文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
(1)経営方針
当社では、企業目標として「一、インクジェット技術を世の中、日本社会、市民生活の発展の為に普及させる 一、社会人として恥ずかしくない立派な人格、人間形成をめざす 一、我々の責務を果たし、生活を豊かにし世界一の出力企業をめざす」、企業理念として「より良い働きを通じて 全従業員の物心両面の幸せを創造し 社会へ貢献しよう」を掲げております。
また、「社員を喜ばし お客様を喜ばす」ことを事業理念としており、お客様からの様々なご要望に対して、即時、かつ細やかにお応えし、お客様からの信頼を得ることにより、売上拡大と収益性の向上を目指しております。
こうして当社の事業理念を浸透させ、事業基盤をより強化発展させることにより、広告産業を通して、日本社会、世の中を明るくするために社会貢献に寄与してまいります。
(2)経営戦略
当社は顧客からの受注に基づき、業務用の大判インクジェットプリンターを使用し、プリント・加工・納品までを一貫して行うインクジェット出力事業を行っております。広告代理店、広告制作会社、印刷会社、デザイン会社等から発注される「販売促進用広告物の制作」、及びゲーム機メーカーが取り扱うプリントシール機の外装カーテン、並びにインテリアメーカーやインテリア専門商社が取り扱う内装壁紙や床材等の「生活資材・製品制作」を主たる事業としております。大阪、東京、横浜、名古屋、福岡に拠点を置き、得意先様からの様々な要望にお応えするため、プリンターや加工マシンの生産体制の拡大と顧客・販路の拡大をこれまで行ってまいりました。24時間生産体制にて、短納期の注文や緊急案件にも対応できることが当社の強みでもあります。「短納期」と「ワンストップサービス」をキーワードに、他社よりも質の高いサービス、付加価値の高いサービスを提供することが、当社の主たる経営戦略であり、以下の二つを中期経営方針として掲げております。
①基幹収益事業の加速・拡大
収益性が高く、最も得意とする「広告業界」への事業領域を加速・拡大させる。
②成長事業への積極的投資
インテリア・内装業界への展開と、3Dプリント事業の成長加速、デジタルサイネージ領域への進出を積極的に行っていく。
(3)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、継続的な事業拡大及び、持続的な利益成長の観点から成長性や効率性の向上に取り組んでおり、「売上高」と「売上高成長率」及び「売上高経常利益率」を重要な経営指標として位置づけており、継続的な利益体質を構築することで売上高成長率10%を目標としております。
(4)経営環境
我が国経済は景気回復が本格化することが期待されておりますが、新型コロナウイルス感染症の収束の見通しが不明であり、依然として先行き不透明な情勢が続くものと予測されます。
当社は新型コロナウイルス感染防止のために、従業員の安全を確保し、柔軟な時差出勤の実施、在宅勤務の一部実施等の各種対策を実行した上で、お客様からの信頼にお応えするべく、営業体制・制作体制の両方の維持継続を図っております。
一方で、外部環境の変化に合わせた営業活動を展開する観点から、感染症による影響が継続する環境下における「新しい生活様式」に関連する商材として、ソーシャルディスタンスサイン等の提案を積極的に行い、一定の成果をあげております。
このように、新型コロナウイルス感染症への対応を行っておりますが、新型コロナウイルス感染症の影響による国内企業の販売促進活動の停滞、並びに、各種イベントの中止・延期等により、当社の主力事業である販売促進用広告制作の売上は大きな影響を受け、引き続き、他社との受注獲得競争が続き、それに伴う価格競争の激化などの影響を受け、当社を取り巻く経営環境は厳しさを増すものと考えております。
このような状況の中、当社は、お客様のニーズに応えるべく、営業力・提案力の強化を更に図り、これにより経営成績が好調な主力広告主から、当社の顧客である広告代理店へ発注された案件の確保に努めてまいります。さらに付加価値の高い分野の新規顧客の開拓深耕にも一層注力していき、事業拡大を加速させてまいります。
また、当社といたしましては、制作体制の「アナログからデジタル化」を基本方針として掲げ、加工の機械化・高速化を図ることを重点的に行っております。最新鋭設備を調査し、ソフトウェアによるオートメーション化の仕組み化を加速させていきます。継続的に生産設備を更新し、生産効率をさらに向上させることにより、価格や印刷品質における競争力を維持し、さらに高めてゆく必要があるものと考えております。また、製品制作を各事業所に適切に割り振ることにより設備の稼働率を向上させ、収益性の改善にも努め、強固な経営基盤を築き、事業の拡大に努めてまいります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
このような経営方針の下、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は、以下の項目と認識しております。
①内部管理体制の強化
