第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、提出日現在にて、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

① 企業理念

「識学を広める事で人々の持つ可能性を最大化する」という企業理念のもと、識学を一日でも早く一人でも多くの人に伝え、さまざまな組織の生産性の向上に寄与します。

 

② 中長期ビジョン

“識学”という独自のマーケットを確立する。

「識学」の考えに基づく働き方がスタンダードにすることによる日本の働き方の変革を実現する。

 

③ 経営の基本方針

「識学」の有用性の証明を通じて中長期ビジョンや企業理念の達成が実現されるという事が当社の経営の基本方針であります。具体的に大きく以下の3点により有用性の証明につなげてまいる方針です。

イ.識学導入クライアントの企業成長の実現

ロ.識学導入クライアントの顧客満足度向上

ハ.投資先での識学全面活用及び投資先の実績向上による証明

 

(2) 経営戦略等

上記の中長期ビジョン達成のためには、当社の経営の基本方針を踏まえつつ、以下の戦略により事業を推進してまいる方針です。

事業ポートフォリオ

個別戦略

組織コンサルティング事業

・講師120名体制に向け講師を50名増加させる積極的な採用

・プラットフォームサービスの解約率低減

・講師一人当たり売上高400万円の維持

・識学キャリア事業(人材紹介・採用コンサル・採用フロー構築・識学転職)のさらなる拡大

・大企業獲得、さらなる認知度アップのための広告宣伝費の大規模投資

スポーツエンタテインメント事業

・スポンサー収入のさらなる拡大

・行政とのつながりを活用した受託事業のさらなる成長

・チームへの投資を行いつつ、2025年2月期に通期営業利益の黒字化を目指し収益性のさらなる改善

・アリーナ建設に向けた行政との連携

受託開発事業

・受託開発は撤退

・受託開発セグメントのリソースは、組織コンサルティング事業の拡大に必要なシステム開発へ投下する

ⅤⅭファンド事業

・識学1号ファンドによる投資先に対するIPO支援

・識学2号ファンドによる投資先選定、投資実行、および投資先に対するIPO支援

ハンズオン支援ファンド事業

・講師派遣による投資先の体制改善

・積極的なソーシング活動による投資候補先の選定・実行

 

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 企業理念及び経営戦略等の実現性を表す客観的な指標として、講師一人当たり売上高及び講師数を指標としております。

 

(4) 経営環境

「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載しております。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① 識学について正しく・広く認知される仕組みの構築

(ⅰ)知名度向上のための広告施策展開

識学に対する知名度を上げていくためには、経営者に識学の存在そのものをダイレクトに届けることと、そのメッセージ性が重要であります。そのため、当社は経営者が空き時間で活用するSNSを媒介に、経営者が陥りがちな誤った組織運営について、その弊害の解説を行う広告展開を行っております。今後は、これまでの取組みに加え、TVCM、地方エリア、オフライン戦略の充実強化を目的に動画活用等新たな広告施策を行い、顧客からの問い合わせ件数、効率、アポ率及び成約率の適正化を図ってまいります。

 

(ⅱ)講師人材の確保

外部の方に識学を正しく理解いただくためには、理論を正確に理解し、顧客に解説できる講師が必須であるため、優秀な人材の獲得が重要であります。当社は、現在組織運営そのものを識学に基づいて行い、役割と権限の明確化により権限内であらゆることに挑戦できる環境と、成果が報酬に反映される明確な評価制度を構築し、優秀な人材が更なる成長感を求めて入社する環境を整えております。今後は本制度の改善と運用の徹底により、人材の内発的動機が自然発生する状態にしつつ、人材紹介会社等を通じた採用活動により、人員計画の達成を図ってまいります。

 

   (ⅲ)講師育成の仕組み化

当社では、入社から講師認定の獲得までの期間は講師育成の期間とし、マニュアル・FAQ・動画確認・OJT・ロールプレイング等の手段を用いて、その学びの時間に集中させる仕組みを構築しております。現在は平均3ヶ月ほどの期間で入社後講師認定されておりますが、今後はそのノウハウをさらに高めることで育成リードタイムの短縮に取り組んでまいります。

 

(ⅳ)認知度向上を目的とした識学の活用

識学は人の意識構造を研究した独自の理論であるため、学生や社会人のスポーツチーム、学校の教育コミュニティ、さらには家庭まで、さまざまな集団で発生する課題に対して解決策を提供することが可能であると考えております。これらの集団で識学を実践し、実績を積み上げることが、当社の更なる社会性獲得の手段としても有効であると考えているため、これらの集団に対する識学の提供についても取り組んでまいります。

