第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社グループは、企業理念「いつでも想像以上に満足のできる商品・サービスを提供します。」の下に、株主をはじめ、顧客、取引先、従業員ひいては社会全体との共栄及び当社グループの持続的な成長と企業価値の最大化を目指して事業展開を行っております。

 

(2)経営戦略等

 当社グループは、婦人靴を中心とした自社商品の企画開発及び販売を主な事業としており、仕入コスト及び物流コストの圧縮と、販売チャネルの拡大及び販売促進プロモーションの強化等の取組みが業績に大きく影響いたします。そのため、当社グループは、創業以来、靴業界における既存サプライチェーンの見直しを図り極力省力化させることで、販売価格に転嫁される中間マージンの低減に努めてまいりました。今後は、それらの一層の効率化を図るとともに、各販売チャネルの特性に合わせたブランドポートフォリオの最適化に留意しながら、持続可能な靴ビジネスの展開に取り組んでまいります。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指し、収益性と資本効率を重視しております。当該指標として、売上高及び売上高営業利益率を重要な経営指標と位置付け、経営課題に取り組んでまいります。

 

(4)経営環境

 今後の当社グループを取り巻く経営環境を展望しますと、新型コロナウイルスの感染拡大により世界経済は急速に減速し、各国は大規模な金融緩和や積極的な財政政策により景気の下支えに取り組んでまいりました。2021年後半からは、一部の国と地域において行動制限が解除されるなど新型コロナウイルスとの共存が模索され始めております。日本国内におきましても、オミクロン株の重症化リスクが小さいこともあり、感染第6波の収束と3回目のワクチン接種の進展により個人消費を中心に景気は回復基調に復帰し、感染状況次第でGoToキャンペーンなどの需要喚起策の再開も可能となって景気を押し上げると期待されております。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループは、靴業界におけるイノベーターカンパニーとして、「ORiental TRaffic」をはじめとするWAブランドのユーザ拡大を基本戦略とし、お客様満足度の高い、高品質な商品及びサービスの企画開発に取り組んでまいります。また、当社グループの保有する高品質ブランドの積極的な普及を進め、当社グループの販売領域や規模の拡大を目指すとともに、他社ファッションブランドとのコラボレーション事業を推進し、お客様との長期的なつながりの構築を目指してまいります。

 当社グループの商品は、自社で企画開発しパートナー工場で生産、仕入を行っております。商品開発の特徴としては、商品企画担当者が販売スタッフとして店頭で接客を行い直接お客様の声を聞き、同じ企画担当者が検品検査スタッフとして生産工場を巡回し直接指導を行っていることです。これらの商品企画開発から生産品質管理、販売までを分業化せず一気通貫で担当することで、当社グループオリジナルの魅力的な商品提供を可能にしております。また、独自サービスとしては、ヒール先端部分(トップリフト)の無料交換や不要になった靴の下取り交換など、企業理念「いつでも想像以上に満足のできる商品・サービスを提供します。」の実現に尽力しております。

 このようなお客様に寄り添った商品及びサービスの提供を行い続けながら、企業価値の向上に向け、具体的には以下の課題に取り組んでまいります。

 

①ライフスタイルの変化に対応した商品企画開発力の向上

 日々めまぐるしく変化する社会において価値観やライフスタイルが多様化し消費者に求められる商品基準も高まっています。当社グループは、企業理念である「いつでも想像以上に満足のできる商品・サービスを提供します。」を実現するため、従来から消費者の嗜好に寄り添った商品を提供することで成長してまいりました。今後は今まで以上に消費者の声に耳を傾け、消費者動向や競合他社の把握・分析のほか、市場全体のニーズ・トレンドを迅速に捉え、タイムリーに消費者とのコミュニケーションを密に重ねることで、より顧客満足度の高い商品・サービスを提供するために企画開発力の向上に取り組んでまいります。

 

②グローバル・サプライチェーンマネジメントの強化

 当社グループにおける商品の企画開発・発注仕入プロセスに関して、日本国内のみならず中国・香港を含む全社的な商品供給を支えるために、グローバルな視点に基づいたサプライチェーンマネジメントの向上を進めてまいります。そのため、現地のパートナー工場等との価格や技術力、品質面などの条件を勘案した新たな取引先の開拓や、為替相場の変動等に備えた適切なリスクヘッジを実現することにより、企業グループ全体として適時適切な商品仕入が行えるように取り組んでまいります。

 

