第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

日本経済は、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が徐々に緩和される中で、持ち直しの動きが続きました。一方で、地政学的リスク等による原材料価格の上昇や供給面での制約等による下振れリスク、感染症による影響など、不確実性は高い状況が続いております。

当社グループをとりまく経済環境は、警備業は社会活動を維持するために必要不可欠なサービスであり、その社会的ニーズは底堅く推移しております。一方で、感染症による影響、競合他社との競争にともなう価格低下圧力の高まり、人手不足を背景とした労務費や採用コストの上昇は、警備業界に影響を及ぼしております。

このような経営環境の下、当社グループは、長期的な事業の成長に向けて、売上及び利益拡大に取り組んでまいりました。

 

経営方針、経営戦略

当社グループは、長期視点での経営方針として、売上高800億円、社員数2万人規模を目指すとし、「M&Aへの投資」「積極的な若手人材の採用」「社員の資格取得支援」を取り組むべき施策としております。

 

<M&Aへの投資について>

国内の警備市場は約3兆5千億円(警察庁生活安全局生活安全企画課「令和2年における警備業の概況」)となっております。このうち機械警備業の推定市場は6,595億円(公益社団法人日本防犯設備協会「2020年版 統計調査報告書」)となっており、差額の約2兆8千億円が当社グループの活動する市場規模と考えられます。

また、国内の警備業者は中小企業を中心に約1万社あり、事業承継問題が顕在化していることから業界再編が活発化している傾向がみられます。当社グループは、前述の市場シェアを拡大するためM&Aを成長戦略のひとつに位置づけており、規模による効率的な利益創出をめざすことにより、社員及び株主の皆様への還元につなげてまいりたいと考えております。

 

・想定スキーム

・マジョリティー取得にこだわらず、戦略的アライアンス(マイノリティー出資)を含め、案件を幅広く検討する。

 

・想定されるシナジー(買い手となる当社が上場会社であることのメリット)

社員持株会等のグループ福利厚生によるエンゲージメント向上

・コンプライアンス指導

・大手との直接取引による高単価での受注活動

・基幹システムの共有による業務高度化及びコストメリット

 

当社は、2021年6月に警備事業を行うKSE株式会社(広島県広島市)をセフトHD株式会社と共同出資で設立、事業を開始いたしました。また、2022年4月には警備事業を行う日本セキユリテイサービス株式会社(大阪府大阪市)の全株式を取得し、完全子会社化いたしました。

当社グループは、業界再編へ関与することは、当社グループ及びステークホルダーの利益創出のみならず、持続可能な社会の実現に向けて警備業界の社会価値を創出すると考えており、今後も積極的に取り組んでまいります。

 

<積極的な若手人材の採用>

当社グループは、新卒採用はもとより、第二新卒及び既卒の通年採用にも注力しております。若手人材の採用は、収益確保と幹部候補生育成のため、引き続き積極的に取り組んでまいります。当社グループは、施設警備など安定的な収益基盤が構築されていることから、責任感と向上心の強い正社員の比率50%をめざし、品質向上による収益力強化につなげたいと考えております。

また、女性、外国人、中途採用を含めて、積極的に管理職登用のチャンスを与え、人材育成を加速してまいります。

 

<社員の資格取得支援>

当社グループは、"One Person, One License"から"One Person, 10 License"にスローガンをあらため、社員の資格取得支援を加速しております。1人の社員が複数の資格を所有することによって、品質向上による収益力強化、及び社員エンゲージメントの向上と離職率低下をめざしてまいります。また、社員の技術的・職業的スキルの開発により、持続可能な社会の実現へ貢献してまいります。

 

経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

当社グループは、長期視点での経営方針として、売上高800億円、社員数2万人規模を目指すとし、売上成長と利益拡大に取り組んでおります。売上成長の経営指標として、「売上高成長率」及び「警備員等の人員数の推移」、利益拡大の経営指標として「営業利益」及び「営業利益率」を主要なKPIと位置づけております。

 