 

② 販売経路や機会の多様化・拡大

当社は、当社の潜在的な見込顧客とネットワークを有する法人と提携し、顧客紹介の代理店を増やしております。また、当社ではパートナー制度を導入しております。当該制度では、パートナー契約の締結を基本とし、当該パートナー企業の役職員が識学の講師となり、最終的にはパートナー企業単独で識学サービスを提供します。さらには、M&Aや事業承継等に代表される組織文化や風土が変革される前後においても、識学の活用は有効であるため、当該分野にネットワークを有する法人との連携も視野に入れた需要の取込施策も検討してまいります。これらの施策は、当社単独では効率的な開拓ができないエリアや業界に識学を普及させる手段として有効であると考えており、これにより経路別契約数の多様化を図ってまいります。

 

 

③ 提供するサービス品質の維持・向上

識学講師の品質が、顧客組織への浸透にとってキーとなります。そのため、一度認定された講師であっても月に1度の品質確認テストを受験し、一定基準を下回った場合には、再学習するという仕組みを構築しております。また、当該品質確認テストは、コンサルティング現場で発生した実際のFAQや隣接部門が習得した新たなノウハウで横展開できそうなものから出題されるため、講師品質の向上にも寄与する取組となっております。また今後は、サービス品質のみならず、識学社員としての品質向上を目的に、マナーや行動規範についてもチェックします。

 

④ 経営管理体制の強化

当社は、現状、小規模な組織であり、業務執行体制もこれに応じたものになっております。今後、持続的な成長を図っていくためには、事業の成長や業容の拡大に伴い、経営管理体制の更なる充実・強化が課題であると認識しており、株主様、ステークホルダーの皆様に信頼される企業となるために、コーポレート・ガバナンスへの積極的な取組みが不可欠であると考えております。そのため、優秀な人材の採用・育成により業務執行体制の充実を図り、コーポレート・ガバナンスが有効に機能するような仕組みを強化・維持していくとともに、業務の適正性及び財務報告の信頼性を確保するための内部統制システムの適切な運用、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守を徹底してまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

以下については、当社グループが事業を運営するにあたりリスク要因となる可能性があるものを記載しております。また、投資家及び株主に対する積極的な情報開示の観点から、当社グループとしては必ずしも特に重要なリスクと考えていないものも記載しております。

当社グループとしては、これらのリスクを予め十分に把握した上で、発生の予防及び対処に万全を期す所存でありますが、投資判断につきましては本項記載以外のものも含めて慎重に検討して頂きたいと思っております。また、これらのリスク項目は、提出日現在において、当社が判断したものであり、発生の可能性のあるリスクの全てを網羅するものではありませんのでご留意願います。

なお、以下の記載のうち、将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 業界及び顧客の動向に関するリスク

当社グループは、企業の経営・管理者層を主要な顧客としております。企業向けの事業においては、国内外の経済情勢や景気動向等の理由により、顧客の人材育成ニーズが減退し、研修予算が削減されるような場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 競合に関するリスク

企業を対象とした組織コンサルティング事業に関しては、他の研修会社、コンサルティング会社、シンクタンク系の研修会社等、多数の企業が参入しており、今後一層、競争が激化するものと認識しております。これまで、当社が他社に対する競争力の源泉としてきた識学を用いたコンテンツや識学に関するノウハウ及び識学を用いたサービスの開発力において、他社に対する優位性が維持できなくなった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(3) 講師の確保に関するリスク

当社グループの主要なサービスであるマネジメントコンサルティングサービスの成否を決める重要な要因の一つに、担い手である講師の品質があります。したがって良質なサービスを実施するには的確なスキルや知識、経験をもった講師の確保が不可欠であります。

当社では、引き続きこれらの講師の確保に努めていく方針でありますが、今後将来において、当社が求めるスキルや知識、経験をもってサービスを行うことができる講師を確保できなくなった場合、当社のサービス実施に重大な支障が生じ、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(4) 新規事業・サービスの開発に関するリスク

当社グループの現在の売上構成は、マネジメントコンサルティングサービスが中核となっておりますが、今後のさらなる成長を図るにあたっては、これらのサービスに加えて、人の稼働に依存せず、収益の安定基盤構築につながる識学クラウド等のプラットフォームサービスを、新たな中核事業として育てていく方針です。しかし、これらの事業が想定どおりに育たなかった場合、当社グループの中長期的な業績に影響を与える可能性があります。

