成29年9月期末及び平成30年9月期末でそれぞれ64.4%、59.4%と高い水準にあります。当社グループでは、これまで、株式会社教育測定研究所が受託する学力調査等の案件において、アルバイト賃金や外注費等の一時的なコスト負担が生じることや、一般競争入札において流動比率を高めることが入札要件として有利である等の事情があり、借入を増やして現金及び預金残高を高めてまいりました。常に相当額の現金及び預金残高を維持することで、流動比率を高めると同時に、有利子負債について返済及び金利負担リスクを軽減できていると考えておりますが、急激な調達環境の悪化や金利の上昇などが起きた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(16) システムトラブルについて
当社グループの事業は、コンピュータ・システムを結ぶ通信ネットワークに依存しており、自然災害や事故等により通信ネットワークが切断された場合には、当社グループの事業に重大な影響を及ぼす可能性があります。当社グループではセキュリティ対策やシステムの安定性確保に取り組んでおりますが、何らかの理由によりシステムトラブルが発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(17) 個人情報の管理について
株式会社教育測定研究所は、「英ナビ・スタディギア」における会員情報や「CASEC」等の受験者情報等の個人情報を保有しており、「個人情報の保護に関する法律」の適用を受ける個人情報取扱事業者です。
株式会社教育測定研究所はプライバシーマークを認証取得するとともに、個人情報については、社内研修などを通じて社員への啓蒙活動を継続的に実施するなどの施策を講じておりますが、何らかの理由で個人情報が漏えいした場合、信用失墜や損害賠償請求等が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(18) 人材の確保・育成について
当社グループは、今後の事業拡大のために優秀な人材の確保、育成は重要な課題であると認識しており、積極的に人材を採用していくとともに、研修の実施等により人材の育成に取り組んでいく方針であります。
しかしながら、これらの施策が効果的である保証はなく、必要な人材を確保できない可能性や育成した人材が当社グループの事業に十分に寄与できない可能性があります。そのような場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(19) 特定の経営者への依存について
当社グループは、当社代表取締役社長兼CEO 髙村淳一に経営の重要な部分を依存しております。現在、当社グループでは同氏に過度に依存しないよう、内部管理体制の整備、人材の育成を行うなど体制の整備に努めておりますが、何らかの理由により同氏による当社グループの業務遂行が困難となった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(20) 資金使途について
今回当社が実施した公募増資による調達資金の使途につきましては、テスト及びラーニングツール開発のためのソフトウエア開発及びコンテンツ開発費に充当する予定です。
しかしながら、学習教材市場は参加者も多く新商品も多数投入されており、計画通りに資金を使用したとしても、期待通りの効果を上げられない可能性があります。そのような場合、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(21) 自然災害
当社グループにおいては、地震等の大災害発生に備え、グループ各社の被災状況の情報集約体制の構築、国内事業の情報システムの分散等の事業継続のための施策を講じております。
しかしながら、大災害が発生した場合、被災地域における営業活動の停止、当社グループの施設等の損壊、交通、通信、物流といった社会インフラの混乱、委託先の被災等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、各事業会社の本部機能の東京への集中度が高いため、東京が被災した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(22) 技術革新等について
インターネット、クラウドコンピューティング、AIの開発環境は技術進歩が速く、当社グループが想定する以上の技術革新により、当社グループの技術やサービスが競争力を失うような事態が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(23) 知的財産権について
当社グループは、現在、他社の知的財産権を侵害している事実は認識しておりません。しかしながら、当社グループの認識していない知的財産権が既に成立していることにより当社グループの事業運営が制約を受ける場合や第三者の知的財産権侵害が発覚した場合などにおいては、信用失墜や損害賠償請求等が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
また、他社により当社グループの知的財産権が侵害された場合においては、他社が当社グループの参加する一般競争入札において優位な位置を占めるなどして、当社グループの受託を阻害し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(24) ストック・オプション制度について
当社グループは業績向上に対する意欲や士気を高めることを目的として、ストック・オプション制度を採用しており、会社法の規定に基づく新株予約権を当社グループ取締役及び従業員等に付与しております。これらの新株予約権又は今後付与される新株予約権が行使された場合、株式価値が希薄化する可能性があります。なお、本書提出日現在における新株予約権による潜在株式数は1,024,400株であり、発行済株式総数8,474,600株の12.09%に相当します。
(25) 配当政策について
