第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

 当社及びその企業グループとしての経営の基本方針は次のとおりであります。

a.経営理念

『従業員の幸せを追求すると共に、価値ある製品づくりに真心で挑み、世界の発展に貢献します。』

 企業活動の主体である社員の質の向上こそが、当社の基盤です。社員の真の満足は、仕事のやりがいと達成感にあると思われます。

 会社は社員の期待に応えるため、皆がスキルアップできる環境をつくり、意欲を持って仕事に取り組むことができるようサポートしていきます。

 また、新たな課題に対しても果敢にチャレンジする社風を築き、いつも精一杯、真心込めて製品の価値の向上に努め、お客様の満足を第一に、ひいては世界中の人々へ喜びと幸せをもたらす事業を追求してまいります。

 

b.行動指針

「常にスピードを重視します。」

 IT技術の進歩により、あらゆるものの価値が急速に変化していく現代。新しい情報をいち早くキャッチし、迅速な意思決定力と実行力で躍動感ある対応を心がけます。

 

「常にスキルアップに努めます。」

 社員一人ひとりが、一日の中で少しでも進歩できるように考えること。そして、会社はそのための環境づくりを心がけます。

 

「常に先を読んで行動します。」

 公共事業費の削減等により、当社グループも既存事業にばかり頼ることはできません。企業として安定した成長を維持するためにも、短期的な視野ではなく、常に5年先、10年先を見据えて行動します。

 

「常にチャレンジ精神を大切にします。」

 批判されることを気にしていては、結局何もできません。常に新しいことを考える意識、失敗を恐れず積極的にチャレンジする精神を大切にし、社員一人ひとりのやる気に応えます。

 

「常に技術革新を目指します。」

 事業の持続的成長の鍵は、技術革新にあります。既存の製品に満足することなく、常にお客様のニーズをくみ、新しい技術の開発に取り組みます。

 

「常に地球環境を大切にします。」

 地球の温暖化は、この星に生きるすべての生命にとって切実な問題です。当社グループも地球の一市民として、環境保全活動を重要課題として取り組みます。

 

(2)中長期的な会社の経営戦略

a.常に「新しいビジネスに挑戦しているか」「常識の打破に挑戦しているか」「高い理想の追求を行ったか」を念頭に置いて、次の4つのキーワードをベースに更なる成長を目指してまいります。

Global  :フレキシブル継手の世界展開を視野にいれた戦略への転換

Technology:「安心安全をつなぐ」をコンセプトに新たな付加価値を提供

Synergy  :製造業を中心としたビジネスの多層化による付加価値の追求

System  :営業・製造業務の全体像からのシステム構築

 

b.度重なる災害による防災意識の高まり、老朽化した社会インフラを長寿化するニーズの増加、脱炭素、クリーンエネルギーへの移行、ロボティクス等新テクノロジー分野の台頭、高齢化社会における地域包括ケアシステムの構築の動き等の中、「国内外の勝てる市場」を発掘し、その市場への集中投資により成長を実現することを当社グループの経営戦略としております。また、省エネや革新的な環境対策を進めることは重要な企業の役割と考え、SDGsへも積極的に取り組んでまいります。

c.その目標を達成するため、①収益力、グループ力の強化、②人材育成を通じての組織の活性化、③中期経営計画を策定し、持続的な企業価値の向上を目指してまいります。

 具体的には、継手事業の国内での圧倒的なシェアの確立と世界展開を視野に入れた戦略を検討してまいります。海外生産拠点機能の一部を天津工場からベトナム工場へ移管し、最新鋭の機械装置による生産効率の追求をいたします。また、防災・工事事業では、首都圏における安定した経営基盤をもとに、継手事業との協業、加工管設備による差別化等によりシェアを拡大し、貯水機能付給水管事業(新規事業)の新市場を創造してまいります。自動車・ロボット事業では、自動車マーケット依存構造を改善し、ロボットマーケットの拡大を図り、自動車マーケットの中ではEV化対応を進めてまいります。介護事業では、差別化製品の取扱い、海外調達による価格競争力等により、介護ビジネスでの収益力向上を計画しております。

 

