第2 【事業の状況】

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

当社グループは、経営理念である「日本のリテール金融改革を通じて社会に貢献します。」のもと、所属するIFAがファイナンシャル・アドバイス業務に専念でき、IFAとして向上できる環境を提供することで、IFAと共に真のお客様重視を実現し、IFAビジネスに関わるすべての人々が幸せになることを目指しております。

また、金融商品仲介業における媒介する資産残高の増大により、当社グループの持続的な成長と企業価値の向上を図っていくことを経営の基本方針としております。

 

(2) 経営戦略等

当社グループは、IFAビジネスこそが「真のお客様重視」を実現するものと確信し、IFAに提供するビジネスプラットフォームの付加価値を向上させ、IFAが提供する金融サービスのクオリティを高め、IFAへの業務支援、成功支援を行っております。

また、当社は、お客様本位の業務運営の徹底を図るため、以下の方針を宣言し、お客様、IFA、そして当社がWin-Win-Winの関係を築くことに邁進してまいります。

 

お客様本位の業務運営に関する方針(フィデューシャリー宣言)

① お客様の利益を最優先に考え行動します

お客様との長期の信頼関係を構築することが最も重要だと考えます。真にお客様の立場に立って資産運用のアドバイスが行えるよう当社はIFAに対し営業ノルマは課しません。IFAの評価はお客様の支持だけです。お客様の信頼の証として、金融商品仲介業者として媒介する資産残高、口座増加数を重視してまいります。

② IFAの独立性・中立性を堅持します

お客様の信頼を獲得できなければIFAビジネスは成り立ちません。販売手数料や信託報酬の大小で商品を選定するのではなく、お客様の「最善の利益」のためだけにIFAは自らの専門能力を発揮すべきだと考えます。当社はお客様との「利益相反」を防ぐため、真の意味でIFAの独立性・中立性を堅持します。

③ 投資・運用の専門家として技能向上に努めます

IFAの不断の研鑽の機会となる複数の運用会社等による勉強会や企業のIRを当社では継続的に開催しています。また、IFAとしての技能向上につながる研修機会等を提供し、会社として、顧客の最善の利益を追求するIFAの業務支援・成功支援を積極的に実施いたします。

④ お客様がご自身にあった金融商品・サービスの選択ができるように努めます

口座開設時に、ご資産の状況、お取引の経験、目的などをお伺いし、お取引開始後も継続的かつ積極的に情報の把握に努めます。

お客様のご意向に基づき、ライフプラン等を踏まえた目標資産額や安全資産と投資性資産の適切な割合を検討し、具体的な金融商品・サービスの提案を行います。また、長期的な視点に配慮した適切なフォローアップを行います。

また、信用取引など、リスクの高い取引に際しては、お客様の申し込み時点において、各商品の取引経験、商品ルールの理解、リスクに対する理解、資力の確認などをさせていただいたうえで、所属金融商品取引業者に取引の可否を申請いたします。さらに取引期間中も継続的に状況を確認させていただきます。

複数の投資信託を投資対象とした投資一任契約(パッケージとしてのサービス)に関しては、お客様ごとの投資方針決定のため、事前の問診を行い、サービス提供の同意を含む投資一任契約を締結したうえで、サービスを提供いたします。

⑤ お客様にご負担いただく費用については、公明正大に情報提供をします

所属証券会社の説明資料やホームページ等を使用して、お客様が負担する手数料その他の費用を、積極的にかつ分かりやすく情報提供いたします。

⑥ 金融商品・サービスに係る重要な情報について、お客様が理解できるよう分かりやすい説明を実施します

所属金融商品取引業者の説明資料やホームページ等を使用して、お客様にとって重要な情報を分かりやすく提供いたします。

複数の投資信託を投資対象とした投資一任契約(パッケージとしてのサービス)に関しても、所属金融商品取引業者の説明資料やホームページ等を使用して、お客様にとって重要な情報を分かりやすく提供いたします。

⑦ IFAの満足なくしてお客様重視の実現はできないと考えます

お客様本位の業務運営には、IFAの精神的・経済的充足感が不可欠だと考えます。

当社は「真のお客様重視を実現する金融サービス」を追求するため、IFAがお客様のために個々の能力や人間性を発揮できる環境を提供します。

※当社では定期的に実施するIFAアンケート調査における総合満足度TOP2Box(大いに満足+満足)の割合を重視してまいります。

⑧ 日本のリテール金融を大きく変えるためにお客様本位を貫き通します

「お客様本位の業務運営」を実現するため、IFA向け研修その他の適切な動機づけの枠組みを整備し、各原則に関する当社取り組みについて周知・徹底を図ってまいります。

わが国に「真のお客様重視」を根付かせるためにはリテール金融の変革が必要だと考えます。

IFAの認知を高め、お客様に支持される専門性の高いIFAを増やすことこそが我々の使命です。

 

