第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する記載は、本書提出日現在、当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社は、設立時より「情報の価値を具現化する仕組みを提供する」を企業理念に掲げ、グループにおいてこれを共有し、経営判断の拠り所としております。当社は現在、この理念の下、メディア事業・ソリューション事業を展開しており、持続可能な社会・経済環境構築に関する関心や社会的多様性を尊重する意識の高まりを始めとした様々な社会環境の変化と同時に、テクノロジーの進化やデジタル化が更に加速する現在、「情報の価値を具現化する仕組みを提供する」当社グループの社会的課題に対する役割も今後進化すると考えております。

 こうした中当社は、高成長と株主への高還元を併行して実施することを志向し、市場環境や社会環境の変化に強い体制を早期に実現すべく、収益の多様化の投資を推進し売上高の拡大を実現してまいりました。しかしながら、積極化した収益多様化策は結果として3期連続の経常損失を計上、財務基盤を大きく脆弱化することとなり、当期連結会計年度には継続企業の前提に関する重要な疑義が付されるに至りました。当社はこのような事態を厳粛に受け止め、再び同様の状況を招くことの無いよう、選択と集中へと方針を大きく転換いたしました。安定収益化に向けた、事業戦略・財務体質の見直し・強化、ガバナンス体制の更なる高度化を重要課題と認識し、取り組んでまいります。また、安定収益の基礎となるコアアセットの競争力維持向上に向けた取り組みにつきましても、継続して重要課題と認識し実施してまいります。

 

(2)経営環境の認識及び今後の事業戦略

 当社グループの経営環境に関する認識及び再成長に向けた今後の事業戦略等は次のとおりであります。

 

2023年3月期以降、3期連続での業績下方修正並びに損失計上となった結果を踏まえ、株主資本の今後の毀損を避けるため、これまでの高い売上成長率を重視した売上高拡大の事業方針から「選択と集中」に方針転換し、大規模な事業・資産整理策を講じました。具体的に、多額の損失を発生させたコンテンツ事業からは撤退し、その影響を一過性とした他、収益貢献開始に時間を要する新規事業からも撤退し、継続する事業は、成長ドライバーとしてのSaaS系や月額課金等のサブスクリプションサービス系事業と、コストコントロールにより安定収益エンジン化が可能な事業の2つに集中いたします。

当社は創業来、国内における個人投資家の投資活動を直接的、間接的に支える情報インフラを提供しており、その顧客基盤は個人投資家で約1,000万人、間接的に個人投資家への情報提供のルートとなっている金融機関は170社を超えます。これらの国内金融市場における競争優位なユーザー基盤に加え、国内約1億人のインターネットユーザーへの情報配信により、90億円規模の売上を創出する既存事業アセットは赤字の新規事業からの撤退後も残存いたします。

2026年3月期は、選択と集中による安定収益体質回帰への過渡期となりますが、予定していた費用削減施策はその大半を完了しており、連結売上高は8,700百万円と当連結会計年度比減少の見込みであるものの、連結営業利益は300百万円、連結経常利益は150百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は200百万円と黒字回復の見通しであり、またEBITDAは1,200百万円と二桁億円台となる見通しです。また事業セグメント別の見通しは以下のとおりです。

 

(メディア事業)

 約1億人のユーザー基盤を活用する収益多様化策は着実に進展しており、外部環境の低迷による広告単価の下落とトラフィックの減少の影響は受けつつも、株式会社ライブドアの買収をはじめとするメディア事業への投資回収は毎年進んでいる状況にあります。

しかしながら、これまで手掛けた収益源多様化策のうち、クリエイターズエコノミー等、既に結果を出しているものがある一方、収益貢献までリスクを伴う積極投資を中長期的に継続する必要があるものも存在したことから、当連結会計年度において、選択と集中への方針転換のもと、サービスの終了も含めた抜本的な事業・資産の見直しを行いました。今後は収益性の改善に重点を置き、当社のキャッシュ・フローの基盤となる「安定収益エンジン」としての役割を追求してまいります。

こうした事業戦略のもと、2026年3月期は、クリエイターズエコノミー関連売上の拡大を見込む一方、ネットワーク広告市況については軟調な市況の継続を想定し、売上高は当連結会計年度比減収の5,000百万円を見込みます。一方、選択と集中の方針に基づくサービスの終了も含めた抜本的な事業・資産の見直し等の費用削減とグループ共通費用の削減により、メディア事業のセグメント利益は430百万円と黒字転換、EBITDAにつきましても890百万円と回復の見通しです。また、開発投資は、中期的には、株式会社ライブドアの買収時に合意している時限的なLINEヤフー株式会社からのシステム移管開発の他、運用の効率化、成長ドライバーとなり得るサブスクリプションサービスの開発等を厳選し、年間総額約3億円の計画です。これら費用削減と設備投資の総額管理を徹底し、安定的にフリーキャッシュフローを創出可能な基盤を整備してまいります。

 

(ソリューション事業)

ソリューション事業は、国内個人投資家の投資活動を直接的・間接的に支援する情報サービスをB2C・B2Bで提供すべく、金融情報分野で競争優位な当該事業の強みを活かし、当該事業を改めて当社の成長ドライバーと位置付けます。このため、現状の課題を再認識し、その改善策に向けたリソースを集中配分してまいります。

情報ソリューションサービスの当面の売上見通しにつきましては、受注済や契約手続き中等、確度の高い案件に見込みを限定するとともに、「Kabutan(株探)プレミアム」につきましては、今後のマーケット状況をやや保守的に捉え、次年度以降は年率10%成長と見込み、多言語展開等による増収加速は2027年3月以降に見込みます。

同時に、収益化に至っていない新規ビジネスの売却(投資助言・代理業の株式会社ミンカブアセットパートナーズは2025年3月31日付にて株式会社トレードワークスに株式譲渡を完了)や外注費の見直し、一部資産の除却による償却費の削減等により、2億円強の費用を削減し、事業のスリム化を実施いたします。