経営環境並びに事業上及び財務上の対処すべき課題

2020年以前の国内警備市場5年間(2015年~2019年)のCAGR(年平均成長率)は1.45%であり、市場規模は緩やかに拡大してきました。また、コロナ禍である2020年の成長率は2.25%の減少に留まっており、警備業に対する社会的ニーズは底堅く推移していることがうかがえます。一方で、感染症による影響、価格低下圧力、人手不足といった要因によって、警備業界の見通しは不透明性が増しております。

 

<新型コロナウイルス感染症に対する取り組み>

病院の経営支援などを行う株式会社ユカリアと業務提携契約を締結し、感染症対策ガイドラインに基づいたサービスの提供に努めており、社員及びお客様の安全確保、感染拡大の防止を最優先に取り組んでおります。例えば、契約先との協議において、同一の警備対象施設内で班分けによる完全交替制の勤務を行うなど、警備体制への影響を最小限に抑えるべく取り組んでおります。また、全従業員を対象とした安否確認システムにより、感染者の早期発見につとめております。

 

<競合他社との競争にともなう価格低下圧力の高まり>

国内の警備業者は中小企業を中心に約1万社あり、競合他社との競争にともなう価格低下圧力の高まりに直面しております。当社グループは、競争優位性を失わないため、規模による動員力を高め、"One Person, 10 License"というスローガンのもと、社員の資格取得によってサービス付加価値を高め、受注力を強化してまいります。

 

<人手不足を背景とした労務費や採用コストの上昇>

2022年3月の有効求人倍率は5.89倍であり、深刻な人手不足が続いております。当社グループは、前述の資格取得支援による技術的・職業的スキルの開発を通じて社員エンゲージメントを高め、社員のキャリア形成を後押しすることなどにより、採用力の強化と離職率の低下を図り、人手不足を克服してまいります。また、人件費の上昇にともなって、適正な料金設定につとめてまいります。

 

 

サステナビリティーについて

当社グループは、事業を通じた持続的な成長のためには「マンパワー」が最も重要な経営資産であると認識しており、「マンパワー」である社員エンゲージメントを高めることが、当社グループの持続的な成長と、社会価値創出を実現し、持続可能な社会の実現に貢献するものと考えております。

当社グループが心得るべき持続可能な開発目標(SDGs)は以下の通りであると認識しております。

持続可能な開発目標(SDGs)

当社が貢献すべきアクションプラン

1.貧困をなくそう

安全・安心のラストワンマイルを担うのは、適応力を備えた「マンパワー」であり、当社グループは多くの人材を必要としております。当社グループは、雇用創出やダイバーシティへの取り組みを通じて、地域社会に貢献してまいります。

3.すべての人に健康と福祉を

当社グループは、社員の資格取得支援などを通じて、社員の受傷事故防止を含めた道路交通事故の減少に取り組み、一人でも多くの人々が安全・安心な日常社会を営む社会に貢献してまいります。

4.質の高い教育をみんなに

当社グループは、"One Person, 10 License"とスローガンを掲げて社員の資格取得をサポートしており、技術的・職業的スキルの開発による社員エンゲージメントの向上に貢献してまいります。

5.ジェンダー平等を実現しよう

当社グループは、ダイバーシティ推進及び人材確保のため、女性の職域確保を重要な戦略と位置づけており、当社グループの成長を通じて、ジェンダー平等に貢献してまいります。

8.働きがいも経済成長も

当社グループの事業は労働集約型セクターに該当しており、サービスの付加価値向上による生産性向上を目指しております。また、警備業は、持続可能な社会の実現に多大な影響を及ぼす事業であると認識しており、警備業界と警備員の社会的地位の向上につとめてまいります。

11.住み続けられるまちづくりを

当社グループは、事業を通じてユーザーの防災・減災に貢献しております。また、災害発生時には、コントロールセンターが指揮命令系統の中枢として、当社グループ及びユーザーのBCPを担います。

16.平和と公正をすべての人に

当社グループは、安全・安心の提供による社会価値の創出を通じて、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 新型コロナウイルスについて

