文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。当社はユーザーの嗜好をとらえ、他社との競合において比較優位に立ち、持続的に成長するため、以下の内容を対処すべき課題としてとらえ、その対応に取り組んでまいります。
当社は、「いい未来をつくる。」を企業理念としており、単純に「未来」とするのではなく「いい未来」とすることで "誠実さ" や "社会的責任" を表現しました。ここで言う「いい未来」とは、お客様、株主、経営陣、従業員、そしてその家族など、企業活動に関わるすべての人のための「いい未来」を意味しています。「つくる」ということばには、"積極性" や "情熱" を表現しており、未来を創造するのは自分たち一人ひとりであると自覚する姿勢を表しています。当社の企業活動が、人間にとって明るくより良い未来につながることを理念としています。
また「OPEN DATA, OPEN SCIENCE!」を経営理念としており、POSデータのオープン化を通じた収益性の向上を目指し、データ・ドリブン経営で社内の生産性を向上させることを目指します。
当社は、成長性と収益性を重視しており、成長性については売上高の対前期増加率、収益性については売上高営業利益率を重要な経営指標としております。
当社はクラウドサービス事業を展開しており、お客様のICT利用を促進し、企業活動を下支えすることを念頭においており、中長期的に下記事項に貢献することを目標としております。
① 当社は「スマレジ」サービス開始からの蓄積した売上データを保有しておりますので、販売分析やお客様動向分析等に活用し、経済成長に貢献致します。
② クラウド型POSレジ「スマレジ」を活用し、各種決済サービスとの連携により、決済手段の充実を行い、日本のキャッシュレス化を促進し、海外の決済サービスとも連携を行うことにより、国境を越えた経済成長に貢献致します。
③ 現在当社では自社開発した販売管理システム等を社内で活用しておりますが、当該業務システム等を企業様向けにも提供し、ICT利用の促進に貢献致します。
今後も小売店・飲食店等に革新的なサービスを提供し続け、クラウドサービス事業におけるプラットフォーム・ビジネスのトップ企業を目指します。
当社が属するクラウドサービス市場におきましては、技術の更なる進展により、デジタルトランスフォーメーションの重要性が高まっており、その実現に向けたIT投資戦略の増加も期待され、より一層のクラウド化の波も推進され、中長期的に成長トレンドが継続するものと考えております。
一方で、新型コロナウイルス感染症問題が、当社のお客様である小売店様及び飲食店様に影響を及ぼしており、先行きに対する不透明感が増しております。当社では、新型コロナウイルス感染症問題への対応として、働き方や業務に関する方針の転換を行い、業績への影響を最低限に抑えるための取組みを行っております。
「スマレジ」のユーザーは毎年増加を続けており、登録店舗数も96,000店舗を突破しました。ユーザーの潜在的ニーズやユーザーが当社サービスを使用して生じた新たなニーズを抽出し、当社サービスの機能に反映させていくことが当社の強みであり、これが競合他社との差別化の要因となっております。お客様のニーズを迅速かつ的確に抽出できるようお客様の意見を取り入れる機会を増加させ、当社サービスの機能に適時に反映できるように、当社の技術力の強化に努めてまいります。
当社では、ユーザーのニーズに基づき、スマレジの定期的なバージョンアップを行い、その利便性や安全性を高めてまいりましたが、当社の人的リソースに限界があるため、スマレジの機能に反映が出来ていないユーザーのニーズが存在します。この課題に対し、当社では昨年より「スマレジ4」として、当社以外のサードパーティー(第三者である法人若しくは個人事業主等)にもスマレジAPIを公開し、従来社内のみで行っていたスマレジの機能拡充等を、サードパーティーでも行えるようになりました。また、サードパーティーが開発したスマレジの関連サービスや追加機能はスマレジ・マーケットプレイスで販売が可能となっています。他方で、当社ではCVC事業としてスタートアップ企業への投資を行うと同時に当社サービスとの連動を実現し、サービスの拡充を図るなど、新しい施策にも対応しております。
③ 技術者(ソフトウェアエンジニア)の確保について
当社のシステムの安定稼働のためには、日常的なメンテナンス、社内でのテスト運用が必要となっております。それらを運用する優秀な技術者を確保し続けることは、お客様に安定的且つ使いやすいサービスを提供するためには、必要不可欠と認識しております。また、継続的な機能追加及びバージョンアップや、関連する新規サービスの開発にかかる技術者の確保も必要ですので、継続して当社ビジネスの根幹でもある技術者の確保に努めてまいります。
また、今後、日本の労働者人口が減少していくと考えられるなかで、技術者もまた減少することが考えられます。魅力的な労働環境や技術者を増やすための啓蒙活動を通して、当社のみならず、技術者全体の数の増加及び優れた技術者の育成にも注力してまいります。
