文中の将来に関する事項は、提出日現在において判断したものであります。
(1) 会社経営の基本方針
a) 経営理念
当社並びに海外に展開しているグループ子会社は“自然と産業の調和を創造する”という経営理念のもと、人と自然にやさしい製品やサービスの提供を通じて、社会に貢献してまいります。
「自然に感謝し、自然と産業とが矛盾しない存在にする」それを実現する製品・技術・サービスの提供が恵和の存在意義であります。
b) 経営ビジョン
当社は「自然と社会に『高品質の提供』を通じてミッション志向のグローバルグループを目指す」という経営ビジョンを掲げ、意義のある真のグローバル化に向かってスピードを速めております。
c) バリュー(行動規範)
① 社会貢献
経営の透明化を図り、健全な経営を実現し、社会に貢献します。
② イノベーション
新たな価値を創造し、提供し続けることが私達の信条です。
③ 顧客からの信頼
現在と将来の顧客への信頼を得るために行動します。
④ 品質は競争力
顧客に選ばれるために高品質を追求します。
⑤ 社員の幸福と自己啓発
社員とその関係者の健康と幸福を願い、多様性と向上心を尊重します。
⑥ ステークホルダーの満足
安定的な成長を実現し、適正な利益を確保します。
d) コアコンピタンス
当社グループのコアコンピタンスは次のとおりであります。
① Ultra-precision Marketing
当社及び各国子会社のマーケターやエンジニアがブランドメーカーから部材メーカーに至るまで顧客と直接対面する事で精緻な情報収集を行っております。また、需要地の中国に品質保証センターを設置し、現地での迅速なアフターサービスを実現しております。
② コア技術SLC×UP
3つのコア技術(S:シーティング技術、L:ラミネ―ティング技術、C:コーティング技術)と、高精度な先端技術及び高精度な顧客対応(UP:ウルトラプレシジョン)によって、顧客ニーズを具現化した高付加価値製品の提供が可能であります。
③ All Keiwa Innovation活動
AKI活動は、安全・健全・イノベーションをキーワードにした全従業員が参加する活動です。顧客ミッションを貫くことにより、単なる改善活動ではなく継続的にイノベーションを生む成果を上げており、当社の企業文化と言えます。当社グループの事業の継続的な発展を実現するためには、グローバル市場で活躍ができる人材の育成が重要な課題である中、社員のモチベーションや顧客志向のさらなる向上にも繋がるものであります。
(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、高付加価値製品の販売に集中し、省力化や歩留の改善を更に進めることにより、営業利益を向上させることを目指しております。
(3) 中長期的な成長戦略
① IoTやAIの活用、次世代通信規格の実用化等の技術革新が進むエレクトロニクス市場において、光拡散フィルムを主力製品として、ブランド力と高品質を活かした高機能光学フィルム等の製品を販売いたします。
② 世界的な環境問題への関心の高まりを背景に、普及が進むとみられる環境適合車等の新エネルギー関連の市場に対し、コア技術を総合的に活用し顧客ニーズに的確かつ迅速に対応することにより、新規事業の創出を行ってまいります。
③ 我が国の労働人口の減少及び就労者の高齢化を背景に、インフラ用構造物の施工簡素化や高耐久化に役立つフィルムやシートの提供を行ってまいります。
④ 国内外の有力顧客に対する競争優位性を引続き維持向上させるために、顧客ニーズに沿った設計から配送までの改善を進めてまいります。
⑤ グローバルな事業展開に沿った、必要な人材の確保・育成に努めてまいります。
(4) 経営環境並びに事業上及び財務上の対処すべき課題
第73期連結会計年度におけるわが国経済は、堅調な企業収益や雇用・所得環境の改善により景気は緩やかな回復基調で推移しておりますが、米中貿易摩擦による世界経済の減速リスクが高まるなど先行き不透明な状況が続きました。
そのような経済情勢の中、当社グループにおきましては、「自然と産業の調和を創造する」という経営理念のもと、光学シート事業の海外展開、新事業の開発および製品の高付加価値化を推進してまいりました。
当社グループは、売上高の多くを輸出により得ている関係上、グローバル経済の状況が当社グループの財政状態及び経営成績に大きな影響を与えます。特に為替相場の変動、大きなマーケットとなった中国の国内経済の動向、海外競合メーカーへの対応等多くの課題が存在します。
このような環境に対して、当社グループは、高品質・高性能製品の販売を強化することで、利益志向の経営を行ってまいります。また、強みを生かせる領域に資源を集中しつつ、生産コストの低減に努め、急激な為替変動リスクに対応して確実な利益確保に注力してまいります。
① CSR及び経営基盤の強化
当社グループでは、経営理念に基づき「資源を無駄にしない、エネルギーを有効活用する」といった社会の役に立つ製品の提供を続けて参りました。これからも、この理念を追求し社会が抱える課題に対して積極的に向き合い、地球と未来社会に貢献して参ります。同時に、安全推進チームの事故ゼロ活動による安全の追求、厳格な品質管理体制による製品の安全性、地球環境の保護に取り組んでまいります。また、情報インフラの整備によるグループ連携の強化やセキュリティの高度化に取り組みます。これらの経営基盤の強化により事業の継続的な発展を推進します。
