当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは「データによる意思決定」はシンプルでとても効率の良いものであると考えております。この仕組みを確立して世の中に広めたいという想いから当社を創業致しました。
・お客様が抱える課題を解決するためのデータ活用の専門家でありたい
・データをシンプルかつ正しい方法で価値に変換していきたい
・データに関わった人達に楽しさや幸せを感じてもらいたい
当社グループは、上記の3つの価値観を軸に、世の中の様々な領域において、データを使った効率化を行うことが当社グループの使命であると考えております。
(2)経営戦略等
当社グループは「データを用いて人々の意思決定を簡単にする」というミッションの下、生成AIの普及によりデータ活用の技術的ハードルが低下したことを好機と捉え、以下の経営戦略により事業の拡大を図る方針です。
①IM-DMPを用いたデータインフラ提供の拡大と収益構造の転換
デジタルマーケティング領域においては、広告配信プラットフォームの自動化や顧客企業におけるコスト削減(インハウス化)のニーズが高まっています。これに対応するため、従来の労働集約的な運用代行(マネージド型)から、AIや自動化ツールが最大限のパフォーマンスを発揮するための「データ基盤」そのものを提供する「インフラ提供型」へとビジネスモデルの軸足を移行し、スケーラブルで高収益な事業構造を構築する方針です。
また、3rd Party Cookie規制への対応については、Cookieが利用可能なブラウザと不可能なブラウザが混在する「ハイブリッドCookie」時代への対応を進めています。具体的には、共通IDソリューション「IM-UID」の提供を通じ、iPhone(Safari)等のCookieが利用できない環境下でのリーチ拡大を実現し、メディアパートナーやアドテクベンダーに対する必須のインフラとして導入を加速させる方針です。
②生成AI活用及びX-Tech領域への展開
Ad Tech領域で培った膨大なデータや基盤技術をもとに、生成AIが学習・分析しやすい「AI-Readyデータ」を提供するインフラ基盤の構築に注力します。
生成AIプラットフォームや企業の基幹システムへ当社データを連携させることで、高度な専門知識がなくとも容易に顧客分析や予測が可能となる環境を提供し、セールス、金融、HR等の多様な産業領域(X-Tech)へデータ活用領域を広げていきます。各領域のパートナー企業やAIプラットフォーム事業者との協業を通じて、新たなデータ流通チャネルを開拓し、事業領域の飛躍的な拡大を図る方針です。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは継続的な事業拡大と企業価値向上のため、売上高及び営業利益を重要指標としております。
(4)経営環境
当社グループのIM-DMPのデータ活用先は、従来のデジタルマーケティング領域に加え、生成AIの台頭に伴う「クロステック(X-Tech)」領域へと急速に拡大しています。世界のAI市場規模(売上高)は、2024年の1,840億ドルから2030年には8,270億ドルへ飛躍的に拡大すると予測されており(総務省「令和7年版 情報通信白書」)、AI技術の発展によりデータ分析の技術的ハードルが低下したことで、データを資産として活用するニーズが全産業的に高まっております。
デジタルマーケティング領域においては、広告配信プラットフォームの自動化技術の進展により、企業による広告運用のインハウス化(内製化)が進んでおり、運用代行そのものよりも、効果的な配信を行うための「良質なデータ」への需要へと顧客ニーズが移行しています。これに伴い、当社グループは労働集約的な運用型ビジネスから、スケーラブルで収益性の高いデータインフラ提供型(インフラ型)ビジネスへの構造転換を進めており、データ活用分野における収益性は順調に向上しているものと認識しております。また、当社グループはIM-DMPのデータを生成AIや多様なプラットフォームに連携させることで、マーケティングのみならず、金融、セールス、HRといった多領域での意思決定の最適化を実現したいと考えております。
一方で、世界的なプライバシー保護への意識の高まりや法規制の強化により、ブラウザにおける3rd Party Cookieの利用制限は継続的な課題となっております。Google社のChromeにおける3rd Party Cookie廃止は取り止めとなりましたが、依然として日本国内のスマートフォン利用者の多くを占めるiPhone(Safari)やEdgeなど、約6割のブラウザ環境ではCookieが利用できない状況にあります。こうした環境下において、当社の提供する「IMポストCookieアドネットワーク」や共通IDソリューション「IM-UID」は、Cookieの有無を問わず高精度なターゲティングを実現できることから、既存のプラットフォームではリーチできない層への有効なアプローチ手段として評価され、導入が進んでおります。当社グループは、この「ポストCookie」および「AI活用」という二つの潮流を機会と捉え、データインフラとしての優位性を確保してまいります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループは以下のような経営課題に取り組むことで、サービス領域の拡大及び経営基盤の強化を行っていく方針であります。