職務分掌の明確化や、新たな管理職の登用及び各部署の増員も行い、組織体制も充実してきましたが、スマレジのリリースから10年を経過した今、新たなフェーズに向かうための組織体制の強化を図ってゆきます。本年度より執行役員制度も導入しており、事業領域をより明確にし、事業の拡大と企業の成長スピードに耐えうる組織の構築を目指す必要があると考えております。
⑤ コンプライアンス体制の強化
企業活動においては高い倫理観が求められており、コンプライアンス上の問題は経営基盤に重大な影響を及ぼすものであると考えております。ユーザーや社会からの信頼向上のため、今後もコンプライアンス体制の強化を図っていく方針であります。当社では、従業員に向けての定期的なインサイダー取引の防止に関する研修の実施や、内部通報制度の強化等、社内研修の強化も図っており、コンプライアンス体制の強化に引き続き対応してまいります。
当社の事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスク要因について次のとおり記載しております。また、必ずしも以下に記載するリスク要因に該当しない事項につきましても、投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資者に対する積極的な情報開示の観点から、以下に記載しております。当社におきましては、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び万が一発生した場合の迅速な対処に努める方針ではありますが、当社の株式に関する投資判断は、本項並びに本書における本項以外の記載内容も併せて慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果とは異なる可能性があります。
当社が運営するクラウド型POSレジ「スマレジ」におけるレジ機能は、Apple Inc.が展開するiOS(アイオーエス)上で稼働するアプリであり、本書提出日現在当該アプリはiOS上でのみ動作いたします。現在、日本国内でのiOS端末のシェアはスマートフォン及びタブレット双方において上位に位置しておりますが、iOSを採用するタブレット等のシェアが下落した場合は当社の事業及び業績に影響を及ぼす恐れがあります。
また、クラウドサービス事業の基本となるアプリについては、Apple Inc.の規定の審査プロセスを通過してその配信を行っておりますが、プラットフォーム事業者であるApple Inc.の事業戦略の転換並びに動向によっては、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、当社の「スマレジ」のユーザー確保及び事業拡大を図るに当たって、国内の企業を当社の「スマレジ」の販売代理店として販売代理契約を締結し、販売促進に向けた協業を行っております。販売代理店には、取次店、代理店、販売店及びフランチャイズの4種類が存在しており、本書提出日現在での販売代理店数は約320社となっております。
販売代理店と当社との関係は良好でありますが、今後取引の継続が困難になった場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、キャッシュドロア、レシートプリンターなどのレジ周辺機器を日本プリメックス株式会社より仕入れており、同社の仕入高に占める割合は当事業年度において35%となっております。当社は今後も緊密な情報交換と連携に努めながら良好な関係を保ちつつ取引を行ってまいりますが、将来的に同社との取引関係において変化が生じた場合は、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、商品の保管、入出庫等に係る業務を株式会社マキシマム・アンド・アドバンテージへ委託しております。同社とは通信回線にてデータの授受を行っており、何らかのシステム障害にて通信回線が不能となった場合、入出荷業務に影響を及ぼす可能性があります。また地震やその他不可抗力等、仮に何らかの理由により同社からのサービスの提供の中断・停止が生じた場合、または同社との基本契約が終了し、もしくは変更され、当社がこれに適切な対応ができない場合等には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、市場動向を注視し、顧客需要の変動に合わせた商品の仕入を行っており、急激な変動への対応を行うとともに余剰在庫の発生を抑制するよう努めておりますが、経済状況や市場動向の急激な変化により、需要が予想を大幅に下回る事態となった場合には、在庫が余剰となり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、取引先各社との売掛取引に際しては、十分な与信管理の下で販売を行っておりますが、予期せぬ取引先の倒産等により貸倒れが発生した場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社は提供するサービスに係る利用料金について、クレジットカード決済及び銀行口座振替を利用できるようになっており、一部の決済代行会社に売掛金残高が集中する傾向があります。したがって、相手先のシステム不良等、何らかの事情によりサービス利用料金の決済に支障が生じた場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