② グローバルニッチ市場に高付加価値製品を提供
ブランドメーカーから部材メーカーに至るまで顧客と直接対面して精緻な情報を得るプレシジョンマーケティングと、高性能・高品質な製品を高精度で提供するプレシジョン生産を戦略の骨子とし、顧客ニーズに適合した高付加価値製品を提供します。グローバルニッチ市場をターゲットに、強みを生かせる領域に集中しつつ確実な利益志向の経営を行ってまいります。
③ Asbic本部の発足による新規事業の推進
本年度より新規事業を推進するAsbic本部を発足し、新たな高機能光学フィルムの市場投入やクリーンエネルギー及びインフラ関連分野へのハイバリアシートや高強度シートの供給を進めます。
Asbic本部は、既存事業のSLC×UPに創造的変化を加えて、市場の潜在的なニーズを満たす製品の提供を目指しており、新たな事業の創出によって将来にわたる成長を加速します。
④ コーポレート・ガバナンス及びコンプライアンスの強化
当社グループは、企業価値の最大化を図るためには、経営の健全性、透明性及び客観性を高めることが必要と考えており、重要な経営課題として、コーポレート・ガバナンス及びコンプライアンスの強化に取り組んでおります。当社では、リスク管理委員会、コンプライアンス委員会等の設置を行っており、海外グループ会社を含めて全社を挙げて強化を進めております。
⑤ 人材の確保と育成
上場による社会的信用力の増大と知名度の向上により、これまで以上に研究開発職・グローバル人材の確保に重点を置いた採用活動を行ってまいります。また仕事を通して成長を実感できるAKI活動や大学院等の外部機関と連携した社外研修の提供により従業員の成長意欲に応えられるような人材育成に取り組んでまいります。人材の高度化と同時にIT化・自動化を加速し省力化による生産性向上を目指します。
なお、事業セグメント別には以下のとおり対応してまいります。
(光学シート事業)
光拡散フィルム分野では、中・小型ディスプレイへの選択的集中マーケティングを継続します。特に技術進歩が進展中の高価格セグメントのシェアアップを目指します。高性能・高品質な製品を高精度で製造し、市場における高級セグメントの地位をより高めることで、収益性向上を実現いたします。また、複合拡散フィルムや個体認証フィルム等の「高機能光学フィルム」の市場投入を推進し、新製品開発を進捗いたします。
(機能製品事業)
機能製品事業では、原材料費の低減、省力化設備の導入、生産集約による生産性向上といった施策を行い、少数精鋭の方針を徹底し、事業利益の確保を実現いたします。国内市場は今後も縮小傾向が続くと予測される中、当社の安定基盤事業として利益を上げる事業へ転換する為に、精密技術を用いた新製品であるクリーンエネルギー資材、インフラ関連資材等の特殊なシートを市場投入する事により、高付加価値製品の比率を高め将来にわたる成長を目指してまいります。
当社グループの事業活動に関するリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもリスク要因に該当しない事項についても、投資家の判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存です。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において判断したものであります。また、以下の記載は当社グループの事業もしくは本株式への投資に関連するリスクを完全に網羅するものではありませんので、この点にご留意ください。
(1) 販売価格の変動
当社グループの主要取引先であります液晶ディスプレイ業界は熾烈な価格競争をグローバルに展開しており、当社グループも市場価格への対応を図ってまいりますが、さらなる販売価格の低下が継続する場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社では高付加価値セグメントに集中することにより差別化を図っておりますが、競合による低価格政策により価格競争に晒される場合、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(2) 原材料等価格の変動
当社グループの光学事業において使用される主要原材料は樹脂・フィルムといった各種のプラスチック製品であり、これらの原材料の価格は原油・ナフサなどの国際商品市況の影響を受けるものであります。当社グループでは、国内外に複数の原材料の調達先を確保し、市況動向に応じて国内と海外の発注比率を調整する等価格変動のリスクヘッジを行っておりますが、今後価格上昇による影響を販売価格への転嫁で吸収できない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 為替相場の変動
当社グループは、海外からの外貨建てによる資材の調達、海外への外貨建ての販売を行っており、為替相場の変動によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 有利子負債比率と金利変動
当社グループでは、設備投資等の必要資金を金融機関からの借入れにより調達しており、2018年12月期末における有利子負債比率(連結)は196.4%、2019年12月期末における有利子負債比率(連結)は101.0%となっております。当該借入金の金利については、その多くを固定金利での調達としておりますが、今後の金利動向等、金融情勢の急激な変化により、金利水準が大幅に上昇した場合には支払利息の増加等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 特定の製品分野・技術等への依存と製品市場の変動について
