1.経営成績等の概況 ………………………………………………………………………………………………2
(1)当期の経営成績の概況 ……………………………………………………………………………………2
(2)当期の財政状態の概況 ……………………………………………………………………………………4
(3)当期のキャッシュ・フローの概況 ………………………………………………………………………5
(4)今後の見通し ………………………………………………………………………………………………5
2.会計基準の選択に関する基本的な考え方 ……………………………………………………………………5
3.連結財務諸表及び主な注記 ……………………………………………………………………………………6
(1)連結貸借対照表 ……………………………………………………………………………………………6
(2)連結損益計算書及び連結包括利益計算書 ………………………………………………………………7
連結損益計算書 …………………………………………………………………………………………………7
連結包括利益計算書 ……………………………………………………………………………………………8
(3)連結株主資本等変動計算書 ………………………………………………………………………………9
(4)連結キャッシュ・フロー計算書 …………………………………………………………………………10
(5)連結財務諸表に関する注記事項 …………………………………………………………………………11
(継続企業の前提に関する注記) ………………………………………………………………………………11
(セグメント情報等) ……………………………………………………………………………………………11
(1株当たり情報) ………………………………………………………………………………………………11
(重要な後発事象) ………………………………………………………………………………………………11
当事業年度における我が国経済は、内需及びインバウンド需要拡大により社会経済活動が進んでおります。
当社グループについて、主たる事業領域であるPHR(パーソナル・ヘルス・レコード)関連業界においては、いわゆる「団塊の世代」がすべて75歳以上となり超高齢社会を迎えている状況の中、給付と負担のバランスを図りながら制度の持続可能性を確保するための医療制度改革が進む一方、高齢化に伴い慢性疾患罹患率が増加し、日常生活の中で生活の質(QOL)の維持・向上を図っていく必要性が高まるなど医療に対するニーズの変化が着実に進みました。
また、医療資源の不足等により医療機関による患者への遠隔モニタリングや平時から災害に備えたPHRを利用した地域住民の健康管理情報の活用の必要性の理解が高まっており、当社グループが進めるPHRサービスが社会的課題の解決策の一つとして認識されております。
このような事業環境の下、当社グループは「Empower the Patients」を事業ミッションとして掲げ、医療関係者をはじめ、製薬企業、医療機器メーカー等とともにPHRプラットフォームサービスの普及に取り組みました。
PHRプラットフォームサービスにおいては、政府が運営するマイナポータルに接続し、予防接種歴、薬剤情報及び特定健診情報の取得・閲覧が可能となりました。これにより、患者(個人)はもとより、保険者(健康保険組合・市町村国保・共済組合・協会けんぽ)など健康維持改善を支援する団体や医療機関等が様々な保健医療情報(健診・予防接種情報、レセプト・処方箋情報、電子カルテ・検査情報など)とライフログデータ(日々の食事の内容やカロリー、血圧や血糖値など)にシームレスにアクセスでき、運動管理、健康維持、服薬管理、医療従事者による患者の健康状態や治療状況の把握・介入などの目的で活用することができるようになります。
また、PHRサービス事業を展開する企業と共に多様なステークホルダー間の協調を促進し、PHRサービス産業の発展を通じて、国民の健康寿命の延伸や豊かで幸福な生活(Well-being)に貢献することを目的として「PHRサービス事業協会」に参画しております。本協会の執行役として、またPHRサービスのリーディングカンパニーとして、さらなる利便性を追求し、患者の同意を前提とした上での医療データポータビリティを促進するため、ステークホルダー(医療機関関係者・学術機関・行政など)との対話を重ね、患者の皆様にいっそう安心してご利用いただける医療環境の構築を目指しております。
当社、中部電力株式会社及び株式会社スズケンは、当社が持つPHRサービスを中心として、各社が保有するサービスを掛け合わせ、中部地区の地域住民への利用提案をはじめ、医療機関への診療効率向上につながるソリューション提案の自治体向けの提供を目指すとともに、中部電力株式会社のお客さまとの接点や株式会社スズケンの医療機関・医療介護従事者との接点を最大限活用し、三位一体となった「地域医療プラットフォーム」の構築による新たな価値の提供を目指して資本業務提携に基づく事業を推進しております。