クラウドサービス事業では、「スマレジ」の既存機能の向上や追加及びユーザーのニーズに合わせた継続的な商品開発を行っておりますが、技術革新や他社における既存のサービスを上回る新規サービスの出現があり、それらに対応若しくは差別化を図ることが困難な場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は主に、ウェブサイトを中心に集客活動(アカウント作成、問い合わせ、ショールーム予約等)を行っており、SEO対策(検索エンジン対策)やインターネット広告によりウェブサイトへの来訪者を増やすよう努めております。現在当社のSEO対策が功を奏しておりますが、検索エンジンやインターネット広告事業者等の何らかの問題により、検索結果順位の低下等が発生した場合や、インターネット広告による費用対効果が悪化した場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
「スマレジ4」については、数億円単位の開発コスト及び認知広告費用等を要すると見込んでおり、当該資金の支出及び当初想定していた費用以外の追加コストが発生した場合、当社の事業運営に影響を及ぼす可能性があります。また、想定通りに資金を支出したとしても、開発が遅延する可能性や、計画通りの効果があげられない可能性があります。さらに、スマレジAPIをサードパーティーに開放することから、当該サードパーティーの開発するサービスは「スマレジ」の根幹に関わるシステムには影響を及ぼさない予定ではあるものの、当社の想定しない障害及び情報流出等が生じた場合、又は、当該サードパーティーとの何らかの契約関係等に伴う係争が生じた場合、当社の事業運営に影響を及ぼす可能性があります。
当社は成長戦略の一貫として、「スマレジ」の強化及びスタートアップ企業の育成・支援を目的として「スマレジ・ベンチャーズ」の運営を行っております。投資等の対象としては、店舗向けソリューション全般を対象としており、IT関連で当社との事業シナジーが見込まれる企業に投資しております。投資に関しては、投資リスク等を勘案したうえで決定しておりますが、投資先の経営環境・前提条件の変化等により投資先の財政状態及び経営成績が悪化した場合は、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、投資等に伴い計上される資産については、今後の事業計画との乖離や市場の変化等によって、期待されるキャッシュ・フローが生み出せない場合、減損損失を計上する可能性があります。
当社のクラウドサービス事業は、インターネットを介して商品を販売し、また「スマレジ」自体がインターネットの活用を前提としていることから、ブロードバンド環境の普及によりインターネット利用環境が今後も拡大していくことが事業展開の基本条件であると考えております。
今後モバイルとPCの両面でより安価で快適にインターネットを利用できる環境が整い、情報通信や商業利用を含むインターネット関連市場は拡大するものと見込んでおりますが、仮に新たな法的規制の導入、技術革新の遅れ、利用料金の改訂を含む通信事業者の動向など、予期せぬ要因によりインターネット関連市場の発展が阻害される場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は様々な業界にクラウドサービスの提供及びレジ周辺機器等の販売を行っておりますが、景気の変動により、顧客企業の倒産、新規出店の減少や店舗の閉鎖、また、インターネット関連市場の拡大に伴い、顧客の動向が変化し小売店等の衰退が生じた場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、クラウドサービス事業を主たる事業として展開しておりますが、当該分野においては参入障壁が低く、多くの企業が事業展開をしております。当社は、適切なユーザビリティを追求したサービスの提供、ユーザーの要望や常に最適な利用目的を適えるための機能の改善や追加、更にはカスタマーサポートの充実等に取り組み、競争力の向上を図っております。
しかしながら、当社と同様のサービスを提供する他社との競争激化や、充分な差別化を図れなかった場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 新型コロナウイルス感染症による影響について
当社の属するインターネット関連業界は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を即時的かつ直接的に受けづらい業界ではありますが、今後の感染拡大の状況によっては、当社の事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
