第2 【事業の状況】

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社グループは、「21世紀の都市空間の創造をテーマに、常に住空間の新しい可能性を追求します。」という企業理念の実現に向けて、「人に優しい、生活に優しい、環境に優しい、未来に優しい」を基本コンセプトに、環境とエコに配慮した永住型マンション等の提供により企業価値の向上を目指しております。

当社グループは、かかる基本コンセプトを着実に実行し、果敢に前へ進む企業姿勢を堅持し、強固な経営基盤の形成を推進してまいります。

 

(2) 経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

わが国経済は、2019年10月の消費税増税により個人消費が落ち込んだものの、軽減税率制度や臨時・特別の措置など各種の対応策が実施され、また、雇用・所得環境の改善等により、内需を中心に緩やかな回復基調で推移してきました。一方で、米中の通商問題を巡る動向、中国経済の先行きに加え、世界の各地域において新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い景気は急速に悪化しており、先行きの不透明感は極めて高い状況となっております。

当社グループが属する不動産業界におきましては、消費税増税による消費者マインドの低迷、マンション及び戸建住宅用地の高騰と人手不足等の要因による建築費の高騰を受け、販売価格の高止まりの状態が続いており、また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、国の緊急事態宣言による外出自粛要請に合わせて、北海道から緊急事態措置として一部施設の休止要請が出され、その感染拡大防止策が長期化することにより、経済活動の再開には多くの難題を抱えており、今後の事業環境は予断を許さない状況にあります。

今後の見通しといたしましては、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大を受け、国内経済もより厳しさが増すものと予測され、事業活動等に与える影響など、事業環境は先行きの不透明感が極めて高い状況となっております。

このような事業環境の中、当社グループの主力事業である不動産分譲事業におきましては、競争激化による土地価格の上昇と職人不足などの要因による建築費の上昇により、販売価格の高止まりの状況が続いております。お客様の納得感が得られる販売価格を目指し、厳選したエリア、開発用地に合わせた商品開発の強化と推進、事業効率の見直し等によるコスト削減、販売期間の短縮等による経費削減を図り、付加価値の高い住宅、住環境の追求に努めてまいります。

また、東京支店における首都圏エリアでの分譲マンション事業を積極的に推進してまいります。

不動産賃貸事業におきましては、不動産分譲事業で培った永住型マンションのノウハウをサービス付き高齢者向け住宅事業に活かし、競争力の強化と資産価値の向上に努めてまいります。

不動産賃貸事業の強みはストックビジネスであり、フロービジネスの不動産分譲事業を補完する第二の柱と位置付けており、現在6棟目のサービス付き高齢者向け住宅を建設中であります。今後、更なる収益の安定を図るため、サービス付き高齢者向け住宅の新規開発及びオフィスビル等の取得を積極的に推進してまいります。

当社グループの特徴である、用地仕入・企画立案・設計・施工監理・販売及びマンション管理業務を外部委託せず、当社グループで担う自社一貫体制は、高い技術力を有するマンパワーが基礎となっており、引き続き建築士、建築施工管理技士等の資格を有する人材を積極的に確保し、更なる強化を図ってまいります。

また、人材育成につきましては、変化の激しい時代をチャンスに変えられる創造力とチャレンジ精神旺盛な人材集団の構築を目指し、持続的な成長に向けた体制づくりを図ってまいります。

 

(3) 目標とする経営指標

当社グループは、継続的な安定成長に向けた取り組みを強化しており、経営指標は売上高経常利益率を重視しております。事業環境の変化に迅速に対応しつつ、売上高経常利益率5%確保を目指します。

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 不動産分譲事業について

①  不動産市況について

当社グループの不動産分譲事業は、景気動向、金利動向、地価動向及び物価動向の変動、住宅税制や消費税等の税制変更等の影響を受けやすい傾向があります。

当社グループは、居住用の住宅分譲を主としていること、用地仕入・企画立案・設計・施工監理・販売・マンション管理業務を自社一貫体制で行いコスト削減を図っていること、及びストック収益である賃貸事業により収益の安定を図っていること等から、不動産市況変動への耐性を強化しておりますが、諸情勢に不利な変化があった場合には、お客様の購入意欲を減退させる可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

