第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営理念

当社グループは、「元気な街、心豊かな暮らし」を経営理念としております。「私たちが住み、働く街を元気にする、活性化する。そして私たちが関わる全ての人に幸せになってもらう、心豊かな暮らしを送ってもらう。そんな社会を実現したい」これが当社グループの経営理念の根幹であります。この経営理念のもと、“ライフスタイルに合った良質な「すまい」を提供し、持続的に発展する「まち」を作る”をミッションとし、九州全域と山口県にて事業を展開し、お客様一人ひとりに寄り添った「すまい」の提供を行っております。

以下は大英グループの価値創造ストーリーであります。

世の中の課題をどのように捉え、自社の強みや戦略を活かし、どのような社会を成し遂げたいかを1枚にまとめました。

 

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(2)経営方針

 当社グループは「地域愛着経営」を経営方針としております。

①地域の課題を解決する

②地域の魅力を創造する

③地域のコミュニティと共存する

 この3点を地域愛着経営のテーマとし、地域に根差した事業展開を行うことで、地域の皆様に愛され、必要とされる会社を目指してまいります。当社グループの「地域愛着経営」の形として、まずは当社従業員が働きがいを感じ、モチベーションに基づく接客や商品・サービスの改善・強化を行うこと、関係業者の方々との継続取引の中でその想いを伝達しながら商品づくりを行っていただく、そしてその商品をご購入いただくお客様の満足度が高まる、その喜びが従業員のモチベーションや働きがいに繋がる、この循環が回ることで、地域の皆様や株主・投資家の方々への期待感へつなげていく、これが、「地域愛着経営」が実現できた時の形だと考えております。

 

(3)当社の人材採用・育成方針

 当社グループの経営方針の軸となる従業員の採用、育成の軸としているものが、以下の3点です。

(当社では以下を「大英バリュー」と呼んでおります)

①人を大切にしている

②溌剌としている

③向上心がある

 お客様の想いを預かる大切な仕事だからこそ、いつも元気で溌剌とした対応にて、お客様や取引業者、そして一緒に働いている仲間を大切にしながら業務を遂行し、従業員個々人の日々の成長へと繋げたいと考えております。

 

(4)経営環境及び中長期的な会社の経営戦略

1.経営環境の変化と成長戦略の総括

 当社グループは、第55期から第57期(2023年9月期~2025年9月期)にかけて、「地域愛着経営」を基本方針とした3ヶ年の成長戦略を推進してまいりました。この期間、外部環境は大きく変化し、顧客ニーズや市場特性の多様化が進みました。こうした変化を受け、当初計画していた「エリア別組織」への移行は、全事業を同一エリアに集約することが市場特性や顧客ニーズの多様化に十分対応できないと判断し、断念いたしました。

 一方で、住宅事業のワンストップ化や新規事業の成長など、重点施策に基づく一定の成果も得られました。今後は、事業ごとに最適なエリアや顧客層に合わせて柔軟に事業展開を行い、グループ全体で連携しながら顧客価値の最大化を目指してまいります。加えて、人材力・組織力の強化、DXの推進、事業ポートフォリオの見直しを通じて、持続的な成長と企業価値の向上を目指します。

 

2.成長戦略の主な取り組みと成果

重点戦略

① 住まいのワンストップ体制の構築

 住宅事業の店舗において、住まいに関するトータル提案を実施し、WEBサイトを活用したワンストップ型の集客を開始しました。新築戸建と中古住宅を同一店舗で取り扱うことで、お客様が複数の選択肢を比較検討しやすくなり、販売効率の向上につながりました。

② 事業領域の拡大

 富裕層や法人向けの投資用・事業用不動産の販売、インバウンド需要を捉えた宿泊施設事業が成長し、新たな顧客層を獲得しました。今後も新規事業やストック事業の拡大を推進してまいります。

③ 組織風土・人材戦略

 ワンストップ戦略や事業領域拡大に伴い、建築子会社(株式会社DAIEIアーキテクツ)の設立や、グループ経営方針に基づく事業推進、人事制度の見直しを進め、チャレンジ精神と成長意欲の醸成に努めました。

 

共通戦略

① DXの推進

 AIツールや業務アプリを導入・活用したことで、土地情報や顧客情報の一元化、業務の効率化を推進しました。また、メタバース空間を活用し、他業種と合同の採用イベント等も実施しました。

② SDGsへの取組み

 分譲マンションや分譲住宅における環境配慮型商品の導入、地域産木材の活用(分譲住宅の建築資材への導入、KITAQ WOODの利用拡大)、建築端材のアップサイクル(出張こども大工)など、持続可能な社会への貢献を推進しました。

③ 少子高齢化への取組み

シニア層への認知拡大を目的としたセミナーやイベントの開催、アフターサービスや住宅オプションの拡充、従業員の健康経営推進(「健康経営優良法人2025」認定取得)などに取り組みました。

 

(5)優先的に対処すべき課題

 当社グループは、住宅・不動産業界を取り巻く事業環境の変化に対応し、経営資源の効率的な配分と、お客様の多様なニーズに応じた住まいの提供を通じて、経営理念である「元気な街、心豊かな暮らし」の実現を目指してまいります。現在、当社グループが優先的に対処すべき課題は以下の通りです。

 

① 利益率の低下

 資材価格や運送費、人件費の高騰に加え、物価上昇に対する実質賃金の低下や住宅ローン金利上昇リスクの高まりなど、事業環境は大きく変化しております。このような状況下、当期は主力事業である分譲住宅や中古住宅の買取再販の件数が大幅に減少しましたが、利益率は前年同期比で改善傾向にあります。

 しかしながら、販管費や人件費の増加リスク、完成在庫や長期滞留在庫の増加リスクなど、利益を圧迫する要因が複数顕在化してきており、グループ全体のさらなる利益率の改善は、今後の持続的成長と財務健全性の確保のために必須であると認識しております。

 