また、SI・パッケージソリューションサービスにつきましては、顧客からの依頼に即応するための待機人員が運転資金を圧迫することから現状の受注残と、引き続き高条件案件のみを取り扱う方針で、次年度は当連結会計年度比20%の減収を想定し、2027年3月期以降に一定の増収に転じるべく、体制整備を図ります。

以上から、売上高は4,000百万円と堅調に推移する見通しです。またソリューション事業におきましても、選択と集中の方針に基づくサービスの終了も含めた抜本的な事業・資産の見直しを行い、2026年3月期にはおよそ2億円の費用削減とグループ共通費用の削減により、ソリューション事業のセグメント利益は770百万円と前連結会計年度からほぼ倍増の見通しです。またEBITDAにつきましても1,150百万円に達する見通しです。またソリューション事業の設備投資は、主にSaaS型の情報ソリューションと個人向け課金サービス「Kabutan(株探)プレミアム」といった成長事業を中心に年間約3億円と、メディア事業における時限的な開発投資を除く通常開発投資予算の3倍程度を割り振る方針です。

 

(3)優先的に対処すべき事業上、財務上の課題

前掲(1)経営方針のもと、優先的に対処すべき事業上、財務上の課題は以下のとおりであります。

 

① 選択と集中による安定収益化への回帰

 当社は、これまでの高い売上成長率を目指した早期拡大重視の事業方針から、選択と集中へと転換し、当連結会計年度において、大規模な事業・資産整理を実施いたしました。今後はこれらの施策が継続的に確実に収支改善に寄与していることを適時的確に把握し、必要な施策については柔軟かつ機動的に対応することで、安定収益体制への回帰を確実なものとすることが必要であると認識しております。そのため、情報の可視化を強化することで経営層によるモニタリング機能を強化してまいります。また、既存の週次経営会議を軸としたPDCAに加え、開発等重要プロジェクトを審議・モニタリングするプロジェクト審議会を設置し、管理機能を強化してまいります。

 

② 財務体質の強化

 継続企業の前提に関する重要な疑義の解消は最優先課題であると認識しております。そのため、安定収益体制の構築と、資金繰りの安定化に取り組んでおります。当社は当連結会計年度において大規模な事業・資産整理を実施いたしました。加えて、継続事業につきましても固定費の見直しを行い、その大半について実行を完了しており、これらの施策により損益分岐点は改善しております。自己資本の回復に向けましては、資本政策の再構築を含む選択肢を検討し、将来的な資本増強手段についても業績の安定化と市場環境を見極めつつ、適切に判断してまいります。

 

③ ガバナンス体制の再整備

 当社は会社の状況に応じた実効性のあるガバナンス体制の構築が不可欠であると認識しております。今般、事業の選択と集中へと方針転換を行ったことを踏まえ、取締役会をスリム化することとし、より迅速かつ柔軟に意思決定を可能にするとともに、各取締役の役割と責任をより明確化することにより、経営の実効性と説明責任の強化を図ってまいります。また、併せて事業執行とガバナンスのバランス、並びに経営上のリスクを適切に把握しコントロールするための内部管理体制の強化を図り、社外取締役や監査等委員への報告体制の強化、監査等委員会と内部監査室並びに会計監査人による実効性ある三様監査を推進するとともに、グループ役職員向けコンプライアンス研修の実施等を通じた個々人への意識づけ並びに内部監査室による定期的監査を継続的に実施してまいります。更に、グループや部門を横断したプロジェクトを通じ、様々なレイヤーでの連携を活性化させるとともに規律とけん制を統一化していくことで、組織の活性化を図ってまいります。

 

④ コアアセットの品質維持及び環境変化に対応した事業の継続的推進

 当社グループは選択と集中も方針の下、継続する既存サービスと、その基盤となるコアアセットの競争優位の維持向上は今後の当社グループの安定収益化と再成長に不可欠であると認識しております。そのため、特に、技術、ユーザーニーズ、情報管理を重要課題と位置づけ、取り組んでまいります。その具体的内容は以下の通りであります。

 

(ア) 先端技術の急速な進化や変化への対応

当社が属する業界においては、AI・クラウド・セキュリティとった先端技術の急速な進展が日々進んでいます。AIによる自動化による費用削減はもとより、予測モデルによるユーザーニーズに即したコンテンツの大量生成等、サービスの向上に資する他、定型業務の効率化等、サービス・業務の最適化を図ることが可能です。また先端のITインフラの利活用による保守・運用コストの削減やセキュリティリスクの向上により事故対応コストの抑制を図ることができます。そのため当社では、これらの進化や変化に迅速に対応し、情報収集や外部パートナーとのアライアンス、内製開発力・プロジェクトマネジメント力の向上に取り組んでおります。

 

(イ) 顧客ニーズの多様化と短サイクル化への対応

ライフスタイルや働き方の多様化、情報源の多様化やパーソナライズ化、さらには様々な価値感の変化によりユーザーのニーズは個別化・細分化が進展しています。またトレンドの高速化やデジタルデバイスの進化によりユーザーニーズは短サイクル化も進展しています。当社は、サービスの競争優位性維持には、こうした顧客ニーズの多様化やサイクルの短期化に即応する機動性が重要であると認識しております。そのため当社は、先端技術の利活用等により、1億人規模のメディアユーザーベースを基盤とした様々な属性データや行動データから、ユーザーニーズの動向を的確に分析し、よりニーズに沿った情報やコンテンツ、サービスを柔軟かつ機動的に提供する仕組みを構築してまいります。

 

(ウ) 情報管理の品質の維持向上

 当社グループはユーザー情報を含む各種情報資産を保有しております。これら情報資産の適切な管理は、サービスを安心して利用頂くための基本であると認識し、情報管理の品質の維持向上を図ってまいります。また、メディア事業においては多くのUGC(User Generated Content)を提供すること、更にユーザー同士のコミュニケーションが発生すること、また若年層の利用も多いこと等に鑑み、情報モラルの維持に配慮したモニタリングを行い、コンテンツ提供者及び利用者双方の保護のための適切な措置を随時講じる等、サービスの安全性及び健全性の確保に努めてまいります。

 

