文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。
当社は、「安全・清潔・親切心あふれる、リーズナブルなホテル事業を通じて、旅する人と働く人を幸せにする。」を経営理念としております。
当社の目標とする経営指標は、高い収益性を維持し企業価値を向上させていくため、新規出店やリニューアル等による収入増及び経費の抑制・効率化等などコスト管理に努めることにより、事業活動の成果をはかることができる、売上高営業利益率を経営指標として掲げております。なお、2026年3月期の業績予想につきましては、売上高営業利益率11.5%を見込んでおります(売上高22,900百万円、営業利益2,640百万円)。
今後につきましては、全国的なビジネス宿泊需要は、Web会議の定着により大幅な増加が見込みにくい一方、観光・レジャーを目的とした宿泊需要は、大阪・関西万博の開催もあり、足許の物価上昇の影響を受けつつも、引き続き堅調に推移する見込みです。また、訪日客についても増加傾向が続いており、今後も安定的に宿泊需要を底支えするものと見ております。このような環境下、当社は以下の課題に取り組んでおります。
2026年3月期は、ワシントンR&Bホテル3館(名古屋栄東、新横浜駅前、札幌北3西2)において、ツインルーム新設を含む大規模リニューアルを行います。その他の事業所においても、引き続き複数名利用に使い勝手のよいコネクティングルームの増室や、客室照明設備更新といった快適性向上のための改修を継続してまいります。また、料飲部門においては、訪日宿泊客向けの食材やメニューをアピールしながら販売強化してまいります。
名称変更した「ワシントンR&Bホテル」及び「ワシントンネット」については、「ワシントンホテルプラザ」も含めたトータルでのブランド訴求を行うことで更なる認知度向上による集客を図ってまいります。また、国内外の旅行代理店への営業活動や、旅行博覧会・商談会への出展を継続強化すること、及び予約センターの機能を高めて、グループ、団体需要の獲得増につなげてまいります。加えて、デジタルマーケティングを更に強化してまいります。
宿泊のレベニューマネジメントにおいては、各地区の需給動向や変化を、より緻密に把握したうえで、より迅速に料金コントロールに反映できるシステムに進化させ、RevPARの向上を図ってまいります。また、運営コストの増加に対しては、適切な価格転嫁と品質を向上させながらの販売単価アップにて対応してまいります。
当社の公式予約サイト「ワシントンネット」については、引き続き定期的なキャンペーンやWeb告知を行うことで会員の増加を図るとともに、予約受付を1年先まで可能にしたり、価格差をつけたりすることでの優位性を確保しながら、会員の利用促進につなげてまいります。
当社の将来を担う人材の確保・育成のため、新卒採用を再開するほか、中途採用においても第二新卒を強化することで若年層の確保を図ります。また、前期に導入した動画研修カリキュラムに加えて、選抜・階層別研修を体系的に行う仕組みを再構築することで、従業員の育成を図ってまいります。
当社は、サステナビリティに関する課題について取り組むことは、リスクの減少のみならず、収益獲得の機会になるものと考えております。そのなかでも、ホテル業は人的サービスに拠る面が大きく、人員が不足すればホテル運営に支障をきたすリスクがあり、一方でお客様の期待を超える接遇サービスが提供できれば多くの顧客に支持される機会もあるなど、人的資本への取り組みが最も重要であると考えております。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。
当社の取締役会では、重要な意思決定を行うとともに、コンプライアンスや内部統制・リスク管理に関しては、独立社外取締役の知見も活かしつつ、その体制整備や仕組みづくりに努めており、個別の業務執行につきましては、経営会議等に委任しております。また、取締役会におきましては、各担当役員が職務執行報告を行い、取締役会は当該執行状況をモニタリングしております。加えて、常勤役員で構成するリスク管理・コンプライアンス委員会を設置しており、全社的なリスクへのマネジメントに関する審議、発生した危機への対応を行っているほか、取締役会及び監査等委員会において情報共有を図り監督できる体制としております。監査室による内部監査についても、その結果及び当該監査の過程において把握された検討事項等については、定期的に取締役会や監査等委員会へ報告を行うことで情報共有を図り、顕在化しているリスクの後追いができる体制としております。そのほか、内部通報窓口を社内及び社外に設置し、法令及び社内ルール違反の顕在化と迅速適切な対応ができる体制を整備しております。なお、サステナビリティに関連する事項については、その内容に応じてこれらの仕組みの中で適宜検討しております。