(3) 経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループの事業の成長には、IFAが顧客満足度を維持・向上させ、長期にわたって顧客と信頼関係を構築することが必要であると考えております。当社に所属するIFAが個人事業主として事業を継続するためには、媒介する資産残高を増加させ、投資信託の信託報酬の一部や預かり資産残高に対する手数料等の安定的な収益の確保が望まれます。また、資産残高は顧客の信頼の証であると考えられます。以上のことから、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、媒介する資産残高及び当社に所属するIFA数であると考えております。

 

(4) 経営環境

国民の安定的な資産形成の支援に関する施策の総合的な推進に関する基本的な方針の一つとして、金融事業者による顧客本位の業務運営の確保に向け、金融事業者において顧客の最善の利益に資することが求められております。また、金融商品仲介業者においても同様に、顧客の最善の利益に資する販売・管理等を行う態勢整備が求められております。

このような環境下、当社はコンプライアンスを経営の最重要課題の一つとして位置付け、所属金融商品取引業者(証券会社)の管理・指導だけに依拠するのみならず、自社によるモニタリング検証・管理体制を強化・整備するなど、金融商品仲介業の「あるべき管理体制」の構築とその実効性向上に注力しております。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① IFAの満足度向上

当社グループは、IFAが精神的・経済的に充たされていないとお客様重視を実現できないと考えており、当社に所属するIFAの満足度を高めることにより、顧客満足度の維持・向上が図られ媒介する資産残高の増加が見込まれること、既契約IFAからのIFA候補者紹介によりIFA数の増加が見込まれることで、当社グループの収益向上に寄与すると理解しております。そのため、IFAに対して営業ノルマは課さず、IFAに提供するビジネスプラットフォームの付加価値を向上させ、IFAがお客様のために個々の能力や人間性を発揮できる環境、IFAが安心して業務に専念できる環境の提供に努めております。

 

② 金融サービスのクオリティ向上

当社グループは、IFAのビジネスモデルはIFAがお客様から高い評価を得ることによって成立するものであると考えており、IFAが提供する金融サービスのクオリティを高めるサポートを行うことにより、媒介する資産残高が増大し、当社グループの持続的な成長と企業価値の向上が図られると理解しております。そのため、IFAに対する研鑽機会の提供、お客様本位の啓発、ビジネスコンサルティング等のほか、IFA業務支援システムへの投資や商品・サービスの拡充に努めております。

 

③ 内部管理体制の強化

当社グループは、今後もより一層の事業拡大を見込んでおります。金融商品仲介業者に求められる管理体制は年々厳しくなっており、事業を拡大するうえで、内部管理体制の強化は不可欠であると理解しております。そのため、証券会社の指導に依拠するのみではなく、自社の管理体制を整備し、更なる管理体制の強化・構築に向け継続して取り組んでいるIFA事業者として、金融商品仲介業者の「あるべき管理体制確立」に努めております。

 

④ 事業拡大を支える財務基盤の構築

当社グループはこれまで金融機関からの借入を行ったことがなく、資金需要は自己資金により賄い、営業活動によるキャッシュ・フローを源泉に手元流動性を確保してまいりましたが、今後の事業拡大及び上記事業上の課題に対する対処により、更なる資金需要が生じると考えております。そのため、資金調達方法の多様化と柔軟な流動性確保を図るため、金融機関との良好な関係を構築し借入による資金調達を検討いたします。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

また、文中の数値、目標、実績につきましては提出会社である株式会社アイ・パートナーズフィナンシャルにおけるものであります。

(1) ガバナンス

経営戦略と人材戦略の連動を図るため、管理本部長がCHOを務め、経営管理を担当する経営企画部において、課題の抽出や計画の立案を行っております。経営企画部において検討・協議された内容は、経営会議及び取締役会へ付議・報告され、取締役会はこのプロセスを定期的に監督し、必要に応じて対応の指示を行っております。

 

当連結会計年度のサステナビリティに関する議題の付議・報告状況

会議体

付議回数

報告回数

取締役会

経営会議

14

 

 

(2) 戦略

当社グループは、従業員の能力向上が優れたサービスを提供するうえで極めて重要との認識に立ち、従業員の成長と自己実現を支援するため、以下の人材育成方針を定めております。

1.すべての従業員がその能力を十分に発揮できる職場環境を作る

2.すべての従業員が自律的にキャリアを形成できるよう、従業員の人生設計や成長を促進する教育機会を提供する

3.従業員が自らの能力向上に自発的に取り組む姿勢を支援し、働きがいの向上に努める

 

また、この方針に基づく具体的な取り組みとしましては、以下のとおりです。

① 女性活躍推進

当社は、女性の管理職比率を30%とすることを目標に女性が活躍でき、男女ともに長く勤められる働きやすい職場環境を作るための取組を実施しています。また、管理職への登用だけではなく、派遣社員から正社員への積極的な登用や子育て世代の採用により女性の活躍を後押ししています。

