第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は 当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針・経営戦略

当社は、私たちの未来社会が豊かで楽しくあることを願っております。

キャッチフレーズである“Creating Life of Your Dreams”~半歩先の技術で人々の生活を豊かに~のもと、

未来社会の創生に、当社は半歩先のソフトウェア技術で貢献したいと考えております。

 

人々が利用するデジタル機器は便利になりました。しかし、利用が難しいと思われる方もいらっしゃいます。誰でも便利な機能やサービスの恩恵を受けられる社会の実現が求められています。

最先端のソフトウェア技術をやさしく、誰にでも利用できるようにすることが、当社の存在意義であります。

 

この経営の基本方針を実現するため、当社は“次世代事業の創生”と“収益性の向上”を経営戦略としております。持続的な“収益性の向上”のためには、“次世代事業の創生”が不可欠であり、また、“次世代事業の創生”に必要な研究開発資金を生み出すためには、“収益性の向上”が重要であります。両戦略に基づき着実に成果を出すことが、当社の持続的な成長につながり、ひいては豊かな未来社会の創造に貢献するものと考えております。

 

(2)目標とする経営指標

当社は安定的な経営を実現するために目標としている経営指標として、営業利益を重要な経営指標としております。

また高付加価値事業比率の向上のため、セグメント売上総利益率、プロジェクト別の売上総利益率をモニタリングし、管理しております。

これらの指標より、事業方針の決定やコスト管理を徹底し、利益率の向上に努めてまいります。

 

 

(3)経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

自動車分野、自動運転技術分野、DX関連およびMaaS等のサービス分野における技術革新のスピードは目覚ましく、当社が注力している技術はこれまで以上に需要が高まると見込んでおります。技術変化の動向を見極め、中核となる新技術を獲得し、的確なタイミングで求められるソリューションを提供することが今後の成長において重要であると考えております。そのための技術習得・調査・研究に注力するとともに、組込セキュリティ、モデルベース開発、自動運転・先進安全向けのシミュレーション技術、人工知能、オペレーティングシステム、自動車制御技術等の既存事業のほか、DX関連(WARXSS, SF Twin などのサービス提供)、MaaS(SXIM)等、競合が少なく、今後も市場成長と高い需要が見込まれる新たな分野でのサービス提供により事業拡大を実現いたします。

また、既存事業の拡大及び成長戦略として位置付けているDX関連やMaaS等のサービス提供を推進するため、獲得競争が激化しているエンジニアの採用及び育成を強化いたします。

当連結会計年度においては新型コロナウイルス感染症による世界経済の悪化の影響を受け、当社グループの一部事業において減収となりましたが、セキュリティ対応等のCASE関連事業や中核技術保有の強みを活かして新たに進出した事業分野である半導体検査装置等は好調に推移しており、引き続き注力いたします。

当社の持続的な成長を実現するためにも、新型コロナウイルス感染症の今後の経過を注視しつつ、積極的に研究開発活動を推進いたします。

このような経営環境の下、当社グループは以下のものを課題として認識し、対処してまいります。

 

 

 

 

①経営基盤の強化

 当社グループはソフトウェア開発関連事業の安定的な成長を基礎として、新たに DX ( Digital Transformation )、 MaaS ( Mobility as a service ) 、エンターテインメントなどを活用したサービスビジネスを立ち上げ、高い成長を実現することが重要であります。

 すなわち、当社が保有する技術を顧客企業だけでなく、自社にも活用し、新たな価値を付加したサービスビジネスにより中長期的な成長を実現したいと考えております。

 

a.持続可能な未来社会に貢献できる技術の強化について

 当社グループは、「進化する技術を用いて、豊かな未来社会の創造に貢献する」を理念に掲げ、未来社会に貢献いたします。

 具体的な貢献技術への投資としては、ⅰ. 自動車 CASE (Connected, Autonomous, Shared & Services, Electric)技術、ⅱ. DX ( Digital transformation ) 技術、 ⅲ. MaaS (Mobility as a service )、 ⅳ. ブロックチェーン技術 であります。
 

ⅰ.自動車 CASE (Connected, Autonomous, Shared & Services, Electric)技術

 環境に配慮し、人々の暮らしを豊かにする未来モビリティの開発には、CASE技術が中核となります。当社はConnected対応として、自動車セキュリティ技術を中心に社会サービスに接続する自動車の安全を実現する投資及びサービスを提供しております。Autonomous 対応として自動運転における判断の中核である人工知能を安全に製品として利用するためのガイドラインや検証方法を提供しております。さらに、自動運転/ 先進安全シミュレータは自動運転車両の開発を支援するばかりでなく、安全な街づくりにも寄与いたします。Shared & Services は持続可能な都市交通について研究を進め、下記で説明する MaaS として事業化を進めております。 Electric 対応としては、さらなる複雑化が進むソフトウェア開発の短期化を、AUTOSARなど基本ソフトウェア部品の提供により実現します。