①新サービス等の開発体制
インターネット市場における技術革新のスピードは非常に早く、競合優位性の確保及び事業の拡充を図るため、新サービスの開発、投資を行っております。当該開発に際しては、システム開発の必要性や優秀な人材の拡充が必要となるため、迅速な開発が行える体制整備や優秀な開発人材の確保を行ってまいります。
②優秀な人材の確保と教育制度の充実
当社グループは、今後の成長のために、多様で優秀な人材の確保が不可欠であると認識しております。ソーシャルメディアの活用等、採用方法の多様化を図り、当社グループの求める専門性や資質を兼ね備えた人材の登用を進めるとともに、研修制度の充実等、教育体制の整備を進め、人材の定着と能力の底上げを行っていく方針であります。
③内部管理体制の強化
当社グループは成長段階にあり、業務運営の効率化やリスク管理のための内部管理体制の強化が重要な課題であると考えております。このため、バックオフィス業務の整備を推進し、経営の公正性・透明性を確保するための内部管理体制強化に取り組んでまいります。具体的には、業務運営上のリスクを把握してリスク管理を適切に行うこと、定期的な内部監査の実施によるコンプライアンス体制の強化、監査役監査の実施によるコーポレート・ガバナンス機能の充実などを図っていく方針であります。
④認知度の向上
当社グループは、これまで広告宣伝活動に頼らず、提供サービスの機能優位性に拠る形での営業活動に専念してまいりました。その結果として、現在、幅広い業種、企業に当社グループ製品を導入いただき、継続的な取引による確固たる顧客基盤の構築を実現することができていると考えております。一方で、更なる成長を続けていく上では、当社グループ及び当社サービスの認知度を向上させ、新規案件を獲得していくことが重要であると考えております。今後は広告宣伝活動による積極的な販売促進活動に取り組み、認知度の向上に努める方針であります。
⑤データ利活用に関する環境変化
「個人情報の保護に関する法律」(以下、「個人情報保護法」という。)の改正や各ブラウザ提供会社の仕様変更により、3rd Party Cookieに対する規制が強化されつつあるように、プライバシー保護の観点からデータの利活用を取り巻く環境は随時変化しています。
また、AIの利活用が社会に浸透する中で、アルゴリズムの公平性や生成AIによる情報の真正性・データの出所管理、利用者プライバシーの保護など、AI活用における透明性・倫理性の確保が社会的要請として高まっています。
このようなデータの利活用に関する社会情勢を速やかに察知し、環境変化に対応したサービスの開発が迅速に行える体制整備を行ってまいります。
文中の将来に関する事項は、当社グループが有価証券報告書提出日現在において合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実績の結果とは様々な原因により大きく異なる可能性があります。
(1)ガバナンス
当社グループでは、取締役会がサステナビリティ全般に関するリスク及び機会の監督に対する責任と権限を有しており、当社グループのサステナビリティのリスク及び機会への対応方針及び実行計画等についての審議・監督を行っております。
(2)戦略
当社グループは、事業を成長させていくためには、優秀な人材を採用し、継続的な勤務を維持するために、リモートワークを取り入れた柔軟な勤務制度を採用しております。
また人材を育成し、高い生産性を発揮させることが最重要であるとの認識のもと、次世代能力開発への投資や、生産性を向上させるツールへの投資等を行っております。
(3)リスク管理
当社グループの経営に関する様々なリスクを審議するために、主要なリスクの状況については、取締役会においてモニタリング・評価・分析を行い、各組織体に対して必要な指示、監督等を行うとともに、その結果に対する報告も取締役会において審議される体制を整えております。
(4)指標及び目標
当社グループでは、上記(2)戦略において記載した柔軟な勤務制度、次世代能力開発への投資、生産性を向上させるツールへの投資の指標として、それぞれリモートワーク比率、生成AI 補助制度利用率、SaaS ツール利用個数を測定しております。
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指標 |
2025年9月期 |
目標 |
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当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を以下に記載しております。
また、必ずしもそのようなリスクに該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考える事項については、積極的な情報開示の観点から記載しております。当社グループは、これらのリスクに対し発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に努める方針であります。
