文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「コミュニケーションを価値に変え、世の中を変える。」というビジョンのもと、ソーシャルメディアマーケティング事業を拡大しつつ、新たなマーケティング手法や消費者へ新たな価値を提供するメディアを開発すべく挑戦してまいります。時代の流れを見極め、成長市場に合わせた事業展開を行い、消費者へ新しい「発見」や「体験」などの価値を生み出し続けていくことが当社グループの使命であると考えております。
(2)経営上目標とする客観的な指標
当社グループの重視する経営指標は、①売上高、②営業利益率の2指標であります。インフルエンサーを活用したマーケティング手法によるクライアント企業の広告施策を提案、拡大していくとともに、クライアント企業の幅広いニーズに対応する広告施策全般に対してのソリューションを提供してまいります。また、高収益なマーケティング手法を開発、展開していくことで、営業利益率の向上を図ってまいります。
(3)経営戦略
当社グループが今後更なる成長と発展を遂げるためには、「(5)事業上及び財務上の対処すべき課題」に記載の事項へ対応していくことが経営戦略上、重要であると認識しております。そのため当社グループは、自社サービスの強化・向上や、優秀な人材の採用、教育を通じた組織体制の整備を行い、インフルエンサーを活用した広告施策におけるシェア拡大とクライアントのニーズに対応できる新たなマーケティング手法の開発により、事業拡大を図る方針です。
(4)経営環境
近年、Instagram等のソーシャルメディアのユーザーの利用状況は活発化しており、株式会社ICT総研の「2018年度SNS利用動向に関する調査」によれば、日本国内におけるSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の利用者(アクティブユーザー)は年々増加しており、2019年末には7,764万人に達する見込みであり、ネットユーザー全体に占める利用率は77.0%に達する見通しです。また、同調査によれば、SNS利用者は元々10代~20代の若年層が多かったものの、SNS利用が当たり前になってきたことで40〜60代以上の年齢層にも拡大しており、登録者数・利用者数ともに増加傾向が見られ、このまま普及が進めば、2020年末には利用者数は7,937万人、ネットユーザー全体に占める利用率は78.7%に達する見通しであると公表されております。このような環境のもと、インフルエンサーのソーシャルメディア上の影響力も強まる傾向にあるものと考えており、クライアント企業においても、インフルエンサーを活用したマーケティング手法のニーズが高まる状況にあり、株式会社デジタルインファクトの「インフルエンサーマーケティング市場調査」によれば、インフルエンサーマーケティング市場は、2019年において267億円と推計され、同市場規模は、2020年に327億円と拡大していくことが予測されております。したがって、当社グループの提供するサービスに対する需要は、堅調に推移するものと考えております。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
①自社サービスの強化
当社グループでは、ソーシャルメディアマーケティング事業において、「NINARY」「Ripre」「ポチカム」「SNSアカウント運用」「to buy」といった自社サービスの提供に注力しております。自社サービスとしてのオリジナルの広告商品の展開を行うことで、当社グループでしか提供できない価値をクライアント企業へ提供し、当社グループの競争力を高めることができるものと考えております。また、自社サービスの販売は、他社サービスの代理販売と比較し、利益率の高い商品であるため、事業上及び財務上の改善に繋がります。ソーシャルメディアマーケティングの特色としては、その技術進歩が非常に早く、新たなマーケティング手法やサービス形態が日々開発されていることが挙げられますが、当社グループでは、クライアントのニーズを満たすインフルエンサーの発掘・拡充・育成、サービスにおける機能充実、利便性の向上を図ることで、「コミュニケーションを価値に変え、世の中を変える。」という当社グループのビジョンの実現に取り組んでまいります。また、自社サービスの強化として、代理店を経由せず、クライアントへ直接販売する販売ルートを強化するとともに、現状のクライアントの多くが属する化粧品及び日用品業界に加え、様々な業界に属するクライアントと幅広く取引できるよう拡大を図ってまいります。
②新サービス等の開発体制の構築
インターネット市場の技術革新のスピードは非常に早く、またソーシャルメディアマーケティングにおいて、新たなサービスや競合他社が次々と現れます。当社グループでは、競合優位性の確保及び事業の拡充を図るため、新規広告商品やサービスの開発、投資を行っております。当該開発に際しては、システム開発の必要性や優秀な人材の拡充が必要となるため、迅速な開発が行える体制整備や優秀な人材の確保を行ってまいります。
③当社グループ及びサービスブランドの知名度向上
