当中間連結会計期間において、新たに発生した事業等のリスクの発生、または、有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
当社は、2025年4月30日にヒトタスの全株式を同社代表取締役の鈴木氏に譲渡したことにより、同日をもってヒトタスを連結の範囲から除外しました。そのため、同日以降、前事業年度の有価証券報告書「第2[事業の状況] 3[事業等のリスク] (2)事業内容に関するリスクについて ③事業の許認可について」におけるヒトタスに関する内容は該当しないことになります。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績の分析
当中間連結会計期間におけるわが国経済は、政策金利の引き上げや大企業を中心とした賃金の上昇は継続し、景気回復の兆しも見られるものの、一方では各種生活必需品、とりわけ米価に代表される急激な物価上昇や、欧米では新政権の発足に伴う関税政策などによる海外景気の下振れリスクなど、引き続き先行き不透明な状況となっております。
当社グループを取り巻くインターネット広告市場におきましては、2024年の広告費は3兆6,517億円(前年比9.6%増加)となり、一貫して成長を続けている結果、2023年に続きマスコミ四媒体広告費(新聞、雑誌、ラジオ、テレビメディア広告費の合算)を上回りました。(出所:株式会社電通「2024年日本の広告費」)
このような事業環境のもと、当社グループはメディア事業を中心に事業を展開しており、当該事業においては主に弁護士を顧客とするリーガルメディアや、弁護士以外を顧客とする派生メディアを運営しております。また、メディア事業に加えて、弁護士・公認会計士といった士業人材や管理部門人材を対象とする人材紹介サービスを提供するHR事業や、弁護士に依頼する際の費用の一部を補償対象とする弁護士費用保険を販売する保険事業を展開しております。
主要事業であるメディア事業において、リーガルメディアでは、新規顧客開拓を推し進めるとともに、解約率の引き下げ並びに既存顧客からの追加受注に注力するなどした結果、2025年4月における掲載枠数(注1)は3,414枠(前年同月比29.9%増加)、掲載顧客数(注2)は1,191件(前年同月比13.1%増加)となり、順調に伸長しております。
(注1)掲載枠数とは、掲載延べ数であり、同一顧客が複数の広告枠掲載を行う場合は複数カウントを行って
おります。
(注2)掲載顧客数とは、広告枠の掲載を行っている顧客の実数であります。
また、派生メディアにおいては、企業の採用意欲の高まりが継続していることや、積極的な広告出稿等から転職メディア「キャリズム」の案件数が増加し、当中間連結会計期間における問合せ数は56,773件(前年同期比32.7%増加)となり、引き続き高水準を維持しております。
なお、保険事業については、より成長性が期待できる法人向け保険にも注力する方針であり、現在保険事業のリソースを法人保険の商品開発に投下しており、これまで販売してきた個人向け保険は新規の販売を終了し、保険事業の顧客数は微減で推移しております。
以上の結果、国際会計基準(IFRS)に準拠した当中間連結会計期間の業績は、売上収益は3,343,900千円(前年同期比59.0%増)、営業利益は850,939千円(前年同期は569千円の利益)、税引前中間利益は847,423千円(前年同期は4,839千円の損失)、中間利益は553,300千円(前年同期は90,071千円の損失)、親会社の所有者に帰属する中間利益は602,869千円(前年同期は124,497千円の損失)となりました。
当社は、2025年4月30日にヒトタスの全株式を同社代表取締役の鈴木氏に譲渡しました。これにより、HR事業のうちヒトタスが営む人材派遣事業は非継続事業に分類され、前中間連結会計期間及び当中間連結会計期間における売上収益、親会社の所有者に帰属する中間利益を除く各段階の利益の金額については、非継続事業を除いた継続事業の金額を記載しております。
当社は2025年10月期に売上収益55億円、営業利益11億円の達成を主な目標とする中期経営計画を策定しており、そのための施策として前期、前々期の2カ年については中長期的な成長のための投資を積極化させる「成長投資期間」と位置付ける一方、当連結会計年度については大幅な投資は抑制し、通常程度のコストコントロール下で実態の利益水準をお示しする「利益創出期間」と位置付けております。そのため、当中間連結会計期間の各段階利益に関しては前年同期比で大幅に伸長しております。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。売上収益はセグメント間取引の相殺消去後の数値であります。
[メディア事業]
リーガルメディアの掲載枠数及び掲載顧客数の増加に伴う掲載料収入等の増加に加えて、新たなユーザーの獲得に向けた施策検討を行うとともに、前期より徐々に拡大してきた高価格商品の販売が好調に推移いたしました。また、派生メディアにおいては、企業の採用意欲の高まりが継続していることや積極的な広告出稿といった背景に加えて、送客の質や量が評価されていることも起因し、転職メディア「キャリズム」の案件数が大幅に増加いたしました。なお、派生メディアは主に転職メディア「キャリズム」が同事業の大半の収益を占めております。以上の結果、売上収益は3,122,990千円(前年同期比58.6%増)、セグメント利益は1,063,136千円(同188.7%増)となりました。