当社グループでは、光学シート事業において、液晶ディスプレイ等に組み込まれる光学フィルム、高機能光学フィルム等の製造・販売を行っております。当社グループは、今後も継続して市場のニーズに応えるべく新製品の開発を進めてまいりますが、将来的に技術革新に伴い液晶ディスプレイに光拡散フィルムが不要になった場合もしくは競合製品・代替製品がより低価格で導入され価格競争が激化した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 最終消費財の景況
当社グループの光学シートの製品群は中間生産材・部材であり、当社製品を使用して製造されるディスプレイ等最終消費財の景況によって、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 海外事業展開
当社グループでは、製品の輸出入及び海外での製品販売などの海外事業を展開しております。特に光学シート事業においては海外売上が大半を占めており、その大部分は中国に集中しております。従って、中国への販売活動において、予測し得ない税制や法規制などの急激な変更、政治・経済情勢の混乱、テロ・紛争などの勃発、自然災害などによるリスクが顕在化した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 知的財産について
当社グループは、他社製品と差別化するべく、製品又は技術に関しては、特許等の知的財産権により積極的に権利の保護を図っております。しかしながら、特定の地域においては、このような法的保護が不完全であることにより、当社グループ製品・技術が模倣又は解析調査等されることを防止できない可能性があります。また、第三者の知的財産権についても侵害することのないよう適時適切に調査を行っておりますが、第三者との間で、無効、模倣、侵害等の知的財産権の問題が生じた場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 研究開発・設備投資の回収について
当社グループでは日頃からより高い水準の新技術や新製品の開発を目指し、生産性の向上及び差別化に資する研究開発や設備投資を行っております。今後も市場の要求に対応するための研究開発や設備投資を継続して行っていく予定であります。しかしながら、急激な市場の変化や技術革新等により、計画どおりの受注、操業度、品質等を確保できない場合には、歩留まりの低下による原材料コストの上昇や、設備投資に伴う減価償却費・資金調達費用の増加や投下資本回収の長期化を招き、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 環境規制等の影響
当社グループは、和歌山テクノセンター、滋賀AFセンターの2事業所の製造工程において有機溶剤を使用しております。この有機溶剤は取り扱いにあたり、労働安全衛生法、毒物及び劇物取締法、消防法、化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)、大気汚染防止法等の法規制を受けております。当社グループは、これらの法規制を遵守するとともに、事業所においては、環境方針、環境目標を設定する等により環境汚染の防止、安全衛生の推進に努めております。しかしながら、環境関連法規制は年々厳しさを増しており、これらの環境規制・法的規制が強化、改正、新設された場合には、現有設備が利用できず追加の設備投資が必要となるなど事業活動の制約を受ける恐れがあり、その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 製品の欠陥
当社グループは、顧客に選ばれるために高品質を追求し安全で信頼される製品の提供を実現するため、生産工程における工程内検査の検査基準と手順を常に見直しを図る等、品質の向上に努めていることに加え、ISO9001を取得する等、厳格な品質管理体制の構築を図っております。
しかしながら、当社グループの製品に欠陥があった場合には、回収や代替品の提供等に相当程度の費用が生じ、また、顧客の完成品に生じた欠陥について補償を求められる可能性があります。製造物責任賠償については、万一に備え保険に加入しておりますが、当該保険の免責事項等によりてん補されない不測の事態が発生した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 重要な訴訟等について
当社グループは、「自然と産業の調和を創造する」という経営理念のもと、顧客満足に重点を置いて製品の製造販売を行っておりますが、製品の欠陥等の不具合が発生した場合、損害賠償による利益の喪失、当社グループのブランドに対する信頼の喪失、補償費用の発生が予測されます。その結果、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(13) 災害等による影響について