(3)目標とする経営指標

 当社グループは、3ヶ年の中期経営計画を策定し、毎年見直しを行っております。その中で、企業価値向上のために、財務基盤を強化し事業投資に対する適正な評価と最適な資本構成を実現し、徹底した経営効率の改善により、資本効率を更に高め、経営の安定性及び株主還元を重視することで、ROE及び連結配当性向の向上に努めてまいります。

 

(4)経営環境及び対処すべき課題

 当社グループの各事業を取り巻く経営環境及び対処すべき課題は、以下のとおりであります。

 新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、継手事業において、2021年7月から9月にかけて、ベトナム国ホーチミン市で、デルタ株による感染が急拡大したことによる都市封鎖が実施され、ベトナム工場での生産活動が約2ヶ月半に渡り制限されましたが、当期業績への影響は軽微でありました。有価証券報告書提出日現在においては、3回目のワクチン接種が開始されていること等により、同感染症の状況は安定化していくものと予想しておりますが、引き続き同感染症の影響については、注視してまいります。

a.継手事業

(a)継手事業は、景気変動や国内外の設備投資の動向、特に建設投資の動向に影響を受けることから、事業のグローバル展開と開発、製造、営業の一貫性による既存事業の強化を課題として認識し、以下の対応を行ってまいります。

・フレキシブル継手については、グローバルな生産拠点(ベトナム工場)への投資やグローバルシステムへの投資を通じて原価低減を図り、高付加価値製品のシェアアップを目指します。

・真空機器については、半導体業界を中心に短期的な調整局面はあるものの、中長期的には5G等の本格的な普及の中で拡大するものと想定しており、当社グループもグローバルな製造拠点をベースに今後の市場拡大に沿って成長を図ります。

・天津を販売拠点として強化し、中国本土にて営業展開を図ってまいります。

・2016年1月に拠点軸から顧客軸・プロダクト軸の組織に改編いたしました。これにより、製販一体による販売力及びマーケティング力の一層の強化を図ります。

・製造部門に対する積極的な設備投資の実行及びIT化の推進により生産性を向上させ、納期の短縮化及び品質管理の徹底を図ります。

・2016年度に独自技術を活かして主力商品(回転ニップル構造によるスプリンクラーフレキシブル継手)の開発に成功しました。本商品を本格的に販売開始し、収益基盤の拡大に努めます。

・2018年12月に導入した5,000トン大型プレスによるマーケットの拡大を図り、溶接技術、加工技術を活用した新たな製品の販売を促進します。

・2018年12月に屋内消火栓設備と給水管とを接続するフレキシブル継手を開発しました。特別な接続構造で、屋内消火栓メーカーと当社との共同出願としています。拡販に努めていきます。

・2019年8月 主力製品であるスプリンクラーフレキシブル継手の安全性と施工性を高めた製品を市場に投入しました。安全性を重視した製品はこの製品だけで、消防推奨製品の指定を頂いています。安全性を全面に出し他社との差別化を図ると共にシェア拡大に努めます。

・2020年7月にベトナム第3工場が完成しました。グローバルな生産拠点の強化を進めてまいります。

・2020年10月に、国内の製造・営業の基幹システムの入れ替えを行い、管理会計の高度化と海外工場とのシステム連携による生産性の向上を計画しております。

・2021年6月に、新潟第4工場が完成しました。引き続きマーケットニーズに対する対応力を強化してまいります。

・水道管老朽化対策において施工上のメリットがあるSDF工法(注)をテーマに、フレキシブル継手の販売を促進します。

(注)SDF工法

 老朽化した水道本管を交換せず、補修、再生する工法の一つで、従来の既設管内挿入工法では施工できない曲がり管を含む本管にステンレス製のフレキシブル継手を引き込み、管路更新工事を行う工法。軌道下や河川下の伏せ越し配管、交通量が多い道路の横断など開削が困難な場所に敷設されている。

・営業体制全体としては、コールセンター、ネットのシェアアップにより効率化を図り、商品・製品構成を基にした価格戦略でフレキシブル継手市場でのシェア向上を目指します。また、フレキシブル継手、伸縮管継手市場でのトップシェア(2018年度。出所:矢野経済研究所による当社宛の「2019年度管継手市場動向調査」)の維持に努めます。

 