 

(5) 内部管理体制に関するリスク

当社グループは、企業価値を最大化すべく、コーポレート・ガバナンスの充実を図る施策を実施しております。また、業務の適正及び財務報告の信頼性を確保するため、これらに係る内部統制が有効に機能する体制を構築、整備、運用しております。しかしながら、事業の急速な拡大等により、十分な内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

 

(6) 特定の経営者等への依存及び人材確保・育成に係るリスク

当社代表取締役社長安藤広大及び取締役副社長梶山啓介は、当社設立以来の事業の推進者であり、営業等の各方面において重要な役割を果たしております。現状では、この事実を認識し、過度に両氏へ依存しないよう人員体制を整備し、経営リスクの軽減を図るとともに、今後の事業展開を見据えて、人材の採用及び人材育成を重要な経営課題の一つと位置付けております。
  しかしながら、現時点では両氏の当社からの離脱は想定しておりませんが、何らかの要因により、両氏が退任もしくは職務を遂行できなくなった場合や、事業展開に見合った十分な人材の確保・育成が困難となった場合、また、役員・幹部社員に代表される専門的な知識、技術、経験を有している職員が、退任、退職し、後任者の採用が困難となった場合等には、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

また、識学という理論の創作者であり、当社識学研究室室長である福冨謙二が当社から離脱した場合、識学に関するノウハウの移管は完了しており、権利関係も当社に帰属しているため、当社のビジネスに支障が出るということはありません。しかしながら、福冨が当社から離脱して当社と競業する会社を設立した場合、先行者の優位性や識学の認知度を高めることで、競争優位性を確保できるとは考えているものの、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(7) 小規模組織であることに関するリスク

当社グループは小規模な組織であり、業務執行体制及び内部管理体制もこれに応じたものとなっております。当社は今後の事業拡大に応じて業務執行体制及び内部管理体制の充実を図っていく方針でありますが、これらの施策が適時適切に進捗しなかった場合には、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(8) 個人情報の管理に関するリスク

当社グループでは、事業を通じて個人情報を取り扱っておりますため、「個人情報の保護に関する法律」等に則った個人情報保護方針を策定し管理体制を整備する等、個人情報の適切な管理と流出防止については細心の注意を払っております。しかしながら、システム上の不具合、社内外の関係者による過失や故意等によって個人情報が流出する可能性は皆無ではありません。そうした事態が発生した場合、当社に対する損害賠償請求や信用の失墜につながる恐れがあり、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(9) 顧客の機密情報の管理に関するリスク

当社グループでは業務遂行のために顧客の機密情報を取り扱う場合がありますため、情報セキュリティに関する規程のほか、顧客のインサイダー取引防止に関する規程を作成し、社員教育の徹底を図っておりますが、不測の事態などによりこれらの機密情報が外部に漏洩した場合、損害賠償や信用低下などにより、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(10) 知的財産の管理に関するリスク

当社グループでは、当社サービスの社会的認知度向上やブランドによる知名度向上を図る手段のひとつとして「識学」を商標登録しており、今後においても必要となる提供サービスの呼称等は商標登録し、当社の知的財産権として保護・管理する方針としております。しかしながら、当社の知的財産権が何らかの理由により侵害された場合には、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。

また、本書提出日現在において、当社が第三者の知的財産権を侵害していないと認識しており、第三者から当社が第三者の知的財産権を侵害している旨の通知等を受け取っておりません。当社はサービスの提供にあたり、第三者の著作権や商標権等の知的財産権を侵害することがないように、顧問弁護士等との連携を図る等の対策を講じておりますが、当社が意図しない形で第三者の知的財産権を侵害するような事態が発生した場合等には、当社グループの事業等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 情報セキュリティに係るリスク

① プログラム障害について

開発したプログラム等に不良箇所があることにより、サービスの中断及びデータの破損などの可能性があります。このような事態が発生した場合、顧客企業からの損害賠償、社会的信用の失墜等により、当社グループの財政状態及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

② システム障害について

アクセス数の増加や人為的過失などの原因で、システムダウンやデータの不通等のトラブルが発生する可能性があります。このような事態が発生した場合、顧客企業への損害賠償、社会的信用の失墜等により、当社グループの財政状態及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