 

ⅱ.DX ( Digital transformation ) 技術

 少子高齢化に伴う労働人口の低下、危険な作業を削減するなど、労働形態や環境の改善が急務であります。

 当社はDX 技術の一つでありますデジタルツイン技術により、工場労働環境の改善と作業効率の効率化を実現します。実際の工場と瓜二つの工場をデジタル上で実現し、生産効率や労働者削減をシミュレーションにより実現するとともに、工場での危険を未然に防ぐ技術で未来工場を支援します。
 

ⅲ.MaaS (Mobility as a service)

 地方都市における公共交通は、収益性の観点から維持が困難な状況であります。一方で、高齢化や高齢者の免許返納などにより、これまで以上に公共交通の必要性は高まります。

 当社は効率的な公共交通の利用、地域商業事業者との連携、エンターテインメントや観光との連携により、収益を循環させて、持続可能な公共交通を実現したいと考えております。すでに、北海道北広島市と地域密着型MaaS の実証実験を開始しております。さらに、2023年に開業されるプロ野球球団の大型球場の人流を考慮した、都市サービスの検討をおこなっており、持続可能な市民サービスのプラットフォームを構築してまいります。

 

ⅳ.ブロックチェーン技術

 未来社会における各種サービスは、個人情報を含むパーソナルデータの流通・活用が重要であります。このため個人情報の扱いは今以上に慎重にならなくてはなりません。

 当社はブロックチェーン技術を利用し、情報の改竄や流出を未然防止しながら個人の特定をしなくても情報を活用できるスマート認証技術を開発しました。

 当社はニューノーマルな社会で安全に個人データを流通させる技術への研究開発投資を継続し、新たな社会基盤技術を提供し、当社の経営基盤を強化したいと考えております。

 

b. 情報システムの充実

 今後、事業規模の拡大に伴い、業務処理量、管理コストが増加していくものと予想しております。当社グループは、そのような経営環境の変化に対応する情報システムの充実を図ることを重要な経営課題の一つとして、情報システムの拡充による業務処理の効率化を推進しております。

 業容の拡大を支え成長戦略を推進するうえで、変化に強く柔軟な対応が可能となる情報システムの機能性を強化するとともに、業務効率の改善に努めてまいります。

c.セキュリティ対策の強化

 顧客が要求する組織単位(部署)でのセキュリティ対策(セキュリティルーム入退室管理データへのアクセス制限など)を実施しております

 社員教育を含めたセキュリティインフラの対策を強化し顧客及び 一般社会に影響を及ぼすことのないセキュリティ対策強化を実施いたします

 

②人財の確保

 当社グループの発展には、優秀な人財の確保と活躍が必要不可欠であります。人事・賃金制度の見直しにより、優秀な人財の確保と従業員の成長を図り、今後の雇用環境の変化に対処すると共に事業の拡大に伴って、より高度化する業務に適切に処理できる組織力を構築いたします。

 

③営業力強化と新規事業の開拓

 当社グループは、「顧客との関係強化」と「新たな事業分野への事業開拓」を積極的に推進し、強固な事業基盤の構築と拡大を図ることが当社グループの事業収益の改善・拡大につながるものと考えております。

これまでのソフトウェア開発事業に加え、サービス事業を立ち上げるため、戦略部門及び営業部門は今まで以上に有用な組織となります。

 これらの組織の強化を実施し、営業力強化と新事業の立ち上げを確実に実施したいと考えております。

 

④コーポレート・ガバナンスの充実と内部管理体制の強化

 当社グループは、持続的な成長と企業価値の向上のためには、コーポレート・ガバナンスの充実が不可欠であると認識しております。また、子会社経営及び関連会社の管理、当社運営管理のためには社内の体制強化が必

要であり、人員増強とともに、ガバナンス強化のための教育研修を行ってまいります。

 さらに、2021年に改定されたコーポレートガバナンスコードに対応するために、スキル組み合わせに配慮した独立社外役員比率、多様性を確保した中核・取締役の登用、サスティナビリティへの取り組みなどに対処し、健全で成長力のある経営を目指してまいります。
 