③事業構造のデジタル化の推進

 ファッション業界におけるテクノロジーの進化は著しく、ECチャネルのみならず実店舗におきましても、アプリ連携等によるQR決済やポイント連携、購買履歴・閲覧履歴からレコメンド機能等の付加サービスに関する進歩に対応しなければ事業の停滞を余儀なくされます。当社グループにおきましても、常に利便性の高いアプリ・サイトの構築及び顧客サービスの拡充に努めておりますが、今後ますます進むデジタル化の波に乗り遅れることがないように、今まで以上に売場最適な顧客リレーションの実現に取り組んでまいります。

 

④高価格帯ブランド『卑弥呼』の成長

 履き心地と綺麗さを兼ね備えた『卑弥呼(ヒミコ)』ブランドは、素材と造りの品質にこだわり高価格帯の訴求を行うと同時に幅広い年齢層へのアプローチを推進してまいります。子会社化に伴い復活した『卑弥呼(漢字ヒミコ)』による潜在顧客の呼び起こしと、機能性を重視した『water massage(ウォーターマッサージ)』による既存顧客の囲い込み、そして、品質とトレンドを兼ね揃えた『HIMIKO(ローマ字ヒミコ)』による新規顧客層の開拓に励んでまいります。

 

⑤海外事業の拡大

 当社グループは、現在、台湾、香港、マカオ、中国にて海外事業を展開しております。今後のさらなる成長のためには、グローバル市場、とりわけアジア地域での海外事業の拡大は必要不可欠であります。WAブランドのコンセプトを世界中のお客様に浸透させるためにも、引き続きブランドビルディングを推進してまいります。

 

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)自然災害及び戦争等の発生について

 当社グループは、国内外に店舗及び物流センター等を保有しております。また、商品は、主として海外のパートナー工場及び貿易会社へ発注し仕入しております。そのため、地震、台風、洪水、津波、気候変動に伴う異常気象の頻発等の自然災害、新型インフルエンザウイルス、新型コロナウイルス等感染症の流行、火災、停電、発電所事故、戦争、テロ行為等の違法行為等により、事業活動の停止、流通インフラの断絶、施設の損壊等が発生し、当社グループの事業運営に重大な支障が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)情報セキュリティについて

 当社グループは、インターネット取引等をはじめとした販売活動によって、相当数の個人情報を保有しております。また、商品の企画開発に係わる営業機密情報を保有しております。これらの重要な情報の管理は、情報セキュリティ管理体制を整備し厳重に業務執行をしておりますが、万一情報が流出・紛失するような事態となった場合には、社会的信用の失墜による売上高の減少または損害賠償による多額の費用の発生等が考えられ、その場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)海外サプライチェーンについて

 当社グループは、自社で生産拠点を保有しておりません。そのため当社グループでの商品仕入は、自社で企画開発した靴のデザインを海外を含むパートナー工場及び貿易会社に発注・仕入しております。

① 輸入コストの安定化を図るために為替予約取引を導入しております。しかしながら、海外の政治経済の動向または通貨政策により為替相場に急激な変動が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

② 国内へ商品を輸送するうえで輸出入申告手続きを通関業者に業務委託しております。関税等の通関手続きについては、社会情勢の変化に応じて法制度の改正、強化、解釈の変更などが想定され、その対応により新たな負担の発生や事業展開の変更を求められることも予測されます。その場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

③ 現地工場の人件費及び物価の高騰等による影響が仕入原価の上昇に繋がるおそれがあります。また、政治的・社会的な不安定要素も存在し、当該影響により経済情勢に著しい変化が生じるおそれがあります。その場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)特定の企業への物流業務の依存について

 当社グループは、商品の仕入または出荷に係る倉庫および物流業務について特定の外部業者に委託しております。現在、当該業務委託先との間で何ら問題は生じておりませんが、今後、事業方針や戦略等の見直し、経営状況の変化や財務内容の悪化並びに取引条件の変更等があった場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)特定の企業が運営する商業施設への出店集中について

 当社グループは、全国のルミネ・アトレ等の駅ビル、ららぽーと・イオンモール等の大型ショッピングセンター、三越・髙島屋等の百貨店への出店により、安定した集客と費用対効果の高い販促施策を展開しております。しかしながら、出店先を取り巻く環境の変化等により、当社グループの出店条件に合致した物件がないなど計画通りに出店が進まない場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)ファッショントレンドの転換について

 当社グループが取り扱う婦人靴を中心とした商品は、流行性・季節性が高く、かつ気候・気温の変化による影響を受けやすい商品財に分類されます。現在、消費者の支持を受け事業展開を進めておりますが、ファッショントレンドの変化に適応できず消費者の嗜好に対応する商品の提供ができない場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)働き方の多様化について