(b)無駄の見える化・排除、組織の活性化を課題として認識し、以下の対応を行ってまいります。

・徹底したコストダウンを推進するため、組織風土を改革し、組織の活性化に取組んでまいります。

・内外の工場において、ロボット、自動溶接機等への積極的投資により生産性向上を図ってまいります。

・顧客ニーズを吸収し、製造本部は技術本部と連携し、他社比優位性・付加価値のある製品を生み出してまいります。

 

b.防災・工事事業

(a)防災・工事事業は、継手事業と同様の経営環境にあることから、事業ポートフォリオを拡大してまいりました。現在は、㈱TFエンジニアリング、㈱アクアリザーブ(注)をテクノフレックスグループにおける成長事業として位置づけ、売上拡大を図ることと、グループのシナジーを活用した新規事業の創造を課題として認識し、以下の対応を行ってまいります。

・事業の立上げから運営まで、当社が財務及び人材面を積極的にバックアップし、新規事業を創造してまいります。

・㈱TFエンジニアリングは、消防設備工事業の請負シェアを増やすことで、資材の発注権限も取得し、スプリンクラーSPの拡販にも繋げ、売上増を図ってまいります。また、TF(VIETNAM)CO., Ltd.に実習生候補者の日本語と実技を中心とした養成システムを構築し、将来、工事業等で活躍する職人或いは監督者を育成してまいります。

・㈱アクアリザーブ(注)を通じ、防災ニーズを喚起し、貯水機能付給水管事業(新規事業)の新市場を創造してまいります。「マルチアクア」(貯水機能付給水管)のターゲットを①住宅メーカー、②建材・管工材商社、③BCP、④帰宅困難者向け一次施設、⑤協業提携先の5つに絞り、集中営業を行い売上増を図ります。なお、①住宅メーカーに関しては、標準化導入の提携先増加を目指してまいります。

(注)㈱アクアリザーブ

 2022年3月25日に開催された当社第21回定時株主総会にて、当社を吸収合併存続会社とし、㈱アクアリザーブを吸収合併消滅会社とする、吸収合併契約が承認されました。本合併の効力発生日は、2022年4月1日を予定しており、合併後は、当社が㈱アクアリザーブの事業を承継する予定であります。

 

(b)M&Aによる事業開拓を課題として認識し、以下の対応を行ってまいります。

・製工一貫体制を推進するため、2017年2月に消防設備工事会社、ニトックス㈱の株式取得により子会社化し、2018年1月には消防設備工事の子会社㈱防災企画を㈱TFエンジニアリングと合併させ存続会社を㈱TFエンジニアリングとし、2社体制に見直しました。これによりユーザーである工事業者との接点を一層拡大させることが可能となり、ユーザーの潜在ニーズ発掘及び継手事業の研究・技術開発との連携強化を図ってまいります。

・その他の新たな成長分野の開拓または既存事業の規模拡大のため、M&Aを積極的に活用してまいります。

 

c.自動車・ロボット事業

 自動車・ロボット事業は、主な販売先が自動車業界であり、自動車業界の景気動向の影響を受けやすい経営環境にあります。2021年は、自動車・ロボット共に、世界的な需要の高まりにより、経営環境は良好でありました。半導体等の部品不足に伴う顧客の生産制限が発生しましたが、影響は限定的でありました。また、電気自動車化の加速により、エンジンや排気系で使用される部材が減少する可能性や、国内の技術者、SE等の人材不足によるビジネスチャンスの喪失、中国へ進出する場合のカントリーリスク等々のリスクと収益性の向上、コスト削減を課題として認識し、以下の対応を行ってまいります。

・現在は自動車業界中心の受託生産が事業の中心となっておりますが、独自の金属塑性加工技術を活かして、ロボット等の成長分野への進出を本格化させることによって、事業領域の拡大と、収益性の向上を推進してまいります。なお、当社グループはロボットアーム用の駆動軸の部品を国内の主要大型産業ロボットメーカーに納入しております。

