文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営理念等
当社グループでは、経営理念を示す「理念」・「使命」及び「行動規範」を以下のように定めております。
理念: 「進化を感動に」
使命: 「知恵と技術をエンジニアリングし、価値創造を革新する」
「『本質的に美しいものづくり』を実現する」
行動規範: 誠実に向き合い期待を超えます
覚悟を持って自らを革新します
考え続け、行動を起こします
摩擦を恐れず真剣に話します
自分初・世界初を創り続けます
未来を描き、チャレンジを楽しみます
(2) 経営方針等
当社グループは、設立から30年以上が経過し、社会・産業・技術等の大きな変化への対応として、経営方針として「システムとしての企業体」、「アントレプレナーシップ」を掲げるとともに、全社での変革(Corporate Transformation)を推進しております。またこれらの活動を支える全社スローガンとして「人間の創造性はこれからだ。」を設定しております。
経営方針
・システムとしての企業体は、社内外でのつながり、掛け合わせを通じ付加価値の向上やケイパビリティ獲得の早期化を目指すものです。
・「アントレプレナーシップ」は企業体としての継続的な成長に向け、新しく事業を創造する強い情熱を持った新たな事業リーダーを多く生み出すという想いが込められています。
全社変革(Corporate Transformation、以下、「CX」という):長期的な計画を策定し、次の2段階で実行中となります。
・CX第1フェーズ:
目的:企業体としての組織・プロセス・戦略等を再構築することで、次の成長に向けた基盤構築
期間:2020年~2025年
・CX第2フェーズ:
目的:当社グループ使命を実現する企業体への変容
期間:2025年~2033年
全社スローガン「人間の創造性はこれからだ。」は、地球資源を際限なく消費するだけでなく、余剰や無駄がなく資源が循環するものづくりのあり方、人とモノと自然環境が調和する世界の実現等の社会の進化に向け、開かれた人の知恵による人間の創造性の駆動を目指すものです。
(3) 経営戦略等
当社グループは、3D技術等のデジタルテクノロジーを活用しデジタルものづくりを革新する、グローバルな製品開発のエンジニアリングパートナー企業であります。創業以来、製造業の顧客を中心に各種サービスによる価値を提供して参りました。グローバルでより大きな価値を顧客へ提供すべく、海外現地法人の設立、海外でのサービス提供等の海外展開も進めております。
当社グループでは、長期的な全社変革とそれを実行するためのより迅速な経営判断及び効率的な運営体制構築を目的として、2021年1月1日付で当社を吸収合併存続会社、完全子会社であったSOLIZE Engineering株式会社及びSOLIZE Products株式会社を吸収合併消滅会社とする吸収合併を行いました。本合併に伴い、国内における事業部門を再編し各法人間で分かれていた事業・技術・サービスを掛け合わせ、社員の融合及び文化醸成等を行うことで、サービスの提供価値の向上や新規の事業・技術の開発が進んでおります。また国内管理部門も統合し、管理業務・管理プロセスの統合・標準化、社内業務システムの刷新、人事制度の統合等が完了しております。今後もさらなる事業・技術・サービスの掛け合わせと管理業務の効率化等を含めた全社変革を継続して実施し相乗効果の発揮に努めて参ります。
2023年6月に策定した『中期経営戦略2023-2025』に基づき、中長期の企業価値の向上に主眼を置き、新たな取組にチャレンジし、競争力のさらなる強化と成長に向け新たな技術獲得や事業開発への取り組みを加速させて参ります。
中期経営戦略2023-2025の主要テーマは以下の通りです。これらは経営方針および長期的な全社変革の計画からブレイクダウンされたものとなります。
・デジタルものづくりを革新し続ける企業となる
・真のDX先進経営を実践する
・信頼性の高い企業となる
これらのテーマによる活動を通じ、顧客にとっての開発パートナーおよび変革パートナーになるべく具体的に以下を推進中です。
・顧客への貢献価値の向上
個別のサービス提供に留まらず、エンジニアリングサービス及びマニュファクチュアリングサービスの実践力による総合的なサービス提供を行うことで顧客の開発パートナーとなること、また、顧客の将来への競争力を強化するために変革力の提供を行うことで変革パートナーにもなることにより貢献価値を向上します。
開発パートナーとは、顧客の製品や開発プロセス、設計標準等への深い理解と当社がもつ高い設計力やプロジェクトマネジメント力により、顧客オンサイトでの支援に加え当社拠点による開発受託を行うことで顧客の開発力を増大することや、性能の向上などを目的に設計上流から3Dプリンターの活用を前提とした開発支援を行うことです。
また、実践力と変革力とを融合させることで、開発及び変革パートナーとしてより高い価値を提供することが可能となります。例えば、新たなデジタル技術を導入する顧客に対し、エンジニアが導入に対する技術支援をすると同時にコンサルタントが新技術導入後の最適なプロセスへの変革を提供することや、エンジニアが技術導入後の開発実業務をオンサイトで支援しながらコンサルタントが新プロセスにおけるノウハウ構築やさらなる効率化を実行するなどです。また従来顧客内で実施してきた業務を外部委託が可能な状態にするため、コンサルタントがプロセス・ノウハウ・要求項目等の整備を行い、その上で当社が委託先となることで顧客の開発力の向上に寄与することが可能です。
・デジタルものづくりのケイパビリティの向上
当社が保有するケイパビリティの融合によるサービス提供領域の拡張と新しいケイパビリティの獲得に伴う領域の深化による拡張を継続します。またその実現のために、研究開発部門の設置、事業開発の専門部門の設置を行い、従来事業から得た収益を次の成長に向けた事業・技術開発のための投資に割り当てます。拡張の具体例は以下の図の通りです。
(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社グループは、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標として以下の項目を定めております。なお、国内エンジニア数 (含 コンサルタント)については、国内のエンジニア数及びコンサルタント数の合計であり、当社グループの売上高及び営業利益の大半を占めるデザイン事業の業績に大きく影響するため、重視しております。
a. 売上高対前年増加率
b. 営業利益
c. 国内エンジニア数 (含 コンサルタント)
(5) 経営環境
当社グループは、グローバルに製品開発サポートを行うグローバルエンジニアリング企業であり、当社グループの主要顧客は自動車業界を中心とした製造業となります。
自動車業界においては、CASE(Connected、Autonomous/Automated、Shared、Electric)と呼ばれる新しい領域での技術革新や、地球環境問題への対応としてカーボンニュートラルへの取り組みが急速に進んでおります。そのような状況の中、コネクテッドカー、自動運転などの技術の実運用を目指し、自動車メーカー各社の開発需要の増加が期待されております。電気自動車(EV)、自動運転技術の開発などから、自動車開発における電子制御の複雑化とともにサイバー攻撃への対応の重要性が増しており、MBD、ソフトウエア、デジタルリスク領域の需要が高まっております。同時に自動車完成車メーカーにおいては、上述の先端領域へのリソースシフトが進んでおり、それ以外の領域において外部委託化が増加しております。これらの状況から、当社グループとしても、自動車メーカー及び自動車部品メーカー等による開発投資の拡大継続を見込み、先端領域への支援と外部委託化が進む内外装領域の一括受託設計支援など両面において当社グループの幅広いエンジニアリング技術を融合し、顧客の製品開発をサポートすることでエンジニアリングサービスの収益拡大を図って参ります。
自動車完成車メーカーの研究開発費は以下のように安定的に推移しております。
また3Dプリンターを活用したAdditive Manufacturingのものづくりへの適用が拡張しており、従来の試作用途だけでなく、少量量産の最終部品としての用途が本格化しつつあります。本領域における長期にわたる経験を活かし、3Dプリンターの活用のための上流工程からのエンジニアリング支援及び最終部品としての品質を確保した製造の請負が拡大すると見込んでおります。当社はこれまでも3Dプリンター活用を推進し国内における3Dプリンター市場の拡大に貢献して参りましたが、今後もそれを継続しマニュファクチュアリングサービスの収益拡大を図って参ります。
これらのエンジニアリングサービス、マニュファクチュアリングサービスの需要の増加に加え、将来の競争力確保に向け部門横断での開発プロセス変革やDX活動が増加しており当社グループのコンサルティングサービスの需要も高まっております。変革活動実施のための顧客内でのリソースを確保するために、当社グループのエンジニアリングサービスを先行的に活用し開発キャパシティを保ち、かつ、エンジニアリングサービスを通じて獲得した顧客の製品・開発プロセス・技術等の知識を踏まえたコンサルティングサービスを提供することで収益拡大を図って参ります。
