第一部【企業情報】

第1【企業の概況】

1【主要な経営指標等の推移】

(1)連結経営指標等

回次

第14期

第15期

第16期

第17期

第18期

決算年月

2021年5月

2022年5月

2023年5月

2024年5月

2025年5月

売上高

(百万円)

16,184

20,420

25,510

33,878

43,202

経常利益

(百万円)

375

968

122

1,224

2,743

親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△)

(百万円)

182

857

141

953

424

包括利益

(百万円)

1,820

658

63

924

374

純資産額

(百万円)

12,584

12,093

13,190

14,772

16,040

総資産額

(百万円)

24,310

26,292

31,200

37,592

47,984

1株当たり純資産額

(円)

100.34

95.59

100.95

111.30

118.29

1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失(△)

(円)

1.47

6.87

1.13

7.59

3.36

潜在株式調整後1株当たり当期純利益

(円)

1.45

6.77

7.47

3.30

自己資本比率

(%)

51.5

45.4

40.6

37.3

31.2

自己資本利益率

(%)

1.6

7.0

7.1

2.9

株価収益率

(倍)

1,408.6

148.4

213.0

599.1

営業活動による

キャッシュ・フロー

(百万円)

3,011

3,123

3,848

5,483

9,651

投資活動による

キャッシュ・フロー

(百万円)

551

1,014

1,364

3,180

2,550

財務活動による

キャッシュ・フロー

(百万円)

2,902

909

523

1,431

654

現金及び現金同等物の

期末残高

(百万円)

12,223

15,245

20,985

24,729

31,172

従業員数

(人)

954

1,205

1,399

1,899

2,235

(外、平均臨時雇用者数)

(363)

(449)

(557)

(726)

(924)

 (注)1.第16期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、1株当たり当期純損失であることから記載していません。

2.2021年10月8日開催の取締役会決議により、2021年12月1日付で株式1株につき4株の株式分割を行っていますが、第14期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額、1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益を算定しています。

3.第16期の自己資本利益率については、親会社株主に帰属する当期純損失であるため記載していません。

4.第16期の株価収益率については、親会社株主に帰属する当期純損失であるため記載していません。

5.従業員数は就業人員(契約社員を含む。)であり、臨時雇用者数(アルバイトを含む。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しています。

6.第16期の親会社株主に帰属する当期純損失の計上は、投資有価証券評価損を特別損失として計上したことによります。

7.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第15期の期首から適用しており、第15期以降に係る主要な経営指標等については、当該基準等を適用した指標となっています。

8.第15期より金額の表示単位を千円単位から百万円単位に変更しています。なお、比較を容易にするため、第14期についても、表示単位を千円単位から百万円単位に変更しています。

(2)提出会社の経営指標等

回次

第14期

第15期

第16期

第17期

第18期

決算年月

2021年5月

2022年5月

2023年5月

2024年5月

2025年5月

売上高

(百万円)

16,042

20,057

24,926

32,519

41,246

経常利益

(百万円)

684

1,651

533

1,443

2,885

当期純利益又は当期純損失(△)

(百万円)

490

1,429

473

1,151

620

資本金

(百万円)

6,312

6,426

6,582

6,774

7,203

発行済株式総数

(株)

31,183,645

124,963,596

125,410,584

125,835,416

126,516,452

純資産額

(百万円)

12,933

13,128

13,352

15,046

16,524

総資産額

(百万円)

24,610

27,202

31,124

37,386

47,766

1株当たり純資産額

(円)

103.16

103.92

102.82

114.50

123.06

1株当たり配当額

(円)

(うち1株当たり中間配当額)

(-)

(-)

(-)

(-)

(-)

1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失(△)

(円)

3.94

11.45

3.78

9.16

4.92

潜在株式調整後1株当たり当期純利益

(円)

3.88

11.28

9.02

4.83

自己資本比率

(%)

52.3

47.7

41.4

38.5

32.6

自己資本利益率

(%)

4.2

11.1

8.4

4.1

株価収益率

(倍)

524.4

89.1

176.3

409.7

配当性向

(%)

従業員数

(人)

