第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第3四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクの発生、または、有価証券報告書に記載した事業等のリスクについては、2022年4月28日付で少額短期保険業を営む株式会社カイラス少額短期保険(以下「カイラス社」という。なお、2022年9月1日に株式会社アシロ少額短期保険に社名を変更)の株式を追加取得し、カイラス社は当社の連結子会社となったことに伴い、次のリスクが発生しております。

 

・少額短期保険業について

 当社グループの少額短期保険業は、日常生活の中で遭遇したトラブルの解決を弁護士に依頼したときに生じる費用の一部を保険金で填補する保険を販売しておりますが、保険料設定時に想定している経済情勢や保険事故発生率等がその想定に反して大きく変動した場合には、当社グループの経営成績や財政状態に影響が生じる可能性があります。このような場合に備えて、当社グループは保険業法の定めにより各種準備金等を積み立てておりますが、予測を超えるような事象が発生した場合、実際の保険金支払に対して十分ではない可能性があります。

 また、我が国においては、少額短期保険業者は登録制であり、保険業法及び関連法令の下、金融庁による監督を受けております。保険業法上、登録に特段の定めは無いものの、カイラス社が法令や定款に違反した場合、または公益を害する行為をした場合等には、内閣総理大臣は業務の全部もしくは一部の停止を命じる、あるいは登録を取り消すことができる旨が定められており、仮にそういう事態が生じた場合には当社グループの事業運営及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

・M&A(企業合併、企業買収、企業間の資本提携等)について

 当社グループは、事業の成長による企業価値の向上を目的とし、既存事業とのシナジー効果が期待できる場合や市場における優位性の効果が見込める場合は、必要に応じてM&Aを実施しております。M&Aの実施においては、市場動向や顧客のニーズ、相手先企業の業績、財政状況並びにM&Aに伴うリスク分析結果等を考慮し進めるように努めております。しかしながら、事前の調査・検討にもかかわらず、買収後の市場環境や競争環境の著しい変化があった場合や、買収した事業が計画通りに展開することができず、投下した資金の回収ができない場合や追加的費用が発生した場合等において、当社グループの事業運営及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営成績の分析

当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチン接種の普及により経済正常化の流れが進みつつあるものの、再び感染の拡大が懸念される状況下にあり、依然としてすべての懸念が払拭されない状況が継続しております。加えて、世界的な資源価格高騰、ロシアによるウクライナ侵攻など、先行き不透明な状況が高まっております。

一方、当社グループを取り巻くインターネット広告市場におきましては、2021年の広告費は2兆7,052億円(前年比21.4%増加)となり、一貫して成長を続けている結果、マスコミ四媒体広告費(新聞、雑誌、ラジオ、テレビメディア広告費の合算)を初めて上回りました。(出所:株式会社電通「2021年日本の広告費」)

このような事業環境のもと、当社グループはリーガルメディア関連事業を中心に事業を展開しており、主に弁護士を顧客とするリーガルメディアや弁護士以外を顧客とする派生メディアを運営しております。また、リーガルメディア関連事業に加えて、主に弁護士等の人材紹介サービスを提供するHR事業を展開しております。

収益の大部分を占めるリーガルメディアでは、営業活動に加えて契約後の顧客サポートを行うカスタマーサクセス活動の強化により、新規契約数を増加させるとともに解約率の引き下げ及び既存顧客からの追加受注に注力するなどした結果、2022年7月における掲載枠数(注1)は1,823枠(前年同月比28.9%増加)、掲載顧客数(注2)は723件(前年同月比30.3%増加)となり、順調に伸長しております。

(注1)掲載枠数とは、掲載延べ数であり、同一顧客が複数の広告枠掲載を行う場合は複数カウントを行っております。

(注2)掲載顧客数とは、広告枠の掲載を行っている顧客の実数であります。

また、派生メディアにおいては、経済正常化に向けた企業の採用意欲の高まり等を受けて、転職メディア「キャリズム」の案件数が増加し、当第3四半期連結累計期間における問合せ数は25,558件(前年同期比72.9%増加)となり、大幅に増加いたしました。

 

以上の結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上収益は1,588,275千円(前年同期比41.6%増)、営業利益は420,242千円(同58.4%増)、税引前四半期利益は416,090千円(同60.2%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は282,209千円(同65.8%増)となりました。なお、2022年4月28日に連結子会社化した株式会社カイラス少額短期保険(以下「カイラス社」という。なお、2022年9月1日に株式会社アシロ少額短期保険に社名を変更)については、当第3四半期連結会計期間(3ヵ月間)より損益計算書を連結しております。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。なお、売上収益はセグメント間取引の相殺消去前の数値であります。

[リーガルメディア関連事業]

リーガルメディアの掲載枠数及び掲載顧客数の増加に伴う掲載料収入等の増加に加えて、派生メディアにおいては上述の背景より転職メディア「キャリズム」の案件数が増加する等した結果、売上収益は1,495,744千円(同38.6%増)、セグメント利益は675,738千円(同47.4%増)となりました。