(6) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
(当社グループ全体の事業上の課題)
①製品開発をリードするプロフェッショナル集団を支える人材の採用と育成システムの維持・強化
当社グループが事業を拡大し、継続的に成長していくためには、顧客企業と共に製品開発における高い価値を生み出すことの出来る優秀な人材の採用が必要であり、さらに、事業拡大に伴い人員が増加する場合でも業務品質を落とすことなく、常に先端の技術を持つエンジニアを育成しなければなりません。
国内における採用については、国内学生の新卒採用に加え、アジア圏を中心に海外大学の理工系の学生を対象についても実施しております。また2022年度からは、経験者採用体制を強化し採用数を増加させております。なお、一定の退職者も生じますが、退職者数より入社者数のほうが多いため社員数としては増加しております。2022年12月期の退職率は8.6%となります。
国内採用者数(人)
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2018年12月期 (※1) |
2019年12月期(※1) |
2020年12月期(※1) |
2021年12月期 |
2022年12月期 |
2023年 第3四半期 累計期間 |
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国内新卒 |
70 |
90 |
95 |
98 |
86 |
84 |
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海外新卒(※2) |
36 |
37 |
12 |
25 |
11 |
3 |
|
経験者 |
58 |
42 |
64 |
51 |
110 |
129 |
|
合計 |
164 |
169 |
171 |
174 |
207 |
216 |
※1:2018年度~2020年度は、当社及び旧SOLIZE Engineering株式会社、旧SOLIZE Products株式会社における採用者の合算値であります
※2:海外新卒の採用活動については新型コロナウイルスの感染拡大により2020年以降一旦ストップしております。2021年度、2022年度の海外新卒の入社者については、パンデミックの影響で来日が遅れたメンバーの入社であります
また当社グループは、「お客様の高い期待に応える、プロフェッショナル集団」として在り続けるために、製品開発をリードし続ける人材の創造、新しい手法・道具の創造、進化を続ける企業文化の創造を目指し、業務課題に着目し改善提案の経験を積むことによる提案型エンジニアの育成や、定期的なトレーニング・スキルテスト実施等による継続的な能力向上など、エンジニアの成長を促すための人材育成システムを既に備えており、今後においてもこれを維持・強化して参ります。
一定程度の経験年数を積み重ねたシニアのエンジニア人材については、より高単価な受託開発プロジェクトリーダー、コンサルティングサービスを提供するコンサルタントといった人材に能力をコンバージョンすることで、1人当たりの売上高を増やし、事業を拡大して参ります。そのために、当社グループ内の人材ローテーション等により変革コンサルティングサービスの経験を積んだ人材の育成及び、エンジニアリングサービスもしくはマニュファクチュアリングサービスと変革コンサルティングを組み合わせた提案により、顧客へより高い価値を提供することを追求して参ります。
人材の育成に併せて、新卒者・経験者の採用をさらに強化し、必要な人材確保を進めること、並びに人事制度の充実や面談などの各種施策を通じて定着率の向上を図って参ります
なお、国内の派遣契約におけるエンジニアの平均時間単価、稼働率は以下のとおり推移しております。
国内における派遣契約の平均時間単価(円)
|
|
2020年12月期 |
2021年12月期 |
2022年12月期 |
2023年第3四半期 累計期間 |
|
平均時間単価(※3) |
4,326 |
4,339 |
4,385 |
4,524 |
※3:経験者・新卒含む全派遣契約の平均時間単価(残業代は除く)の平均値であります
国内における派遣ビジネスの稼働率(%)
|
|
2020年12月期 |
2021年12月期 |
2022年12月期 |
2023年第3四半期 累計期間 |
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稼働率(※4) |
85.8% |
87.5% |
94.4% |
94.0% |
※4:派遣技術者数(研修中の従業員を含む)に対する稼働人数の割合を期中平均にて算出しております
②グローバルサポート体制の強化
当社グループは、サービスの海外展開、海外事業の開発に取り組んでおり、海外企業へのサービス提供や、日本企業の海外展開支援を既に行っておりますが、当社グループとして海外市場におけるビジネスチャンスを十分に取り込めているとは言えず、グローバルサポート体制の強化が課題であると認識しております。こうした課題に対して、グループ全体の製品開発における強みを活用した海外事業戦略の実行や、海外市場におけるブランド構築を促進して参ります。
(デザイン事業の課題)
①総合的なデジタルエンジニアリング体制の確立
当社グループは、製品開発のデジタルフェーズにおいて、様々なデジタル技術を駆使しエンジニアリング力を培って参りました。CASE等において製品開発のあり方が大きく変わる中で、これまでの領域ごとに蓄積してきたデジタルエンジニアリング力をより融合した総合的なサービス提供と個別領域でのサービス強化を行って参ります。
総合的なサービス提供という観点では、マニュファクチュアリング事業とも連携し、製品開発における3DプリンターによるAdditive Manufacturingの利点を最大化するための設計及び解析等のエンジニアリングを融合したサービス提供を行って参ります。
MBD領域では、海外のパートナー企業との提携により最新技術の獲得及び蓄積に努めるとともに、電動領域における独自のコアモジュールの開発を進め、より価値の高いMBDサービスの提供を行って参ります。
また、製品そのものや工場におけるIoTで設備等が通信を当たり前に行うようになる中で、製品開発におけるサイバーセキュリティへの対応強化への需要が今後高まると想定しております。本領域においてもデジタルエンジニアリングの重要な領域の一つと捉え、セキュリティエンジニアの育成とサービス提供を開始しており、さらなる体制及びサービス範囲の拡大を行って参ります。
②変革コンサルティングサービスの拡大
当社グループは、エンジニアリングサービスを通じて獲得した各種デジタル技術や開発プロセスや現場への精通に加え、人の判断を可視化する技術を組み合わせてコンサルティングサービスを提供しております。顧客企業においても様々な変革活動が実施されているとともに、経営課題は年々複雑になっております。また当社グループのエンジニアリングサービスの領域も拡張されているため、顧客からのコンサルティングサービス提供領域を拡大する要求が高まると想定しております。そのための人材の採用及び育成を含めた体制及びサービス範囲の拡大を行って参ります。
(マニュファクチュアリング事業の課題)
①金属造形技術の確立と顧客への訴求
3Dプリンターによる短期間での造形は、これまで主に樹脂材料による樹脂パーツの製作が行われておりましたが、金属粉末を材料とした金属造形は、複雑な形状の金属パーツも短期間で製作することが出来、製品開発における更なる期間短縮やコスト削減、性能向上等のニーズに応える技術です。たとえば、従来は複数部品にて製作していたものを、金属造形では一体的に製作することにより、大幅な製作期間の短縮やコストの削減などの効果が見込まれると考えております。この金属造形においては、当社グループが保有するエンジニアリング力と日本最大級の金属3Dプリンター工場を積極的に活用することが重要な課題であると認識しております。
そのために、これまでの樹脂造形で培ったノウハウも活かして金属造形技術を高め、高品質な製品を製作するための運用ノウハウを持った人材の維持・強化と共に、顧客に対して金属造形技術の特徴を訴求し、今後一層の規模と価値の拡大を追求して参ります。
②少量量産領域への事業拡大
3Dプリンター技術の特徴により、金型を使用した成形や切削加工などのこれまでの工法では実現不可能であった形状も作成出来ることから、これまでの概念を覆す魅力や性能をもった製品を生み出す可能性を秘めていること、また、長期にわたる補給部品の金型管理等、メンテナンスコストが大きく低減出来ることなどから、3Dプリンターによる最終製品の製作ニーズが高まっております。
当社グループは、3Dプリンターによって最終製品の補給部品を製造し一部顧客へ納品する事業を開始しておりますが、最終製品を製作するための技術とノウハウを高め、顧客へ少量量産の価値を訴求し、今後一層の規模と価値の拡大を追求して参ります。
(財務上の課題)
当社グループは、グローバルに存在する顧客のあらゆるニーズに応えることを目的として、新規事業や新規技術の開発とそれに必要となる優秀なエンジニアの確保、増強のために採用活動の強化及び入社後の教育・トレーニング等を行っています。一時的な景況の悪化により当社グループへの需要が減少する時期においても、当社グループの成長の源泉である人材を維持するための支出が発生し、財務上の安全性が低下する可能性があります。このような状況に際し、当社グループでは一定程度の資金を確保する他、機動的な資金調達が出来る体制の構築を行うことで対応して参ります。