928

1,166

1,317

1,698

1,961

(外、平均臨時雇用者数)

(359)

(443)

(549)

(719)

(914)

株主総利回り

(%)

151.6

74.9

125.4

118.6

148.0

(比較指標:TOPIX)

(%)

(123.0)

(122.3)

(137.5)

(177.3)

(179.2)

最高株価

(円)

10,300

3,085

(14,570)

1,970

1,985

2,614

最低株価

(円)

4,020

876

(7,940)

804

1,070

1,566

 (注)1.1株当たり配当額及び配当性向については配当を実施していませんので、記載していません。

2.第16期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、1株当たり当期純損失であることから記載していません。

3.2021年10月8日開催の取締役会決議により、2021年12月1日付で株式1株につき4株の割合で株式分割を行っていますが、第14期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額、1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益を算定しています。

4.第16期の自己資本利益率については、当期純損失であるため記載していません。

5.第16期の株価収益率については、当期純損失であるため記載していません。

6.従業員数は就業人員(契約社員を含む。)であり、臨時雇用者数(アルバイトを含む。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しています。

7.最高株価及び最低株価は、2021年1月20日までは東京証券取引所マザーズ、2021年1月21日以降2022年4月3日までは東京証券取引所市場第一部、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものです。

8.第14期以降の株主総利回り及び比較指標は、第13期末を基準として算定しています。

9.第16期の当期純損失の計上は、投資有価証券評価損を特別損失として計上したことによります。

10.2021年12月1日付で株式1株につき4株の割合で、株式分割を行っています。第15期の株価については株式分割後の最高株価及び最低株価を記載し、( )内に株式分割前の最高株価及び最低株価を記載しています。

11.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第15期の期首から適用しており、第15期以降に係る主要な経営指標等については、当該基準等を適用した指標となっています。

12.第15期より金額の表示単位を千円単位から百万円単位に変更しています。なお、比較を容易にするため、第14期についても、表示単位を千円単位から百万円単位に変更しています。

 

2【沿革】

年月

概要

2007年6月

名刺管理サービスを提供することを目的として、東京都新宿区市谷田町にて、三三株式会社(現Sansan株式会社)を設立

2007年9月

「Link Knowledge」(現営業DXサービス「Sansan」)を提供開始

2008年10月

本社を東京都千代田区四番町に移転

2010年11月

本社を東京都千代田区九段南に移転

2012年2月

名刺アプリ「Eight」を提供開始

2013年4月

第三者割当増資により約5億円を調達

2013年8月

「Link Knowledge」を「Sansan」に名称変更

2013年8月

「Sansan」のテレビCM第1弾「面識アリ」篇を放送開始

2014年3月

本社を東京都渋谷区神宮前に移転し、商号をSansan株式会社へ変更

2014年5月

第三者割当増資により約14億円を調達

2015年10月

シンガポールに子会社Sansan Global Pte. Ltd.(現連結子会社)を設立

2016年1月

第三者割当増資により約20億円を調達

2017年7月

第三者割当増資により約42億円を調達

2018年12月

第三者割当増資により約30億円を調達

2019年6月

東京証券取引所マザーズに上場し、公募による募集株式発行により約21億円を調達

2019年7月

第三者割当増資により約47億円を調達

2020年5月

経理DXサービス「Bill One」を提供開始

2020年8月

ログミー株式会社(現連結子会社)を子会社化

2021年1月

東京証券取引所市場第一部への上場市場変更

2022年1月

AI契約データベース「Contract One」を提供開始

2022年4月

東京証券取引所プライム市場へ移行

2023年3月

クリエイティブサーベイ株式会社(現ナインアウト株式会社)(現連結子会社)を子会社化

2023年4月

フィリピンに子会社Sansan Global Development Center, Inc.(現連結子会社)を設立

2023年6月

株式会社言語理解研究所(現連結子会社)を子会社化

2024年4月

タイに子会社Sansan Global (Thailand) Co., Ltd.(現連結子会社)を設立

2024年6月

かえでIRアドバイザリー株式会社(現在はログミー株式会社が吸収合併)を子会社化

 

