## INDEX **原田典子氏:** みなさま、こんにちは。AI CROSS株式会社、代表取締役CEOの原田と申します。本日は、弊社の2026年12月期第1四半期の決算および事業についてご説明します。 本日の流れです。はじめに、第1四半期の業績を振り返ります。その後は事業のKPIとビジネスラインの状況、四半期のトピックスについてご説明します。 ## セグメント再編について 原田 :冒頭にお伝えしますが、弊社は今回からセグメントの区分を変更しました。これまでは「Smart AI Engagement事業」と「マーケティングソリューション事業」の2事業で開示していました。 今回から、Smart AI Engagement事業を「スマートメッセージング事業」と「AIトランスフォーメーション事業」の2つに区分しました。「マーケティングソリューション事業」はこれまでどおり1つの事業として区分し、開示を続けていきます。 **増井麻里子氏:** 経済アナリスト/経営コンサルタントの増井です。今回のセグメント再編では、従来のSmart AI Engagement事業の中にあるAIサービスを2つに分割するというイメージでよろしいですか? 原田 :おっしゃるとおりです。これまでAI事業では、需要予測のようなサービスをプラットフォームを利用して提供するものと、AIのコンサル事業として運営してきました。これらが黒字化する目処が立ったことを受け、別区分としています。 また、AIがこれからの成長事業として位置づけられることに加え、スマートメッセージング事業でも、従来のSMS事業からRCSという、動画や画像が双方向で自動的にAIを使ってやり取りができる事業へと移行し、成長部分が際立つようになってきています。 そのため、2つに分けたほうが管理しやすいことや、投資家のみなさまにとっても成長の度合いが明確にわかることを考慮し、このような再編としました。 増井 :成長エンジン的な部分を明確にしたいという意図もあったのでしょうか? 原田 :そうですね。AIだけが成長軸というわけではなく、AIとメッセージングを別々の事業として分けたという意図になります。 ## FY2026.1Q業績ハイライト(2026年1月1日~3月31日) 原田 :第1四半期の業績ハイライトについてご説明します。売上高は13億3,100万円、営業利益と経常利益はともに1億9,600万円、四半期純利益は1億2,100万円となりました。 特に売上高、営業利益、経常利益は、上場来最高を更新しました。このところ四半期ベースで上場来最高を更新し続けており、業績は既存のメッセージング事業を中心に、引き続き着実に成長しています。 ## 売上高(四半期毎推移) 原田 :売上高の推移です。四半期ごとに見ると、前年同期比(YoY)43.04パーセント増と確実に成長しており、前期比(QoQ)でも6.82パーセント増と、順調に伸ばしています。 ## 売上高の増減要因 原田 :売上高の増減要因についてご説明します。1つは、スマートメッセージング事業、つまり既存のSMSを順調に伸ばすことができた点です。 配信通数および配信単価もあわせてしっかりと伸び、さらにRCSの利用者数が増加したことに伴い、売上が拡大しました。RCSについては、後ほどご説明します。 また、AIトランスフォーメーション事業については、事業区分を分けたうえで、今期の着実な黒字化を目指し、達成しつつある状況です。この点も、売上に大きく寄与しました。 マーケティングソリューション事業では、連結対象として買収した株式会社ロウプがしっかりと業績に貢献しています。 ## 営業利益(四半期毎推移) 原田 :営業利益の四半期ごとの推移です。2024年第4四半期から弊社では株主優待を実施しており、第2四半期と第4四半期に一括計上していました。 スライドのグラフをご覧いただくと、第2四半期と第4四半期の利益が減少していますが、それ以外の期間では、売上に伴い利益も順調に伸ばすことができています。 売上の伸びによって営業利益は上場来最高となり、四半期ベースで2億円弱にまで達しました。 増井 :6月末と12月末に株主優待の関連費用を計上していたとのことですが、今後はこちらがなくなる場合、業績の季節性があまり見られなくなるのでしょうか? 原田 :そうですね。もともと季節性はあまりなく、過去を振り返ると、売上も基本的には右肩上がりとなっています。ただし完全なSaaSモデルではなく、お客さまがSMSをどれだけ送ったかによって売上が影響を受ける部分は大きいです。 