 

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資家の投資判断において重要であると考えられる事項については積極的に開示しております。

当社グループは、これらのリスクの発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、本株式に関する投資判断は、以下の記載事項及び本項目以外の記載事項を、慎重に検討したうえで行われる必要があると考えられます。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであり、当社グループの事業又は本株式の投資に関する全てのリスクを網羅するものではありません。

 

(1)関連市場及び顧客経営状態に関連するリスクについて

(リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響の内容)

当社グループの顧客層は、自動車、デジタル家電メーカ、産業機械メーカ、建設機械メーカなど様々な分野に及んでおります。

大幅な為替変動や、グローバルな政策要因、地政学的要因等によって、それらの産業全体が業績に悪影響を被る場合があります。当社の主たる事業である組込ソフトウェアの開発は、顧客企業の数年先に発売される製品や研究試作に関する開発案件が大半を占めるため、足元の景気動向に左右される可能性は比較的低いと考えております。しかしながら、数年先に向けた顧客企業の投資計画に影響を与えるほどの事象が発生した場合、当社グループの財政状態および業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(リスクが顕在化する可能性の程度や時期)

当該リスクは毎期顕在化する可能性があるものと認識しております。

(リスクへの対応策)

当社グループは、それら顧客企業の個別の経営状態の変動に関しては、様々な産業セクターへの営業活動を行ってその影響をできるだけ小さくすることによって、関連市場及び顧客経営状態に関するリスクの低減に努めております。

 

(2)特定取引先及び特定産業分野への依存について

(リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響の内容)

当社グループの主たる売上は自動車分野であり、その多くは、トヨタ自動車株式会社および株式会社アイシングループからの受注となっております。この自動車関連市場はCASEおよび自動運転技術に代表される技術革新などにより今後も拡大していく計画であります。

しかしその努力が実を結ばす、少数の特定取引先の経営状態の悪化や経営戦略の変更があった場合、当社グループの財政状態および業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(リスクが顕在化する可能性の程度や時期)

自動車産業は大きな技術革新を迎えており、ソフトウェアの重要性はさらに高まると考えております。このような技術革新環境においては、当該リスクが顕在化する可能性は低いと考えております。

しかし、グローバル環境下において、自動車産業の収益構造に大幅な変化が認められた場合、当該リスクが顕在化する可能性があると認識しております。

(リスクへの対応策)

当社グループは、景気の変動や環境変化への耐性を高めるため、特定産業分野に集中した事業構造を脱却するよう尽力して参ります。具体的には半導体関連装置開発やソフトウェアを活用したサービス事業分野などの事業拡大を実現したいと考えております。

 

(3)品質不良による損害賠償のリスクについて

(リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響の内容)

ソフトウェア開発およびリアルタイムオペレーティングシステムに関わるエンジニアリングサービス、自動運転/先進安全シミュレータ事業、各種コンサルティング事業において、品質不良や納期遅延による損害賠償が発生する可能性があります。特に自動車向け開発は品質や納期に関する要求が厳密であり、瑕疵対応や損害賠償を求められる可能性があります。当社グループの責による品質不良や納期遅延による損害賠償請求が発生し、当社が加入しているIT賠償保険では賠償額を十分にカバーできなかった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(リスクが顕在化する可能性の程度や時期)

当該リスクに常に晒されておりますが、下記に示すリスク対応策を適切に実施することにより、顕在化する可能性は低く管理されていると認識しております。

(リスクへの対応策)

当社グループは、業務受注時から受注審議会、開発途中におけるプロジェクト評価会を実施しており、品質不良による損害賠償のリスクの低減に努めております。

 

(4)不採算プロジェクトの発生について

(リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響の内容)

当社グループのエンジニアリングサービスで不採算プロジェクトが発生する可能性があります。不採算プロジェクトの発生要因として、発注側の大規模または頻繁な要求仕様変更や、見積もりが適切になされず、開発に要する工数が大幅に増加した場合などがあげられます。

大規模な要求仕様変更に対応しなければならない場合、見積もりから逸脱した開発工数の増加や外注費が発生した場合、当社グループの財政状態および業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(リスクが顕在化する可能性の程度や時期)

当該リスクに常に晒されておりますが、下記に示すリスク対応策などを適切に実施することにより、顕在化する可能性は低く管理されていると認識しております。

(リスクへの対応策)