女性管理職(2025年3月末時点)

55.6%

通常の労働者への転換、派遣社員の雇い入れ

(2022年度~2024年度)

4人

おおむね30歳以上の女性の通常の労働者としての中途採用(2022年度~2024年度)

5人

 

 

② 健康経営

当社グループでは、真のお客様重視を実現し社会に貢献することで、IFAビジネスに関わる全ての人々の幸せを目指しています。このビジョンを実現するためには、人的資本経営を推進し、従業員の能力を最大限発揮できる職場環境を構築することで、企業グループ全体の生産性を向上することが必要であると考え、健康経営宣言を行い、社長を健康経営責任者として健康経営を推進しております。

当連結会計年度の主な認定取得状況及び取組は以下のとおりです。

<認定取得状況>

・2024健康経営優良法人中小法人部門取得(認定期間:2024年3月11日~2025年3月31日)

・2025健康経営優良法人中小法人部門(認定期間:2025年3月10日~2026年3月31日)

・横浜健康経営認証AAA(最高位)(認定期間:2024年4月1日~2026年3月31日)

・スポーツエールカンパニー2025(認定期間:2025年1月31日~2025年12月31日)

<取組>

・健康測定会(ベジチェック測定会、血管年齢測定会、自律神経測定会)の実施

・ウォーキングイベントの開催

・健康情報の定期発信(社員の経歴を活かした健康レシピ・運動方法、協会けんぽからの情報)等

・専門家等による研修実施

  からだマネジメントオンラインセミナー

  効果的なウォーキングオンラインセミナー 等

・従業員及びその同居家族のインフルエンザ予防接種費用補助

・個人別の働き方・休暇等のレポートを発行

 (部署平均及び全社平均との比較、働き方に関するコメント等も記載)

・ワークエンゲージメント調査及びフィードバックの実施

・アブセンティーズム、プレゼンティーズム調査及びフィードバックの実施

 

③ DX推進を主眼とした研修機会の提供

当社グループでは従業員に対し、DX推進を主眼とした研修・リスキリング機会を提供する取り組みを実施しています。

当連結会計年度の主な認定取得状況及び取組は以下のとおりです

<認定取得状況>

・DX認定(認定期間:2024年3月1日~2026年2月28日)

<取組>

・全従業員を対象としたDX研修を実施

・kintone認定資格(カスタマイズスペシャリスト、カイゼンマネジメントスペシャリスト、アプリデ

 ザインスペシャリスト、システムデザインスペシャリスト)取得者に資格取得報奨金を支給

・kintone認定資格(アソシエイト)、ITパスポート資格合格時の受験料会社負担

 

(3) リスク管理

当社グループは、「3 事業等のリスク」に記載のとおり、組織が少人数編成であることから、人材の確保や従業員の予期せぬ退職をリスクと捉えております。当社グループでは、四半期に一度開催されるリスク管理委員会において、リスク管理台帳に記載された各リスクが及ぼす影響を把握・評価し、適切な対応を行うために戦略・施策等の検討を実施しております。

 

(4) 指標及び目標

当社グループでは、上記「(2) 戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。

指標

目標

実績(当連結会計年度)

①育児休業取得状況

男性 1名以上

女性 70%以上

男性 1名(100%)

女性 1名(100%)

②女性管理職比率

30以上

55.6

③エンゲージメント総合スコア

70

68

④平均残業時間

11時間以内

6.4時間

 

 

 

3 【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。当社は、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 市場及び事業環境に関するリスクについて

① 景気変動及び金融市場の動向について

当社グループの主力事業である金融商品仲介業や保険募集業務は、景気動向や株式相場、金利水準、為替相場等の金融市場の影響を受けやすく、景気の減速や市場環境が悪化した場合、投資意欲の減退や取引の縮小により、当社グループの収益が減少し、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、所属するIFAに対して、顧客の資産形成のゴールを意識したゴールベースアプローチといった長期分散投資を推奨し、生涯にわたり顧客に寄り添う姿勢でアドバイスを続けるよう指導することで、顧客資産に関する短期的な景気変動や金融市場の影響を軽減するよう努めており、それにより市場環境の悪化が顧客満足度の低下につながらないよう取り組んでおります。

しかし、このような対策が十分機能しない場合には、金融商品仲介業に係る売上が減少し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 税制改正及び政策変更について

IFAによる金融サービス提供事業を行う当社グループは、税制改正による金融商品への課税強化や金融政策の大きな変更が生じた場合、既存顧客の投資意向の変化、新規資金導入への影響、IFAの活動意欲等に影響を与えることが考えられ、金融商品仲介業に係る売上の減少により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 金融商品の売買手数料の無料化について