 政府が推奨する働き方改革の1つであるカジュアルワーク(業務中の服装自由化)の普及により、スニーカーをはじめとしたオフィスカジュアルに対応した靴へと消費者の嗜好の変化が見受けられます。一方で、働く場所に縛られないテレワークの活用拡大に伴い、都心部から地方へ移転する企業も増加しており、そのような働き方の変化に対応する商品・サービスの提供ができない場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)景気の悪化について

 靴はいわゆる「衣食住」の「衣」に含まれており、生活必需品の1つに数えられるため、将来にわたって靴そのものの利用価値が失われ代替製品に取って代わられることは想定し難いと考えております。一方で、ファッションアイテムの一つに位置付けられております靴は、景気に係る個人消費の動向に大きく左右されるため、需要に対してタイムリーに商品供給ができない場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)人口分布の変化について

 今後の日本の人口減少及び少子高齢化の進行により、国内の小売市場が低調に推移していくことが予想されます。そのため当該市場縮小が及ぼす影響に対して、新市場の開拓や新業態への進出、実効性の高い商品企画や営業施策を適切に展開し、消費者の支持を得ることができない場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)市場競争による販売シェア及び利益率の低下について

 近年、各種SNSやEC等の販売チャネルの多様化により、同業他社との競争が一層激しくなることが予想されます。そのため、今後、販売価格の見直しや広告宣伝費の増加といった諸活動を伴う競合他社との市場競争により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)商品の過剰在庫について

 当社グループは、適正な商品在庫水準の維持と滞留在庫の発生を防止するよう努めております。しかしながら、消費者需要や市況の変化、天候の変化などの影響により、当初予測した需要が実現せず、商品の過剰在庫となるおそれがあります。その場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)人材確保の困難について

 当社グループは、継続的な事業拡大及び収益基盤の確立のために優秀な人材の確保及び育成が最も重要な経営資源と位置付けております。しかしながら、採用活動の展開、教育研修制度の充実、人事制度の整備運用がうまく機能せず、当社グループが求める人材の確保、育成が計画通りに進捗しない場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。なお、当社グループは、前第2四半期連結会計期間において株式会社卑弥呼の全株式を新たに取得し、連結の範囲に含めているため、前期の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの概況に影響を及ぼしております。

 

①財政状態の状況

(資産)

 総資産は、前連結会計年度末に比べて、1,062,151千円増加して10,069,114千円となりました。これは主に、現金及び預金が985,132千円、売掛金が105,042千円、棚卸資産が198,133千円それぞれ増加した一方で、未収還付消費税等及び未収還付法人税等(その他流動資産)が208,866千円減少したことによるものです。

 

(負債)

 負債は、前連結会計年度末に比べて、292,603千円増加して1,955,800千円となりました。これは主に、未払法人税等が349,831千円、未払消費税等(その他流動負債)が79,719千円増加した一方で、買掛金が44,435千円、リース債務(短期)が54,770千円、リース債務(長期)が20,585千円それぞれ減少したことによるものです。

 

(純資産)

 純資産につきましては、前連結会計年度末に比べて、769,548千円増加して8,113,313千円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益を707,569千円計上したことにより利益剰余金が707,569千円増加したことによるものです。

 

②経営成績の状況

 当社グループの当連結会計年度の連結業績は、売上高が15,701,607千円(前期比20.0%増)、営業利益が1,037,782千円(前期比245.1%増)、経常利益が1,031,701千円(前期比231.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が707,569千円(前期比195.0%増)となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」といいます。)は、前年同期に比べて、1,016,912千円増加して3,704,222千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下の通りです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は、1,464,639千円(前年同期は303,664千円の使用)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が1,037,805千円、減価償却費が539,188千円、助成金等の受取額が66,789千円、法人税等の還付額が189,273千円あった一方で、売上債権の増加額が99,898千円、たな卸資産の増加額が172,956千円、法人税等の支払額が122,875千円それぞれあったことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は、136,010千円(前年同期は457,045千円の使用)となりました。これは主に、新規出店及びiPadレジ導入に伴う有形固定資産の取得による支出が114,407千円、基幹システムの刷新及び追加等に伴う無形固定資産の取得による支出が39,984千円あったことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は、350,974千円(前年同期は451,457千円の使用)となりました。これは主に、リース債務の返済による支出が357,735千円あったことによるものです。

 