具体的には、当社サービスの主な提供先が小売店及び飲食店であること、これまで主としてきた対面での商談方法の転換が求められること、また、従業員の安全を確保した上での業務環境の構築が求められることが挙げられます。これらは随時課題解決に向けて対策を講じておりますが、新型コロナウイルス感染症の拡大の長期化や経済環境の著しい悪化等の悪影響が生じた場合は、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、サービス及びそれを支えるシステム、並びにインターネット接続環境の安定した稼働が、事業運営の前提であると認識しております。
当社の提供する「スマレジ」は、外部クラウドサーバー(Amazon Web Services、以下「AWS」という。)にてユーザーの企業情報及び個人情報をはじめとする情報や、「スマレジ」に関するシステムの全てを一括で管理することによってサービスを提供しており、AWSの安定的な稼働が当社の業務遂行上必要不可欠な事項となっております。そのため、当社ではAWSが継続的に稼働しているかを監視するために、当該監視業務を外部委託しており、障害が発生した場合には当社の役職員に連絡が入り、早急に復旧するための体制を整えております。
また、AWSは、世界中に点在する複数の地理的リージョン(注1)及びアベイラビリティゾーン(注2)で運用されており、FISC安全対策基準(注3)を満たす安全性を備えております。さらに、社内では「スマレジ」システムの操作権限者の制限、ウィルス対策等、様々な危機対策を講じて運用を行っております。
しかしながら、AWSの不備や人為的な破壊行為、役職員の過誤、自然災害等、当社の想定していない事象の発生によるサービスの停止により収益機会の逸失等を招く恐れがあります。
このような事態が発生した場合には当社が社会的信用を失うこと等が想定され、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
前述のAWSは、AWSのコンサルティングパートナーであるクラスメソッド株式会社との契約により、利用をしておりますが、何らかの理由により、同社との利用に関する契約の解消や、契約内容の重大な部分に変更があり、「スマレジ」の提供に困難が生じた場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
「スマレジ」の提供にあたっては、自社サービスの提供のほか、他社システムとの連携によって業績及び認知の向上を図っております。システムの安定稼働のため、社内でのテスト運用をはじめとする品質管理を行っており、運用の安全性を確保していますが、万が一、想定していない範囲での作動により、「スマレジ」の稼働に問題を生じた場合や、他社システムとの連携に支障が生じた場合は、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
クラウドサービス事業は、電気通信事業法及び個人情報の保護に関する法律(以下「個人情報保護法」といいます)等の規制を受けております。当社では、顧問弁護士等を通じて新たな規制の情報を直ちに入手し対応するための体制を整えておりますが、今後、新たに当社のクラウドサービス事業に関する規制等の制定等又は改正が実施された場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社による第三者の知的財産権侵害の可能性については、専門家と連携を取り可能な範囲で調査対応を行っておりますが、当社の事業に関する第三者の知的財産権の完全な把握は困難であり、当社が認識せずに他社の知的財産等を侵害してしまう可能性は否定できません。この場合、損害賠償請求や使用差止請求等により、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社は特許権、商標権等の知的財産権を所有しており、第三者から侵害されないよう保護に努めておりますが、第三者による当社の権利に対する侵害等により、企業・ブランドイメージの低下、商品開発への悪影響等を招いた場合や、その対応のために多額の費用が発生した場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、提供するサービスに関連して多数の顧客企業の機密情報や個人情報を取り扱っております。これらの情報資産を保護するため情報セキュリティ基本方針を定め、この方針に従って情報資産を適切に管理、保護しております。また、当社は2018年11月にプライバシーマークを取得しており、従業員への教育、アクセス権限の設定、アクセスログの管理等、情報漏洩のリスクの回避を図っております。このような対策にもかかわらず重要な情報資産が外部に漏洩した場合には、当社の社会的信用の失墜、損害賠償請求の発生等により、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
