第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 経営方針

当社グループは暮らしTechセグメント及びITセグメントが単独で事業を深耕した上で、各々が最終ユーザーである入居者及び消費者をつなぐことで更に大きな付加価値を生み出すことを想定しております。

そのために「IT」によって「暮らしTech」を支え「暮らしTech」で創造した新たなサービスに関してITセグメントがその仕組を構築することで相互にシナジー効果を生み出す「暮らし×IT」を推進し、近未来のライフスタイルやITソリューションの提案によってビジネスを支え、あるいは人々の暮らしをより豊かに、快適にすることを目標として掲げております。

 

(2) 経営戦略等

当社の中期的経営戦略として、暮らしTechセグメントにおけるシェアリングエコノミーの流れの中で、当社グループ全体として、関連するサービスビジネスモデルをプラットフォームを含め開発するとともにタイムリーな市場投入を目指していきます。

 

暮らしTechセグメントにおいては現時点で顧客フロントでもある賃貸物件の紹介サイト「goodroom」のマンスリー・アクティブ・ユーザー数(MAU)を増加させることがビジネス拡大の基盤であります。この上に立ちハプティック株式会社のリノベーションブランド「TOMOS」のブランド力(顧客認知度)を用いリノベーション取扱い高の拡大をおこなうことで、「TOMOS」ブランド物件への顧客誘導を「goodroom」を通じて行うとともに、賃貸仲介サービスおよび入居後サービスまでを一貫して提供することで、顧客満足度の向上と囲い込みを目指して参りました。2019年3月期より賃貸物件の紹介に合わせてオンラインでの申し込み「Conomyオンライン申込」を提供しオンライン化の推進をして来ました。

今後について、更に物件紹介、物件申込み、決済、契約までオンラインで一元的に処理をするOne Cycle ビジネスプラットフォームを実現することを予定しております。範囲につきましてもシェアオフィス、サービスアパートメントをサブリースした上でのオペレーションをサービス化しておりOne Cycle ビジネスプラットフォームの対象とします。「新型コロナウイルス感染症問題」(以下「新型コロナ問題」)によりrealからnetへの移行が考えられる環境下において暮らしに関わるプラットフォーマーを目指します。

 

ITセグメントにおいては、当社グループの強みを活かした(シナジー効果)「暮らし×IT」のビジネスプラットフォームの提供と真の顧客ITパートナーを目指していきます。

暮らしTechセグメント向けに提供したOne Cycle ビジネスプラットフォーム(以下「サービスプラットフォーム」とも言う)を活用し、例えば「goodroom」での入居者情報とリアル店舗を持つ小売業者の消費者情報とつなぐなど、暮らしTechセグメントとITセグメントとのビジネスの機会を増加させシナジー効果を上げることで更に新しいビジネス循環を生み出す「暮らし×IT」とすることを基本戦略としています。また継続的成長の柱でもある外部顧客向けの「ソフトウェア請負ビジネス」、運用・保守ビジネスなどの「SEサービスビジネス」につきましても顧客視点、顧客からみたお客様視点まで踏み込み、さらには「新型コロナ問題」等による環境の変化を踏まえサービスプラットフォームを用いた顧客提言を実施し、顧客の真のITパートナーを目指していきます。

 

人材・リソース戦略においてはスピード感をもった顧客対応と一歩踏み込んだマネジメント力/遂行力、提案力を可能とするため当社グループの競争力を支える人材の採用・育成、パートナー連携を目指していきます。

 

(3) 経営環境

(事業をおこなう市場の状況)

当連結会計年度における我が国の経済は、堅調な企業収益により緩やかな持ち直し傾向で推移しておりましたが、第4四半期連結会計期間には新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により景気が一気に落ち込み、経済活動の停滞が発生するなど「新型コロナ問題」に起因する経営環境の大きな変化が予想されます。

 

暮らしTechセグメントにおける市場の状況としては我が国が持つ構造的問題の一つとして、近年の少子高齢化に伴う人口と世帯数の減少を背景とした空き家は、全国で846万戸、空き家率が13.6%(注1)と過去最高であり、今後、空家対策特別措置法施行後の除却・用途転換が進んだとしても世帯数減少が進む2033年には17.9%になると予測されております(注2)。

このように空き家、空室の増大が大きな社会問題になっている一方、「所有」から「賃貸」を選択する人の増加によるシェアリング志向の高まりが指摘されています。「与えられた物から選ぶ」のではなく「自ら自分の嗜好で選ぶ」顧客層が増えており、今後ますます増えていくことが予見されます。