 利益率改善のための対応策としては以下が挙げられます。

1. 事業回転日数の短縮

 分譲マンションや分譲住宅等の不動産事業においては、土地の仕入れから建築、お客様への引渡しまで長期間を要します。近年は、各種法令や制度の変更により工期の長期化リスクが顕在化してきており、事業回転日数の短縮が利益率改善の重要な課題となっております。

 建築工期の短縮だけでなく、仕入れから着工までの期間、完成から引渡しまでの期間等、各工程の期間短縮に取り組むことで、値引きの抑制やプロジェクト融資金額の圧縮を図り、利益率の向上を目指してまいります。

 

2. 商品力の向上

 建築原価の高騰が続く中、価格転嫁の可否が収益性を左右する重要な要素となっております。顧客ニーズやライフスタイルの多様化に対応した付加価値の高い商品が求められています。

 事業ごとに顧客特性を踏まえた付加価値の高い商品開発を推進するとともに、インテリアコーディネートやオプション提案による付帯売上の増加、顧客層に応じた集客手段や販売手法の見直しを行い、利益率の向上を図ってまいります。

 

3. 土地の仕入れ精度の向上

 住宅・不動産の販売においては、立地条件が顧客の購買判断における最も重要な要素であり、立地の良い物件は高価格帯でも販売が好調に推移しています。

 当社の強みである土地情報の収集力を活かし、仕入れ件数の拡大ではなく、市場特性や顧客ニーズに合致した立地条件の良い土地に絞った仕入れを行うことで、販売効率と利益率の向上を目指してまいります。

 

② 売上時期の偏重

 当社の主力事業である分譲マンション事業においては、土地の仕入れからお客様への引渡しまで2~3年の期間を要するため、竣工時期により売上計上が特定の四半期に偏重する傾向があります。このような売上の偏重は、自然災害等による引渡し遅延リスクや、時期の偏りによる業務負荷の増大など、事業運営上のリスク要因であり、次期におきましても、第4四半期への偏重が想定されております。

 当社は、中長期的な視点で分譲マンション事業の仕入れ計画を見直し、竣工時期の分散化を図るとともに、事業回転日数の短い分譲住宅事業や街づくり事業の一部商品において売上計上の平準化を進めることで、四半期ごとの売上偏重の緩和に取り組んでまいります。

 

※次期(2026年9月期)のマンション事業の売上計上予定棟数

 

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

竣工予定棟数

1棟

2棟

3棟

5棟

 

 

③ 新規事業およびストック事業の強化

 当社の主力事業である分譲事業は、景気変動や金利動向、建築原価の変動等の外部環境の影響を受けやすく、収益の安定性に課題があります。また、人口減少やライフスタイルの多様化により従来の実需顧客層が縮小傾向にある一方で、法人・富裕層による投資目的の不動産需要や、インバウンド需要の高まり等、新たな市場機会が拡大しております。

 持続的な成長と安定した財務体質を構築するためには、主力事業に加え、収益性の高い新規事業の開拓と、継続的な収益を生み出すストック事業の強化が不可欠と考えております。

 当社は、法人・富裕層等の新たな顧客層に向けた投資用戸建賃貸や事業用不動産の販売、インバウンド需要の高まりを背景とした宿泊施設事業等、収益性の高い新規事業の拡大に取り組んでおります。今後も、当社の強みを活かし、不動産領域を中心とした新規事業・ストック事業の開発を進めることで、事業ポートフォリオの変革を目指してまいります。

 

(6)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

企業を継続的に安定成長させるためには、利益の確保が重要であることから、当社グループは売上高経常利益率を重要な経営指標として認識しております。

 

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは次の通りであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)サステナビリティの基本方針

 当社グループは、サステナビリティの基本方針として、以下の4点を基本方針としております。

「元気な街、心豊かな暮らし」の経営理念に基づき、お客様、取引先、株主・投資家、従業員、地域社会など、すべてのステークホルダーとの対話と協働を通じて、自らの成長とともに持続可能な社会の実現を目指してまいります。

①価値あるライフスタイルの創造

 新たな価値の創造により、人々の暮らしの豊かさの向上に貢献します。

②コミュニティの形成

 ステークホルダーとのコミュニティを形成し、皆様と共に発展します。

③高品質で快適な空間の提供

 お客様満足度の高い商品の提供を通じて、快適で安全な生活を支えます。

④環境・文化の醸成

 持続可能な環境、そして文化活動の機会提供で、生活水準の向上に貢献します。

 

(2)ガバナンス

 環境、社会課題に対する戦略の策定や迅速な意思決定に向け、健全で透明性のあるガバナンス体制が必要であると考えております。そのうえでサステナビリティの実行部門、及び「リスクマネジメント委員会」を社長直轄部門である社長室に設定しております。今後、サステナビリティに関する達成指標の策定、及びその推進と定期的な進捗報告を行う体制の構築を行ってまいります。

 

(3)リスク管理

 当社グループは、「リスクマネジメント委員会」を中心に各事業、部門責任者と供に、事業運営上の中長期的なリスクに関し、当社を取巻く外部環境、内部環境の変化を洗い出し、リスクと機会の特定を行っております。リスク評価を行ったのち、優先順位の高い取組みについて、取締役会にて四半期に一度進捗確認をしています。

 

(4)人的資本

 人的資本経営に向けた、具体的な目標設定は現段階において行っておりません。

目指す指標の設定と推進に向けて、当期の現状及び課題は以下の通りです。

 

 ・役員・執行役員の男女比率      男性 100% : 女性 0%

 ・管理職の男女比率(執行役員を除く) 男性 94% : 女性 6%

 ・全従業員の男女比率         男性 55% : 女性 45%

 ・全従業員の年代

 

20代

30代

40代

50代

60代~

構成比率

24%

29%

24%

14%

10%

 ・その他人材にまつわる当社の現状

 

55期

56期

57期

産・育児休暇取得率(パート従業員含む)

100%

100%

100

男性の育児休暇取得率

30%

14%

53

入退社の人数

入社

54名

39名

11名

退社

26名

33名

31名

離職率

7.2%

7.5%

9.5

      (注)1.管理職には課長以上の役職者が含まれています。

 

 