・取引先のグローバル化への対応及び製造コストの削減を図るため、当社グループの海外生産拠点の活用を推進してまいります。

・国内工場の設備投資・海外工場活用の検討、新規試作納入品の量産立上げ確度を上げ拡販に繋げてまいります。

・自動車用アルミ部材の研究開発を促進してまいります。

 

d.介護事業

 介護福祉用具レンタル市場規模は年々拡大傾向にあるものの、レンタル・販売価格については法令等により制約され、横ばいから下降傾向にあります。介護保険制度の改正による、利用者の自己負担の増加を起因として、福祉用具の利用を控えることによるレンタル・販売減少で事業環境の悪化に対応した事業展開をすることを課題として認識しております。在宅の利用者(要介護者)が希望する生活を営むための支援機器・用品へ、どのように対応していくかがポイントと考え、以下の対応を行ってまいります。

・取引先の選択と集中、OEMによる付加価値の高い独自商品の開発及び品揃えの強化とコストダウン、また、中小の事業者をM&Aすることにより、事業規模を拡大してまいります。

・ダイレクトマーケティング部門を新設し、B2B、B2C事業を推進し、販売チャネルの多様化を図ります。

・地域一番店に向けて法令遵守と定期点検で信用を構築してまいります。

・OEMによる自社商品の製造・販売、居宅介護支援事業の拡大による利用者数の増加を背景にしたヘルパー事業への展開、福祉用具のメンテナンスや洗浄/保管といった受託事業への展開及び障碍者就労支援事業への展開等を視野に入れ、福祉用具の製造小売から地域レンタルまで行う、一気通貫の新ビジネスモデルの構築に注力してまいります。

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項には、以下のものがあり、必ずしもリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。これらのリスクについては、その発生可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。

 なお、文中の将来に関するリスクについては、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性のあるすべての事項を網羅するわけではありません。

(1)市場の変動に係るリスク

 当社グループの主要製品である管継手及び同関連製品の売上は、景気変動や国内外の設備投資の動向、特に建設投資の動向に影響を受けます。当社グループでは継手事業においては産業別の需要動向に応じて製品等の供給を行い、その関連分野としての防災・工事事業、自動車・ロボット事業、介護事業という成長マーケットを含んだ事業へと事業ポートフォリオを拡大してまいりましたが、想定以上に関連業界の設備投資が落ち込んだ場合、当社グループの業績または財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)海外生産に係るリスク

 当社グループは、生産拠点の集中リスクを回避するため、グローバル(中国、ベトナム)な生産体制を展開しておりますが、海外生産におきましては、イ.予期しない法律または規制の変更、ロ.人件費・物価等の大幅な上昇、ハ.ストライキ等による生産活動への支障、ニ.その他の経済的、社会的及び政治的混乱等のリスクが潜在しております。当社グループは、それらの法規制、社会情勢の変化等の情報収集を行い、変化への対応、リスクの回避に努めておりますが、予期せぬ事象が発生した場合、当社グループの業績または財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)為替、金利の変動に係るリスク

 当社グループは、海外子会社3社及び当社において、外貨(中国元、アメリカドル)建て資産及び負債があります。当社グループは取締役会によって定めた方針に基づき、為替変動等のリスクヘッジ対策を講じてまいりますが、予期せぬ事象が発生した場合、当社グループの業績または財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループは、金融機関からの借入により資金調達を行っておりますが、金利が上昇した場合、支払利息が増加し、当社グループの業績または財務状況が影響を受けます。

 

(4)原材料価格の変動に係るリスク

 当社グループは、主要原材料としてステンレス鋼を使用しております。ステンレス鋼は市況商品であることからその価格が上昇した場合、製品価格に反映させることを基本方針としておりますが、急騰により製品価格への転嫁が遅れた場合、当社グループの業績または財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)製品の欠陥に係るリスク

 当社グループは、ISO9001に準拠して製品の品質管理を行っておりますが、全ての製品について欠陥が発生しないという保証はありません。そのため、欠陥に伴う製造物賠償責任リスクを軽減するため、PL保険に加入しておりますが、保険でカバーできない多額のコストが発生した場合、当社グループの業績または財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)棚卸資産の廃棄、評価損に係るリスク

 当社グループは、在庫管理に充分留意しておりますが、市場動向、技術革新、製品のライフサイクル等の急激な変化により、製品の評価を見直す必要が発生し、棚卸資産の廃棄または評価損を計上する場合、当社グループの業績または財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)資産の減損に係るリスク

 当社グループは、固定資産の減損に関する会計基準を適用しております。将来、当社グループが保有する固定資産について、経営環境の著しい悪化等による収益性の低下や市場価格の下落等により、減損損失が発生した場合には、当社グループの業績または財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(8)知的財産権に係るリスク

