本書提出日現在における経営方針、経営指標及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。また、文中の将
来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
1.ミッション
在宅ホスピスの研究と普及
2.ビジョン
年間1万人在宅看取り支援
3.コーポレートスローガン
すべては笑顔のために ~ For The Smile ~
(2) 経営戦略等
当社グループは、末期がんや難病患者等の「ターミナルケア」に特化したサービスを提供しており、在宅での「看取り」を含む同分野での先進的な事業モデルの構築と人材の育成に注力してまいりました。今後、同分野における社会的ニーズがより一層高まり続ける中で、短期的には、この先進事業モデルを愛知県及び関東地区に展開し、中長期的には日本全国への普及を目指すことを計画しております。
当社グループにおきましては、在宅ホスピス事業を中心とした、地域ニーズに即応しうる機動的な事業推進体制を構築し、更なる事業運営効率の向上、収益力の向上を図ってまいります。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、持続的な成長による企業価値の向上を目的として、収益力を高め、経営の効率化を図るため、経常利益率を重要な経営指標と位置づけ、各経営課題の改善に取り組んでまいります。
また、当社グループは、ホスピス施設における提供可能室数及び月次入居率(月間延べ入居室数÷(提供可能室数×月間日数))を経営成績に影響を与える主要な経営指標として捉えております。
(4) 当社グループの対処すべき課題
① 事業展開に伴う課題
当社グループのサービスは高い専門性によるターミナルケアを特徴としているため、当社グループの事業を地域・行政機関・病院などの関係者に理解して頂き、浸透させていくことが重要と考えております。また、当社グループに共感を持って頂く複数の提携医との関係構築も同じく重要であり、今後の課題であると考えております。
② 人材の確保と社員育成
今後の事業展開を図る上で、看護師・介護士等の適時適切な採用及び配置が求められ、その中でも各ホスピス施設及び事業所の管理者クラスの人材確保が早急の課題となってまいります。
また、末期がんやALS(筋萎縮性側索硬化症)等の難病のケアには非常に高い専門性が求められることから、訪問看護・介護業務に関する経験の浅い看護師・介護士に対して、経験豊富なベテラン社員によるOJT(職場内実施研修)をはじめとした、個々人のスキルアップを図る施策を積極的に行ってまいります。
③ 内部管理体制の強化
質の高いサービスを提供するために社員1人1人の意識向上を図り、また安定的に事業を拡大するためには内部管理体制の更なる強化が不可欠であると考えております。そのために、内部統制体制を構築し、ガバナンスを強化するとともに、情報セキュリティ、労務管理、事故防止をはじめとするコンプライアンス体制の構築に取り組んでまいります。
④ 財務基盤の強化
安定的かつ継続的に当社グループのサービスを提供するため、財務の健全性の確保が不可欠であります。今後は、フリーキャッシュフローの確保と有利子負債の圧縮に取り組み、財務基盤の強化に取り組んでまいります。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる事項には、以下のようなものがあります。また、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 事業展開のための人員の確保について
当社グループは、在宅ホスピス事業を展開するにあたり、看護師及び介護士の積極的な採用を行い、組織体制の強化及び質の高いケアサービスを提供することで、医療機関等をはじめとした地域医療との連携を図っていく方針であります。
また、末期がんやALS等の難病のケアには、高い専門性が求められることから、訪問看護または訪問介護の経験の浅い看護師ならびに介護士でも安心して働けるように、ベテラン看護師ならびに介護士によるOJT制度による教育研修を行ってまいります。またそれと同時に、マネジメント研修など管理職に対する教育体制の充実を図り、安定した人員の確保に努めてまいります。しかし、今後、必要とする看護師及び介護士の採用及び確保できない場合、十分な研修等を実施できず、看護師及び介護士等の育成が困難となった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 訪問看護及び訪問介護に関する法的規制について
① 訪問看護及び訪問介護の医療及び介護報酬に係るリスク
当社グループは、「医療保険制度」「介護保険制度」「障害者総合支援法」のそれぞれに基づく訪問看護及び訪問介護を行っております。このうち「医療保険制度」に基づく診療報酬は2年に1度、「介護保険制度」に基づく介護報酬は3年に1度の頻度で制度の改定が行われます。今後、診療報酬及び介護報酬の見直しにより、大幅な改定が行われた場合には当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 訪問看護及び訪問介護等に必要な指定に係るリスク
当社グループは、訪問看護及び訪問介護を行うために「健康保険法」ならびに「介護保険法」に基づく、各サービス事業者の指定を各都道府県知事から受けております。それぞれの指定には、資格要件、人員要件、設備要件及び運営要件が規定されており、これらの規定に従って事業を運営しております。