④生産、受注及び販売の実績

 当社グループは、婦人靴の企画・販売事業を単一の報告セグメントとしているため、セグメント別に記載しておりません。なお、仕入実績につきましては、取扱品目の合計額を記載しており、販売実績につきましては、販売形態別に記載しております。

 

a.生産実績

当社グループは生産活動を行っていないため、該当事項はありません。

 

b.仕入実績

当連結会計年度の仕入実績は、次のとおりであります。

 

品目別

 

当連結会計年度

(自 2021年2月1日

至 2022年1月31日)

前年同期比(%)

婦人靴等

(千円)

5,802,314

113.8

合計

(千円)

5,802,314

113.8

 (注)1.金額は、仕入価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.販売実績

 当社グループは、婦人靴の企画・販売事業を単一の報告セグメントとして事業を行っておりますが、当連結会計年度における販売実績を販売形態別に示すと、次のとおりであります。

販売形態別

当連結会計年度

(自 2021年2月1日

至 2022年1月31日)

前年同期比(%)

店舗販売

(千円)

11,611,587

124.8

EC販売

(千円)

3,349,517

122.5

委託販売

(千円)

697,581

69.0

その他

(千円)

42,921

124.9

合計

(千円)

15,701,607

120.0

 (注)1.金額は、販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.主要な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する販売実績の割合が100分の10以上の相手先が存在しないため、記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染拡大により、度重なる緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の発令によって経済活動が停滞し先行き不透明な状態が継続しておりました。しかしながら、このところ感染第6波の収束と3回目のワクチン接種の進展により新規感染者数が抑えられております。また、国内個人消費につきましては、規制解除により経済活動が再開し一部で持ち直しの動きが見られるものの、原油高及び原材料価格の高騰を受けて食料品、エネルギーを中心に物価が上昇しております。

 当社グループが所属する靴業界におきましては、業界全体の市場規模は減少傾向にあるものの、スニーカーを中心としたカジュアル志向の靴の需要は依然として拡大傾向にあります。しかしながら、コロナ禍での外出自粛に伴う服飾雑貨等の需要の減少や、雇用環境の悪化を背景とした購買意欲の低下が長期化していたこともあり、新型コロナウイルスのパンデミック以前に比べ靴そのものの消費が減少し、業界を取り巻く環境は厳しい状況が継続しております。

 このような状況の中、当社グループは、「いつでも想像以上に満足のできる商品・サービスを提供します。」の企業理念のもと、引き続き好立地かつ好条件の店舗展開と、更なる成長が期待されるECチャネルの事業拡大に取り組んでまいりました。

 当社国内店舗売上高につきましては、度重なる緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置の発令により一部の店舗で休業及び営業時間の短縮を行うなど経済活動が停滞しておりましたが、新型コロナウイルスのワクチン接種率の増加に伴い感染者数が減少したことで人流が増加し売上高が回復いたしました。出店状況としましては、当社国内店舗の新規出店は8店舗、退店は6店舗となり、当連結会計年度末における当社国内店舗数は106店舗(純増2店舗)となりました。

 当社国内EC売上高につきましては、EC限定商品の投入により店舗との差別化を図り、WEBマーケティングの強化を一層進めたことで、前連結会計年度に引き続き好調に推移いたしました。

 当社国内委託売上高につきましては、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により委託先企業の店舗数が減少したことで、極めて厳しい状況で推移いたしました。

 連結子会社の株式会社卑弥呼につきましては、新型コロナウイルス感染拡大による影響を受けながらも、在庫確保による販売機会損失の防止や不採算店舗のスクラップアンドビルドの成果により、子会社化2期目にて通期での黒字化を達成いたしました。また、繊研新聞社が主催する「百貨店バイヤーズ賞レディスベストセラー賞靴部門第1位」を昨年に続き2年連続で受賞いたしました。

 出店状況としましては、株式会社卑弥呼の国内店舗の新規出店は8店舗、退店は5店舗となり、当連結会計年度末における国内店舗数は53店舗(純増3店舗)となりました。

 海外子会社につきましては、地元政府による新型コロナウイルス感染拡大の抑制が功を奏し、穏やかに消費が回復し、売上高及び利益の増加に寄与しました。

 以上の結果、当連結会計年度における売上高は、前年同期比20.0%増加の15,701,607千円となりました。

 販売費及び一般管理費につきましては、前年同期比で15.1%増加の9,067,608千円となり、売上高販管費率は57.7%(前年同期比2.5ポイント減少)となりました。

