第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社及びその企業グループとしての経営の基本方針は次のとおりであります。

a.経営理念

『従業員の幸せを追求すると共に、価値ある製品づくりに真心で挑み、世界の発展に貢献します。』

 企業活動の主体である社員の質の向上こそが、当社の基盤です。社員の真の満足は、仕事のやりがいと達成感にあると思われます。

 会社は社員の期待に応えるため、皆がスキルアップできる環境をつくり、意欲を持って仕事に取り組むことができるようサポートしていきます。

 また、新たな課題に対しても果敢にチャレンジする社風を築き、いつも精一杯、真心込めて製品の価値の向上に努め、お客様の満足を第一に、ひいては世界中の人々へ喜びと幸せをもたらす事業を追求してまいります。

 

b.行動指針

「常にスピードを重視します。」

 IT技術の進歩により、あらゆるものの価値が急速に変化していく現代。新しい情報をいち早くキャッチし、迅速な意思決定力と実行力で躍動感ある対応を心がけます。

 

「常にスキルアップに努めます。」

 社員一人ひとりが、一日の中で少しでも進歩できるように考えること。そして、会社はそのための環境づくりを心がけます。

 

「常に先を読んで行動します。」

 公共事業費の削減等により、当社グループも既存事業にばかり頼ることはできません。企業として安定した成長を維持するためにも、短期的な視野ではなく、常に5年先、10年先を見据えて行動します。

 

「常にチャレンジ精神を大切にします。」

 批判されることを気にしていては、結局何もできません。常に新しいことを考える意識、失敗を恐れず積極的にチャレンジする精神を大切にし、社員一人ひとりのやる気に応えます。

 

「常に技術革新を目指します。」

 事業の持続的成長の鍵は、技術革新にあります。既存の製品に満足することなく、常にお客様のニーズをくみ、新しい技術の開発に取り組みます。

 

「常に地球環境を大切にします。」

 地球の温暖化は、この星に生きるすべての生命にとって切実な問題です。当社グループも地球の一市民として、環境保全活動を重要課題として取り組みます。

 

(2)中長期的な会社の経営戦略

a.常に「新しいビジネスに挑戦しているか」「常識の打破に挑戦しているか」「高い理想の追求を行ったか」を念頭に置いて、次の4つのキーワードをベースに更なる成長を目指してまいります。

Global  :フレキシブル継手の世界展開を視野にいれた戦略への転換

Technology:「安心安全をつなぐ」をコンセプトに新たな付加価値を提供

Synergy  :製造業を中心としたビジネスの多層化による付加価値の追求

System  :営業・製造業務の全体像からのシステム構築

 

b.度重なる災害による防災意識の高まり、老朽化した社会インフラを長寿化するニーズの増加、脱炭素、クリーンエネルギーへの移行、ロボティクス等新テクノロジー分野の台頭、高齢化社会における地域包括ケアシステムの構築の動き等の中、「国内外の勝てる市場」を発掘し、その市場への集中投資により成長を実現することを当社グループの経営戦略としております。また、省エネや革新的な環境対策を進めることは重要な企業の役割と考え、SDGsへも積極的に取り組んでまいります。

 

c.その目標を達成するため、①収益力、グループ力の強化、②人材育成を通じての組織の活性化、③中期経営計画を策定し、持続的な企業価値の向上を目指してまいります。

 具体的には、継手事業の国内での圧倒的なシェアの確立と世界展開を視野に入れた戦略を検討してまいります。海外生産拠点機能の一部を天津工場からベトナム工場へ移管し、最新鋭の機械装置による生産効率の追求をいたします。また、防災・工事事業では、首都圏における安定した経営基盤をもとに、継手事業との協業、加工管設備による差別化等によりシェアを拡大してまいります。自動車・ロボット事業では、自動車マーケット依存構造を改善し、ロボットマーケットの拡大を図り、自動車マーケットの中ではEV化対応を進めてまいります。介護事業では、差別化製品の取扱い、海外調達による価格競争力等により、介護ビジネスでの収益力向上を計画しております。

 

(3)資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応

 当社グループは、3ヶ年の中期経営計画を策定し、毎年見直しを行っております。その中で、企業価値向上のために、財務基盤を強化し事業投資に対する適正な評価と最適な資本構成を実現し、徹底した経営効率の改善により、資本効率を更に高め、経営の安定性及び株主還元を重視することで、ROE及び連結配当性向の向上に努めてまいります。

 現状分析は、ROEと共にPER及びPBRを指標として用い、結果を取締役会で報告しております。これら指標の最近5連結会計年度の推移及び目標は、下記表の通りです。

 

指標

2020年12月期

2021年12月期

2022年12月期

2023年12月期

2024年12月期

目標

株価収益率

(PER)

15.30倍

11.56倍

7.64倍

20.64倍

15.24倍

18.00倍

株価純資産倍率

(PBR)

0.99倍

0.98倍

0.82倍

0.89倍

0.86倍

1.20倍

自己資本利益率

(ROE)