当社グループでは、看護師・介護士等の有資格者の入退社や新規施設の開設に伴い、自治体等の基準の確認及び変更に必要な届け出を怠らないよう細心の注意を払って運営しており、本書提出日現在、事業運営の継続に支障を来すような状況は生じておりません。しかしながら、これらの基準を遵守できなかった場合や診療報酬及び介護報酬等の不正請求が認められた場合には、指定の取消又は停止等の処分を受けるおそれがあります。特に介護保険法に基づく各種指定について、当社グループ内のいずれかの会社が指定取消を受けた場合、当該会社において、指定取消から5年以内における新たな指定の取得及び介護サービス事業所としての更新が出来なくなります。その場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当社各事業所が受けている指定は次のとおりです。
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取得 |
所轄官庁 |
許認可名称 |
許認可内容 |
有効期限 |
主な許認可取消事由 |
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当社 各事業所 |
厚生労働省 地方厚生局 |
指定訪問看護事業者 |
健康保険法の訪問看護事業 |
6年毎 の更新 |
健康保険法 第95条(指定訪問看護事業者の指定の取消し) |
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都道府県又は 政令指定都市 |
指定訪問看護事業者 |
介護保険法の訪問看護事業 |
介護保険法 第77条(指定の取消し等) |
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都道府県又は 政令指定都市 |
指定訪問介護事業者 |
介護保険法の訪問介護 |
介護保険法 第77条(指定の取消し等) 障害者総合支援法 第50条(指定の取消し等) |
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都道府県又は 政令指定都市 |
指定居宅介護支援事業者 |
介護保険法の居宅介護支援 |
介護保険法 第77条(指定の取消し等) |
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都道府県又は 政令指定都市 |
通所介護事業者 |
介護保険法の通所介護 |
介護保険法 第77条(指定の取消し等) |
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都道府県又は 政令指定都市 |
看護小規模多機能型居宅介護 |
介護保険法の看護小規模多機能型居宅介護 |
介護保険法 第77条(指定の取消し等) |
(3) 訴訟リスクについて
当社グループの看護師は、主治医の訪問看護指示書に基づいて訪問看護を行っており、訪問介護士はケアマネージャーの作成するケアプランに沿って訪問介護を行っております。また、当社グループでは、社内でのOJTによる研修をはじめとした教育研修の充実を図り、安全衛生管理に係る規程や各種の運営マニュアルを遵守することにより、事故防止や緊急事態の対応が出来るように取り組んでおります。
しかしながら、従業員の人為的なミスまたは不測の事態の発生等によって利用者の健康状態が悪化し、利用者、そのご家族または主治医等からの信頼が失われる等により訴訟が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 個人情報の漏洩について
当社グループは事業を運営するにあたり、利用者あるいはそのご家族の重要な個人情報を取り扱っております。当社グループは、「個人情報保護規程」を制定し、個人情報については厳重に管理する等、様々な情報漏洩防止対策を講じていますが、万が一情報が流出するなどして、当社の信用が低下した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 風評等の影響について
当社グループの事業は、利用者やそのご家族に限らず、行政や医療機関等との連携によって円滑な運営が可能になっているものと考えております。当社グループでは、安定的かつ質の高いサービスを提供するために、技術的な研修を行うとともに、企業方針を浸透させるなどの教育を行っております。しかし、従業員の不祥事等何らかの事象の発生や、当社グループに関する不利益な情報や風評が広まった場合には、利用者、行政、医療機関等との関係が悪化し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 利用者の逝去、退去等について
当社グループは、行政や医療機関等との連携によって、安定的な利用者の確保に努めており、当社グループのサービスは、高齢者の増加と共に市場が拡大し需要が増加している状況にあると認識しております。しかしながら、新規開設施設等において想定通り入居者が集まらない場合、ターミナルケアに特化した施設であることから、当社グループが想定する以上の入居者の逝去、退去等があった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 差入保証金の返還について
当社グループは、ホスピス施設又は事務所等を賃借する場合に、契約時に賃貸人に対し保証金を差し入れている場合があります。当該保証金は期間満了等による契約解消時に契約に従い返還されることになっておりますが、賃貸人の経済的破綻等によりその一部又は全額が回収できなくなる可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 賃貸借契約に係る解約違約金について
当社グループは、ホスピス施設を保有するオーナーと賃貸借契約の締結に際し、株式会社ラ・アトレペイメントとの間で賃貸借契約の中途解約に関する契約を締結しております。平成30年1月以降に開設したホスピス住宅施設に関しては、賃貸借契約の中途解約に関する契約を締結し、ホスピス住宅施設に係る賃貸借契約の中途解約時の解約違約金支払義務の免責を図っておりますが、賃貸借契約の中途解約に関する契約を締結していないホスピス施設については、賃貸借契約に定められた期間満了日前に中途解約をした場合は、契約内容に従って多額の解約違約金の支払いが必要となります。何らかの理由によりホスピス施設の運営を中止し、多額の解約違約金を支払う場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 特定の取引先への依存について