⑤ 人材の確保及び育成

当社グループは、持続的かつ自律的な成長のためには、当社の理念に共感し高い意欲を持つとともに、自律的成長が可能な優秀な人材の確保、並びにその育成は重要であると認識しております。そのため、コミュニケーションの活性化や人事評価制度の再整備等従業員が高いモチベーションを持って自律的に働くことのできる環境の整備を継続して推進してまいります。

 

⑥ ESGへの取組の強化

 当社グループは、ESGへの継続的取り組み及び強化は持続的成長を遂げるための経営課題であると認識しております。そのため、サステナビリティ委員会を設置し、ESGを含むサステナビリティ経営に対する基本方針、施策の決定等を行うこととしております。環境に対しては、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)による提言への賛同を表明し、TCFDコンソーシアムへ加入しています。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社のサステナビリティに関する考え方及び取組みは以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において当社が判断したものであり、様々な要因により実際の結果と異なる可能性があります。

 

 当社は、「情報の価値を具現化する仕組みを提供する」をミッションに掲げ、テクノロジーを活用した新たな情報提供の在り方を実現することで豊かな社会の構築に貢献し、持続可能な社会の実現と当社の持続的な成長に努めております。

 

(1)サステナビリティについての取組み

① ガバナンス

 当社は、サステナビリティ経営に対する基本方針や施策の決定等を行う機関として、サステナビリティ委員会を設置しています。サステナビリティ委員会は、代表取締役社長を委員長に、上級執行役員(上級執行役員である取締役を含む)により構成し、サステナビリティ経営の最高意思決定機関と位置付けることで、様々な取り組みに対し、戦略的かつスピード感をもった意思決定を行う体制を構築しております。また、原則として半期毎に、取締役会に対しサステナビリティ全般に係る推進状況を報告します。

 

<サステナビリティの推進体制図>

 

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② 戦略

 サステナビリティの課題(マテリアリティ)の特定にあたっては、当社グループと関係の深い社会的課題を、社会的課題への貢献・ステークホルダーの期待と、当社グループの成長の影響度と2つの視点で時間軸も加味して評価し、重要度の高い課題を抽出しております。

 当連結会計年度におきましては、当社グループの事業スコープの拡大に併せ特定したマテリアリティを鑑み、昨年度より継続して事業を推進してまいりましたが、選択と集中による安定収益化への回帰を方針とし、今後のマテリアリティを見直し致しました。当社グループは、コーポレートガバナンスをベースとした上で、社会の様々なテーマと繋がり、生活や社会の変化にも寄与するべく、テクノロジーを活用し新たな価値を生み出すと共に、これらのマテリアリティの解決を通じて持続可能な社会の実現と当社グループの成長並びに企業価値の向上に継続的に取り組んでまいります。

 

<マテリアリティ>

事業を通じた社会的課題の解決と価値創造

・生活者に価値ある情報提供・体験の創出(主としてメディア事業)

・金融市場のイノベーティブかつ健全な発展(主としてソリューション事業)

・テクノロジーの追及と活用(両事業共通)

 

持続可能な社会への寄与と事業成長のための経営基盤

・公正かつ透明性の高いガバナンスの維持強化

・人材の育成と多様な働き方の推進

・気候変動に対する対応

 

③ リスク管理

 当社では、全社的なリスクマネジメント体制についてリスク管理規程を定め平時有事のリスク管理体制等について定めております。サステナビリティ委員会では、サステナビリティに関するリスク・機会の再検討並びに評価分析を行うものとし、コンプライアンス委員会や経営会議と有機的に連携し、全社的なリスクマネジメントへと統合しております。

 

(2)気候変動に関する事項

 当社は2021年8月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)による提言への賛同を表明し、TCFDコンソーシアムへ加入いたしました。今後も環境に配慮した事業活動を継続することで、持続可能な社会の実現への貢献と、当社グループの成長を図ってまいります。

 

① ガバナンス

 当社は、気候変動への対応をマテリアリティに位置づけ、サステナビリティ委員会によりモニタリングを行うこととしております。

 

② 戦略

 気候変動が及ぼすリスクとには、政策や規制及び社会的要請の変化による移行リスクと、気温の上昇や自然災害による物理リスクに区分し、当社グループの事業活動への影響を認識いたしました。当社グループの事業活動への影響を把握するため、今後、シナリオ分析の実施を検討してまいります。

分類

要因

事業活動への影響

移行リスク

市場

顧客・ユーザーニーズの変化

顧客・ユーザーの関心の高まりに対し、当社のサービスやプロダクトの提供が遅れた場合の、顧客・ユーザー離れ

評判

開示不足等による企業価値の毀損

気候変動に対する市場の要請に対し、当社の対応が不十分だった場合の、当社のブランドや信用力の低下

物理リスク

急性

自然災害等による被害

当社グループ事業所やインターネット環境に被害があった場合の、サービスの停止や各種データの消失及び復旧コスト

機会

移行

顧客・ユーザーニーズの変化

気候、環境関連情報のニーズに沿った適時適切な提供による顧客・ユーザーの信頼及び社会活動への貢献

 

③ リスク管理

 当社グループでは、気候変動に起因する物理的リスクや移行リスクが中長期にわたり当社グループの事業及び財務内容に影響を与えることを認識し、マテリアリティに織り込むとともに、サステナビリティ委員会にてモニタリングすることとしております。また、当社グループでは、リスク管理は健全かつ安定的な経営の維持に不可欠であることから、リスク管理体制を定める規程を制定しており、当該リスク管理体制の下、サステナビリティ委員会、コンプライアンス委員会及び経営会議が有機的に連携し、経営上の重要なリスクにつき、統合的なリスク管理プロセスに組み入れており、気候変動に起因するリスクにつきましてもこれに含めております。

 

④ 指標及び目標

 当社グループは省エネルギー、省資源への取り組みを継続して実施し、ペーパーレス化を進めるとともに、グリーン購入法適合商品を完全導入しております。

 

