文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社は、「『誠実』かつ『確実』」という経営理念のもと、施設警備やイベント警備、交通誘導警備、ボディーガードなどの人的警備を中心とした事業を展開しております。また、「教育のレベルは、会社のレベル。」というスローガンを掲げており、一人ひとりの社員を正義感と判断力を兼ね備えたセキュリティーのプロフェッショナルに育て上げることで、お客様に高品質な警備を提供し、社員自身が成長を実感し、そして当社グループの企業価値の増大につながるものと考え、事業に取り組んでおります。
当社グループは、ラグビーW杯や東京五輪・パラリンピックをはじめとしたイベント関連の警備需要、国際化する社会における防犯・防災意識の高まりを契機として、主力の業務としている施設警備や交通誘導警備等の収益力強化と事業規模拡大に取り組み、利益向上に見合った株主還元を行うための指標として、売上規模の拡大は勿論、事業の収益力を高める営業利益、営業利益率、そして警備員数を中長期的な経営の重要指標として考えております。
凶悪犯罪や自然災害、国際化が進む社会における防犯・防災意識の高まりや、東京五輪・パラリンピックの警備においても大きな期待が寄せられるなど、警備業に対する社会的な需要は増加傾向にあります。当社グループでは、「ラストワンマイル」として最前線の警備現場でお客様に安全・安心を提供する人的警備の収益力強化と事業規模拡大のため、受注体制の強化と業務効率化に取り組んでまいります。なお、当社グループでは、警備員数をKPIと位置づけており、長期的には1万人を誇る警備企業グループを目指しております。
また、重要施設における施設警備の展開、ハイウェイ・セキュリティーの展開強化、また、警備員の資質向上による競合他社との競争力向上のため、「One Person, One License」をキーワードとして、警備・防火関連の資格所持者の増強に取り組んでまいります。
当社グループを取り巻く経営環境として、凶悪犯罪や自然災害、国際化が進む社会における防犯・防災意識の高まりを背景に、警備業への社会的な需要は増加傾向にあります。その一方で、警備業における人手不足は深刻であり、採用難および雇用維持に伴う労務費の上昇等、依然として厳しい経営環境下に置かれております。
このような我が国経済や業界の将来展望も踏まえ、今後も継続的に警備事業を成長させるために、当社グループは次の課題に取り組んでまいります。
① 受注体制の強化
2019年の20カ国・地域首脳会議や改元関連、ラグビーW杯の開催、2020年には東京五輪・パラリンピックと、大規模国際的イベントが相次いで予定されております。これらに伴って警備強化が想定される鉄道施設での「鉄道警備隊」によるパトロールや、ラグビーW杯や東京五輪・パラリンピック会場施設や入場ゲートの警備、また最寄り駅から会場までの雑踏・交通誘導警備等の需要増加が想定されております。当社グループは、これらの受注体制を強化してまいります。
② 採用活動の強化
深刻な人手不足に対応するため、2018年9月に首都圏に社員寮を設置、2019年4月には大阪にも社員寮を設置、100戸超を確保いたしました。また、警備員採用の専任担当者を設置し、警備員採用の強化に取り組んでおります。今後も、女性やアクティブシニアを積極採用するなど、採用活動の強化に取り組んでまいります。
③ 警備員離職防止の強化
警備員の指揮命令系統上の上長とは別に、警備員が勤務している警備現場を訪問し、警備員と仕事の悩みや相談等の面談を担当するラウンダーという社員を巡回させております。深刻な人手不足に対応するため、今後も、ラウンダーの増員を図るなどし、警備員の離職率低下に取り組んでまいります。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因には該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に記載しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、当社グループの事業又は本株式の投資に関するリスクを全て網羅するものではありません。
当社グループが属する警備業界は、市場規模と比較して警備業者が約9,500社と多く、同業者間の価格競争が年々激しくなっております。当社グループは、これらの同業他社と競合しており、今後の価格競争の動向によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
そのような事態に対処するため、お客様の立場に立ってニーズを的確に把握し、より質の高いサービスを提供することで価格競争に打ち勝つとともに、コスト管理の徹底に努めてまいります。
大規模な地震や風水害などの自然災害、火災や大規模停電、インフラ損壊などの大事故が発生した場合には、公共の通信インフラの機能停止、道路、鉄道などの交通インフラの遮断などにより、当社グループのサービス提供や業務遂行などに支障をきたす可能性があります。