当期の取り組み

働きがい  ・ 従業員エンゲージメント調査の実施

・ 「健康経営優良法人2025」認定の取得

挑戦・成長 ・ 事業戦略実現に必要な人財像の特定と社内発信

・ 社内外研修の実施 2025年9月期研修費31千円/一人当たり(提出会社:47千円/1人当たり)

・ AIツール活用のための社内研修実施

多様性   ・ 新卒、キャリア採用の比率 新卒81.8%:キャリア採用18.2%

・ アルムナイネットワーク活用を目的としたイベントの開催(年1回)

 

現状の課題 :①役員・執行役員・管理職以上の女性比率の向上

②事業戦略実現に必要な人材の採用、育成

③専門スキルとITリテラシーの強化

 

人材を「資本」と捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上に繋げてまいります。

 

(5)その他

 サステナビリティ基本方針に基づいた当社の取組み

大英グループは、「SDGsを通じて元気で心豊かな未来を創る」取組みを推進してまいります。

当社の取組みは以下の通りです。

 

①環境配慮型の住宅を供給

 分譲マンション、分譲住宅の主力事業において環境配慮型商品の建築、販売に取り組んでおります。分譲マンションにおいては、省エネ性能と断熱性能が高いマンションタイプのZEH住宅である「ZEH‐M Oriented」認定を取得したマンションを供給しております。エネルギー資源の効率的活用による温室効果ガス削減のため、今後も、環境配慮型の住宅供給を推進してまいります。

 

②建築端材の廃棄量を削減

 分譲住宅の建築における木材廃棄量の削減を目指し、端材をアップサイクルする取り組みを推進しております。当社グループが主体となり推進している「出張こども大工」は、幼稚園、保育園、地域イベント等で子どもたちに端材の木工キットを使用する大工体験の機会を提供しております。木工キットの制作は、シニア大工や障がいのある方に依頼することで雇用や働きがいの創出につながっており、現在では、地域の企業・団体・大学と共にパートナーシップで取り組んでいるため、継続性のある活動となっております。持続可能な社会への実現のため、さらに端材の活用を推進してまいります。

 

③国産木材および地域産木材の活用

 当社では国産木材および地域産木材の活用に積極的に取り組んでおります。分譲住宅の建築において、1棟ごとに輸入木材と国産木材を併用しております。また、北九州市産木材を一部の分譲住宅に使用しております。加えて、北九州市産木材を使用した木材ブランド「KiTAQ WOOD」の推進も行っております。木材のトレーサビリティと炭素貯蔵量の見える化を協定5者で連携して取り組みながら、木材の切り出しと植樹を積極的に行うことで林業・木材産業の活性化と森林循環によるカーボンニュートラルの実現を目指しております。

 

④多世代が住まう街づくり

 分譲マンション

  当社の分譲マンションにおいては、世帯数やお客様の価値観の変化に合わせ、従来の3~4LDKのみならず、1LDKや2LDKのマンションの建設も行っております。従来、分譲マンションはバリアフリーの建物でありますが、サンパークマンションにて独自のコーディネートシステムを導入するなど、よりお客様の要望に沿った住戸の設計が可能となっております。

 

 分譲住宅

  分譲住宅においても従来の2階建てや平屋の分譲住宅等、シリーズ展開を増やしております。また、当社分譲住宅の土地の仕入れにおいては、新たに山を切り崩したような大型団地の開発ではなく、一戸建てが立ち並ぶ住宅街の中において売却に出された用地に建築しております。空地や空家の問題の対策と併せ、その従前の住宅街の中に小さな子供の声が広がり、近くの公園が賑わう、だんだんと人が少なくなっていく街に活気が戻るような街づくりを目指しております。

 

3【事業等のリスク】

当社グループの事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

これらの事項に対しましては、当社グループのリスクマネジメント委員会主導のもと、優先順位に基づき、1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(5)優先的に対処すべき課題の取組みと共に、将来の業績への影響を軽減させる方針であります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)通期の資金繰りについて

①融資について

 当社グループの事業については、多額の資金が必要になります。多額の資金を自己資金で賄うことは現実的ではなく、金融機関等からの借入金により、各事業のプロジェクトを遂行しております。経済環境の変化により、金融機関の融資条件等がより一層厳しくなった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

②有利子負債について

 当社グループは、原則として、プロジェクト案件ごとに用地の取得資金と開発費用等そのプロジェクトの推進に必要な資金を、プロジェクトの期間に応じた金融機関からの借入金により調達しており、下表のとおり有利子負債依存度が高い水準で推移しております。なお、当社グループにおいて、「短期借入金」、「1年内返済予定の長期借入金」、「リース債務」、「長期借入金」が有利子負債に該当いたします。

 また、運転資金については、原則として手許資金で賄うこととしておりますが、資金繰り弾力化のため、一部金融機関からの借入を実施しております。近年においては、低金利の継続により、金利負担は比較的低水準で推移しておりますが、将来において金利が上昇した場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、今後の金融政策の方針が変更された場合、プロジェクトの進捗や業績に影響を及ぼす可能性があります

 

決算期

総資産(百万円)

有利子負債(百万円)

有利子負債依存度(%)

第53期連結会計年度

30,252

18,092

59.8

第54期連結会計年度

38,375

23,410

61.0

第55期連結会計年度

39,829

24,821

62.3

第56期連結会計年度

41,675

24,759

59.4

第57期連結会計年度

47,264

30,097

63.7

 

③現金及び預金残高の増減について

 マンション事業においては、その性質上、竣工引渡時に一斉に売上代金を回収するため、一時的に現金及び預金の残高が大幅に増加し、その後の数ヶ月間で工事代金の最終金決済やプロジェクト資金の返済が行われることから、現金及び預金残高は大幅に減少いたします。こうした資金繰りの変動を緩和するため、竣工時期に偏りが生じないよう、用地仕入やゼネコンとの工事請負契約締結のスケジュール調整に取り組んでおります。