情報通信技術の発達や個人投資家のリテラシーの向上により、証券業界の提供する売買仲介や資産運用など旧来のサービス価値のコモディティー化が進み、大手オンライン証券会社を筆頭に手数料の多様化・無料化が進む傾向にあります。その中にあって、注目されているのは、顧客の人生設計や目標を理解し、その実現に向け資産運用計画の進捗状況をサポートする生涯にわたる継続的な資産運用アドバイス、投資を顧客ゴールの中長期達成のための手段と位置づける「ゴールベース」のアプローチです。

転勤がなく顧客と一生涯付き合うことができるIFAは、こうした資産運用アドバイスの担い手となることができ、その手数料はIFAの提供するサービス価値が反映されたものであると当社は考えています。今後、手数料の多様化・無料化が進展した場合でも、IFAが顧客に提供する資産運用アドバイスの価値を高めていくことが当社の競争力強化につながります。そのため、当社ではIFAに対してゴールベースアプローチの手法を始めとして、IFA活動の質的な向上を図ることを重要な成功要因として捉え、そのための取り組みを進めております。

しかし、金融商品取引業者において株式売買手数料及び投資信託販売手数料の多様化・無料化の流れが急激に進み、所属IFAが顧客満足を得られない場合は、当該IFAの減収や廃業の可能性が高まり、金融商品仲介業に係る売上やシステム使用料売上が減少し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 事業内容及び当社グループのサービスに関するリスクについて

① 特定事業への依存について

当社グループはIFAにビジネスプラットフォームを提供することで金融商品仲介業を遂行しており、今後も当該事業を主軸とした事業展開に注力していく方針であることから、当社グループの事業成長は当該事業に依存しているものと認識しております。当社グループは、金融商品仲介業者の登録外務数の推移より、今後も継続した市場拡大を想定しておりますが、当該事業環境の変化やサービスの競争力低下が生じた場合、金融商品仲介業に係る売上やシステム使用料売上が減少し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループではこれらのリスクに対応するため、IFA向けプラットフォームの付加価値向上を図るのはもちろんのこと、金融商品仲介業と関連のあるサービス提供者や専門家との協力や業務提携を拡充してまいります。

 

② IFA数について

所属IFA数の増加は、連結売上高の増加につながるものであり、重要な経営指標の一つです。当社はIFAの働き方に合わせ契約形態を多様化し、所属IFA数の増加を図っております。

また、研修機会や営業ツールの提供など、所属IFAへの業務支援・成功支援を拡充し、IFAの満足度を高めております。

しかし、IFAのミスマッチによる解約の発生、競合他社とのIFA争奪が過熱する事態の発生、又は、当社グループに対する批判的な風評の発生等によりIFA数が伸び悩む可能性も否定できません。その場合には、金融商品仲介業に係る売上やシステム使用料売上が減少し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 特定取引先への依存について

当社は、金融商品取引業者のうち、楽天証券株式会社、株式会社SBI証券、あかつき証券株式会社、東海東京証券株式会社、野村アセットマネジメント株式会社を所属金融商品取引業者として金融商品仲介業務を行っております。2025年3月期の連結売上高に占める比率は楽天証券株式会社が全体の56.3%、株式会社SBI証券が同23.5%と、2社の比率が高くなっております。どの証券会社に口座を開設し取引を行うかの金融商品取引業者の選択は顧客に委ねられており、特定の取引先の比率が高まった場合、取引先の経営環境、取引方針及び契約内容の変更によっては、金融商品仲介業に係る売上が変動し、当社グループの財政状態及び経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

当社グループではこれらのリスクに対応するため、所属金融商品取引業者等取引先を増加する等の対応を進めております。

 

④ 競合について

現状、銀行・証券・保険の各業態における仲介業はそれぞれの業法で縦割りに規制されており、各業態のサービスを取り扱うためには複数の業登録を行う必要がありますが、金融サービス仲介業の創設により、金融商品仲介業への参入障壁は低くなることが見込まれます。

競合企業の参入や拡大は金融商品仲介業並びにIFAの認知度向上に伴う市場規模の拡大であり、当社事業にとっても一定のメリットがあるものと考えております。当社グループは、IFAが顧客の「最善の利益」のためだけに自らの専門性を発揮できるよう、独立性の担保はもちろんのこと、顧客へのアドバイス業務に専念でき、また、IFAとして向上できる環境を提供するプラットフォーマーとして、当社プラットフォームに対するIFAの高い満足度の維持・向上に努めており、競合他社との更なる差別化を図っていく方針であります。

しかし、当社グループにおいてIFA満足度の維持向上及び競合他社との差別化が困難となり競争力が低下した場合には、IFA数が計画どおりに増加せず、金融商品仲介業に係る売上やシステム使用料売上が減少し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 事業運営に関するリスクについて

① 特定人物への依存について

当社グループは、事業運営を当社代表取締役社長兼社長執行役員である田中譲治あるいは少人数の経営陣に依存する度合いが高くなっております。従って、これら経営陣が経営者としての任務を継続的に遂行することが、当社グループの発展を支える重要な要因でもあります。特に代表取締役社長である田中譲治は、当社グループの主力事業である金融商品仲介業の伸長に深く関与しております。