当社は、2021年11月にサステナビリティ基本方針を制定し、事業活動を通して環境負荷の低減に努めるとともに、企業市民として地域と共生を図る活動を推進しております。また、それらの活動を通して「持続可能な開発目標(SDGs)」に貢献できるよう努めております。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略
<サステナビリティ基本方針>
経営理念の中に掲げている「旅する人と働く人を幸せにする」というホスピタリティ溢れる事業活動と、環境保全・地域発展の課題に取り組むことで、持続可能な社会の実現を目指します。
①環境問題への配慮
ホテル事業を通じて環境負荷の低減に努めるとともに、お客様と一体になった活動を推進していきます。
②人権の尊重・人材の育成
国籍、信条、出身地、性別、宗教、身体的特徴などの理由で差別を受けない健全な職場環境を確保し仕事を通じて資質の向上や人間としての成長を期して職務を遂行するよう努めていきます。
③地域社会との関係
地域社会との連帯と協調を図り、習慣・文化・風土を尊重した事業運営を心掛け、地域発展の責任を果たします。
④公正な事業活動
法令を遵守し、社会倫理に基づいた事業活動をすることで、お客様、株主、お取引先様、地域社会、働く人に信頼される正直で誠実な企業を目指します。
※上記取り組みの一部については、その詳細を当社HPに公開しております。
なお、前述のとおり、会社の持続的な成長を確保するには人的資本への取り組みが最も重要であり、大きなテーマとしては、多様性を含めた人材確保と人材育成があると考えております。
人材確保については、当社の将来を担う若年層確保のため、新卒採用を再開するほか、第二新卒採用も継続強化してまいります。また、能力や実績を重視する人物本位の人材登用により、女性、中途採用者を積極的に採用しているほか、従業員紹介制度の推進によりリファラル採用を行っております。当社社員の半数は女性であり、当社管理職57人のうち23人(40.3%)が女性です。また、外注している業務については、内製化や一社に限らず複数社の外注先と契約を締結するなどして、突発的な人材不足に即応できる体制を構築しております。今後は、国内労働人口の減少が想定されるなか、業務の切り分けや内製化等で働き方を創出することにより、外国人、シニア層、障害者を積極的に活用してまいります。加えて、退職者を減らすために、処遇向上による人員の定着を図るほか、ライフステージに合わせた働き方の選択ができる制度の導入を検討してまいります。
人材育成については、実際の職務現場において、上司や先輩従業員などの指導担当者が、部下である従業員に対し、職務を遂行していく上で必要な知識やスキルを随時与えることによるOJT教育を根幹としております。加えて、Webを活用した映像マニュアルの活用やカリキュラムに沿った動画研修の受講を実施しているほか、外部研修等の受講にも力を入れております。今後は、選抜・階層別研修を体系的に行う仕組みを再構築してまいります。また、自己訓練の資金補助や資格手当の支給など、自己研鑽を促す制度の再整備に取り組んでまいります。
当社は、リスク管理を統括する機関として「リスク管理・コンプライアンス委員会」を設置しており、代表取締役社長を議長として全社的なリスクへのマネジメントに関する審議や、発生した危機への対応を行っております。
特に、人員配置の問題については、経営会議でも適宜対策を講じているほか、急な人員不足が生じた場合には総務人事部を総合窓口とした応援・ヘルプ体制を敷き、ホテルブランドや管理部門に拘わらない人員配置にて対応しております。
多様性を含めた人材確保の必要性から、以下の数値を目標といたします。
(注)1.社員退職率は、期首人員のうち事業年度内に退職した従業員の割合。
(パートタイマー、事業年度中に入社し退職した者、定年退職者は除く)
2.外国人社員数は2025年3月31日時点。(パートタイマーは含まない。)
3.従業員紹介制度入社数はパートタイマーを含む全従業員の事業年度合計。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
宿泊需要は、大別するとビジネス需要と観光需要があり、景気減退による企業活動の縮小や給与水準の低下による支出意欲の低下によって、宿泊需要が減少する可能性があります。