当社グループはこれら大規模災害の発生に備え、リスク管理規程における緊急事態発生時の対応マニュアルの整備、対策品の備蓄、また緊急連絡網の確保を目的に、東京と札幌にてコールセンターを24時間体制で稼動しております。
当社グループの売上は、主要取引先10社(㈱サン総合メンテナンス、㈱アサヒファシリティズ、他)が6割近くを占めており、これら取引先の動向によっては、大幅値下げや店舗等警備対象施設の統廃合による既存契約物件の解約等により、当社グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。
そのため当社グループは、これら取引先との良好で安定した取引関係の維持と発展を目指すとともに、引き続き新規取引先の開拓を進めてまいります。
当社グループは、警備業務の提供にあたり、契約先の機密情報等を知り得る立場にあり、その情報の機密保持が極めて重要な課題となっております。当社グループは、従来から徹底した管理体制と社員教育により、契約先の情報が外部に漏洩しないよう情報の管理及びプライバシー保護に努めております。
また、2005年4月から施行された個人情報保護法への対応については、当社内で「個人情報保護方針」を定め、一連の個人情報保護に関する社内ルールを整備するとともに、プライバシーマークを認証取得し、個人情報管理を徹底しております。又、ネットワーク等のシステムやUSBメモリ等の記録媒体についても管理の徹底に努めております。しかしながら、契約先の情報が外部に漏洩した場合には、当社グループの信用が失墜することとなり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
代表取締役社長である我妻文男は、当社グループの創業者であり、警備業界で得た豊富な知識と経験を活かし、グループの代表として指揮を執っております。当社グループは、同氏に過度に依存しない経営体制の構築を目指し、各分野における専門家の採用、人材の育成・強化、権限委譲の推進に注力しておりますが、何らかの理由により同氏が当社グループにおいて業務を継続することが困難となった場合、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
高品質な警備業務を継続して提供するためには、優秀な人材を確保し、継続的な教育、研修を行うことによって、警備業務に関する知識や技能の習得、維持向上を図ることが必要であります。当社グループでは年間を通じて採用活動に注力しておりますが、少子化の時代を迎え、必要な人員を確保できなくなった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、営業活動や投融資活動などにおいて、主に国内の取引先に対し発生するさまざまな信用リスクにさらされております。当社グループは、その状況を定期的に見直し、必要な引当金等の検討ならびに計上を行っておりますが、今後、取引先の財務状態が悪化した場合は、貸倒引当金等を積み増す可能性もあり、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、警備業法に基づく警備業者として、本社所在地を管轄する公安委員会から同法に基づく警備業の認定を受けております。また、それに基づき規制を受け、それら事項を遵守しております。
現在のところ、同法による規制の強化等が行われるという認識はありませんが、この規制が変更され、または新たな法令が適用されることにより事業に対する制約が強化された場合、事業活動が制限され、またはコストの増加につながる可能性があります。また、上記認定の取消しや法令違反等の懸念は現時点において生じておりませんが、それらの事象が発生した場合、当社グループの主要な事業活動に支障をきたすとともに、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度における我が国経済は、企業収益や雇用情勢の改善が続くなかで、景気は緩やかに回復いたしました。一方、通商問題の動向が世界経済に与える影響や、中国経済の先行き、海外経済の動向と政策に関する不確実性、金融資本市場の変動の影響により、先行きは不透明な状況で推移しております。
当社グループが属する警備業界におきましては、凶悪犯罪や自然災害、国際化が進む社会を背景とした防犯・防災意識の高まりや、東京五輪・パラリンピックの警備においても大きな期待が寄せられるなど、警備業に対する社会的な需要は増加傾向にあります。その一方で、警備業における人手不足は深刻であり、採用難や雇用維持に伴う人件費の上昇等、依然として厳しい経営環境下に置かれております。
このような経営環境の中、当社グループは、引き続き施設警備の受注拡大に取り組んだほか、安全対策や防犯意識の高まりから需要が増加傾向にある鉄道関連案件の拡大に注力いたしました。また、ラグビーW杯や東京五輪・パラリンピックに向けた警備実績の積み上げとして、ラグビー国際試合の会場警備等に取り組みました。一方で、不採算案件の見直し等による収益改善にも取り組みました。