当社の代表取締役山本博士は、クラウドサービス事業開始以来当社の事業推進において重要な役割を担ってまいりました。同氏は、プログラミングの経験からインターネットサービスの企画運用に至るまで豊富な経験と知識を有しております。当社代表取締役社長就任後は、経営方針や事業戦略の決定及びその遂行において重要な役割を果たしております。当社では、取締役会等において役員及び社員への情報共有や権限移譲を進めるなど組織体制の強化を図りながら、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めておりますが、何らかの理由により同氏が経営執行を継続することが困難になった場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、当社の持続的な成長のために、継続的に優秀な人材を確保することが必須であると認識しております。当社の競争力向上にあたっては、それぞれの部門について高い専門性を有する人材が要求されることから、一定以上の水準を満たす優秀な人材を確保し、人材育成に積極的に努めていく方針であります。また当社は、優秀な技術者を確保することがビジネスにおける重要課題であり、海外企業へのソフトウエア開発の外注といったオフショア等も視野に入れながら人員の確保に努めております。しかしながら、優秀な人材の確保が困難となった場合や人材育成が計画通りに進まなかった場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、未だ成長途上にあると考えており、今後の事業及び経営成績を予測する上で必要な経験等が十分に蓄積されていないものと考えております。このため、今後の事業運営及び事業拡大に対応するため、内部管理体制について一層の充実を図る必要があると認識しておりますが、事業規模に適した内部管理体制の構築に遅れが生じた場合は、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
当社の組織体制は小規模であり、業務執行体制及び内部管理体制もそれに準じたものとなっております。当社は、今後の業容拡大に伴い、内部管理体制及び業務執行体制の充実を図っていく方針でありますが、これらの施策に対し十分な対応ができなかった場合は、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、会社法第236条、第238条及び第239条の規定に従って、2016年4月7日開催の臨時株主総会決議、2018年4月24日、2018年10月31日開催の臨時取締役会決議に基づいて、当社の従業員に対するインセンティブを目的とし、新株予約権(以下「ストック・オプション」という。)を付与しております。これらのストック・オプションが権利行使された場合、新株式が発行され、株式価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。当事業年度末現在、これらのストック・オプションによる潜在株式数は80,500株であり、発行済株式総数9,780,900株の0.8%に相当しております。
当社は、現在において、訴訟を提起されている事実はありません。しかしながら、将来何らかの事由の発生により、訴訟提起を受ける可能性があります。その訴訟の内容及び結果によっては当社の事業及び業績並びに企業としての社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。
当社では、利益配分につきましては、経営成績及び財務状態を勘案して、株主への利益配当を実現することを基本方針としております。しかしながら、当社は成長過程にあるため、将来の事業展開と財務体質強化のために必要な内部留保の確保を優先し、創業以来無配としてまいりました。
現在におきましても、内部留保の充実を優先しておりますが、将来的には、経営成績及び財政状態を勘案しながら株主への利益の配当を目指していく方針であります。ただし、配当実施の可能性及びその実施時期等については、現時点において未定であります。
(注1)地理的リージョン
地理的に独立したサーバーの設置エリアのことをいいます。各リージョン同士は完全に独立しているため1つのリージョンで障害が発生しても他のリージョンには影響が出ない設計となっております。
(注2)アベイラビリティゾーン
リージョンの中の個々の独立したデータセンターの名称のことをいいます。
(注3)FISC安全対策基準
金融庁が金融機関のシステム管理体制を検査する際に使用する基準のことをいいます。
(1) 経営成績等の状況の概況
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
販売高前年同期比
(単位:千円)
当事業年度(2020年5月1日から2021年4月30日まで)においては、企業収益や雇用、所得環境の改善が続く中、各種政策を背景とし、三度にわたる緊急事態宣言の影響を受けながらも、緩やかな回復傾向が続きました。国内外の経済の先行きについては、新型コロナウイルス感染症の感染再拡大によるリスクや、金融資本市場の変動等の影響を注視する必要があり、依然として不透明な状況が続いております。
このような環境の中、当社は顧客ニーズを満たすための新たな施策として、スマレジ・アプリマーケットを軸に、アプリコンテストを開催したり、従来とは異なった視点から当社サービスの充実を図ってきました。また、コロナ禍においてもオンライン商談はもちろん、感染予防策を講じた上での対面商談を充実させ、主要都市へ低コスト型のショールームを展開し、顧客の獲得に努めてきました。その結果、当事業年度末には当社主力サービス「スマレジ」の登録店舗数が96,000店舗を突破いたしました。