当社グループでは全てのプロジェクトにおいて、予算管理、スケジュール管理、品質管理を実施しております。

また、受注前に内在するリスク((技術何度、採算性、人的リソース)について十分に検討し、必要に応じて受注審議会に諮り、事業の将来性、リスク内容などを勘案し受注可否を判断しております。

 

(5)人材の確保と人件費、外注費の高騰について

(リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響の内容)

当社グループの事業継続及び拡大のため、新技術の獲得および既存技術の発展を支える技術部門のエンジニアを中心に、各部門で活躍できる十分な人材の確保が必要であります。

しかしながら、計画した正社員の採用やパートナーの確保が十分にできない場合、退職者が続出した場合、また近年の採用難や働き方改革を背景にして人件費、外注費、オフショア費用高騰が起こった場合、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(リスクが顕在化する可能性の程度や時期)

当該リスクに常に晒されておりますが、下記に示すリスク対応策などを適切に実施することにより、顕在化する可能性は低く管理されていると認識しております。

(リスクへの対応策)

当社グループは、社員のエンゲージメント向上を目的とした人事・給与制度の見直しや教育研修の実施、福利厚生の拡充など労働環境の改善のほか、新卒・中途採用のための活動強化、新たなパートナー企業の確保に努めております。

 

(6)研究開発および製品化投資に関するリスク

(リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響の内容)

技術優位性の向上や新たなサービス事業の創生のために、研究開発投資および製品化投資を実施しております。

研究開発等の対象とする技術分野やサービス分野における技術進歩は著しく、当社事業の優位性を確保するためには相応の投資が必要であります。事業収益が研究等の投資額を下回る場合、研究開発及び製品化の進捗が想定より遅延した場合、または想定通り実現できなかった場合、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(リスクが顕在化する可能性の程度や時期)

当社グループが想定する未来想定とソフトウェア技術進歩が大きく乖離している場合、当該リスクが顕在化する可能性があります。

(リスクへの対応策)

研究開発投資は自己資本による実施と公的資金を活用した投資があります。短期的な投資回収が可能と判断できる研究には自己資本を活用し、基礎研究要素が高いものは公的資金を活用し、当該リスクの低減に努めております。

また、製品化投資は、研究事業および試作等により得られた成果を活用し、市場技術動向、社会動向を勘案し投資の可否を判断しております。これにより当該リスクの低減に努めております。

 

(7)法令違反、法的規制に関するリスクについて

(リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響の内容)

当社グループの事業において、税制や商取引、労働問題、知的財産権など様々な法的規制を受けております。万が一これらの法規制、ルールを遵守できなかった場合、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(リスクが顕在化する可能性の程度や時期)

当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期につきましては、現時点では予測困難であると認識しております。

(リスクへの対応策)

当社グループは、コンプライアンス重視のもと、これらの法規制やルールを遵守した経営を行うことによって、法令違反、法的規制に関するリスクの低減に努めております。

 

(8)その他訴訟等による損害賠償責任に関するリスクについて

(リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響の内容)

当社グループの提供するエンジニアリングサービスは、ソフトウェアの開発が主たるサービスとなります。そのため、他社から何らかの知的財産権の侵害についての申し立てを受ける可能性は否定できません。当社グループが保有している個人情報や組込ソフトウェア開発に関する仕様、顧客企業が保持する技術情報などが社外に流出するリスクが存在します。また安全衛生上や労務上の問題により訴訟が発生する可能性があります。

何らかの事由によって訴訟となる事案が発生し、当社が賠償を求められた場合、当社グループの財政状態および業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(リスクが顕在化する可能性の程度や時期)

当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期につきましては、現時点では予測困難であると認識しております。

(リスクへの対応策)

当社グループは、セキュリティ委員会を設置し、各種情報の管理体制を強化すると同時に、セキュリティ教育、eラーニングによる教育などを行っております。また労働基準法の遵守や社員の健康管理に努めており、訴訟等による損害賠償責任に関するリスクの低減に努めております。

 

(9)新型コロナウイルス感染症に関するリスクについて

(リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響の内容)

新型コロナウイルス感染症の世界的な流行は、当社グループ事業の主要産業である自動車関連をはじめ、顧客企業の業績に影響を及ぼしており、開発案件の規模縮小、中止、開始時期の延期が発生しております。

提出日現在においても、新型コロナウイルス感染症の終息時期は不透明であり、世界経済への影響が長期化した場合や、当社グループ社員およびパートナー企業の社員に感染者が増加し、大幅な開発遅延や失注が多数発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(リスクが顕在化する可能性の程度や時期)

当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期につきましては、現時点では予測困難であると認識しております。