また、2016年に実施したCSM Software Private Limited(現SOLIZE India Technologies Private Limited)及びCSM Software USA,LLC(現SOLIZE USA Corporation)の買収時のように、一時的にまとまった資金需要が発生し、財務上の安全性が低下するリスクがあるため、機動的な資金調達が出来る体制の構築を進めて参ります。
当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を以下に記載しております。あわせて、必ずしもそのようなリスクに該当しない事項についても、投資者の判断にとって重要であると当社グループが考える事項については、積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、本項の記載内容は当社株式の投資に関する全てのリスクを網羅しているものではありません。
当社グループは、これらのリスクの発生可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容もあわせて慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。
当社グループはリスクを適切にマネジメントするために、グループ横断でのリスク管理委員会を設置しております。本委員会の説明、コーポレート・ガバナンスの体制図等については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」に記載しております。
本項記載の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
1. 事業環境に由来する事項について
(1) 景気動向、自動車関連市場等による影響
[発生可能性:高、影響度:大、発生する可能性のある時期:特定時期なし]
当社グループは、主要取引先が自動車関連メーカーであるため特に国内の自動車関連業界の開発動向に影響を受けやすい状況です。国内自動車関連業界は景気、金利、為替及び消費動向等の経済状況に影響を受ける傾向があり、それらの状況によっては、当社グループの取引先企業の業績が左右され、結果として当社グループの受注状況が影響を受けることにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループとしましては、自動車業界以外の顧客に対する事業拡大、M&Aを含めた海外への進出等により、特定の業界や地域等の影響を受けにくい体質を構築する方針ですが、国内自動車業界の状況が想定以上に悪化した場合は、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
これに加えて、世界の自動車関連業界においては、CASEに代表される変革を背景に次世代技術の研究開発が活発化しております。これに伴い、当社グループを取り巻く事業環境も大きく変化するものと予想されます。例えば、自動車の多機能化や自動車部品の電動化等に伴い、自動車関連業界ではまったく新たな分野での研究開発も必要になり、製品開発におけるニーズは多様化してきていると認識しております。
当社グループでは、このような多様化する顧客ニーズに適応するために、ものづくりのデジタル技術の領域を拡大しながら製品開発を支援して参りました。具体的には、従来の3D技術による設計・解析領域に加えて、MBD・ソフトウエア・XR・デジタルリスク等の技術を活用した事業領域の拡大に取り組んでおります。このほかにも、顧客層の拡大や多様な人材の確保を通じて収益機会の拡大だけでなくノウハウの蓄積も目指して参ります。一方で、これらの施策をもってしても顧客ニーズに適応しきれない場合は、想定どおりの売上高が得られない等の理由により、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、短期的には、世界の政治経済の動きに端を発する外国為替相場の急激な変動があります。これは当社グループの主要顧客が海外市場の動向の影響を受けやすい自動車産業に属し、これら為替相場の変動など急激な経済環境の変化が主要顧客の開発や設計に関わる計画に変更を及ぼすことがあるためであります。他方で、中長期的には自動車の開発や設計に関わる技術やツールの変化、自動車そのものの構造に関わる変化が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
(2) 競争環境による影響
[発生可能性:中、影響度:大、発生する可能性のある時期:特定時期なし]
当社グループの事業はいずれも類似事業を営む企業による事業推進の強化や新規参入等による競合が発生し得る分野であり、競争の激化による受注の減少や受注単価の低下が発生する可能性があります。当社グループとしては、幅広い業務領域への対応能力により顧客ニーズへ素早く対応出来る体制や、当社自身が設計から製造まで幅広く実践している中で蓄積してきた独自の技術による付加価値の提供等により、他社の動向に左右されにくい体制の整備を進めておりますが、競合が急速に進行した場合や競合の影響が甚大な場合は当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 技術革新
[発生可能性:中、影響度:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし]
当社グループが事業展開する分野は、グローバル規模で絶えず技術革新が進められており、当社グループに要求される技術水準や生産能力も年々高まっている状況です。当社グループとしても、社員教育を通じた技術水準の向上や生産設備の新設及び更新を通じた生産能力の向上により、技術革新に対応した事業展開が出来るよう努めているところです。
しかしながら、技術革新の水準が想定以上に進んだ場合又は当社グループの対応が技術革新のスピードより遅れた場合、当社グループの役務提供又は製品供給が顧客の要求水準どおりに実施出来ず、市場における競争力の低下が発生する可能性があり、その場合は想定どおりの売上高が得られない等の理由により当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 原材料の調達
[発生可能性:低、影響度:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし]
当社グループで使用している一部の原材料については、その特性から調達先を特定の仕入先に依存せざるを得ないものがあります。当社グループでは、当該原材料について一定量を保有し、調達の多様化を進めることで、主要な仕入先への依存のリスクを低減しておりますが、主要な仕入先の業績の悪化又は政策の変更等によりこれらの調達が困難になる可能性も考えられ、その場合は当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 為替相場の変動による影響
[発生可能性:高、影響度:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし]
当社グループは、北米、欧州、インド、中国等の企業と取引を行っており、米ドルやユーロ等の外貨建てで取引されているサービスの価格は為替相場の影響を受けるため、為替相場の変動状況によっては、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、海外関係会社の現地通貨建ての財務諸表は、連結財務諸表作成の際に円換算されるため、円換算する際の為替レートによっては、為替換算調整勘定を通じて連結財務諸表の純資産の部が変動する可能性があります。
(6) 海外情勢の変化による影響
[発生可能性:中、影響度:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし]
当社グループは海外に子会社を有しており、販売先や仕入先等の取引先も海外に幅広く存在しております。また、今後についても海外での事業展開を積極的に図っていく方針です。このような状況下において、進出国における法令、政治、経済及び文化等の様々なカントリーリスクを有しております。
当社グループは現地の動向を随時把握し、適時適切に対応していく方針でありますが、不測の事態が発生し事業の推進に障害が発生する場合は、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 減損損失
[発生可能性:大、影響度:小、発生する可能性のある時期:特定時期なし]
当社グループは、有形固定資産やのれん等の固定資産を保有しております。これらの資産については減損に係わる会計基準に従い、定期的に固定資産の減損の兆候を判定し、兆候がある場合は保有資産の将来キャッシュ・フロー等を算定し、減損損失の認識・測定を行っており、減損処理が必要な資産については適切に処理を行っております。しかし、将来の環境変化により将来キャッシュ・フロー見込額が減少した場合には、追加の減損処理により、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