当社グループは、3つのホスピス施設を株式会社ラ・アトレより賃借しており、同社のグループ会社であります株式会社ラ・アトレペイメントと4つのホスピス施設に関して賃貸借契約の中途解約に関する契約を締結しております。当社グループとこれらの特定の取引先とは、これまで長年にわたり緊密かつ良好な関係にあり、今後もこれまでの取引関係を維持・発展させていく方針でありますが、特定の取引先の経営方針や業績に著しい変化等が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(10) 大規模な災害等の影響について
当社グループは、東京都、神奈川県及び愛知県にて事業展開を行っておりますが、大規模な地震、台風等の災害により、事業所建物や看護師、介護士及び利用者が損害を被った場合には、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 有利子負債について
当連結会計年度末における有利子負債残高(リース債務を含む)は2,430,448千円、有利子負債依存度(リース債務を含む)は73.3%となっており、有利子負債依存度が高い状況となっております。そのため、金利水準が上昇した場合や、計画通りの資金調達が出来なかった場合には、支払利息が増加し、当社グループの事業展開のスピードが減速するなど、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは事業資金の調達を行うに際し、取引金融機関との間でシンジケートローン契約を締結しておりますが、当該契約には一定の財務制限条項が付されております。本書提出日現在においては財務制限条項に抵触しておりませんが、今後抵触した場合には、該当する借入金の一括返済及び契約解除となるおそれがあり、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、財務制限条項の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結貸借対照表関係) ※1 財務制限条項」に記載のとおりです。
(12) 特定経営者への依存について
当社の代表取締役社長である高橋正は、当社グループの経営方針や事業戦略の立案・決定における中枢として重要な役割を果たしております。取締役会や経営戦略会議等において、役員及び社員への情報共有や権限移譲を進める等、組織体制の強化を図りながら、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めております。しかしながら、何らかの理由で同氏が当社の業務を継続することが困難になった場合には、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(13) 新株予約権行使の影響について
当社は、当社グループの役員及び従業員に対するインセンティブを目的とし、新株予約権を付与しております。これらの新株予約権が権利行使された場合、当社の株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。なお、本書提出日現在これらの新株予約権による潜在株式数は1,150,000株であり、発行済株式総数7,444,000株の15.4%に相当しております。
(14) 配当政策について
当社グループは将来に向けた事業の拡大に向け、必要な人材の確保及び新規開設に係る設備投資等の先行投資を行うため、また迅速な経営に備えるために、内部留保の充実が重要であると認識しております。そのため、第1期の配当金については無配としております。しかしながら、株主に対する利益還元として配当を行うことも重要な経営課題の1つであることから、今後につきましては利益を確実に計上できる体制の確立を図ることによって財務体質の強化を行い、財政状態及び経営成績を勘案しながら、配当を実施していく方針であります。ただし、当社グループの業績が計画通り進展しない場合等、当社グループの業績が悪化した場合には、継続的に配当を行えない可能性があります。
(15) 利益剰余金のマイナスについて
当社グループの前連結会計年度末の利益剰余金は、平成29年1月4日付の株式移転前に、関係会社で発生した親会社株主に帰属する当期純損失の計上等により、△349,328千円となっておりました。当連結会計年度は既存施設の稼働率が88.1%だったことに加え、グループで新たに4施設をオープンしたことにより、親会社株主に帰属する当期純利益149,456千円を計上いたしました。その結果、当連結会計年度の利益剰余金は△199,871千円となりました。
当社グループは、利益を確実に計上していくことにより、利益剰余金のマイナスを早期に解消することを経営の最優先課題として認識しておりますが、事業の進捗が何らかの理由により進まない場合、解消までに時間を要する可能性があります。
(16) 税務上の繰越欠損金について
当社グループは平成30年12月期末日時点で、173,491千円の税務上の繰越欠損金を有しております。これは、カイロス・アンド・カンパニー株式会社にて平成25年11月期以降に発生したものであります。なお、平成30年2月にカイロス・アンド・カンパニー株式会社に吸収合併され、消滅したカイロス東京株式会社の繰越欠損金は、カイロス・アンド・カンパニー株式会社が継承し、上記金額に含まれております。