当社グループの生産拠点は、国内6工場(和歌山県日高郡に2工場、和歌山県御坊市、滋賀県東近江市、千葉県八千代市、福岡県北九州市)と中国南京に1工場を設けており、その中でも光学シートのコーティング、シーティングは和歌山テクノセンターで行っております。和歌山テクノセンターは県内の高台に分散して建設しており、同敷地内で事故が拡大するリスクの低減を図っておりますが、今後、大規模自然災害等が発生し、和歌山テクノセンターをはじめとする各工場建屋や生産設備の被災、サプライチェーンの復旧遅れ、電力供給不足等により、生産能力及び物流機能等に大きな影響が生じた場合、当社グループの財政状態及び業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(14) 与信リスク
当社グループでは、取引先の経営状況及び信用度の把握に万全を期すため、調査機関や業界情報を活用して与信管理を徹底しておりますが、取引先に予期せぬ突発的な経営破綻等の事象が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(15) 機密情報漏洩リスク
当社グループは、新製品の開発等にあたって機密性の高い顧客情報に直接関与する業務もあるため、その提供主体に対する信頼の維持が重要となります。当社グループでは機密情報管理にあたり、関連規程を整備するとともに全従業員に啓発・教育を行い情報管理の周知徹底に努めております。しかしながら、第三者による不正アクセス等により、万が一、機密情報漏洩が発生した場合、当社グループの社会的信用に影響を与え、その対応のための多額の費用負担や企業イメージ低下により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(16) 人材の確保及び育成について
当社グループが事業の継続的な発展を実現するためには、グローバル市場で活躍ができる人材、優秀な技術者の確保が重要な課題であると認識しております。当社グループでは、将来に向けた積極的な採用活動、人事評価制度の整備や生産性を高める研修の実施等の人事施策を通じ、新入社員及び中途入社社員の育成、定着に取り組んでおります。
当社グループは今後もこれらの施策を継続していく予定ではありますが、必要な人材が十分に確保・育成できなかった場合、又は採用後の人材流出が進んだ場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(17) 業績の季節的変動等
当社グループは光学製品を展開しており、事業の特性上、最終製品で使用されるテレビ、タブレット端末、スマートフォン等の動向の影響を受けやすくなっています。よって、当社グループの業績は、短期的には上記の最終製品の新モデル投入時期及びその販売数量、並びにそれらの関連製品に係る主要顧客からの受注の影響を受けやすくなっています。その他、年末休暇や中国の春節等の数量調整により、第1四半期の業績が一時的に落ちる傾向があります。これらの最終製品で使用される各業界の動向及び最終製品の動向は予測可能であるため予算上見込んでおりますが、予測を超える変動があった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(18) 減損会計
当社グループは、事業用の設備、不動産など様々な有形・無形の固定資産を所有しております。こうした資産は、時価の下落や、期待どおりのキャッシュ・フローを生み出さない状況になるなど、その収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなることにより、減損処理が必要となる場合があり、減損損失が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(19) 新規事業について
当社グループは、培ったノウハウを生かし、更なる成長を目指して新規事業の積極展開を進めていく所存です。新規事業開発は慎重な検討を重ねたうえで取り組んでまいりますが、当該事業を取り巻く環境の変化等により、当初の計画どおりの成果が得られない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の経営成績等の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益が堅調な中、雇用・所得環境は改善傾向にあり景気は緩やかな回復基調で推移しておりますが、欧米やアジアの政治動向、米国での金利上昇などによる世界経済の減速リスクなど、先行き不透明な状況が続きました。
そのような経済情勢の中、当社におきましては、「自然と産業の調和を創造する」という経営理念のもと、光学シート事業のアジアを中心とした海外展開、新事業の開発そして、機能製品事業の販売強化を推進してまいりました。
この結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は15,823百万円(前期比0.4%増)、営業利益は934百万円(前期比24.0%増)、経常利益945百万円(前期比27.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は692百万円(前期比53.3%増)となりました。
なお、セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
[光学シート事業]
光拡散フィルム分野では、米中貿易摩擦の影響懸念により第2四半期に小型ディスプレイ用途向けの受注が一時的に減少しましたが、中国、米国以外での小型ディスプレイ用途の需要増加、大口顧客の新機種向け受注等により第3四半期以降受注が大幅に増加し、売上、利益共に拡大しました。また、中型ノートPC用途向けに関しても第3四半期以降顧客がTVからノートPC用途へ生産販売をシフトしたことにより受注が増加、売上増となりました。