3月決算のお客さまが多いため、第1四半期や12月の年末キャンペーンでのご利用など、例年では第1四半期と第4四半期に少し大きくなる傾向があります。 とはいえ、基本的にはベースとなるお客さまの業務に組み込まれて利用されているため、大きな変動があるようなビジネスモデルではありません。 増井 :予算消化という面があるということでしょうか? 原田 :3月に多少あります。 ## (参考)前年同連結累計期間比 原田 :こちらは参考までに、前年度連結累計期間比です。1年前の第1四半期と比較すると、先ほどお話ししたとおり、成長率は40パーセント以上となっており、四半期ベースだけでなく年単位で見ても、堅調に大きく成長させることができています。 ## 2026年12月期 第1四半期 連結業績(セグメント別) 原田 :セグメント別の第1四半期の連結についてです。先ほどご説明した内容と重なりますが、スマートメッセージング事業は年間で25パーセント弱の成長を達成しています。 今回切り出したAIトランスフォーメーション事業は、昨年ベースでは業績寄与の絶対額はまだ低いものの、8割弱の成長率を示しています。これからの成長エンジンとして、さらに伸ばしていきたいと考えています。 AIトランスフォーメーション事業は、昨年から今年にかけて黒字転換を実現しており、第1四半期も黒字化を達成しました。こちらも、今後さらに事業を伸ばしていく予定です。 マーケティングソリューション事業は、昨年は存在していなかったため伸び率のデータはありませんが、RCSなどとのシナジーを活用し、今後しっかりと成長エンジンとしていきたいと考えています。 ## 四半期毎 販売費および一般管理費推移(四半期毎推移) 原田 :四半期ごとの販管費の推移についてご説明します。当社の販管費は、大きく人件費、広告宣伝費、その他販管費の3つに分けられます。 人件費については、現在社内で進めているAIトランスフォーメーション(AX)やデジタルトランスフォーメーション(DX)により、今後は売上が伸びても固定費や人件費がそのままリニアに増加することはありません。 AIを活用することで必要な採用は計画どおり実施していますが、人員数を増やし続けるという状況ではなく、現状の人員規模を維持したまま業績をさらに伸ばしていくことを目指しています。 広告宣伝費については、現時点ではAIサービスに関連した展示会やWebマーケティング費用などに一定の投資を行っています。ただし、当社の事業モデルは大規模な広告宣伝によって成長するものではないため、今後も現状の水準を維持し、安定的に推移する見込みです。 その他販管費については、一過性のものが多く含まれています。昨年の四半期と比べると、優待費用が減少した一方、ロウプ社ののれん代を含めた費用が増加している状況です。 ## FY2026業績予想進捗 原田 :業績予想の進捗状況についてご説明します。第1四半期を終え、売上高の進捗率は25.12パーセント、各段階利益は約30パーセントという状況です。 今後は、第1四半期にはなかったシステム投資なども予定されています。そのため、第1四半期としてはやや高く推移しているように見えますが、業績予想は据え置きとしており、順調に予定どおり推移しているとお考えください。 ## KPIサマリー(四半期状況) 原田 :それでは、ここからは事業のKPIについてご説明します。 KPIとして当社は、メッセージング事業の取引社数、SMSの配信数、メッセージング事業のARPUの数字を開示しています。 取引社数は8,801社、SMSの配信数は2億2,700百万通、ARPUは12万7,000円となっています。 ## スマートメッセージング事業取引社数 原田 :取引社数は引き続き、代理店や販売パートナー経由で多くの取引社数が伸びています。 これは、SMSがニッチなツールではなくなり、多くのお客さまやさまざまな業界、業務に浸透しているため、代理店経由で新しいお客さまが次々と増加している状況です。 一方で直販については、新しいRCSやサービス、新たなユースケースを広げる際に、当社から直販のお客さまに対して提案を行うことで、少しずつ伸びています。ただし、伸びの規模としては、販売代理店経由のほうが大きな成長を遂げています。 ## SMS配信数 原田 :配信数についてです。過去、SMS市場はGAFAのような大手外資系企業を中心にSMSの通数が伸びており、それが市場全体を拡大させる要因となっていました。 