また、自身のIFA経験を通して事業に関する豊富な知識と経験と人脈を有しており、特にIFA候補者の開拓、経営戦略の構築やその実行に際して重要な役割を担っております。

当社グループは特定の人物に依存しない体制を構築すべく組織体制の強化を図り、田中譲治及び特定かつ少数の経営陣に過度に依存しない経営体制の整備を進めておりますが、現段階において何らかの理由により田中譲治あるいは経営陣の一部において当社グループにおける業務遂行が困難になった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 組織が少人数編成であることについて

当社グループの継続的な成長には、当社グループの理念に共感し高い意欲を持った優秀な人材を雇用し、育成し続けることが重要であると考えております。また、当社グループは業務遂行上、必要最低限の人数での組織編成となっております。今後は事業の拡大に応じて経験豊かな人材の確保及び当社グループ内での育成を行うとともに業務遂行体制の充実を図っていく方針であります。

しかし、当社グループの求める人材の確保に支障が生じた場合、従業員の予期せぬ退職等があった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 情報システム・通信手段のリスクについて

IFA及び役社員は業務を遂行するにあたり、当社グループの提供するコンピュータシステム及び電話等の通信手段を使用しております。当社グループでは、情報システム利用環境についての監視を行うとともに、サーバーデータの定期的バックアップや稼働状況の監視、バックアップサーバーの遠隔地設置、システムのクラウド化等によりトラブルの事前防止、トラブル発生時の次善策対応を進めております。

しかし、停電等社会的インフラの障害、通信・放送の障害、サイバーテロ等により事業継続に支障をきたす事象が発生し、情報システム・通信手段に重大な被害又は長時間のシステム停止等の影響が生じる場合には、業務を適切に遂行できなくなる可能性があります。その場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 法的規制及びコンプライアンスに関するリスクについて

① 法的規制等について

当社グループは、金融商品取引法及び関連法令等の規制を受けるとともに、主要な事業活動の前提となる金融商品仲介業の登録を受けております。この登録に特段の期限の定めはないものの、登録を受けた会社が、法令等に違反した場合等には、業務の全部もしくは一部を停止、あるいは登録の取消となることがあると金融商品取引法により定められております。

金融商品仲介業の登録の取消等の要件は以下のとおりです。

・他に行っている事業が公益に反すると認められるとき

・金融商品仲介業を適格に遂行することができる知識及び経験を有しないと認められるとき

・不正の手段により金融商品仲介業の登録を受けたとき

・金融商品仲介業に関し法令又は法令に基づいて行われる行政官庁の処分に違反したとき

・役員の解任要件

 a 心身故障のため適正な業務を行うことができないとき

 b 破産手続き開始の決定を受けて復権できないとき

 c 金融商品仲介業に関し法令又は法令に基づいて行われる行政官庁の処分に違反したとき

金融商品仲介業の登録の失効要件は以下のとおりです。

・金融商品仲介業を廃止したとき

・金融商品仲介業者である法人が合併により消滅したとき

・金融商品仲介業者である法人について破産手続開始の決定があったとき

・金融商品仲介業者である法人が合併及び破産手続開始の決定以外の理由により解散したとき

・所属金融商品取引業者等がなくなったとき

・第一種金融商品取引業者の登録を受けたとき

また、当社グループは、保険業法及び関連法令等の規制を受け、損害保険代理店の登録並びに生命保険募集人の登録を受けております。この登録に特段の期限の定めはないものの、登録を受けた会社が、法令等に違反した場合等には、業務の全部もしくは一部を停止、あるいは免許の取消となることがあると保険業法により定められております。

当社グループでは、内部管理体制の強化とコンプライアンス体制の整備に努めており、現在を含め過去においても、登録の取消や更新拒否の事由となる事実は発生しておりません。しかしながら、将来においてこれら法令に違反する事実が発生し、登録の取消や行政処分が発せられた場合には、当社グループの事業活動や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

また、関連法令の改正や制定に伴い当社グループの事業活動が制約を受ける場合や当社グループが十分に対応できない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 金融商品仲介業に係る新たな法的規制・行政指導について

金融商品取引法、金融商品の販売等に関する法律、犯罪による収益の移転防止に関する法律、不当景品類及び不当表示防止法、個人情報の保護に関する法律、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律、その他の法令・規則等の改定等により、当社グループが行っている業務に対し、新たな法的規制や行政指導が導入された場合には、当社ビジネスモデル、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、現在、当社とIFAは業務委任契約の関係(一部IFAとは雇用契約の関係)にあり、IFAは個人事業主として活動しております。しかし、法令の改定等により登録外務員の雇用義務化が定められた場合やIFAが独立した個人事業主ではなく「労働者」と認定された場合は、現在の契約形態でのビジネスの継続が困難となる可能性があり、IFAとの契約形態の変更は当社ビジネスモデルの根幹に関わる変更となるため、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ コンプライアンス違反について