③ ハッキング及びウィルス感染について

当社グループはインターネット経由でサービスの一部を提供しておりますので、ハッカーによる侵入とデータ破壊やウィルス感染による被害の可能性があります。当社では、ネットワーク機器によるプロテクションを施し細心の注意を払っておりますが、このような事態が発生した場合、当社グループの財政状態及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 売上債権が回収不能となるリスク

当社グループは、十分な与信管理を行うとともに、売上債権等に対して一定の貸倒引当金を計上する等、信用リスク管理に努めております。しかし、与信先の信用不安等により、貸倒損失の発生や貸倒引当金を追加で計上する場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(13) 企業買収等に係るリスク

当社グループは、今後の事業拡大及び収益力向上のため、企業の買収や子会社設立、アライアンスを目的とした事業投資等を実施する場合があります。当社グループは、投融資案件に対しリスク及び回収可能性を十分に事前評価し、投融資を行っておりますが、投融資先の事業の状況が当社グループに与える影響を確実に予測することは困難な場合があり、投融資先の事業が計画通りに進展しない場合や、効率的な経営資源の活用を行うことができなかった場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループは、今後もシナジーを最大限に活用し、グループ全体の企業価値向上を目指してまいりますが、事業展開が計画通りに進まないことに伴う収益性の低下や時価の下落等に伴い、資産価値が低下した場合は、減損損失の発生や売却等での売却損により、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(14) 自然災害や事故のリスク

大規模地震や台風などの自然災害により、本社や他の拠点及び顧客に甚だしい被害が発生した場合は、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(15) 風説、風評及び報道による業績へ影響を与えるリスク

当社グループは、悪質な風評については適切な対応に努めておりますが、当社の評判が悪化した場合や風説が流布された場合には、営業活動及び採用活動に支障が出るおそれがあるため、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

 (16) 感染症の流行について

当社グループが事業展開を行う地域において、新型ウイルス等の感染症が大流行し、当社グループの事業活動に支障が出る場合、また、人的被害が拡大した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、新型コロナウイルスの感染拡大防止対応のために、スポーツエンタテインメント事業の興行が通常通り開催されない状態になることにより、事業活動の制約やスポンサー企業からのスポンサー費用の削減等へ影響が出るなど、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(17) その他

① 社歴が浅いこと

当社は2015年3月に設立された社歴の浅い会社であり、期間業績比較を行うために十分な期間の財務情報を得られず、過年度の業績のみでは今後の業績を判断する情報としては不十分な可能性があります。

 

② 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

当社グループは、当社役員及び従業員に対するインセンティブを目的とし、新株予約権を付与しております。また、今後におきましても、役員及び従業員に対するインセンティブとして新株予約権を付与する可能性があります。これらの新株予約権が権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。なお、本書提出日現在における新株予約権による潜在株式数は858,000株であり、発行済株式総数8,268,900株の10.4%に相当します。新株予約権の詳細は、「第一部 企業情報 第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (2) 新株予約権等の状況」をご参照ください。

 

③ 配当政策について

当社グループは現在成長過程にあり、事業資金の流出を避け内部留保の充実を図り、なお一層の業容拡大を目指すことが重要でありますが、株主の皆様をはじめとするステークホルダーに対し、安定的な利益還元を実施していくことも重要であると考えております。今後は、安定的な経営基盤の確立と収益力の強化に努め、業績及び今後の事業展開を勘案し、その都度適正な経営判断を行い、配当を実施していく予定でありますが、現時点において配当実施の可能性及びその開始時期については未定であります。

 

④ 資金使途について

上場時の公募増資等により調達した資金の使途については、主に事業拡大のための人材採用費、販売促進に係る費用、知名度向上のための広告宣伝費、内部管理体制及び経営基盤の充実・強化等に充当しております。しかしながら、当社が属する業界において急速に事業環境が変化することも考えられ、現時点における資金使途計画以外の使途へ充当する可能性があります。また、当初の計画に沿って資金を使用した場合においても想定した投資効果が得られない可能性もあります。 

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりです。

① 経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により依然厳しい状況にある中、ワクチン接種率上昇などにより一時は新規感染者数が急速に減少し、景気は持ち直す傾向がみられましたが、感染力の強い変異株の発生により感染の再拡大が深刻化するなど、依然として先行きが不透明な状況が続いております。当社を取り巻く環境として、「従業員を結果で管理する」、「ルールに基づく組織運営により働く場所に関係なく結果を出す」といった組織の生産性向上を図ることに対する市場ニーズは強く、当社サービスの需要は引き続き高い状況が続いております。

