当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況
① 財政状態の状況
(資産)
当中間連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ5,334,449千円増加し、35,804,754千円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末より4,873,816千円増加し、29,366,232千円となりました。これは主に、棚卸資産が4,348,839千円増加したことによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末より460,633千円増加し、6,438,522千円となりました。これは主に、投資その他の資産が456,540千円増加したことによるものであります。
(負債)
当中間連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ5,447,178千円増加し、21,571,236千円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末より846,055千円増加し、7,774,608千円となりました。これは主に、買掛金が782,661千円減少した一方で、短期借入金が1,750,006千円増加したことによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末より4,601,123千円増加し、13,796,627千円となりました。これは主に、長期借入金が4,568,441千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当中間連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ112,729千円減少し、14,233,518千円となりました。これは主に、配当金の支払等により利益剰余金が215,384千円減少したことによるものであります。
なお、自己資本比率は37.7%となっております。
② 経営成績の状況
当社グループは「今の先鋭が10年後の当たり前を造る A DECADE AHEAD」をミッションに、「テクノロジーを用いて暮らしと医療をアップデートする」を今年度のスローガンとして掲げ、ライフテックカンパニーとして大きく2つの事業を展開してまいりました。1つ目はヘルスケア・金融・不動産領域など様々な業界のDXに向けて、機械学習等のテクノロジーを活用したモジュールをベースに、パッケージ型クラウドツールやテーラーメイド型アルゴリズムを提供する「AIクラウド&コンサルティング」事業(AICC)、2つ目はお客様への確かな価値提供とテクノロジーの積極活用の両立を目指すアセットマネジメント事業、売買仲介コンサルティング事業、デベロップメント事業を展開する「ライフ&プロパティソリューション」事業(L&P)です。
業務効率化クラウドサービスやソリューションを提供するうえで、当社グループ自身が実業(リアルビジネス)であるヘルスケアや金融、不動産事業を自ら手掛け、業務上の非効率や課題に直面することで、機械学習等の高度なテクノロジーの活用の可能性を見出し、当社グループの内部オペレーションにそのテクノロジーを取り込み、競争力・効率性の改善を図っております。同時に、リアルビジネスにおけるテックにより効果が検証された業務推進・効率化ツールは、当社自身がユーザーとして使い勝手をフィードバックすることで実務有用性を磨き込み、同業他社のお客様に提供しております。加えて、こうした導入実績から様々な企業との提携が進み、ソリューション共同開発に取り組んでおります。
生成AIは単なるツールから事業の基幹を支えるインフラへと進化し、過半の企業が導入しています。自律的にタスクを実行するAIエージェントの登場に加えて、生成AIは業務効率化に留まらず、それに伴う新規ビジネス開発コストの低下を含め新規収益源の創出や顧客体験の向上にも貢献し始めています。このような事業環境下では、社内やJV/アライアンス先との協業によるリアルビジネスの運営により蓄積できるデータを保有する当社グループの強みと堅牢性は一段と高まると考えております。リアルビジネスから得られるデータはビジネスや医療・介護の現場の文脈に即した高品質な教師データとなり、汎用モデルよりも高精度な応答や判断が可能となるためです。
具体的には、汎用生成AIはインターネット上に存在する膨大な情報を学習することで、自然な対話形式で一般的な回答を行える一方、インターネット上に情報が存在しない、または断片的にしかない特定分野の質問に対して精度高く回答するためには、当該分野の一次データを用意し学習させる必要があります。また、事業環境の変化が激しい昨今においては、一時的に一次データを学習させてもその情報が陳腐化するおそれもあります。一方で、リアルビジネスを持つことで得られる情報は現場の文脈に即していることはもちろんのこと、継続的にアップデートされるため常に最新のデータを蓄積できるため、優位性をより高めることが可能です。
このように、生成AIが学習/引用する一次情報の重要性が増すことから、リアルビジネスを手掛けることが、実務有用性の高いAIソリューション・クラウドツールの顧客への提供に密接かつ効果的に機能しています。この「リアルビジネスを内包したテックプロバイダー」という独自の顧客提供価値の追求が、様々な業界のDXや事業拡大に貢献しており、当社グループは「リアルビジネスを内包した実務有用性の高いテクノロジー」の優位性を横展開し、ヘルスケア/金融/不動産領域におけるリアルビジネスを通じた一次データの蓄積を進め、生成AIを組み込んだ実務有用性の高いソリューションを創出してまいります。
当社グループが手掛けるAICC事業の業務環境をみれば、少子高齢化が急速に進行する中、健康寿命の延伸がますます重視されるようになり、保険診療に加えて予防医療への関心が増しております。また、生産年齢人口の減少が見込まれること等から、専門人材不足などの課題が深刻化している一方で、AI技術の進化は日進月歩で進んでおります。そのため、省人化や利益拡大を見据えた取り組みをテクノロジーの活用を通じて進める業界横断的なAX(AIトランスフォーメーション)/DX気運の高止まりが随所にみられ、実務有用性の高いAX/DXソリューションを提供する当社事業においても追い風となっております。L&P事業の業務環境をみれば、様々なアセット種別に対する投資ニーズの高まりが引き続き見られます。
