当社グループは、『食の最適流通を目指して「流通の森」を創造し、最も信頼される地域密着の卸グループとして、お取引先様と社会の発展に貢献していきます。』をビジョンに掲げております。
お取引先様との強固な取組み関係を築き、新しい価値を共に創り上げていく森のような共同体「流通の森」を創造し、食の流通革新に挑み続けてまいります。
「(3)経営環境及び優先的に対処すべき課題」に包括して記載しております。
今後の食品流通業界を取り巻く環境は、人口減少や超高齢化社会の進展に伴い、労働力不足や地方の過疎化といった課題が一層深刻化すると予想されます。一方で、デジタル技術の急速な進歩により、利便性や生活の満足度が更に高まることも期待されます。生活者の価値観やライフスタイルはこれまで以上に多様化し、健康志向や環境配慮といったニーズの高まりに応える取組みも重要となっていることから、このような変化に業界全体が柔軟かつ迅速に対応し、新しい価値を創造していくことが不可欠です。
また物流面では、物流関連2法改正への対応に伴う物流費上昇が続くと想定されます。更には、昨今の異常気象や天災といった予期せぬ事象が多く発生する中、お取引先様並びに一般消費者への安定した商品配送が求められています。
このように環境が大きく変化する中において、持続可能な物流体制を構築し、お取引先様の要望や期待に応えていくために、お取引先様に対してできることは何かを常に考え、既存の枠組みを超えて変革し、貢献できることを拡げていく必要があると考えております。当社グループは、『食の最適流通を目指して「流通の森」を創造し、最も信頼される地域密着の卸グループとして、お取引先様と社会の発展に貢献していきます。』をビジョンに掲げております。お取引先様との強固な取組み関係を築き、新しい価値を共に創り上げていく森のような共同体「流通の森」を創造し、食の流通革新に挑み続けてまいります。
また、2021年を初年度とする5か年のグループ長期戦略にて、「アクセル2025 新しい時代における最適流通の創造 ― 顧客と地域を支える信頼度№1グループへ ―」を長期ビジョンに掲げております。販売戦略・物流戦略の両輪での取組みを推進することで、東海・北陸エリアで質・量ともに地域№1、顧客からの信頼度№1を実現してまいります。
グループ長期戦略の5年目(最終年度)となります次期(2025年12月期)の連結業績につきましては、売上高は3,600億円、営業利益は29億10百万円、経常利益は32億30百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は23億20百万円を予想しております。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ基本方針
私たちは地域密着の卸グループとして“食”を通じてさまざまな社会課題解決にチャレンジし笑顔あふれるサステナブルな未来の実現に貢献します。
(2)サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理
当社は、「環境」「社会」「経済」の持続可能性に配慮した事業活動を行うことを目的として、2024年3月に「サステナビリティ委員会」を設置いたしました。委員長は代表取締役社長の永津嘉人が務めており、委員長、副委員長、事務局、各事業会社で構成されております。
サステナビリティ委員会は6ヶ月に1回開催しており、事務局より活動状況や進捗状況の報告を行っております。また、活動内容や進捗状況は取締役会にも報告しております。
なお、当社グループのガバナンス及びリスク管理は、「
<サステナビリティ体制図>

(3)重要なマテリアリティ
当社グループにおける重要なマテリアリティ項目及び各項目における方針は次のとおりであります。
(4)人的資本の価値向上
人は何よりも大切な財産であるという考えに基づき、社員一人ひとりが企業ビジョンに共感し、自分らしさや人とのつながりを大切にしながら仕事への充実度や働きがいを高められる環境を目指しております。そして、個人のやりがいが人と企業の成長につながり、当社グループの持続的な成長と企業価値の向上を実現できるよう目指してまいります。
具体的には、持続的な成長にむけた次世代リーダー育成や多様な価値観をもつ人材の定着にむけた環境整備などを推進し、以下の指標及び目標を設定し取り組んでおります。なお、連結グループに属する全ての会社で具体的な取組が行われているわけではなく、連結グループにおける記載が困難であることから、次の指標に関する目標および実績は、連結グループにおける主要な事業を営む連結子会社である株式会社トーカン及び国分中部株式会社のものを記載しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 大規模災害の影響について
当社グループの事業所及び得意先の多くは東海地方に所在しており、東海地震に係る地震防災対策強化地域及び南海トラフ地震防災対策推進地域に含まれております。当社グループといたしましては、社員の安全確保と優先業務の継続、基幹コンピュータシステムのバックアップ体制等、危機管理体制に万全を期しておりますが、大規模災害が発生した場合には、物流や営業活動等に遅延や停止が生じ、損害が発生する可能性があります。
(2) 感染症の影響について
感染症が蔓延した場合には、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループといたしましては、社員の感染リスクの軽減や感染者発生時の感染拡大防止等により、取引先への商品の安定供給に努めてまいります。
(3) 特定得意先との取引依存について
当社グループの主要な得意先は株式会社ファミリーマートであり、同社に対する売上高の当社グループ総販売実績に占める割合は10%を超えております。また、商品販売の他に、共同配送等の物流受託も行っております。
今後も当社グループは主要な得意先との更なる取引発展に努める所存でありますが、同社との関係に大幅な変更が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 主要株主との関係について
国分グループ本社株式会社は、当社の当事業年度末日現在、当社株式の41.13%を保有しているため、当社グループの「主要株主」に該当しております。当社グループと同社との資本関係、取引関係については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 関連当事者情報」に記載のとおりでありますが、当社グループの方針・政策決定及び事業展開については、当社グループの規程等に従い、独自の意思決定によって進めております。しかしながら、同社との資本関係、取引関係について変動又は問題が生じた場合、当社グループの経営、財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 食品の安全性について