当社は金融商品取引法、金融商品の販売等に関する法律、その他の法令規則等に服しており、内部管理責任者の増強や内部管理体制の拡充に努めております。IFAとの業務委任契約締結にあたり、契約後のIFAは所属金融商品取引業者や当社独自のコンプライアンス研修や確認テストの定期的受講が必須となっております。

当社は常時IFAの活動についてのモニタリングを実施し、コンプライアンス違反防止に取り組んでおります。当社とIFAの業務委任契約は1年間の有期契約であり、契約更新に際してはコンプライアンス意識、法令・諸規則の遵守状況等を勘案し、更新の是非を判断しております。

また、当社グループは法令・規則等を遵守するよう役社員に対して、定期的な社員研修等により、コンプライアンスや社内外のルール順守の徹底を図っております。

しかし、IFAや役社員に対するこれらの教育・指導やモニタリング等が十分に機能せず、あるいはこうした教育・指導を無視したことによりコンプライアンス違反事例が発生した場合には、当社の信用の低下につながる可能性や当社が損害賠償責任を負う可能性があることから、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 情報セキュリティについて

当社グループは、事業を推進していく中で、顧客の機密情報や個人情報を扱う機会があります。当社グループではこれらの個人情報を取り扱う際の個人情報管理基本規程を制定するとともに、手続きや管理方法についてのルールを定めIFAに対する指導や社内教育を徹底する等、個人情報の保護に積極的に取り組んでおります。

しかし、外部からの不正アクセスによるものや社内ルールの不徹底など人為的ミス等によりこれらの個人情報が漏洩した場合には、当社グループの社会的信用の失墜等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 訴訟等について

当連結会計年度末において、重要な訴訟等は発生しておりません。

しかしながら、当社グループが事業活動を行う中で、顧客、取引先又はその他第三者との間で予期せぬトラブルが発生し、損害賠償請求等の訴訟その他の法的手続きが行われる可能性があります。その訴訟等の内容や損害賠償の金額によっては、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) その他のリスクについて

① 災害・事故等に関わるリスク

当社グループでは、自然災害、火災、感染症の流行等によって通常の業務運営が困難となった場合に備え、事業継続力強化計画を策定し、関連マニュアルの整備、役社員の安否確認連絡体制を構築し定期的な訓練等を実施しております。

しかし、自然災害、火災、電力その他の社会的インフラの障害、通信・放送の障害、流通の混乱、大規模な事故、感染症流行、戦争、テロ、政情不安、社会不安等が発生した場合、事業継続に支障をきたす事象が発生して、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 配当政策について

当社は、株主に対する利益還元を経営の重要課題として認識しており、前8事業年度にわたり、配当を実施しております。しかしながら、当社グループは、いまだ成長過程にあると考えており、中長期的に企業価値を高めるとともに、将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保の確保も重要な課題の一つであります。

当社は、事業環境や業績、財務状況等を総合的に勘案した上で、継続的かつ安定的な配当を実施することを基本方針としておりますが、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績によっては、配当を実施できない可能性があります。

 

③ 株式価値の希薄化について

当社は、当社グループの役社員に対して、新株予約権を付与しております。これら新株予約権が行使された場合には、当社の株式が発行され、既存株主が有する株式価値が希薄化する可能性があります。なお、当連結会計年度末現在におけるストック・オプションによる潜在株式数は101,600株であり、発行済株式総数3,532,400株の2.9%に相当しております。

また、当社は、企業価値の持続的な向上を図るインセンティブを与えるとともに、株主との一層の価値共有を進めることを目的として、当社取締役(監査等委員を含み、社外取締役を除く。)及び執行役員並びに従業員(執行役員を除く。)に対して、譲渡制限付株式報酬制度を導入しており、今後も継続的な活用を検討していく方針です。これにより、株式の発行又は処分が行われた場合には、既存株主が有する株式価値が希薄化する可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態の状況
a 資産

当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ70,121千円減少し、833,648千円となりました。これは、現金及び預金が23,440千円及び売掛金が51,004千円減少したこと等によるものです。固定資産は、前連結会計年度末に比べ13,033千円減少し、166,488千円となりました。これは主に、有形固定資産が14,274千円減少したことによるものです。

この結果、総資産は1,000,136千円となり、前連結会計年度末に比べ83,154千円減少いたしました。

 

b 負債

当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末に比べ71,243千円減少し、330,452千円となりました。これは主に、買掛金が43,153千円、未払法人税等が9,319千円、未払消費税等が9,449千円減少したこと等によるものです。固定負債は、前連結会計年度末に比べ8,066千円減少し、39,425千円となりました。これはリース債務が7,214千円、資産除去債務が852千円減少したことによるものです。