当社は、株主への利益還元を経営上の重要な課題として認識しており、事業基盤の整備状況や事業展開の状況、業績や財政状態等を総合的に勘案しながら、継続的かつ安定的な配当を行うことを基本方針としております。
ただし、当社は現在成長過程にあり、内部留保の充実を図り、更なる成長に向けた事業の拡充や組織体制、システム環境の整備への投資等の財源として有効活用することが、株主に対する最大の利益還元に繋がると考え、現状は配当を実施しておりません。
将来的には、財政状態及び経営成績を勘案しながら配当を実施していく方針ではありますが、現時点において配当の実施時期等については未定であります。
(26) 法的規制等について
当社グループは、下請法の他、広告事業拡大に伴い景品表示法の適用を受けておりますが、これらの法令を含め当社に適用のある各種法令や税制等について、今後変更があった場合や新たな規制が導入された場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
特に日本国内の税制については、平成26年4月1日に消費税の増税が実施され、今後も更なる税率の引き上げが検討されております。消費税の増税により税込み販売価格が上昇した場合には、特に「CASEC」を中心に顧客の購買意欲が減退する可能性があり、その場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当社グループが属する教育ビジネス市場は、社会の急速なグローバル化と新興国における中間層市場の拡大を背景に、引き続き幼児・子供向けサービスが好調な推移を示し、国内においては、英語教育の低年齢化と大学受験における外部試験の導入の進展を背景に、実用英語技能検定(英検)の受験者数が増加するなど周辺市場も好調に拡大しています。今後、小学校の英語の必修化、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催や大学入試改革の進展に伴い、英語等の語学需要が高まり、教育ビジネス市場は堅調な成長を維持する見込みです。
こうした環境下において、当社グループは学力測定技術・教育ツールの研究に注力し、特に語学を中心として「CASEC」、「TEAP CBT」、「スタディギア」に代表される試験サービス、学習サービスを提供してまいりました。また、語学以外では国、地方公共団体、国際機関等の公的主体の実施する学力調査の受託をしてまいりました。
この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高3,424,867千円(前年同期比19.3%増)、営業利益260,752千円(前年同期は46,938千円の営業損失)、経常利益196,610千円(前年同期は107,623千円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益54,229千円(前年同期は120,994千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
a. e-Testing/e-Learning事業
e-Testing/e-Learning事業においては、公益財団法人日本英語検定協会(以下、「英検協会」)と共同で運営する英語学習者向けサイトの「英ナビ!」の運営及び同サイト上で展開する学習ツールの「スタディギア for EIKEN」の提供に伴うライセンス収入が順調に増加しました。また、企業・学校向け英語能力判定テストの「CASEC」の販売も引き続き順調に推移するとともに、英検協会向けの英検4‐5級スピーキングテストや英検団体サポートシステムの提供に基づくライセンス収入が拡大しました。その結果、売上高は2,367,810千円(前年同期比25.2%増)、セグメント利益は744,080千円(前年同期比69.8%増)となりました。
b. テスト運営・受託事業
テスト運営・受託事業においては、埼玉県学力・学習状況調査及び大学入試センターが実施しているセンター試験の願書受付業務・結果送付業務の受託が売上に貢献しました。また、平成30年1月にサービスリリースしたAI文字認識エンジン「Deep Read」を活用した案件の受託が売上に貢献しました。その他、(株)NTTドコモが開発・運営する英語4技能トレーニングのための学習サービス「English 4skills」への技術提供や、(株)旺文社との共同事業である動画学習アプリ「スタディギア」(多教科プラットフォームサービス)の提供開始に関連する業務も売上に貢献しました。しかし、英検協会からのシステム及びコンテンツ開発の受託が減少した結果、売上高は1,057,056千円(前年同期比7.8%増)、セグメント利益は236,432千円(前年同期比60.8%増)となりました。
その他、当連結会計年度においては、シンガポール子会社Edutech Lab AP Private Limitedにて投資を行っておりましたE.D.H Trading Development and Investment Corporation(TOPICA)株式の持分の一部売却に伴う売却益の実現がありました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末における財政状態は、資産は7,606,571千円(前連結会計年度末比1,908,195千円増)、負債は6,163,889千円(前連結会計年度末比1,371,104千円増)、純資産は1,442,682千円(前連結会計年度末比537,091千円増)となりました。
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べて1,108,532千円増加し5,094,016千円となりました。これは現金及び預金が415,727千円増加、受取手形及び売掛金が307,893千円増加したことなどによります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて793,855千円増加し2,485,762千円となりました。これは、ソフトウエアが730,919千円増加したことなどによります。