(3)人的資本に関する事項

 当社グループは、持続的な成長のためには、当社の理念に共感し高い意欲を持った優秀な人材の採用及び確保、並びにその育成は重要であると認識しております。そのため、性別や国籍、価値観にとらわれず、一人ひとりの個性を生かすダイバーシティ&インクルージョンを重視し、ジェンダーや高齢者、障碍者等によらず働きやすい環境整備に努め、多様な働き方の整備や福利厚生の充実を図るとともに、啓蒙活動を含めた教育体制の充実を図っております。個々人の自己の成長と当社グループへの貢献が相互にリンクすることを実感することで、高いモチベーションを持って自律的に働くことのできる環境の整備を継続して推進してまいります。

 

① 人材育成と労働環境の整備

 採用においては、様々なスキルや資格を有し即戦力のある中途採用、更に豊富な経験を有するシニアクラスの採用も行い、多様性のある組織集団を組成しております。

 また、多様性のある組織集団において、年齢や性別、障がいの有無、ライフイベントやライフスタイルによらず、それぞれが持てる能力を発揮し柔軟な働き方が出来る環境の構築を目指し、フレックスタイム制度やテレワークの活用、子育てや介護に配慮した制度等を導入しております。

 同時に、自ら考え行動する自律性を促す育成を重視し、学びの向上心を支える教育制度を充実するとともに、発揮された成果や貢献は、複数の評価者により公正に昇給昇格等の処遇に反映することといたしております。

 更に、従業員の健康管理は人的資産確保の重要な要素と捉え、定期健診やストレスチェック、産業医の活用の他、定期健診での再検査費用の一部負担等、従業員の健康維持増進への取り組みを行っております。

 

② 指標及び目標

項目

2025年3月期(実績)

中期目標

女性管理職の割合

27.4

従業員の男女比率と同等

女性の産休・育休後復帰率

100

100%の維持

男性育児休業取得率

0.0

100

e-learning 受講時間数(人)

1時間04分

20時間

 

3【事業等のリスク】

 以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、潜在的リスクや不確定要素はこれらに限られるものではありません。

 

(1)事業の環境、外部環境

① 広告市場の動向について

 当社グループは、1億人規模の月間利用者数を誇る総合メディア事業者となっております。現状において、メディア事業の売上に占める広告売上割合は依然高く、広告市況の影響を受けやすい環境にあり、広告売上依存度の相対的低下を目指しております。当社グループでは、課金モデルを始めとする収益モデルの多様化施策を通じ、収益の安定化に努めておりますが、大幅な景気の減速や現在も低迷が続くアドネットワーク広告市況の更なる長期化や一層の広告単価下落等が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 金融市場の動向について

 当社グループのソリューション事業は主に金融・経済情報を商材として金融機関等を対象に事業を展開しているため、景気の減速や急激な市況変動等の事態が発生した際には、金融機関の広告出稿、並びに金融機関による当社グループのソリューションプロダクトへの投資等の事業活動が大きく減退する可能性があります。当社グループでは、商材の拡充や販売チャネル・顧客層の拡大、収益モデルの多様化や比較的高収益なパッケージ化等の施策を通じ、収益の安定化に努めておりますが、急激かつ大幅な景気の減速や市況変動が生じた場合には、個人投資家による口座開設数や課金サービスの利用、又は金融機関からの受注量等が減少し、また、これらの事象が同時に発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 競合について

 当社グループのメディア事業の月間利用者数は1億人規模に上り、また専門性や独自性の高いクリエイター群と、高い情報発信力を掛け合わせたグループ内における新たなエコノミクス創出力はユニークかつ競争優位なポジションを有していると考えております。また金融・資産形成情報メディアにおいては投資家の予想データ等のクラウドインプットとAIの融合によって生成される独自性の高いコンテンツを有しており、ソリューション事業においてメディア事業の特色を活かした独自のソリューション提案を行うことで他社との差別化を図っております。このため、情報ソリューションサービス分野における競合の要素は比較的少ないと考えております。さらに当社グループでは、継続して蓄積されるノウハウや、テクノロジーを活用した独自性による強みを市場のニーズに照らし適切に活用することで、競合要素の排除及び強固なポジションの維持に努めております。しかしながら、今後、他社が当社グループと異なるアプローチで独自のノウハウや強みを活用し、当社グループが提供するサービス領域での競合となった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、事業拡大の中で新たに展開する事業について、類似サービスに対する差別化が十分に実現できなかった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 技術革新について

 当社グループのサービス展開の基礎となるインターネットや当社の強みであるAI等を活用した情報配信の自動化の分野においては技術革新が激しく、また、それに伴う顧客のニーズも常に変化をしております。当社グループもこれらの変化に迅速に対応すべく、最新の技術に対応したサービスやプロダクトの開発を推進しております。しかしながら、今後、当社グループの想定外の急激な技術革新により、その対応に遅れが生じた場合、当社グループの有する技術サービスの陳腐化が顧客への訴求力の低下などに繋がり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)事業上のリスク

① システム及びサービスの不具合について

 当社グル―プの事業は、主にクラウドサーバーを中心とするコンピュータシステムからインターネットを介して顧客にサービス提供しているため、これらのサービスにおいては、システムの冗長化等、安定稼働のための対策を講じております。しかしながら、機器の不具合、自然災害、コンピュータウイルス等によるコンピュータシステムや通信ネットワークの障害、不正なアクセスによるプログラムの改ざん等により、サービスに不具合が発生した場合、顧客に機会損失又は利益の逸失を生じさせる可能性があります。さらにそれらが当社の責による重大な過失の場合、損害賠償請求や著しい信用力の低下等につながり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

② サイト運営の健全性について

 当社がグループメディア事業にて提供する情報サイトは、UGCメディアやユーザーがコメント等を投稿することが可能なサイトを含んでおり、誹謗中傷など健全性を欠くコンテンツやコメントが投稿される可能性あります。当社グループでは、サイト運営に関して利用規約をサイト上に明示し、サービスの適切な利用を促すように努めるとともに人的・機械的の両面で恒常的に監視し、利用規約に違反する不適切なコンテンツや投稿データについては削除等、健全なサイト運営を維持しております。しかしながら、不適切な投稿に対して当社グループが十分な対応ができない場合には、当社グループがサイト運営者としての信頼を失い、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 検索サイトの仕様変更や世界的なプライバシー重視傾向について