当社事業の継続的な発展のためには、コーポレート・ガバナンス機能の強化は重要な問題であり、財務報告の信頼性を確保するため、内部統制システムの適切な運用が重要であると認識しております。コーポレート・ガバナンスに関しては、ステークホルダーに対して経営の適正性や健全性を確保しつつも、さらに効率化された組織体制の構築に向けて内部管理体制の強化に取り組んでまいります。
②コンプライアンス体制の強化
当社は、法令、定款及び社内規程等の遵守は勿論のこと、日々の業務を適正かつ確実に遂行しており、誠実な姿勢を企業行動の基本として、事故やトラブルを未然に防止する取り組みを強化してまいります。今後、さらなる事業拡大と企業価値の向上に向けて、引き続き日常業務における関連法令の遵守を徹底するとともに、社長室を中心とした定期的なコンプライアンス研修の開催、各種取引の健全性の確保、情報の共有化、再発防止策の策定などを行い、また、厳正な管理による社会の「公器」としての責任を重視した透明性のある管理体制の構築を図ってまいります。
③認知度の向上
当社が今後も成長を続けていく上では、当社の認知度を向上させていくことが必要不可欠であると考えております。展示会の出展や参加、Web広告を活用した露出等、販売促進活動を積極的に実施していく方針です。
④営業力の強化
当社が、事業拡大を進めていくにあたっては営業体制の強化が欠かせません。社内の営業人員の育成を加速させつつ、有能な人員の採用を強化していきます。また、協業先(得意先・仕入先)とのビジネス提携も積極的に行い、販売チャネルの拡充及び、営業活動により、より多くの新規顧客の獲得と既存顧客を深耕していくことで事業規模の大幅な拡大を図ってまいります。
⑤生産体制・技術力の強化
当社が、事業拡大を進めていくにあたっては生産体制の強化と技術力の向上が欠かせません。社内の制作人員の育成を加速させると同時に、高度かつ専門的な知識を有する職種に関しては、有能な専門職の採用を強化していきます。また、方針として掲げている「アナログからデジタル化」を積極的に進めていくためにも、最新鋭機器を調査し、加工の機械化・高速化を図ると同時に、ソフトウェアによるオートメーション化を加速させていきます。
また、大阪・東京の都心部に自社のインクジェットファクトリーを持つことにより、自由度が高くなり、従来よりもさらに高いサービスを顧客に提供することが実現できると考えております。
⑥人材の確保と育成
当社は創業以来、優秀な人材を継続的に確保し、人格形成を育成することが最も重要な他社との差別化と認識しております。そのために当社では、従業員のプロフェッショナル化としてインクジェットに関する専門知識の習得を求めるだけでなく、すべての業務に携わる従業員に対し、自己研鑽を重ね、高い専門性を身に付けること、自律的に行動していくことを求めております。これにより、従業員個々の能力向上を図り、当社の人材レベルの向上、ひいてはサービスの質向上、維持に繋げていきたいと考えております。その実現には、人材に対する投資が必要不可欠であると考え、毎年策定する人員計画に教育研修を盛り込み、継続して人材のレベルアップに取り組んでおります。また併せて、経営理念やコンプライアンスに基づいた業務運営体制の徹底のため、リスク認識などに対する全社員の意識向上にも努めてまいります。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項には、以下のものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)特定取引先への依存度が高いことについて
当社の顧客構成において、取引先10社の売上が売上高の38%を占めております。当社では、特定取引先へ依存しない経営方針をとり売上高の取引先による偏りを低減させるよう努めております。今後も取引先との良好な関係を継続してまいりますが、当該顧客企業の経営方針に変更が生じた場合、販売状況に影響が生じ、当社の経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(2)競合について
当社の主要事業であるインクジェット出力事業は、特殊な技術や特許が不要であり、比較的参入障壁が低い事業です。こうしたことから、多数の競合会社が存在し今後一層の競争激化が生じる可能性があります。当社においては、1985年10月から事業運営している経験とノウハウの蓄積を活かしながら競争力の維持向上に努めております。しかしながら、競合他社に対する優位性が確立できる保証はなく、競合の結果、当社の経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(3)情報漏洩について
インクジェット出力事業はデジタル化の進展等により情報システムの重要性が高まっており、当社ではセキュリティの充実及び守秘義務の徹底を図ってきました。個人情報保護に関しては、2010年にプライバシーマーク認証を取得し、適切な管理の徹底、内部監査によるチェック等を行い、厳格な管理体制の構築が行われております。しかしながら、不測の事態により、個人情報が外部に流出した場合には、当社に対する損害賠償の請求や信用力の失墜により、当社の経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(4)人材の確保について