・疾患ソリューションサービス
当社グループの疾患ソリューションサービスの売上高は製薬企業から受注を受けた既存PHRサービスの改修や機能追加による売上計上があったものの、当初想定案件の受注未達及びPHRサービス及び当社のPHRプラットフォーム案件の長期化による受注期ズレ等により337,282千円と、前年同期と比べて70,524千円(17.3%)の減収となりました。製薬業界全体のDX(Digital Transformation)は継続しており、顧客の需要は高いため、売上パイプライン拡充への取組を継続して実施します。
従来からの取り組みであるPHRを製薬企業の新薬プロモーションにおけるPSP(Patient Support Program)や臨床研究に必要なePRO(Patient Reported Outcome)データ収集ツールとして利用するなどの事業を、従前からの生活習慣病領域に加えて自己免疫疾患、オンコロジー、慢性疼痛等の多岐にわたる疾患領域において継続展開することにより、売上パイプライン及びPHRを利用する医療機関が全国で拡大しています。また、大学病院等と連携した臨床研究を推進するとともに、さらなるPHRの臨床実装を拡大しております。
オンコロジー領域においても、新たに製薬企業から新薬の症状・副作用モニタリングニーズが顕在化し始めており、PHRの実臨床利用や臨床研究利用の増加が見込まれます。加えて、従前からの医療機関等へマイカルテONCの普及活動を行うことにより契約医療機関等は増加し、臨床実装は拡大しております。患者や医療従事者を含む、がん治療に関わるステークホルダーがマイカルテONCを利用することにより、患者の記録した日々の症状日誌や医療従事者の記録した治療データがPHRとして蓄積され、がん治療領域におけるリアルワールドデータとして今後の治療・研究等の推進に利用されることを見込んでいます。
PHRプラットフォームを利用した疾患領域横断のPHRソリューションを展開することで、新たなマーケットを創出し、更なる売上パイプライン拡充を行います。当該PHRプラットフォームは複数案件で運用を開始しており、毎月安定的な収益を実現できております。
患者中心医療を実現するための新たな患者向け医療情報プラットフォームの提供を2026年3月上旬より開始いたします。本プラットフォームは、PMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)の医薬品情報参照のための連携や専門企業との強固な連携により、確かな医療情報をワンストップで提供します。WelbyのPHRサービスと高度に融合することで、患者様一人ひとりのライフログに最適化された情報を届ける「情報のコンシェルジュ」として機能し、患者様が自信を持って、前向きに治療と向き合える社会を共創します。
・Welbyマイカルテサービス
当社グループのWelbyマイカルテサービスの売上高は、メディカルデータカード株式会社の子会社化に伴う売上計上及びPHRプラットフォームの要件定義及び開発等の売上計上により298,442千円と、前年同期と比べて178,205千円(148.2%)の増収となりました。基盤提供については、案件の大型化により受注リードタイムが長期化しておりますが、自社でPHRサービスを展開したい顧客の需要は高まっており、引き続き収益の拡大を見込んでおります。具体策としては、従来の生命保険会社や健保組合のみならず、ヘルスケア事業に新規参入する企業へのアプローチとして、定期的なWebinarを開催して新規顧客の発掘に努めております。
サービス普及の観点からは、広範な顧客網を有する株式会社スズケン、フクダ電子株式会社及びノバルティスファーマ株式会社などのパートナー企業との協業を重点地域においてより強化することや、大学病院や学会等との協業だけではなく、提携先である中部電力株式会社及び株式会社NTTドコモとサービス普及を推進しております。地域の内科診療所を中心としたかかりつけ医体制を強化し、重症化予防に貢献するために、新たに一般社団法人東京内科医会との連携に合意しております。中部電力株式会社とは、特に中部圏でのPHRの社会実装の加速、株式会社NTTドコモとはPHRを活用した各疾病領域における予防および重症化防止を目的としたサービス提供を行っております。引き続き、新たな医療機関への普及を積極的に行いながら、これまでに導入を完了した医療機関を対象に実臨床におけるPHRの利用価値の訴求・情報提供を推進しました。また、糖尿病領域向けには株式会社三和化学研究所やアボットジャパン合同会社等の各血糖測定器メーカーとの連携により、糖尿病専門医に特化した普及や利用促進が加速しております。また、PHRと電子カルテ及び検査値データ等の連携推進を通じて医療の質的向上に寄与すると見込んでおり、PHRのデータポータビリティ実現に向けて更なる普及に取り組んでおります。具体的には、子会社であり、広範な検査会社とデータ連携機能を有するメディカルデータカード株式会社との協業を強化しております。Welbyマイカルテ利用者が登録したかかりつけ医療機関は2025年12月末時点で33,010施設(無料利用施設を含み、重複を除く)となっています。なお、2025年12月末時点で各アプリの合計ダウンロード数は約123万回に達しております。