3【事業の内容】

当社グループは、事業の種類別にSansan/Bill One事業、Eight事業の2つを報告セグメントとしており、当連結会計年度末における連結子会社は7社となっています。なお、報告セグメント外の僅少なその他のサービスはその他に計上しています。

当社グループは、「出会いからイノベーションを生み出す」というミッションの下、「ビジネスインフラになる」というビジョンを掲げ、クラウドソフトウエアにテクノロジーと人力によってアナログ情報をデータ化する仕組みを組み合わせた手法を軸に、人や企業との出会いをビジネスチャンスにつなげる、働き方を変えるDXサービスを提供しています。具体的には、営業DXサービス「Sansan」や経理DXサービス「Bill One」等を展開するSansan/Bill One事業と、名刺アプリ「Eight」やイベント書き起こしサービス「logmi」シリーズを展開するEight事業を運営しています。なお、次の2事業は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一です。

 

(1)Sansan/Bill One事業

Sansan/Bill One事業では、営業DXサービス「Sansan」や経理DXサービス「Bill One」等を法人向けに展開しています。

 

①「Sansan」

「Sansan」は、「名刺管理から、収益を最大化する」をコンセプトに、企業が有するさまざまな接点情報と企業情報とを組み合わせることでユーザーならではの独自のデータベースを構築し、そのデータ活用を促進することで、企業の売上拡大とコスト削減に寄与するサービスです。

ユーザーは、「Sansan」上で接点がある企業だけでなく、接点がない企業も含めた100万件以上の企業情報を閲覧できます。また、名刺に加え、メールやウェブサイト経由の問い合わせ情報等、顧客とのさまざまな接点情報を「Sansan」上に蓄積、統合し、可視化することが可能です。このような企業情報と接点情報を組み合わせることで、より高度な営業戦略の立案、実行が可能となり、組織全体の営業成果の最大化につなげることができます。

料金モデルとしては、全社員での利用を前提とした基本プランを軸に、企業規模や用途に応じて算出されるライセンス費用に、スキャナのレンタル料等を加算したものが月額利用料となります。また、サービス導入時には、紙で保管している大量の名刺のデータ化や導入支援等の付加サービスを有料で提供しています。

 

②「Bill One」

「Bill One」は、「経理DXから、全社の働き方を変える」をコンセプトに、請求書や経費精算、債権管理といった証憑を伴う全社的な業務プロセスを効率化し、月次決算を加速させ、組織全体の生産性向上に寄与するサービスです。

 主要サービスである「Bill One請求書受領」は、紙やPDF等のさまざまな形式で届く全ての請求書をクラウド上で一元管理できるようにし、請求書関連業務の効率化と経営の意思決定スピードの向上を支援します。紙の請求書は、「Bill One」のスキャン代行センターが代理で受領し、短時間で正確にデータ化します。また、PDF等の請求書は、メール等で「Bill One」が受領した後に、同じくデータ化します。請求書情報は検索性の高いデータベースで一元管理され、コストの可視化やコントロール、営業機会の創出、将来的な収益機会の最大化等にもつなげることができます。また、会計システム等の他社サービスとの連携も可能です。さらに、法人カード「Bill Oneビジネスカード」を用いた経費精算サービス「Bill One経費」や、リアルタイムでの請求情報の可視化と債権管理業務の効率化を実現する「Bill One債権管理」を提供する等、さまざまな価値提供を通じて企業の経理業務を支援しています 。

料金モデルとして、「Bill One請求書受領」は、専用コンサルタントによる導入支援等が含まれる初期費用と、請求書のデータ化枚数を基に算出される月額費用とで構成されます。また、「Bill One経費」や「Bill One債権管理」については、それぞれ異なる料金モデルを採用しています。

 

(2)Eight事業

「Eight」は、企業ではなく、個人ユーザーを主体とする名刺アプリであり、デジタル名刺の交換や名刺の管理といった基本機能を無料で提供しています。

ユーザーは、まず自分の名刺をスキャンすることで、正確な肩書き等が反映された自身のページを「Eight」上に作成することができます。次に、名刺交換をした相手の名刺をスキャンすることで、名刺情報が正確にデータ化され、クラウド上で管理、検索が可能となります。また、「Eight」上でつながった相手の名刺に変更があった場合には通知が届くため、相手の近況情報を取得することができます。