 当社グループのメディア事業では、ウェブ検索エンジンの最適化を主なユーザー獲得ルートの1つとしております。当社では、ユーザーに資する良質なコンテンツを提供することを基本に、検索の動向等を調査分析する体制を構築し、ユーザーの検索ニーズへの対応に努め、好位置への掲載に努めております。しかしながら、Google LLCを始めとした検索エンジンの仕様変更が、当社グループの想定を超える大幅かつ急激なものであった場合等において、当社グループの分析・対策が十分かつ適切に行われない場合には、検索によるユーザーの獲得が低迷し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、いわゆるサードパーティークッキー規制については、Google LLCの方針転換はあったものの、業界全体としては引き続きプライバシー重視の方向に進んでおります。これによりターゲティング広告を始めとするWeb広告配信や広告効果測定への影響が懸念され、インターネット広告市場にも影響を与える可能性があります。当社は継続して情報収集やファーストパーティデータの活用等必要な対応に努めてまいりますが、一連のプライバシー重視による影響が、当社グループの想定を超える大幅かつ急激なものであった場合等において、当社グループの分析・対策が十分かつ適切に行われない場合には、広告単価の下落等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります

 

④ ユーザーの継続率について

 当社グループのメディア事業にとって、ユーザーの継続率は重要な要素であり、ユーザーの利便性の向上やコンテンツを含めた良質な情報の拡充等の施策を通じて、継続率の維持向上を図っております。しかしながら、施策の見誤り等により継続率が想定を大きく下回る事態が続いた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 契約の継続について

 当社グループでは、各種ニュースや、株価データ、企業の決算情報等の配信情報の一部を証券取引所をはじめとした第三者から取得しております。当社グループは、安定的な仕入れ先の確保、及びニーズの変化に則した情報やサービスの提供を通じ販売先との継続的かつ良好な取引関係の維持に努めておりますが、先方事由等により、これら仕入れ及び販売における契約の中止や取引条件等に大きな変更が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 法的規制等について

 当社グループには、電気通信事業者として届出、及び銀行代理業者として許可を受け業務を行っている子会社があります。当社グループは、事業領域の拡大に則し、法令また自主規制等の制定、改正、改定あるいは社会情勢の変化による既存の法令解釈等の変更に対し、情報収集のうえ、早期に対策を講じられるよう努めておりますが、今後、関連する領域において新たな法規制、業界内での自主規制が求められた場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、証券等の金融商品情報事業におきましては、金融業界をとりまく法令や規則の改正、慣行や法令解釈等変更があった場合、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 知的財産権について

 当社グループが提供しているサービスに使用する商標、ソフトウエア、システム等について現時点において、第三者の知的財産権を侵害するものはないと認識しております。今後も、権利侵害を回避するための監視・管理等を行っていく方針であり、知的財産権の保護についてはコンプライアンス基本方針に明記してこれを周知徹底し、知的財産権に関する社内教育に努めておりますが、当社グループが認識していない知的財産権がすでに成立している可能性や、使用しているフリーソフトウエアが第三者の知的財産権を侵害している可能性等から、当社グル―プによる第三者の知的財産権の侵害が生じる可能性があり、その第三者より、損害賠償請求、使用差し止め請求及びロイヤリティの支払い請求等が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績、並びに信用力に影響を及ぼす可能性があります。

⑧ 情報管理体制について

 当社グループでは、当社グループが提供するサービスの利用者を識別できる情報や顧客が保有する個人情報を知り得る場合があります。当社グループではこれらの個人情報を取り扱う際の個人情報取扱規程を制定するとともに、社内教育を徹底する等、個人情報の保護に積極的に取り組んでおります。しかしながら、外部からの不正アクセスや人為的ミス等により知り得た情報が漏洩した場合には、当社グループの社会的信用の失墜等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨ カスタマイズ開発に関するリスク

 当社グループではソフトウエア開発に関し、自社製品、外部販売によらず、ソフトウエア開発プロジェクトに関する期間や費用の見積り及び将来収益計画につき適宜定期的に進捗状況や妥当性の確認を行い、当初計画からの乖離が生じないよう管理体制を構築しております。しかしながら、顧客のニーズによる開発途中の要件変更や品質改善要求、開発遅延等により当初計画どおりの納品又は役務提供がなされなかった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑩ 企業買収、合弁事業及び戦略的提携等に係るリスク

 当社グループは、企業価値を向上させるために必要な技術や事業等の獲得が、事業の成長を加速させる有効な手段となる場合は、他企業の買収や事業の合弁、外部パートナーとの戦略的提携を検討する可能性があります。これらの実施に際しては、市場動向やニーズ、対象企業の財務・法務・事業等、当社グループの事業ポートフォリオ等のリスク分析結果を十分に吟味し正常収益力を分析した上で行います。しかしながら、事前の調査・検討にも関わらず、買収等実施後の市場環境の著しい変化や偶発債務の発生、未認識債務の判明等、事前の調査で把握出来なかった問題が生じた場合、また、買収した企業が計画どおりに進展することが出来ず、投下した資金の回収が出来ない場合等において、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)組織関連

① グループの組織体制について

 当社は、当連結会計年度末において、子会社4社(グループ組織再編により前期末比2社減)、その従業員数はグループ合計で443名(平均臨時雇用者数202名を含む。前期比7名増(うち平均臨時雇用者数197名)。)であります。当社グループでは企業価値の持続的な増大を図るにはコーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であるとの認識のもと、業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保、さらに健全な倫理感に基づく法令遵守の徹底が必要と認識しております。今般、事業の選択と集中への方針転換を行ったことを踏まえ、取締役会をスリム化するものとし、より迅速かつ柔軟な意思決定を可能にするとともに、事業執行とガバナンスのバランス並びに経営上のリスクを適切に把握しコントロールするための内部管理体制の強化を図る方針であります。しかしながら、これらの施策が適時適切に進行しなかった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 人材の獲得及び育成について