このことは、シェアリング思考の高まりの中、賃貸の空き室を対象とした「リノベーション」ビジネスの増加が見込めることを示しています。不動産リフォーム市場は、2018年時点で6.3兆円と言われる市場規模となっております。(注3)

 

ITセグメントにおける市場の状況としてはDX(デジタルトランスフォーメーション)といわれるデジタル技術を活用した業務プロセスの変革やビジネスモデルの急速な変化が進展しています。その一方で、既存システムの老朽化/複雑化・有識者の高齢化に伴う流出、ブラックボックス化などがDX実現への阻害要因となっており既存システムが2025年以降もそのまま残存した場合のリスク、経済的損失は最大12兆円/年(現在の約3倍)にのぼる可能性があるとも言われており「2025年の崖問題」と危惧されております。(注4)

また「新型コロナ問題」収束後を見据えた新しい働き方への対応も急務と認識しています。

AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)、モバイルなど新しいデジタル技術を活用した新規市場の創出を推進する為のIT人材は圧倒的に不足しており、これらの対応は重要な経営課題と認識しています。

 

(注1) 出典:総務省「住宅・土地統計調査 2019年4月26日」2018年実績値

(注2)出典:株式会社 野村総合研究所「2019年6月20日 2030年の住宅市場と課題」

(注3)出典:株式会社 矢野経済研究所「2019年度版 住宅リフォーム市場の展望と戦略」

(注4)出典:経済産業省「2018年9月7日 DXレポート(ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開)」

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① 事業上の課題
a ITセグメント事業

・ビジネス確保と拡大のために

継続的ビジネスを拡大するために、請負ビジネスにおいては、顧客と業務提携まで踏み込むビジネスを推進することが課題です。継続的ビジネスにつなげるために「アプリケーション保守・運用」ビジネスにも注力しております。

SEサービスビジネスでは、顧客と開発・維持の範囲及び達成条件を事前に決め、長期契約を結んだ上で提供するサービスの顧客数を拡大することが課題です。

・ビジネスの在り方を変化させるために

今後、付加価値を持つ請負ビジネス及びアプリケーション保守・運用のように継続的に続くビジネスを増加させるため、goodroomプラットフォームで得た知見および2020年3月に契約を締結し2020年4月に事業譲渡を受けたインテリア業界向け「3DシミュレーターB to Bクラウドサービス」をベースとして、これからの新しい小売業のニーズであるデジタルトランスフォーメーション(注)への対応をクラウドサービスで提供することによって新しいビジネスを生み出すこと、並びに新しい技術を使った「ビジネスモデル」創出も課題としております。また、営業力の強化も新しいビジネスへ変化するためにますます重要となってきます。

(注)デジタルトランスフォーメーション:「ITの浸透が人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる。」という概念。

b 暮らしTechセグメント事業

・ビジネス確保およびビジネスの在り方を変化させるために

ハプティック株式会社のリノベーションブランド「TOMOS」を拡大するために必要なことの1つに、自前の営業の強化があります。オーナーを開拓しリピート需要を喚起する必要がありますが、一方で2017年3月期からスタートした資本業務提携先との業務提携および新しい業務提携に基づき、継続的にリノベーション案件を増加させることを想定しております。これらに加え、事業の領域を住宅からオフィスに広げることで、取扱件数や取扱高を増やすことも実行中です。

しかし、中長期の視点から最も重視すべきはOne Cycle ビジネスプラットフォームを完成させることであり、対象はシェアオフィス、サービスアパートメントから現状の賃貸住宅まで、物件紹介~申込~契約~決済まで全てをオンラインで完結させることを目指します。その上で、当エリアにおけるプラットフォーマーを目指します。「新型コロナ問題」でReal からNet への動きについて大きなニーズが生まれていることも背景にあります。研究開発費を使いITセグメントが担当しています。

・リノベーションのコスト削減とスピードアップのために

コストの面からプランナーのリノベーション及びマネジメント力の向上が今後の課題です。課題改善については、取り組みの成果が出てきており、最近の現場技術者の人手不足対策のためには自社で大工を育成し、多能工を生み出すことも総合的コスト削減につながります。また外注業者の組織化、工事の工程管理や規格の標準化もコスト削減と品質の向上の両面から効果的と考えており実行中です。

 

② 「新型コロナ問題」の解決に時間がかかった場合の対応について

現時点では、「新型コロナ問題」の影響は9月末である程度収束すると想定しておりますが、再度の感染拡大等、収束時期に大きな変動があった場合、状況に応じ連結業績予想等を見直しするものとします。またその場合は速やかに開示いたします。

 