当社グループが今後も成長を続けていくためには、自社サービスの知名度向上により、インフルエンサーの拡充及びクライアント企業からの認知の拡大が必要不可欠と考えています。今後も費用対効果に注意を払いながらもプロモーション活動を強化してまいります。
④組織体制の整備
当社グループは、更なる成長を図る為に、成長フェーズにあった組織体制の確立と優秀な人材の確保、また確保した人員の早期育成の仕組みが不可欠だと考えております。採用活動の強化を図るとともに、社内研修制度、ノウハウの共有の仕組みの確立を行ってまいります。
⑤情報管理体制の強化
当社グループは、インフルエンサー等の個人情報を多く取得しており、その情報管理を強化していくことが重要であると考えております。現在、個人情報管理規程を制定し、その取得・提供・管理についての方針を定めております。また、個人情報取扱の専用の端末を設置し、アクセス権限者を限定した上で、アクセスログについても取得し、不正なアクセスがないか随時モニタリングを実施しております。また、個人情報以外のパーソナルデータとして、cookie情報や行動履歴情報等の取扱いについても、日本インタラクティブ広告協会(JIAA)の「行動ターゲティング広告ガイドライン」を遵守した取扱いを実施しております。これらの施策により個人情報の取扱い等の管理を徹底しておりますが、今後も社内教育・研修の実施やシステム整備などを継続的に行ってまいります。
⑥内部管理体制の強化
当社グループは成長段階にあり、業務運営の効率化やリスク管理のための内部管理体制の強化が重要な課題であると考えております。このため、当社グループといたしましては、コーポレート部門の整備を推進し、経営の公正性・透明性を確保するための内部管理体制強化に取り組んでまいります。
⑦広告審査体制の整備
当社グループのソーシャルメディアマーケティング事業における広告手法は、クライアント企業の商品の体験等をインフルエンサーが各種SNSにおいて投稿、拡散するものですが、インフルエンサーによる当該投稿が広告関連法令やインターネット広告業界の自主規制に違反しないよう、当社では顧問弁護士への確認等により広告関連法令を網羅した厳格な広告審査基準を定め、全広告案件における投稿の審査を実施しております。広告審査体制としては、社内に専門の部署を設け、審査を実施している他、外部機関による審査も実施し、社内外での二重の審査を実施しております。また、当該外部機関と定期的な広告審査に関する会議を実施し、必要に応じて顧問弁護士等へ相談する体制を整えております。広告審査の結果、審査基準に抵触するインフルエンサーの投稿については、修正を依頼している他、インフルエンサーが適切な投稿を行うよう随時注意喚起を実施し、その法令遵守意識の啓蒙に努めております。今後、事業拡大による広告案件の増加や、新たなマーケティング手法を開発した際においても、広告審査体制の整備、対応を行ってまいります。
⑧法規制等の変動に対応する社内体制
当社グループの事業は、広告関連法令、インターネット広告業界の自主規制、各種SNSプラットフォーム規約等の制約を受けますが、それら規制の改正、変更等の事業環境の変化に迅速に対応するため、ソーシャルメディアマーケティング事業部門とコーポレート部門が連携して情報の収集、分析、管理を行っております。また、規制等の変更に伴い対応が必要である際は、社内への周知、教育等によりその徹底を図っており、これら対応を継続的に行ってまいります。
当社グループの事業展開において、リスク要因となる可能性がある主な事項を記載しています。また、投資判断上重要であると考えられる事項については、積極的な情報開示の観点から追加しております。
なお、当該記載事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努めてまいります。
(1)事業環境に関するリスクについて
①業界動向について
当社グループは、主にWebメディア及びソーシャルメディアを活用したマーケティング事業を行っております。株式会社電通の「2018年日本の広告費」によれば、2018年のインターネット広告市場は1兆7,589億円と前年比116.5%の成長をしております。今後も同市場は堅調に推移すると予想しておりますが、市場成長が阻害されるような状況が生じた場合、また、インターネット広告市場を含む広告業界においては、景気変動により広告主の広告支出が増減する傾向があるため、国内マクロ経済の動向及び国内主要産業部門における事業環境が変化した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
②インフルエンサーとの関係
当社グループの事業は、クライアント企業のマーケティングに対しサービスを提供しており、その多様なニーズに応えるため、影響力の強いインフルエンサーや、特定分野に特化したインフルエンサーの確保が必要となります。その為、インフルエンサーに対し、クライアント企業の広告案件の継続的なご紹介やSNSへの投稿に関する法令・ガイドラインの遵守等の有用な情報を提供することにより、親密かつ広範なネットワークを構築しております。また、良質なインフルエンサーを確保するため、会員審査の基準を定め、健全な会員組織の運営のための体制を整えております。しかしながら、様々な要因の変化によりインフルエンサーとの信頼関係が低下した場合や、クライアント企業のニーズに合ったインフルエンサーを当社会員として十分に確保できない場合、インフルエンサーがフォロワー数を水増しする等の事態の発生によりインフルエンサーマーケティングの信頼性が低下した場合、インフルエンサーが広告審査基準等を遵守しない又は当社の広告案件以外において炎上する等の当社の管理することができない事態が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