現在は私たちも国内のお客さまに対して新しい提案を行っていますが、海外では代理店経由が主流となるため、私たちが直接提案することは難しい状況です。 したがって、新しい付加価値を提供できるソリューションを提案する際には、国内のほうが利益率が高いことから、昨年よりも前から国内市場に注力して伸ばしてきました。 現状では、配信数の約9割が国内のお客さまに向けたものであり、引き続き国内市場が拡大しています。そのため、国内市場のシェア拡大と市場の成長を重視し、継続的に伸ばしていく戦略を採っています。 増井 :スマートメッセージング事業における市場の構造としては、プレーヤー、つまり御社の競合企業はどれくらい存在しているのでしょうか? 原田 :SMS市場全体で考えると、主に上場企業ではファブリカコミュニケーションズ社やアクリート社といった会社があります。また、上場はしていないNTTのグループ会社および弊社を含めた4社で市場の約8割を占めている状況です。 市場全体としても、SMS市場は今後も配信数や売上が成長していくという予測が市場レポートでも示されています。このような市場の成長に伴い、私たちの事業も伸ばしています。そのため、現状では競合同士でシェアを奪い合うという状況にはなっていません。 国内市場にしっかりと注力した結果、当社のシェアは拡大してきています。市場の拡大と当社のシェア拡大という両面で成長している状況です。 増井 :この状況は、まだ少し続きそうですか? 原田 :そうですね、まだ続くと思っています。その中で、さらにRCSを追い風チャンスだと捉えています。 ## スマートメッセージング事業ARPU (顧客平均売上高) 原田 :ARPUについてです。このARPUには海外のお客さまの売上が含まれているため、値が少しでこぼこしています。 海外のお客さまは大きな代理店を通じての取引が多く、そこの減少がARPUに影響を与えている状況ではありますが、国内の8,000社のお客さまのARPUは現在も伸びつつあります。 引き続き、国内のお客さまにクロスセルを行ったり、単価の高いRCSを販売したりすることでARPUを上げていく方針です。 ## スマートメッセージング事業の戦略 原田 :第1四半期のビジネスラインについてご説明します。大きな戦略は、これまでお話ししている内容から変わっていません。当社は「絶対リーチ!」というSMSとRCSのプラットフォームを引き続きお客さまに提供していきます。 SMSでは通数課金のかたちで、たくさんメッセージを送っていただくことによって売上を伸ばしていきます。RCSも同様です。RCSの料金はまだ単価が高いため、この利用を広げることで、プラットフォームの利用料金と通数課金の収益を増やしていく方針は変わりません。 特に最近では、AIの浸透によってコールセンターやマーケティングの手法など、さまざまな分野でAIエージェントを活用した自動化が進んでいます。 私たちは、こうしたプラットフォームとコールセンターシステムやマーケティングオートメーションシステムなどとの連携を進め、AIによる自動送信の際にSMSやRCSを利用していただくことで、これらのサービスをしっかりと成長させていこうと考えています。 ソリューション化については、特にRCSにおいて、これまでになかった利用用途が広がっています。SMSは主に、督促や本人認証でのパスワード送付、個人宛てのリマインダー送信といった、大きく分けて4つほどの用途に絞られていました。 一方、RCSでは動画や画像の送信が可能となるため、これまで使われなかった用途、特にマーケティング分野での用途において、もっと新しい市場を作りたいと考えています。 ただ送ることを提案するのではなく、「どのように送るか」「どのようなメッセージや画像を送るか」「どのようなやり取りをすればコンバージョンが上がるか」といった点まで踏み込み、ソリューションとして提供していきます。 現在はまだソリューションの型にはなっていませんが、「いつ・いくらで」という料金体系ではなく、例えばコンバージョンが達成された時に成功報酬をいただくかたちの新しいビジネスモデルを確立していきたいと考えています。 ## RCS普及の追い風と当社の成長戦略 原田 :先ほど「RCS」と言いましたが、ご存じない方もいるかもしれませんので、少し補足します。 これまで、例えばiPhoneやAndroidにデフォルトで搭載されているメッセージング機能は、ほとんどがSMSであり、テキスト文字しか送れないものでした。 これに対して、動画や画像が送れるようになったものが、ショートメッセージサービス(SMS)から進化したリッチコミュニケーションサービス(RCS)です。 