国内において少子高齢化による労働力人口の減少が進む中、あらゆる業界で就業者不足となっており、今後も人材不足が継続すると予測されております。当社の人事部門は、人材の確保に努めておりますが、しかしながら、人材の確保が充分に行えない場合、生産力の低下による納期遅延や品質低下が生じ、顧客からの信用低下などで当社の経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(5)新型コロナウイルス感染症による影響その他の経済動向による影響について
当社の経営成績は、日本国内市場における広告宣伝活動の需要に大きく影響を受けます。国内経済の低迷が長期化した場合は、企業収益の減少に伴い、企業は広告宣伝活動を縮小する傾向にありますので、当社ではこれらの経済動向を注視し適時対策を講じております。新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、2021年10月期第2四半期以降に国内経済が回復する前提で業績予想の作成や会計上の見積りを行っておりますが、その影響が長期化あるいはさらに拡大する場合、国内企業の販売促進活動の停滞が続き、それにより当社の経営成績は変動する可能性があります。
(6)法令規制について
法令の遵守を基本として事業を進めておりますが、廃棄物処理責任、環境・個人情報保護関連、税制関連等において、さまざまな法的規制を受けております。当社といたしましては各主管部門と管理部門が連携し、関連諸法規の順守に万全の体制で臨んでおりますが、今後さらにその規制が強化されることも考えられます。そのような場合、事業活動に対する制約の拡大やコストの増加も予想され、当社の事業活動に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(7)M&Aにおけるリスク
当社は、高収入体制を確立するため、当社の事業内容と一致し、かつ成長が見込まれる会社とのM&Aを推進してまいります。M&Aの実施に当たっては、市場動向や顧客のニーズ、相手先企業の経営成績、財務状況、市場競争力等を十分に考慮し進めるべく努めておりますが、事前の調査・検討に不足や見落としがあったり、買収した事業が計画通りに展開することができず、投下した資金の回収ができない場合や追加的費用が発生した場合等において、当社の経営成績や成長見通し及び事業展開等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(8)新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
当社は長期的な企業価値向上のため、役員及び従業員に対しインセンティブとして新株予約権を付与しております。当事業年度末現在、新株予約権による潜在株式総数は68,600株であり、発行済株式総数2,300,000株の2.9%に相当します。これらの新株予約権の行使可能期間は2021年10月21日から2028年9月20日までであり、この期間内に行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。
(9)材料費の上昇に係るリスク
当社が製造で使用するインクやインクジェット用紙は、原油価格の高騰により価格が上昇することがあります。当社では、取引先材料メーカーを1社に限定せずに、複数社との取引を継続しており、材料価格の見直しを適宜行っております。しかしながら、これら原材料の価格上昇分を製品価格に十分に転嫁できない場合、あるいは材料転換による採算の改善が困難な場合、当社の経営成績及び財務状況に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(10)自然災害等のリスク
当社は災害による生産体制への影響を最小化するため、大阪・東京・横浜・名古屋・福岡に生産拠点を構え、その分散化によりリスクの低減を図っておりますが、災害による影響を完全に防止できる保証はありません。自然災害等により、設備や従業員に大きな被害を受け、その一部又は全部の操業が中断し、生産及び出荷が遅延する可能性があります。また、被害を被った設備等の修復のために多額の費用が発生し、結果として、当社の事業活動、経営成績及び財務状況に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態の状況
(流動資産)
当事業年度末における流動資産の残高は、2,778,008千円(前事業年度末は2,875,329千円)となり、97,320千円減少いたしました。その主な要因といたしましては、主として営業活動によるキャッシュ・フローの増加により現金及び預金が109,793千円増加したものの、売上の減少により売上債権が212,012千円減少したことによるものであります。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産の残高は、247,304千円(前事業年度末は285,015千円)となり、37,710千円減少いたしました。その主な要因といたしましては、設備投資により有形固定資産が29,141千円増加したものの、減価償却により有形固定資産及び無形固定資産が69,323千円減少したためであります。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債の残高は、284,454千円(前事業年度末は429,352千円)となり、144,898千円減少いたしました。