新型コロナウイルス感染拡大は、当社グループのサービスの提供、営業活動、採用活動に悪影響を及ぼし、今後も悪影響が続く可能性があります。例えば、2022年3月期においては、前期から延期された東京オリンピック・パラリンピック競技大会が無観客開催となったことで一部の受託役務がキャンセルとなり、収益機会が減少いたしました。また、花火大会等の各種イベントも中止・延期又は規模縮小となり、収益機会が減少いたしました。営業活動及び採用活動では、緊急事態宣言発出を受け、対面での活動が停止しておりました。

新型コロナウイルス感染拡大による悪影響は、今後も継続又は拡大する可能性があります。例えば、施設の閉鎖や休業、イベントの中止・延期又は規模縮小により、受託役務の見直しやキャンセルなどの悪影響を受ける可能性があります。また、契約先が新型コロナウイルスの悪影響を受けた場合、警備体制の見直しにより収益が減少する可能性があります。警備員に集団感染が発生した場合は、警備体制を縮小または停止せざるを得ない事態が発生する可能性があります。営業活動及び採用活動では、リモートによる商談・面接が可能な体制を整備いたしましたが、対面での活動に対する制約による悪影響を受ける可能性があります。

新型コロナウイルス感染症に対する取り組みは、「2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。

 

(2) 人材確保について

当社グループは、警備員やマンション管理人などがサービスを提供する労働集約型セクターのひとつであり、人的リソースに大きく依存しております。また、臨時契約は、日々変動する需要どおりの人的リソースを確保・配置するため、稼働管理を行う必要があります。そのため、労働基準法など法規制の遵守を前提に、必要な人員を戦略的に採用することにより対処しております。

しかしながら、2022年3月の有効求人倍率が5.89倍という厳しい環境のなか、採用の計画未達、求人媒体等の料金変動又は取引条件の変更、また多数の人的リソースが意図せず喪失又は流出してしまった場合には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

人材確保に対する取り組みは、「2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。

 

(3) 価格競争について

国内の警備業者は約1万社あり、多くの企業と競争しております。これらの競合他社は、当社グループより高度な経営資源を有する可能性があり、当社グループは、競合他社に効率的に対抗する必要があります。

当社グループは、料金・品質を含む様々な要素で競争しております。競合他社との価格競争によって料金が下落した場合、比例して費用が下落しない場合には利益率の低下につながりますが、費用の多くは労務費で構成されており、費用の下落は現実的ではありません。当社グループは、これらの状況に対処するために、規模による動員力を高め、また社員の資格取得によってサービス付加価値を高め、受注力を強化する必要がありますが、一層激化する競合他社との価格競争にともなう価格低下圧力の高まりに直面しております。

当社グループが、価格下落又は事業に影響を及ぼすコスト圧力について効果的に予測し対応できない場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

価格競争に対する取り組みは、「2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。

 

(4) 法規制の適用について

当社グループは、警備業法の法規制や監督の対象となっております。これらの法規制を遵守することは事業活動における負担をともない、また、遵守にともない費用が発生する可能性があります。また、将来における法規制などの改正・変更は、当該法規制の遵守に対応するための費用の増加や事業活動に対する制約にもつながる可能性があります。例えば、資格者たる警備員の配置基準が強化された場合、資格取得費用の増加、又は既存及び将来的なサービスの顧客への提供の制限又は中止につながり、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループ、ならびに当社グループの従業員が法規制に違反すると、当社グループが罰金、刑罰、法定制裁の対象となり、また、当社グループの事業遂行への制約や評判への悪影響につながる可能性があります。

 

(5) 特定の契約先への依存について

当社グループの売上は、主要取引先10社が5割近くを占めております。当社グループは、これらの取引先と良好で安定した取引関係の維持及び発展に努めておりますが、取引先の動向により価格下落または契約解除が発生した場合は、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 大規模な災害などについて