これは全世界標準であり、世界の通信や携帯端末のスタンダードを定めている機関が、今後の端末をすべてSMSからRCSに移行することを数年前に決定しました。この流れを受け、iPhoneが標準対応したことが、私たちにとって大きな追い風となっています。 日本では依然として、iPhoneがAndroidを上回るシェアを持っています。ソフトバンクとKDDIがすでに対応を表明していましたが、最近ではドコモも対応することを発表しました。 これによって来年以降、国内の3キャリアがiPhoneを通じてデフォルトでメッセージングを提供し、動画や画像を自動的に送れるようになります。これが「RCS」と呼ばれています。 従来のSMSはテキストのみのやり取りに限られており、企業が顧客に何かを伝えたり、やり取りを行ったりする用途が非常に限られていました。 動画や画像が送れるようになることで、アプリのような形式、つまり「LINE」でのやり取りのようなかたちが実現します。特に、AIの活用によってお店や会社が個人と自動応答を通じてさまざまなやり取りが可能になることが期待されています。 これまで1通ごとに課金していた通数課金の値段を引き上げることが可能になるほか、画像の制作費、プラットフォーム利用料としての月額課金、さらにはコンバージョンごとの料金など、新たなビジネスモデルでの課金を実現できるようになります。 私たちは利益率や売上高の向上を目指し、これまで以上に力を入れて、業績にしっかりと反映させていきたいと考えています。 増井 :こちらの内容について、もう少し詳しくうかがいます。ユーザー目線で言うと、これは電話番号に送るかたちですよね。 ということは、これまで「何文字まで」といった制限内でテキストを送る形式だったメッセージアプリとは別に、RCSのアプリのようなものがあるということでしょうか? 原田 :違います。例えば、iPhoneの場合は「メッセージ」というアイコンがありますよね。あそこにそのまま、自動的に動画や画像が送れるようになるということです。 増井 :リンクではなく、ということですか? 原田 :リンクではなく、直接送ることができます。 増井 :そのメッセージを開くと、動画が表示されるということでしょうか? 原田 :そのとおりです。 増井 :それは、画像も含めてですか? 原田 :そうです。簡単に言えば、メッセージの仕様が変わるというイメージです。 増井 :確かに、大きく変わりますね。 原田 :かなり変わります。 増井 :すると、これからは通常のテキストメッセージではなく、さまざまな媒体が流れるようになるということでしょうか? 原田 :ただ、他のメールとは異なり、迷惑メールをどんどん送ってよいわけではありません。 これはキャリアのサービスであるため、「LINE」や他のサービスと同様、ユーザーがきちんとシャットアウトできる仕組みになっています。つまり、ユーザーが承認した内容だけが送られるかたちになります。 SMSは主にリマインダーやレストランの予約、コンファメーションメッセージなどがありますが、それらもユーザーがどこかで送信を承認しているものです。これらは勝手に送られることはなく、メルマガのようにさまざまなものが一度に届くこともありませんよね。 つまり、キャリアがしっかりとブロックしており、ユーザーが「これはOK」「だめ」と承認したものだけが届く仕組みです。また、「配信停止はこちら」といったブロック機能も簡単に利用できます。 増井 :そのようなことが可能だということですね。 原田 :可能です。現在のマーケティングの考え方としては、数を送って少し取るという大量配信型よりも、One to Oneマーケティングのように、その人に合った役立つ情報を届けることが重要です。そうでなければ、最終的な購買にはつながりません。 増井 :メールも読まれなくなってしまいますよね。 原田 :それを可能にしたのが、やはりAIです。その方が求めているものをしっかりと分析し、良いタイミングで提供することができるため、今後はマーケティングの用途で大きく活用されるだろうと、私たちも期待しています。 増井 :現在、多くのメッセージアプリではSMSが使われていますが、返信時に課金が発生する仕組みがありますよね。それはどうなるのでしょうか? 原田 :すばらしいご質問をありがとうございます。おっしゃるとおり、SMSは一通1円などの料金がかかっていました。 増井 :一通3円という時期もありましたよね。 