(リスクへの対応策)

当社グループの従業員及びその家族、パートナー社員の健康に配慮し、マスク着用や体調管理、テレワークやオンライン会議の実施等により新型コロナウイルス感染拡大防止に努めております。

同時に、顧客企業の業績、開発投資の動向などを注視し、業務シフトなど柔軟に対応し、リスク低減に努めております。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 なお、研究開発に係る補助金については、従来、販売費及び一般管理費の「研究開発費」から控除する方法によっておりましたが、当連結会計年度より営業外収益の「補助金収入」として計上する方法に変更したため、当該会計方針の変更を反映した遡及修正後の数値で前年同期との比較分析を行っております。

 

① 経営成績の状況

 当連結会計年度における我が国の経済は、新型コロナウイルスの感染拡大により国民の行動及び経済活動が制限され、生産活動の停滞、個人消費の低迷、雇用環境の悪化などを招き、厳しい状況が続きました。

 一方で、他先進国においては、限定的ではあるものの経済活動の再開など、回復の兆しが見えはじめております。

 このような経済環境の下、当社グループの主たる事業分野である自動車関連の組込みソフトウェアが影響を受けたものの、一部の顧客において受注回復の兆しが見えはじめております。

 また、当社が優位性を発揮する CASE (Connected, Autonomous, Shared & Services, Electric)は、次世代自動車開発には必要不可欠な技術であり、需要は高止まりの状況にあります。特に、自動運転/ 先進安全シミュレータ開発や組込セキュリティサービスなどは好調に推移いたしました。

 さらに、産業機械分野においても、需要が活発な半導体関連及び工作機械のセキュリティ対応などに関する受注が増加しておりますが、他の分野における減収分を吸収しきれず、売上高は前期比減収となりました。

 営業利益以下の各利益においては、主に成長事業分野として位置付けているMaaS関連の先行投資プロジェクト実施によるコスト増、新規顧客開拓及び新事業創生のための営業及び研究開発活動の実施等により、それぞれ前期比減益となりました。

 

 この結果、当連結会計年度の業績は、売上高2,198,912千円(前期比1.1%減)、営業利益276,940千円(同11.7%減)、経常利益294,139千円(同11.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益206,169千円(同7.1%減)となりました。

 

 セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。

 なお、2020年9月1日付の組織変更に伴い、報告セグメントの名称を組込システム事業から組込サービス事業へ、機能安全開発事業からトラストシステムコンサルティング事業へそれぞれ変更しております。

 

a.組込サービス事業

 当セグメントにおいては、自動車・産業製品向けの制御ソフトウェア、組込セキュリティなどの受託を行っております。経営成績の状況としましては、産業機械の分野において新規顧客開拓などにより受注が増加したものの、前述した経済活動の停滞により、主要事業である自動車関連の組込ソフトウェアの受注が完全には回復していないため、売上高は前期比減収となりました。また、セグメント利益についてもセキュリティコンサルティングなど高利益率案件の拡大などにより売上総利益は改善されたものの、積極的に営業及び研究開発活動を実施したため販管費が増加し前期比減益となりました。

 この結果、売上高は1,191,098千円(前期比3.0%減)、セグメント利益(営業利益)は290,439千円(同7.7%減)となりました。

 

b.システムズエンジニアリング事業

 当セグメントにおいては、自動車関連のシミュレーション及びモデルベース開発技術の提案・開発・提供とデジタルコンシューマ機器向けの基盤技術提供を行っております。経営成績の状況といたしましては、自動車関連のシミュレーション技術の提供が好調に推移し、売上高は前期比増収となりました。セグメント利益につきましては、増収による利益貢献があったものの、主に成長事業分野として位置付けているMaaS関連の先行投資プロジェクト実施によるコスト増が影響したことに加え、積極的に営業及び研究開発活動を実施したため前期比減益となりました。
 この結果、売上高は793,005千円(前期比6.0%増)、セグメント利益(営業利益)は225,016千円(同9.2%減)となりました。

 

c.トラストシステムコンサルティング事業

 当セグメントにおいては、近年の電子機器装置の安全性を担保するために必要なコンサルティング・安全性分析支援と安全性の高いソフトウェア開発を行うためのソフトウェア開発プロセス作成の支援を行っております。経営成績の状況としましては、当セグメントの事業が市場経済の悪化の影響を先行的に受けやすいことに伴い、受注に至るまでの期間の長期化や受注規模の縮小などの影響を受け、前期比減収となりました。セグメント利益につきましては、減収による影響があったものの、社内外のリソースを見直し更なるコストの削減等を図ることにより利益率を向上させ、前期比で増益となっております。