 当社グループは、継続的な成長の実現には、当社グループの理念に共感し高い意欲を持った優秀な人材を継続的に雇用し、育成していくことが重要であると考えており、従業員が高いモチベーションをもって自律的に働く環境の整備を継続的に推進する他、教育制度の充実、ワークライフバランスや多様な働き方を支える各種制度の整備など社員が働きやすい社内環境の構築に努め、採用活動においては人材紹介サービスも活用しております。現時点では、人材確保に重大な支障を生じる状況にはないものと認識しておりますが、当社グループの求める人材の確保に支障が生じた場合には、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)その他

① ストック・オプションについて

 当社は、当社の役職員に対してインセンティブを目的としたストック・オプションを付与しており、これらストック・オプションが権利行使された場合、発行済株式数が増加し、株式価値が希薄化する可能性があります。なお、本書提出日現在の潜在株式数は、245,200株(自己保有新株予約権137個に相当する潜在株式13,700株を除く)であり、発行済株式総数の1.64%に相当します。

 

(5)重要事象について

当社グループは当連結会計年度において、営業損失1,911,248千円、経常損失1,993,227千円及び当期純損失5,529,280千円を計上、返済期日が1年内の借入額は3,125,000千円と、手元資金542,610千円に比して多額であり、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在していると認識しております。当社グループは、こうした状況を解消すべく、安定した利益確保のためのコスト削減及び資金の安定化に向けた環境整備を推進してまいりました。当連結会計年度におきましては大規模な事業・資産整理や固定費の見直しを行い、また、取引金融機関全行の同意を得て、5億円の新規借入枠を設定した他、タームローン5,680,000千円及びシンジケートローン1,900,000千円について、2025年6月20日付で取引金融機関全行と変更契約書を締結し、2025年3月期を財務制限条項の遵守の対象外とするとともに、返済額をリスケジュールいたしました。

しかしながら、今後の事業の状況によっては上記の施策による効果を十分に得られず、今後の資金繰りに重要な影響を及ぼす可能性があることから、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。なお、連結財務諸表は継続企業を前提として作成しており、継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を連結財務諸表に反映しておりません。

 

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 文中将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営成績等の状況の概要

① 経営成績の状況

 当連結会計年度の経営成績は、売上高が10,548,910千円(前年同期比6.3%増)、営業損失は1,911,248千円(前連結会計年度は699,745千円の営業損失)、経常損失は1,993,227千円(前連結会計年度は790,919千円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は5,525,955千円(前連結会計年度は1,180,874千円の当期純損失)、また当社グループにおいて継続的な成長の指標の一つとして重視しているEBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)は△711,296千円(前連結会計年度のEBITDAは492,857千円)となりました。

売上高につきましては、メディア事業におけるディスプレイ広告市場悪化の長期化の影響やソリューション事業においては下半期に見込んでいた大型案件の未実現等が発生した一方で、2023年9月1日付で新たにグループ化した株式会社フロムワン(2023年11月1日付で商号を株式会社シーソーゲームに変更、また2024年10月1日付で株式会社ライブドアを存続会社とする吸収合併方式により合併)の通年寄与、2024年4月に完全子会社として設立しました株式会社コンテンツモンスターの売上高が寄与した結果、6.3%の増収となりました。

他方、営業利益につきましては、メディア事業における利益率の高い広告収入の落ち込みに加え、株式会社コンテンツモンスターにて手掛けた大型K-POPイベントにおいて、大規模な損失が発生する結果となりました。

以上の状況を踏まえ当社は、2025年2月14日付「連結業績予想の修正及び中期経営計画の取り下げに関するお知らせ」、2025年5月2日付「通期業績予想修正に関するお知らせ」並びに同日付「特別損失の計上に関するお知らせ」にて公表の通り、これまでの高い売上成長率を重視した売上高拡大の事業方針から方針転換し、利益貢献開始までに時間と追加投資を要する事業からの撤退等、事業整理・資産整理を行い、その結果大規模な費用削減を実行いたしました。これにより、当連結会計年度にて各種事業整理損失、各種減損処理、並びに投資有価証券の評価損等として合計3,439百万円の特別損失を計上しております。

 

 報告セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。

 

 (メディア事業)

 当連結会計年度におきましては、スポーツ情報メディア等を手掛ける株式会社シーソーゲームが通期貢献した一方で、ディスプレイ広告市場悪化の影響が長期化する中、広告収入依存の軽減を目的とした積極的な収益多様化策や、ディスプレイ広告の減収を見越した費用削減を推進するも、想定を上回る広告単価及び「ライブドアブログ」のPV数の下落、低広告単価の長期化に加え、新NISA反動によるアフィリエイト広告収益も急減速の影響を相殺するには至りませんでした。また収益多様化策として株式会社コンテンツモンスターが手掛けた、K-POPのコンテンツ事業は本来の目的であった月額課金サービスのユーザー獲得への施策が十分に行えなかったことに加え、その販促施策の一環として実施した複数のイベントも売上・費用ともに当初の見込みから大きく乖離し、売上寄与はあったものの大規模な損失を発生させる結果となりました。

 これらの結果、当連結会計年度の売上高は6,081,869千円となり、前年同期の5,877,941千円から203,927千円増加(前年同期比3.5%増)、セグメント損失は2,188,938千円となり、前年同期の706,814千円の損失から1,482,124千円の悪化となりました。なお、売上高には持株会社体制のマネジメントフィー等の支払額830,666千円を含んでおり、これを戻した売上高は6,912,535千円であり、前年同期と同基準での比較では563,794千円の増収(同8.9%増)、同セグメント損失は1,358,271千円であり、前年同期比1,122,256千円の悪化となっております。

 

(ソリューション事業)