高機能光学フィルム分野では、高価格セグメント需要の低迷が続いていますが、一定の受注は継続的に得られました。
この結果、売上高9,864百万円(前期比5.0%増)、セグメント利益2,427百万円(前期比26.2%増)となりました。
[機能製品事業]
包装紙分野では、製紙用包装紙の主な用途である洋紙の急激な需要減による顧客の工場閉鎖や自然災害・設備トラブルによる顧客の稼働率低下などの影響が大きかったことに加え、一部の不採算製品から撤退したこともありましたが、製紙・鉄鋼用包装紙において新規獲得やシェアアップできたことにより、売上増となりました。
産業資材分野では、昨年に品質問題で失注した顧客に対して販売を再開することができた反面、建築部材用機能紙の主要顧客がシェアを落としたこと等から販売が減少しました。また工程紙でも中国のエンドユーザーの需要が減少したことなどから販売が減少したほか、太陽電池用バックシートの顧客の事業縮小、農業資材も事業物件の減少等もあったことから、売上減となりました。
この結果、売上高5,958百万円(前期比6.4%減)、セグメント利益2百万円(前期比95.2%減)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における総資産は15,260百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,261百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が1,158百万円、有形固定資産が420百万円、それぞれ増加したものの、受取手形及び売掛金が485百万円、投資有価証券が59百万円減少したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は10,261百万円となり、前連結会計年度末に比べ679百万円減少いたしました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金が354百万円、長期借入金が602百万円、それぞれ減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は4,999百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,941百万円増加いたしました。これは主に、資本金が640百万円、資本剰余金が640百万円、利益剰余金が685百万円、それぞれ増加したこと等によるものであります。
この結果、自己資本比率は32.8%(前事業年度末は21.8%)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より995百万円増加し、2,646百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、1,733百万円の収入(前期は2,055百万円の収入)となりました。主な要因としては、税金等調整前当期純利益945百万円、減価償却費929百万円、売上債権の減少476百万円による収入があった一方で、仕入債務の減少額195百万円などの支出があったことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、1,046百万円の支出(前期は397百万円の支出)となりました。主な要因としては、投資有価証券の売却による収入114百万円があった一方で、定期預金の預入による支出162百万円、和歌山工場の機械等、有形固定資産の取得による支出969百万円などの支出があったことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、278百万円の収入(前期は1,506百万円の支出)となりました。主な要因としては、株式発行による収入1,280百万円、長期借入金による収入900百万円があった一方で、長期借入金の返済による支出1,857百万円などの支出があったことによります。
第73期連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は、標準価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
第73期連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
第73期連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.主な相手別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第二部 企業情報 第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
なお、見積りの評価については、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の報告数値と異なる可能性があります。
② 資本の財源および資金の流動性についての分析
当社グループの主な資金需要となる、運転資金および設備投資資金につきましては、金利コスト等を勘案しながら、自己資金または借入により資金調達することを基本としております。