 しかし、これらが想定通り進まない場合、完成時期や引渡し時期が特定の期間に集中し、売上が一時期に偏重することで、資金繰りが不安定となり、当社グループの財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。通年で安定した売上を確保することで、有利子負債や現預金残高の変動を緩やかにできるため、売上の偏重は当社が優先して取り組むべき重要な課題と認識しております。

 

(2)不動産市況等について

 当連結会計年度における不動産業界におきましては、諸外国の地政学的問題、円安基調の継続、働き方改革関連法に伴う「2024年問題」、また、当社グループの事業展開エリアである九州・山口の人口や世帯数の推移、顧客の価値観の多様化等、外部環境の変化による影響を非常に受けやすく、これら環境の変化における対応が求められております。

 

①人口動向について

 当社グループの事業エリアである九州・山口エリアは、総人口の減少と少子高齢化が進んでおり、今後、その傾向はますます強まることが想定され、これまで増加傾向にあった世帯数においても将来的に減少傾向に転じることが予測されております。このことにより、特に住宅事業の主な購入者層である20~40代の子育て世代は、減少していくことが確実視されます。今後は、従来の北九州近郊から事業エリアを広げて顧客を確保すること、多様な家族構成・価値観に合わせた商品開発を展開し、住まいシェアを確保するなどの対策を検討しなければなりませんが、対策がうまくいかなかった場合、売上が低下し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

②金融機関による利上げ

 当期において、大手金融機関に続き、当社事業エリア内で多くのお客様が利用されている地方銀行等でも住宅ローン金利が上昇しております。今後さらに、住宅ローン金利が上昇した場合、顧客の住宅ローン返済額の増加や借入限度額の減少による購入可能な顧客の減少、住宅購入マインドの低下などが起こる可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③原材料・資材価格等の高騰について

 当連結会計年度においては、円安による国外資材、エネルギー価格の高騰など、国内外市場の動向により大きな影響を受けました。建築コストは売上原価の主要項目であり、原材料・資材・物流等の価格が上昇した場合は、原則として上昇分に応じて販売価格に転嫁しております。しかしながら、想定を上回って建築コストが上昇し、販売価格へ転嫁することが難しい場合は、当社グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)グループ会社全体のガバナンス不全について

 当社グループは、複数のグループ会社を有しており、グループ全体の経営方針や権限規程の理解不足、内部統制の不十分さ等により、グループ会社全体のガバナンスが十分に機能しないリスクがあります。このようなガバナンス不全が発生した場合、経営方針からの逸脱や利益相反取引、法令違反(宅地建物取引業法・建築基準法等)、不正行為の発生につながり、当社グループの経営や社会的信用に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)人材の不足及び育成について

 住宅・不動産及び建築人材においては人材不足が大きな問題になります。当社グループとしては、従業員の働きがいを高め、積極的な事業展開により在職者、求職者にとって魅力的な企業となるべく努力をしてまいりますが、予想を大幅に上回るような退職者が発生した場合や、必要な人材確保及び育成が計画通りに進まない場合、当社グループの事業展開や業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、事業展開に合わせた適材適所の人員配置、業務改善による効率化、継続的な成長を達成するための優秀な人材採用と育成が重要であると考えております。

 

(5)機密情報及び個人情報の漏洩について

 当社グループでは、事業の性質上、常時多数のお客様の個人情報をお預かりしている状況にあります。個人情報については、プライバシーマークを取得し、個人情報保護基本規程等に基づいて厳重に管理しております。また、社内では個人情報だけではなく、インサイダー取引に抵触する情報も取り扱います。漏洩を防ぐため、個人情報保護委員会やリスクマネジメント委員会を設け、当社グループの従業員等に対する定期的な教育・研修等により情報管理の重要性の周知徹底を行っております。しかし、これらの対策にもかかわらず機密情報及び個人情報が外部に漏洩した場合には、社会的信用が著しく低下する上に、多額の損害賠償金等が発生、業務停止など、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)突発的災害等によるインフラ機能の低下

 当社グループでは、膨大な情報をサーバーにて管理しております。各事業の業務を迅速かつ適正に進めていくために欠かせないシステムですが、災害によるシステムダウンやハッキング、メール等からのウイルス感染によりシステムの機能不全に陥った場合や、本社社屋及び各事業所などの固定資産の老朽化が進み、災害による機能不全や適切なメンテナンスが計画通りに進まない場合は、事業の遂行が遅延、停止するため、当社グループの業績や財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)自然災害

 自然災害のリスクとしては、1点目にお客様に提供した住まいに関するリスク、2点目は当社従業員や関連企業の方々、地域の方など、関わる全てのステークホルダーの安全リスクです。

 リスクの備えとして、BCPの策定、災害対策本部の勉強会及びシミュレーション、安否確認システムの構築・運用訓練、災害備蓄品の設置などを行っております。

 しかしながら、当社グループ事業エリアにおける震災、また、広域で被害予測される南海トラフ地震等の災害が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)各種ハラスメント

 ハラスメントのリスクとしては、主にセクシャルハラスメント、パワーハラスメント等の従業員の安全、安心な職場環境の確保に関するリスクです。当社の役員および管理職はもちろん、すべての従業員に関わるリスクであり、ハラスメントにより従業員が十分な能力が発揮できなくなり、生産性の低下や人材流失、企業イメージの低下による採用の不足等に繋がるため、事業の遂行に影響を及ぼす可能性があります。

 リスクの備えとして、社外に第三者による相談窓口を設け、全従業を対象としたハラスメント研修を実施しております。

 

(9)法的規制について

 当社グループの属する不動産業界は、「宅地建物取引業法」「建築基準法」「国土利用計画法」「都市計画法」等、不動産取引や建築に関わる多数の法令、及び各自治体で定められる建築に関する条例等の法的規制を受けております。また、連結子会社の大英リビングサポート株式会社におきましては、「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」、株式会社DAIEIアーキテクツにおきましては、「建築士法」「建設業法」等による法的規制を受けております。このため、将来におけるこれらの法的規制の改廃、新法の制定等により、事業計画を見直す必要が生じる場合や、これらの法的規制等に定める事項に抵触した場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります

 また、当社グループの事業活動における必要不可欠な免許として、当社、株式会社大英エステート、株式会社大英不動産販売においては宅地建物取引業免許が、大英リビングサポート株式会社においては管理業務主任者免許があります。現時点では、免許または登録の取消事由・更新欠格事由(※下表枠外に記載)に該当する事実は存在しておりませんが、今後、何らかの理由により免許及び登録の取消・更新欠格による失効等があった場合、また、新規に開始した事業活動において、必要な免許または登録など法令等への対応ができていなかった場合には、当社グループの主要な事業活動に支障をきたし、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 当社グループの有する免許、許可及び登録については、以下のとおりであります。

会社名

法令名

免許・許可・登録等

有効期限

大英産業㈱

宅地建物取引業法

宅地建物取引業免許

国土交通大臣免許(3)

第008700号

宅地建物取引士(152名)

2029年11月11日

大英産業㈱

建築士法

一級建築士事務所登録

福岡県知事登録 第1-60140号

一級建築士(1名)

二級建築士(8名)

2030年12月12日

大英産業㈱

建設業法

特定建設業許可

福岡県知事許可

(特-6)第117481号

一級施工管理技士(1名)

二級施工管理技士(7名)

2030年3月30日

大英リビングサポート㈱

マンションの管理の適正化の推進に関する法律

国土交通大臣(3)

第093710号

管理業務主任者(5名)

2030年12月16日

大英リビングサポート㈱

宅地建物取引業法

宅地建物取引業免許

福岡県知事(1)

第20643号

宅地建物取引士(6名)

2029年6月18日

㈱大英エステート

宅地建物取引業法

宅地建物取引業免許

福岡県知事(1)

第19857号

宅地建物取引士(10名)

2026年12月9日

㈱大英不動産販売

宅地建物取引業法

宅地建物取引業免許

福岡県知事(1)

第19858号

宅地建物取引士(11名)

2026年12月9日

㈱DAIEIアーキテクツ

建築士法

一級建築士事務所登録

福岡県知事登録 第1-62579号

一級建築士(1名)

二級建築士(14名)

2030年2月27日

㈱DAIEIアーキテクツ

建設業法

一般建設業許可

福岡県知事許可

(般-7)第117515号

一級施工管理技士(3名)

二級施工管理技士(6名)

2030年4月15日

※許認可等の取消事由について

a.宅地建物取引業者免許の取消事由は、宅地建物取引業法第66条に定められております。

b.一級建築士事務所登録の取消事由は、建築士法第26条に定められております。

c.建設業許可の取消事由は、建設業法第29条に定められております。

d.マンション管理業者登録の取消事由は、マンションの管理の適正化の推進に関する法律第83条に定められております。

 

(10)訴訟等について

①契約不適合責任について

 当社グループの不動産事業については、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」により、新築住宅(分譲マンション含む)の構造上主要な部分及び雨水の浸水を防止する部分について住宅の引渡しから10年間、その他の部分については、「宅地建物取引業法」により住宅の引渡日から最低2年間について契約不適合責任を負っております。当社グループは建築工事の工程管理、品質管理に万全を期しておりますが、何らかの事情により当社グループが責任を負うことにより、想定外の補償工事費用の計上や当社の信用力の低下が発生した場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

②完成工事補償引当金について

 お客様へ物件を引き渡した後に補修工事を行う場合や、完成工事の瑕疵担保責任に備える目的の引当金を計上しております。販売棟数の増加に伴い必然的に利益圧縮に繋がることに加え、不測の施工不良等により実際に多額の補修工事が発生した場合、引当金の計上額(販売費及び一般管理費)が増加し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)住宅、不動産業界の動向について

①土地の仕入について

 当社グループでは、主要事業が全て土地に関連する事業のため、事業用地の仕入れが各プロジェクトの成否において生命線となります。立地条件、地積、地盤、周辺環境、権利関係、収支計画等について事前に調査・検討し、その結果を踏まえた上で土地の仕入を行っております。近年、全国的な土地公示価格が上昇、土地の取引価格においても相対取引が減少し、入札による取引が増加していることから、土地の購入価格は年々高騰しております。このような土地価格の高騰により、プロジェクトの収益が計画どおりに確保できない、あるいは仕入中止によりプロジェクトを断念するなど、当社グループの事業展開や業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、用地取得時に予想できない土壌汚染や地中埋設物が発見された場合や、工事進捗に影響する近隣住民との問題が解決できなかった場合においても、プロジェクトの遅れや追加費用の発生により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

②建築の外部委託及び工程監理について

 当社グループの事業における建築工事は、一部または全部を外部に委託しております。このことは、自社の固定人件費の抑制に繋がっており、不況時においては、経営リスクを軽減する反面、好況時においては、外部委託先への委託業者の競合が増加し、委託先が十分に確保できなくなり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、住宅建築工事においては、外部に分離発注する形態にて工事委託を行っておりますが、一部、連結子会社の大英工務店が携わっております。将来の住宅業界における工事職人不足は顕在化しており、当社委託先の職人が減少した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。各現場工程監理につきましては、各事業担当者にて、より慎重を期して行っておりますが、不測の事態等により工事の遅延等が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③住宅業界の技術革新について

 2021年10月閣議決定された「第6次エネルギー基本計画」において、「2030年度以降新築される住宅について、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)基準の省エネルギー性能の確保を目指す」という政府の目標が宣言・公表されました。SDGsの観点から高付加価値を持つ住宅に対するニーズは大いに高まっております。また、省エネに加え、IOTを駆使したスマートハウスのニーズもあり、様々な新商品が市場に投入される傾向にあります。これら高付加価値の商品を導入する場合、建築コストの増加においては、販売価格への転嫁を行うことになりますが、原価の高騰から販売価格への転嫁が難しい場合、また、業界またはお客様の望む技術革新のスピードに当社グループが対応できなかった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④販売の外部委託について