③ 人材の確保及び育成
・人不足環境における人材確保について

キャリア採用が容易ではない環境下において、グループとして優秀な新入社員の採用に力を入れています。しかし、グループの持続的な成長には、「新型コロナ問題」の先を見据えたキャリア採用により、更に高度な人材を確保することも重要であると認識しております。今後採用方法を工夫し、キャリア採用を増やしていくことが今後の課題です。

・育成について

教育は最重要経営課題と捉え、力を入れております。基本はスキルナビゲーションプログラム(注)の定着です。このことに合わせて、OJT強化につなげております。

(注)スキルナビゲーションプログラム:一人一人にスペシャルティを養成する教育プログラムをいいます。自分が目指し、また社会に求められている人材になるために、「何が必要なのか」を常に把握し、スキルアップしながら目標に進んで行くためのプログラム。

 

④ 実効的なコーポレート・ガバナンス体制の構築

コーポレート・ガバナンス体制の構築とともにコンプライアンス体制、情報管理体制など内部統制システムを強化することにより、企業価値の向上と持続的成長を目指して参ります。

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性がある事項には、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。またリスクにつきましてはレベルを「特に重要なリスク」と「重要なリスク」に分類しております。「特に重要なリスク」は経営への影響として、顕在化した場合経常利益の1/3程度を超える損失が予想され、リスクの発生頻度として想定はできないが予兆から顕在化まで三ヶ月を待たずに急速に悪化するものと定義し、それ以外で重要と判断されるものを「重要リスク」と位置付けリスクマネージメントを推進しております。
 

(1) グループ全体

(特に重要なリスク)
① 大規模災害や事故、重大な感染症等に関するリスク

当社グループでは事業継続計画の一環として大規模災害等に関するリスクに対応する為、基幹業務、業務コミュニケーションツールについて安全なデータセンターを基盤とするクラウドサービスの利用を促進するとともに、働き方改革の側面からもテレワーク環境の整備を推進し、リモートでの業務遂行を可能とする対応を実施してきました。その為、今回の「新型コロナ問題」発生に於いてはスムースにリモートワーク体制に移行ができております。更にオフィスにおける感染予防策、従業員の毎日の健康状態の確認にクラウドサービスを利用する等の対応を速やかに実施しました。

しかしながら、今回のような重大な感染症が、職場内で更に急速に進んだ場合には従業員の長期離脱や各事業拠点の閉鎖等の影響も想定されます。また地震や気候変動等に起因する自然災害や予期せぬ事故の発生も、当社グループあるいは取引先企業の重要な設備や事業拠点に影響を与えるだけでなくサプライチェーンにも重大な与えることとなり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

② 経営陣への依存に関するリスク

当社グループの戦略決定及び事業運営は、現在の経営陣による討議の結果、意思決定され、運営されております。しかしながら、当該経営陣が当社グループの事業から離脱する事象が発生し、代替的人材を迅速に確保することができないか、又は同水準のコストで確保できない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。この為、経営人材の育成・確保が最重要と認識しております。

 

(重要なリスク)

① 新規事業、新規サービスに対するリスク

 当社グループでは、従前よりシェアオフィスやサービスアパートメントをサブリースした上で運用をするオペレーション事業を強化してきました。新規開設にあたりましては商品化計画に基づき適切なロケーションと価格帯で提供し、開設後は定期的に評価を実施しております。また今後はITセグメントでも投資を伴なうサービス開発を事業計画の妥当性を十分に検討した上で積極的に推進していきます。

しかしながら、当初想定した販売計画、収益計画と実績が大きく乖離し投資分の回収が見込めないと判明した場合には、計画の見直しだけでなく会計上の減損処理が発生するなど当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

② 人材の確保について

当社グループは、経営課題の克服及び今後の事業の発展のためには、優秀な人材が必要不可欠であると認識しております。したがって、人事制度の充実を図り、当社グループの経営理念や経営方針を理解した社員の育成に努めるとともに、必要に応じて、優秀な人材を採用する方針であります。しかしながら、当社グループの求める人材が十分に確保できなかった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

③ システム障害について

当社グループは、当社グループの社内システム及び運営するWEBサイト「goodroom」や「Conomy」におきまして、ウィルス対策等セキュリティ対策やシステムの冗長化、監視を実施し、安定的に運用できるように対策を講じております。しかしながら、ITインフラ機器の障害、コンピュータウイルスへの感染、その他不測の事態が生じることにより、システムトラブルが発生した場合には、当社グループのブランドイメージの低下等、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