人手不足に対する施策としては、2018年9月に首都圏に社員寮を設置、警備員採用の専任担当者を設置するなどし、警備員の採用強化に全力で取り組み、従業員数は1,658(うち、平均臨時雇用人員数1,235)名となりました。また、「教育のレベルは、会社のレベル。」というスローガンを掲げており、警備員教育にも注力しております。
これらの結果、当連結会計年度における当社グループの業績は、売上高は5,682,303千円と、前年同期と比べ334,913千円(6.3%)の増収、営業利益は403,649千円と、前年同期と比べ98,319千円(32.2%)の増益、経常利益は426,867千円と、前年同期と比べ37,884千円(9.7%)の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は277,010千円と前年同期と比べ16,972千円(6.5%)の増益となり、増収増益となりました。
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度より334,913千円(6.3%)増加し、5,682,303千円となりました。これは主として、ストック型ビジネスである施設警備の新規開始による安定収益の積み上げ、また鉄道関連案件の拡大に注力した結果、施設・巡回警備分野が好調に推移したことによるものであります。
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度より79,976千円(1.9%)増加し、4,218,879千円となり、増加率は売上高増加率と比較すると小幅となりました。これは主として、2018年6月の新幹線内での事件や2018年6月~7月の西日本豪雨の影響によって発生した緊急かつ臨時の高利益率の案件を受注したこと、既存契約先の料金改定や不採算案件の見直しによる収益改善、また労働時間管理の徹底による残業コストの低下などによるものであります。
この結果、当連結会計年度の売上総利益は、前連結会計年度に比べて254,936千円(21.1%)増加し、1,463,423千円となりました。
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べて156,617千円(17.3%)増加し、1,059,774千円となりました。これは主として、採用強化のため設置した社員寮の地代家賃、当社の社会的認知度向上のためのTVCM放映費用、また新規上場における増資に伴う外形標準課税の適用によるものであります。
これらの増加率は、売上高増加率と比較すると増加いたしましたが、売上総利益が増加したことにより、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べて98,319千円(32.2%)増加し、403,649千円となりました。
当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度に比べて23,198千円(22.1%)減少し、82,000千円となりました。これは主に助成金収入の減少及び持分法による投資利益の減少によるものであります。
当連結会計年度の営業外費用は、前連結会計年度に比べて37,236千円(172.8%)増加し、58,781千円となりました。これは主に上場関連費用の発生及び持分法による投資損失の計上によるものであります。
この結果、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べて37,884千円(9.7%)増加し、426,867千円となりました。
当連結会計年度の法人税等合計は146,292千円となりました。
この結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べて16,972千円(6.5%)増加し、277,010千円となりました。
なお、当社グループは警備事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しておりますが、分野別の業績は以下の通りであります。
大手企業オフィスビルやロジスティクスセンター等における施設警備の新規開始に取り組みました。これらはストック型ビジネスとして、安定した収益として業績に寄与しております。
鉄道関連案件では、2018年6月に発生した新幹線内での事件を受けて、主に関西方面において新幹線列車内の警戒警備を実施いたしました。また、2018年6月~7月の西日本豪雨で公共交通機関が寸断された影響により、広島県と岡山県内において鉄道施設内外の案内および安全確保の警備を実施いたしました。これらの警備は、社会的意義が大きく、また緊急性が高く高利益率案件であったため、特に注力いたしました。さらに、首都圏では列車内の警戒警備や鉄道施設内のパトロールを行う「鉄道警備隊」を組織して展開するなど、鉄道関連案件の拡大に注力いたしました。
その結果、当連結会計年度における当警備分野の売上高は、前連結会計年度比7.5%増収の3,852,102千円となりました。