②  競合について

当社グループは、主として札幌市を事業エリアとして、分譲マンション事業等を行っておりますが、大手不動産会社、大手ハウスメーカーから地元ハウスメーカーに至るまで様々な既存競合他社が多数存在しており、厳しい競争環境にあります。

当社グループでは、用地仕入・企画立案・設計・施工監理・販売・マンション管理業務の自社一貫体制に基づくコスト削減を行いつつ、「炭パワークリーンシステム」に関する特許、「寒冷地用水跳ね防止カバー」に関する実用新案の他、特許権、実用新案権、意匠権及び商標権等知的財産権の取得を進めて、マンションブランド「グランファーレ」、RC3階建て戸建住宅ブランド「エステティカ」の各ブランド力及び品質を高めるとともに、お客様のニーズに沿った商品開発を積極的に行う等競合対策を講じておりますが、競合他社の動向によっては、事業計画の遂行に問題が生じ、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③  事業用地の仕入について

当社グループの不動産分譲事業においては、分譲マンション事業の構成比率が高いこともあり、分譲マンション用地の仕入の成否が売上高に影響を及ぼします。用地取得の競争激化等から、仕入価格の高騰や、用地取得時期の遅れが生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④  在庫リスクについて

当社グループは、中期的な需給見通し、事業用地の選別仕入、商品差別化による早期完売により、在庫リスクの回避を図っておりますが、景気動向・不動産市況の悪化や競合激化等により販売が長期化する可能性があります。かかる状況となった場合、当初想定していた販売価格の下落やたな卸資産の評価損の発生等から、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤  土地仕入時において予想できないリスクについて

当社グループでは、事業用地の仕入に際して、地盤調査等さまざまな調査を行い、事業用地の仕入の意思決定をしておりますが、事業用地の仕入時には予想がつかない地中障害物等が発見された場合には、プロジェクトの工程に遅れをきたすと同時に、追加費用が発生する場合があります。

当社グループの開発物件におきまして、これまで事業収支に大きく影響を与える地中障害物等が発生した事例はありませんが、今後において当社グループの予想を超える事態が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥  建設工事の外注について

当社グループの不動産分譲事業における、マンション建設及び戸建住宅建設については、建設工事を外注しており、建設会社の選定に当たっては、施工能力、施工実績、財務内容等を総合的に勘案した上で決定しております。しかしながら、建設業界の環境変化等により外注先を適時適切に確保できない場合、労務費、原材料価格高騰等から建設工事の建設コストが当初計画に比べて上昇した場合、職人不足等により工期が遅延した場合、外注先の倒産や請負契約の不履行があった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループのマンション及び戸建住宅の品質管理については、建設会社に対して施工品質の確保を求め、合わせて当社グループの1級建築士による厳格な施工監理を行う体制を整えておりますが、物件の品質に問題が発生した場合には補償問題が生じる可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦  近隣住民の反対運動について

当社は、マンションの建設に当たり、関係する法律、自治体の条例等を遵守し、周辺環境との調和を重視した開発計画を立案するとともに、周辺住民に対しては、事前に十分な対策を講じております。

しかしながら、今後、事業開発計画地域にて電波障害、日照・眺望問題等による近隣住民の反対運動の可能性は否定できません。その問題解決に時間を要する場合、又は設計変更を余儀なくされる場合には、工事遅延や追加工事費用が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧  有利子負債への依存について

当社グループでは、プロジェクト毎の用地の取得資金及び建設資金の一部を主に金融機関からの借入金により調達しており、有利子負債の依存度が高い水準にあります。今後においても、事業拡大に伴い有利子負債の依存度が高い水準で推移するものと想定され、資金調達に支障が生じた場合や、金利が上昇した場合、プロジェクトに予期せぬ変更が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

             (単位:千円)

(連結)

第16期

第17期

連結会計年度末

連結会計年度末

(2019年3月31日)

(2020年3月31日)

有利子負債残高(a)

3,314,268

3,574,807

総資産額(b)

5,095,451

7,805,234

有利子負債依存度(a/b)(%)

65.04

45.80

 