 当社グループは、知的財産管理規程にて知的財産保護を定めるとともに、知的財産に係るトラブルを回避するため事前調査を行なっております。また、知的財産の保護やその侵害に関するリスクについては、リスク管理項目の対象としリスク管理委員会で対応策を検討し、必要に応じて弁理士に相談した上で、早急且つ適切な対応ができるよう努めております。しかしながら万が一、訴訟等に巻き込まれた場合、当社グループの業績または財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)大規模災害等に係るリスク

 当社グループは、生産拠点の分散化等により、一部の地域で大規模災害が生じた場合においても一定の製商品の供給を継続できる体制の構築に努めておりますが、複数の生産拠点地区において、大規模自然災害または火災等の事故が発生し生産設備及び物流機能が被害を受け、操業中止または出荷遅延等が生じた場合、当社グループの業績または財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)情報管理に係るリスク

 当社グループは、顧客の個人情報並びに顧客の技術、製造、販売及び営業に関する機密情報をさまざまな形態にて保有し、それらの情報を保護するため、適切なセキュリティ対策を講じておりますが、万が一、情報漏洩が発生した場合、法的責任を負う可能性がある他、当社グループの業績または財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)保有資産の価値下落によるリスク

 当社グループでは、保有資産価値の維持、保全に努めておりますが、保有する不動産や有価証券等の時価が著しく下落した場合、当社グループの業績または財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)製品競争力に係るリスク

 当社グループは、他社製品との差別化を図るため、製品・技術等に関連する特許等の知的財産権を取得し、または海外企業との技術提携によるライセンスの供与を受けておりますが、海外の特定地域において、当社グループの模倣製品が製造・販売された場合、またはライセンス契約の更新が困難となった場合、当社グループの業績または財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)M&Aに係るリスク

 当社グループは、当社グループの事業に関連する有力な技術等を保有する会社の買収によって、事業の拡大と成長を推進してまいりました。今後も、事業の成長を加速させるために有効と考えられる場合や、既存事業との大きな相乗効果が見込める場合などに、積極的にM&Aを検討していく方針です。

 M&Aの実施に際しては、業界動向等を慎重に見定めるとともに、買収対象企業に対して十分なデューデリジェンスを行ったうえで実施する予定でありますが、市場環境の急激な変化や、買収企業の競争力の低下等、予期せぬ事態が生じた場合には、投下資本の毀損が生じ、当社グループの業績または財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)訴訟等に係るリスク

 当社グループは、内部統制システムの整備・運用を適切に行なっておりますが、取引先や第三者との間で予期せぬトラブルにより損害賠償請求等が発生し、訴訟等に至った場合、当社グループの業績または財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15)法令及び公的規制に係るリスク

 当社グループは、事業を展開する国内及び海外の全ての地域において、建設業法や介護保険法等、さまざまな法令及び公的規制の適用を受けており、これらの法令及び公的規制を遵守するため、内部統制の整備を図っておりますが、万が一、遵守していないと判断された場合、当社グループの業績または財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(16)ストック・オプションの行使等による株式価値希薄化について

 当社は、当社及びグループ会社の役職員に対し、長期的な企業価値向上に対するインセンティブとしてストック・オプションを付与しているほか、今後も優秀な人材確保のためストック・オプションを発行する可能性があります。現在付与されている、または今後付与するストックオプションの行使が行われた場合、発行済株式数が増加し、1株当たりの株式価値は希薄化し、株価形成に影響を与える可能性があります。2021年12月末現在、これらのストック・オプションによる潜在株式数は113,400株であり、発行済株式総数21,360,000株の0.53%に相当しております。

 

(17)新型コロナウイルス感染症に関するリスク

 当社グループは、国内外の製造拠点を分散することで、リスクの軽減を図っております。また、必要に応じて時差出勤や在宅勤務を実施し、感染防止を図りつつ事業を継続するための体制の整備に努めております。

 有価証券報告書提出日現在においては、3回目のワクチン接種が開始されていること等により、同感染症の状況は安定化していくものと予想しておりますが、仮に深刻化し、生産活動の遅延等、事業活動に支障が生じる場合は、当社グループの業績または財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