当社の有利子負債には金利変動の影響を受けるものが含まれているため、金利上昇によって支払金利や調達コストが増加する可能性があります。
国際的な政治、戦争、テロ等の影響により原油・燃料価格が高騰することがあり、調達コストの増加につながる可能性があります。
既存の競合他社のほか、異業種等からの業界参入があれば、競争激化により集客が低下し、当社が展開するホテルの稼働率が低下する可能性があります。
競争の激化により更なる過当競争が引き起こされ、価格が下落し、売上の減少につながる可能性があります。
客室においては、設備機器の不具合が発生することによって、電気や水・お湯が供給できなくなり、照明、空調、TV等の電化製品の停止や、風呂場、トイレの使用が不可能になるなど、宿泊及び企業イメージに対する影響が出る可能性があります。
飲食店や宴会場での料理提供においては、品質管理や食品衛生に十分注意をしておりますが、食中毒が発生した場合には、社会的信用の低下、個人への補償及び事業停止処分の可能性があります。
ホテル業は、人的サービスに拠る面が大きいことから、採用難等などの人材確保が困難になる場合や、他社への人材流出により、事業運営が停滞する可能性があります。また、最低賃金の引き上げや、社会保障政策に伴う社会保険料率の引き上げ等による人件費の上昇、採用コストの増加等により、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社では宿泊者の氏名・連絡先を宿泊システムにて保有しているほか、会員システムとして使用している「ワシントンネット」内に顧客情報を保有しています。これら情報がハッキング行為等により流出した場合、社会的信用の低下やコンピュータウイルスへの感染によるシステム停止から事業運営が停滞する可能性があります。
当社は、ホテル建物等の有形固定資産を保有しておりますが、これらの資産については減損会計を適用し、当該資産から得られる将来キャッシュ・フローによって資産の帳簿価額を回収できるかどうかを検証しており、減損処理が必要な資産については適切に処理を行っています。しかし、今後一定規模を超える不動産価額の下落や、事業収支の悪化により将来キャッシュ・フロー見込額が減少した場合には、有形固定資産の一部について減損損失が発生する可能性があります。
企業会計審議会(2024年9月)において、いわゆるオペレーティング・リース取引のオンバランス処理が必要となる、リースに関する会計基準が公表されました。当社では、借主側としてのオペレーティング・リース取引のうち解約不能のものに係る未経過リース料が多額となると想定され(なお、当事業年度(2025年3月期)における借主側としてのオペレーティング・リース取引のうち解約不能のものに係る未経過リース料は15,368,606千円であり、本適用時期(2028年3月期)にはさらに増加する可能性があります。)、これらを含むオペレーティング・リース取引が会計基準変更に伴いオンバランス処理された場合、自己資本比率の低下やリース資産減損計上等、経営成績及び財務指標に影響が及ぶ可能性があります。
当社は、ホテル不動産あるいは飲食店舗不動産を長期に賃借しているものがあり、不動産所有者が破綻等の状態に陥った場合は、当該事業所の事業継続が困難となる可能性があります。また、賃貸借契約の途中で、当社の何らかの都合により契約を中途解約する場合は、残存期間分の未経過賃料のうちの一部を支払うか、補填する義務が生じる可能性があります。
設備の欠陥、瑕疵による火災(電化製品のショート、清掃不備による電源部から埃への着火等)や、お客様を起因とする火災(寝タバコ等)の発生により、社会的信用の低下や、事業停止処分、建物設備が焼失する可能性があります。
地震や、台風・大雨・大雪、火山の噴火等によって、建物設備の損壊のほか、交通網やライフラインの断絶で原材料(客室リネンや食材、飲料)の調達や、電気・水道・ガスの供給が困難になること、また従業員の出勤も困難になること等により、事業所の機能が停止する可能性及び宿泊意欲が低下することによる収益悪化の可能性があります。
新型インフルエンザや新型コロナウイルスに代表される感染症の流行等によって、拡散脅威による渡航規制の発生(国外客の減少)や、国内宿泊需要が減退する可能性があります。さらに、政府及び地方自治体等からの移動自粛要請や、海外渡航禁止勧告等に伴う活動制限等が継続した場合には、当社の事業の財政状況や業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