なお、本項記載の将来に関する事項は本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性のある全てのリスクを網羅するものではありません。
(1)事業環境に関するリスク
①経済状況等の変動
当社グループの提供するIM-DMP及び関連ソリューションは、デジタルマーケティング及びクロステック(X-Tech)領域に活用されるため、国内外の経済状況、企業のIT・マーケティング投資意欲、広告業界の動向による影響を受ける可能性があります。
現在、世界的なインフレや金利上昇、地政学的リスク(ロシア・ウクライナ情勢等)の長期化により、企業活動におけるコスト削減意識が強まっております。特にデジタルマーケティング領域においては、GoogleやMeta等の主要プラットフォームにおける広告効果の飽和やCPA(顧客獲得単価)の高騰を背景に、企業が広告代理店への委託を減らし、AIを活用して広告運用を自社で行う「インハウス化」を進める動きが加速しています。
当社グループは、こうした変化に対応し、労働集約的な運用代行からデータインフラ提供型へのビジネスモデル転換を進めておりますが、景気後退により顧客企業のマーケティング予算やDX(デジタルトランスフォーメーション)投資そのものが大幅に縮小・凍結された場合、当社グループのサービスに対する需要が減速し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
②インターネット及びデータ活用市場の動向について
当社グループはインターネット関連のデータ保有を強みとするデータマネジメントプラットフォーム「IM-DMP」を事業基盤としており、当社グループ事業の継続的な拡大・発展のためには、更なるインターネット環境の整備、及び生成AI等を含む高度なデータ利活用の拡大が必要と考えております。
しかしながら、インターネットの普及に伴う弊害の発生やその利用に関する新たな規制の導入、その他予期せぬ要因等により、今後のインターネット環境の整備、データ利活用の拡大が阻害された場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、昨今、海外の「GDPR(EU一般データ保護規則)」や「CCPA(カリフォルニア州消費者プライバシー法)」などの影響により、日本でも改正個人情報保護法が施行されるなど、プライバシー保護に関する規制が強化されています。技術面では、Google社のChromeにおける3rd Party Cookie廃止は取り止めとなりましたが、Apple社のSafariやMicrosoft社のEdgeなど、既に約6割のブラウザ環境ではCookieが利用できない状況にあり、インターネット市場全体への影響が継続しています。当社グループとしては、「IM-UID」等のポストCookieソリューションの提供により、Cookieの有無にかかわらず収益機会を確保する「ハイブリッドCookie」時代への対応を進めておりますが、今後ポストCookie対応による共通IDソリューションへの新たな規制や、インターネット関連のデータ保有自体への利用規制、あるいは急速に拡大する生成AI市場におけるデータ利用に関する法規制などが発生した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③顧客ニーズの変化とインハウス化の進展について
インターネット広告市場は依然として拡大傾向にありますが、GoogleやMeta等のプラットフォームにおける自動化技術の進展により、顧客企業の間では広告運用を自社で行う「インハウス化(内製化)」によるコスト削減ニーズが急速に高まっております。
これに伴い、従来の「運用代行サービス」への需要は減少し、AIや自動化ツールが最大限のパフォーマンスを発揮するために必要な「良質なデータ基盤(データインフラ)」そのものへのニーズへと構造的な変化が生じております。また、顧客のデータ活用ニーズは広告領域にとどまらず、生成AIを活用した営業支援や金融与信などの「クロステック領域」へと広がっております。
当社グループはこうした変化に対応し、運用型からデータインフラ提供型へのビジネスモデル転換や、AI-Readyデータの開発・連携を推進しておりますが、予期しない顧客ニーズの激変や技術革新(AI技術の進歩等)があった場合には、それに対応するための追加のシステム開発等が必要になります。適切な対応に支障が生じた場合、または提供するデータの付加価値を維持できなかった場合には、競争力の低下及びクライアント企業の流出等を招き、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④技術革新と生成AIの台頭について
当社グループは、インターネット広告分野及びデータ活用領域(クロステック領域)において事業を展開しておりますが、当該分野においては生成AIの急速な普及やプライバシー保護技術(ポストCookie対応)の進展など、技術の進歩及び変化が極めて著しくなっております。