 (注) 有利子負債残高は、短期及び長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)、リース債務(短期及び長期)の合計額であります。

 

⑨  業績の季節変動について

当社グループの不動産分譲事業の売上高の計上基準は引渡基準を採用しております。そのため、引渡時期により売上高の偏りが生じる傾向があります。

不動産業界では、住宅の引渡は、一般的に2月、3月が多いため、売上高が第4四半期に集中する傾向があります。また、不測の事態の発生及び新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、住宅の引渡が建築工事の遅延等で翌期にずれ込む場合には、当該期間の売上高が翌期に計上されることになり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

なお、当連結会計年度における四半期ごとの売上高及び売上高比率は、第3四半期及び第4四半期にマンションの引渡しがあったため、以下のとおりとなり、上記の文章とは異なる結果になっております。

        (単位:千円)

 

第17期連結会計年度

(自 2019年4月1日

 至 2020年3月31日)

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

通期

売上高

238,837

294,798

2,145,599

1,838,559

4,517,793

売上高比率(%)

5.29

6.53

47.49

40.70

100.00

 

 (注) 上記の金額には、消費税等は含まれません。

 

⑩  建物の基本構造部分の契約不適合責任について

当社グループの不動産分譲事業は、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」により、新築住宅の構造耐力上主要な部分及び雨水の侵入を防止する部分について10年間の契約不適合責任を負っております。また、2009年10月1日以降より、「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律」に基づき、住宅の品質確保措置のために国土交通大臣の指定する保険法人と保険契約を交わしており、保険金の支払によって契約不適合部分の補修工事等に必要な資力を確保しております。しかしながら、何らかの事情により当社グループの品質管理に不備が発生し、保険で担保することのできない補修等が生じた場合には補修工事等の負担が生じ、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 不動産賃貸事業について

①  固定資産の減損について

当社の不動産賃貸事業では、減損会計の対象となる固定資産を保有しております。不動産賃貸事業の収益性が大幅に低下し、その事業に関連する固定資産の投資額の回収が見込めなくなった場合には、帳簿価額を回収可能額まで減損処理を行う必要があります。

当該減損処理が必要となった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

②  サービス付き高齢者向け住宅の運営について

当社の不動産賃貸事業は、一般賃貸住宅とサービス付き高齢者向け住宅がありますが、サービス付き高齢者向け住宅は、入居者が高齢者であることから、転倒事故の発生や状態急変といった体調悪化の危険が高いものと考えられます。そのため、生命に関わる重大な問題(事故、食中毒、集団感染等)が生じる可能性があります。

これらの問題により、当社の信用力の低下、並びに当社に対しての損害賠償請求、訴訟の提起、又は風評被害等が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③  入居率低下リスクについて

賃貸不動産に対するニーズは、不動産分譲事業に比べ、景気の変動に影響を受けにくく、当社の収益の安定を図っております。当社では、賃貸不動産において、安定的に入居者を確保しておりますが、近隣同業者の入居費用等の相場状況が大きく下落した場合、信用の失墜等によるもの、また、今後、新型コロナウイルス感染症の感染拡大等、何らかの諸事情により賃貸不動産の稼働率が大きく低下した場合に、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 不動産関連事業について

①  マンション管理組合から委託を受けて管理する財産について

当社グループが、マンション管理組合から委託を受けて管理する財産については、「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」等による法的規制を受けております。財産管理等の受託業務は法令に基づき適正に実施し、万全な検査、点検をいたしておりますが、財産管理において適正を欠き損害等が生じた場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

②  共用施設の管理について

当社グループが管理を受注しているマンションは、浴場施設、フィットネスジム、屋上庭園等、多様な共用施設があり、万全な検査、点検が求められております。当社グループでは人員を適切に配置し、研修・巡回指導等による人材育成、マニュアルによる業務手順の統一及び安全管理等を徹底しておりますが、施設管理面で適正な安全確保を欠いて事故等が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 当社グループ全体について

①  開発・販売地域について

当社グループは、主として札幌市を事業エリアとしております。当該地域で重大な災害が生じた場合や、北海道の経済状況、雇用状況、地価等の動向で市況に変化が生じた場合は、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