更なるサービス普及のために、Welbyマイカルテのフルリニューアルを実施しました。本リニューアルでは、すでに広く活用されているPHRデータ管理機能に加え、ユーザーインターフェースと操作性の設計を根本から見直し、より洗練されたUI/UXを実現しています。さらに、国際標準HL7 FHIRへの準拠やクラウド連携の本格導入を通じて、個人と医療をつなぐデータ基盤としての信頼性・拡張性を大幅に高めています。また、マイカルテにおいてもWelbyのPHRデータ管理基盤である「WPDP(Welby PHR & Data Portability Platform)」を利用することにより、WPDP上で運用されている他の疾患サービスと連携ができるようになり、PHRデータ利活用の新たな標準的な基盤サービスとしての役割も担っていきます。マイカルテのデータがWPDP上で管理され、本人の電子的な同意に基づき利活用範囲を管理できるようになることで、医療機関、製薬企業、保険者、自治体、保険会社向けのサービスを更に拡張していきます。
パーソナライズ化されたヘルスケア事業を継続して推進するため、子会社である株式会社Welbyヘルスケアソリューションズにおいて、未病・予防を含む生活習慣病領域におけるPHRサービス利用の拡大とPHRを活用したサービス開発を推進しております。継続して保険者(健康保険組合・市町村国保・共済組合・協会けんぽ)向けソリューションの事業化に向けた活動を実施しており、既に複数の健康保険組合及び自治体の参画が決定しており、今後も参画する保険者数は拡大していく見込みです。また、具体的な協業として、株式会社NTTドコモの100%子会社である株式会社ミナカラと、PHRを活用したオンライン診療支援およびオンライン服薬指導等の医療DXに関する事業展開を図るために業務提携を締結しております。本提携の事業としてまずは、健保組合などの保険者向けに、オンライン上での医療アクセスからオンライン服薬指導・調剤薬の宅配での受け取りまでを一貫してサポートする新たな仕組みを共同で推進してまいります。また、PHRとアボットジャパン合同会社が展開するフリースタイルリブレを活用した重症化予防事業の展開を開始し、持続血糖モニタリング(CGM)システムとのデータ連携を強化しております。今後、健診代行業者等のパートナー企業と連携し、PHR×フリースタイルリブレを活用した保健指導・健診パッケージの実装、自治体・保険者向けモデル事業の実装及び物販事業の展開等を加速していきます。中長期的には普及拡大とサービス開発の進展及び他社とのアライアンス等によりWelbyマイカルテが生活習慣病領域における業界標準となることを目指しております。
アライアンスの一環として、当社グループは日本生命保険相互会社との資本業務提携により、かかりつけ医ネットワークを活用したPHRソリューションの普及を推進し、未病・予防から医療現場に至る生活習慣病領域において双方が有するノウハウや資源を活用して、保険者(自治体・市町村国保・共済組合・協会けんぽ)、企業における健康経営・データヘルス推進に向けた課題解決を図っております。具体的には、産業保健領域における産業医(企業内診療所を含む)におけるPHRを活用した医療機関連携モデルの構築、保険者領域におけるかかりつけ医ネットワークを活かしたPHR活用による保健事業の効果的・効率的推進、及び医療機関領域におけるWelbyマイカルテの医療機関普及の推進によるかかりつけ医ネットワークの構築を行っております。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は635,724千円(前年同期比20.4%増)、売上総利益については448,667千円(前年同期比18.1%増)となりました。
販売費及び一般管理費については、業容拡大のための開発投資を行いましたが、費用対効果を踏まえた費用の見直し等により901,495千円(前年同期比12.8%減)となりました。開発投資の内、プラットフォーム開発投資は、共通基盤での各種ガイドラインへの適用拡大、疾患治療向けPHRの患者UXナレッジの標準化、マイナポータルや予約決済システム連携などの機能整備、セキュリティー強化など、PHRプラットフォーム基盤の継続強化のための開発投資となります。当該投資による開発コストの低減により収益性は向上しております。今後、当該投資の促進により収益性の更なる向上及び基盤提供商材の充実による収益貢献を見込んでおります。
営業損失は452,827千円(前年同期は営業損失654,446千円)、経常損失は454,737千円(前年同期は経常損失655,726千円)、親会社株主に帰属する当期純損失は当社の保有する固定資産(ソフトウェア等)について減損損失を計上したこと等により539,688千円(前年同期は当期純損失804,603千円)となりました。この内、マイカルテやプラットフォーム開発などへの先行投資額は142,830千円となりました。