大規模な地震や風水害などの自然災害、テロ行為、大規模火災、伝染病のパンデミックなどの予期できない大惨事により、当社グループのサービスの提供が一時的に停止したり、混乱に陥ったりする可能性があります。当社グループが、重大な損害を受けた場合、事業活動の停止、オフィスや設備の修繕・置換えにかかる多額の費用計上などが生じる可能性があります。

当社グループは、これら大規模な災害の発生による事業活動の停止に備え、警備員は日々の訓練に取り組むほか、24時間体制のコントロールセンターが事業継続計画の指揮命令系統を担います。コントロールセンターは、東京都に所在しており、北海道にバックアップ機能を備えております。

 

 

(7) 顧客情報の管理について

当社グループは、サービスの提供にあたり、契約先の機密情報及び個人情報を取り扱っております。これらの情報は、悪意を持った第三者、犯罪組織、当社グループの従業員の故意又は過失により侵害を受ける可能性があります。

こうした情報に対する事象によって、売上の喪失、第三者との関係の悪化、機密情報及び個人情報の不正漏洩あるいは悪用、ならびに顧客の維持や勧誘の失敗などが生じ、その結果、当社グループの事業や活動が重大な打撃を受ける可能性があります。また、当社グループは、訴訟や、規制当局による調査や法的措置を含む法的手続きの対象となる可能性があり、その結果、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

当社グループは、ISO27001(ISMS)及びプライバシーマークを認証取得しており、機密情報及び個人情報に対する侵害の防止に取り組んでおります。

 

(8) 特定人物への依存について

当社グループは、当社の創業者であり代表取締役社長の我妻文男を中心とする経営陣の下で経営を行っております。当社グループは、我妻氏に過度に依存しない経営体制の構築を目指し、取締役及び監査役8名のうち5名を社外役員とするなどガバナンスの強化を図っております。しかしながら、何らかの理由により同氏が当社グループにおいて職務を執行することが困難となった場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

(9) 買収、第三者との合弁について

当社は、市場シェアを拡大するため、買収、第三者との合弁を実施しております。例えば、2021年6月に警備事業を行うKSE株式会社(広島県広島市)をセフトHD株式会社と共同出資で設立、事業を開始いたしました。また、2022年4月には警備事業を行う日本セキユリテイサービス株式会社(大阪府大阪市)の全株式を取得し、完全子会社化いたしました。

当社が買収を行う場合、多額の買収コスト又は統合費用の発生、シナジーが実現できないこと、期待された収益の創出とコスト改善の失敗、主要人員の喪失や債務の引き受けによって、当社グループの業績に悪影響が及ぶ可能性があります。

当社が第三者と合弁会社を設立したり戦略的パートナーシップを構築する場合、当社グループの財政状態及び業績は、パートナーとの戦略の相違又は文化的相違、利害の対立、シナジーが実現できないこと、合弁会社及びパートナーシップ維持のために必要となる追加出資や債務保証、合弁パートナーからの持分買取、当社が保有する合弁持分の売却、もしくはパートナーシップの解消、不十分な経営管理、減損損失又は事業活動から受ける風評被害により、悪影響を受ける可能性があります。

 

(10) 信用リスクについて

当社グループは、営業活動や投融資活動などにおいて、主に国内の取引先に対し発生するさまざまな信用リスクにさらされております。当社グループは、その状況を定期的に見直し、必要な引当金等の検討並びに計上を行っておりますが、今後、取引先の財務状態が悪化した場合は、貸倒引当金等を積み増す可能性もあり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 

経営成績の分析

売上高

当連結会計年度の売上高は、前期比1,813百万円増加し、7,997百万円となりました。これは、施設警備分野の大幅な増収などによるものであります。また、前期より積極的な若手人材の採用を進めており、正社員数が前期末565名から当期末642名に増加したことも、前述の収益機会を捉えた要因であります。なお、受注環境が良好であることから、人員が過剰になる想定はありません。売上高の内訳の詳細については、後述の「分野別の状況」をご参照ください。

 