今後、当社グループの業績が順調に推移し、課税所得が生じますと法人税等の税負担が軽減されます。しかしながら、将来において連結子会社の当該繰越欠損金が解消された以降は税負担が増加し、当社の当期純利益及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財務状況及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、企業業績が改善し、そのことが雇用情勢や所得環境の改善に繋がり、全体として緩やかな回復基調が継続しております。一方で、新興国の景気下振れリスクや北朝鮮をめぐる地政学的なリスクの高まりなどによる国内経済への影響も懸念され、先行きの見通しは依然として不透明な状況が続いております。
当社グループの事業が関わる医療・看護・介護の環境につきましては、高齢者の増加と共に市場が拡大し需要が増加する一方で、社会保障費の抑制を目的として、病院を中心とした施設から在宅を中心とした医療へのシフトが進み、あわせて医療と介護の連携や地域単位でのケア等が促進されると予想されます。
このような状況の中、当社グループは「すべては笑顔のために ~ For The Smile ~」というコーポレートスローガンを掲げ、在宅での看取りを前提とした、在宅ホスピス事業を推進してまいりました。当連結会計年度においては、これまでの事業所に加えて、平成30年2月に「ナーシングホームOASIS知立(愛知県知立市)」、平成30年4月に「ナーシングホームOASIS志賀公園(愛知県名古屋市)」「ファミリー・ホスピス成瀬ハウス(東京都町田市)」、平成30年8月に「ファミリー・ホスピス池上ハウス(東京都大田区)」の4つのホスピス住宅施設を新たに開設し、拠点の拡大を進めてまいりました。
また、当連結会計年度において、ホスピス住宅施設の賃貸借契約の締結に際し、中途解約に関する契約を締結していることから、ホスピス住宅施設の賃借取引については通常の賃貸借取引として会計処理を行っております。なお、前連結会計年度以前に締結した中途解約に関する契約はありませんので、前連結会計年度以前に賃貸借契約を開始しているホスピス住宅施設については、所有権移転外ファイナンス・リース取引として通常の売買取引に係る方法に準じた会計処理を適用しております。
さらには、平成30年8月に開設したファミリー・ホスピス池上ハウス(東京都大田区)について、従前の事業者からの施設の承継にあたり、当該介護事業者との間で運転資金等に関する負担金契約を締結しており、当該契約に基づき総額130,000千円の負担金を受領しております。当該負担金は、対象施設の開設に要する費用に相当するものであり、売上原価と明確に対応する部分を売上原価から控除することとし、それ以外の部分を受取負担金として特別利益に計上しております。
この結果、当期連結会計年度の財務状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財務状況
当連結年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ136,488千円増加し、3,313,598千円となりました。
当連結年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ12,968千円減少し、2,949,896千円となりました。
当連結年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ149,456千円増加し、363,701千円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高3,015,192千円(前年同期比59.1%増)、営業利益242,793千円(前年同期比388.2%増)、経常利益は133,585千円(前連結会計年度は経常損失40,821千円)、親会社株主に帰属する当期純利益は149,456千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失60,490千円)となりました。
なお、当社グループは、在宅ホスピス事業のみの単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
② キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、税金等調整前当期純利益が198,585千円(前年同期は税金等調整前当期純損失40,821千円)と増加したものの、売掛債権の増加や短期借入金及び長期借入金の返済による支出等の要因により減少し、前連結会計年度に比べ40,639千円減少し、当連結会計年度末には386,188千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は240,716千円(前連結会計年度は4,667千円の収入)となりました。これは主に売掛金の増加額169,670千円があった一方で、税金等調整前当期純利益198,585千円、減価償却費69,929千円、のれん償却額55,872千円、受取負担金の受領額65,000千円等が生じたことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は144,944千円(前連結会計年度は141,915千円の収入)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出81,096千円、差入保証金の差入れによる支出59,311千円が生じたことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は136,411千円(前連結会計年度は34,001千円の支出)となりました。これは主に、長期借入金の借入れによる収入182,540千円があったものの、短期借入金の返済による支出148,300千円、長期借入金の返済による支出147,341千円等があったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