②  法的規制について

当社グループが属する不動産業界は、「宅地建物取引業法」、「建築士法」、「建設業法」、「建築基準法」、「国土利用計画法」、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」、「高齢者の居住の安定確保に関する法律」等、建築や不動産取引に関わる多数の法令及び自治体で定められる建築に関する条例等の法的規制を受けております。また、不動産関連事業のグランコミュニティ株式会社におきましては、「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」等による法的規制を受けております。当社グループは法令遵守を事業の根幹に据え、関連する社内規程の整備、社内研修の実施、内部監査部門や監査役による法令遵守の確認等、積極的にコンプライアンス活動に取り組んでおります。しかしながらこれらの法令・規制等が改廃された場合や新たな法的規制が設けられる場合、有資格者や業種経験者等を適正に配置できない場合、又は何らかの事情により許認可の取消、又は更新が認められない場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

会社名

法令名

免許・許可・登録等

有効期限

日本グランデ株式会社

宅地建物取引業法

宅地建物取引業者免許

国土交通大臣(3)第7575号

2022年9月13日

日本グランデ株式会社

建築士法

一級建築士事務所登録

北海道知事登録(石)第4881号

2023年4月27日

日本グランデ株式会社

建設業法

建設業許可

北海道知事許可

(特-28)石第19392号

2021年12月6日

日本グランデ株式会社

金融商品取引法

第二種金融商品取引業登録

北海道財務局長(金商)第43号

登録日2014年5月28日から廃止届出日まで有効

日本グランデ株式会社

金融商品取引法

一般不動産投資顧問業登録

国土交通大臣一般第1194号

2024年7月25日

日本グランデ株式会社

賃貸住宅管理業者登録規程(国土交通省告示)

賃貸住宅管理業者登録

国土交通大臣(2)第3410号

2024年7月16日

グランコミュニティ
株式会社

マンションの管理の適正化の推進に関する法律

マンション管理業者登録

国土交通大臣(3)第013094号

2022年7月20日

グランコミュニティ
株式会社

賃貸住宅管理業者登録規程(国土交通省告示)

賃貸住宅管理業者登録

国土交通大臣(2)第3412号

2024年7月16日

グランホーム株式会社

宅地建物取引業法

宅地建物取引業者免許

北海道知事石狩(2)第7953号

2022年6月21日

グランホーム株式会社

賃貸住宅管理業者登録規程(国土交通省告示)

賃貸住宅管理業者登録

国土交通大臣(2)第3411号

2024年7月16日

 

 

③  個人情報の管理について

当社グループは、各事業を通して取得した個人情報を多数保有しております。これらの個人情報については、「個人情報の保護に関する法律」等により規制を受けていることから、個人情報保護規程及び特定個人情報取扱規程を制定し細心の注意を払って管理しております。しかしながら、万一、外部漏洩等の事態が発生した場合には、損害賠償請求の発生や社会的信用に毀損が生じ、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④  訴訟等の可能性について

当社グループでは、コンプライアンス体制を整備し、役職員に対して法令遵守を徹底させることで法令違反等の発生リスクの低減に努めております。しかしながら、当社グループ及び役職員の法令違反等の有無に関わらず、顧客や取引先、第三者との間で予期せぬトラブルが発生し、訴訟に発展する可能性があります。提起された訴訟の内容及び結果によっては、多大な訴訟対応費用の発生や企業ブランドイメージの悪化等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤  特定人物への依存について

当社グループの代表取締役である平野雅博は、最高経営責任者として経営方針や経営戦略の決定等、事業活動上の重要な役割を果たしております。当社グループにおいては、同氏に過度に依存することがないよう、合議制や権限委譲の推進を図っておりますが、現時点において同氏が何らかの理由により経営者として業務を遂行できなくなった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥  人材の確保及び育成について

当社グループは小規模組織であり、事業の持続的な成長のためには、人材の確保が重要な課題であると認識しております。当社グループでは今後、事業の拡大及び経営計画の推進に当たり、優秀な人材を確保すべく積極的な採用活動を進めていく方針でありますが、十分な人材の確保ができなかった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦  ストック・オプションについて