売上原価、販売費及び一般管理費

当連結会計年度の売上原価は、前期に比べ1,155百万円増加して5,745百万円となり、売上高に対する比率は前期の74.2%から71.8%に改善いたしました。この改善は、主に利益率の高い臨時警備を多く受注したことによるものであります。

販売費及び一般管理費は、前年度に比べ16百万円増加して1,280百万円となり、売上高に対する比率は20.4%から16.0%に改善いたしました。この改善は、主に売上高が大幅に増収となったものの、販売費及び一般管理費の抑制ができたことによるものであります。

 

営業利益

当連結会計年度の営業利益は、前期比642百万円増加し、971百万円となりました。この大幅な増益は、主に前述の増収、販売費及び一般管理費の抑制、また前期に新型コロナウイルスによる影響があったことによるものであります。

 

経常利益

当連結会計年度の経常利益は、前期比632百万円増加し、1,052百万円となりました。この大幅な増収は、主に前述の増益、また新型コロナウイルス感染拡大により営業自粛していた他業種企業の雇用維持のため、当該企業の社員を出向受け入れしたことによる産業安定雇用助成金の助成金収入があったことによるものであります。

 

税金等調整前当期純利益

当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、前期に比べ631百万円増加し、1,050百万円となりました。

 

親会社株主に帰属する当期純利益

当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に比べ461百万円増加し、736百万円となりました。

 

なお、当社グループは警備事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しておりますが、分野別の業績は以下のとおりであります。

 

(分野別の状況)

各分野の売上高及び売上高に占める割合は、下記のとおりです。

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

売上高(千円)

構成比

売上高(千円)

構成比

増減額(千円)

増減率

施設警備分野

4,293,969

69.4%

5,872,027

73.4%

1,578,057

136.8%

雑踏・交通誘導警備分野

1,578,075

25.5%

1,744,609

21.8%

166,533

110.6%

その他の分野

312,275

5.0%

380,891

4.8%

68,615

122.0%

合計

6,184,320

100.0%

7,997,527

100.0%

1,813,206

129.3%

 

 

 

施設警備分野

当連結会計年度の施設警備分野の売上高は、前期比1,578百万円増加し、5,872百万円となりました。この大幅な増収は、常駐契約の施設警備の増加、東京オリンピック・パラリンピック競技大会及び新型コロナウイルス関連の警備を実施したことなどによるものであります。施設警備は、大規模重要施設の施設警備などを新規開始いたしました。東京オリンピック・パラリンピック競技大会では、競技会場や選手団宿泊施設等の警備を実施いたしました。新型コロナウイルス関連としては、入国・帰国者向け待機宿泊施設や宿泊療養施設の警備を実施いたしました。

以下の表は、契約期間が1年以上の契約を常駐契約、1年未満の契約を臨時契約として分類して記載したものであります。なお、常駐契約に付随した臨時契約を常駐契約に含むなど、実態に即した分類としております。

 

 

前連結会計年度

(千円)

当連結会計年度

(千円)

増減額

(千円)

常駐契約

4,122,907

4,525,622

402,714

臨時契約

171,062

1,346,405

1,175,343

合計

4,293,969

5,872,027

1,578,057

 

 

雑踏・交通誘導警備分野

当連結会計年度の雑踏・交通誘導警備分野の売上高は、前期比166百万円増加し、1,744百万円となりました。この増収は、新型コロナワクチン接種会場の警備を実施したことなどによるものであります。

 

 

前連結会計年度

(千円)

当連結会計年度

(千円)

増減額

(千円)

常駐契約

469,625

453,916

△15,708

臨時契約

1,108,450

1,290,692

182,241

合計

1,578,075

1,744,609

166,533

 

 

その他の分野

当連結会計年度のその他の分野の売上高は、前期比68百万円増加し、380百万円となりました。この増収は、主にマンション代行管理の成長によるものであります。

 

 

前連結会計年度

(千円)

当連結会計年度

(千円)

増減額

(千円)

常駐契約

221,589

247,199

25,610

臨時契約

90,686

133,691

43,005

合計

312,275

380,891

68,615

 

 