特に、生成AI技術の発展によりデータ分析の技術的ハードルが低下し、AI活用に最適化された「AI-Ready」なデータ基盤への需要が全産業的に急増するなど、市場環境は構造的な変化を迎えております。また、主要ブラウザにおけるCookie利用制限や法規制の強化に伴い、従来の技術基盤からの転換も求められております。
このため、当社グループは、社内における生成AI活用の推進および教育、専門組織の設立に加え、生成AIやデータインフラに関する技術、知見、ノウハウの取得に注力しております。
しかしながら、今後の技術革新への対応が遅れた場合、または技術のコモディティ化が進む中で当社グループが優位性のあるデータを供給し続けられなかった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤競合他社の動向について
当社グループが展開するDMP(データマネジメントプラットフォーム)市場において、当社は既に国内導入シェアNo.1を達成しており、競合となる事業者は限定的です。特に、生成AIの普及に伴い重要性が増している「AI-Readyデータ(AIが学習・分析しやすいデータ)」を広範囲かつ大量に保有し、その活用インフラまで一気通貫で提供できる企業は国内において極めて稀であり、実質的な寡占状態にあると認識しております。
海外事業者との関係においては、ポストCookie(3rd Party Cookie規制)対応が進む中、LiveRamp社やThe Trade Desk社といった世界的な有力プラットフォーマーと競合するのではなく、同社が日本国内でサービスを展開するために不可欠な「共通IDソリューション(IM-UID)」や「データインフラ」を提供するパートナーとしての連携を強化しております。これにより、海外事業者の参入は脅威ではなく、むしろ当社グループのデータ流通量を拡大させる機会となっております。
一方で、当社グループは今後の成長戦略として、既存のアドテクノロジー領域に加え、金融、セールス、HR等の「クロステック領域」への参入を推進しております。これにより、従来の競合とは異なる各業界固有の既存プレイヤーや、データ活用に特化した新規参入企業との競争が発生する可能性があります。また、Google等の巨大プラットフォーマーがデータ収集・活用に関する方針を大きく転換した場合や、同領域へ本格参入した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥DMPの接続先及びデータ流通チャネルについて
当社グループの提供するIM-DMPは、データの入力元、出力先の両面において、従来のDSPやアクセス解析ツール等のデジタルマーケティングツールに加え、生成AIのプラットフォーム、クラウドデータ基盤(Snowflake等)、及びセールス、HR、金融等の「クロステック(X-Tech)」領域における各種業務システムとの接続を急速に拡大しております。
当社グループでは、生成AIの普及に伴い需要が急増しているAIが学習・分析しやすいデータを供給するインフラ機能を競争力の源泉の一つと考えております。そのため、既存のアドテクノロジー領域での連携強化に加え、生成AIプラットフォームへのデータ連携や、異業種パートナー(セールステック事業者等)とのアライアンスによる新たなデータ流通チャネルの開拓を重点施策として進めております。
しかしながら、これらのデータ活用先の方針、API仕様の変更、またはデータ利用に関する規約の改定等によりデータ連携が制限された場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)組織体制に関するリスク
①特定の人物への依存について
当社の代表取締役である簗島亮次は、DMPを含め様々なWebマーケティングに関するノウハウや新規事業の立案、業界での情報収集等に関して豊富な知識と経験を有しており、当社グループの事業運営において重要な役割を果たしております。当社グループでは、同氏に過度に依存しないよう、経営体制の整備、権限委譲及び次代を担う人材の育成強化を進めております。
しかしながら、何らかの理由により同氏が当社グループの業務を継続することが困難になった場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
②内部管理体制について
当社グループは今後の事業運営及び事業拡大に対応するため、内部管理体制について一層の充実を図る必要があると認識しております。今後、事業規模の拡大に合わせ、内部管理体制も充実・強化させていく方針であります。
しかしながら、事業規模に適した内部管理体制の構築に遅れが生じた場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③少人数での組織編成及び優秀な人材の確保について
当社グループは、業務執行上必要最低限の人数での組織編成を行っており、継続的な事業拡大のためには、優秀な人材の確保、育成及び定着が最も重要であると認識しております。
そのため、当社グループは優秀な人材の確保及び育成のために採用活動及び人事制度の強化に努めておりますが、当社グループが求める優秀な人材が必要な時期に十分に確保・育成できなかった場合や人材流出が進んだ場合には、経常的な業務運営に支障が生じ、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)法的規制に関するリスク