当社は、ストック・オプション制度を採用しており、当社グループの取締役及び従業員に対して会社法の規定に基づき新株予約権を付与しております。当連結会計年度末の発行済株式総数は1,150,000株であり、ストック・オプションによる潜在株式は245,800株の21.37%に相当しております。これらは当社グループの事業発展のために優秀な人材の確保・獲得を目的として実施しており、必ずしも既存株主の利害と相反するものではありません。しかしながら、新株予約権の行使が行われた場合には、当社1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。また新株予約権の行使により取得した株式が市場で売却された場合は市場の需給バランスに変動を生じ、適正な株価形成に影響を与える可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。

 
① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、2019年10月の消費税増税により個人消費が落ち込んだものの、軽減税率制度や臨時・特別の措置など各種の対応策が実施され、また、雇用・所得環境の改善等により、内需を中心に緩やかな回復基調で推移してきました。一方で、米中の通商問題を巡る動向、中国経済の先行きに加え、世界の各地域において新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い景気は急速に悪化しており、先行きの不透明感は極めて高い状況となっております。

当社グループが属する不動産業界におきましては、消費税増税による消費者マインドの低迷、マンション及び戸建住宅用地の高騰と人手不足等の要因による建築費の高騰を受け、販売価格の高止まりの状態が続いており、また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、国の緊急事態宣言による外出自粛要請に合わせて、北海道から緊急事態措置として一部施設の休止要請が出され、その感染拡大防止策が長期化することにより、経済活動の再開には多くの難題を抱えており、今後の事業環境は予断を許さない状況にあります。

このような状況の中、当社グループの主力事業である不動産分譲事業では、当連結会計年度において、新築では分譲マンション3棟110戸及び分譲戸建住宅2物件4戸の引渡、既存竣工物件では分譲マンション7戸及び分譲戸建住宅1戸の引渡、その他として中古物件1戸の引渡となり、総引渡戸数は123戸(前年同期比14戸減)となりました。総引渡戸数の主な減少の要因としましては、消費税増税による消費者マインドの低迷、マンション及び戸建用地の高騰と人手不足等の要因による建築費の高騰を受け、販売価格の高止まりが続いたことによるものであります。

この結果、財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態
 (資産の部)

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べて2,709,783千円増加し、7,805,234千円となりました。このうち流動資産は、前連結会計年度末に比べて2,040,604千円増加し、4,451,203千円となり、固定資産は、前連結会計年度末に比べて669,178千円増加し、3,354,031千円となりました。流動資産の主な増加の要因は、現金及び預金の増加1,401,390千円及び販売用不動産の増加497,394千円であります。固定資産の主な増加の要因は、建物の増加512,161千円及び土地の増加274,068千円であり、主な減少の要因は建設仮勘定の減少122,571千円であります。

 (負債の部)

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて2,374,308千円増加し、6,263,917千円となりました。このうち流動負債は、前連結会計年度末に比べて2,057,701千円増加し、3,480,923千円となり、固定負債は、前連結会計年度末に比べて316,607千円増加し、2,782,993千円となりました。流動負債の主な増加の要因は、買掛金及び工事未払金の増加466,331千円及び未払金の増加541,591千円、預り金の増加1,154,846千円であり、主な減少の要因は1年内返済予定の長期借入金の減少459,617千円であります。固定負債の主な増加の要因は、長期借入金の増加302,622千円であります。

 (純資産の部)

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べて335,474千円増加し、1,541,317千円となりました。主な増加の要因は、株式上場に伴う公募増資を実施したことにより、資本金及び資本剰余金がそれぞれ51,750千円増加、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が231,993千円増加したことによるものであります。