財政状態の分析

当連結会計年度末の財政状態につきましては、次のとおりであります。

(資産)

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ990百万円20.3%)増加し、5,865百万円となりました。これは主に、売上高の増加により現金及び預金が671百万円増加、受取手形及び売掛金が226百万円増加したことによるものであります。

(負債)

当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ360百万円31.3%)増加し、1,512百万円となりました。これは主に、未払法人税等が220百万円増加、未払金が150百万円増加したことによるものであります。

(純資産)

当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ629百万円16.9%)増加し、4,352百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益により736百万円増加したこと及び配当金の支払により115百万円減少したことによるものであります。この結果、自己資本比率は74.2%(前連結会計年度末は76.4%)となりました。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ663百万円増加し、3,136百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動から得られた資金は、前期比754百万円増加し、912百万円となりました。この増加は、売上高の増加による税金等調整前当期純利益1,050百万円、売上債権の増加額226百万円などによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動に使用した資金は、前期比119百万円減少し、26百万円の支出となりました。この減少は、投資有価証券の取得による支出が16百万円となり、前年比229百万円出減少したこと及び前年に発生した保険積立金の解約187百万円による収入が当期は発生していないことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動に使用した資金は、前期比329百万円減少し、222百万円の支出となりました。この減少は、前年において発生した長期借入による収入500百万円が当期は発生していないこと及び自己株式の取得による支出が231百万円減少したことなどによるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績

当社グループは、生産活動を行っていないため、該当事項はありません。

 

b. 販売実績

当連結会計年度における販売実績を分野別に示すと、次のとおりであります。なお、当社グループは警備事業の単一セグメントであります。

分野の名称

第38期連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比
(%)

施設警備分野

(千円)

5,872,027

136.8

雑踏・交通誘導警備分野

(千円)

1,744,609

110.6

その他の分野

(千円)

380,891

122.0

合計

(千円)

7,997,527

129.3

 

(注) 1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合

相手先

第37期連結会計年度

第38期連結会計年度

販売高
(千円)

割合
(%)

販売高
(千円)

割合
(%)

セコムジャスティック㈱

620,368

10.0

 

2.当連結会計年度のセコムジャスティック㈱への販売高及び総販売実績に対する割合については、当該割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、前述のとおり、常駐契約の施設警備の増加、東京オリンピック・パラリンピック競技大会及び新型コロナウイルス関連の警備を実施したことなどにより、大幅な増収増益となりました。

 

常駐契約について

常駐契約は、安定的な収益基盤となるため、中長期の成長を見据えて受注を積み上げていく方針であります。2022年3月期においては、大規模重要施設などの施設警備が新規開始しました。当社グループは、このような年単位契約の積み上げを重視しており、例えば、工事現場における交通誘導警備では、ライフライン工事にともなう誘導業務など、年間を通じて稼働する業務を収益基盤とするよう努めております。また、常駐契約は警備員の稼働が安定することから、結果的に採用コストが抑制できることにもつながっております。なお、大規模重要施設の実績は、競争優位性を高めております。

 

臨時契約について

東京オリンピック・パラリンピック競技大会では、当社グループとしては過去最大の警備員を動員し、収益に大きく貢献いたしました。東京オリンピック・パラリンピック競技大会、及び後述の新型コロナウイルス関連においては、一時的に稼働率を上げる必要がありました。そのため、当社グループは、臨時スタッフとして外国語大学や体育大学の学生スタッフ、コロナ禍で営業自粛していた他業種企業からの出向社員を受け入れ、過去最大の警備員の動員に成功しました。また、例えば、外国語大生は、コロナ禍で留学できずにいたところ、当社グループでの活動経験を通じて、世界中のアスリートや関係者とコミュニケーションを取ることができ、大変意義深い経験となりました。

新型コロナウイルス関連では、当社グループ社員のほか、前述の他業種企業からの出向社員を多く動員し、収益に大きく貢献いたしました。また、入国・帰国者向け待機宿泊施設や宿泊療養施設など、突発的かつ特異的な警備の経験をしたことは、当社グループのノウハウとして蓄積されることとなりました。