なお、当社グループは、PHRプラットフォームサービス事業の単一セグメントであるため、セグメント毎の記載はしておりません。
2023年12月期、2024年12月期及び2025年12月期における四半期別の売上高は、次のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末の資産については、総資産が1,054,209千円となり前連結会計年度末と比較し113,033千円の減少となりました。
流動資産の残高は、前連結会計年度末に比べ95,070千円減少し、878,225千円となりました。主な増減内訳は、売掛金が41,915千円、現金及び預金が29,000千円、その他流動資産が20,182千円減少したことによるものであります。
固定資産の残高は、前連結会計年度末に比べ17,963千円減少し、175,984千円となりました。主な増減内訳は無形固定資産が22,291千円減少し、差入保証金が4,327千円増加したことによるものであります。
(負債)
負債については、747,888千円となり、前連結会計年度末と比較して418,984千円の増加となりました。
流動負債の残高は前連結会計年度末に比べ30,787千円増加し、359,691千円となりました。主な増減内訳は、契約負債が37,009千円、1年内返済予定の長期借入金が17,508千円増加し、その他流動負債が29,899千円減少したことによるものであります。
固定負債の残高は前連結会計年度末に比べ388,197千円増加し、388,197千円となりました。主な増減内訳は、転換社債型新株予約権付社債が378,000千円増加したことによるものであります。
(純資産)
純資産の残高は、前連結会計年度末に比べ532,018千円減少し、306,321千円となりました。主な増減内訳は、利益剰余金が539,688千円減少したことによるものであります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、711,426千円となり、前連結会計年度末と比較し29,000千円の減少となりました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、329,486千円の支出(前連結会計年度は603,625千円の支出)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純損失の計上532,351千円により資金が減少した一方で、減損損失の計上94,268千円、売上債権の減少41,915千円により資金が増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、105,562千円の支出(前連結会計年度は235,844千円の支出)となりました。主な要因は、無形固定資産の取得による支出98,427千円により資金が減少したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、406,048千円の収入(前連結会計年度は696,537千円の収入)となりました。主な要因は新株予約権付社債の発行による収入378,000千円、借入れによる収入235,000千円により資金が増加した一方で、借入金の返済による支出207,295千円により資金が減少したことによるものであります。
2026年12月期の業績見通しについては、当社の通常の取引形態として、第4四半期会計期間に売上が大きくなる季節的変動性の影響など現時点で不確定要素が大きいことを踏まえ、合理的な数値の算出が非常に困難であるため、開示しておりません。なお、業績見通しが適正かつ合理的に算出できる状況になりましたら、適時に開示する方針です。
2.会計基準の選択に関する基本的な考え方
当社は、企業間及び経年での比較可能性を確保するため、当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号)に基づいて作成しております。
なお、国際会計基準の適用につきましては、国内外の諸情勢を考慮の上、適切に対応していく方針であります。
前連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
当連結会計年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)
該当事項はありません。
【セグメント情報】
当社グループの事業セグメントは、PHRプラットフォームサービス事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。
(注) 1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、1株当たり当期純損失であるため記載しておりません。
2.1株当たり当期純損失の算定上の基礎は、以下のとおりであります。
該当事項はありません。