  (1)経営成績等の状況の概要

① 経営成績の状況

当連結会計年度における我が国の経済は、2021年の終盤に新型コロナウイルス感染症の新規感染者数が減少し、経済活動の制限は一旦緩和されたものの、足下ではオミクロン株を中心とする変異株による感染拡大の第6波が到来し、依然として先行き不透明な状況が続いております。

このような状況の中、当連結会計年度は、継手事業が堅調に推移するとともに、前期に落ち込んだ自動車・ロボット事業が回復したことにより、グループ全体の売上は増加いたしました。損益面では、継手事業および自動車・ロボット事業の増収による増益に加え、防災・工事事業の特殊案件による大幅な増益等により、グループ全体の利益は増加いたしました。

以上の結果、当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高19,633百万円(前期比4.8%増)、営業利益2,615百万円(前期比33.1%増)、経常利益2,776百万円(前期比43.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,718百万円(前期比42.6%増)となりました。

 

各セグメントの経営成績については、以下のとおりであります。

(継手事業)

半導体関連の真空機器およびフレキシブル継手の売上増加により、当事業全体の売上は増加いたしました。

その結果、当事業の売上高は11,842百万円(前期比8.9%増)、セグメント利益は2,216百万円(前期比9.6%増)となりました。

 

(防災・工事事業)

消防設備工事は、前期における工事完成基準による大型案件の売上計上の反動により売上が減少いたしましたが、損益面では、特殊案件による大幅な増益が当事業全体の利益を大きく押し上げました。

その結果、当事業の売上高は3,944百万円(前期比11.6%減)、セグメント利益は582百万円(前期比101.8%増)となりました。

 

(自動車・ロボット事業)

産業機器等部品、輸送機器部品ともに受注が回復し、売上は増加いたしました。

その結果、当事業の売上高は2,101百万円(前期比27.8%増)、セグメント利益は127百万円(前期は36百万円のセグメント損失)となりました。

 

(介護事業)

福祉用具のレンタル、販売及び介護用住宅改修の売上は、いずれも底堅く推移するとともに、販管費が減少いたしました。

その結果、当事業の売上高は1,645百万円(前期比0.8%減)、セグメント利益は191百万円(前期比1.2%増)となりました。

 

(その他)

不動産賃貸事業は、業績に特段の変化は見られませんでした。

その結果、当事業の売上高は100百万円(前期比1.3%増)、セグメント利益は33百万円(前期比5.2%減)となりました。

 

② 財政状態の状況

当連結会計年度末の総資産については、主に受取手形及び売掛金1,186百万円の増加、原材料及び貯蔵品355百万円の増加、有形固定資産372百万円の増加等により、前連結会計年度末と比較して2,487百万円増加し、28,985百万円となりました。

負債については、主に買掛金565百万円の増加、短期借入金800百万円の増加、長期借入金411百万円の減少等により、前連結会計年度末と比較して1,005百万円増加し、8,520百万円となりました。

純資産については、主に利益剰余金970百万円の増加、その他の包括利益累計額475百万円の増加等により、前連結会計年度末と比較して1,482百万円増加し、20,464百万円となりました。

この結果、自己資本比率は、70.7%から69.6%となりました。

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して328百万円減少し、4,589百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、1,061百万円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益2,755百万円、減価償却費730百万円により資金が増加したものの、売上債権の増加額1,434百万円、法人税等の支払額989百万円により資金が減少したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、1,082百万円となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出929百万円により資金が減少したことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、499百万円となりました。これは主に短期借入金の純増減額800百万円により資金が増加したものの、長期借入金の返済による支出481百万円、配当金の支払額747百万円により資金が減少したことによるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

生産高(千円)

前年同期比(%)

継手事業

6,648,376

116.2

防災・工事事業

501,021

100.6

自動車・ロボット事業

1,609,771

121.1

合計

8,759,169

116.1

 (注)1.金額は製造原価により表示しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.セグメント間の取引については相殺消去しております。

4.介護事業は生産活動を行っておりません。

 

b.受注実績

 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

  至 2021年12月31日)

受注高

(千円)

前年同期比

(%)

受注残高

(千円)

前年同期比

(%)