①訴訟等について
当社グループは、法令及び契約等の遵守に努めており、本書提出日現在において訴訟を提起されている事実はありません。
しかしながら、当社グループが事業活動を行う中で、顧客等から当社グループが提供するサービスの不備等により訴訟を提起された場合には、当社グループの社会的信用が毀損され、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
②インターネット広告の配信に関連する法的規制について
当社グループはIM-DMPを最大限に活用するためのワンストップサービスを提供しており、様々な広告配信ツールを利用してクライアント企業の求める方法でデジタル広告の配信を行うデータ活用広告配信サービスを展開しております。現在のところ当社グループの事業継続に著しく重要な影響を及ぼす法的規制はありませんが、「不当景品類及び不当表示防止法」、「特定商取引に関する法律」、「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」等の法的規制が存在しております。
個人情報の取扱いについては「個人情報保護法」等が存在しております。「個人情報保護法」第2条第1項では、個人情報を「生存する個人に関する情報であって」、「当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等(文面、図面若しくは電磁的記録に記載され、若しくは記録され、又は音声、動作その他の方法を用いて表された一切の事項(個人識別符号を除く。)をいう。)により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)」又は「個人識別符号が含まれるもの」と定義しておりますが、当社グループがDMP事業において収集する様々な属性情報には、それ自体で、又は他の情報と容易に照合することにより特定の個人を識別することが可能な情報は含まれておりません。したがって、当社グループがDMP事業において収集する様々な属性情報には個人情報が含まれておらず、これらの情報について、個人情報保護法上の対応は行っておりません。しかしながら、インターネット上のプライバシー保護の観点から、2022年4月1日施行の改正個人情報保護法により、Cookie(ウェブサイトの閲覧情報等を一時的に保存しておくためのウェブブラウザ上の記憶領域やそこに保存される情報)等の端末識別子を通じて収集された個人のウェブサイトの閲覧履歴等が、新たに「個人関連情報」と定義され、個人情報保護法の規律対象となりました。これにより、個人関連情報を第三者に提供する場合、提供先において個人データとして取得することが想定されるときは、当該個人関連情報に係る本人の同意が得られていることの確認が義務付けられましたが、当社グループにおける確認義務の発生する個人関連情報の提供は限定的であり、かつ、該当のケースにおいては、改正個人情報保護法に従い適切に同意状況を確認した上で、個人関連情報の第三者提供を行っております。
個人情報保護法については、個人情報保護委員会において、社会・経済情勢の変化を踏まえ、いわゆる3年ごと見直しを進めており、インターネット利用の普及に伴う法的規制の在り方については引き続き検討が行われている状況にあります。
また、インターネットを通じた電気通信サービスを提供する際は、webサイトに設置されたタグ等を送信したり、アプリケーションを起動する等の電気通信を行うことにより、利用者の意思によらずに、その利用者の端末設備に記録された利用者に関する情報(webページの閲覧履歴、入力履歴、システム仕様、システムログ等)を外部の第三者等に送信する状況が生じます。この状況に対して、安心して利用できる通信サービス・ネットワークの確保を目的として、2023年7月に電気通信事業法が改正施行され「外部送信規律」が導入されました。当該規律においては、多くの電気通信事業を営む者に対して、当該事業者が提供するサービス利用者のCookie等の端末識別子を通じて、当該利用者に関する情報を外部送信しようとするときは、利用者に対し、通知・公表を行い、もしくは利用者の同意を取得あるいはオプトアウト措置を提供することにより、利用者に対して確認の機会を与えることが確保できるようにすることが求められます。本書提出日現在、当社グループは当該規律の規制対象となる事業を営んでおりませんが、今後新たなサービスを提供する際には、当社グループにおいても対応が必要となる可能性があります。
なお、EU一般データ保護規則(GDPR)等の外国法令等には、Cookie等に対し、個人情報や個人データと同等又は類似の規制を行っているものがありますが、当社グループとしては、これらの外国法令等の適用のある国又は地域からはCookieを用いたデータ収集を行っていないこと等から、これらの外国法令等の適用を受けないものと考えております。