公共工事に伴う交通誘導警備の新規開始等に取り組みました。イベント関連案件では、マラソン大会や駅伝大会、ゴルフメジャー大会の会場および周辺の誘導警備などに取り組みました。一方で、前述の新幹線列車内での警戒警備など、社会的意義が大きく緊急性が高い施設・巡回警備分野の案件に最優先で対応した結果、当連結会計年度における当警備分野の売上高は、前連結会計年度比0.2%減収の1,558,233千円となりました。
マンション代行管理では、新規取引開始やアクティブシニアの積極採用に注力いたしました。その結果、当連結会計年度における当警備分野の売上高は、前連結会計年度比33.6%増収の271,967千円となりました。なお、当社の強みであるボディーガードは、今後も注力してまいります。
当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べて1,362,506千円(74.0%)増加し、3,203,500千円となりました。これは主として、現金及び預金が1,353,731千円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末における固定資産は、前連結会計年度末に比べて66,980千円(5.5%)減少し、1,155,884千円となりました。これは主として、保険積立金が46,195千円及びのれんが23,784千円減少したことによるものであります。
当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べて125,246千円(19.8%)増加し、756,695千円となりました。これは主として、人件費や広告宣伝費に関する未払金が63,602千円及び未払法人税等が73,836千円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末における固定負債は、前連結会計年度末に比べて6,597千円(13.8%)減少し、41,181千円となりました。これは主として、リース債務が4,017千円減少によるものであります。
当連結会計年度における純資産は、前連結会計年度末に比べて1,176,876千円(49.4%)増加し、3,561,507千円となりました。これは主として、新株発行による資本金及び資本剰余金が448,707千円増加したこと及び親会社株主に帰属する当期純利益を277,010千円計上したことによるものであります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ1,352,198千円増加し、1,976,747千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況及び増減の要因は、次のとおりであります。
当連結会計年度において営業活動から得られた資金は、前連結会計年度に比べ236,227千円増加し、389,587千円(前連結会計年度は、153,359千円の収入)となりました。これは主として、法人税等の支払109,693千円があるものの、税金等調整前当期純利益423,302千円の計上及び人件費や広告宣伝費などに関する未払金の増加62,457千円があったことによるものであります。
当連結会計年度において投資活動から得られた資金は、69,339千円(前連結会計年度は、24,359千円の支出)となりました。これは主として、保険積立金の積立による支出33,209千円があるものの、保険積立金の解約による収入104,370千円があったことによるものであります。
当連結会計年度において財務活動から得られた資金は、893,272千円(前連結会計年度は、19,962千円の支出)となりました。これは主として、新規上場に伴う株式の発行による収入897,414千円によるものであります。
当社グループは、生産活動を行っていないため、該当事項はありません。
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。なお、当社グループは警備事業の単一セグメントであります。
(注) 1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらと異なることがあります。当社グループの連結財務諸表を作成するにあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高が5,682,303千円、経常利益が426,867千円、親会社株主に帰属する当期純利益が277,010千円となり、成長が続いております。この主な要因として、採用強化のため設置した社員寮の地代家賃の発生などがあったものの、ストック型ビジネスである施設警備の新規開始による安定収益の積み上げ、緊急かつ臨時の高利益率案件であった鉄道関連案件を受注したことなどによるものと分析しております。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、人件費を主とする営業費用(売上原価、販売費及び一般管理費)に用いる運転資金は自己資金を基本としております。なお、当連結会計年度末における金融機関からの借入金はありません。
該当事項はありません。
該当事項はありません。