④ 個人情報を含めた情報管理

当社グループでは、個人情報等、重要な情報を多数取り扱っております。当社グループにおいては、「個人情報の保護に関する法律」に基づき、社内規程の整備、管理体制の構築、外部からの侵入防止対策の実施等を講じると共にグループ全体でのPマークの取得を実現しております。また役職員等に対して個人情報保護に係る研修を定期的に実施することで情報漏洩と不正使用を未然に防止するように努めております。しかしながら、人為的なミスや内外からの何らかの不正な方法で当社グループが保有する個人情報が漏洩した場合には、当社グループの信用力の低下、多額の賠償責任、法的罰則等により経営成績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 資金使途に関するリスク

当社の公募増資(自己株式の処分を含む)による調達資金の使途については、研究開発費、広告宣伝費、運転資金等に充当する予定です。しかしながら、外部環境等の影響により、目論見どおりに事業計画が進展せず、調達資金が上記の予定通りに使用がなされない、または予定通りに使用されたとしても、想定どおりの効果を上げることができなかった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) ITセグメント

(特に重要なリスク)

ITセグメントにおきましては特に重要なリスクに該当する事項はございません。

 

(重要なリスク)

① 不採算プロジェクトに関するリスク

ITセグメントの事業における不採算プロジェクトが発生する要因としては、お客様主導による要件定義又は仕様決めにより意見集約が進まず仕様が二転三転し、それによる工数の増加やプロジェクトの期間の延長等があげられると考えております。

当社グループでは、当社グループ主導で要件定義や仕様決めの方針を出すことで、お客様の真の目的に合致させ、お客様都合によるリスクを減らす取り組みを行っております。また、お客様主導で要件定義や仕様決めがなされるプロジェクト等については契約の在り方を工夫するなど、商談発生時からプロジェクトの進行を通じてリスク管理を行い、納期遅延や不採算プロジェクトの発生を抑制しております。

しかしながら、新規の顧客、あるいは新規の業務や技術への挑戦において、契約条件の不備、当初想定見積りの誤り、プロジェクト管理や体制の不備、技術検証の不足等によって、納期遅延や遅延にともなう遅延損害金の発生や、大幅な工数超過となる不採算プロジェクトが発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

② 事業環境の変化に伴う当社グループの競争力低下

IT技術の進化とともに開発手法、データの持ち方、言語、ネットの活用方法等様々な面での技術革新が進展しております。当社グループでは重要な技術要素に関して社内、社外の技術教育を実施し全体の技術スキルの底上げを実施しております。しかしながら、急速な事業環境の変化に十分な対応ができなかったこと等により当社グループの競争力が低下した場合には、当社グループの事業戦略、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

③ 景気動向及び業界動向の変動による影響

ITセグメントの事業では顧客企業を取り巻く事業環境の変化、経営効率化などの動きにより、顧客の情報関連に対する投資抑制策等の影響を受けることが想定されます。

当社グループでは、当社側から率先して変化を先取りした付加価値の高い顧客提案を実施したり対応可能な業種を増やしたりする等の対応を実施しております。しかしながら、経済情勢の急速な変化に伴い顧客の事業環境がIT投資ができない程悪化した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

「新型コロナ問題」による顧客の経営環境に及ぼす影響による投資抑制等も当事項に該当します。

④ 法的規制について

ITセグメントの事業では、民法や労働者派遣法、職業安定法、労働基準法等などの労働関連法令等を含む各種法令を遵守するとともに関係する法令の改定、法令の新規制定等の動向を注視し事業活動を推進しております。しかしながら、民法や労働基準法の改定など、ソフトウェア開発に影響を及ぼす法令の改定、新法令の制定、又は解釈の変更等が予期せず生じた場合には、当社グループの事業が制約され、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 必要な外注先がタイムリーに確保できない場合のリスク

ITセグメントの事業では、ソフトウェア開発を一部外注しており、外注業者の選定にあたっては、優先的に当社グループからの発注を受ける「戦略的パートナー」を確立するための活動を行う等、外注先確保に注力をしております。しかしながら、外注先の人員確保が予定通りにならない場合や、外注先の倒産等予期せぬ事態が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑥ 競合のリスクについて

ITセグメントの事業では、同業者が多く、厳しい競合状態にあります。当社グループでは、「お客様と良好な関係作り」と、「必要不可欠な存在」をスローガンとして掲げ、各々のお客様に適合したサービスを提供すること等により同業者との差別化を図っております。しかしながら、他業種から価格競争力のある積極的な参入等があった場合には、収益や利益率の低下等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑦ 特定取引先への依存について

ITセグメントの事業は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績 ④販売実績」に記載のとおり、日本NCR株式会社への売上高の合計額が、当社の第5期連結会計年度において売上高の13.8%を占めております。当社グループにおきましては、同社との関係を維持しつつ、新規取引先の獲得等により、依存度を下げる取組みを行っております。なお、本書提出日現在において、同社とは良好な関係を継続しております。しかしながら、同社の経営方針の変更又は事業戦略の変化等何らかの理由により、取引条件が大きく悪化した場合または取引が大幅に縮小した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 暮らしTechセグメント