その主な要因といたしましては、賞与支給時期の変更により賞与引当金が40,710千円増加したものの、材料仕入等の減少により買掛金が61,313千円、残業の抑制により未払費用が21,261千円、消費税予定納税の回数増加により未払消費税等が100,751千円それぞれ減少したことによるものであります。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債の残高は、126,883千円(前事業年度末は142,428千円)となり、15,545千円減少いたしました。その主な要因といたしましては、返済によりリース債務が8,851千円、異動による役員退職慰労金の支給見込額減少により役員退職慰労引当金が6,744千円それぞれ減少したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産の残高は、2,613,975千円(前事業年度末は2,588,562千円)となり、25,412千円増加いたしました。これは、剰余金の配当115,000千円の減少要因があったものの、当期純利益140,412千円を計上したためであります。
②経営成績の状況
当事業年度における我が国経済は、2019年10月の消費税増税については各種対応策により個人消費への影響が抑えられましたが、2020年に入り新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大による影響で経済活動が停滞しました。感染拡大防止と経済活動の回復の両立の観点から各種対策が実行されていますが、いまだ収束時期が見通せず、先行きが不透明な状況が続いております。
当社は、当事業年度において、2019年11月に名古屋営業所を開設し、また、2020年3月に不動産関連の大型広告案件を受注する等、3月末までの業績はほぼ期初業績予想通りに推移いたしました。
ところが、4月以降は新型コロナウイルス感染症の拡大の影響を受け、状況が一変いたしました。当社は感染防止のために、従業員の安全を確保し、柔軟な時差出勤の実施、在宅勤務の一部実施等の各種対策を実行した上で、お客様からの信頼にお応えするべく、営業体制・制作体制の両方の維持継続を図ってまいりました。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響による国内企業の販売促進活動の停滞、並びに、各種イベントの中止・延期等により、当社の主力事業である販売促進用広告制作の売上は期初業績予想よりも大きく減少しました。また、新型コロナウイルス感染症により国内経済活動の停滞が継続すると想定されたため、5月15日に業績予想を下方修正いたしました。
一方で、外部環境の変化に合わせた営業活動を展開する観点から、新型コロナウイルス感染症による影響が継続する環境下における「新しい生活様式」に関連する商材として、ソーシャルディスタンスサイン等の提案を積極的に行った結果、羽田空港や商業施設等へのソーシャルディスタンスサインの納品の成果をあげることができました。
また、生活資材・製品制作分野においては、売上が比較的堅調に推移しておりますが、新型コロナウイルス感染症の影響により売上は前年実績を下回りました。
この結果、当事業年度の売上高は2,441,353千円(前年同期比18.9%減少)となりました。これに対して残業時間の抑制や不要不急の出張の中止、各種研修の縮小や延期等によるコスト削減を実行したものの、前事業年度に株式を東証マザーズ市場に上場したことに伴う株主管理やIRに関する業務委託費の発生により、売上高の減少をカバーするだけのコスト削減には至らず、営業利益は207,745千円(前年同期比51.3%減少)、経常利益は211,631千円(前年同期比50.3%減少)、当期純利益は140,412千円(前年同期比54.9%減少)となりました。
修正業績予想に対して売上はやや下回りましたが、コスト削減意識が浸透したことにより、利益については修正業績予想を上回る結果となりました。
なお、当社はインクジェット出力事業の単一セグメントであります。したがって、セグメント別の経営成績の記載はしておりません。
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、2,264,344千円となり、前事業年度末から109,793千円増加いたしました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は265,330千円(前年同期比39.6%減少)となりました。これは、仕入債務の減少額61,313千円、未払消費税等の減少額100,751千円、法人税等の支払額76,643千円等の資金減少要因があったものの、税引前当期純利益211,581千円、減価償却費59,169千円、売上債権の減少額212,012千円等の資金増加要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は29,384千円(前年同期は71,218千円の資金の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が29,339千円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は126,152千円(前年同期は428,694千円の資金の増加)となりました。これは主に剰余金の配当によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