 この結果、売上高は165,501千円(前期比2.3%減)、セグメント利益(営業利益)は72,141千円(同30.0%増)となりました。

 

d.その他

 当セグメントにおいては、株式会社アトリエ、株式会社ヴィッツ沖縄が含まれております。経営成績の状況としましては、前述した経済環境の悪化等による影響を受けたものの、DX関連の受注により前期比で増収となりました。セグメント利益につきましては、保険料や旅費等の経費削減に努めたものの、一部の子会社において稼働率が悪化し利益率を落とした結果、前期比で減益となっております。

 この結果、売上高は157,299千円(前期比0.7%増)、セグメント利益(営業利益)は18,229千円(同14.4%減)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、1,646,548千円(前期比51,693千円増)となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。

 

a.営業活動によるキャッシュ・フロー

 営業活動の結果獲得した資金は257,370千円(前連結会計年度は220,571千円の獲得)となりました。この主な要因は、法人税等の支払額109,079千円、仕入債務の減少額23,976千円等による資金の減少があったものの、税金等調整前当期純利益の計上297,289千円、たな卸資産の減少額31,091千円、売上債権の減少額30,575千円、退職給付に係る負債の増加額16,327千円、減価償却費の計上16,146千円等の資金の増加があったことによるものであります。

 

b.投資活動によるキャッシュ・フロー

 投資活動の結果減少した資金は219,793千円(前連結会計年度は214,714千円の支出)となりました。この主な要因は、定期預金の増加額200,000千円、保険積立金の積立による支出21,036千円等による資金の減少があったことによるものであります。

 

c.財務活動によるキャッシュ・フロー

 財務活動の結果増加した資金は14,117千円(前連結会計年度は39,918千円の支出)となりました。この主な要因は、配当金の支払額24,226千円等による資金の減少があったものの、株式の発行による収入40,040千円の資金の増加があったことによるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年9月1日

    至 2021年8月31日)

前年同期比(%)

組込サービス事業    (千円)

801,550

91.1

システムズエンジニアリング事業

            (千円)

524,344

108.7

トラストシステムコンサルティング事業          (千円)

62,339

79.6

報告セグメント計   (千円)

1,388,235

96.4

その他         (千円)

24,784

67.0

合計   (千円)

1,413,019

95.6

(注)1.金額は製造原価によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.受注実績

 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年9月1日

    至 2021年8月31日)

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

組込サービス事業    (千円)

1,204,046

103.3

101,421

114.6

システムズエンジニアリング事業

            (千円)

756,796

100.2

141,066

79.6

トラストシステムコンサルティング事業          (千円)

149,326

90.4

6,820

29.7

報告セグメント計   (千円)

2,110,168

101.1

249,308

86.3

その他         (千円)

41,956

50.3

6,650

47.5

合計   (千円)

2,152,125

99.2

255,958

84.5

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.金額は販売価格によっております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

4.「トラストシステムコンサルティング事業」の受注残高に著しい変動がありました。これは、主に前連結会計年度の受注残高に比較的長期大規模の受注残があったことによる相対的減少であります。

5.「その他」の受注高及び受注残高に著しい変動がありました。これは、主に新型コロナウイルス感染症に伴う経済環境の悪化等による減少であります。

 

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年9月1日

   至 2021年8月31日)

前年同期比(%)

組込サービス事業    (千円)

1,191,098

97.0

システムズエンジニアリング事業

            (千円)

793,005

106.0

トラストシステムコンサルティング事業          (千円)

165,501

97.7

報告セグメント計   (千円)

2,149,605

100.2

その他         (千円)

49,306

63.8

合計   (千円)

2,198,912

98.9

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2019年9月1日

  至 2020年8月31日)

当連結会計年度

(自 2020年9月1日

  至 2021年8月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

トヨタ自動車㈱

424,350

19.1

521,593

23.7

㈱アイシン

280,563

12.6

189,897

8.6

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、研究開発に係る補助金については、従来、販売費及び一般管理費の「研究開発費」から控除する方法によっておりましたが、当連結会計年度より営業外収益の「補助金収入」として計上する方法に変更したため、当該会計方針の変更を反映した遡及修正後の数値で前年同期との比較分析を行っております。

 また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態

a.資産

 当連結会計年度末における資産合計は、2,651,280千円(前期比8.7%増)となり、流動資産合計2,356,149千円(同9.0%増)、固定資産合計295,131千円(同6.3%増)となりました。