このような業務環境の下、当社グループはヘルスケア・金融・不動産領域において事業成長を着実に進捗させ、自社の持つAIモジュールを活かしたAX/DXソリューションを提供するとともに、提供価値への満足度を基に顧客との価格改定を行っております。具体的には、ヘルスケア領域において、治療院向けのクラウドレセコン提供およびレセプト業務支援を行う株式会社メディックスのPMIが順調に進捗しマネジメント・事業のオペレーションを大きく改善し、それにより同業他社との連携が加速しております。また、不動産領域においてはAI査定CLOUDの価格改定による収益改善も進んでおります。
以上の結果、当中間連結会計期間の経営成績につきましては、AICCセグメントでは引き続きライフ&ヘルスケアソリューション(LH)の売上がプロップテックソリューション(PT)を上回り、ARR(アニュアルリカーリングレベニュー/年次経常収益)が計画通り伸長したしたものの、L&Pセグメントで自社開発物件の売却時期が下期に偏ることもあり、売上高は8,095,904千円(前年同期比2,056,883千円減(20.3%減))、営業利益は309,090千円(前年同期比980,865千円減(76.0%減))、経常利益は185,033千円(前年同期比1,010,379千円減(84.5%減))、親会社株主に帰属する中間純利益は26,146千円(前年同期比637,242千円減(96.1%減))となりました。
当中間連結会計期間のセグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
<AIクラウド&コンサルティングセグメント>
ライフ&ヘルスケアソリューション(LH:ヘルスケア/IT/金融領域を主な対象とした、業務支援型クラウドツールやDXソリューションの提供)は、2024年4月に子会社化した株式会社メディックスの売上貢献に加え、顧客獲得が着実に伸長しました。第3四半期以降は、大規模医療福祉施設への横展開を目指すとともに、ヘルスケア領域を中心に、新規プロダクトや新機能の追加開発も複数進めております。
プロップテックソリューション(PT:不動産領域を主な対象とした、業務支援型クラウドツールやDXソリューションの提供)は、AI査定CLOUDで価格改定を行ったことによる売上・利益成長に加えて、価格改定による解約が想定を大きく下回る水準で進捗したことが、ストック収入の拡大に寄与しました。
当該セグメントでは、ストック収入の中長期的な成長に向け、プロダクト開発等の投資を加速させております。また、「リアルビジネスを内包したテックプロバイダー」という当社独自の強みに加え、ライフテックを軸としたドメインの横展開を実現してきた当社のビジョンに共鳴する優秀な人材が参画しています。こうした組織増強を基盤に、既存のヘルスケア・金融・IT領域に加え、新たな分野でもリアルとテクノロジーをかけ合わせ、事業拡大を進めております。
以上の結果、当中間連結会計期間におけるAIクラウド&コンサルティングセグメントの売上高は3,825,510千円(前年同期比538,347千円増(16.4%増))、セグメント利益は1,530,314千円(前年同期比596,791千円増(63.9%増))となりました。
<ライフ&プロパティソリューションセグメント>
当該セグメントにおいては、収益性に優れたリカーリングフィーを積み上げる積層型ビジネスモデルへの転換を進めており、アセットマネジメント事業における安定したストック収益の積み上げを推進しております。
その結果、当中間連結会計期間におけるライフ&プロパティソリューションセグメントの売上高は5,225,298千円(前年同期比2,022,423千円減(27.9%減))、セグメント損失は944,865千円(前年同期はセグメント利益520,262千円)となりました。
<その他セグメント>
本セグメントでは、中長期的なサステナブルグロースに向けて試験的にリアルビジネスを手掛けつつ新規プロダクト開発を行っており、「リアルビジネスを内包した実務有用性の高いテクノロジー」の創出に取り組んでおります。
その結果、当中間連結会計期間におけるその他セグメントの売上高は、ヘルスケア事業の事業運営により39,229千円(前年同期比2,291千円減(5.5%減))、セグメント損失は新規プロダクト開発投資により215,242千円(前年同期はセグメント損失113,181千円)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ712,207千円増加し、5,046,767千円となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は4,859,955千円(前年同期は3,854,017千円の使用)となりました。これは主に、棚卸資産の増加額4,348,839千円等の資金減少要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は504,394千円(前年同期は1,329,060千円の使用)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出280,009千円等の資金減少要因によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は6,076,557千円(前年同期は4,409,111千円の獲得)となりました。これは主に、長期借入れによる収入5,360,050千円等の資金増加要因が、長期借入金の返済による支出530,023千円等の資金減少要因を上回ったことによるものであります。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当社グループは、AIクラウド&コンサルティング事業において利用するソフトウエアの開発等を行っており、当中間連結会計期間の研究開発費の総額は213,850千円、対売上高比率は2.6%であります。
該当事項はありません。