2. 事業内容に由来する事項について
(1) 事業運営における重要な契約について
① 3Dプリンターに関する代理店契約
[発生可能性:小、影響度:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし]
マニュファクチュアリング事業は、米国3D Systems社及び株式会社スリーディー・システムズ・ジャパン社と3D Systems社製3Dプリンターの日本国内における装置販売及び保守に関する代理店契約を締結、また株式会社日本HPとHP社製3Dプリンターの日本国内における装置販売に関する代理店契約を締結しております。これらの契約は、当社又は相手先から契約解除の申し出がない限り自動的に契約更新がなされることとなっており、今後につきましても現状の良好な取引関係を継続していく方針です。しかしながら、契約の内容の変更又は解消等が発生した場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
② 重要な事業拠点の賃借契約
[発生可能性:小、影響度:大、発生する可能性のある時期:2026年]
当社グループでは、重要な事業拠点として以下の賃借契約を締結しております。
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事業所名 |
セグメント名称 |
所在地 |
契約開始時期 |
契約終了時期 |
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Global Engineering Center-Yamato |
デザイン事業 マニュファクチュアリング事業 全社(共通) |
神奈川県 大和市 |
2021年8月 |
2026年7月 |
現時点においては、賃貸人と当社グループとの関係は良好であり、賃貸人から契約期間中の解約の申し出がなされる可能性は低いものと考えておりますが、賃貸人側の事情等により予期せぬ解約の申し出がなされる可能性があります。その場合、代替となる事業拠点が適時適切に確保出来ず操業が停止したり事業拠点の移転に伴う費用が発生したりすることにより、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(2) エンジニアの確保及び育成
[発生可能性:大、影響度:大、発生する可能性のある時期:特定時期なし]
当社グループは、デジタル技術を核とする製品開発ノウハウに基づき、グローバルに製品開発サポートを行う企業集団でありますが、エンジニアは重要な経営資源であり、かつ今後の事業拡大の重要な要素であると捉えているため、当社グループの事業の継続及び拡大にあたっては顧客企業の要求水準に応える優秀な人材を確保し、さらには常に最先端の技術に対応出来るエンジニアの育成が不可欠であると考えております。
エンジニアの確保については、国内・海外で積極的に実施しており、国内においては、全国の理工系大学の訪問やホームページ及び求人サイト等のインターネット媒体の活用等だけでなく、国内拠点の近隣に限らず全国主要都市での会社説明会の開催等、新たな採用戦略を進めております。海外においては、グループの海外拠点を活用した採用活動に加えて、優秀なエンジニアを多く輩出している東南アジア諸国からの採用等を展開しております。
育成についても、継続的に成長を促すための人材育成システム及びスキルアップ支援体制等の施策により、人的資源の活性化に取り組んでおります。
しかしながら、当社グループの求める人材の確保が計画どおりに進まない場合や現在在職している人材の予想を上回る流出が発生した場合、売上高の減少や売上原価率の上昇につながる恐れがあり、結果として当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(3) M&Aについて
[発生可能性:中、影響度:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし]
当社グループは、デジタル技術を駆使するグローバルエンジニアリング企業として顧客並びに技術獲得の早期化と事業成長のために、M&Aをその有効な手段の1つとして位置付けており、今後も必要に応じてM&Aを実施する可能性があります。
M&Aに際しては、対象企業のビジネス、財務内容及び法務等について詳細なデューデリジェンスを行い、各種リスクの低減を図る方針でありますが、これらの調査の段階で確認又は想定されなかった事象がM&Aの実行後に発生又は判明した場合や、M&A実施後の事業展開が計画どおりに進まない可能性があり、その場合は当社グループが当初期待した業績への寄与の効果が得られない可能性があることに加えて、対象企業の投資価値の減損処理が必要になることも考えられ、当社グループの財政状態及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 特定取引先への依存
[発生可能性:小、影響度:大、発生する可能性のある時期:特定時期なし]
当社グループの有力販売先の1つに本田技研工業株式会社があります。2022年12月期において、同社に対する売上高は、当社グループの売上高の23.4%を占めており、販売先の中でも比率が高い状況にあります。
当社グループは、同社に限らず各取引先との良好な取引関係を維持していくよう努めていくと同時に、新規事業の伸長や海外を含めた新規取引先の開拓により、特定の取引先の動向に左右されにくい環境を構築していく方針です。しかしながら、上記環境の構築が進まなかった場合、同社の方針の変更やその他の何らかの事情により、当社グループとの取引の減少や取引条件の変更等により、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 経営成績の季節等による変動
[発生可能性:大、影響度:小、発生する可能性のある時期:特定時期なし]
当社グループは、顧客企業に対し製品開発ノウハウやデジタル技術等を顧客企業オンサイトでのサービス提供も実施しております。オンサイトでのサービス提供の場合、主な契約形態として請負契約・準委任契約・派遣契約があり、特に準委任契約・派遣契約の場合、売上高がエンジニアの稼働時間に応じて変動するため、各月の稼働日や時間外業務時間数の多寡が売上高及び利益に影響を及ぼすこととなります。特に、夏季休暇や年末年始等の顧客企業の大型連休の時期はエンジニアの稼働日数が減少することが多いため、これらの時期の売上高及び利益の水準は、他の時期と比較して落ち込む傾向にあります。また、当社グループの新入社員は、研修期間を経て一般的に毎年7月以降にエンジニアリング等の業務に就きます。よって新入社員の稼働に伴い7月以降の売上高及び利益の水準を6月以前と比較して押し上げる要因となりますが、新入社員の稼働が計画どおりに進まなかった場合に、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 3Dプリンター装置の販売について
[発生可能性:大、影響度:小、発生する可能性のある時期:特定時期なし]
当社グループは、3Dプリンター装置の販売を行っております。3Dプリンター装置の販売については検収基準で売上高が認識されますが、特に受注の時期は顧客企業の都合により左右されることがあるため、当社グループが予定した時期に売上高を認識出来ないことがあります。当社グループとしては、顧客企業に対し3Dプリンターの特長等を訴求することにより、円滑な受注及び検収が実現するよう努めておりますが、売上高の認識の時期が当初の予定と相違した場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 新規事業の展開によるリスク
[発生可能性:中、影響度:小、発生する可能性のある時期:特定時期なし]
当社グループは、事業規模の拡大と高収益化を目的として、既存事業に留まらず、新規事業の開発に積極的に取り組んでいく方針であります。既存事業よりリスクが高いことを認識しておりますが、企業価値のさらなる拡大を目指すには、市場成長性の高い分野への進出や新規市場の創造が不可欠であると考えております。
新規事業への取り組みは、綿密な市場調査・分析や、入念な事業計画を策定するなどを行っておりますが、予測と異なる状況が発生し計画通りに進まない場合には、当社の事業及び経営計画に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 法的規制
[発生可能性:小、影響度:大、発生する可能性のある時期:特定時期なし]
① デザイン事業に関する法的規制
当社グループは、デザイン事業の実施にあたり、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(以下、「労働者派遣法」という。)」に基づく労働者派遣事業の許可を受けております。当社グループでは、規程の整備及び役職員への教育等を通じて関係諸法令を遵守するよう努めており、本書提出日現在において、当社グループが労働者派遣事業の許可取消し等の事由に該当する事実はないと認識しておりますが、仮に労働者派遣法に定める派遣元事業主としての取消し等の事由等に該当した場合には事業の継続に支障を来す恐れがあり、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、労働者派遣法を始めとする関係諸法令は、「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律」など社会情勢及び経済環境の変化等に伴い改正されることがあります。今後改正が行われる場合に、改正内容が当社グループの事業にとって不利なものである場合は、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(許可の状況について)