(特に重要なリスク)
① 法的規制について

暮らしTechセグメントの事業は、不動産業及び建設業に属し、宅地建物取引業法、建設業法、景品表示法及び関連する各種法令により規制を受けております。当社グループにおいて違法な行為があった場合や、これらの法律の改廃、法的規制の新設、適用基準の変更があった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

なお、宅地建物取引業免許及び一般建設業許可は、当社グループの主要な事業活動に必須の免許であります。当社グループでは法令遵守を徹底しており、現時点において、当該免許及び許認可等が取消となる事由は発生しておりません。しかしながら、将来、何らかの理由により、当該許認可等が取消され又はそれらの更新が認められない場合には、当社グループの事業活動に支障をきたすとともに、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

許認可等
 の名称

有効期限

許認可等
 の番号

規制法令

取消事由等

宅地建物
取引業免許

2017年12月19日
 から5年間

国土交通大臣(1) 第9285号

宅地建物取引業法

不正な手段による免許の取得もしくは役員等の欠格条項違反に該当した場合等は免許の取消

(宅地建物取引業法第66条等)

一般建設業
 許可

2018年3月1日
 から5年間

国土交通大臣許可

(般-29)第27014号

建設業法

一般建設業に5年以上の経験を有する常勤役員もしくは同等以上の能力を有する常勤役員がいなくなった場合等は許可の取消

(建設業法第29条)

 

 

 

(重要なリスク)

① 景気動向及び業界動向の変動による影響

暮らしTechセグメントでは建設・不動産市場の動向や利用者の行動様式の変化、他業種からの参入等、業界動向の調査・研究を実施しております。しかしながら、今回の「新型コロナ問題」のように建設・不動産市場の急激な縮小や利用者の行動様式の急激な変化、競争環境の激化など不測の事態が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

② 必要な外注先がタイムリーに確保できない場合や資材がタイムリーに調達できない場合のリスク

暮らしTechセグメントのリノベーション事業においては、設計・建築工事業務等については、一部外注を活用しており、安定的に施工が実施できるように外注先確保に注力をしております。しかしながら、外注先の人員確保が予定通りにならない場合や、外注先の倒産等予期せぬ事態が生じた際に代替となる外注業者の人員確保ができない場合には、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、資材に関しましては海外生産品の調達などサプライチェーンに対するグローバルリスクがあり、代替となる資材や複数の調達経路の確保ができない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

③ 建築等外部委託業者の活用に伴う品質・工期・コストのリスク

暮らしTechセグメントのリノベーション事業で提供するサービス等においては、当社グループがサービスの開発、マーケティング及びコンセプト策定等を行う一方、設計・建築工事業務等については、設計・施工等の能力、工期、コスト及び品質等を勘案し、外注を活用する場合があります。外注先の選定及び管理については、協力業者としての基準を設定の上、契約し、安全・品質管理の徹底等に十分に留意しております。しかしながら、当該外注先の人材・品質・マネジメントに対する当社グループのコントロールが十分機能せずトラブルが発生した場合には、当社グループの事業推進に影響が生じ、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

④ 外注費、資材価格の高騰について

暮らしTechセグメントのリノベーション事業では、お客様にとって魅力ある価格帯で提供するため、外注先・資材の仕入れ先を複数確保し、価格の抑制に努めております。しかしながら、外注先からの値上げ要請、資材の需要増加及び為替の変動等により価格が高騰した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 工事施工等のリスク

暮らしTechセグメントのリノベーション事業では、品質管理工程を入れて、設計、施工した物件について不具合が生じないよう担保しております。しかしながら、リノベーション実施前の物件自体に想定していなかった欠陥や問題点があった場合や顧客との施行要件の食い違い、仕入れた部材の欠陥など重大な瑕疵があった場合には、完成後であっても再度施工を実施し直すことになり、外注先への追加費用、部材の追加費用及び訴訟費用等が発生し、また完成工事補償引当金を計上するなど、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑥ 競合のリスクについて

暮らしTechセグメントの事業は、リノベーションあるいは仲介を専門に行っている同業者が多く、それぞれ単体では厳しい競合状態にあります。当社グループでは、リノベーション及び仲介事業のハプティック株式会社と、メディア事業のグッドルーム株式会社の連携により、リノベーションから客付けまでを行うことにより力を発揮し、同業者との差別化を図っております。しかしながら、今後当社グループのサービスを上回る付加価値を生み出す競合先が出現した場合には、収益や利益率の低下等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