他方、当社は第4四半期会計期間において、当社サービスとシナジー効果を得られる可能性を秘めたサービスを展開する企業に対し、「スマレジ ベンチャーズ」として資本業務提携を行いました。提携先が提供するサービスとの連携によって、当社サービスの機能向上や、投資先企業の事業成長を加速させることが期待されます。
また、2021年3月には、「長期ビジョン・中期経営計画VISION2031」を発表しました。当社主力サービス「スマレジ」のサービス開始から10周年を迎え、広告宣伝費の投下、アプリマーケットの活性化、当社サービス「スマレジ・タイムカード」の更なる成長及びクリエイティブ人材の育成を軸に、当社事業の拡大のみならず、我が国の経済発展に寄与してゆく所存です。
以上の結果、当事業年度の業績につきましては、売上高は3,324百万円(前年同期比2.3%増)、営業利益は845百万円(前年同期比12.6%増)、経常利益は846百万円(前年同期比12.6%増)、当期純利益は583百万円(前年同期比6.7%増)となりました。
なお、当社はクラウドサービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べて441百万円増加
し、3,611百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は772百万円(前事業年度は730百万円の獲得)となりました。これは主に、税引前当期純利益846百万円を計上、法人税等の支払額287百万円及び未払金91百万円の減少等による資金の減少があったものの、減価償却費122百万円の計上、売上債権106百万円の減少等による資金の増加があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は103百万円(前事業年度は190百万円の使用)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出99百万円及び投資有価証券の取得による支出20百万円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は228百万円(前事業年度は91百万円の使用)となりました。これは主に、自己株式の取得による支出315百万円があったこと等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社は、受注生産形態をとる事業を行っていないため、生産規模及び受注規模を金額及び数量で示す記載をしておりません。
また、販売の実績については、「①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。これらの財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、過去の実績等を勘案して合理的な見積りを行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。
新型コロナウイルス感染症の影響等不確実性が大きく見込み数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。
また、当社の財務諸表の作成に際して採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載しております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載されているとおりであります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
当事業年度における売上高は、前事業年度に比べて74百万円増加し、3,324百万円(前年同期比2.3%増)となりました。この主な要因は、新型コロナウイルスが蔓延している状況下においても、クラウドサービス事業が継続的な成長を果たし、当社サービス「スマレジ」のユーザー数が増加したこと及び「スマレジ」等導入に伴うクラウドサービス関連機器販売が増加したことによるものであります。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度における売上原価は、前事業年度に比べて67百万円減少し、1,262百万円(前年同期比5.0%減)となりました。この主な要因は、クラウドサービス関連機器販売等の売上に伴う機器仕入高が減少したことによるものであります。また、売上原価が低い自社サービス「スマレジ」の利用料「クラウドサービス月額利用料」の売上が比較的売上原価が高い「クラウドサービス関連機器販売等」を上回っております。
この結果、当事業年度における売上総利益は、前事業年度に比べて141百万円増加し、2,061百万円(前年同期比7.4%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度における販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べて47百万円増加し、1,216百万円(前年同期比4.0%増)となりました。この主な要因は、前事業年度と比べ、広告宣伝費は減少したものの、事業の拡大に伴う人件費の増加、東京オフィス移転後の地代家賃の増加及び附属設備等の減価償却が増加したこと等によるものであります。