当社はインクジェット出力事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載はしておりません。
イ.生産実績
当社の事業は、提供する商品の性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
ロ.受注実績
当社は受注生産を行っておりますが、受注から販売までの期間が短いため、記載を省略しております。
ハ.販売実績
|
区分 |
第35期事業年度 (自 2019年11月1日 至 2020年10月31日) |
|
|
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
|
販売促進用広告制作 |
2,015,199 |
△21.0 |
|
生活資材・製品制作 |
426,154 |
△7.6 |
|
合計 |
2,441,353 |
△18.9 |
(注)1.金額は販売価額によっており、消費税等は含まれておりません。
2.主な相手先の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
第34期事業年度 (自 2018年11月1日 至 2019年10月31日) |
第35期事業年度 (自 2019年11月1日 至 2020年10月31日) |
||
|
販売高(千円) |
割合(%) |
販売高(千円) |
割合(%) |
|
|
フリュー㈱ |
333,158 |
11.1 |
292,281 |
11.9 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 (重要な会計方針)」に記載しております。
この財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行っておりますが、不確実性が内在しているため、将来生じる実際の結果と異なる可能性があります。
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
イ.固定資産の減損
固定資産のうち減損の兆候のある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。過年度の損益実績や事業計画に基づき減損の兆候の有無を検討しておりますが、市場環境の変化等により、事業計画の前提条件に変更が生じた場合には、減損損失の計上が必要となる可能性があります。
ロ.繰延税金資産の回収可能性
過年度の課税所得の実績や事業計画に基づく課税所得の見積りに基づき、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提条件に変更が生じた場合には、繰延税金資産を取り崩し税金費用の計上が必要となる可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症に関する会計上の見積りに係る仮定は、「第5 経理の状況 1財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。
②当事業年度の経営成績の分析
当事業年度の経営成績は、2020年3月までは売上高、営業利益ともにほぼ前年同期と同様の結果となっておりましたが、4月以降は新型コロナウイルス感染症の影響により状況が一変し、国内企業の販売促進活動の停滞や各種イベントの中止・延期等により、販売促進用広告制作の売上高が大きく減少し、結果として通期では前年同期と比較して大幅な減収減益となりました。
イ.売上高
当事業年度の売上高は、2,441,353千円となり、前年同期と比較して18.9%減少しました。主な要因は、不動産関連の大型広告案件を受注できたものの、新型コロナウイルス感染症の影響で国内企業の販売促進活動の停滞や各種イベントの中止・延期等が発生し、当社の主力事業である販売促進用広告制作の売上高が前年同期と比較して21.0%減少したためであります。
ロ.売上原価、売上総利益
当事業年度の売上原価は、1,491,510千円となり、前年同期と比較して15.8%減少しました。主な要因は、売上高の減少により材料費が72,826千円減少したことや、新型コロナウイルス感染症による受注の低迷に合わせて生産体制を見直し、残業の抑制等により労務費が59,131千円減少したことによるものであります。
この結果、当事業年度の売上総利益は、949,842千円となり、前年同期と比較して23.3%減少しました。
ハ.販売費及び一般管理費、営業利益
当事業年度の販売費及び一般管理費は、742,097千円となり、前年同期と比較して8.7%減少しました。新型コロナウイルス感染症による受注の低迷に合わせて勤務体制を見直し、残業の抑制等により人件費が45,151千円減少しましたが、前事業年度に株式を東証マザーズ市場に上場したことに伴う各種管理コストやその他の固定費については売上の減少に見合った削減をすることができませんでした。