(1) 経営成績

 当連結会計年度期末において、「新型コロナ問題」の影響が出ております。しかし、当連結会計年度当初に掲げました「働き方改革」につきましては、改革が大きく前進し、当社グループ全体にとって大きな成長機会をもたらしております。一方、人手不足はグループ全体の継続的な経営課題であり、その対策として新卒採用に力を入れております。2019年4月の新卒採用では、グループ全体で総勢45名を採用いたしました

  ITセグメントが注力する流通小売・金融分野においても、人材不足や働き方改革などを背景として、業務プロセスの効率化(省力化、業務コスト削減)への設備投資需要が2018年から増加基調にあり(出典:一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会「2019年1月25日付ニュースリリース」)、RPA(ロボティクス・プロセス・オートメーション)やFintechの活用、大口顧客からの店舗省力化システム開発など、新たな需要が拡大してきました。従前からのSEサービスやサーバー機器等の販売も、受注が順調に推移しました。

 一方、暮らしTechセグメントが注力する不動産市場においては、新設住宅着工戸数が、2025年度には73万戸、2030年度には63万戸と減少する見込みであるのに対し、リフォーム市場は2030年まで年間5~6兆円規模での横ばいが予想されておりました(出典:株式会社野村総合研究所「2019年6月20日付ニュースリリース」)。とりわけ、空き家・空室は大きな社会問題であり、空き家・空室にさせない、賃貸需要を喚起する賃貸住宅のリノベーションのニーズは今後とも高く、賃貸の集客サイトであるgoodroomを運営する暮らしTechセグメントにおいて、リノベーションの受注が順調に推移しました。

 このような状況の中、当連結会計年度の売上高は5,758百万円となり、前連結会計年度比15.3%の増加となりました。売上原価は4,009百万円となり、前連結会計年度比12.3%の増加となりました。また、販売費及び一般管理費は1,367百万円となり、前連結会計年度比23.1%の増加となりました。過半を人件費が占めるため、生産性の向上が重要な課題と考えております。

 以上の結果、営業利益381百万円(前年同期比23.0%増)、経常利益383百万円(前年同期比27.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は255百万円(前年同期比28.7%増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

ITセグメント

ITセグメントは、SEサービスビジネス、請負ビジネス及び物販ビジネスの3つから構成されています。

 SEサービスビジネスにおいては、従来からの保守業務について主要顧客と業務のアウトソーシングが進捗したほか、流通小売・金融分野での売上が順調に推移しました。

 請負ビジネスにおいては、第1四半期連結会計期間での次期店舗省力化システム開発及び基幹システム改善開発の大口顧客、第2四半期連結会計期間での軽減税率対応システム改修開発に加えて、第3四半期連結会計期間にPOSシステム刷新開発の大口顧客向けの開発が始まるなど、受注が切れ目なく続き、セグメント売上高の成長に貢献しました。

 物販ビジネスでは、サーバー等機器販売が引き続き好調に推移しました。

 以上の結果、当連結会計年度における売上高は3,398百万円(前年同期比9.9%増)、セグメント利益(営業利益)は461百万円(前年同期比107.9%増)となりました。

 

暮らしTechセグメント

 暮らしTechセグメントは、リノベーションビジネス、不動産仲介ビジネス、オペレーションビジネス、メディアビジネスの4つから構成されています。なお、前期までの不動産仲介オペレーションビジネスは、当期より不動産仲介ビジネスとオペレーションビジネスに分けております。

 リノベーションビジネスでは、goodroom(https://www.goodrooms.jp/)を活用したTOMOSリノベーションパッケージの拡販が、リノベーション全般に対する高い需要に支えられ堅調に推移いたしましたが、大型物件の一部で工程遅延が発生し、利益が抑えられました。尚、当連結会計期間内に工程の見直しを終了しましたが、「新型コロナ問題」等の影響を受け、更に若干工程遅延が起きました。

 不動産仲介ビジネスでは、goodroomサイトを利用し仲介手数料を得る事業を中心に展開しましたが、業績が伸び悩んだため、第3四半期連結会計期間に業務効率を見直し、仲介ビジネスの相当部分について外部委託を活用することで、第4四半期連結会計期間に向けた業務体制を整えました。

 オペレーションビジネスでは、薬院(福岡)、呉服町(福岡)、本町(大阪)、有楽町(東京)、要町(東京)の5拠点をシェアオフィス及びサービスアパートメントへの先行投資として、当期に開設しております。尚、5拠点が当期間内に順次稼働し、更に稼働率の向上に伴い売上並びに利益に貢献し始めることで、先行投資のキャッチアップが進捗しております。