継手事業

6,060,926

110.0

1,640,318

109.4

防災・工事事業

3,174,524

56.5

6,896,080

94.6

合計

9,235,450

83.0

8,536,399

97.1

 (注)1.防災・工事事業は、消防設備の設計、施工、管理の金額となっております。その他については、受注生産を行っておりません。

2.介護事業は、受注生産を行っておりません。

3.自動車・ロボット事業は、各納入先より生産計画の提示を受け、これに基づき生産能力を勘案して生産計画を立てており、見込生産であります。

4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

継手事業

11,842,011

108.9

防災・工事事業

3,944,390

88.4

自動車・ロボット事業

2,101,180

127.8

介護事業

1,645,267

99.2

その他

100,153

101.3

合計

19,633,003

104.8

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.主要顧客(総販売実績に対する割合が10%以上)に該当する相手先はありません。

4.上記のうち株式会社テクノフレックスの製品売上高及び商品売上高の合計は10,167,314千円であります

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。

① 重要な会計方針及び重要な会計上の見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、会計基準の範囲内にて合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。

詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)及び(重要な会計上の見積り)並びに(追加情報)」に記載しております。

なお、当連結会計年度末において、新型コロナウイルス感染症の今後の再拡大や収束時期等を正確に予測することは困難でありますが、会計上の見積りに際しましては、翌連結会計年度内には当該影響は概ね軽微なものになると仮定しております。

当社グループは、当該仮定に基づく会計上の見積りは、当連結会計年度末時点における最善の見積りであると判断しておりますが、想定以上に当該影響が長期化あるいは再拡大した場合には、繰延税金資産の回収可能性等の会計上の見積りに影響を及ぼす可能性がございます。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの経営成績等は、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況及び② 財政状態の状況」に記載のとおりであります。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、運転資金需要のうち主なものは原材料の仕入等の製造費用や販売費及び一般管理費等であり、投資等の資金需要は、設備投資等によるものであります。

これらの資金につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローのほか金融機関からの借入により必要な資金を調達しております。

 

④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)目標とする経営指標」に記載のとおりであります。経営指標については適宜各種会議体において共有され、必要に応じて経営環境、財政状態及び業界環境等を総合的に勘案したうえで、対応策の検討を行い、必要な施策をタイムリーに実施してまいります。

なお、当社グループは目標とする経営指標等として、ROE及び連結配当性向を掲げております。ROEは目標を10%以上にしており、2021年12月期におけるROEは8.8%となっております。連結配当性向は40%以上を目標としており、2021年12月期における連結配当性向は43.5%となっております。

今後、企業価値向上のために、財務基盤を強化し事業投資に対する適正な評価と最適な資本構成を実現し、徹底した経営効率の改善により、資本効率を更に高め、経営の安定性及び株主還元を重視してまいります。

しかしながら、これらの経営指標の目標数値においては、様々なリスクや将来の経済状況の変化等の不確実性を有しており、その達成を保証するものではありません。

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

当社グループは、「顧客により付加価値の高いものをより安価に提供すること」を研究開発の基本方針として、さまざまな角度から新製品の開発並びにその製造設備及び製造手法の開発に取り組んでおります。

継手事業のマーケットにおいては、競争プレイヤーは少なく、技術革新も盛んではないため、既存マーケットは顧客ニーズ対応のための研究開発となり、既存マーケットの拡大のため、加工素材の範囲拡大や海外規格の認証取得に関する研究開発を中心に行っております。

防災・工事事業においては、防災ニーズの高まりを背景に需要創造型の商品開発を中心に行っております。

自動車・ロボット事業においては、金属塑性加工技術を新たな産業分野へ応用するための研究開発を中心に行っております。

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費120,275千円であります。

当連結会計年度における各セグメント別の研究の目的、研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。

(1)継手事業

マーケット拡大のため、新型フレキ等の開発を行い、研究開発費は59,994千円となりました。

 

(2)防災・工事事業

㈱アクアリザーブで開発中の貯水機能付給水管装置の研究開発を継続した結果、研究開発費を54,175千円計上しました。

 

(3)自動車・ロボット事業

金属塑性加工技術を新たな産業分野へ応用するための研究開発を継続しており、金属塑性加工の新技術の開発に係る研究開発費は5,561千円であります。

 

(4)介護事業

新商品の開発に係る研究開発費は544千円であります。