第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第2四半期累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当第2四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。なお、当社は、前第2四半期累計期間については四半期財務諸表を作成していないため、前年同四半期累計期間との比較分析は行っていません。

 

(1) 経営成績の状況

当社は、創業以来、「再生誘導医薬」の実現に向け研究及び開発を推進してまいりました。「再生誘導医薬」とは、怪我や病気により損傷し機能を失った生体組織の機能的再生・治癒を促進する、新しい作用メカニズムにもとづく医薬品です。

当第2四半期累計期間(2019年8月1日から2020年1月31日まで)における事業の概況としましては、2017年12月に開始した、大阪大学医学部附属病院・慶應義塾大学病院・東邦大学医療センターにおける栄養障害型表皮水疱症を対象とした骨髄間葉系幹細胞動員医薬KOI2(HMGB1ペプチド)臨床試験(第Ⅱ相医師主導治験)のデータ解析速報が2020年1月に公表され、栄養障害型表皮水疱症に対するKOI2治療効果の長期持続性が確認されたこと、また副次評価(安全性評価)では懸念となる有害事象は観察されず、栄養障害型表皮水疱症患者におけるKOI2投与の安全性が確認されたことが併せて報告されました。HMGB1ペプチドは投与後短時間で体内にて分解し消失することから、効果が薬剤投与終了後6か月間以上と長期に持続していることは、再生誘導医薬により骨髄から血管内に放出された幹細胞が、循環血流を経て損傷部位に集積し長期間にわたりその効果を発揮し続けるという、再生誘導医薬のメカニズムが、表皮水疱症において証明されたと考えられます。

2019年4月より塩野義製薬株式会社が開発主体となり進められている脳梗塞を対象とした臨床試験(第Ⅱ相企業治験)については、同年11月より被験者への投与が行われており、被験者の受け入れと安全性の確認は堅調に推移しております。

また、大阪大学構内の既存施設内に1,540㎡の床面積を保有する「再生誘導医学協働研究所」を2020年7月期第4四半期にかけて開設予定であり、当社の中長期的な成長戦略を実現するうえで最も重要な経営課題である、拡大する研究業務に対応可能な新たな研究拠点を確保することが可能となりました。本共同研究所の開設により、新規再生誘導医薬候補化合物に対する、先端的な評価研究と多様な対象疾患への適応拡大を目指す専門的な開発研究をより一層加速し、再生誘導医薬候補物質の網羅的な探索から適応症拡大の大幅な加速が可能となります。当社は、本協働研究所の開設により、再生誘導医薬の世界的なリーディングカンパニーとしての地歩を更に確固たるものにすることが可能になると考えております。

当第2四半期会計期間においては、当社で最も開発の進むHMGB1ペプチドを用いた再生誘導医薬開発プロジェクトについて、主に以下3つの適応症を対象に研究開発を進めて参りました。

 

a) 表皮水疱症治療薬(PJ1-01)の開発については、2020年1月に開催された第41回水疱症研究会にて、栄養障害型表皮水疱症患者を対象とした臨床試験(第Ⅱ相医師主導治験)のデータ解析結果(速報)が報告され、本治験に参加した栄養障害型表皮水疱症患者全例(9例)の解析で、KOI2投与により主要評価項目(全身皮膚の水疱、びらん、潰瘍の合計面積の治療前値からの変化率)で、統計学的に有意な改善が確認されました。KOI2投与終了後の最終観察時点(投与終了6ヵ月後)においても、9例中7例が治療前値を下回る改善を示し、そのうち4例は50%以上の著明な改善を示したことから、栄養障害型表皮水疱症に対するKOI2治療効果の長期持続性も確認されました。また副次評価(安全性評価)では懸念となる有害事象は観察されず、栄養障害型表皮水疱症患者におけるKOI2投与の有効性と安全性が確認されました。

PJ1-01について、対象となる栄養障害型表皮水疱症は、全国の患者数が200名前後である希少難治性疾患であり現在有効な治療法がありません。また年間当りの新規患者は15名程度と想定されており、大規模な第Ⅲ相試験を計画することが困難であるため、当初の予定通り第Ⅱ相試験の結果を踏まえ、医薬品の承認申請を行うことを見込んでおります。

 

b) 脳梗塞治療薬(PJ1-02)の開発については、本医薬品のライセンス先である塩野義製薬株式会社において、第Ⅱ相臨床試験が開始され、これまでに被験者の組み入れと安全性の確認が順調に進捗しております。また、2019年11月4日に、臨床試験実施施設において、第一例目の被験者への投与が行われており、今後も被験者への投与が進められるものと期待しております。

