当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前連結会計年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当社グループを取巻く経済環境は厳しいものとなりました。当社グループの主要顧客の属する自動車産業では、米国関税政策の動向から不透明感が増し、足元、先行きともに景況感が悪化しました。このような環境の中において、自動車メーカー等の主要顧客の間では激しい技術開発競争が継続しているものの、一部に開発コストを抑制する動きが出始めることとなりました。当社グループは、当中間連結会計期間において、グローバルに展開する顧客ニーズに応えるためカナダ及びタイ王国に拠点を設立、カナダにおいてはエンジニアリング人材サービスを展開する事業の買収を行い、サービスの提供を開始いたしました。また技術領域においても拡大を継続、AIソリューションのサービス提供の促進、新規の3DプリンターメーカーRoboze S.p.A.との提携等を推進して参りました。さらにソフトウエア領域での成長を意図して独立系システム会社の株式会社フューレックスの全株式を取得、子会社化を行い、成長戦略を遂行して参りました。
これらの結果、当中間連結会計期間の当社グループの連結売上高は12,226百万円(前年同期比13.8%増)、営業損失は431百万円(前年同期の営業利益は88百万円)、経常損失は427百万円(前年同期の経常利益は60百万円)、親会社株主に帰属する中間純損失は252百万円(前年同期の純利益は18百万円)となりました。
(デザイン事業)
デザイン事業の市場における当中間連結会計期間の事業環境は、自動車産業を中心に設計開発に係るサービスやコンサルティングサービスについて堅調な需要が継続して参りましたが、第2四半期に入り同分野における一部の需要が弱含む傾向となりました。当社グループは、国内において大手自動車メーカーを中心に設計開発及び解析に係る受託、エンジニア派遣、コンサルティングサービスの提供を拡大、海外においても大手自動車メーカー向けを中心に設計開発に係るエンジニア派遣、請負受託、ソフトウエア販売等の分野において拡大して参りました。一方、株式会社フューレックス子会社化に係る投資、将来にわたる一層の収益拡大を目的とした体制強化のための人員増強、そのための採用活動、海外拠点の設立や事業買収、さらに、AIソリューションのサービス提供を強化するためソフトウエアの開発等に係るリソースを投下して参りました。また、第2四半期には新卒採用として入社したエンジニアのトレーニングを実施し、第3四半期以降の収益に貢献する体制を構築しております。
これらの結果、デザイン事業の売上高は10,038百万円(前年同期比13.6%増)、セグメント損失は582百万円(前年同期のセグメント損失は△8百万円)となりました。
(マニュファクチュアリング事業)
マニュファクチュアリング事業の市場における当中間連結会計期間の事業環境は、自動車産業を中心に3Dプリンターによる試作品製造サービスに対する需要が拡大することとなりました。当社グループは、最新の造形速度と精度を持つ3Dプリンターや、より高強度の材料による造形を可能にする3Dプリンターを導入し技術展示会等にてプロモーション施策を推進、自動車関連企業や機械メーカーを中心とした当社グループ主要顧客に対する試作品サービス提供の拡大を継続して参りました。
これらの結果、マニュファクチュアリング事業の売上高は2,188百万円(前年同期比14.4%増)、セグメント利益は151百万円(前年同期比57.3%増)となりました。
(グループ全体)
営業外収益は、為替差益の計上等により、前中間連結会計期間より10百万円増加し20百万円となりました。また、営業外費用は、上場関連費用等の発生がなくなったこと等により、前中間連結会計期間より21百万円減少し16百万円となりました。
(2)財政状態の状況
(資産)
当中間連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べて363百万円減少し、15,085百万円となりました。手元資金による株式会社フューレックスの株式取得等によりのれんが1,183百万円増加、その他の無形固定資産が260百万円増加、投資その他の資産が286百万円増加、その他の流動資産が83百万円増加した一方、現金及び預金が2,352百万円減少したこと等が主な要因となっております。
(負債)
当中間連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて153百万円増加し、4,124百万円となりました。未払金が89百万円増加、契約負債が72百万円増加、買掛金が68百万円増加した一方、未払法人税等が150百万円減少したこと等が主な要因となっております。
(純資産)
当中間連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べて517百万円減少し、10,960百万円となりました。親会社株主に帰属する中間純損失、及び、配当により利益剰余金が499百万円減少したこと等が主な要因となっております。
(3)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べて2,362百万円減少し、4,828百万円となりました。当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは331百万円の支出(前年同中間期は249百万円の収入)となりました。当中間連結会計期間の主な支出の内訳は、税金等調整前中間純損失による減少450百万円、売上債権及び契約資産の減少131百万円、減価償却費120百万円等です。前中間連結会計期間との比較では、営業活動によるキャッシュ・フローは581百万円減少しました。減少の主な内訳は、税金等調整前当期純利益の減少493百万円、仕入債務の増減額の減少98百万円等です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは1,755百万円の支出となりました。支出の主な内訳は、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出1,076百万円、無形固定資産の取得による支出256百万円、事業譲受による支出176百万円、有形固定資産の取得144百万円等です。前中間連結会計期間との比較では、投資活動によるキャッシュ・フローは1,588百万円支出が増加しました。主な支出増加の内訳は、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出の増加1,071百万円、無形固定資産の取得による支出の増加242百万円、事業譲受による支出の増加176百万円等です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは235百万円の支出(前年同中間期は1,350百万円の収入)となりました。当中間連結会計期間の主な支出の内訳は、配当金の支払い額246百万円等です。前中間連結会計期間との比較では、財務活動によるキャッシュ・フローは1,586百万円支出が増加しました。主な増加の内訳は、自己株式の処分による収入の減少1,517百万円、配当金の支払額の増加68百万円等です。
(4) 研究開発活動
当中間連結会計期間の研究開発費は168百万円となりました。当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に大きな変更はありません。概ね当初の計画通り、3Dプリンターによる少量量産等、積層造形技術に関する研究開発、工業製品の設計開発における環境への配慮を目的としたライフサイクルエンジニアリング、及び、AIを利用したソフトウエア製品の開発等を進めております。
(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
キャッシュ・フローの状況に記載のとおり、当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、営業活動によるキャッシュ・フロー、財務活動によるキャッシュ・フロー、及び、投資活動キャッシュ・フローいずれも支出超過となり、減少致しました。事業の拡大に応じて将来において増加が見込まれる運転資金の補強を目的として当座貸越契約を締結、必要に応じて機動的に運転資金を調達した上で、成長投資と株主還元のバランスを考慮して設備や事業への投資、株主への配当を行い、自己資金と機動的な運転資本の調達による流動性と資本の財源の確保ができるものと判断しております。
(6) 従業員数
当中間連結会計期間において、SOLIZE Canada Corporation、SOLIZE Corporation (Thailand) Ltd.及び株式会社フューレックスを連結範囲に含めたことに加え、今後の事業拡大に備え、従業員数が増加し2,543名となりました。
なお、従業員数は就業人員数(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であります。
当社は、2025年5月14日開催の取締役会において、株式会社フューレックスの株式を全部取得し、子会社化することを決議し、同日付で株式譲渡契約書を締結し、2025年5月22日付けで全株式を取得しました。
詳細は、「第4 経理の状況 1 中間連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載の通りであります。