③サービスの陳腐化について
インターネット広告市場は、日々新たな技術革新やサービスの提供が行われる市場であり、競合他社より有益な価値をクライアント企業に対し提供する必要があります。当社グループでは、クライアント企業のニーズに対応するために常に新たな技術の導入やサービス機能の強化及び拡充、技術者の確保に努めております。しかしながら、保有するサービス及び技術等が陳腐化し、変化に対する十分な対応が困難となった場合、あるいは変化するクライアント企業のニーズに的確な対応ができなくなった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
④法的規制について
当社グループは、不当景品類及び不当表示防止法、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確報等に関する法律、個人情報の保護に関する法律、著作権法等の規制を受けております。また、法令やインターネット広告業界における自主規制、各種ガイドライン等の遵守を徹底した事業運営を行っておりますが、万一これらの違反に該当するような事態が発生した場合や、今後新たな法令等の制定、既存法令等の解釈変更がなされ事業が制約を受けることになった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、インフルエンサーの投稿に関しては、全投稿案件の確認を実施し、法令違反等の不適切な投稿を未然に防止するための広告審査体制を構築しておりますが、当該投稿が広告関連法令等に違反する場合や、第三者の著作権、肖像権等を侵害する場合、不適切な投稿による炎上が発生した場合や投稿がステルスマーケティング(※)と見做された場合には、当社グループのブランドイメージが悪化する等、社会的信用や評判に波及し、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
※ステルスマーケティングとは、消費者に宣伝と気づかれないように宣伝行為をすること。
⑤主要SNSのユーザー利用動向やプラットフォームの規制変更等について
当社グループの広告商品は、Instagram、Facebook、Twitter等の主要SNSプラットフォーム上でのマーケティング手法を中心としております。利用者が増加傾向にあるSNSプラットフォームは広告媒体としての訴求力が高まることから、各SNSプラットフォームのユーザーの利用動向は重要な指標となるため、当社グループではこれらの動向に関する情報収集を行っておりますが、既存のSNSにおけるユーザーの利用動向の変化や、新たなSNSの流行に対して、当社グループの適切なインフルエンサーの会員組織化等の対応が遅れた場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、広告関連の規約・規制等の変更により、従来可能であった広告手法を用いることが出来なくなる可能性があり、当社グループのマーケティング手法や体制の変更等の対応が遅れた場合や、SNSのセキュリティ面の不備により当該プラットフォームの信頼性に疑義が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
⑥情報セキュリティに係るリスクについて
コンピューターシステムの瑕疵、実施済みのセキュリティ対策の危殆化、マルウェア・コンピューターウイルス、コンピューターネットワークへの不正侵入、役職員の過誤、自然災害、アクセス増加等の一時的な過負荷等により、重要データの漏洩、コンピュータープログラムの不正改ざん、システムダウン等の損害が発生する可能性があり、その結果、第三者からの損害賠償請求、当社グループの信用下落等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
⑦個人情報の管理に係るリスクについて
当社グループは、ソーシャルメディアマーケティング事業を通じて取得した個人情報を保有しており、「個人情報の保護に関する法律」の規定に則って作成したプライバシーポリシーに沿って管理しております。しかし、情報セキュリティに係るリスク等により個人情報が漏洩した場合や個人情報の収集過程で問題が生じた場合、当社グループへの損害賠償請求や当社グループの信用の下落等の損害が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
⑧知的財産権に係るリスクについて