|
会社名 |
許可の名称 (許可番号) |
監督官庁 |
有効期限 |
|
SOLIZE株式会社 |
労働者派遣事業 (派13-315070) |
厚生労働省 |
2028年10月31日 |
(許可の取り消し等の事由)
労働者派遣法において、労働者派遣事業を行おうとする者(法人である場合には、その役員を含む)が、法令違反等の許可の欠格事由(第6条)又は許可の取消事由(第14条)に該当した場合には、事業の全部又は一部の停止を命じることや許可の取消し等が出来る旨が規定されております。
このほか、当社グループが実施している請負についても、「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」(昭和61年労働省告示第37号)に準拠する必要があります。これについても労働者派遣法と同様の方法でその遵守に努めており、本書提出日現在において、当該基準に抵触する事実はないと認識しておりますが、仮に当社グループが請負で受託した取引が実質的に労働者派遣とみなされ労働者派遣法に違反するような場合は、業務停止等の行政処分により、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
② その他の法的規制
その他にも、当社グループがマニュファクチュアリング事業で使用している各工場において消防法及び関連法令の適用を受けている他、日本国内のみならず、事業活動を行う世界各国において様々な法的規制を受ける場合があります。当社グループでは、「グループコンプライアンス規程」を制定しグループ内へ周知徹底するとともに、グループ内での定期的なコンプライアンス研修の実施、法務担当部門における法的規制の改正の確認及び顧問弁護士との連携等の各種施策を講じることにより、法的規制に抵触するリスクを低減するよう努めております。しかしながら、当社グループが何らかの理由で法的規制を遵守出来なかった場合や法的規制に重要な変更が発生した場合等には、当社グループの事業の推進に障害が発生したり、対応のためのコストが発生したりすることが考えられ、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 個人情報等の管理
[発生可能性:小、影響度:大、発生する可能性のある時期:特定時期なし]
当社グループは、「個人情報の保護に関する法律」で規定する個人情報取扱事業者として同法の適用を受けており、事業を通じて顧客及び従業員等の個人情報を保有しております。当社グループでは個人情報の管理について、「個人情報保護規程」等による厳格なルールを設けて対応しておりますが、万一個人情報の漏洩等が発生した場合にはその対応のための費用が発生し、さらには当社グループの信用にも影響が出ることが想定されるため、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 情報セキュリティ
[発生可能性:中、影響度:大、発生する可能性のある時期:特定時期なし]
当社グループでは、顧客企業の機密情報を大量に取り扱っております。そのため、機密情報の取り扱い等の情報セキュリティに関する規程を整備・運用し、毎年役職員への情報セキュリティの研修も実施しております。さらに、ネットワークセキュリティ等のハード面でのセキュリティ強化や、事務所や施設へのアクセス制限等の管理も行っており、機密情報の漏えいに対する対策を講じております。
このような対策にも関わらず、機密情報の外部への漏えい等が起こった場合には、顧客企業から当社グループへの損害賠償請求等が発生することが想定され、その場合は当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
3. その他について
(1) 過去の民事再生手続について
[過去の発生事実のため、発生可能性・影響度・発生する可能性のある時期については省略]
当社は過去に民事再生法の適用を受けております。その経緯は以下のとおりです。
① 民事再生手続開始申立から民事再生手続終結までの経過
当社における民事再生手続開始の申立てから民事再生手続終結に至るまでの経緯は以下のとおりです。
|
2009年2月25日 |
東京地方裁判所へ民事再生法に基づく民事再生手続開始の申立て |
|
2009年3月4日 |
東京地方裁判所の再生手続開始決定 |
|
2009年10月2日 |
東京地方裁判所へ再生計画案を提出 |
|
2009年11月10日 |
東京地方裁判所の再生計画認可決定確定 |
|
2012年11月12日 |
東京地方裁判所の民事再生手続終結決定を受領 |
② 民事再生手続に至った経過と原因
当社は1990年の設立以来、3D CADを基軸とした金型の設計・試作・製造や製造工程の効率化を実現するコンサルティングサービスを事業として運営しておりました。しかし、2008年に発生した世界金融危機を契機に、当社の主要顧客が属する自動車業界の景況も悪化したため、2008年12月期の当社の売上高は大幅に落ち込むこととなり、この状況は2009年に入っても改善傾向が見られませんでした。これに加え、将来的な事業規模の拡大を企図して建設した工場にかかる有利子負債の元利金負担及び本社ビルの賃借料負担が大きく、資金繰りが逼迫する事態となりました。当該状況を改善すべく、営業戦略の見直し及び経費削減に着手しようとしましたが、資金繰りが立ち行かなくなったため、やむを得ず2009年2月25日に東京地方裁判所へ民事再生手続開始の申立てを行うに至りました。
再生手続にあたっては、本社ビルの移転、工場の売却、人件費の削減及びその他の経費の削減を実施したほか、経営責任を問う趣旨で民事再生手続開始申立て前に在籍していた取締役がすべて退任し、株主責任を明確化する趣旨で100%減資も実施しております。
(2) 一般財団法人SOLIZE財団との関係
[発生可能性:小、影響度:小、発生する可能性のある時期:特定時期なし]
一般財団法人SOLIZE財団(以下、「同財団」という。)は、人の知恵と技術を活かして社会課題を解決することを目的に、社会課題の解決を志向する個人又は団体への活動資金の助成、学術的研究に対する助成等を行う財団として2022年4月に設立され、本書提出日現在、当社株式16,600株を保有しております。今後、同財団は当社株式から得られる配当金、当社からの寄付金及び一般からの寄付金を主な原資として運営する予定となっています。同財団が保有する当社株式数については、助成金の対象範囲を拡大するための原資の確保の趣旨から将来的に増加する可能性がありますが、本書提出日現在において具体的に決定している事項はありません。
同財団の理事は5名選任されていますが、そのうち3名は当社の役職員が兼職により同財団の理事として就任しております。当社としましては、同財団の議決権行使に係る独立性の確保のため、当社株式の議決権行使に係る理事会決議に当社役職員を兼職する理事は参加しない方針としております。また、同財団は公益財団法人への移行も視野に入れており、その移行のための認定の基準を充足する観点から、当社の役職員又はその関係者ではない者を同財団の理事に追加で招聘する可能性があります。
このほか、本書提出日時点で同財団は当社の関連当事者に該当しております。当社は、関連当事者との取引については、取引の必要性を含め一般株主の利益保護の観点から極めて慎重に判断する方針です。この点、同財団の事務局を当社の職員1名が兼職することにより対応しておりますが、これは「知恵と技術をエンジニアリングし、価値創造を革新する」、「『本質的に美しいものづくり』を実現する」という使命を掲げる当社が同財団の活動方針に賛同し、CSR活動の一環として行っているものであり、当面の間継続して実施する方針です。これ以外に、当社と同財団との間で特別な利害関係はありません。
(3) 訴訟
[発生可能性:小、影響度:小、発生する可能性のある時期:特定時期なし]
本書提出日現在、当社グループの業績に重要な影響を及ぼすような訴訟を提起されている事実はありません。一方で、事業を推進するうえでは訴訟が発生する可能性が日常的に存在します。さらに、当社グループの場合は海外でも事業を展開しているため、海外においても予期しない訴訟が発生する可能性もあります。
当社グループでは、「グループコンプライアンス規程」及び「グループリスク管理規程」の制定、コンプライアンス委員会及びリスク管理委員会の設置並びに社内教育による法令遵守の周知徹底等、多様な手段を講じ可能な限り訴訟を受ける可能性を排除するための内部管理体制を整備しております。しかしながら、何らかの訴訟を受けた場合、その内容及び結果によっては、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 災害等が発生した場合の影響
[発生可能性:小、影響度:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし]