 人件費関連コストにつきましては、新型コロナウイルス感染症拡大による店舗の営業時間短縮や臨時休業の実施に伴い支給した休業手当について特例措置を受けた雇用調整助成金等の支給額を給料及び賞与から控除する会計処理を行っております。前連結会計年度において当該助成金の控除が212,512千円であったのに対し当連結会計年度は31,936千円の控除となりました。当該控除額の減少と相まって当連結会計年度は店舗営業日数が増加し売上高が回復したことで売上高人件費率は19.2%(前年同期比0.2ポイント減少)となりました。

 地代家賃につきましては、前連結会計年度において新型コロナウイルス感染拡大の影響に伴う休業要請による店舗の営業時間短縮や臨時休業の実施により各商業施設から大幅な賃料減免を受けておりましたが、当連結会計年度は店舗営業日数が増加したことによる売上高の増加とともに地代家賃が増加したため、前年同期比で22.2%増加の1,810,731千円となりました。

 広告・販売促進費用につきましては、新規顧客層の獲得を目的としたSNSプロモーションを推進し、医療従事者支援として6万足弱の靴の無料提供を実施しました。また、海外子会社において、新たにECでのライブコマースを試みブランド認知度の向上に注力しました。その結果、前連結会計年度とほぼ同水準の462,650千円となりました。

 以上の結果、当連結会計年度における営業利益は、前年同期比245.1%増加の1,037,782千円となり、営業利益率は6.6%(前年同期比4.3ポイント増加)となりました。

 営業外損益につきましては、営業外収益は、受取利息等の発生に留まった結果、前年同期比13,678千円減少の14,043千円となりました。営業外費用は、急激な円安により仕入債務決済等に係る為替差損が発生した結果、前年同期比3,044千円増加の20,124千円となりました。

 以上の結果、当連結会計年度における経常利益は、1,031,701千円(前年同期比231.3%増加)となり、経常利益率は6.6%(前年同期比4.2ポイント増加)となりました。

 特別損益につきましては、特別利益は、前連結会計年度において株式会社卑弥呼を連結範囲に含めたことによる負ののれん発生益を計上しておりましたが、当連結会計年度は、固定資産売却益等の計上に留まった結果、前年同期比123,967千円減少の40,764千円となりました。特別損失は、前連結会計年度において新型コロナウイルス感染拡大により店舗固定資産の回収可能性が低下したことを受け、海外店舗を含む多額の減損損失を認識しておりましたが、当連結会計年度は減損損失が減少した結果、前年同期比70,790千円減少の34,660千円となりました。

 以上の結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、707,569千円(前年同期比195.0%増加)となりました。

 なお、店舗の出退店等の状況は、次のとおりであります。

店舗・地域

店舗数

前連結会計

年度末

当連結会計年度

当連結会計

年度末

出店

退店

その他

増減

 

ORiental TRaffic

54

2

△3

-

△1

53

WA ORiental TRaffic

35

4

△1

-

3

38

ORiental TRaffic OUTLET

13

-

 

-

-

13

WA!KARU

2

-

△2

-

△2

-

ORTR

-

1

-

-

1

1

NICAL

-

1

-

-

1

1

卑弥呼

50

8

△5

-

3

53

国内合計

154

16

△11

-

5

159

 

香港

19

-

-

-

-

19

中国

1

-

-

-

-

1

マカオ

2

-

-

-

-

2

海外合計

22

-

-

-

-

22

 

ダブルエー

9

1

-

-

1

10

卑弥呼

5

-

-

-

-

5

国内EC合計

14

1

-

-

1

15

 

中国

2

-

△1

-

△1

1

海外EC合計

2

-

△1

-

△1

1

グループ合計

192

17

△12

-

5

197

 (注)1.運営管理及び運営代行管理している店舗・地域別に集計しております。

2.店舗数は、他社EC店舗、自社EC店舗を含めて集計しております。

3.海外販売ライセンス契約に基づき展開されている台湾13店舗は含めておりません。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、店舗の設備投資、システム投資等によるものであります。

 当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金及び設備資金につきましては、まず営業キャッシュ・フローで獲得した資金を投入し、不足分について有利子負債の調達を実施しております。事業計画に基づく資金需要、金利動向等の調達環境、既存有利子負債の返済時期等を考慮の上、調達規模、調達手段を適時判断していくこととしております。

 当連結会計年度末において、複数の金融機関との間で合計1,900,000千円の当座貸越契約を締結し、資金需要に備えております(借入未実行残高1,900,000千円)。

 なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は3,704,222千円となっております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

該当事項はありません。