この結果、当事業年度の営業利益は、207,745千円となり、前年同期と比較して51.3%減少しました。
ニ.営業外収益、営業外費用、経常利益
当事業年度の営業外収益は材料の不良に対する受取補償金等で4,604千円、営業外費用は支払利息で718千円となりました。
この結果、当事業年度の経常利益は、211,631千円となり、前年同期と比較して50.3%減少しました。
ホ.特別損益、税金費用、当期純利益
特別利益について、前事業年度は固定資産売却益12,999千円が発生しましたが、当事業年度は特別利益は発生しておりません。特別損失は、機械及び装置を除却したことに伴う固定資産除却損50千円が発生しました。また、課税所得の減少により、税金費用は71,168千円となり、前年同期と比較して44.4%減少しました。
以上の結果、当期純利益は、140,412千円となり、前年同期と比較して54.9%減少しました。
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」をご参照ください。
当社の運転資金及び設備投資資金は原則として自己資金で賄う方針でありますが、必要に応じて借入の実行も検討いたします。
当社は、資金の源泉と流動性を安定的に確保することを基本方針としております。営業活動によるキャッシュ・フロー及び前事業年度に実施した増資により、当事業年度末の現金及び預金は2,264,344千円となっており、これを主として設備投資資金・成長のための投資資金に充当する予定であります。
④経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、重要な経営指標として「売上高」と「売上高成長率」及び「売上高経常利益率」を掲げ、売上高成長率10%を目指しております。当事業年度の売上高は2,441,353千円となり、新型コロナウイルス感染症による影響で前年同期に対して減収となりました。売上高経常利益率は8.7%となり、前年同期と比べて5.5ポイント減少しました。新型コロナウイルス感染症の収束には至っておらず、先行き不透明な状況が続いておりますが、顧客数アップとリピート数アップでこの状況を改善し、今後もこの3つの指標を重視して経営を行うことにより、企業の成長性及び効率性の確保を図ってまいります。
⑤経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の経営成績は、新型コロナウイルス感染症や、特定取引先への依存、同業他社との競合、人材の確保等、様々な要因の変動による影響を受ける可能性があります。このため、当社事業を取り巻く環境に注視し、内部統制システムの強化等によりこれらのリスク要因に対応してまいります。
⑥経営者の問題意識と今後の方針について
我が国経済は景気回復が本格化することが期待されておりますが、新型コロナウイルス感染症の収束の見通しが不明であり、依然として先行き不透明な情勢が続くものと予測されます。
当社は新型コロナウイルス感染防止のために、従業員の安全を確保し、柔軟な時差出勤の実施、在宅勤務の一部実施等の各種対策を実行した上で、お客様からの信頼にお応えするべく、営業体制・制作体制の両方の維持継続を図っております。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響による国内企業の販売促進活動の停滞、並びに、各種イベントの中止・延期等により、当社の主力事業である販売促進用広告制作の売上は大きな影響を受けております。
さらに、引き続き、他社との受注獲得競争が続き、それに伴う価格競争の激化などの影響を受け、当社を取り巻く経営環境は厳しさを増すものと考えております。これに対して、従来の広告物制作を行う「基幹収益事業」の成長をさらに加速させ、事業規模をさらに拡大させます。具体的には、「都心部拠点のシェア拡大」、「EC戦略の本格化」、「オートメーション化の推進」、「インテリア・内装業界への本格的な進出」を進めてまいります。
「都心部拠点のシェア拡大」としては、事業拠点である大阪、東京、横浜、名古屋、福岡の各都心部エリアにおいて、新規顧客の開拓を着実に進め、顧客基盤をさらに強化し、売上シェアの拡大を目指します。これを実現するため、「EC戦略の本格化」を行い、ITマーケティング専門部署を新設し、従来の営業活動における不効率を解消し、顧客との関係性を強化しながら案件獲得率を向上させてまいります。
「オートメーション化の推進」としては、ソフトウェアによるオートメーション化を積極的に進め、生産性の向上をさらに高めてまいります。
「インテリア・内装業界への本格的な進出」としては、マーケティング調査のうえ、インテリア内装用の生産設備を刷新し、2021年10月期下半期よりインテリア・内装業界への進出をさらに拡大させます。
さらに、2021年10月期より従来のインクジェットプリント出力による製品販売の経験を活用して、販売促進用広告分野におけるデジタル技術に対応したデジタルサイネージ事業を開始します。2021年10月期は業務の立ち上げ段階であり、業績に与える影響は軽微だと想定しておりますが、将来的にはインクジェット出力事業に次ぐ事業に成長させてまいります。
特記すべき事項はありません。
特記すべき事項はありません。