当社グループは、国内外で事業を展開しており、大地震、台風等の自然災害や事故、火災等により、生産の停止、設備の損壊や電力供給不足等の不測の事態が発生した場合には、当社グループの事業活動に支障が発生する可能性があります。また、当社グループの責に帰すべき事故等が発生した場合には、損害賠償請求等を受ける可能性があります。このような場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 社会保険料率の上昇
[発生可能性:中、影響度:小、発生する可能性のある時期:特定時期なし]
当社グループのデザイン事業においては、エンジニアが経営資源の中心となるため、売上原価の大半が労務費で構成されております。このため、社会保険料の料率が上昇した場合は売上原価率の増加につながる恐れがあります。
当社グループとしては、稼働率の適時な見直し、業務の効率化及び単価の改定等により影響を最小限に抑制する方針ではあるものの、料率変更が想定以上に大きくなった場合は、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 大株主について
[発生可能性:低、影響度:小、発生する可能性のある時期:特定時期なし]
当社の株主である古河未由紀氏、古河摩耶氏、古河慶純氏、古河陽純氏及び古河真季氏は、当社の元取締役である古河建規氏の親族であり、古河建規氏の逝去に伴いその所有していた当社株式を相続により取得しており、本書提出日現在の議決権比率は合計で38.6%となっております。これらの株主と当社との間には特記すべき利害関係がない状況ですが、これらの株主が所有する当社株式について、少なくとも当社が知り得る限りにおいて短期的にはその数が増減するような事象は識別されておらず、またその議決権行使に当たっては、株主共同の利益を追求する方針であると聞き及んでおります。しかしながら、将来的に何らかの事情によりこれらの株主の所有株式数が増減した場合には、当社株式の市場価格及び議決権行使の状況等に影響が及ぶ可能性があります。
(7) 資本政策について
[発生可能性:低、影響度:小、発生する可能性のある時期:特定時期なし]
当社は、本書提出日現在、自己株式を1,950,000株(発行済株式総数に対して32.5%)保有しております。上場時の自己株式の処分によりこの比率は10%台の水準に低下する見込みです。残りの自己株式については、主に現在発行済みの新株予約権(目的となる株式の数は合計555,600株であり、本書提出日現在の発行済株式総数の9.3%に相当)の行使がなされた場合に、新株の発行に代えて交付することを予定しております。ただし、今後何らかの事情により資本政策を変更する可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
なお、当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。
経営成績及びキャッシュ・フローに関する説明における前年同期との比較、並びに財政状態に関する説明における前連結会計年度末との比較については、当該会計基準等を適用する前の前連結会計年度の数値を用いて比較しております。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表[注記事項](会計方針の変更)」に記載のとおりであります。
①財政状態の状況
第33期連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は前連結会計年度末に比べて1,149百万円増加し、13,669百万円となりました。主な増加要因は、営業キャッシュ・フローの創出等による現金及び預金の増加387百万円、取引量の拡大に伴う契約資産の増加291百万円、並びに、受取手形及び売掛金の増加194百万円等により、流動資産が859百万円増加、コーポレートベンチャーキャピタルの投資による投資有価証券の増加や繰延税金資産の増加等により、投資その他の資産の増加が365百万円となっております。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は前連結会計年度末に比べて491百万円増加し、3,345百万円となりました。主な増減要因は、賞与支給時期の変更等による賞与引当金の増加486百万円、課税所得の増加等による未払法人税等の増加272百万円、取引量の増加等による未払消費税等の増加141百万円、人件費計上方法の変更等による未払費用の減少225百万円等に伴う流動負債の増加525百万円、リース料の支払い等による固定負債の減少33百万円となっております。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は前連結会計年度末に比べて658百万円増加し、10,324百万円となりました。主な増加要因は、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したこと等による利益剰余金の増加502百万円、円安の進行により為替換算調整勘定の増加155百万円となっております。
第34期第3四半期連結累計期間(自 2023年1月1日 至 2023年9月30日)
(資産)
当第3四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べて1,288百万円減少し、12,380百万円となりました。前連結会計年度末より、自己株式の取得等により現金及び預金が1,871百万円減少した一方、取引高の増加等により受取手形、売掛金及び契約資産が550百万円増加したことが主な要因となっております。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて377百万円減少し、2,967百万円となりました。前連結会計年度末より、賞与の支払により賞与引当金が437百万円減少、さらに、法人税等の納付により未払法人税等が306百万円減少した一方、社会保険料の増加等による預り金等その他の流動負債が198百万円増加、第3四半期の末日が休日のため支払いを第4四半期に行ったこと等の影響により未払費用が146百万円増加したこと等が主な要因となっております。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べて910百万円減少し、9,413百万円となりました。自己株式の取得により1,122百万円減少した一方、利益剰余金が112百万円増加、円安の進行により為替換算調整勘定が99百万円増加したことが主な要因となっております。
②経営成績の状況
第33期連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
当社グループを取り巻く経済環境は、第1四半期よりロシアのウクライナ侵攻による資材価格高騰や中国都市部におけるロックダウン、世界的なインフレや金利上昇等により国内大企業製造業の景況感としては悪化した一方、当社グループの主要顧客が属する自動車産業においては、年後半以降、中国におけるロックダウンの解除や部品供給不足による生産制約が和らぐことへの期待から景況感がやや持ち直して参りました。このような状況の中、当社グループの売上高は前連結会計年度より12.5%増加し17,827百万円、営業利益は421.7%増加し680百万円、経常利益は48.1%増加し711百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は94.1%増加し566百万円となりました。
(デザイン事業)
デザイン事業の市場は、自動車産業の顧客を中心に前連結会計年度より需要環境が改善して参りました。このような環境の中、自動車産業や重工業の設計開発部門に対するエンジニア派遣、及び、自動車の設計開発分野やサイバーセキュリティ分野等における開発受託案件の受注を拡大して参りました。設計開発や解析を行うエンジニアの採用を促進し費用が先行、セグメントの利益率を低下させる面もありましたが、当期の収益拡大に資することとなりました。また、変革コンサルティングの分野においては、AIサービスの製品開発を促進し、鉄鋼業界においても生産性向上を目的としたプロジェクト等で受注を拡大して参りました。
これらの結果、デザイン事業の売上高は前連結会計年度より17.0%増加し14,373百万円、セグメント利益は269.4%増加し781百万円となりました。
(マニュファクチュアリング事業)
マニュファクチュアリング事業の市場における需要環境は、前連結会計年度から全体としては概ね横ばいであったと認識しております。建機や自動車関連企業を中心とした当社グループの既存顧客基盤に対する3Dプリンターを利用した試作サービスを提供、また3Dプリンター装置の販売を促進して参りました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の拡大の際に落ち込んだ売上高が未だ回復途上で低調な状態であったこと、並びに、積極的な研究開発活動を実施しており、セグメント損益の負担となりました。
これらの結果、マニュファクチュアリング事業の売上高は前連結会計年度より3.2%減少し3,454百万円、セグメント損失は20百万円増加し101百万円となりました。
(グループ全体)