当社グループは食品卸売業ですが、当社グループである株式会社トーカンの王将営業部及び惣菜営業部において生産機能を有しており、当社グループ製品を生産しております。仕入商品についても万全の品質管理を行っておりますが、当社グループ製品についてはそれにも増した「安心・安全」の商品づくりを心掛けております。株式会社トーカンの王将営業部及び惣菜営業部は、それぞれ2011年9月、2017年2月に食品安全マネジメントの国際規格「ISO22000」を認証取得し、品質管理を徹底しております。
しかしながら、当社グループで生産する製品に事故が発生した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、輸入農産物に関しましては、ポジティブリスト制度に対応した検査体制を敷いておりますが、基準値を超える農薬等が検出された場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 債権の貸倒れについて
当社グループでは取引先に対し年1回企業評価を行い、必要に応じて個々に保全策を検討・実施するなど債権管理には十分留意しておりますが、内外の経済動向の変化や取引先の経営状況の変化により、取引先に不測の事態が発生し、債権の回収が困難となった場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) システムダウンについて
当社グループは基幹システムの運用を業務委託しておりますが、安定的な稼働を維持するため、委託先の適切なセキュリティ対策やメンテナンスの実施を管理するなど、委託先の管理を徹底し基幹システムの安定稼働の確保に努めております。しかしながら、委託する基幹システムに予測不能なウイルスの侵入やサイバー攻撃等によるシステム障害などにより、情報システムの一定期間の停止や内部情報の漏えい等の事態が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 法的規制について
当社グループは事業を遂行するにあたり、食品表示法や製造物責任法、酒税法、下請法、個人情報保護法、労働関連規制、環境関連法規制等の適用を受けております。しかしながら、これらの法的規制の強化や改正、法令に違反して、当社グループの事業活動が制限された場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループといたしましては、法務部門においてこれらの法的規制に関する情報収集を行い、また、従業員に対し研修やe-ラーニング等による教育の機会を設けるなど、法令順守の徹底に努めてまいります。
(9) 投資活動について
当社グループは長期ビジョンの実現に向け、設備投資や戦略的アライアンス、M&A等の投資活動は効果的な手段の一つと考えております。これらの投資活動の実施にあたっては、事前に収益性や投資回収の可能性について様々な観点から検討を行っておりますが、想定通りに事業を展開できない場合、投資を十分に回収できないリスクや投資活動に伴い発生したのれん及びその他の固定資産の減損損失、株式の評価損が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 物流問題について
当社グループを取り巻く流通環境において、働き方改革関連法に伴うドライバーの時間外労働の上限規制が2024年から物流業界にも適用されたことにより、トラックドライバー不足の更なる悪化による配送の滞りや、物流関連2法改正への対応に伴う物流コストの大幅な増加等、当社グループに影響を及ぼす可能性があります。当社グループといたしましては、国土交通省や経済産業省等が進めるホワイト物流推進運動を推進する等、一過性のコスト対応ではなく、取引先や物流事業者等との連携を含め最適な物流提案、様々な物流の改善・効率化を行い、持続可能な物流体制の構築を目指して取り組んでまいります。
当連結会計年度は、金利の上昇や円安の進行が見られる中、所得環境の改善などを背景に個人消費に緩やかな回復の兆しが見られました。一方で、猛暑や台風被害による農産物価格の高騰、エネルギー資源や人件費の上昇を背景とした物価上昇が続いており、生活者の節約志向は根強く残っております。また、トラックドライバーの時間外労働の上限規制が適用され(物流の2024年問題)、物流コストの上昇や輸配送への影響が懸念される中、最適なサプライチェーンの構築に向けた取組みが業界全体で求められました。
このような状況の下、当社グループは「アクセル2025 新しい時代における最適流通の創造 ― 顧客と地域を支える信頼度№1グループへ ―」を長期ビジョンとして当社グループ一丸となって、販売戦略・物流戦略の両輪での取組みを進めてまいりました。
営業面について、各販売チャネルに対する活動は次のとおりとなります。スーパーマーケットに対しては、愛知三河・静岡・三重エリアを重点エリアとし、各エリアの得意先のニーズに対する商品提案、惣菜部門への提案強化により、既存得意先への売上拡大と新規開拓に努めてまいりました。外食・中食・給食に対しては、メニュー提案に加え、魅力ある商品の発掘・開発及び原料の提案を強化し、当社グループ各社が相互で連携して既存得意先への売上拡大と新規開拓への活動を進めてまいりました。コンビニエンスストアに対しては、得意先の日商向上に向け、従来から推進している売場検証に基づくマーチャンダイジング活動において、週次での情報発信を継続し、各種販促提案を進めてまいりました。また、試験販売と売場検証を重ね、カットフルーツの供給も新たに開始いたしました。ドラッグストアに対しては、既存得意先への継続的な収益改善への取組みに加え、得意先の物流課題に対する提案活動により物流受託エリアを拡大するなど、既存得意先との取引拡大を進めてまいりました。その他販売チャネルでは、既存EC事業者向けへの取引拡大を進めてまいりました。
物流面では、従来から推進しているカイゼン活動に加え、ロボットによるバラピッキングを導入するなど、庫内業務の省人化・自動化に向けた取組みを進めてまいりました。また、荷待ち・荷役作業などの時間把握、入荷ドライバーの滞在時間短縮への対策や物流の「2024年問題」及び物流関連2法(物流総合効率化法・貨物自動車運送事業法)改正への対応を進めてまいりました。