この結果、負債合計は369,877千円となり、前連結会計年度末に比べ79,310千円減少いたしました。

 

c 純資産

当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ3,844千円減少し、630,258千円となりました。これは譲渡制限付株式報酬としての新株式の発行及び新株予約権の行使により、資本金及び資本準備金がそれぞれ9,365千円増加した一方で、配当金の支払い12,828千円及び親会社株主に帰属する当期純損失9,735千円を計上したことにより利益剰余金が22,564千円減少したこと等によるものです。

 

② 経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、円安や資源高による物価やサービス価格の上昇及び日銀によるマイナス金利政策の解除やその後の追加利上げ等の影響を受けつつも、緩やかな回復基調で推移しました。日経平均株価は史上最高値を更新、公示地価の上昇率や春闘賃上げ率は1990年代のバブル期以来の伸びを示すなど、幅広い分野でインフレ経済への回帰が見られました。

当社グループを取り巻く事業環境は、従前からの地政学リスクや中国景気の減速懸念に加え、2025年1月の第2次米国トランプ政権の誕生が新たなリスク要因となりました。特に各種追加関税政策の発動は、株式市場や為替市場を短期間で乱高下させる等、金融市場の行方や経済情勢の先行き不透明感が更に増すものとなりました。

このような環境下、当社グループでは、政府が推進する「資産運用立国実現プラン」に沿った成長戦略を推進してまいりました。具体的には、顧客の最善の利益を追求するIFAから選ばれる金融商品仲介業者を目指すことを目的として以下の三点に注力しました。
 

① 当社グループの管理体制の更なる整備

・顧客の最善の利益に資する金融商品等の販売及び管理等を行う態勢構築

・コーポレートガバナンス及び内部統制の強化

② 安定的な資産形成に資するIFAの増員

・媒介する資産残高に占める投資信託割合の上昇及びストック手数料の増加

・国民の安定的な資産形成に資するIFAのためのフォローアップ体制の構築

・マーケティングサポート及び顧客管理ツールの充実

③ 安定的な資産形成に資するIFAから選ばれる金融商品仲介業者としての更なる進化

・同業種、異業種との意見交換及び情報収集の強化

・業務提携及びM&Aの動きの加速

特に、包括的業務提携先の大手保険代理店・株式会社エフケイとは、両社の相乗効果の創出などを見据えつつ、継続的な意見交換を進めてまいりました。

今後も、所属金融商品取引業者及び他の金融商品仲介業者との連携を深めることにより、IFA業界の健全な発展に貢献するよう取り組んでまいります。

 

以上の結果、当連結会計年度末の所属IFA数は211名(前年度末比4.5%増、9名増)、媒介する資産残高は346,938百万円(前年度末比10.7%増、33,559百万円増)、金融商品仲介業に係る口座総数は17,030口座(前年度末比6.7%増、1,075口座増)となり、当連結会計年度の業績は、売上高が3,797,196千円(前期比1.7%増、64,111千円増)、営業損失1,982千円(前期は営業利益13,734千円)、経常損失3,217千円(前期は経常利益13,558千円)、親会社株主に帰属する当期純損失9,735千円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益7,430千円)となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)の残高は495,287千円となり、前連結会計年度末に比べ23,440千円の減少となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果使用した資金は3,021千円(前連結会計年度は14,497千円の獲得)となりました。

主な増加要因は、減価償却費の計上20,363千円、金融商品仲介業等に係る売上債権の減少額51,004千円などによるものです。主な減少要因は、税金等調整前当期純損失3,217千円、仕入債務の減少額43,153千円、未払消費税等の減少額9,449千円などによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は5,442千円(前連結会計年度は6,621千円の使用)となりました。

これは社員及びIFA向けのPCなどの有形固定資産の取得による支出5,410千円、差入保証金の差入による支出5,004千円、既存オフィスの差入保証金の回収による収入6,686千円などによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は14,975千円(前連結会計年度は31,447千円の使用)となりました。

これは株式の発行による収入5,971千円、配当金の支払額12,828千円、リース債務の返済による支出8,106千円などによるものです。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a 生産実績

当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載は省略しております。

b 受注実績

当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載は省略しております。

c 販売実績

最近2期連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。なお、当社グループは「IFAによる金融サービス提供事業」の単一セグメントであるため、サービス別に記載をしております。

サービスの名称

前連結会計年度
(自 2023年4月1日
   至  2024年3月31日

当連結会計年度
(自 2024年4月1日
   至  2025年3月31日

金額(千円)

前年同期比(%)

金額(千円)

前年同期比(%)

金融商品仲介サービス

3,551,357

126.9

3,613,853

101.8

その他金融サービス

181,727

90.6

183,342

100.9

合計

3,733,084

124.4

3,797,196

101.7

 

 

(注)最近2期連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度
(自 2023年4月1日
  至  2024年3月31日