また、感染症の収束後においても、生活様式やビジネススタイルの変化に伴う、外出控えや宿泊出張機会の減少により、観光需要・ビジネス需要が共に感染症流行以前までには回復しない可能性があります。
当社は、旅館業法、建築基準法、消防法、食品衛生法等の法的規制を受けております。当社は、これらの法令等の遵守に努めておりますが、現在の当該規制の強化や改正あるいは新たな規制が設けられた場合には、規制を遵守するために必要な費用や営業上の制約が発生する可能性があり、当社の事業や企業価値に影響を及ぼす可能性があります。
法令に基づく適切な労務管理ができないこと等により従業員に重大な労働災害が発生した場合、ハラスメント行為について社内外に通報窓口を設置する等の施策を講じていても完全に排除することができない場合等、労務問題によって当社の社会的な信用が低下し、あるいは、多額の課徴金や損害賠償が請求される等、当社の事業や企業価値に影響を及ぼす可能性があります。
当社の広告宣伝は、当社各事業部において内容確認を実施し、疑義が生じた場合には顧問弁護士に確認しておりますが、誤認を与える広告宣伝を実施した場合、当社の社会的な信用が低下し、あるいは、多額の課徴金や損害賠償が請求される等、当社の事業や企業価値に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、当社総務人事部を所管部署とし、商標権、著作権、特許権、意匠権等の知的財産権を管理しておりますが、他社による知的財産権の侵害により、当社の知的財産の価値が低下する可能性があります。また、当社では他社の知的財産を侵害することのないよう、他社の知的財産権調査を実施しておりますが、当社が他社の知的財産を侵害している場合には、使用料支払いや損害賠償請求等により当社の損益に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、今後も新規開発を進めていく予定ではありますが、出店候補地が確保できない場合、出店に必要な人材が確保できない場合、その他新規出店に際し当社に予期せぬ事由が発生した場合、また、当社が出店後近隣に競合他社が出店した場合、当社の業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、清掃業務及びリネン業務を外注しております。清掃業務につきましては、人手不足による1室当たりの清掃単価の上昇、リネン業務に関しましては、原油高に伴い洗濯費用が高騰する可能性があり、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社及び藤田観光株式会社は、それぞれ独立した会社であり、当社は「ワシントンホテルプラザ」、藤田観光株式会社は「ワシントンホテル」というブランドで事業活動を行っております。この「ワシントンホテル」という商標は、両社で共同出願しチェーン展開を行っているため、投資家や一般消費者等が経営母体を誤認する可能性を否定できません。以上のことから、同ブランドで火災や食中毒等などブランドイメージを毀損する事案が発生した場合には、当社のレピュテーションが低下することがあり、経営成績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社の事業は、第3四半期会計期間においては行楽シーズンや年末の忘年会シーズンにあたることから、宿泊客数の増加や、飲食店・宴会場の利用客数が増加する一方で、第4四半期会計期間においては年始に伴うビジネス宿泊の減少や、2月は日数が少ないため、利用客数が減少する傾向があります。また同時期においてホテルの改装等を実施することも多くあり、第4四半期会計期間は、他の四半期会計期間と比べ、売上高及び利益が減少する傾向があります。以上のような季節変動要因により、当社の一時点における業績は通期の業績の分析には十分な情報とならない可能性があります。
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当事業年度における我が国経済は、堅調な企業業績を背景とした賃上げや価格転嫁が進む中で、雇用・所得環境の改善もあり、緩やかに回復しております。
ホテル業界におきましては、出張・業務を目的とした宿泊旅行者数が新型コロナウイルス感染拡大前の2019年と比べ低水準で推移している(観光庁「旅行・観光消費動向調査」による)ものの、インバウンドやレジャー需要の伸長により宿泊需要は堅調に推移しております。一方で、原材料や労務費、光熱費などの運営コストも上昇局面となりました。