なお、リーガルメディアの売上収益は1,878,051千円(同78.7%増)、営業利益は777,428千円(同159.2%増)となりました。また、派生メディアの売上収益は1,244,939千円(同35.6%増)、営業利益は285,708千円(同318.1%増)となりました。
[HR事業]
人材紹介に関しては、今期は効率性を重視した体制により売上収益の拡大と黒字化を目指して取り組んでおります。以上の結果、売上収益は185,268千円(前年同期比92.7%増)、セグメント利益は62,502千円(前年同期は80,683千円の損失)となりました。
なお、前述のとおりヒトタスが営む人材派遣事業は非継続事業に分類され、前中間連結会計期間及び当中間連結会計期間における売上収益、セグメント利益の金額については、非継続事業を除いた継続事業の金額を記載しております。
[保険事業]
株式会社アシロ少額短期保険が営む保険事業は、これまで既存商品の拡販に注力しておりましたが、前期より主に新商品の開発に注力しており、商品開発等今後の成長に向けた準備を行っております。以上の結果、売上収益は35,641千円(前年同期比4.9%減)、セグメント損益は47,512千円の損失(前年同期は101,261千円の損失)となりました。
(2)財政状態の分析
①資産
当中間連結会計期間末の流動資産は、前期末に比べ549,658千円増加し2,975,382千円となりました。これは主に現金及び現金同等物が359,304千円、売上債権及びその他の債権が180,256千円増加したことによります。
当中間連結会計期間末の非流動資産は、前期末に比べ93,937千円減少し1,541,875千円となりました。これは主にその他の金融資産が23,399千円増加し、使用権資産が106,411千円減少したことによります。
この結果、当中間連結会計期間末における資産合計は、4,517,257千円となりました。
②負債
当中間連結会計期間末の流動負債は、前期末に比べ187,642千円増加し1,477,140千円となりました。これは主に未払法人所得税が99,223千円、仕入債務及びその他の債務が112,711千円、それぞれ増加したことによります。
当中間連結会計期間末の非流動負債は、前期末に比べ168,349千円減少し307,637千円となりました。これは主に社債及び借入金が63,703千円、リース負債が53,992千円それぞれ減少したことによります。
この結果、当中間連結会計期間末における負債合計は、1,784,777千円となりました。
③資本
当中間連結会計期間末における資本合計は、前期末に比べ436,429千円増加し2,732,480千円となりました。これは主に中間利益の計上により利益剰余金が602,869千円増加、期末配当の実施等により資本剰余金が184,973千円減少したことによります。
(3)キャッシュ・フローの分析
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ359,304千円増加し、1,955,775千円となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは704,650千円の資金流入(前年同期は228,060千円の資金流入)となりました。これは主に、増加要因として税引前中間利益の計上847,423千円、仕入債務及びその他の債務の増加126,580千円、減価償却費及び償却費の計上78,717千円、減少要因として売上債権及びその他の債権の増加198,342千円、法人所得税の支払額177,338千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは45,869千円の資金流出(同4,896千円の資金流出)となりました。これは主に、増加要因として子会社(ヒトタス)の売却による収入14,715千円、減少要因として、貸付けによる支出43,963千円、無形資産の取得による支出14,400千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは299,477千円の資金流出(同213,715千円の資金流出)となりました。これは主に、減少要因として配当金の支払による支出175,592千円、リース負債の返済による支出51,207千円、長期借入金の返済による支出48,838千円、社債の償還による支出35,000千円によるものであります。
(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
会計上の見積り及び仮定については、「第4 経理の状況 1 要約中間連結財務諸表 要約中間連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。
(5)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(7)研究開発活動
該当事項はありません。
(8)主要な設備
該当事項はありません。
当社は、2025年4月25日開催の取締役会において、ヒトタスの全株式を鈴木氏に譲渡すること、並びに鈴木氏に対してヒトタスの株式取得資金の一部を当社より貸付けることを決議しました。これにより、同日付で鈴木氏との間で株式譲渡契約及び金銭消費貸借契約を締結し、2025年4月30日に鈴木氏に貸付を実行してヒトタスの全株式を譲渡しました。