 当社グループは、一部物件の販売活動を外部業者に委託しております。これにより、当社グループのみで販売する場合に比べて、より多くの物件を同時に販売できる反面、販売手数料等の増加により利益率が悪くなります。また、新築住宅において、販売を外部へ委託する販売手法を採用する住宅会社が増加してきたことにより、競合が激化しております。当社は、マンション事業、住宅事業における販売を専門とする子会社の設立を行っておりますが、今後も引き続き外部業者への委託を継続していくため、委託割合が増加した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤競合について

 当社グループは、沖縄県を除く九州全域で事業展開しております。大手マンションデベロッパー・ハウスメーカーから個人事業者に至るまで大小様々な競合他社が多数存在しており、大変厳しい競争環境に晒されております。今後においても新規大手の参入や異業種からの参入も増える可能性があり、更に競争が激化することが想定されます。これにより、物件の仕入価格の上昇(原価の高騰)や、販売価格の下落(売上の減少)が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)棚卸資産の評価損処理について

 当社グループでは事業の性質上、棚卸資産が総資産に占める割合は2025年9月期において67.08%と非常に高い水準にあります。会社方針により竣工在庫を抑制するよう努めており、完成在庫である販売用不動産だけであれば、総資産の18.39%と比較的少ない水準ではありますが、何らかの理由により不動産の市場価値が下落した場合は、評価損処理が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度(以下「当期」という。)におけるわが国経済は、個人消費や企業の設備投資は持ち直しの動きがみられ、景気は緩やかに回復しております。一方で、消費者物価の上昇、資材価格の高止まり、金融政策の動向の変化、主要国の通商政策動向の影響などにより、先行きは依然として不透明な状況が続いております。

 当社の事業エリアである九州・山口の住宅・不動産市場は、国土交通省発表の一戸建て住宅の新設住宅着工戸数は2024年10月から2025年9月まで前期比で96%と市場規模の縮小が緩やかに進んでおります。加えて、少子高齢化・人口減少と都市部への集中、所得格差の拡大、建築コストや住宅ローン金利の上昇を背景に、需要や価格動向の二極化が顕著となっております。具体的には、都市部や交通利便性の高いエリアにおける新築物件・高価格帯物件への需要が引き続き堅調である一方、地方や郊外、築年数の経過した中古物件に対する需要は伸び悩んでおります。この結果、住宅価格や供給量においても、地域や物件特性による格差が拡大しております。顧客層においても価格の高止まりと金利上昇を背景に実需層の購入意欲は慎重である一方、法人や富裕層向けの需要は堅調です。

 このような事業環境下で当社グループは、利益率の向上に向け、多様な住宅・不動産の事業ポートフォリオを活かしながら、各事業において仕入の厳選・商品力の強化・事業回転日数の短縮に取り組んでまいりました。

 当期の業績は、分譲住宅事業や不動産流通事業の販売戸数が、市場環境の変化を受けて大幅に減少したものの、分譲マンション事業の大型物件の引渡しや街づくり事業の法人や富裕層向けの投資用戸建賃貸住宅、大型の事業用地、事業用不動産の販売が伸長したことにより、売上高は前期比で増収となりました。

 売上総利益は、原価上昇の影響を受けつつも、街づくり事業や分譲マンション事業の伸長により、売上総利益率の高い商品の販売割合が増加いたしました。さらに、分譲住宅事業において厳選した土地仕入れと顧客ニーズに対応した建物商品を展開したことにより、売上単価が向上し、前期比で増益となりました。

 また、販売費及び一般管理費については、販売件数の減少により販売手数料等の変動費が減少し、また、DX推進による業務プロセスの自動化・効率化や人員配置の最適化など、全社的なコスト削減に取り組みました。その結果、金額はほぼ横ばいとなりましたが、売上に対する比率は低下いたしました。

 売上や売上総利益の増加と、販管費率の低下が寄与し、営業利益は前期比で大幅に増加いたしました。さらに、固定資産売却益を特別利益として計上したこともあり、当期純利益も前期を上回りました。

 当期は、第55期から第57期(2023年9月期~2025年9月期)における中期経営計画の最終年度でしたが、事業環境の変化に伴い戦略を見直し、2024年10月18日に「中期経営計画における業績目標の下方修正に関するお知らせ」を公表いたしました。建築コストの高止まりや住宅ローン金利の上昇、仕入・販売における競争激化により進捗が遅れ、分譲住宅及び中古住宅の買取再販の販売戸数が伸び悩んだことが、計画を下回った主な要因です。

 これらの結果、当連結会計年度における経営成績は、売上高39,093百万円(前期比5.4%増)、営業利益1,305百万円(同44.9%増)、経常利益901百万円(同39.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は639百万円(同54.8%増)となりました。

 

セグメント別の経営成績は次のとおりであります。

(マンション事業)

 マンション事業セグメントでは、都心・駅近の利便性の良い物件への選択的投資と事業回転日数の平準化を目指し、分譲マンションの企画・販売・管理を行っております。

 当期は「サンパーク博多那珂グラッセ(福岡県福岡市、総戸数55戸)」「サンパーク柳川駅レジデンス(福岡県柳川市、総戸数59戸)」「ザ・サンパーク小倉駅タワーレジデンス(福岡県北九州市、総戸数150戸)」を含む8物件が竣工し、前期に竣工した物件と合わせて463戸の引渡しが完了いたしました。加えて、熊本県での1棟売り物件も計上いたしました。なお、総戸数150戸のザ・サンパーク小倉駅タワーレジデンスは、九州北部の主要ターミナルであるJR小倉駅から徒歩4分という高い交通利便性を背景に販売が想定以上に進捗し、業績を牽引いたしました。

 また、前期に竣工した「サンパーク朝倉街道駅グラッセ(福岡県筑紫野市、総戸数40戸)」「サンパーク延岡グラッセ(宮崎県延岡市、総戸数44戸)」「サンパーク佐伯駅前レジデンス(大分県佐伯市、総戸数44戸)」の3物件が完売し、当期に竣工した「サンパーク黒崎駅レジデンス(福岡県北九州市、総戸数56戸)」は竣工前完売となり引渡しまで完了いたしました。