 メディアビジネスでは、goodroomサイトの広告手数料増収施策として、賃貸物件管理会社開拓を強化し、メディアによる反響課金の増加を図りました。また、goodroomサイトのマンスリー・アクティブ・ユーザー数(MAU)の向上のため、継続的に広告活動やサイト改善に取り組み、2020年3月におけるMAUは、引越需要に向けて96万人(前年同期比43.2%増)に達しております。

 以上の結果、当連結会計年度における売上高は、2,360百万円(前年同期比24.2%増)、セグメント損失は(営業損失)93百万円(前年同期は営業利益59百万円)となりました。

 

生産、仕入、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

① 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(千円)

前期比(%)

IT

2,263,165

4.2

暮らしTech

1,155,415

39.2

合計

3,418,581

13.9

 

(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。

2.金額は、製造原価によっております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

② 仕入実績

当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

仕入高(千円)

前期比(%)

IT

217,182

△14.0

暮らしTech

373,715

17.8

合計

590,898

3.7

 

 (注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。

 2.金額は、仕入価格によっております。

 3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

③ 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前期比(%)

IT

3,435,728

+12.7

533,430

7.5

暮らしTech

2,320,396

+24.3

174,472

△18.6

合計

5,756,124

+17.1

707,903

△0.4

 

(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

④ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前期比(%)

IT

3,398,600

9.9

暮らしTech

2,360,272

24.3

合計

5,758,873

15.3

 

(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

日本NCR㈱

733,745

14.7

793,949

13.8

 

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 財政状態

(資産)

 当連結会計年度期末における総資産は2,831百万円となり、前連結会計年度末に比べ268百万円増加いたしました。これは、売掛金及び受取手形の150百万円の増加、棚卸資産が75百万円の減少、有形固定資産の増加29百万円、無形固定資産の増加37百万円、新規資本業務提携等による投資有価証券の増加20百万円、敷金の差入による差入保証金58百万円の増加、繰延税金資産64百万円の増加、現預金の34百万円の減少等によるものであります。

 ITセグメントの当連結会計年度期末の資産は1,555百万円で前連結会計年度末に比べ342百万円増加いたしました。これは、請負案件の増加に伴う売掛金の増加、新規ソフトウェア開発による無形固定資産の増加などによるものであります。

 暮らしTechセグメントの当連結会計年度期末の資産は1,042百万円で前連結会計年度末に比べ202百万円増加いたしました。これは、リノベーション売上に伴う受取手形および売掛金の増加、新規のシェアオフィス、サービスアパートメントの拠点の開設に伴う有形固定資産の増加、敷金の差入による差入保証金の増加などによるものであります。

(負債)

 当連結会計年度期末における負債は1,150百万円となり、前連結会計年度末に比べ55百万円減少いたしました。これは、賞与引当金17百万円の増加、未払法人税等40百万円の増加及び買掛金の110百万円の減少、長期借入金の8百万円の減少等によるものであります。

(純資産)

 当連結会計年度期末における純資産は1,680百万円となり、前連結会計年度末に比べ324百万円増加いたしました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金が255百万円の増加、オーバーアロットメントによる売出しに関連した第三者割当増資による資本金37百万円、資本剰余金31百万円の増加等によるものであります。

 

(3) キャッシュ・フロー

 当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前期末と比べ34百万円減少し、880百万円(前連結会計年度比3.7%減)となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。

 営業活動によるキャッシュ・フローは、当連結会計年度における営業活動の結果、収入は44百万円(前連結会計年度比50.0%減)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益381百万円、減価償却費29百万円、賞与引当金の増加17百万円、棚卸資産の減少75百万円に対して、売上債権の増加150百万円、仕入債務の減少110百万円、未払金及び未払費用等その他の負債の増加18百万円、差入保証金の支払57百万円、その他法人税等の支払額148百万円があったこと等によるものであります。

 投資活動によるキャッシュ・フローは、当連結会計年度における投資活動の結果、支出は127百万円(前連結会計年度比238.6%増)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出59百万円、ソフトウェア取得による無形固定資産の支出39百万円、投資有価証券取得による支出20百万円等によるものであります。

 財務活動によるキャッシュ・フローは、当連結会計年度における財務活動の結果、収入は48百万円(前連結会計年度比91.6%減)となりました。これはオーバーアロットメントによる売出しに関連した第三者割当増資等による収入が68百万円、長期借入金の返済による支出15百万円があったこと等によるものであります。

 

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、事業運営上必要な資金を安定的に確保し、グループ内で効率的に活用することとしており、原則として自己資金を中心に賄い、必要に応じて金融機関からの借入等による資金調達を行うことを基本としております。