該当事項はありません。
b.受注実績
該当事項はありません。
c.販売実績
当社グループは、在宅ホスピス事業の単一セグメントであるため、地域別の販売実績を記載しております。
|
地域別 |
当連結会計年度 (自 平成30年1月1日 至 平成30年12月31日) |
前年同期比(%) |
|
中部地区(千円) |
1,671,587 |
137.5 |
|
関東地区(千円) |
1,343,604 |
197.8 |
|
合計(千円) |
3,015,192 |
159.1 |
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 平成29年1月1日 至 平成29年12月31日) |
当連結会計年度 (自 平成30年1月1日 至 平成30年12月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
愛知県国民健康保険団体連合会 |
953,022 |
50.3 |
1,305,525 |
43.3 |
|
神奈川県国民健康保険団体連合会 |
346,153 |
18.3 |
520,594 |
17.3 |
|
東京都国民健康保険団体連合会 |
101,608 |
5.4 |
388,164 |
12.9 |
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者により一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行ってまいりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらと異なることがあります。この連結財務諸表の作成にあたって重要となる会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績等
1) 財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は、956,302千円(前連結会計年度末は806,833千円)となり、前連結会計年度末に比べて149,469千円の増加となりました。その主な要因は、売上規模の拡大に伴って売掛金が増加したことによるものであります。
当連結会計年度末における固定資産は、2,357,295千円(前連結会計年度末は2,370,276千円)となり、前連結会計年度末に比べて12,980千円減少となりました。その主な要因は、新規施設開設に伴う固定資産の購入で増加した一方で、のれん及び固定資産の減価償却が進んだことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は、546,841千円(前連結会計年度末は559,778千円)となり、前連結会計年度末に比べて12,936千円減少となりました。その主な要因は、事業の拡大に伴って未払費用等が増加した一方で、短期借入金から長期借入金への借り換えにより短期借入金が減少したことによるものであります。
当連結会計年度末における固定負債は、2,403,055千円(前連結会計年度末は2,403,087千円)となり、前連結会計年度に比べて31千円の減少となりました。その主な要因は、長期借入金の返済や、リース債務の減少があった一方で、短期借入金から長期借入金への借り換えにより長期借入金が増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、363,701千円(前連結会計年度末は214,244千円)となり、前連結会計年度末に比べて149,456千円の増加となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益149,456千円を計上したことによるものであります。
この結果自己資本比率は、10.8%(前連結会計年度は6.6%)となりました。
2) 経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高の合計は3,015,192千円(前連結会計年度は1,895,428千円)となりました。これは主に、平成29年12月期に開設したホスピス施設の入居率が安定したことと、当連結会計年度において、4つの新規ホスピス施設をオープンさせたことにより、当社グループのホスピス施設における提供可能室数が100室増加し、合計323室となったことによるものであります。
(売上原価)
当連結会計年度における売上原価の合計は2,373,557千円(前連結会計年度は1,543,815千円)となりました。これは主に新規ホスピス施設に係る開設準備費用、新規ホスピス施設のオープンにより看護師・介護士が増加したことによる労務費の増加等によるものであります。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費の合計は398,840千円(前連結会計年度は301,884千円)となりました。また売上高に対する割合は13.2%(前連結会計年度は15.9%)となりました。これは主に事業拡大に伴う人件費等の増加によるものであります。
(経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は2,124千円(前連結会計年度は3,535千円)となりました。
当連結会計年度における営業外費用は111,332千円(前連結会計年度は94,085千円)となりました。これは主に支払利息の増加によるものであります。
この結果、当連結会計年度における経常利益は133,585千円(前連結会計年度は経常損失40,821千円)となりました。
(税金等調整前当期純利益)