 

b.経営成績

当連結会計年度における売上高は4,517,793千円(前年同期比10.1%減)となり、前連結会計年度に比べて507,114千円減少いたしました。これは主に、分譲マンション事業における売上高が599,119千円減少したことによるものであります。売上総利益は920,619千円(前年同期比4.4%増)となり、前連結会計年度に比べて38,883千円増加いたしました。売上高売上総利益率は前年同期比2.8ポイント増加し、20.4%となりました。これは主に、分譲マンション事業における売上原価率が減少したこと等によるものであります。営業利益は328,166千円(前年同期比3.3%減)となり、前連結会計年度に比べて11,318千円減少いたしました。売上高営業利益率は前年同期比0.5ポイント増加し、7.3%となりました。これは主に、上述した売上高売上総利益率の増加、分譲マンション事業における広告宣伝費等の減少によるものであります。経常利益は342,182千円(前年同期比7.8%増)となり、前連結会計年度に比べて24,761千円増加いたしました。売上高経常利益率は前年同期比1.3ポイント増加し、7.6%となりました。これは主に、上述した売上高営業利益率の増加及び補助金収入の計上等による営業外収益の増加によるものであります。親会社株主に帰属する当期純利益は236,993千円(前年同期比16.3%増)となりました。

 

     セグメント別の概況は、次のとおりであります。

 

 (不動産分譲事業)

当連結会計年度における分譲マンション事業につきましては、新築分譲マンション「グランファーレ豊平公園駅前パークフロント」及び「グランファーレ桑園レジェンドスクエア」、「グランファーレ伏見グランシャリオ」の3棟が竣工し、合わせて110戸の引渡を完了したほか、既存完成物件7戸及び中古物件1戸の引渡を含めた118戸(前年同期比10.6%減)の引渡を行っております。

分譲戸建住宅事業につきましては、新築分譲戸建住宅「エステティカ山鼻南」及び「エステティカ南郷パークフロント」の2物件が竣工し、合わせて4戸の引渡を完了したほか、既存完成物件1戸の引渡を含めた5戸(前年同期比増減なし)の引渡を行っております。

当連結会計年度における新築分譲マンション及び新築分譲戸建住宅の引渡戸数は123戸(前年同期比10.2%減)、売上高は3,785,204千円(前年同期比13.7%減)となりました。主な減少の要因としましては、消費税増税による消費者マインドの低迷、マンション及び戸建用地の高騰と人手不足等の要因による建築費の高騰を受け、販売価格の高止まりが続いたことによるものであります。

その他として、設計変更料等その他の売上高は141,168千円(前年同期比11.7%増)となりました。主な増加の要因としましては、販売代理手数料収入等が増加したことによるものであります。

この結果、不動産分譲事業の売上高は3,926,372千円(前年同期比12.9%減)となり、セグメント利益は374,244千円(前年同期比27.8%増)となりました。セグメント利益率につきましては9.5%(前年同期比3.0ポイント増)となりました。主な増加の要因としましては、人件費及び広告宣伝費、諸経費等が全体的に減少したことによるものであります。なお、主力であるマンション事業における売上総利益率においては14.4%(前年同期比2.4ポイント増)に改善いたしました。

 

 (不動産賃貸事業)

当連結会計年度におけるサービス付き高齢者向け住宅事業につきましては、入居率の維持及び向上を図るとともに、2019年8月には当事業の5施設目となる「グランウエルネス琴似駅前」をオープンし、賃貸料収入は281,290千円(前年同期比5.9%増)となりました。

収益不動産の賃貸事業につきましては、2019年7月に当事業の2物件目となる「グランデビル」を取得し、積極的な運用を行い、賃貸料収入は85,080千円(前年同期比38.8%増)となりました。

その他として、サービス付き高齢者向け住宅支援サービス事業等による売上高は85,480千円(前年同期比48.3%増)となりました。

この結果、不動産賃貸事業の売上高は451,852千円(前年同期比17.5%増)となり、セグメント利益は175,119千円(前年同期比20.4%減)になりました。主な減少の要因としましては、「グランウエルネス琴似駅前」のオープン及び「グランデビル」の取得に伴う売上原価及び諸経費等の増加、サービス付き高齢者向け住宅事業の一部を当社グループでの運営に転換したことによる人件費の増加等であります。セグメント利益率につきましては、上記記載のとおり、売上原価及び諸経費、人件費等の増加に伴い38.8%(前年同期比18.4ポイント減)となりました。

 

 (不動産関連事業)

マンション管理事業につきましては、分譲マンション及びサービス付き高齢者向け住宅、収益物件の管理棟数が増加したこと等により、売上高は83,384千円(前年同期比8.3%増)となりました。