 流動資産の主な内訳は、現金及び預金2,046,548千円(同14.0%増)、受取手形及び売掛金166,559千円(同15.5%減)、仕掛品103,051千円(同23.0%減)であります。

 固定資産の主な内訳は、有形固定資産26,924千円(同9.7%減)、無形固定資産8,323千円(同19.0%減)、保険積立金138,417千円(同13.5%増)、繰延税金資産91,670千円(同7.5%増)であります。

 

b.負債

 当連結会計年度末における負債合計は、527,978千円(前期比3.2%減)となり、流動負債合計290,986千円(同10.6%減)、固定負債合計236,991千円(同7.7%増)となりました。

 流動負債の主な内訳は、買掛金26,578千円(同47.4%減)、未払法人税等55,064千円(同20.1%減)、未払消費税等36,881千円(同23.7%減)、賞与引当金109,343千円(同7.1%増)であります。

 固定負債の主な内訳は、長期未払金91,495千円(前期末同額)、退職給付に係る負債142,828千円(前期比12.9%増)であります。

 

c.純資産

 当連結会計年度末における純資産合計は、2,123,302千円(前期比12.1%増)となりました。主な内訳は、資本金606,925千円(同4.0%増)、資本剰余金541,414千円(同4.5%増)、利益剰余金951,760千円(同23.6%増)であります。

 

② 経営成績

a.売上高、売上原価及び売上総利益

 当連結会計年度の売上高は2,198,912千円(前期比1.1%減)であり、前連結会計年度より23,890千円減少いたしました。主な要因としましては、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済環境の悪化の影響により自動車関連の組込ソフトウェアの減収等があったものの、自動運転/先進安全シミュレータ開発、組込セキュリティサービス、半導体関連及び工作機械のセキュリティ対応などに関する受注が好調に推移し、減収分を概ね吸収できたことによるものであります。

 また、売上原価は1,428,871千円(同3.3%減)、売上総利益は770,040千円(同3.3%増)となりました。これは、主にセキュリティコンサルなどの高利益率案件の拡大や社内外のリソースの見直しによるコストの削減等により売上総利益率を改善できたことによるものであります。

 以上により、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な経営指標に掲げている売上総利益率は、前連結会計年度の33.5%に対して当連結会計年度は35.0%と1.5ポイント上昇しており、当社の経営戦略の1つである“収益性の向上”に向けた施策が奏功しているものと認識しております。

 なお、当社が認識している経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載したとおりであります。

 

b.販売費及び一般管理費並びに営業利益

 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は493,100千円(前期比14.1%増)であり、前連結会計年度より60,874千円増加いたしました。主な要因としましては、新規顧客開拓及び新事業創生のための営業及び研究開発活動を積極的に実施したことなどによるものであります。この結果、営業利益は276,940千円(同11.7%減)となり、前年連結会計年度より36,570千円減少いたしました。

 以上により、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な経営指標に掲げている営業利益は減少しておりますが、これは、当社の経営戦略の1つである“次世代事業の創生”に向けた研究開発活動と営業活動を積極的に推進した結果であり、将来の“収益性の向上”に資するものと認識しております。

 

c.営業外損益及び経常利益

 当連結会計年度の営業外収益は17,336千円であります。また、当連結会計年度の営業外費用は137千円であります。この結果、経常利益は294,139千円(前期比11.2%減)となり、前連結会計年度より36,951千円減少いたしました。主な要因としましては、営業利益が36,570千円減少したことに加え、前期計上した営業外収益(研究開発に係る補助金収入及び保険解約返戻金)が減少したこと及び前期計上した営業外費用(市場変更費用)が発生しなかったこと等によるものであります。

 

d.親会社株主に帰属する当期純利益

 当連結会計年度の特別利益にて固定資産受贈益を4,073千円、特別損失にて固定資産除却損を923千円計上しております。また、法人税等を88,715千円、非支配株主に帰属する当期純利益を2,404千円計上しております。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は206,169千円(前期比7.1%減)となり、前連結会計年度より15,807千円減少いたしました。