 当連結会計年度におきましては、個人向けの課金サービスである「Kabutan(株探)プレミアム」において会員数が堅調に推移するとともに、月額料金の値上げ効果から収入が伸長し、情報ソリューションサービスにつきましては、月額利用料によるストック収入は堅調に推移いたしました。一方で、情報ソリューションにおける初期・一時売上によるスポット収入につきまして下半期に見込んでいた中堅対面証券会社向けの大型案件やオンライン証券会社の業績不振により見込み案件の一部が見送りとなったほか、SI・パッケージソリューションサービスにつきましても下半期に想定していた既存顧客の大型DX案件失注が発生いたしました。加えて、収益多様化に向け2021年9月に完全子会社として設立しました株式会社ミンカブアセットパートナーズでは前連結会計年度中に投資助言・代理業の登録が完了したもののサービスローンチの遅延等から費用が先行し、増収の一方で利益面は悪化の要因となりました。

 これらの結果、当連結会計年度の売上高は3,642,505千円となり、前年同期の3,493,846千円から148,659千円増加(前年同期比4.3%増)、セグメント利益は99,668千円であり、前年同期のセグメント利益138,462千円から38,794千円の悪化となりました。また、メディア事業と同様、売上高にはマネジメントフィー等の支払額289,833千円を含んでおり、マネジメントフィー考慮前の売上高は3,932,339千円であり、前年同期と同基準での比較での増収額は148,953千円(同3.9%増)、同マネジメントフィー等考慮前セグメント利益は389,501千円であり、前年同期比38,500千円減(同9.0%減)となりました。

なお、株式会社ミンカブアセットパートナーズについては、選択と集中への事業方針の転換の中、同社の金融サービスについて、業務提携先である株式会社トレードワークスとより高い事業シナジーが発揮できるという判断のもと、2025年3月31日付にて全株式を株式会社トレードワークスに譲渡いたしました。

 

② 財政状態の状況

(資産)

当連結会計年度末における流動資産は2,039,279千円となり、前連結会計年度末に比べ2,092,755千円の減少となりました。これは主に、現金及び預金が1,505,135千円減少したこと、売掛金が514,504千円減少したこと、未収還付法人税等が113,515千円減少したこと等を要因としたものであります。

固定資産は7,943,107千円となり、前連結会計年度末に比べ2,763,722千円の減少となりました。これは主に、2025年2月14日付「2025年3月期第3四半期連結決算短信」で公表いたしました選択と集中に基づく大幅なコスト削減策により、有形固定資産が303,718千円減少したこと、無形固定資産が合計で2,344,833千円減少したこと等を要因としたものであり、有形固定資産の減少は主としてオフィス縮小に伴う減損損失、無形固定資産の減少は主として、事業・サービスの終了及び一部サービス機能の見直しによるのれんやソフトウエアの減損損失及びライブドアブログに関する顧客関連資産についてリスクを織り込んだ回収可能性の評価に基づく減損損失の計上によるものであります。

これらの結果、資産合計は9,982,387千円となり、前連結会計年度末の14,838,864千円から4,856,477千円の減少となりました。

 

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は4,376,183千円となり、前連結会計年度末に比べ1,642,018千円の増加となりました。これは主に、短期借入金が1,492,000千円及び1年以内返済予定の長期借入金が90,000千円増加したこと、事業整理損失引当金が156,503千円増加したこと等を要因としたものであります。

固定負債は5,286,215千円となり、前連結会計年度末に比べ633,630千円の減少となりました。これは長期借入金が約定弁済及び流動資産への振替等により847,500千円減少したこと、繰延税金負債が213,869千円増加したことを要因としたものであります。

これらの結果、負債合計は9,662,399千円となり、前連結会計年度末の8,654,011千円から1,008,387千円の増加となりました。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は319,988千円となり、前連結会計年度末の6,184,853千円から5,864,865千円の減少となりました。これは主に、その他有価証券評価差額金が52,360千円増加した一方で、2024年6月開催の第18期定時株主総会の決議に基づき実施した減資実行額を資本剰余金へ振替後、資本剰余金を原資とする普通配当支払等を行ったこと等により、資本金及び資本剰余金が合わせて387,927千円減少したこと、利益剰余金が5,525,955千円減少したこと等を要因としたものであります。

これらの結果、自己資本比率は3.1%(前連結会計年度末は41.6%)となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ1,505,135千円減少し、542,610千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、655,990千円の支出(前期は91,018千円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失が5,302,479千円となり、成長投資に伴うソフトウエアの減価償却を中心とした減価償却費合計が932,954千円、主にライブドアブログに関する顧客関連資産についてリスク重視の観点に基づく回収可能性の検証結果により当初期待収益との比較における収益性の低下による減損の兆候が認められたことによる減損損失が2,543,076千円、事業整理損が276,050千円、のれん償却額が266,997千円、その他の引当金の増加額が179,046千円、有価証券評価損が102,753千円、売上債権の減少額が514,280千円となった一方で、有価証券売却益が20,000千円、子会社株式売却益が91,965千円、その他流動負債の減少額が105,688千円となったことを要因としたものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、1,196,139千円の支出(前期は1,684,902千円の支出)となりました。これは主に、ソフトウエア開発投資を中心とした無形固定資産の取得による支出が1,271,049千円、有形固定資産購入による支出が112,828千円となった一方で、投資有価証券の売却による収入が120,000千円、子会社株式の売却による収入が95,495千円となったことを要因としたものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、346,994千円の収入(前期は822,324千円の支出)となりました。これは主に、短期借入金の純増額が1,492,000千円となった一方で、長期借入金の返済による支出が757,500千円、配当金の支払額が389,117千円となったことを要因としたものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社グループの事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

 

b.受注実績

 当社グループは受託開発を行っておりますが、受注から開発・納品までの期間が短いため、記載を省略しております。

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

販売高(千円)

増減率(%)

メディア事業

6,833,958

8.5

ソリューション事業

3,714,952

2.6

合計

10,548,910

6.3

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

 至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

 至 2025年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

株式会社キョードー大阪

1,126,774

10.68

3.前連結会計年度の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が10%未満であるため記載を省略しております。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度において当社は、メディア事業及びソリューション事業の費用削減(メディア事業約8億円、ソリューション事業約2億円)に加え、役員報酬及び一部管理職の人件費削減、オフィスの縮小による賃料削減等により、約3億円の費用削減を見込み、各種事業撤退後に残存する売上基盤でも利益を確保すべく事業基盤を整備いたしました。