知的財産権の社内管理体制を強化し、当社グループの主要サービスについては、商標権を取得し、その知的財産権を保護する管理体制としておりますが、契約条件の解釈の齟齬等により、当社グループが第三者から知的財産権侵害の訴訟、使用差止請求等を受けた場合、又は第三者が当社グループの知的財産権を侵害するような場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
⑨訴訟発生リスクについて
当社グループでは、コンプライアンス規程を制定し、役職員に対して当該規程を遵守させることで、法令違反等の発生リスクの低減に努めております。しかしながら、当社グループ及び役職員の法令違反等の有無に関わらず、会員や取引先、第三者との間で予期せぬトラブルが発生し、訴訟に発展する可能性があります。提起された訴訟の内容及び結果によっては、多大な訴訟対応費用の発生や企業ブランドイメージの悪化等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
⑩自然災害等に係るリスクについて
地震や台風等の自然災害、テロ攻撃といった事象が発生した場合、当社グループが影響を受け、軽減できる保証はありません。当社グループの拠点及びコンピューターネットワークのインフラは、サービスによって、一定の地域に集中しているため、同所で自然災害等が発生した場合には多大な損害を被る可能性があります。また、自然災害等の発生によりインフルエンサーの投稿が自粛されるような事態が生じた場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(2)事業の運営体制に関するリスクについて
①特定経営者への依存について
当社グループの経営は専門的な知識、技術、経験を持つ、代表取締役を含む役員及び幹部社員が経営方針や事業戦略の決定及びその遂行において極めて重要な役割を果たしております。その為これら役職員が、何らかの理由によって退任、退職し、後任者の採用が困難となった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
②人材の獲得及び育成
当社グループは、今後の事業拡大に応じて必要な人材の継続的な確保と育成が重要であると考えています。その為にも積極的な採用と早期戦力化のための育成制度の構築に努めていく方針でありますが、必要な人材の確保及び育成が計画通り進まなかった場合には、競争力の低下や事業拡大の制約要因が生じる可能性があり、この場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
③内部管理体制の構築について
当社グループは、グループ企業価値を最大化すべく、コーポレート・ガバナンスの充実を経営の重要課題と位置づけ、多様な施策を実施しておりますが、事業の急速な拡大等により、十分な内部管理体制の構築が追いつかない状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
④新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
当社グループでは、取締役、従業員等に対するインセンティブを目的としたストック・オプション制度を採用しております。また、今後においてもストック・オプション制度を活用していくことを検討しており、現在付与している新株予約権に加え、今後付与される新株予約権について行使が行われた場合には、保有株式の価値が希薄化する可能性があります。
⑤配当政策について
当社グループは、将来の事業の発展と経営基盤の強化のための内部留保を確保しつつ、経営成績や配当性向等を総合的に勘案し、安定的かつ継続的な配当を維持することを基本方針としております。
しかしながら現段階においては成長過程であると認識しており、今後の事業発展及び経営基盤強化を鑑み、内部留保の充実をする優先するため、配当を行っておりません。将来的には、業績及び財務状態等を勘案しながら株主への利益の配当を目指していく方針でありますが、配当実施の可能性及びその実施時期等については、現時点において未定であります。
⑥その他の関係会社等との関係について
当社は、2018年12月27日付で株式会社デジタルガレージから出資を受け入れ、株式会社デジタルガレージは当社発行済株式総数の25.2%(2019年9月30日時点 22.5%)を保有するその他の関係会社に該当しております。当社は株式会社デジタルガレージの持分法適用関連会社となり、当社の社外取締役である踊契三氏は、株式会社デジタルガレージから招聘しております。
当社グループと株式会社デジタルガレージとの取引については、他の企業の取引条件との比較等により取引条件の適正性等を確保出来ており、今後も同様の方針です。
当社グループの経営方針、事業展開等の重要事項の意思決定において、現状、株式会社デジタルガレージに対して事前承認を要する事項等はなく、独立性・自律性は保たれていると認識しております。
なお、株式会社デジタルガレージは、事業シナジー効果の実現等を目的に当社へ出資するに至り、当社株式を中長期にわたって保有する意向であると認識しておりますが、将来において、株式会社デジタルガレージにおける当社株式の保有比率に大きな変動があった場合、あるいは株式会社デジタルガレージの事業戦略が変更された場合等には、当社株式の流動性及び株価形成、並びに当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度におけるわが国の経済は、新興国経済の先行きや米中間における外交及び政策変化をはじめ、地政学リスクへの警戒感など、外的環境の不確実性があったものの、企業収益の回復や雇用環境の改善などを背景とし緩やかな拡大を続けております。