 

c) 心筋症治療薬(PJ1-03)の開発については、大阪大学医学系研究科心臓血管外科学との共同研究において、心筋梗塞や各種心筋症の疾患モデル動物を用いた薬効試験で顕著な治療効果と作用メカニズムの証明がなされており、その成果は、米国の循環器学会であるAHA (American Heart Association) Scientific Sessions 2018 等の国際学会で報告されるとともに、2019年3月の第18回日本再生医療学会総会では多光顕微鏡によるin vivo imaging(生体画像描出法)によって、HMGB1ペプチドを投与した心筋梗塞モデル動物において、GFP(緑色蛍光タンパク)陽性骨髄由来細胞が心筋梗塞巣へ集積し血管周囲において活発に移動する様子を観察することに成功したことを報告するなど、評価を受けております。

 

また、HMGB1ペプチド以外の新規再生誘導医薬候補物質の探索プロジェクトについては、次世代の開発候補品選定に向けた積極的な研究開発投資を続けながら候補物スクリーニングを多面的に展開してきたことで、これまでに顕著な活性を有する複数の新規候補化合物を同定するに至っております。当事業年度においては、本プロジェクトに関わる研究テーマが中小企業庁の平成29年度戦略的基盤技術高度化支援事業に採択され研究助成金を獲得することができ、また、新規上場に伴う公募増資による資金調達により、本プロジェクトに対する投資を更に推し進め、研究開発を加速する基盤を築いてきました。

このような状況のもと、当第2四半期累計期間の事業収益はなし、営業損失は465,224千円、経常損失は516,861千円、四半期純損失は518,713千円となりました。

なお、当社は再生誘導医薬事業の単一セグメントであるため、セグメント別の業績記載を省略しております。

 

(2) 財政状態の分析

(資産)

 当第2四半期会計期間末における流動資産合計は9,951,109千円となり、前事業年度末に比べ7,282,029千円増加致しました。これは主に現金及び預金が7,330,968千円増加したことによるものです。また、固定資産合計は21,051千円となり、前事業年度末に比べ2,270千円増加致しました。これは主に有形固定資産が2,206千円増加、投資その他の資産が208千円増加したことによるものです。この結果、資産合計は9,972,161千円となり、前事業年度末に比べ7,284,299千円増加となりました。

 

(負債)

 当第2四半期会計期間末における流動負債合計は93,236千円となり、前事業年度末に比べ17,602千円増加いたしました。これは主に預り金が38,259千円増加し、未払法人税等が17,704千円減少したことによるものです。また、固定負債合計は14,930千円となり、前事業年度末に比べ1,392千円減少いたしました。これは主にリース債務が1,480千円減少したことによるものです。この結果、負債合計は108,166千円となり、前事業年度末に比べ16,210千円増加となりました。

 

(純資産)

 当第2四半期会計期間末における純資産合計は9,863,994千円となり、前事業年度末に比べ7,268,089千円増加致しました。これは主に2019年8月に実施しました新規上場に伴う公募増資において実施した資金調達により資本金及び資本剰余金がそれぞれ3,893,026千円増加し、2019年12月に欠損填補のための減資により資本金の額4,675,501千円が減少、資本準備金の額3,656,365千円が増加、その他資本剰余金の額が1,019,135千円増加したものによるものです。また増加したその他資本剰余金1,019,135千円を繰越利益剰余金に振り替えることにより、繰越損失を解消しております。この結果、資本金30,375千円、資本剰余金10,352,332千円、利益剰余金△518,713千円となりました。

 

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当第2四半期会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、9,827,391千円となり、前事業年度末に比べて7,330,968千円増加致しました。当第2四半期累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当第2四半期累計期間において営業活動の結果使用した資金は385,218千円となりました。これは主に、税引前四半期純損失516,861千円の計上、前払費用の減少61,945千円、株式交付費の計上55,221千円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当第2四半期累計期間において投資活動の結果使用した資金は4,591千円となりました。これは、有形固定資産の取得による支出3,348千円、敷金及び保証金の差入による支出1,243千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当第2四半期累計期間において財務活動の結果獲得した資金は7,720,776千円となりました。これは主に、株式の発行による収入7,731,581千円、上場関連費用の支出9,363千円によるものであります。

 

(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第2四半期累計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変化はありません。

 

(5) 研究開発活動

当第2四半期累計期間における当社の研究開発費の総額は、354,987千円であります。なお、当第2四半期累計期間においては、「(1) 経営成績の状況」に記載した通り、研究開発を推進しております。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第2四半期会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。

なお、当社は2020年2月13日の取締役会において、国立大学法人大阪大学と共同で「再生誘導医学協働研究所」を開設することについて決議いたしました。

詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。