その他、グループ全体で補助金収入等の減少により営業外収益は310百万円減少し56百万円となりました。また投資事業組合運用損の発生等により営業外費用は8百万円増加し25百万円となりました。
第34期第3四半期連結累計期間(自 2023年1月1日 至 2023年9月30日)
当社は、前第3四半期連結累計期間については四半期連結財務諸表を作成していないため、前年同四半期連
結累計期間との比較分析は行っておりません。
当第3四半期連結累計期間の当社グループを取巻く経済環境は、改善する傾向が継続しました。当社グループの主要顧客の属する自動車業界においては、中国経済の動向に対する警戒感から先行きの景況感がやや悪化しましたが、半導体不足等の供給制約が緩和する傾向が継続し、足元の景況感は改善しました。このような状況の中、当第3四半期連結累計期間の当社グループの連結売上高は14,492百万円、営業利益は425百万円、経常利益は433百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は282百万円となりました。
(デザイン事業)
デザイン事業の市場環境は、自動車メーカーを始めとした輸送用機器産業の景況感の改善が継続し、当社サービスに対する好調な需要も継続いたしました。特にエンジニア派遣や3D CADによる設計開発の受託、変革コンサルティングサービスに関連する需要の好調が継続しました。このような環境の中、当社グループは、自動車以外の新規顧客に対する派遣エンジニア増員の提案を推進した他、既存顧客に対しても設計開発やプロセス改善等のコンサルティング提案等を実施、さらに、第三者検証等ソフトウエア開発の受託においても受注を拡大して参りました。これらの結果、デザイン事業の売上高は11,812百万円、セグメント利益は582百万円となりました。
(マニュファクチュアリング事業)
マニュファクチュアリング事業の市場環境においては、第2四半期連結累計期間より引続き、3Dプリンターによる試作品に対する需要が弱い状況となり、厳しい環境が継続することとなりました。このような環境の中、当社グループは自動車部品メーカー等の顧客に対し蓄積してきた知見を活かし3Dプリンターの販売を促進して参りました。これらの結果、マニュファクチュアリング事業の売上高は2,679百万円、セグメント損失は156百万円となりました。
③キャッシュ・フローの状況
第33期連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は7,281百万円となり、前連結会計年度末と比較し397百万円の増加となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と増減の要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、867百万円の収入となりました。主な内訳は、収入として税金等調整前当期純利益701百万円、減価償却費187百万円、賞与引当金の増加額486百万円、未払消費税等の増加額168百万円、法人税等の還付額67百万円等、支出として売上債権及び契約資産の増加額404百万円、未払給与及び未払賞与の減少等その他の営業活動によるキャッシュ・フローの減少460百万円等となっております。前連結会計年度との比較では、営業活動によるキャッシュ・フローは596百万円増加しました。主な増加の要因は、業績の改善により税金等調整前当期純利益が363百万円、賞与支給時期の変更等により賞与引当金の増加額が419百万円、売上債権及び契約資産の増加額の減少が149百万円、未払消費税等の増加額が201百万円等、主な減少の要因は、減損損失の減少142百万円、その他の営業キャッシュ・フローの減少465百万円等となっております。
投資活動によるキャッシュ・フローは、408百万円の支出となりました。主な支出の内訳は、コーポレートベンチャーキャピタル等への出資による投資有価証券の取得による支出199百万円、3Dプリンター等有形固定資産の取得による支出157百万円となっております。前連結会計年度との比較では、出資による投資有価証券の取得による支出が199百万円増加した一方、有形固定資産の取得による支出が132百万円減少、無形固定資産の取得による支出が197百万円減少し、投資活動によるキャッシュ・フローは119百万円の支出減少となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、129百万円の支出となりました。支出の内訳は、配当金の支払額87百万円、子会社SOLIZE India Technologies Private Limitedにおけるリース料等その他の財務キャッシュ・フロー42百万円の支出となっております。前連結会計年度との比較では、上記の項目の増加により、財務活動によるキャッシュ・フローは95百万円の支出増加となりました。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度及び第34期第3四半期連結累計期間の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) |
第34期第3四半期連結累計期間 (自 2023年1月1日 至 2023年9月30日) |
|
|
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
金額(百万円) |
|
|
マニュファクチュアリング事業 |
2,101 |
103.8 |
1,589 |
(注)1.金額は製造原価によっております。
2.セグメント間取引については、相殺消去しております。
3.デザイン事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当連結会計年度及び第34期第3四半期連結累計期間の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) |
第34期第3四半期連結累計期間 (自 2023年1月1日 至 2023年9月30日) |
||||
|
受注高 (百万円) |
前年同期比 (%) |
受注残高 (百万円) |
前年同期比 (%) |
受注高 (百万円) |
受注残高 (百万円) |
|
|
デザイン事業 |
14,609 |
117.1 |
701 |
150.5 |
11,859 |
760 |
|
マニュファクチュアリング事業 |
3,494 |
98.1 |
68 |
247.1 |
2,691 |
80 |
|
合計 |
18,104 |
112.9 |
770 |
156.0 |
14,551 |
840 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.「収益認識に関する会計基準」等を当連結会計年度の期首から適用しております。前期比については前連結会計年度における「収益認識に関する会計基準」等の適用前の受注高及び受注残高と比較しております。
c.販売実績
当連結会計年度及び第34期第3四半期連結累計期間の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) |
第34期第3四半期連結累計期間 (自 2023年1月1日 至 2023年9月30日) |
|
|
|
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
金額(百万円) |
|
デザイン事業 |
14,373 |
117.0 |
11,812 |
|
マニュファクチュアリング事業 |
3,454 |
96.8 |
2,679 |
|
合計 |
17,827 |
112.5 |
14,492 |
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.「収益認識に関する会計基準」等を当連結会計年度の期首から適用しております。前期比については前連結会計年度における「収益認識に関する会計基準」等の適用前の販売実績と比較しております。
3.最近2連結会計年度及び第34期第3四半期連結累計期間の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2021年1月1日 至 2021年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) |
第34期第3四半期連結累計期間 (自 2023年1月1日 至 2023年9月30日) |
|||
|
金額 (百万円) |
割合 (%) |
金額 (百万円) |
割合 (%) |
金額 (百万円) |
割合 (%) |
|
|
本田技研工業株式会社 |
3,881 |
24.5 |
4,169 |
23.4 |
3,620 |
25.0 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績に関する認識及び分析・検討内容
(財政状態)
当連結会計年度末の流動比率は375.1%となり引続き高い流動性を維持し、固定比率は20.4%となり安全性を維持しております。短期及び長期の借入債務はありません。
(経営成績)
