当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。
当社グループは「働くをもっと楽しく、創造的に」というミッションのもと、人生の大半を過ごすことになる「働く」という時間において、ただ生活の糧を得るためだけではなく、1人でも多くの人がより楽しく、自由な創造性を存分に発揮できる社会を実現することを目指し、仕事の効率化や創造的な働き方を実現するサービスの開発・提供に取り組んでおります。
このようなミッションのもと、現在の主力サービスであるビジネスチャットツール「Chatwork」は国内中小企業を中心とした顧客企業の労働生産性の向上や働き方の多様性を提供しており、国内利用者数NO1(注1)のサービスとなります。中長期のビジョンとしてこのビジネスチャットの中小企業市場における圧倒的なシェアを背景に、あらゆるビジネスの起点となるビジネス版スーパーアプリとしてプラットフォーム化していく事でさらなる中小企業のDX化に貢献してまいります。
このビジョンを実現するための取り組みとして、当社はBPaaS(Business Process as a Service)を展開して おります。BPaaSとは業務プロセスそのものをクラウドサービスとして提供し、企業がクラウド経由で業務アウト ソーシング(BPO)を活用できる仕組みです。これにより、企業の業務負担を軽減し、より創造的な業務に集中で きる環境を実現します。当社のBPaaSはビジネスチャット「Chatwork」を顧客の業務プロセスに組み込むことで煩 雑なコミュニケーションを効率化し、業務を型化してサービスを提供することで、低コストで中小企業の生産性 を向上させることを強みとしております。今後も、BPaaSを通じて企業の業務プロセスを最適化し、Chatworkを中 心としたプラットフォームの拡大を推進することで、さらなる中小企業のDX化を支援してまいります。
当中間連結会計期間においては、BPaaSの主力サービスである「Chatwork アシスタント」をリブランディングし、新たに「タクシタ」として提供を開始しました。これにより、既存のChatworkユーザー層に加え、より広範な顧客層へのアプローチを実施してまいります。また、2025年7月1日付で、BPaaSを担う連結子会社である株式会社kubellパートナーと株式会社ミナジンを経営統合いたしました。この統合により、両社が持つノウハウとリソースを集約し、事業の成長速度の向上とグループ経営の効率化を図ります。また、次なる成長の柱を構築するため、経営体制の強化を実施しました。BPaaSとビジネスチャットを統合した次世代プロダクトの開発、およびAI戦略の立案・実行を強力に推進する体制を構築し、中期経営計画の達成を目指します。外部パートナーシップの推進においては、北九州市および公益財団法人北九州産業学術推進機構との連携を開始し、ビジネスチャット「Chatwork」を「北九州市DX推進プラットフォーム」のコミュニティ基盤として提供しております。また、株式会社商工組合中央金庫とはBPaaS「タクシタ」の顧客紹介に関する協定を締結し、全国の中小企業へのサービス展開を加速させてまいります。
以上の結果、当中間連結会計期間における売上高は4,532,043千円(前中間連結会計期間比13.4%増)、EBITDA(注2)は578,348千円(前中間連結会計期間比84.7%増)、営業利益は146,881千円(前中間連結会計期間比437.9%増)、経常利益は132,712千円(前中間連結会計期間比705.6%増)、親会社株主に帰属する中間純損失は14,899千円(前中間連結会計期間は24,874千円の親会社株主に帰属する中間純利益)となりました。
なお、当社グループの報告セグメントは、従来「Chatworkセグメント」と「セキュリティセグメント」の2つに区分して報告しておりましたが、当中間連結会計期間より「プラットフォーム事業」の単一セグメントに変更しておりますので、セグメント別の記載を省略しております。
Chatworkアカウント事業のARR(注3)、課金ID数、ARPU推移
(2)財政状態の分析
(資産)
当中間連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べて136,816千円減少し、5,977,166千円となりました。これは主に、投資その他の資産が336,134千円減少、ソフトウエアが167,688千円減少、現金及び預金が385,342千円増加したことによるものであります。
(負債)
当中間連結会計期間末における負債は、前連結会計年度末に比べて218,225千円減少し、4,296,966千円となりました。これは主に、長期借入金が224,528千円減少、契約負債が20,014千円増加、未払金が36,700千円増加、未払法人税等が71,696千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当中間連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末に比べて81,408千円増加し、1,680,200千円となりました。これは主に、資本金が61,584千円増加、資本剰余金が61,584千円増加、利益剰余金が14,899千円減少したことによるものであります。この結果、自己資本比率は28.1%(前連結会計年度末は26.1%)となりました。
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて35,342千円増加し、2,948,271千円となりました。当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは451,683千円の収入となりました。これは主に、税金等調整前中間純利益132,712千円の計上、前払費用が86,447千円減少、減価償却費を264,178千円計上、株式報酬費用を166,497千円計上、法人税等を181,430千円支払ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、328,275千円の支出となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出216,518千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、87,338千円の支出となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出119,387千円によるものであります。
(4) 経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(6) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(7) 研究開発活動
該当事項はありません。
(注)1.Nielsen NetView 及び Nielsen Mobile NetView Customized Report 2024年4月度調べ月次利用者 (MAU:Monthly Active User)調査。調査対象はChatwork、Microsoft Teams、Slack、LINE WORKS、Skypeを含む41サー ビスを株式会社kubellにて選定。
2.EBITDA=営業損益+減価償却費及び無形固定資産償却費+株式報酬費用
3.ChatworkにおけるAnnual Recurring Revenue(年間経常収益)。各四半期のChatwork売上高×4
(連結子会社間の吸収合併)
当社は2025年2月14日開催の取締役会において、2025年7月1日を効力発生日として当社連結子会社である株式会社kubellパートナーを吸収合併存続会社、同社の子会社で当社連結子会社(当社の孫会社)である株式会社ミナジンを吸収合併消滅会社とする吸収合併について決議し、同日付で合併契約を締結いたしました。
詳細は、「第4 経理の状況 1中間連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載のとおりであります。