このような環境下、当社はインバウンドやレジャー客の集客強化のため、複数名利用可能な客室(ツインルームやコネクティングルーム)の新設を含む一部事業所の大規模リニューアルの実施や、国内外の営業活動の強化、海外の旅行博覧会への積極参加などビジネス出張以外の集客にも努めた結果、前期を上回る客室稼働率となりました。また、客室販売単価においても、リニューアルや一部の設備刷新により商品力が向上したことによる料金設定の見直し、レベニューマネジメントの精度向上により前期を大きく上回る結果となりました。
また、2025年3月には「R&Bホテル」の名称を「ワシントンR&Bホテル」へ、宿泊予約サイトの「宿泊ネット」の名称を「ワシントンネット」へ、各々変更することを発表いたしました(変更日は4月1日)。これは、ワシントンホテル株式会社が運営しているサービスであることを多くのステークホルダーに対して分かりやすく明確にすることで、より安心してご利用いただけることを目的としたものです。
大規模リニューアルは、『快眠・入浴・朝食』にもこだわった内容にて毎年2事業所程度実施しており、前期に着手した「ワシントンR&Bホテル大塚駅北口」と「熊本ワシントンホテルプラザ」が7月・8月に完了、今期夏に着手した「ワシントンR&Bホテル京都駅八条口」と「ワシントンR&Bホテル梅田東」は2025年4月に完了しました。熊本ワシントンホテルプラザには大浴場を新設し、大塚・京都・梅田のワシントンR&Bホテルにはシングルルームのみだった客室にツインルームなどが加わったことで、幅広い集客が可能となりました。
施設面については、全事業所においてデュベスタイルの羽毛布団を導入したほか、一部事業所で客室照明設備の更新を行うなど、品質と使い勝手の向上を図りました。
販売面においては、Web広告・SNS活用などのデジタルマーケティングの継続実施に加え、ドメインの集約やホームページ改修によるSEO対策を実施しました。なお、「ワシントンネット」については、会員登録者数が期初の41万人から約22%増加し50万人となりました。
運営面においては、2024年12月にワシントンホテルプラザとワシントンR&Bホテルの両ブランドを包括してレベニューマネジメントやマーケティング、品質管理を行う「運営推進部」を新設し、より効率的なホテル運営ができる体制となりました。
これらの結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
(資産)
当事業年度末における資産合計は、前事業年度末に比べ473,501千円増加の33,545,550千円となりました。これは主に繰延税金資産が417,616千円、建物(純額)が350,253千円、売掛金が200,497千円増加した一方、現金及び預金が500,947千円減少したこと等によるものであります。
(負債)
当事業年度末における負債合計は、前事業年度末に比べ1,433,463千円減少の24,098,667千円となりました。これは主に短期借入金が1,000,000千円、長期借入金が1,000,000千円減少した一方、未払金が433,813千円増加したこと等によるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産は、主に当期純利益を計上したこと等により、前事業年度末に比べ1,906,965千円増加の9,446,883千円となりました。
b.経営成績
当事業年度の客室稼働率は68.1%(第1四半期会計期間64.3%、第2四半期会計期間68.3%、第3四半期会計期間75.8%、第4四半期会計期間63.8%)となり、前事業年度を5.6ポイント増加いたしました。また、客室単価は当事業年度で7,806円(第1四半期会計期間7,490円、第2四半期会計期間7,667円、第3四半期会計期間8,061円、第4四半期会計期間7,971円)となり、前事業年度を約9.3%上回りました。
当事業年度の業績は、売上高21,347,826千円(前期比16.7%増)、営業利益2,240,593千円(前期比50.3%増)、経常利益1,755,284千円(前期比87.2%増)、当期純利益2,015,575千円(前期比141.2%増)となりました。
なお、当社はホテル事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
当事業年度の事業部門別の売上高及び営業利益は次のとおりであります。
(※1) その他の売上高には、ワシントンネット加盟店からの販売手数料収入が含まれる他、収益認識基準による調整を行っております。経費は本社費として適切に按分しております。