 当期は新たに福岡市内で「サンパークシティ香椎(福岡県福岡市、総戸数90戸)」「ザ・サンパーク西新(福岡県福岡市、総戸数24戸)」「ザ・サンパーク姪浜(福岡県福岡市、総戸数42戸)」の3棟、北九州市内で1棟、熊本市内で3棟、その他福岡県内で7棟の合計14棟639戸の分譲を開始いたしました。

 連結子会社であるマンション総合管理会社「大英リビングサポート株式会社」は、親会社の分譲マンション

供給数の増加に伴い、管理戸数は4,886戸(前期比10.6%増)となりました。

 これらの結果、マンション事業セグメントの売上高は20,420百万円(前期比27.0%増)、セグメント利益は1,671百万円(同11.5%増)となりました。

 

(住宅事業)

 住宅事業セグメントでは、分譲住宅、中古物件の買取再販、土地分譲、投資用戸建賃貸住宅、事業用不動産、タウンハウス、リフォーム、宿泊施設事業などを計上しております。前述のとおり、当セグメントにおいても、需要の二極化の影響が顕著に現れました。実需中心の分譲住宅・中古住宅の買取再販は売上戸数が伸び悩んだ一方、個人や法人による収益不動産の需要は底堅く推移し、投資用の戸建賃貸住宅や事業用不動産の販売が好調となりました。こうした環境下、在庫の適正化・厳選した仕入れ・商品の改善・販売費及び一般管理費の選択と集中を進め、利益率の改善に取り組みました。

 分譲住宅は、売上戸数及び売上高が前期比で大幅に減少しましたが、在庫数を適正に保ちつつ、厳選した土地の仕入れや顧客ニーズに対応した建物の建築・販売を進めた結果、売上総利益率は向上いたしました。

 また、新築戸建てと中古住宅の両方を取り扱う「住まいのワンストップサービス」によりお客様のニーズに応じた提案を行い、集客効率を向上させるとともに、DX(デジタルトランスフォーメーション)による業務効率化を推進いたしました。この結果、販売費及び一般管理費を抑制し、営業利益及び営業利益率も前期比で向上いたしました。

 中古住宅の買取再販は、市場環境の変化に対応し、事業規模を縮小したことで販売件数が減少し、売上高は前期比で大幅に減少いたしました。一方で、事業展開エリアを北九州市を中心とした福岡県、熊本県に絞り込んだことに加え、販売費及び一般管理費の削減、さらに厳選した仕入れの推進により在庫の適正化が進み、営業利益は前期並みを維持しました。

 土地分譲は、分譲住宅需要の低下により、戸建用地の販売は鈍化傾向が継続している一方で、法人向けの大型事業用地の需要は依然として高く推移しております。この結果、土地分譲の販売件数は前期比で減少したものの、大型案件の増加により売上高は増加いたしました。

 投資用戸建賃貸住宅は、北九州市を中心に「サンラプロ」シリーズを展開しております。戸建賃貸住宅は、都市部近郊で自家用車利用のファミリー層からの入居需要が底堅いため、投資用商品としての需要が高く、高い利益率で販売が進捗いたしました。この結果、街づくり事業の営業利益率は前期の1.3%から7.8%と大幅に向上いたしました。

 宿泊施設事業は、引き続きインバウンド需要が活況です。当期は福岡市や北九州市で新たに6棟の宿泊施設

を供給いたしました。特に、福岡市博多区の当社宿泊施設では、利用者の約7割が外国人であり、平均稼働率

は96%を超えました。

 今後も各事業分野において、市場や顧客ニーズを的確に捉え、事業ポートフォリオの変革に取り組んでまい

ります。

 なお、当連結会計年度より2024年11月に設立した子会社「株式会社DAIEIアーキテクツ」を連結の範囲に含め

ており、住宅事業セグメントにて計上いたしました。

 引渡数におきましては、分譲住宅が386戸、中古住宅の買取再販が112戸、土地分譲が112区画、投資用戸建

賃貸住宅が26戸、タウンハウスなどが9戸となりました。

 これらの結果、住宅事業セグメントにおきましては、売上高18,561百万円(前期比11.3%減)、セグメント利益は753百万円(同89.0%増)となりました。

 

(その他事業)

 鹿児島県鹿児島市における水道供給事業や自社保有不動産の不動産賃貸事業につきましては、売上高は110百万円(前期比40.6%増)、セグメント利益は25百万円(同205.3%増)となりました。

 

② 財政状態の状況

(資産)

 当連結会計年度末における資産合計は47,264百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,588百万円増加いたしました。これら要因は、現金及び預金が前連結会計年度末に比べ、1,399百万円減少し9,933百万円に、仕掛物件の増加により、仕掛販売用不動産が2,598百万円増加し22,999百万円に、竣工在庫の増加により販売用不動産が1,720百万円増加し8,691百万円に、建物及び構築物が1,039百万円増加し1,862百万円に、土地が952百万円増加し1,819百万円になったことなどによるものです。

 

(負債)

当連結会計年度末における負債合計は38,441百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,022百万円増加いたしました。これは、支払手形及び買掛金が1,776百万円減少し3,832百万円に、短期借入金が3,746百万円増加し13,366百万円に、長期借入金が1,916百万円増加し9,373百万円になったことなどによるものです。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は8,822百万円となり、前連結会計年度末に比べ566百万円増加いたしました。これは前連結会計年度末に比べ、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益639百万円を計上及び配当金の支払いにより79百万円減少し、利益剰余金が総額で559百万円の増加が主な変動要因であります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,525百万円減少し、9,333百万円となりました。

 

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において、営業活動による資金の減少は、4,649百万円(前期は4,028百万円の増加)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益992百万円、棚卸資産の増加額4,316百万円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において、投資活動による資金の減少は、2,138百万円(前期は352百万円の減少)となりました。これは主に定期預金の預入による支出157百万円、有形固定資産の取得による支出2,255百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において、財務活動による資金の増加は、5,262百万円(前期は128百万円の減少)となりました。これは主に短期借入れによる収入32,255百万円及び短期借入金の返済による支出28,508百万円、長期借入れによる収入14,110百万円及び長期借入金の返済による支出12,517百万円によるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社グループが営むマンション事業、住宅事業及びその他事業では生産実績を定義することが困難であるため、「生産実績」は記載しておりません。