また、臨時スタッフだけでなく、正社員人材の採用成果が収益に大きく貢献いたしました。当社グループでは、2021年4月付けで96名の新入社員が入社いたしました。また、期中には第二新卒・既卒を117名が入社いたしました。若手人材は将来の幹部候補生として育成していく方針ですが、現在は警備員として収益に貢献しており、そのキャリアを積み上げております。

 

採用環境について

2022年3月の有効求人倍率が5.89倍という厳しい環境のなか、前述のとおり、多くの若手人材が入社いたしました。当社グループは、上場会社であること(警備を主力事業とする上場会社は7社のみ)、他社が選択していない採用方法を取ることなどによって、採用を優位に進めてまいりました。

また、前述の若手人材の入社は、およそ半数が女性であります。警備業界では、女性警備員の割合が6.7%(警察庁生活安全局生活安全企画課「令和2年における警備業の概況」)と男性警備員比率が高くなっているなか、当社正社員の女性社員比率は23%であります。女性警備員は、女性視点での警備業務実施、女子便所の巡回、女性の所持品検査などが可能であるため、ユーザーから高い評価を得ております。また、2022年3月期末時点の女性管理職比率は14.6%であります。当社グループは、ダイバーシティ推進及び人材確保のため、女性の職域拡大を重要な戦略に位置づけており、当社グループの成長を通じて、ジェンダー平等に貢献してまいります。

 

セコム株式会社との業務・資本提携について

当社は、2020年5月より、業界最大手のセコム株式会社と業務・資本提携を行っております。営業活動としては同社からの委託等により受注が大幅に拡大しており、人材育成としては人的交流によりノウハウの共有を行っております。引き続き同社との関係を強化してまいります。

 

今後について

当社グループは、積極的な若手人材の採用を行ったことなどにより品質と動員力を備えており、お客さまから強い需要を受けております。このような環境下で、引き続き人材の確保に努めるとともに、品質向上に取り組んでおります。また、2022年3月期に新潟県及び広島県に新たに営業所を設置しており、常駐契約の受注に向けて営業活動に取り組んでおります。

当社グループは、競争優位性を向上させるため、"One Person, One License"から"One Person, 10 License"にキーワードをあらため、社員の資格取得により付加価値を高め、受注力を強化してまいります。また、資格取得による技術的・職業的スキルの開発を通じて社員エンゲージメントを高め、社員のキャリア形成を後押しすることなどにより、採用力の強化と離職率の低下を図ってまいります。中長期視点で常駐契約の施設警備の拡大に注力し、持続的かつ安定的な成長に取り組んでまいります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

2018年3月期

2019年3月期

2020年3月期

2021年3月期

2022年3月期

自己資本比率(%)

77.8%

81.7%

82.1%

76.4%

74.2%

時価ベースの

自己資本比率(%)

94.0%

88.0%

89.6%

74.1%

キャッシュ・フロー対

有利子負債比率(年)

0.1

0.0

0.0

2.7

0.3

インタレスト・

カバレッジ・レシオ(倍)

681.6

1,814.9

926.3

196.5

995.7

 

 自己資本比率:自己資本/総資産

 時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

 キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

 インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

(注) 1.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

2.株式時価総額は自己株式と除く発行済株式総数をベースに計算しております。

3.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。利払いは、連結損益計算書の支払利息を利用しております。

4.有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。

5.「時価ベースの自己資本比率」について、当社株式は2019年3月期に上場しており、2018年3月期以前は株価が存在しないため、記載しておりません。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。当社グループの連結財務諸表を作成するにあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

(業務・資本提携の契約締結)

契約先

セコム株式会社

東京都渋谷区神宮前1丁目5番1号

契約日

2020年5月14日

契約期間

契約締結から2年間とし、1年ごとに自動的に更新

契約内容

① 業務提携

   営業・業務等に関する情報提供及び支援

② 資本提携

  セコム株式会社は当社普通株式45,000株(発行済株式総数の3.11%を保有

 

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。