 主な要因としましては、経常利益が36,951千円減少したことに加え、当期に固定資産受贈益が発生したこと、前期計上した投資有価証券評価損が発生しなかったこと及び法人税等や非支配株主に帰属する当期純利益が減少したこと等によるものであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当連結会計年度における資金の増減額は51,693千円の増加(前年同期は34,061千円の減少)であり、前連結会計年度より85,754千円増加いたしました。主な要因としましては、税金等調整前当期純利益の減少、法人税等の支払額の増加、売上債権の減少等により営業活動によるキャッシュ・フローが36,799千円増加したこと、株式の発行による収入の増加、市場変更費用の支払額の減少、配当金の支払額の増加等により財務活動によるキャッシュ・フローが54,035千円増加したこと等によるものであります。

 以上の結果、当連結会計年度末における資金の残高は1,646,548千円(前期比51,693千円増)となり、当面事業を継続していく上で十分な流動性を確保しております。また、当社の経営戦略の1つである“次世代事業の創生”のための研究開発資金を十分に確保できているものと認識しております。

 また、当社グループは、事業上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、営業活動によるキャッシュ・フローのほか、一部資金を銀行借入等により調達しております。

 

④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性が含まれているため、予測不能な前提条件や仮定の変化により経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針及び重要な会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)、(重要な会計上の見積り)及び(追加情報)」に記載しておりますが、当連結会計年度の連結財務諸表を作成するにあたって行った会計上の見積りのうち、翌連結会計年度の連結財務諸表に重要な影響を及ぼすものは識別しておりません。

 

4【経営上の重要な契約等】

契約会社名

相手方の名称

契約書名

契約内容

契約期間

㈱ヴィッツ

トヨタ自動車㈱

業務委託取引基本契約書

業務委託取引の基本契約

2003年4月1日から

2004年3月31日まで

以後1年ごとの自動更新

 

 

5【研究開発活動】

当社グループのビジネスモデルは、積極的に研究開発を実施し、研究から得た知見を活かした開発受託や、コンサルテーション、関連コンテンツのサービスを提供するサイクルで持続的な成長をしております。研究開発活動は当社グループの事業の基盤と位置付け、そのテーマは顧客企業の抱える課題解決や欧州等の法規制対応等、産業分野横断型共通課題解決に寄与すると見込んだものを選択しております。

 

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当連結会計年度における研究開発費の総額は57,013千円であります。なお、研究開発活動は当社グループ内で横断的に実施しているため、セグメント単位ではなく研究別の報告となります。

 

(1)地域密着型Town MaaS

地方都市の高齢者率は高く、高齢者の移動支援は地方自治体の重要な市民サービスであります。しかし、地方都市の公共交通は交通料金だけでは運営が難しく、多くの公金を投入して維持しています。

当社グループは、デマンド型移動支援とエンターテインメントを掛け合わせ、移動時間を充実させるエンターテインメント情報のサービス提供により、利用者から得た収益を公共交通の維持費用に還元させる利益循環型 地域密着 Town MaaSの研究事業を北海道北広島市と連携し実施しました。当連結会計年度においてはコロナウイルス感染拡大防止のための緊急事態宣言発令等の影響によりエンターテインメントの実験は実施出来ませんでしたが、ワクチン接種の促進等によるコロナ禍解消を見込んだ更なる取り組みの計画を推進しております。

 

(2)DX及びデジタルツイン

IoT機器の導入やサービスの活用により新しい価値を提供するデジタルトランスフォーメーション(DX)が進んでおります。当社グループは、製造現場にデジタルツインを導入し、安全化と効率化を両立した次世代工場の実現を支援する「SF Twin」の研究開発を推進しております。

あわせて、自動運転システムを評価する仮想環境である「WARXSS」、交通リスクを予測する「リスクポテンシャルシンセサイザ―」を高度化する研究開発を引き続き推進いたします。

 

(3)入退室管理

現在研究中の地域密着型Town MaaSの実証実験で使用した当社のソフトウェアプラットフォーム(SXiM)はブロックチェーンで個人情報を管理していました。

これを活用した、個人情報を参照せず、入退室記録やPCR検査結果、ワクチン接種状況、趣味趣向を収集するサービス(TISIWIT)の研究に取り組んでおります。

 

(4)暗号資産活用

GAFA(Google・Amazon・Facebook・Apple)に代表されるデジタルプラットフォーム事業者は利用者に無料のサービスを提供して収集した個人情報を活用し大きな収益を得ています。このビジネスモデルに対し、個人情報保護を求める声が近年急速に高まっております。

当社は、ブロックチェーン技術を活用して個人情報を利用者の意思で管理することができる“データの民主化”を実現するJasmy株式会社とMaaS事業において提携し、共同開発を進めております。

共同開発の場所として東京都渋谷区に未来社会創生共同ラボを開設し、ブロックチェーンを活用した研究を行っております。