当社グループの主要顧客の属する自動車産業は、引き続き自動運転や新規技術による自動車の設計開発に関する技術について激しい競争環境におかれ、各社先行的に研究開発や新規技術の開発を促進している状況にあります。当連結会計年度の事業環境は、総じて大企業製造業の景況感が悪化する中、年度の後半において当社グループの主要顧客が属する自動車産業においてやや回復する傾向となり、顧客の開発意欲は比較的堅調に推移することとなりました。このような環境において、当社グループは顧客への提案力の強化等を進め、エンジニア派遣、設計開発に関する受託や試作の分野で成長することができました。デザイン事業においては、足元の堅調な受注状況を踏まえてエンジニアの採用を継続、マニュファクチュアリング事業においては、試作事業の受注及び生産の回復を促進して参りました。これらの結果、グループ全体として前連結会計年度に比べて増収、営業増益の結果となり、積極的な採用によりエンジニア数も順調に増加しております。
また、当社グループは工業製品の設計開発の分野において、常に顧客よりも技術及び関連する知見について先行し、顧客サービスの品質向上とより広い顧客ニーズに応えるためのサービス分野の拡大を重要な戦略の一つとしております。そのため、このような技術及び知見の発展と蓄積、及び、実際にこれらを推進することのできるエンジニアやコンサルタントの人財開発を重点的に行い、将来のリターン獲得を目的とした投資的な活動経費として研究開発費以外に282百万円を費用計上しております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、自動車産業を中心とする製造事業者に対して、当社グループエンジニアによる製品開発・設計の請負サービス、及びエンジニア派遣サービスを提供、また3Dプリンター等の造形設備を利用した試作モデル製造販売及び少量多品種製品の製造販売を行っております。そのため当社グループには、エンジニアやコンサルタント等人材への投資、製品の設計開発を行う専用ソフト等のツールへの投資、3D造形設備への投資、及びその原材料費の支払や人件費等運転資金に対して資金の需要があります。当連結会計年度においては外部からの借入等による資金調達の必要は無く、これらの資金需要に対して自己資本で賄っております。流動性について、当連結会計年度末において7,281百万円の現金及び現金同等物を保有し、当社グループの事業運営上十分な流動性を確保していると考えております。当連結会計年度末における自己資本比率は75.5%となっており今後も安全性の高い資本構成を継続する考えであります。2016年に実施したCSM Software Private Limited(現SOLIZE India Technologies Private Limited)及びCSM Software USA,LLC(現SOLIZE USA Corporation)の買収時のように、一時的にまとまった資金需要が発生し、資金の流動性が低下するリスクがあるため、借入等機動的な資金調達が出来る体制の構築を進めて参ります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っていますが、見積りには不確実性を伴うため、実際の結果は、これらと異なることがあります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表[注記事項](重要な会計上の見積り)」に記載しております。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下の
とおりであります。
(固定資産の減損)
当社グループは、継続的に収支の把握を行っている管理会計上の事業区分に基づき資産のグルーピングをし、減損の兆候の有無を判定しております。減損の兆候があった場合、将来キャッシュ・フローを見積り、減損の要否を判定しております。判定の結果、減損が必要と判断された資産については、帳簿価額を回収可能価額まで減損処理をしております。
(繰延税金資産の回収可能性)
当社グループは、将来の課税所得を合理的に見積り、繰延税金資産の回収可能性の判断をしております。将来の
課税所得に関する予測は、中期経営計画等をもとに行っているため、経営環境等の変化により、課税所得の見積りの変更が必要となった場合には、繰延税金資産の計上額が変動し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
④経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等についての分析
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するため、当社グループでは売上高対前年増加率及び営業利益額を重視するとともに、売上高の大部分を占める構成要素である国内エンジニア数(含 コンサルタント)を客観的な指標としております。顧客ニーズに応えるため、提供するサービスのラインナップを拡充、グローバルにもサービス提供が出来るキャパシティを確保することを目指し、売上高の成長率を重要な目標と考えております。また、当社グループサービスの本業による付加価値の拡大を目指し、営業利益の成長を重要な目標と考えております。
当連結会計年度においては、売上高対前年増加率12.5%、営業利益は680百万円となりました。また、国内エンジニア数(含 コンサルタント)は1,205名(対前年比104名増加)となりました。2022年12月期から新卒採用に加え、経験者を積極的に採用していくこととした結果、2022年12月期及び2023年第3四半期は大きく伸長しました。国内エンジニア数(含 コンサルタント)の推移は以下の通りです。
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2020年12月期 |
2021年12月期 |
2022年12月期 |
2023年第3四半期 |
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国内エンジニア数(人) |
1,060 |
1,101 |
1,205 |
1,287 |
代理店契約
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契約会社名 |
相手方の名称 |
国名 |
契約名称 |
契約期間 |
主な契約内容 |
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SOLIZE株式会社 (当社) |
3D Systems Corporation |
米国 |
代理店 契約 |
2016年1月1日 から自動更新(注) |
米国3D Systems社製3Dプリンターの日本国内における装置販売及び保守に関する代理店契約 |
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株式会社スリーディー・システムズ・ジャパン |
日本 |
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契約会社名 |
相手方の名称 |
国名 |
契約名称 |
契約期間 |
主な契約内容 |
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SOLIZE株式会社 (当社) |
株式会社日本HP |
日本 |
代理店 契約 |
2019年4月1日から自動更新(注) |
HP社製3Dプリンターの日本国内における装置販売に関する代理店契約 |
(注) 当社又は相手先から契約解除の申し出がない限り、自動的に契約更新がされるものであります。
第33期連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
自動車産業の技術環境が大きく変化する中、当社グループを持続的な成長へと導くことの出来る人材の育成と技術の開発に早急に取り組むことを目的として、2018年4月にSOLIZEテクノロジーラボを設立しました。当連結会計年度、SOLIZEテクノロジーラボでは持続可能なものづくりの実現に向けて、自動車部品に関する環境配慮設計、3Dプリンターによる製品製造のCO2排出量を算定するツールの開発、木材を利用した家電の試作品製造など、ライフサイクルエンジニアリングに関する研究開発を促進して参りました。SOLIZEテクノロジーラボにおける当連結会計年度の研究開発費は58百万円となりました。
デザイン事業においては、熟練エンジニアの暗黙知を形式知化するAIを利用したソフトウエア製品開発に係わる研究開発を実施、これらの結果、当連結会計年度のデザイン事業の研究開発費は
マニュファクチュアリング事業においては、3Dプリンターによる製品製造について、その材料や形状、加工技術、及び、製造プロセス等に関する研究を継続して参りました。マニュファクチュアリング事業における当連結会計年度の研究開発費は
以上の結果、当社グループ全体の研究開発費の金額は
第34期第3四半期連結累計期間(自 2023年1月1日 至 2023年9月30日)
当第3四半期連結累計期間の研究開発費は151百万円となりました。当第3四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の計画に大きな変更はありません。概ね当初の計画通り、デザイン事業においてAIを利用したソフトウエア製品の開発、及び、自動運転に関する研究、マニュファクチュアリング事業において3Dプリンターによる少量量産に関する研究開発を、それぞれ進めております。