繰延資産は、前連結会計年度末に比べて5,807千円増加し26,792千円となりました。これは社債発行費が増加したことによります。
この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて1,908,195千円増加し、7,606,571千円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて1,461,023千円増加し、4,179,807千円となりました。これは、短期借入金が600,000千円増加、1年内償還予定の社債が221,400千円増加、1年内返済予定の長期借入金が200,000千円増加したことなどによります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて89,918千円減少し、1,984,081千円となりました。これは、社債が122,900千円増加したものの、長期借入金が300,000千円減少したことなどによります。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて1,371,104千円増加し、6,163,889千円となりました。
(純資産)
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて537,091千円増加し、1,442,682千円となりました。これは、第三者割当増資の実施により資本金が245,000千円増加及び資本剰余金が245,000千円増加、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が54,229千円増加したことなどによります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物は、3,137,939千円(前連結会計年度末比415,727千円増)となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは75,093千円の収入(前連結会計年度は123,696千円の収入)となりました。これは、税金等調整前当期純利益198,583千円(前連結会計年度は107,623千円の税金等調整前当期純損失)、減価償却費250,778千円(前連結会計年度は147,406千円)等の増加要因、売上債権の増加額307,443千円(前連結会計年度は増加額6,678千円)、法人税等の支払額251,583千円(前連結会計年度は165,003千円)、前払費用の増加額172,784千円(前連結会計年度は減少額199,304千円)、未払金の減少額101,591千円(前連結会計年度は増加額145,101千円)等の減少要因の影響によります。
投資活動によるキャッシュ・フローは978,335千円の支出(前連結会計年度は549,783千円の支出)となりました。これは、ソフトウェア開発による無形固定資産の取得による支出924,982千円(前連結会計年度は426,823千円)などの影響によります。
財務活動によるキャッシュ・フローは1,320,743千円の収入(前連結会計年度は1,453,831千円の収入)となりました。これは、社債の償還による支出355,700千円(前連結会計年度は590,000千円)があるものの、社債の発行による収入686,443千円(前連結会計年度は1,044,006千円)、株式の発行による収入490,000千円(前連結会計年度は449,825千円)などの影響によります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b. 受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成29年10月1日 至 平成30年9月30日) |
|||
|
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
|
テスト運営・受託事業 |
1,489,494 |
192.6 |
1,360,048 |
146.6 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.e-Testing/e-Learning事業については事業の性格上、受注実績の記載に馴染まないため、記載しておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成29年10月1日 至 平成30年9月30日) |
|
|
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
|
e-Testing/e-Learning事業 |
2,367,810 |
125.2 |
|
テスト運営・受託事業 |
1,057,056 |
107.8 |
|
合計 |
3,424,867 |
119.3 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 平成28年10月1日 至 平成29年9月30日) |
当連結会計年度 (自 平成29年10月1日 至 平成30年9月30日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
株式会社 教育デジタルソリューションズ |
881,974 |
30.7 |
1,039,413 |
30.3 |
|
公益財団法人日本英語検定協会 |
786,492 |
27.4 |
1,006,406 |