 当社グループは現段階を成長過程の途上と考えており、IPO及びその後の営業活動で得た資金は既存事業の安定的成長及び新規分野の成長の資金にすると共に、成長の基礎を作る研究開発に充当する方針としております。またその成長資金の資金需要を充たすために、自己資金に加えて金融機関からの借入を活用し、株主価値が希薄化する安易な株式市場からの調達は慎重に対処することとしております。

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

① 新型コロナ問題

新型コロナ問題による政府が発出した緊急事態宣言を受けて、足元の業績に売上高減少等の影響が生じております。2020年9月末に新型コロナ問題がある程度収束することを前提に、固定資産の減損及び税効果会計等におきましては、当該業績への影響が2021年3月期末まで続くものと仮定し、将来キャッシュ・フロー及び繰延税金資産の回収可能性等の見積りを行っております。また、「新型コロナ問題」による影響は不確定要素が多く、翌連結会計年度の当社及び連結子会社の財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

② 繰延税金資産

当社グループは、繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対して評価性引当額を計上しています。回収可能性の判断においては、将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しています。

収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するにあたっては、一時差異等の解消見込年度及び繰戻・繰越期間における課税所得を見積っております。課税所得は新型コロナ問題等、経営環境の外部要因を加味して作成した第6期中期経営計画の数値に基づき見積もっております。

当該見積りについて、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。

③ 完成工事補償引当金

完成工事高に対して将来予想される瑕疵担保費用を過去の補償実績を基礎にした一定の比率で算定し、完成工事補償引当金として計上しています。

引当金の見積りにおいて想定していなかった完成工事の不具合による補償義務の発生や、引当の額を超えて補償費用が発生する場合は、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。一方、実際の補償費用が引当金の額を下回った場合は引当金戻入益を計上することになります。

④ 工事進行基準による売上高および売上原価の計上

成果の確実性が認められるソフトウェア請負案件およびリノベーション工事については、工事進行基準(工事の進捗率の見積りは原価比例法)により売上高を計上しています。想定していなかった原価の発生等により工事進捗度が変動した場合は、売上高及び売上原価が影響を受け、当社グループの業績を変動させる可能性があります。

⑤ 固定資産の減損

当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、セグメント別、各社ごとに資産のグルーピングを行っております。

減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定において用いられる将来キャッシュ・フローは第6期中期経営計画の前提となった数値を、経営環境などの外部要因に関する情報や当社グループが用いている内部の情報(予算など)と整合的に修正し、資産グループの現在の使用状況や合理的な使用計画等を考慮し見積っております。

固定資産の回収可能価額について、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しているため、当初見込んでいたキャッシュ・フローが得られなかった場合や、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において減損損失(特別損失)が発生する可能性があります。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

(1) 業務提携契約

 

契約会社名

相手先の
名称

相手先の
所在地

契約
締結日

契約期間

契約内容

ハプティック㈱

東急住宅リース㈱

東京都新宿区

2015年
4月1日

1年で自動更新

業務提携契約

当社
ハプティック㈱
グッドルーム㈱

小田急電鉄㈱
小田急不動産㈱

東京都渋谷区

2016年
8月31日

小田急電鉄㈱が

当社株主である間

業務提携契約

ハプティック㈱

阪急阪神不動産㈱

大阪府大阪市
北区

2017年
1月17日

1年で自動更新

業務提携契約

当社
オープンリソース㈱
ハプティック㈱
グッドルーム㈱

三菱地所㈱

東京都千代田区

2018年
7月31日

三菱地所㈱が

当社株主である間

業務提携契約

 

 

(2) 連結子会社間の合併

当社は2020年3月19日開催の取締役会において、2020年5月1日を効力発生日として、当社連結子会社であるハプティック株式会社を吸収合併存続会社、同じく当社連結子会社であるグッドルーム株式会社を吸収合併消滅会社とする吸収合併を実施いたしました。

詳細は「第5 経理の状況1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項の(重要な後発事象)」をご参照ください。

 

 

5 【研究開発活動】

当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発活動の金額は、52,992千円であります。

当研究開発活動は、ITセグメントにおける、暮らしTechセグメント向けに提供する「One Cycle ビジネスプラットフォーム」の構築で2020年度中の完成を目指し開発中です。One Cycle ビジネスプラットフォームを完成させることにより、シェアオフィス、サービスアパートメントから現状の一般賃貸住宅まで、物件紹介~申込~契約~決済まで全てをオンラインで完結させることが可能となります。「新型コロナ問題」でReal からNet への動きについて大きなニーズが生まれていることも背景にあります。