当社グループが事業展開を行う2018年の国内インターネット広告市場は、前年比16.5%増の1兆7,589億円(注1)と推計され、引き続き10%を超える成長を維持しております。また、2018年の国内インフルエンサーマーケティング市場は、前年比25.1%増の219億円と推計され、同市場規模は、2019年に267億円、2028年に933億円(注2)と2018年比4.2倍程度に拡大していくことが予測されております。
このような環境の中、当社グループでは「NINARY」「Ripre」「ポチカム」「to buy」といったInstagramを始めとした各SNSプラットフォームにおけるインフルエンサーを企業マーケティングへ活用する「インフルエンサーサービス」、企業の保有するSNSアカウントの企画・コンサルティングを含めた運用代行を行う「SNSアカウント運用」、「インターネット広告代理販売」及びInstagramに特化した戦略子会社「株式会社glamfirst」の4つのサービスを展開し、企業がSNSプラットフォームを通して消費者へ行うマーケティング活動を総合的に支援してまいりました。
(注1)出典:株式会社電通「2018年 日本の広告費」
(注2)出典:株式会社デジタルインファクト「インフルエンサーマーケティング市場規模2017年-2028年」
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は2,071百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,056百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金が984百万円、受取手形及び売掛金が100百万円増加したことによるものであります。固定資産は140百万円となり、前連結会計年度末に比べ5百万円減少いたしました。これは主に有形固定資産が6百万円減少したことによるものであります。
この結果、総資産は、2,212百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,051百万円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は473百万円となり、前連結会計年度末に比べ8百万円減少いたしました。これは主に買掛金が35百万円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は、473百万円となり、前連結会計年度末に比べ8百万円減少いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は1,738百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,059百万円増加いたしました。これは主に資本金391百万円、資本剰余金391百万円、利益剰余金276百万円の増加によるものであります。
この結果、自己資本比率は78.6%(前連結会計年度末は58.5%)となりました。
②経営成績の状況
(売上高)
当連結会計年度の売上高は2,944百万円(前年同期比20.3%増)となりました。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度の売上原価は1,186百万円(前年同期比4.1%増)となりました。これは主に売上の増加に伴う仕入原価の増加によるものであります。この結果、売上総利益は1,758百万円(前年同期比34.6%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は1,324百万円(前年同期比23.5%増)となりました。これは主に従業員の増加に伴う人件費の増加及び採用活動の推進に伴う採用費の増加等によるものであります。その結果、営業利益は433百万円(前年同期比85.6%増)となりました。
(営業外損益、経常利益)
当連結会計年度の営業外収益から営業外費用を差し引いた営業外損益純額は、22百万円(前年同期は1百万円の利益)の損失となりました。これは主に上場関連費用の計上によるものであります。その結果、経常利益は411百万円(前年同期比75.1%増)となりました。
(特別損益、法人税、住民税及び事業税、親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の特別利益から特別損失を差し引いた特別損益純額は、債務免除益の計上により5百万円(前年同期は2百万円の利益)の利益となりました。