原田 :3円とはいえ、やはり負担に感じることもありました。それがパケット料金にすべて含まれるようになるのが、RCSの特徴です。 現在、ほとんどのパケット料金が定額制になっていると思いますので、そこにすべてが含まれることでユーザーさまの負担が軽減される仕組みです。そのため、例えば「勝手に送られて返信しているのに、なんだか嫌だな」といった心理的な負担は解消されます。 私たちは、このサービスに非常に期待しています。また、これは欧米のほうが進んでいる状況にあります。 例えば、日本では現在「LINE」がチャットアプリの主流になっていますが、欧米の中には、「LINE」に相当するものがすでにRCSに取って代わられているケースもあるほど、自然なかたちで広がりを見せています。 ユーザー側も簡単にブロックすることができるうえに、標準のやり取りができる状況です。テキストを送りたい時にはテキストで、画像を送りたい時には画像でやり取りが可能です。 日本では、個人間のやり取りにはさまざまな手段がすでに存在していますが、サービスや企業との間で新しいチャネルの可能性があると考えています。 増井 :日本でも、社長の中にはSMSでのメッセージを好む方も少なくありません。 原田 :「LINE」を交換していないビジネスの方でも、最近は携帯番号を名刺に記載することが増えています。RCSはテキストだけでなく、さまざまな動画や画像を送ることができるため、個人間でもそのように利用されることがあると思います。 また、このサービスは携帯会社が提供しているため、安全性の面も非常にしっかりしています。 増井 :ほかのアプリでは「ちょっと怖いな」といった懸念を持つ方もいますよね。 原田 :そのため、安全性やセキュリティへの期待が高い金融業界などで、RCSへの期待値が非常に高まっています。 紙で送られていた銀行や証券会社などのさまざまな文書を、デジタルに置き換えていきたいというニーズも高まっています。私たちは、この新しいチャネルがこれからますます広がっていくだろうと考えています。 ## AIトランスフォーメーション事業「Deep Predictor」サービス戦略 原田 :それでは、AIトランスフォーメーションについてご説明します。 主に、大きなカテゴリとしては「需要予測」に分類されるものを、私たちは「Deep Predictor」というプラットフォームで企業に提供しており、これが1つの大きなビジネスとなっています。 もう1つは、生成AIのコンサルティングサービスやAIコンサルサービスです。現在、国や自治体、企業のいずれにおいてもAIを活用したDXやAX推進のニーズが高まっており、これら2つのサービスを主力として展開しています。 「Deep Predictor」に関して、現在は代理店開拓を積極的に進めています。これまでは弊社のデータサイエンティストが伴走して、予測したい内容や在庫の最適化、売上予測の精度向上、発注業務の簡素化など、多様なニーズに対応しながら予測モデルを構築し、月額サービスを提供していました。 現在は、このプロセスをエージェントモデルへ移行しています。弊社のデータサイエンティストが初期設定を行う必要がなくなり、お客さま自身がエージェントを活用することで簡単に設定可能となり、月額サービスの利用だけで済ませられる仕組みです。 このプランを代理店が販売している状況であり、今後はこの代理店モデルが最もスケールすると見込んでいます。そのため、代理店モデルによる数字の積み上げを確実に進めていきたいと考えています。 ## 「Deep Predictor」の導入実績の一例 原田 :導入実績についてご説明します。 スライドの一番左にあるのは、大手総合商社のサプライチェーン専門会社の事例です。こちらでは、販売予測の精度向上と属人化の解消を目的としています。 売上を予測し、どのくらいの在庫を持つべきかという作業は、製造業界ではかなり大手の企業でも「Excel」で行っていることが多いのが実情です。 ベテランの方々は天候や経済データなど、どの要素が売上にどのように影響するのか熟知しているため、「Excel」を使って予測を行うことが可能です。しかし、ベテランの方が退職すると予測精度が低下してしまう、また、「Excel」の業務が煩雑であるという課題がありました。 そこで「Deep Predictor」を導入し、業務に精通していない人が行っても同じ精度を実現できるようになりました。現在も、このシステムをご利用いただいています。 スライド中央の例は、飲食チェーンの新規出店における売上予測の事例です。