なお、当社は、貸出コミットメントライン契約および当座貸越契約を取引銀行と締結し、フレキシブルな資金調達手段を確保し、流動性リスクを適切にコントロールしております。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」をご参照ください。
④ 経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
当社グループは、営業利益を経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標としており、顧客に貢献する高付加価値製品の製造・販売に集中し、省力化や歩留の改善を更に進めることにより、営業利益を向上させることを目指しております。
a 売上高
当連結会計年度における売上高は、15,823百万円(前期比100.4%)となりました。光学シート事業では、付加価値の高い高性能製品(中・小型ディスプレイ用途向け等)へのシフトを実現し、9,864百万円の売上高となりました。機能製品事業では、製紙用及び鉄鋼用産業包装資材、建築資材・農業資材の需要につきましては概ね堅調に推移したことにより、5,958百万円の売上高となりました。
b 売上総利益
当連結会計年度における売上原価は11,866百万円となり、売上総利益は、より付加価値の高い製品へのシフト、生産効率の向上、コスト削減等により3,956百万円(前期比113.5%)となりました。売上原価率は高性能製品の販売構成割合の上昇、前期から引き続き高い歩留まりを維持したこと等により、前連結会計年度の77.9%に対し、75.0%と2.9ptの低下となり、売上総利益率は25.0%(前連結会計年度は22.1%)と向上しております。
c 販売費及び一般管理費、営業利益
販売費及び一般管理費は、3,021百万円(前期比110.6%)となり、売上高に対する比率は、前連結会計年度の17.3%に対し、19.1%と1.8ptの上昇となりました。この結果、営業利益は934百万円(前年度は753百万円の利益)となりました。
d 経常利益
当連結会計年度における営業外損益は、10百万円の利益(前連結会計年度は11百万円の損失)となりました。この結果、経常利益は945百万円(前年度は741百万円の利益)となりました。
e 特別損益
当連結会計年度における特別損益は、0百万円の利益(前連結会計年度216百万円の損失)となりました。これは主に、有価証券売却による利益を38百万円、減損による損失を28百万円計上したことによるものです。
f 税金等調整前当期純利益
当連結会計年度における税金等調整前当期純利益は945百万円(前連結会計年度は524百万円の利益)となりました。
g 法人税等
当連結会計年度における法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額は253百万円(前連結会計年度は73百万円)となりました。
h 親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は692百万円(前連結会計年度は451百万円の利益)となりました。
⑤ 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループが今後も高品質な製品やサービスを継続的に提供していくためには、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の経営課題に対処することが必要であると認識しております。
具体的には、当社グループが掲げる“自然と産業の調和を創造する”という経営理念を念頭に、以下の5項目に注力してまいります。
a 新規事業の創出
b コーポレート・ガバナンス及びコンプライアンスの強化
c 人材の確保及び育成
d 生産性を高める人事戦略
e 経営基盤の強化
該当事項はありません。
当社グループでは、顧客志向を徹底しております。お客様の要望に対して、独自の技術とアイデアによって、満足していただける製品の開発・改良に努めております。
当連結会計年度における研究開発費は、
(1) 光学シート事業
スマートフォンやタブレット向けには、高輝度・高色純度化等を実現した光拡散フィルムUDDシリーズの開発が完了し、新機種向けの光拡散フィルムは、取引先の製造工程での歩留まり向上にも寄与いたします。また次世代の液晶技術として注目されるHDR(ハイダイナミックレンジ)化に対応する新製品として、モニター向けの複合拡散シートの販売を開始しております。更にタブレット、ノートブックにおいて、薄型化、低消費電力等の携帯性向上ニーズに対し、高精細な複合拡散シートの開発を進めております。
その他にも、ディスプレイの薄型化やOLED(有機EL)化の流れに対して、各種センサーの特性に対応したフィルム(個体認証用(指紋認証フィルム)、照度センサー用、カメラモジュール用等)など市場ニーズに応じた新製品の開発を継続しております。
この結果、当連結会計年度における光学シート事業の研究開発費は、
(2) 機能製品事業
コンクリート材の新規施工及び補修市場に対して「人手不足・施工時間短縮」をキーワードに当社の各種技術を用いて、新製品の開発を進めております。また、環境対応、再生可能エネルギーに関連する部材の開発を進めております。
この結果、当連結会計年度における機能製品事業の研究開発費は、