 

b.契約実績

 前連結会計年度及び当連結会計年度の契約実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 2023年10月1日

 至 2024年9月30日)

当連結会計年度

(自 2024年10月1日

 至 2025年9月30日)

件数

金額(千円)

件数

金額(千円)

マンション事業

425

14,578,569

468

18,502,707

住宅事業

897

20,632,776

671

17,462,087

合計

1,322

35,211,344

1,139

35,964,795

 

c.販売実績

 前連結会計年度及び当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 2023年10月1日

 至 2024年9月30日)

当連結会計年度

(自 2024年10月1日

 至 2025年9月30日)

件数

金額(千円)

件数

金額(千円)

マンション事業

488

16,080,571

463

20,420,339

住宅事業

943

20,938,197

645

18,561,867

その他

78,911

110,922

合計

1,431

37,097,680

1,108

39,093,129

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 a.経営成績

 当社グループの経営成績の分析は次のとおりです。

 

 

前連結会計年度

(自 2023年10月1日

 至 2024年9月30日)

当連結会計年度

(自 2024年10月1日

 至 2025年9月30日)

差額

金額(千円)

金額(千円)

金額(千円)

売上高

37,097,680

39,093,129

1,995,448( 5.4%増)

売上総利益

6,368,930

6,776,170

407,239( 6.4%増)

営業利益

901,210

1,305,541

404,330(44.9%増)

経常利益

647,575

901,424

253,848(39.2%増)

親会社株主に帰属する当期純利益

413,127

639,370

226,242(54.8%増)

 

(売上高・売上総利益)

 当連結会計年度の売上高は、39,093百万円(前期比5.4%増)、売上総利益は6,776百万円(前期比6.4%増)となりました。

 分譲住宅事業や不動産流通事業の販売戸数が大幅に減少したものの、分譲マンション事業の大型物件の引渡しや街づくり事業の法人や富裕層向けの投資用戸建賃貸住宅、大型の事業用地、事業用不動産の販売が伸長したことにより、売上高は前期比で増収となりました。

 売上総利益は、原価上昇の影響を受けつつも、街づくり事業や分譲マンション事業の伸長により、売上総利益

率の高い商品の販売割合が増加いたしました。さらに、分譲住宅事業において売上単価が向上し、前期比で増益となりました。

 

(営業利益)

 販売費及び一般管理費は5,470百万円(前期比0.1%増)、営業利益は1,305百万円(同44.9%増)となりました。

 販売費及び一般管理費については、販売件数の減少により販売手数料等の変動費が減少し、また、全社的なコスト削減に取り組みました。その結果、金額はほぼ横ばいとなりましたが、売上に対する比率は低下いたしました。営業利益は、売上や売上総利益の増加と、販管費率の低下が寄与し、前期比で増加いたしました。

 

(営業外損益及び経常利益)

 当連結会計年度の営業外収益につきましては、受取手数料等により、188百万円(前期比7.2%減)となりました。営業外費用につきましては、支払利息等により、592百万円(同29.7%増)となり、経常利益は901百万円(同39.2%増)となりました。

 

(特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益)

 当連結会計年度の特別利益は91百万円(前期比15,339.1%増)、特別損失は0百万円(同97.0%減)となりました。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は639百万円(同54.8%増)となりました。

 

③ 経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社グループの主要事業は、すべて土地に関連する事業で構成されています。近年の住宅・不動産市場においては、需要や価格動向の二極化が顕著となっており、都市部や交通利便性の高いエリアでは新築・高価格帯物件への需要が堅調である一方、地方や郊外の物件、築年数の経過した中古物件に対する需要は伸び悩んでいます。

 このような市場環境下において、用地の取得競争の激化や土地価格の上昇により、良質なプロジェクト用地の確保が困難になる場合、経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、供給過多や市場ニーズに合致しない商品展開による販売不振も、業績に大きな影響を与えます。

 当社グループでは、こうしたリスクを踏まえ、地場不動産会社や金融機関との連携強化による土地情報の収集力向上や、顧客ニーズを的確に捉えた商品開発・事業ポートフォリオの見直しを進めることで、安定的な用地確保と販売力の強化に努めております。

 

④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社グループの資金需要は、土地および物件の仕入に加え、各種プロジェクトの建設費用等が中心です。これらの資金は、金利コスト等を勘案しつつ、自己資金および金融機関からの借入金により調達しています。2025年9月期末時点では、仕掛販売用不動産や販売用不動産の増加に伴い短期・長期借入金が増加したほか、賃貸物件や宿泊施設等の安定収益を生む固定資産の取得により、固定資産が増加しました。これらにより、資産全体が拡大する中でも、安定した財務基盤の維持に努めております。

 今後も、仕入の厳選や販売力の強化、事業回転日数の短縮などによる在庫の適正化と早期資金回収に加え、安定収益を生む固定資産の積極的な取得・運用を通じて、資金の有効活用・効率化に努めてまいります。

 

⑤ 経営者の問題認識と今後の方針について

 当社は、「地域愛着経営」の経営方針の下、地元に愛され必要とされる企業となるため、安定した収益を確保することが重要であるという認識により、売上高経常利益率を重要視しております。2025年9月期の経常利益率は2.3%と、前期比で0.6ポイント改善しましたが、さらなる向上が必要と認識しています。

 当社グループの商品別の売上高構成比率では、分譲マンションが47.2%、分譲住宅(戸建)が29.5%を占めており、外部環境の影響を受けやすい構造です。今後は、既存の事業モデルの見直しに加えて、法人・富裕層向けの事業拡大やストック型事業(賃貸・管理・宿泊施設等)の強化による事業ポートフォリオの多角化、DX推進による生産性向上、全社的な販売費及び一般管理費の抑制などにより、利益率の向上と安定した財務基盤の構築を図ります。

 

5【重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。