 

なお、リーガルメディアの売上収益は1,065,217千円(同25.0%増)、営業利益は468,439千円(同22.1%増)となりました。また、派生メディアの売上収益は430,527千円(同90.0%増)、営業利益は207,299千円(同177.4%増)となりました。

 

[HR事業]

前々連結会計年度より事業を開始し、人材紹介サービスの登録者数並びに成約者数が順調に増加したことで、売上収益は78,477千円(同82.3%増)、セグメント利益は26,710千円(前年同期は3,848千円の損失)となりました。なお、当第3四半期連結会計期間より、従来「リーガルHR事業」としていた報告セグメントについて、公認会計士や税理士等、弁護士以外への人材紹介が本格化し、実際に法務分野以外での入社実績も発生したことから、事業内容をより適切に表示するため、セグメント名称を「HR事業」に変更しております。

 

[その他]

主に当第3四半期連結会計期間より損益計算書の連結を開始したカイラス社が営む少額短期保険業や、現時点では重要性の乏しい新規事業等を報告セグメントに含まれない事業セグメントとして区分し、「その他」として開示しております。売上収益は14,568千円、セグメント利益は62,320千円の損失となりました。

 

 

(2)財政状態の分析

①資産

当第3四半期連結会計期間末の流動資産は、前期末に比べ482,472千円増加し2,002,942千円となりました。これは主に現金及び現金同等物が409,908千円、売上債権及びその他の債権が67,498千円増加したことによります。

当第3四半期連結会計期間末の非流動資産は、前期末に比べ193,381千円増加し1,475,398千円となりました。これは主にカイラス社の連結子会社化によりのれんが163,265千円、その他の金融資産(主に敷金及び保証金)が71,463千円増加したことによります。

この結果、当第3四半期連結会計期間末における資産合計は、3,478,340千円となりました。

 

②負債

当第3四半期連結会計期間末の流動負債は、前期末に比べ184,116千円増加し543,411千円となりました。これは主に仕入債務及びその他の債務が76,609千円、社債の発行により社債及び借入金が54,207千円、カイラス社の連結子会社化により保険契約負債が42,179千円増加したことによります。

当第3四半期連結会計期間末の非流動負債は、前期末に比べ240,894千円増加し461,688千円となりました。これは主に社債の発行により社債及び借入金が241,346千円増加したことによります。

この結果、当第3四半期連結会計期間末における負債合計は、1,005,099千円となりました。

 

③資本

当第3四半期連結会計期間末における資本合計は、前期末に比べ250,843千円増加し2,473,241千円となりました。これは主に利益剰余金が286,339千円増加した一方、控除要因となる自己株式が99,773千円増加したことによります。

 

(3)キャッシュ・フローの分析

当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ409,908千円増加し、1,713,751千円となりました。

当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当第3四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは380,984千円の資金流入(前年同期は168,193千円の資金流入)となりました。これは主に増加要因として税引前四半期利益の計上416,090千円、仕入債務及びその他の債務の増加71,456千円、減少要因として法人所得税の支払額125,904千円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当第3四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは189,994千円の資金流出(同10,858千円の資金流出)となりました。これは主に子会社の取得による支出113,518千円、敷金及び保証金の差入による支出70,597千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当第3四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは218,918千円の資金流入(同489,052千円の資金流入)となりました。これは主に増加要因として社債の発行による収入343,970千円、減少要因として自己株式の取得による支出100,588千円、長期借入金の返済による支出50,728千円によるものであります。

 

(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(5)経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(7)研究開発活動

該当事項はありません。

 

(8)主要な設備

該当事項はありません。

 

(9)配当政策

当第3四半期連結累計期間において、当社の強固な利益体質や高水準の自己資本比率等を勘案し、M&Aを含む戦略的投資による成長を最優先としつつも、安定的かつ継続的な配当を行うことを柱とした新たな株主還元方針を導入いたしました。新たな株主還元方針の内容は以下のとおりであります。

 

<新たな株主還元方針>

当社は、M&Aを含む戦略的投資を優先的に実行することで持続的な利益成長や企業価値向上を実現することが、株主に対する最大の利益還元に繋がると考えております。一方で多様な株主の期待に応える為、適切な水準での株主還元も重要であると認識しております。

上記の認識に基づき、戦略的投資にあたって必要な内部留保を確保した上で、配当性向30%程度を基準とした安定的かつ継続的な配当を行い、株主還元の充実を図ってまいります。なお、内部留保については自己資本比率40%~70%程度を適切な水準とし、過度な内部留保は抑制するとともに、ROE(自己資本利益率)10%以上を目標としてまいります。

また、投資機会や市場環境、内部留保の水準などを踏まえた上で、株主還元やM&Aの対価といった観点から自己株式の取得是非については機動的に検討してまいります。

 

3【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。