 当連結会計年度
(自 2024年4月1日
   至  2025年3月31日

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

楽天証券株式会社

2,044,573

54.8

2,138,436

56.3

株式会社SBI証券

902,932

24.2

891,361

23.5

あかつき証券株式会社

314,575

8.4

306,458

8.1

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、資産及び負債又は損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

なお、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、特に重要なものは次のとおりです。

(繰延税金資産の回収可能性)

当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。課税所得は中期経営計画の前提となった数値を経営環境等の外部要因に関する情報や当社グループが用いている内部の状況(過去における中期経営計画の達成状況、予算など)と整合的に修正し見積っております。当該見積りには媒介する資産残高の推移、過去の手数料実績、IFAの契約実績及び問合せ状況等、重要な仮定を用いております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りによるため、課税所得の将来予測に影響を与える変化が生じた場合には繰延税金資産の回収可能性が変動することにより当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼすことが考えられます。

(資産除去債務の計上)

当社グループは、本店及びIFAオフィスの不動産賃貸借契約に伴う原状回復義務に関し資産除去債務を計上しております。資産除去債務の計上にあたっては、過去の実績に基づく原状回復費の見込額、使用見込期間等の仮定を用いております。しかしながら、新たな事実の発生等に伴い、資産除去債務の計上額が変動する可能性があります。

 

② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a 当連結会計年度の経営成績の分析

当連結会計年度の経営成績の分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② 経営成績の状況」をご参照ください。

b 当連結会計年度の財政状態の分析

当連結会計年度の財政状態の分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」をご参照ください。

c 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析

当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの資金需要の主なものは、当社グループの金融商品仲介業に係る人件費、販売促進費等の販売費及び一般管理費に加え、拠点開発に係る有形固定資産への投資があります。これらの資金需要につきましては、自己資金を基本としつつ、必要に応じて最適な方法による資金調達にて対応する方針であります。

資金の流動性については、営業活動によるキャッシュ・フローを源泉に流動性の確保を図っております。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因について 

「3 事業等のリスク」に記載のとおり、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。

そのため、当社グループは常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制の強化、優秀な人材の確保と育成、市場ニーズにあったサービスの展開等により、当社グループの経営成績に重要な影響を与えるリスクに対し、適切に対応を行ってまいります。

 

⑤ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗状況

「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社グループは経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標として、媒介する資産残高及び所属IFA数を重要な経営指標として位置付けております。

2025年3月期末の媒介する資産残高は、前連結会計年度末比110.7%、所属IFA数は同104.5%となりました。

 

 

2021年3月期末

2022年3月期末

2023年3月期末

2024年3月期末

2025年3月期末

実績

前期比

実績

前期比

実績

前期比

実績

前期比

実績

前期比

媒介する資産残高(AUM)(百万円)

210,812

169.5%

242,146

114.9%

240,190

99.2%

313,378

130.5%

346,938

110.7%

所属IFA数(名)

187

108.1%

212

113.4%

208

98.1%

202

97.1%

211

104.5%

IFA1人当たりのAUM(百万円)

1,127

156.9%

1,142

101.3%

1,154

101.1%

1,551

134.3%

1,644

106.0%

 

 

5 【重要な契約等】

 

契約会社名

相手先の名称

契約締結日

契約内容

株式会社アイ・パートナーズフィナンシャル

楽天証券株式会社

2009年4月10日

金融商品仲介業に係る業務等委託基本契約

(注1)

株式会社アイ・パートナーズフィナンシャル

株式会社SBI証券

2011年3月28日

金融商品仲介業に関する業務委託契約

(注1)

株式会社アイ・パートナーズフィナンシャル

あかつき証券株式会社

2020年2月1日

金融商品仲介業務に関する業務委託基本契約書(注1)

株式会社アイ・パートナーズフィナンシャル

東海東京証券株式会社(注2)

2021年8月10日

金融商品仲介業に関する業務委託基本契約書(注1)

株式会社アイ・パートナーズフィナンシャル

野村アセットマネジメント株式会社

2022年4月27日

投資一任契約の媒介に係る業務委託契約書

(注1)

株式会社アイ・パートナーズフィナンシャル

株式会社エフケイ

2024年4月1日

包括的業務提携契約書(注3)

 

(注)1.金融商品仲介業及び投資一任契約の媒介に係る業務委託契約の概要は、当社が証券会社等へ金融商品の売買等の媒介を行い、成約した取引手数料等について業務委託報酬を受け取るというものです。

2.東海東京証券株式会社とエース証券株式会社は2022年5月1日付で東海東京証券株式会社を存続会社として合併いたしました。

3. 包括的業務提携契約の概要は、当社とエフケイ社が真の顧客本位追求のために、「エフケイ社の顧客における資産形成ニーズ等への対応」、「当社連結子会社の保険代理店機能の強化」、「両社の業務推進・経営管理体制の強化及びエフケイ社の上場に向けた各種支援」において提携をするというものです。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。