その他の取組みとしては、事業会社の国分中部株式会社において、三重県松阪市のハンズオン支援事業として松阪市内の老舗和菓子店の銘菓の販路拡大を開始、静岡県の「バイ・シズオカオンラインカタログ」を活用した県産品の販路開拓業務を開始しました。株式会社トーカンでは、2018年より受け入れを開始した外国人技能実習生が年々増加する中、2024年6月に外国人技能実習生寮「T-フォレスト入場(名古屋市港区)」を開設し、快適で健康的な生活を送るための住居の確保と働きやすい環境づくりを推進しました。
このような結果、当連結会計年度の業績は、各販売チャネルにおける取引が好調に推移したことにより売上高は3,480億74百万円(前年同期比5.8%増)となりました。利益面では売上拡大の寄与に加え、各種改善活動により営業利益は28億17百万円(前年同期比11.4%増)、経常利益は31億44百万円(前年同期比11.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は22億50百万円(前年同期比14.8%増)となりました。
当社グループは、食品酒類卸売事業及びこれらの付帯事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。
当連結会計年度における現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比べ16億88百万円増加し、当連結会計年度末には215億61百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローの増加は、26億98百万円となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益31億90百万円の計上、仕入債務の増加額が30億円となった一方で、売上債権の増加額が26億53百万円、未収入金の増加額が6億66百万円、棚卸資産の増加額が4億80百万円となったことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローの増加は、3億66百万円となりました。これは、主に定期預金の減少額が9億63百万円となった一方で、固定資産の取得による支出が5億7百万円、投資有価証券の取得による支出が1億30百万円となったことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローの減少は、13億76百万円となりました。これは、自己株式の取得による支出が8億11百万円、配当金の支払額が4億27百万円、リース債務の返済による支出が1億17百万円となったことによるものであります。
生産、受注及び販売の状況について、当社グループは、食品酒類卸売事業及びこれらの付帯事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。
(注) 金額は製造原価により算出しております。
当社グループは受注当日又は翌日に製造・出荷を行っておりますので、受注高及び受注残高の記載は省略しております。
(注) 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は以下のとおりです。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
チャネル別売上高の状況
売上高の状況
スーパーマーケット、外食・中食・給食、コンビニエンスストア、ドラッグストア、卸売業については、各販売チャネルにおいて主力得意先の売上拡大によりいずれも増収となりました。その他についても、EC事業者向けなどへの売上拡大により増収となりました。
全体としては前連結会計年度に比べ192億36百万円増収の3,480億74百万円(前年同期比5.8%増)となりました。
利益の状況
売上高増加による売上総利益の増加に加え、各種改善の取組みによる物流コスト抑制などにより営業利益は28億17百万円(前年同期比11.4%増)、経常利益は31億44百万円(前年同期比11.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は22億50百万円(前年同期比14.8%増)といずれも増益となりました。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べて48億43百万円増加し、1,225億23百万円となりました。これは主に受取手形及び売掛金が26億53百万円、現金及び預金が18億47百万円それぞれ増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末と比べて35億53百万円増加し、898億23百万円となりました。これは主に支払手形及び買掛金が30億円、未払金が4億1百万円それぞれ増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末と比べて12億90百万円増加し、326億99百万円となりました。これは主に利益剰余金が18億23百万円、その他有価証券評価差額金が1億56百万円それぞれ増加した一方、自己株式の取得により自己株式が8億円増加したことによるものであります。
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご覧ください。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品仕入及び製品製造費用のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、投資を目的とした資金需要は主に物流センター等にかかる設備投資等によるものであり、「第3 設備の状況」に詳細を記載しております。
運転資金及び設備投資資金については、主に自己資金、リース契約により資金調達することとしております。
当社グループは、今後も営業活動により得られるキャッシュ・フローを基本に将来必要な運転資金及び設備投資資金を調達していく考えであります。
なお、当社グループは、食品酒類卸売事業及びこれらの付帯事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、連結決算日における資産・負債の報告数値並びに報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行っております。これらの見積り及び判断・評価は、過去の実績や状況に応じ合理的であると考えられる様々な要因等に基づき行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるためにこれらと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。