このように、今後、個人インターネット広告の配信に関連する分野において新たな国内外の法令等の制定や、EU一般データ保護規則(GDPR)を含む国内外の既存法令等の改正等による規制強化がなされた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。とりわけ、個人情報保護法の改正により、当社グループがDMP事業において収集する様々な属性情報が同法の定義する個人情報に該当することとされた場合には、ウェブサイトのユーザーからの同意取得が必要となることによるIM-DMPの総データ数の減少及びこれに伴うサービス品質の低下、Cookieを利用した一部のサービスの提供が困難になること、並びにCookieを利用しない代替的な技術の実用化に伴う費用の増加等が想定され、その結果、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③知的財産権について
当社グループが運営するサービスにおいて使用する商標、ソフトウェア、システム等については、現時点において、第三者の知的財産権を侵害するものではないと認識しております。今後も、侵害を回避するための著作権等の管理、監視等を当社顧問弁護士と協力して行っていく方針でありますが、当社グループの事業分野で当社グループの認識していない知的財産権が既に成立している可能性、又は新たに当社グループの事業分野で第三者により知的財産権が成立する可能性も考えられます。そのような場合には、第三者の知的財産権を侵害したことによる損害賠償請求や使用差し止め、権利に関する使用料等の支払請求がなされることが想定されます。そのような事態が発生する場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)システムに関するリスク
①システム基盤について
当社グループでは、様々なクラウドプラットフォームやクラウドサービスを活用することで、信頼性・安定性が高く、開発効率・コスト効率の良いシステムを実現しております。特定の事業者・サービスに依存しない構成を目指しております。
しかしながら、利用中のサービスの契約内容の変更、急激な価格変動、システム障害等によるサービスの一時的な中断、サービス内容の見直しによる機能提供の停止が発生した場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
②情報セキュリティについて
当社グループは、厳重な情報セキュリティ管理体制において自社内の機密情報を管理するとともに、事業の一環として取引先から預託された機密情報の管理・運用を行っております。情報管理には万全な方策を講じておりますが、万が一当社グループの従業員や取引先等が情報を漏洩又は誤用した場合、またシステム上の不具合やコンピューターウィルス、不正アクセス等に起因する情報の漏洩が発生した場合には、当社グループが社会的信頼を失い、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)その他のリスク
①配当政策について
当社は、経営基盤の安定化を図るために内部留保の充実を図ることが重要であると考えておりますが、株主に対する利益還元も経営の重要な経営課題であると認識しております。そのため、事業基盤の整備状況、業績や財政状態などを総合的に勘案のうえ配当を実施してまいりたいと考えております。また、配当政策が業績に連動しているため、業績が悪化した場合、これに伴い配当が減少又は無配となる可能性があります。しかしながら、当面は事業基盤の整備を優先することが株主価値の最大化に資するとの考えから、その原資となる内部留保の充実を基本方針とさせていただく所存であります。
②新株予約権行使による株式価値の希薄化について
当社では、取締役及び従業員に対するインセンティブを目的としたストック・オプション制度を採用しております。現在付与している新株予約権が行使された場合は、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
なお、2025年9月30日現在における新株予約権による潜在株式数は69,300株であり、発行済株式総数3,120,350株の2.22%に相当しております。
③季節変動について
当社グループの売上は、広告主の広告予算をベースに構成されるため、広告主の予算の月ごとの配分の影響を受けます。特に年度末に予算が配分される広告主との取引は、多くの広告主が年度末として設定している12月及び3月に売上が集中する傾向があります。最近はその傾向が分散されつつあり影響は薄まっているものの、安定的に月次業績が推移する業種に比し売上及び利益の変動が起こりやすいほか、変動が大きく下振れ幅が顕著な場合には当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
④自然災害等について
当社グループは、自然災害や事故に備え、システムの定期的なバックアップや稼働状況の監視によりシステムトラブルの未然防止及び回避に努めております。
しかしながら、地震等の大規模災害の発生等により本社又は外部のクラウドプラットフォームのデータセンターが被害を受けた場合、当社グループ事業の継続に支障をきたし、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は2,191,105千円となり、前連結会計年度末に比べ69,004千円の増加となりました。