この結果、当事業年度の営業利益は、前事業年度に比べて94百万円増加し、845百万円(前年同期比12.6%増)となりました。
また、当社では売上高営業利益率を重要な経営指標の一つとしており、当事業年度においては25.4%となりました。本業における競争力を示す収益性指標である売上高営業利益率は、売上高の増加に伴い向上しており一定水準の効率を維持することができております。
(経常利益)
当事業年度における経常利益は、前事業年度に比べて94百万円増加し、846百万円(前年同期比12.6%増)となりました。
(当期純利益)
当事業年度における当期純利益は、前事業年度に比べて36百万円増加し、583百万円(前年同期比6.7%増)となりました。
(総資産)
当事業年度末における総資産は、前事業年度末に比べて444百万円増加し、4,499百万円(前年同期比10.9%増)となりました。この主な要因は、現金及び預金が441百万円及び前渡金が50百万円増加したこと等によるものであります。
(流動資産)
当事業年度末における流動資産は、前事業年度末に比べて466百万円増加し、3,943百万円(前年同期比13.4%増)となりました。この主な要因は、現金及び預金が441百万円及び前渡金が50百万円増加したこと等によるものであります。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産は、前事業年度末に比べて22百万円減少し、556百万円(前年同期比3.9%減)となりました。この主な要因は、無形固定資産が53百万円増加したものの、有形固定資産が63百万円、敷金が33百万円減少したこと等によるものであります。
(負債合計)
当事業年度末における負債は、前事業年度末に比べて88百万円増加し、822百万円(前年同期比12.1%増)となりました。この主な要因は、未払金が89百万円減少したものの、前受金が148百万円増加したこと等によるものであります。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債は、前事業年度末に比べて94百万円増加して741百万円(前年同期比14.6%増)となりました。この主な要因は、未払金が89百万円減少したものの、前受金が148百万円増加したこと等によるものであります。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債は、前事業年度末に比べて5百万円減少して81百万円(前年同期比6.6%減)となりました。この主な要因は、資産除去債務が5百万円減少したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産は、前事業年度末に比べて355百万円増加して3,676百万円(前年同期比10.7%増)となりました。これは主に資本金及び資本剰余金がそれぞれ43百万円増加したこと、当期純利益を583百万円計上したこと等によるものであります。
④ 資本の財源及び資金の流動性について
当社の資金需要のうち主なものは、商品仕入やソフトウエア開発に係る人件費の他、販売費及び一般管理費(主に、人件費とそれに伴う営業経費等)であります。
当社は、経常的な運転資金や事業規模拡大による設備投資等につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入により調達された資金を財源としております。
キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概況 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。
当社では、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営戦略を立案し、実行するよう努力しておりますが、当社の属するクラウドサービス事業は、開発技術のライフサイクルが早く、内容も多様化しております。また、提供するサービスについても、先端技術や市況の変化を捉え柔軟な事業展開が必要となり、競合他社との競争が激化することも予想されます。
そのような事業環境の中で、当社は、優秀な人材の確保と育成、商品力の強化等をもって、提供先数を拡大するとともに、サービスのクオリティも向上させるよう努力してまいります。
当社では、研究開発活動として既存サービス「スマレジ」のバージョンアップである「スマレジ4(アプリマーケット)」の開発を行っています。「スマレジ4」は、「スマレジ」に蓄積されるPOSデータを活用したアプリの開発及び販売ができる開発者(開発パートナー)向けのプラットフォームです。アプリ連携によって「スマレジ」以外からも販売データの登録及び管理をすることを可能にし、ユーザー利便性の向上を目的としています。
当事業年度における当社が支出した研究開発費の総額は
なお、当社はクラウドサービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。