29.4 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積り・仮定設定を必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績や状況に応じて合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高は3,424,867千円(前年同期比19.3%増)となりました。これはe-Testing/e-Learning事業の売上高が2,367,810千円(前年同期比25.2%増)、テスト運営・受託事業の売上高が1,057,056千円(前年同期比7.8%増)となったことによります。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度の売上原価は1,534,214千円(前年同期比4.0%増)となりました。その結果、売上総利益は1,890,652千円(前年同期比35.4%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は1,629,899千円(前年同期比12.9%増)となりました。これはシステム管理費や旅費交通費が増加したこと等によります。その結果、営業利益は260,752千円(前年同期は46,938千円の営業損失)となりました。
(営業外収益、営業外費用及び経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は投資有価証券売却益38,022千円等により46,773千円となり、営業外費用は支払利息35,728千円、税額控除外源泉税34,641千円、投資事業組合管理費15,634千円等により110,915千円となりました。その結果、経常利益は196,610千円(前年同期は107,623千円の経常損失)となりました。
(特別利益、特別損失及び親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の特別利益は関係会社出資金売却益により1,973千円となり、特別損失はありませんでした。その結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益54,229千円(前年同期は120,994千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
b. 財政状態
財政状態の状況の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」をご参照ください。
③ キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 連結経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
④ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要につきましては、売上原価並びに販売費及び一般管理費等の営業費用であります。
設備資金需要の主なものは、テスト及びラーニングツール開発のためのソフトウエア開発及びコンテンツ開発費であります。当連結会計年度において、これらの設備投資は938,095千円となりました。
また、翌連結会計年度の資金需要については、引き続きソフトウエア開発及びコンテンツ開発による設備投資を561,642千円予定しております。
運転資金につきましては、自己資金を基本としており、必要に応じて金融機関から短期借入を実施しております。設備投資資金につきましては、自己資金を基本としており、必要に応じて社債を発行しております。
なお、平成30年12月21日の東京証券取引所マザーズ市場への上場に伴い、公募による新株式の発行により2,743,808千円の資金調達を行いました。
今後も収益構造の強化と成長性の維持のため継続的な設備投資が必要となりますので、安定的な自己資金の確保を目指してまいります。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、事業内容、事業運営体制等、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社グループは常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保し、市場のニーズにあったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行っていく予定でおります。
⑥ 経営戦略の現状と見通し
当社グループは、平成29年度から平成31年度を対象年度とする中長期経営計画を策定いたしました。当該計画における当社グループの基本戦略は、以下のとおりです。
① 英語試験の4技能化による事業機会をとらえる商品開発
② テスト準備のためのラーニングツールの拡充
③ 各種テストの実施、インフラの領域拡大、顧客開拓
④ 次世代の教育ソリューションのコアとなるEdTech投資
当社グループが属する教育ビジネス市場は、小学校の英語の必修化、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催や大学入試改革の進展に伴い、英語等の語学需要が高まるなど、今後も堅調な成長を維持する見込みです。このような環境下、当社グループは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、各施策を通じて収益拡大を図り、社会貢献を目指してまいります。
⑦ 経営者の問題認識と今後の方針について
国内教育市場においては、英語教育の低年齢化、平成32年から始まる大学入試制度改革における民間の英語資格・検定試験を活用した4技能評価の採用に的確に対応してまいります。
海外教育市場においては、人口増加及び経済発展による市場が拡大するアジア市場と、最大市場であり教育のIT化が進展する米国市場において、ライセンス収益の拡大と開発体制の拡充を中心として事業拡大を図ってまいります。
経営者の問題認識については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。