流動資産は2,112,365千円となり、前連結会計年度末に比べ62,546千円増加しました。これは主に売掛金が71,192千円増加したことによるものであります。固定資産は78,739千円となり、前連結会計年度末に比べ6,487千円増加しました。これは主に投資その他の資産が8,084千円増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は634,651千円となり、前連結会計年度末に比べ116,853千円の増加となりました。
流動負債は546,329千円となり、前連結会計年度末に比べ134,831千円増加しました。これは主に未払法人税等が59,210千円増加したことによるものであります。固定負債は88,322千円となり、前連結会計年度末に比べ17,977千円減少しました。これは主に長期借入金が19,992千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は1,556,453千円となり、前連結会計年度末に比べ47,849千円の減少となりました。これは主に自己株式の消却等により利益剰余金が41,532千円減少したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は69.1%(前連結会計年度末は74.0%)となりました。
②経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、各種政策の効果もあり、雇用や所得環境の改善やインバウンド需要の増加がみられ、緩やかに景気が回復する動きがみられました。一方、ロシア・ウクライナ情勢の長期化、米国の政権交代、円安の影響によるエネルギーコスト及び原材料価格の高騰、それに伴う物価の上昇など、景気の動向は依然として不透明な状況が続いております。
当社の主力事業が属するインターネット広告市場におきましては、2024年のインターネット広告市場が前年比9.6%増の3兆6,517億円(株式会社電通「2024年日本の広告費」)となり、高い増加率を継続しております。2024年7月にGoogleのwebブラウザ「Chrome」における3rd Party Cookieの廃止が取り止めとなったものの、その他のブラウザでは既に3rd Party Cookieが利用できない状況に変わりはなく、Cookieを代替するサービスである「ポストCookieソリューション」への需要は順調に伸長しております。
ソリューション毎の経営環境につきましては、マーケティング支援においては、市場環境がAIプラットフォーム機能の発達やアドテクの効率化、顧客のインハウス化の加速により変化する中で、当社は差別化が難しい運用代行モデルから、データの価値を軸としたセルフサービス型への事業構造の移行を推進しました。当連結会計年度においてセルフサービス型の売上比率が増加し、人員数に依存せずにスケール可能な収益モデルへの転換が進みました。
データマネジメント・データアナリティクスについては、プラットフォームを経由したインフラ型の販売への移行が進んでいることにより、増加トレンドが継続しております。このソリューションは、クライアントの意向に左右されづらいソリューションとして、安定して売上に寄与しております。特に「ポストCookie」ニーズが堅調であり、「Google Ad Manager」との連携が強化されたことによる「IM-UID」を利用した広告配信量の増加が進んだことにより配信量に応じたデータ利用料の売上が増加しました。また、営業効率を高めるために代理店型の販売を増やし取引先を集約していることから、アカウント数は横ばい推移となりました。
成果報酬型ディスプレイ広告運用サービス「Performance DMP」については、特定の案件への依存度が比較的低い事業の主力の一つとして安定的に業績に貢献しております。また定期的に不採算案件の見直しを行うことで収益性が改善しております。
費用面においては、生成AIを活用した業務効率化が進展したことによりコスト最適化を図り、人件費をはじめとする販売管理費を抑制しました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高3,363,631千円(前年同期比12.3%増)、営業利益227,702千円(同164.2%増)、経常利益229,450千円(同165.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益153,480千円(同168.3%増)となりました。
なお、当社グループは、DMP事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。
③キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ3,670千円増加し、1,625,786千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は218,480千円(前年同期は10,414千円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益229,450千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は490千円(前年同期1,214千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出490千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は214,319千円(前年同期は1,895千円の収入)となりました。これは主に、自己株式の取得による支出216,274千円によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループの提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループの提供するサービスの性格上、受注確定から売上計上日までの期間が短期間であり、期末日現在の受注残高が年間売上高に比して僅少であるため、その記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。なお、当社グループはDMP事業の単一セグメントであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年10月1日 至 2025年9月30日) |
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販売高(千円) |
前年同期比(%) |
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DMP事業 |
3,363,631 |
112.3 |
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合計 |
3,363,631 |
112.3 |
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
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相手先 |
前連結会計年度 (自 2023年10月1日 至 2024年9月30日) |
当連結会計年度 (自 2024年10月1日 至 2025年9月30日) |
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金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
株式会社ファンコミュニケーションズ |
413,080 |
13.8 |
438,133 |
13.0 |
|
ローソン・ユナイテッドシネマ株式会社 |
242,078 |
8.1 |
400,327 |
11.9 |
⑤経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは経営方針に則った通期業績予想について、業績動向等を踏まえ、期初に公表した各経営指標の予想値を修正し2025年10月15日に公表いたしました。
当社グループが定める経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等に関する業績予想の達成状況は下表のとおりです。
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業績予想(千円) |
実績(千円) |
予想比(%) |
|
売上高 |
3,365,323 |
3,363,631 |
99.9 |
|
営業利益 |
228,857 |
227,702 |
99.5 |
|
経常利益 |
230,684 |
229,450 |
99.5 |
|
親会社株主に帰属する 当期純利益 |
158,089 |
153,480 |
97.1 |
|
1株当たり当期純利益(円) |
48.74 |
47.32 |
97.1 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②経営成績の状況」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当社グループのキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況の分析」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社の運転資金需要のうち主なものは、広告媒体の仕入費用及び人件費等の営業費用であります。
当社は、運転資金につきましては内部資金及び銀行等金融機関から借入により充当しております。
③重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りによる不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りとは異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。