当連結会計年度における税金等調整前当期純利益は198,585千円(前連結会計年度は税金等調整前当期純損失40,821千円)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における法人税等の合計は49,128千円(前連結会計年度は19,668千円)となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は149,456千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失60,490千円)となりました。
b.経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、在宅ホスピス事業を展開するにあたり、組織体制の強化及び質の高いケアサービスを提供することで、医療機関等をはじめとした地域医療との連携を図っていく方針でありますが、必要とする看護師及び介護士の採用及び十分な人数の確保ができない場合又は十分な研修等を実施できない場合には、当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があると考えております。
また、従業員の人為的なミス又は不測の事態の発生等による訴訟が生じた場合、個人情報の流出等により当社の信用が著しく低下した場合に、経営成績に重要な影響を与えると考えております。
この対応策として、看護師及び介護士の積極的な採用を行い、研修等を通じて経営理念を浸透させるとともに、質の高いホスピスサービスを提供するよう従業員に対する指導、教育体制の充実を図っております。
c.資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、従業員の給与及び手当のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金を基本としており、設備投資や長期運転資金につきましては、金融機関からの長期借入やリースによる調達を基本としております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高(リース債務を含む)は2,430,448千円、有利子負債依存度(リース債務を含む)は73.3%と依然として高い水準にありますが、事業運営上、必要な資金を安定的に確保していると認識しております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は386,188千円となっており、事業運営上、必要な流動性を確保していると認識しております。
d.主要な経営指標等の状況
当社グループは、ホスピス施設における提供可能室数及び月次入居率(月間延べ入居室数÷(提供可能室数×月間日数))を経営成績に影響を与える主要な経営指標として捉えております。
平成30年12月期においては、当社グループのホスピス施設における提供可能室数は、323室(平成29年12月期は223室)となり、4つのホスピス施設を開設した結果、合計100室が増加しました。
平成30年12月期における既存のホスピス施設(平成29年12月期以前に開設したホスピス施設)の年平均入居率(年間延べ入居室数 ÷ (提供可能室数 × 年間日数)は88.1%であり、平成29年12月期における同施設の年平均入居率86.7%を上回っております。
また、新規のホスピス施設(平成30年12月期以降に開設した新規のホスピス施設)の年平均入居率は61.6%となりました。当社グループのホスピス施設は、開設後に順次利用者を受け入れていく運営方法を採用しているため、開設の初年度は年平均入居率が低くなります。
それぞれの経営指標の具体的な推移は次のとおりです。
提供可能室数の推移
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平成29年12月期 |
平成30年12月期 |
|
提供可能室数(室) |
223 |
323 |
(注)提供可能室数は各期末時点における数値を記載しております。
年平均入居率の推移
(単位:%)
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施設名称 |
開設時期 |
室数 (室) |
平成29年 12月期 |
平成30年 12月期 |
|
ナーシングホームJAPAN |
平成21年1月 |
26 |
90.4 |
88.6 |
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ナーシングホームOASIS |
平成25年9月 |
36 |
82.9 |
82.0 |
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ナーシングホームOASIS南 |
平成29年1月 |
34 |
55.5 |
77.9 |
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ナーシングホームOASIS北 |
平成29年5月 |
16 |
70.2 |
90.0 |
|
ナーシングホームOASIS知立 |
平成30年2月 |
28 |
- |
60.8 |
|
ナーシングホームOASIS志賀公園 |
平成30年4月 |
26 |
- |
71.2 |
|
ファミリー・ホスピス鴨宮ハウス |
平成26年8月 |
12 |
91.9 |
96.9 |
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ファミリー・ホスピス本郷台ハウス |
平成28年10月 |
12 |
85.0 |
95.8 |
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ファミリー・ホスピスライブクロス(注)4 |
平成28年10月 |
50 |
92.6 |
94.2 |
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ファミリー・ホスピス四之宮ハウス |