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は前事業年度末に比べ500,947千円減少し、5,966,495千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、3,418,053千円の資金の増加となりました。これは主に税引前当期純利益1,599,258千円、減価償却費1,146,449千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、1,550,388千円の資金の減少となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出1,431,196千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、2,368,612千円の資金の減少となりました。これは主に短期借入金の純増減額による支出1,000,000千円、長期借入金の返済による支出1,000,000千円等によるものであります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
地域別販売実績は次のとおりであります。
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、相手先別の販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満のため記載を省略しています。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
経営成績等の状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおり、売上高21,347,826千円(前期比16.7%増)、営業利益2,240,593千円(前期比50.3%増)、経常利益1,755,284千円(前期比87.2%増)、当期純利益2,015,575千円(前期比141.2%増)となりました。
売上高につきましては、前期比16.7%の増加となりました。主に宿泊部門において、複数名利用が可能な客室の新設を含む大規模リニューアルの実施、営業活動の強化による需要の取り込み、さらに商品力向上に伴う料金設定の見直しやレベニューマネジメントの精度向上が奏功し、客室稼働率およびADR(客室販売単価)はともに前年を上回りました。特に第3四半期は、観光目的の国内レジャー客やインバウンド客の増加が全国的に宿泊需要を押し上げたことに加え、7月・8月にリニューアルが完了した2ホテルの増収効果もあり、稼働率およびADRが想定を上回る水準となりました。これによりRevPAR(販売可能客室1室あたりの売上)も大きく伸長しました。
各段階利益につきましては、第1四半期は、前期における一棟貸しの反動により減益となりましたが、第2四半期以降は単価上昇も含む売上の増加に伴い増益に転じ、労務費やリニューアル費用などの支出は増加したものの、それを上回る売上の伸びにより、利益は大幅に増加しました。
なお、当期純利益が経常利益を上回っている主な要因は、税効果会計により、将来の課税所得を見積もったうえで繰延税金資産の回収可能性を検討し、回収が見込まれる部分について法人税等調整額(益)448,588千円を計上したことによるものです。
a.キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.財務政策
当社の所要資金調達は、大きく分けて設備投資資金及び運転資金の調達となっております。基本的には「営業活動によるキャッシュ・フロー」を中心としながらも、多額の設備資金については、長期借入金等により資金調達を行ってまいりました。当事業年度末において、長期借入金は14,613,000千円(1年内返済予定の長期借入金を含む)であります。
将来に関する事項として、既存事業所の大規模リニューアルの予定がございます。その資金については、借入金にて賄っております。なお当該事項は報告書提出日現在において判断したものであります。
今後の所要資金につきましても、多額な設備投資以外は「営業活動によるキャッシュ・フロー」を基本に行う予定であります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
財務諸表の作成にあたって、用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。