ビジネスモデルとしては、個人(BtoC)及び企業(BtoB)の双方に対して、有料サービスを提供しています。BtoCサービスでは、名刺管理のプレミアム機能が利用可能な「Eightプレミアム」を提供しています。BtoBサービスでは、主には、「Eight」ユーザーを集客し、出展企業からの出展料を得るビジネスイベントのほか、中小企業向け名刺管理サービス「Eight Team」等を提供しています。

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4【関係会社の状況】

名称

住所

資本金

主要な事業の内容

議決権の所有割合又は被所有割合

(%)

関係内容

(連結子会社)

 

 

 

 

 

Sansan Global Pte. Ltd.

シンガポール

5,620千

シンガポール

ドル

Sansan/Bill One事業

100.0

当社プロダクトの営業及びマーケティング業務の代行

役員の兼任あり

Sansan Global Development Center, Inc.

フィリピン

10,000千

フィリピンペソ

Sansan/Bill One事業

100.0

当社プロダクトの開発

役員の兼任あり

Sansan Global (Thailand) Co., Ltd.

タイ

10,000千

タイバーツ

Sansan/Bill One事業

100.0

当社プロダクトに係る各種コンサルティング業務

役員の兼任あり

ログミー株式会社

東京都渋谷区

16百万円

Eight事業

100.0

役員の兼任あり

クリエイティブサーベイ株式会社(注3)(注4)

東京都港区

100百万円

Sansan/Bill One事業

63.1

株式会社言語理解研究所

徳島県徳島市

58百万円

その他

65.8

その他1社

 

 

 

 

 

(注)1.連結子会社の「主要な事業の内容」欄には、セグメントの名称を記載しています。

2.有価証券届出書または有価証券報告書を提出している会社はありません。

3.債務超過会社であり2025年5月期時点での債務超過額は61百万円です。

4.2025年6月1日付でナインアウト株式会社へ商号変更しています。

5【従業員の状況】

(1)連結会社の状況

 

2025年5月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

Sansan/Bill One事業

1,703

(812)

Eight事業

217

(60)

報告セグメント計

1,920

(872)

全社(共通)

315

(52)

合計

2,235

(924)

(注)1.従業員数は就業人員(契約社員を含む。)であり、臨時雇用者数(アルバイトを含む。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しています。

2.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定の事業セグメントに区分できない部門及び管理部門に所属しているものです。

3.従業員数が当連結会計年度中において、336名増加したのは、主として業容拡大に伴う定期及び期中採用によるものです。

 

(2)提出会社の状況

 

 

 

 

2025年5月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(百万円)

1,961

(914)

31.7

3.1

7.8

 

セグメントの名称

従業員数(人)

Sansan/Bill One事業

1,534

(804)

Eight事業

156

(58)

報告セグメント計

1,690

(862)

全社(共通)

271

(52)

合計

1,961

(914)

(注)1.従業員数は就業人員(契約社員を含む。)であり、臨時雇用者数(アルバイトを含む。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しています。

2.平均年間給与は、当社正社員を対象とし、賞与及び基準外賃金を含んでいます。

3.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定の事業セグメントに区分できない部門及び管理部門に所属しているものです。

4.従業員数が当期中において、263名増加したのは、主として業容拡大に伴う定期及び期中採用によるものです。

 

(3)労働組合の状況

当社グループの労働組合は結成されていませんが、労使関係は円滑に推移しています。

 

(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

①提出会社

 

当事業年度

管理職に占める女性労働者の割合(%)

   (注1)

男性労働者の育児休業取得率(%)

   (注2)

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注3)

全労働者

うち正規雇用労働者

うち非正規雇用

労働者

20.2

62.5

51.5

84.5

57.7

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。

3.男性の平均年間賃金に対する女性の平均年間賃金の割合を算出しております。

 

②連結子会社

連結子会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しています。