平成29年4月 |
37 |
52.9 |
88.6 |
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ファミリー・ホスピス成瀬ハウス |
平成30年4月 |
20 |
- |
49.9 |
|
ファミリー・ホスピス池上ハウス |
平成30年8月 |
26 |
- |
61.9 |
(注)1.室数は平成30年12月期末における数値を記載しております。
2.年平均入居率は下記の方法により算出しております。
年平均入居率 = 年間延べ入居室数 ÷ (提供可能室数 × 年間日数)
3.新規のホスピス施設は、開設後に段階的に利用者を受け入れることにより運営を行っているため、開設初年度においては入居率が低くなる傾向があります。
4.ファミリー・ホスピスライブクロスは、平成28年10月よりカイロス東京株式会社が運営を承継しておりますが、カイロス東京株式会社は平成29年7月1日より連結の範囲に含んでおりますので、平成29年7月1日以降の数値を記載しております。なお、カイロス東京株式会社は、平成30年2月1日付のカイロス・アンド・カンパニー株式会社を存続会社とする吸収合併により、消滅しております。
(1)賃貸借契約の中途解約に関する契約
当社グループは、本書提出日現在においてホスピス住宅施設の賃貸借契約の締結に際し、当該契約による当社グループが負う中途解約時の解約違約金支払義務の免責を目的とした契約を下記のとおり締結しております。
したがって、当該契約を締結したホスピス住宅施設の賃借取引については、通常の賃貸借取引として会計処理を行っております。ただし、当連結会計年度以前に締結した同様の契約はありませんので、当連結会計年度以前に賃貸借契約を開始しているホスピス住宅施設については、所有権移転外ファイナンス・リース取引として通常の売買取引に係る方法に準じた会計処理を適用しております。
当該契約の主な内容は次のとおりです。
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契約締結日 |
契約締結先 |
契約期間 |
対象施設 |
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平成30年1月1日 |
株式会社ラ・アトレペイメント(※) |
平成30年1月1日 ~平成60年6月30日 |
ナーシングホームOASIS知立 |
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平成30年3月1日 |
株式会社ラ・アトレペイメント(※) |
平成30年3月16日 ~平成60年3月15日 |
ファミリー・ホスピス成瀬ハウス |
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平成30年4月1日 |
株式会社ラ・アトレペイメント(※) |
平成30年4月1日 ~平成44年10月31日 |
ナーシングホームOASIS志賀公園 |
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平成30年7月16日 |
株式会社ラ・アトレペイメント(※) |
平成30年7月16日 ~平成60年4月30日 |
ファミリー・ホスピス池上ハウス |
※ 株式会社ラ・アトレペイメントの会社概要
代表者氏名 :代表取締役 脇田 栄一
所在地 :東京都港区海岸1丁目9番18号
事業内容 :信用購入あっせん事業
資本金 :2,000万円
設立 :平成29年1月13日
(2)連結子会社の吸収合併
カイロス・アンド・カンパニー株式会社は平成29年12月18日の臨時株主総会において、カイロス東京株式会社を吸収合併することを決議し、同社との間で、平成29年12月4日付で合併契約を締結し、平成30年2月1日付で吸収合併いたしました。
合併の概要は以下のとおりです。
1.本吸収合併の目的
経営資源の最適配置により、事業展開の拡大を図ることを目的としております。
2.本吸収合併の条件等
(1) 本吸収合併の方法
カイロス・アンド・カンパニー株式会社を存続会社、カイロス東京株式会社を消滅会社とする吸収合併
(2) 引継資産・負債の状況
吸収合併の効力発生日をもって、吸収合併消滅会社であるカイロス東京株式会社の一切の資産、負債及び権利義務は、吸収合併存続会社であるカイロス・アンド・カンパニー株式会社に引き継いでおります。
3.本吸収合併に係る割当ての内容
本吸収合併は、当社の完全子会社であるカイロス・アンド・カンパニー株式会社とカイロス東京との間で行うものであることから、無対価合併とし、株式その他金銭等の割当て及び交付は行いません。
4.本吸収合併の後の吸収合併存続会社となる会社の資本金・事業の内容等
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吸収合併存続会社 |
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商号 |
カイロス・アンド・カンパニー株式会社 |
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所在地 |
東京都千代田区丸の内三丁目3番1号 |
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代表者の氏名 |
代表取締役 宮地 宗男 |
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資本金の額 |
35,000千円 |
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事業の内容 |
関東地区における末期がんや難病患者等の「ターミナルケア」に特化したサービスの提供 |
該当事項はありません。