このような経営環境の中、当社グループは「識学を広める事で人々の持つ可能性を最大化する」という企業理念のもと、組織コンサルティング事業においては、積極的な講師人材の採用及び育成、講師の品質管理を徹底的に行いながら、「識学」が顧客の組織に浸透する状態を実現するべくサービス提供を行ってまいりました。スポーツエンタテインメント事業においては、Bリーグの2021-22シーズンが開幕し、B1昇格を目標にチーム強化への積極的な投資を行いながら、地域密着型クラブとして認知度向上に向けたマーケティング活動やスポンサー獲得のための積極的な営業活動を行ってまいりました。VCファンド事業においては、識学1号投資事業有限責任組合(以下、「識学1号ファンド」)の出資先である株式会社アイドマ・ホールディングスが東証マザーズに上場し、組成から1年半でIPOを達成した銘柄が2件となりました。これにより「識学」及び識学1号ファンドのソーシング活動に独自性があること、また、識学の組織コンサルティング手法が上場に向けた組織運営と親和性があることを証する1つの実績であると認識しております。

その結果、当連結会計年度の売上高は3,823,773千円(前年同期比52.6%増)、EBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却費+敷金償却費)は429,927千円(前年同期比115.9%増)、営業利益は359,917千円(前年同期比161.8%増)、経常利益は346,988千円(前年同期比74.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は224,911千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失41,581千円)となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

なお、従来「VCファンド事業」を「組織コンサルティング事業」に含めておりましたが、主要な事業として運営する体制の整備と売却実績が伴ったことを契機として、今後の投資案件の増加による投資有価証券の売却が事業的な規模として見込まれることから、第2四半期連結会計期間より「VCファンド事業」を主たる事業として独立区分し報告セグメントといたしました。また、新生識学成長支援1号投資事業有限責任組合への出資に伴い「ハンズオン支援ファンド事業」を新たに報告セグメントに追加しております。

 

(組織コンサルティング事業)

①マネジメントコンサルティングサービス

当連結会計年度においては、講師の積極的な採用と顧客基盤拡大のための積極的なマーケティング活動による投資を継続してまいりました。その結果、講師数は前連結会計年度末から19名増加し73名となりました。

この結果、当連結会計年度末時点の累計契約社数は2,873社(前連結会計年度末は2,187社)となりました。当連結会計年度のマネジメントコンサルティングサービス売上高は2,165,318千円(前年同期比22.5%増)となりました。

②プラットフォームサービス

当連結会計年度においては、「識学」に基づく組織運営が“定着”するまで継続的に運用支援を行う「識学 基本サービス」の拡販に注力してまいりました。

「識学 基本サービス」には、「識学」が組織に徹底できている状態を5つの軸と6段階のフェーズに分類し、フェーズの診断を実施することで顧客が解決すべき組織課題を明確にする機能があります。この機能により明確になった組織課題に対して講師とカスタマーサポート担当で構成する担当チームが課題解決に向けたサポートを実施することによって「識学 基本サービス」に対する顧客満足度の向上に取り組んでまいりました。

この結果、当連結会計年度末における識学基本サービスの契約社数は524社(前連結会計年度末は167社)、識学クラウド契約社数は115社(前連結会計年度末は229社)、識学会員の会員数は248社(前連結会計年度末は479社)となりました。

また、当連結会計年度のプラットフォームサービス売上高は1,156,809千円(前年同期比155.1%増)となりました。

上記の結果、当連結会計年度の組織コンサルティング事業における売上高は3,322,127千円(前年同期比49.5%増)、営業利益は565,373千円(前年同期比147.1%増)となりました。

 

(スポーツエンタテインメント事業)

当連結会計年度においては、B1リーグへの昇格を目指してチームの強化を行いながら「地域密着型クラブ」として地域スポーツ振興を普及することを目的とした取組みを行ってまいりました。当連結会計年度においては、2021-22シーズンのスポンサー獲得に向けた営業活動及び営業人員の採用、新たな収益基盤である企業版ふるさと納税のさらなる拡充に向けた地方公共団体との連携強化に努めてまいりました。2021-22シーズンに向けたスポンサーの受注は155,915千円(前年同期比63.4%増)と順調に推移したものの、チーム強化に向けたチーム運営費への継続的な投資を行ったことによりコストが先行することとなりました。