なお、当連結会計年度末における現預金が前連結会計年度末に比較して大きく減少しましたが、多額の損失となったコンテンツ事業については撤退を完了しており今後の資金負担は発生しないこと、事業・資産整理による一部資産の現金化に加え、前述の費用削減を主体とし、EBITDAは二桁億円台規模に回復する見通しであり、資金力の回復が見込まれます。なお、タームローン5,680,000千円及びシンジケートローン1,900,000千円については、2025年6月20日付で取引金融機関全行と変更契約書を締結し、2025年3月期を財務制限条項の遵守の対象外とするとともに、返済額をリスケジュールいたしました。今後、改めて設定された返済計画に基づき借入金を返済するとともに、可能な限りの内部留保の確保に努め、今後3年以内に過去最高益を更新可能な事業基盤を再整備し、早期の再成長フェーズへの移行を目指してまいります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性は、主に営業活動による純現金収入によります。このため、当社では、経営上の目標の達成状況を判断するための指標として売上高の他、簡易的なキャッシュ・フロー指標であるEBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)を重視しております。EBITDAは、ソフトウエアを中心とした成長投資に係る減価償却費やM&A等によるのれん償却額を除いた収益力を示すものであり、当社の事業形態や経営戦略に則した実質的な収益力を測る有効な指標と考えております。

 前述のとおり、メディア事業、ソリューション事業とも、選択と集中の方針に基づき、サービスの終了も含めた抜本的な事業・資産の見直しを行うとともに、開発投資はサービス運用の効率化や成長ドライバーとなり得るサブスクリプションサービスの開発等に限定するなど、徹底した費用削減と設備投資の抑制により、フリーキャッシュフローを安定的に創出可能な基盤を整備いたします。

 

 その他キャッシュ・フローの状況につきましては「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。また、連結財務諸表の作成にあたっては、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性のある見積りや予測を行っており、見積りの不確実性による実績との差異が生じる場合があります。

 当連結会計年度における当社グループの連結財務諸表の作成に係る重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載をしておりますが、連結財務諸表作成の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

 

(株式会社ライブドアに係るのれん及び顧客関連の評価)

(株式会社ライブドアに係る繰延税金資産の回収可能性)

 これらの詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

 

 

5【重要な契約等】

(株式会社シーソーゲームの株式会社ライブドアによる吸収合併)

メディア事業において、更なる付加価値向上による収益拡大と、コスト削減を含む統合効果の最大化、加えて経営資源の有効活用を図るため、2024年7月19日付で、連結子会社である株式会社ライブドアを存続会社とした株式会社シーソーゲームと吸収合併に関する契約を締結し、2024年10月1日に吸収合併いたしました。

 

本吸収合併の概要は次のとおりであります。

吸収合併の期日

2024年10月1日

吸収合併の方式

株式会社ライブドアを存続会社、株式会社シーソーゲームを消滅会社とする吸収合併

吸収合併に係る割当の内容

本吸収合併は、完全子会社間の吸収合併であるため、本吸収合併による新株式の発行、資本金の増加及び合併交付金の支払いはありません。

吸収合併の当事者の概要

 

吸収合併存続会社

吸収合併消滅会社

(1)名称

株式会社ライブドア

株式会社シーソーゲーム

(2)所在地

東京都港区東新橋一丁目9番1号

東京都港区東新橋一丁目9番1号

(3)代表者役職・氏名

代表取締役社長 兼 CEO:宮本直人

代表取締役社長:宮本直人

(4)事業内容

「ライブドアブログ」、「ライブドアニュース」、「Kstyle」等の総合ネットメディアの運営

スポーツ専門メディアの運営、映像等受託制作、施設運営等

(5)資本金

10百万円

244百万円

(6)設立年月日

2022年10月7日

1989年12月26日

(7)発行済株式数

1,099株

4,994株

(8)決算期

3月

3月

(9)大株主及び

持株比率

株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイド 100%

株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイド 100%

(10)直前事業年度

の財政状態及

び経営成績

純資産

2,025百万円

純資産

△332百万円

総資産

3,626百万円

総資産

900百万円

売上高

4,863百万円

売上高

576百万円

営業利益

159百万円

営業損失

41百万円

経常利益

150百万円

経常損失

42百万円

当期純損失

281百万円

当期純損失

46百万円

 

(株式会社ミンカブアセットパートナーズの当社グループ株式持分譲渡)

 選択と集中への事業方針の転換に基づき、株式会社ミンカブアセットパートナーズの金融サービスについて、業務提携先である株式会社トレードワークスとより高い事業シナジーが発揮できるという判断のもと、同社へ全株式を譲渡するため、2025年2月14日付で株式会社トレードワークスと株式譲渡契約を締結し、2025年3月31日付で譲渡を実行いたしました。

 

(株式会社ミンカブWeb3ウォレットの当社グループ株式持分譲渡)

 選択と集中への事業方針の転換に基づき、株式会社ミンカブWeb3ウォレットについて、業務提携先である株式会社トレードワークスとより高い事業シナジーが発揮できるという判断のもと、同社へ全株式を譲渡するため、2025年5月26日付で株式会社トレードワークスと株式譲渡契約を締結し、2025年6月2日付で譲渡を実行いたしました。

 

(財務制限条項が付された借入金契約)

 提出会社及び連結子会社1社は、金融機関との間でシンジケートローン及びタームローン並びに証書貸付契約を締結しており、その内容は次の通りであります。

種類

契約日

最終返済日

期末残高

相手方の属性

財務制限条項

担保の有無

シンジケートローン

2026年6月20日

(注)1

(注)2

1,900,000千円

都市銀行

(注)3

(注)4

タームローン

5,680,000千円

都市銀行

(注)1.当初契約からの変更契約の締結日であります。

(注)2.当初満期日を2026年6月30日とし、以降書面合意により更新の予定であります。

(注)3.財務制限条項が付されており、その内容については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載の通りであります。

(注)4.売掛債権・関連会社貸付債権に係る自己信託受益権、預金債権であります。

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。