その他として、設計監理事業、業務委託斡旋事業等による売上高は56,183千円(前年同期比5.7%増)となりました。主な増加の要因としましては、設計監理事業売上高が増加したことによるものであります。

この結果、不動産関連事業の売上高は139,568千円(前年同期比7.3%増)となり、セグメント利益は24,860千円(前年同期比33.7%増)となりました。セグメント利益率につきましては、上記記載のとおり、マンション管理事業及びその他の売上高が増加したことに伴い17.8%(前年同期比3.5ポイント増)となりました。

 
② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、2,221,900千円となり、前連結会計年度末に比べ1,401,390千円の増加となりました。各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。

 

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により増加した資金は、1,797,928千円(前連結会計年度は900,188千円の減少)となりました。主な増加の要因は、仕入債務の増加額466,331千円及び預り金の増加額1,154,769千円によるものであり、主な減少の要因は、たな卸資産の増加額547,418千円によるものであります。

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により減少した資金は、755,576千円(前連結会計年度は239,420千円の減少)となりました。主な減少の要因は、有形固定資産の取得による支出753,830千円によるものであります。

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により増加した資金は、359,038千円(前連結会計年度は105,958千円の減少)となりました。主な増加の要因は、短期借入金の純増減額418,000千円及び長期借入れによる収入1,399,500千円であり、主な減少の要因は、長期借入金の返済による支出1,556,495千円によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績

該当事項はありません。

 
b.契約実績

当連結会計年度における契約実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

契約高

契約残高

戸数

金額(千円)

前期比(%)

戸数

金額(千円)

前期比(%)

不動産分譲事業

 

 

 

 

 

 

  分譲マンション

61

1,858,890

△63.9

44

1,304,620

△68.1

  分譲戸建

4

154,190

△18.9

△100.0

合計

65

2,013,080

△62.3

44

1,304,620

△68.4

 

(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.不動産賃貸事業及び不動産関連事業については、事業の性質上記載を省略しております。

 

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

第17期連結会計年度

(自 2019年4月1日

  至 2020年3月31日)

販売高(千円)

前期比(%)

不動産分譲事業

 

 

分譲マンション

3,589,439

△14.3

分譲戸建

195,764

+0.3

その他

141,168

+11.7

不動産分譲事業計

3,926,372

△12.9

不動産賃貸事業

451,852

+17.5

不動産関連事業

139,568

+7.3

合計

4,517,793

△10.1

 

(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.セグメント間取引については相殺消去しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

①  重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

    経営成績の分析

当連結会計年度の経営成績の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①  財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。

 

③ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、継続的な収益力の改善効果を測定し、経営判断を行うことが重要であると考えており、売上高経常利益率を重要な指標としております。当連結会計年度の経常利益は342,182千円(前期比7.8%増)となり、売上高経常利益率は前連結会計年度比1.3ポイント増加し、7.6%となりました。これは主に、分譲マンション事業における売上原価率の減少、分譲マンション事業における広告宣伝費等の減少及び補助金収入の計上等による営業外収益の増加によるものであります。当社グループは、継続的な成長及び安定的な収益確保の実現のため、売上原価及び販売費及び一般管理費を低減し、引き続き、企業価値の向上を図るとともに、当該指標の向上に努めてまいります。

 

④ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 a.キャッシュ・フローの状況の分析

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

  b.資本の財源及び資金の流動性

当社グループの資金需要の主なものは、不動産分譲事業における分譲用地の取得、建築工事代金のプロジェクト資金であります。資金調達につきましては、各プロジェクトや物件ごとに調達しており、借入金にかかる金利等の資金調達費用の最小化を図る対応をしております。また、運転資金につきましては、営業活動から得られる自己資金により賄っており、不足が生じた場合は金融機関より調達を行っております。

 

⑤ 経営者の問題認識と今後の方針について

今後のわが国経済は、世界の各地域において新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い景気は急速に悪化しており、感染拡大防止策が長期化することにより、経済活動の再開には多くの難題を抱え、今後の事業環境は予断を許さない状況にあります。

このような状況の中、当社グループが、付加価値の高い住宅の供給、持続的な成長と利益の増大を図っていくために、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の内容について、重点的に取り組んでいく方針であります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。