しかし、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、既存顧客であるスポンサー企業の撤退等によるスポンサー収入の減少によって、当連結会計年度におけるスポーツエンタテインメント事業の売上高は285,637千円、営業損失は126,919千円となりました。

 

(受託開発事業)

当連結会計年度においては、保有する多種多様な開発案件実績に基づくノウハウと潤沢なエンジニアリソースを活かし、当社グループのプラットフォームサービスの開発業務や資格取得講座のe-ラーニングシステムの受託開発等を行ってまいりました。2021年3月にはオンラインで入社体験ができ、登録されている企業の仕事内容の理解促進や、その企業とのマッチング度を計測できる新感覚採用マッチングサービスである「入社体感DX」をリリースし、2021年10月には会社説明のデジタル化サービス「デジタル面談」の販売を開始するなど、さらなる事業拡大に向けた収益基盤を構築するための新サービス開発を行ってまいりました。

この結果、当連結会計年度における受託開発事業の売上高は216,009千円、営業損失は13,090千円となりました。

 

(VCファンド事業)

当連結会計年度においては、「組織力」や「成長する組織への転換」に着目した投資を行い、投資先企業への「識学」導入による組織改善によって成長を支援するベンチャーキャピタルファンドを運営してまいりました。2021年6月には識学2号投資事業有限責任組合を組成し、子会社化したことにより、当該会社を連結の範囲に含めております。また、2021年10月に識学1号投資事業有限責任組合で保有している株式を一部売却し、217百万円の投資有価証券売却益を計上いたしました。なお、2021年6月29日以前に実行した投資による売却益であるため、特別利益として計上しております。

この結果、当連結会計年度におけるVCファンド事業の営業損失は47,091千円となりました。

 

 (ハンズオン支援ファンド事業)

当連結会計年度においては、投資先のEXIT(IPO/M&A等)によるキャピタルゲインを収益源とする「組織改善支援×金融・ファイナンス支援」という独自性を持ったハンズオン支援ファンドを運営してまいりました。2021年6月に「成長が見込まれる企業に対して投資を行い、ハンズオンにより投資先企業の業績改善・成長を支援し、その後の売却を通じ投資資本を増加させること」を目的とした新生識学成長支援1号投資事業有限責任組合を組成し、持分法適用関連会社といたしました。

この結果、当連結会計年度におけるハンズオン支援ファンド事業の営業損失は4,476千円となりました。

 

 

② 財政状態の状況

当連結会計年度末における総資産は4,089,513千円となり、前連結会計年度末と比較して1,697,110千円の増加となりました。

 (流動資産)

当連結会計年度末の流動資産合計は3,246,158千円となり、前連結会計年度末と比較して1,578,563千円の増加となりました。これは主に、現金及び預金の増加1,382,448千円によるものであります。

 (固定資産)

当連結会計年度末の固定資産合計は843,355千円となり、前連結会計年度末と比較して118,547千円の増加となりました。これは主に、投資有価証券の増加33,749千円によるものであります。

   (流動負債)

当連結会計年度末の流動負債合計は1,112,126千円となり、前連結会計年度末と比較して243,351千円の増加となりました。これは主に、未払法人税等の増加113,634千円及び前受金の増加63,211千円によるものであります。

   (固定負債)

当連結会計年度末の固定負債合計は245,432千円となり、前連結会計年度末と比較して139,401千円の減少となりました。これは主に、長期借入金の減少146,484千円によるものであります。

   (純資産)

当連結会計年度末の純資産合計は、2,731,954千円となり、前連結会計年度末と比較して1,593,161千円の増加となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加224,911千円、新株予約権の行使等により資本金及び資本剰余金がそれぞれ598,306千円増加したことによるものであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、2,625,498千円(前連結会計年度末比1,382,448千円増)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動により獲得した資金は、469,562千円(前連結会計年度は181,224千円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益550,526千円、前受金の増加63,211千円により資金が増加した一方で、法人税等の支払額73,990千円により資金が減少したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動により支出した資金は、69,877千円(前連結会計年度は297,546千円の支出)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入286,588千円により資金が増加した一方で、投資有価証券の取得による支出174,193千円、有形固定資産の取得による支出38,157千円、無形固定資産の取得による支出95,821千円により資金が減少したことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動により獲得した資金は、982,763千円(前連結会計年度は315,483千円の獲得)となりました。これは主に、新株予約権の行使による株式の発行による収入1,186,447千円、非支配株主からの払込みによる収入333,700千円により資金が増加した一方で、非支配株主への配当金の支払額297,861千円により資金が減少したことによるものであります。