法人税等合計としては、139百万円(前年同期比92.3%増)を計上しております。その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は276百万円(前年同期比67.7%増)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ984百万円増加し、当連結会計年度末には1,509百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は227百万円(同15.4%増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益416百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は20百万円(同2.7%減)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出9百万円、無形固定資産の取得による支出9百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は777百万円となりました。これは主に、新株の発行による収入779百万円によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
c.販売実績
当社グループの事業セグメントは、ソーシャルメディアマーケティング事業の単一セグメントであるため、当連結会計年度における販売実績をサービスごとに示すと、次のとおりであります。
|
サービスの名称 |
当連結会計年度 (自 2018年10月1日 至 2019年9月30日) |
|
|
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
|
|
インフルエンサーサービス |
1,282,303 |
128.6 |
|
SNSアカウント運用 |
313,051 |
303.1 |
|
インターネット広告代理販売 |
855,342 |
84.6 |
|
株式会社glamfirst |
494,101 |
147.3 |
|
合計 |
2,944,798 |
120.3 |
(注)1.インフルエンサーサービスとは、ソーシャルメディアマーケティング事業を構成する主要サービスである(1)NINARY、(2)Ripre、(3)ポチカム、(4)to buyを総称した名称です。
2.SNSアカウント運用は、2017年8月からサービスを開始しております。
3.各サービスと株式会社glamfirst間の内部売上高は、調整後の金額を記載しております。
4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
5.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2017年10月1日 至 2018年9月30日) |
当連結会計年度 (自 2018年10月1日 至 2019年9月30日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
資生堂ジャパン株式会社 |
268,266 |
11.0 |
- |
- |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません
2.当連結会計年度における販売実績につきましては、総販売実績に対する当該割合が100分の10未満であったため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りに関して、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(1)経営成績
経営状態の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に含めて記載しております。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営上目標とする客観的な指標」をご参照ください。当社グループでは売上高及び営業利益率を重視しております。引き続きこれらの指標について増加するよう取り組んでまいります。
(3)経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。また、経営者の問題認識、今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
③資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、更なる成長を図る為に、成長フェーズにあった組織体制の確立と優秀な人材の確保が必要であり、今後も積極的な採用活動を継続して実施する方針です。当社グループの資金需要の一定割合は、人材及び事務所の拡充であり、必要な資金は自己資金及び新株発行による調達資金により充足することとしております。
該当事項はありません。
当社グループが営んでいるソーシャルメディアマーケティング事業は、技術進歩が非常に早く、市場拡大する中でサービスの多様化が求められるため、学術界と連携し、SNSにおける投稿内容の向上と最適化を研究目的として、機械学習、深層学習等を用いたSNSの投稿内容の解析、投稿における各種レコメンデーションロジック等の研究に取り組んでおります。
当連結会計年度における研究開発費の総額は