第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生または前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。

なお、当社は、当中間連結会計期間より中間連結財務諸表を作成しているため、前年中間連結会計期間との比較分析は行っておりません。

 

(1) 経営成績の分析

当社は、2014年11月の「再生医療等の安全性の確保等に関する法律(以下、「再生医療等安全性確保法」という。)」と「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」施行を踏まえ、再生医療関連事業の産業化推進と同業での新たな価値創出を目指し2015年11月に創設され、当事業年度は第10期となります。

 

当社は、血液由来加工受託サービス、脂肪由来幹細胞加工受託サービス、滑膜由来幹細胞加工受託サービス、FatBankサービス及び卵子凍結保管受託サービスで構成される「組織・細胞の加工受託・保管サービス」、医療機関に対し再生医療等安全性確保法に関連する書類作成等のサポートを行う再生医療等法規対応サポートや経営管理支援サービスで構成される「医療機関支援サービス」、医療機関が患者から脂肪等を採取するために必要となる機器を販売する「医療機器販売」、並びに「化粧品販売その他」から構成される「再生医療関連事業」を行っております。

 

当社はこれまで、主力である整形外科領域において医療機関向けに再生医療関連事業を展開して参りましたが、今後は医療機関やパートナー企業とともに、再生医療関連事業を社会へ実装するフェーズへ移行します。2024年12月には「セルソースビジョン」と題して、「膝の痛みに悩む人をゼロへ」というテーマと共に中長期的な事業の方向性を示しました。当事業年度はその実現に向けた「Year 0」であり、中長期的な成長の基盤を築く年として、「経営リソース配分の最適化」「整形外科向け既存事業の拡充」「ビジョン実現に向けた先行投資」の3つのコミットメントを掲げました。

 

また2024年11月にハイブリッドメディカル株式会社を100%出資の子会社として設立し、同社を連結対象としています。同社は再生医療関連事業を社会へ実装するために、整形外科を中心とした全国の医療機関とより密な連携を図り、医療機関の経営管理支援サービスを展開しています。

 

当中間連結会計期間におきましては、主事業である血液由来加工受託サービス、脂肪由来幹細胞加工受託サービスにおいて、受託件数が前期比低下しました。一方、経営リソース配分の最適化に向けて販売管理費を中心にコストの見直しと削減を実行しました。

 

以上の結果、当中間連結会計期間の業績は、売上高は1,820,503千円、売上総利益は1,021,370千円、販売費及び一般管理費は1,004,296千円、営業利益は17,073千円、経常利益は18,950千円、親会社株主に帰属する中間純利益は11,172千円となりました。

 

各サービス別の概況は、以下のとおりです。なお、当第1四半期より、従来「コンサルティングサービス」としていた名称を「医療機関支援サービス」に変更しております。当該変更は名称変更のみであり、セグメント情報に与える影響はありません。また、当社は「再生医療関連事業」の単一セグメントを採用しております。

 

(加工受託サービス・医療機関支援サービス)

加工受託サービス又は医療機関支援サービスの契約を締結した提携医療機関数は前事業年度末から62院増加し、当中間連結会計期間末には2,017院と順調に拡大いたしました。一方、医療機関あたりの受託件数は伸び悩み、血液由来加工受託サービスと脂肪由来幹細胞加工受託サービスを合計した加工受託件数が前年同期の11,255件から当中間連結会計期間は10,303件に低下しました。

上記の結果、当中間連結会計期間の加工受託サービスの売上高は1,194,790千円、医療機関支援サービスの売上高は62,708千円となりました。

 

(医療機器販売)

医療機器販売は、主に美容クリニック等の医療機関に脂肪吸引機器等の医療機器を販売しております。当中間連結会計期間の売上高は、取引先への販売の減少により422,930千円となりました。

 

(化粧品販売その他)

化粧品販売はBtoCモデルとBtoBモデルがあります。BtoCモデルは、主に自社Webサイトを中心に自社の化粧品を販売しております。またBtoBモデルは、自社で開発した化粧品原料を販売会社に提供、及び販売会社の委託を受けて自社化粧品原料を用いたOEM製造・販売をしております。当中間連結会計期間は、BtoBモデルによる化粧品販売の減少により、売上高は140,074千円となりました。

 

当社が経営上の主要係数としてモニタリングしている加工受託サービス又は医療機関支援契約を締結した「提携医療機関数」、血液由来加工受託サービスと脂肪由来幹細胞加工受託サービスを合計した「加工受託件数」及び「営業利益率」の各数値、並びにサービス分類別売上高の四半期(3カ月)推移は以下のとおりとなっております。

 

(金額単位:千円)

 

2024/10期

第2四半期

2024/10期

第3四半期

2024/10期

第4四半期

2025/10期

第1四半期

2025/10期

第2四半期

直前四半期

対比

提携医療機関数(期末)

1,865院

1,923院

1,955院

1,982院

2,017院

+35院

加工受託件数

5,570件

6,271件

5,418件

4,981件

5,322件

+341件

営業利益率

7.2%

9.6%

-25.5%

-7.3%

8.2%

+15.5ポイント

(サービス分類別売上高)

 

 

 

 

 

 

加工受託サービス

671,872

712,332

694,970

555,534

639,255

+15.1%

医療機関支援サービス

62,770

42,102

24,275

21,542

41,165

+91.1%

医療機器販売

188,596

225,539

206,669

218,285

204,645

△6.2%

化粧品販売その他

130,917

133,736

87,765

53,822

86,251

+60.2%

 

 

(2) 財政状態の状況

① 資産、負債及び純資産の状況

(資産)

当中間連結会計期間末における総資産は6,941,799千円となりました。主な内訳は、現金及び預金4,407,920千円、投資その他の資産その他765,907千円、建物(純額)726,980千円であります。

 

(負債)

当中間連結会計期間末における負債は994,157千円となりました。主な内訳は、資産除去債務296,869千円、固定負債の契約損失引当金222,516千円、流動負債その他210,806千円であります。

 

(純資産)

当中間連結会計期間末における純資産は5,947,642千円となりました。主な内訳は、利益剰余金3,132,194千円、資本金1,428,074千円、資本剰余金1,338,074千円であります。

 

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)の残高は4,407,920千円となりました。

当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は174,883千円となりました。これは主に、減価償却費98,845千円の計上及び税金等調整前中間純利益23,075千円の計上などがあったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果獲得した資金は21,983千円となりました。これは主に、敷金及び保証金の回収による収入45,011千円などがあったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は108,968千円となりました。これは主に、配当金の支払98,790千円などがあったことによるものであります。

 

(4) 経営方針・経営戦略等

当中間連結会計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、当社が優先的に対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(6) 研究開発活動

当社の研究開発活動は、主に自家細胞・組織を用いた再生医療に関する臨床応用について、大学や事業会社と共同で実施しており、当中間連結会計期間における研究開発費の金額は10,433千円であります。

 

 

3 【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。