 

(2)生産、受注及び販売の状況

 ① 生産実績

当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

 ② 受注実績

当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

 ③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をサービスごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前期比(%)

組織コンサルティング事業

3,322,127

149.5%

スポーツエンタテインメント事業

285,637

148.7%

受託開発事業

216,009

234.0%

VCファンド事業

ハンズオン支援ファンド事業

合計

3,823,773

152.6%

 

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.当連結会計年度において、「VCファンド事業」及び「ハンズオン支援ファンド事業」を新たな報告セグメントとして追加しております。なお、前連結会計年度には、当報告セグメントに区分すべきサービスが存在しなかったため、前年同期比につきましては記載しておりません。

 

(3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りによる不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」に記載しております。

 

  ② 経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度における売上高は、3,823,773千円(前連結会計年度比52.6%増)となりました。その主な内訳は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

(売上原価、販売費及び一般管理費、営業利益)

当連結会計年度における売上原価は、1,058,091千円(前連結会計年度比65.5%増)となりました。これは主に、事業規模拡大に伴う人員増加により講師の人件費が増加したことによるものであります。

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、2,405,764千円と(前連結会計年度比39.1%増)なりました。これは主に、事業規模拡大に伴う人員増加により人件費及び採用教育費が増加したことと、積極的なマーケティング活動による広告宣伝費が増加したことによるものであります

これらの結果、営業利益は359,917千円(前連結会計年度比161.8%増)となりました。

 

(営業外収益、営業外費用、経常利益)

当連結会計年度における営業外収益は、18,472千円(前連結会計年度比76.9%減)となりました。これは主に、投資有価証券売却益が前事業年度比71,502千円減少したことによるものであります。営業外費用は、31,401千円(前連結会計年度比73.5%増)となりました。これは主に、持分法による投資損失21,246千円によるものであります。

これらの結果、経常利益は346,988千円(前連結会計年度比74.0%増)となりました。

 

(特別利益、特別損失、法人税等、親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度における特別損失は、22,704千円となりました。これは、当社の連結子会社である福島スポーツエンタテインメント株式会社が保有する固定資産について、将来の回収可能性を検討した結果、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づいて減損損失6,993千円を計上したこと及び当社の連結子会社である株式会社シキラボが株式会社MAGES.Labを連結子会社とした際に発生したのれんについて全額減損処理を行い、特別損失15,711千円を計上したことによるものであります。

また、法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額含む)は178,406千円となりました。

これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は224,911千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失41,581千円)となりました。

 

 

③ キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、講師人材等の人件費、広告宣伝費をはじめとする事業運営のための営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資及びM&A投資等によるものであります。

当社グループは、必要な運転資金及び設備投資資金について、営業活動によるキャッシュ・フローを源泉とした自己資金を中心に、多額の設備投資資金が必要となった場合は、必要資金の性格に応じて金融機関からの借入及び資本市場からの資金調達などにより必要資金を確保する方針であります。

 

④ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、講師一人当たり売上高及び講師数を重要な指標として位置付けております。

講師一人当たり売上高については、講師数の増加を図りつつ、講師一人当たり売上高は400万円/月を維持することを客観的な指標として設定しております。

講師数については2023年2月期までに講師120名体制を構築することを目標として設定しております。当連結会計年度末の講師数は73名(前年比19名増)となっております。今後につきましても、講師数の増加に向けた積極的な採用活動及び講師の品質管理活動の徹底を行う事で講師120名体制を早期に構築し、組織コンサルティング事業のさらなる成長を実現する方針であります。

 

⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。

 

(6) 経営者の問題意識と今後の方針について

当社グループが今後も持続的に成長していくためには、経営者は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の様々な課題等に対応していくことが必要であると認識しております。これらの課題等に対応するために、経営者は常に外部環境の構造や変化に関する情報の入手及び分析を行い、現在及び将来における事業環境を確認し、その間の課題を認識すると同時に最適な解決策を実施していく方針であります。

  

4 【経営上の重要な契約等】

当社は、2022年4月14日開催の取締役会において、2022年6月1日を効力発生日として、当社の連結子会社である株式会社シキラボを吸収合併することを決議いたしました。

詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な後発事象」に記載のとおりであります。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。