積極的に新しい店舗を展開している企業では、不動産物件を随時チェックし、どの立地が最もパフォーマンスが良く、売上が上がるかを予測しながら判断しています。 「Deep Predictor」に物件情報を入力することで、「この立地ではどのくらいの売上で、どのくらいの見込みができる」という予測が簡単に可能となり、業務の効率化を実現した事例となっています。 スライド右側は、販売代理店の事例のうち、大手ITソリューション経由で専門メーカーの販売予測の精度を向上させる取り組みに関する内容です。 だいたいの売上を予測し、それに基づいて発注量を算出するものとなっています。外部データや経済データなどを取り込むことで、予測精度を大幅に向上させた事例です。 増井 :このような販売予測には、やはりデータの蓄積量が精度に関わってくるのでしょうか? 導入企業には、どのくらいの期間のデータを求めているのでしょうか? 原田 :一律ではありませんが、だいたい1年以上のデータがあれば予測可能です。 増井 :それほど短期間で十分なのですね。 原田 :そうですね。お客さまによっては販売の数量や種類、影響する天気や経済データなど、さまざまな条件が異なりますが、過去1年から3年ほどのデータがあれば十分なケースが多いです。 増井 :すると、業界ごとのさまざまな説明変数を把握し、それを基にモデルを作られているのでしょうか? 原田 :はい。そこは、当社のデータサイエンティストがしっかりと関わる部分です。特に現場のベテランの方にお話をうかがい、何が重要な要因として効いているのかをすべて含めたモデルを作ります。 また、エージェントが現場担当者とやり取りを行い、どの程度の精度が得られるのか、最初にモデルを作成して比較するという流れを取っています。 増井 :やはり、技術者的な人材の手も必要ですか? 原田 :基本的に、お客さまの側でそのような人材は必要ありません。多くの場合、このような業務は現場の担当者が行うものであり、技術部門やデータサイエンティストがいない部署も多いです。 そのため、私たちのデータサイエンティストが直接サポートするか、現場の方とエージェントとのやり取りを通じて予測モデルを構築できる点が、私たちの強みの1つと言えます。 増井 :どのように進めるかはお客さま次第ということですね。 原田 :はい。2つのプランのうち、いずれかを選んでいただくかたちになります。 ## マーケティングソリューション事業戦略 原田 :こちらのスライドは、マーケティングソリューション事業の戦略です。昨年10月に弊社グループに加わった、株式会社ロウプについてご紹介します。 ロウプ社をグループに迎えた意図は、先ほどお話ししたRCS事業の展開を支えるものです。今後はマーケティング領域でRCSを活用し、その領域を拡大していこうと考えています。 私たちはもともと、ITやAIを中心にプラットフォームを開発・展開することを強みとしていましたが、デジタルマーケティングの領域においては知見が不足していた部分があります。 その点を補うために、ロウプ社経由で同社のお客さまにRCSを提供し、どのようなマーケティングや活用法が適しているのかを積み上げ、ソリューションを構築していきます。 そして、その成果を私たちのお客さまにも提案することで、シナジーを創出していくことを目指しています。ロウプ社の強みは、お客さまを理解し、最初から最後まで、つまりシステムの構築から提案、運用に至るまでを一貫して対応できる点にあります。 ## 福岡銀行との協業 – 取引先企業への生成AI導入支援を開始 原田 :最後にトピックスの1つとして、福岡銀行との協業についてお話しします。 現在、全国でAXやDX推進が進められており、自治体によって進捗の差はありますが、福岡では北九州市や福岡市の市長が積極的にAXやDXの推進を行っています。 その中で、私たちは福岡銀行と提携しました。福岡銀行の提携先である地元企業に対し、私たちが提供している生成AIコンサルティングサービスやAIサービスを福岡銀行が提案するという事例です。 具体的には、Exploration Holdings株式会社を対象に、経営層向けに生成AIを活用して社内業務の効率化を支援しました。この事例にとどまらず、福岡銀行と共に地元企業のDX推進をさらに進めていきたいと考えています。 私からのご説明は以上です。 ## 質疑応答:優待廃止後の株価下落と経営陣の分析について 増井 :資料には記載はないのですが、大変業績が好調な中、2月13日に優待廃止を発表