6.5%

8.8%

11.4%

4.3%

5.7%

8.0%

 

また、現状分析の結果及び目標達成のための取り組みは、下記の通りです。

現状分析の結果

目標達成のための取り組み

・ 景気変動や設備投資の動向により、業績に影響が生じやすい。

・ 為替影響(金属材料の価格変動等)による利益率の増減が大きい。

・ グローバル展開と成長分野への投資を促進し、リスク分散を図る。

・ 製造の効率化により利益率を改善し、為替影響による利益の増減率を小さくする。

 

(4)経営環境及び対処すべき課題

 当社グループの各事業を取り巻く経営環境及び対処すべき課題は、以下のとおりであります。

a.継手事業

(a)継手事業は、景気変動や国内外の設備投資の動向、特に建設投資の動向に影響を受けることから、事業のグローバル展開と開発、製造、営業の一貫性による既存事業の強化を課題として認識し、以下の対応を行ってまいります。

・フレキシブル継手については、グローバルな生産拠点(ベトナム工場)への投資やグローバルシステムへの投資を通じて原価低減を図り、高付加価値製品のシェアアップを目指します。

・真空機器については、半導体業界を中心に短期的な調整局面はあるものの、中長期的には5G等の本格的な普及の中で拡大するものと想定しており、当社グループもグローバルな製造拠点をベースに今後の市場拡大に沿って成長を図ります。

・製造部門に対する積極的な設備投資の実行及びIT化の推進により生産性を向上させ、納期の短縮化及び品質管理の徹底を図ります。

・2019年8月 主力製品であるスプリンクラーフレキシブル継手の安全性と施工性を高めた製品を市場に投入しました。安全性を重視した製品はこの製品だけで、消防推奨製品の指定を頂いています。安全性を全面に出し他社との差別化を図ると共にシェア拡大に努めます。

・2020年7月にベトナム第3工場が完成しました。グローバルな生産拠点としての役割を担い、2024年から米国顧客への直接販売を開始しました。

・2020年10月に、国内の製造・営業の基幹システムの入れ替えを行い、管理会計の高度化と海外工場とのシステム連携による生産性の向上を進めております。

・2021年6月に、新潟第4工場が完成しました。引き続きマーケットニーズに対する対応力を強化してまいります。

・2024年4月に、千葉工場の拡張工事が完了し、稼働に向けた設備の設置や試験運転を進めております。今後は、生産力の増強した千葉工場へ、海外製造拠点での部品・半製品の製造を移管し、輸送距離の短縮による環境影響の縮小、コスト削減及び為替リスクの回避を図ってまいります。

・水道管老朽化対策において施工上のメリットがあるSDF工法(注)をテーマに、フレキシブル継手の販売を促進します。

(注)SDF工法

 老朽化した水道本管を交換せず、補修、再生する工法の一つで、従来の既設管内挿入工法では施工できない曲がり管を含む本管にステンレス製のフレキシブル継手を引き込み、管路更新工事を行う工法。軌道下や河川下の伏せ越し配管、交通量が多い道路の横断など開削が困難な場所に敷設されている。

・営業体制全体としては、コールセンター、ネットのシェアアップにより効率化を図り、商品・製品構成を基にした価格戦略でフレキシブル継手市場でのシェア向上を目指します。また、フレキシブル継手、伸縮管継手市場でのトップシェア(2018年度。出所:矢野経済研究所による当社宛の「2019年度管継手市場動向調査」)の維持に努めます。

 

(b)無駄の見える化・排除、組織の活性化を課題として認識し、以下の対応を行ってまいります。

・徹底したコストダウンを推進するため、組織風土を改革し、組織の活性化に取組んでまいります。

・内外の工場において、ロボット、自動溶接機等への積極的投資により生産性向上を図ってまいります。

・顧客ニーズを吸収し、製造本部は技術本部と連携し、他社比優位性・付加価値のある製品を生み出してまいります。

 

b.防災・工事事業

 防災・工事事業は、継手事業と同様の経営環境にあることから、事業ポートフォリオを拡大してまいりました。主な事業は、消防設備分野と真空配管分野の配管工事及び配管加工であり、共に売上拡大とa.継手事業とのグループのシナジー活性化を課題として認識し、以下の対応を行ってまいります。

・消防設備分野は、首都圏の建設工事を中心に実績を積み上げ、首都圏の大型再開発工事を受注できるまで成長してまいりました。特に消火用スプリンクラーの設置工事を得意としており、スプリンクラーフレキシブル継手(継手事業)とのシナジーを発揮しています。今後の成長に関しては、首都圏に留まらず、地方の大型工事案件を受注し、シェアを拡大することが必要と考え、現在は、北海道や九州の半導体工場や、国内各地のデータセンター等、地方の大型工事を積極的に受注しております。特に北海道に関しては、道内に進出する半導体関連企業の施設やデータセンター等の建設需要拡大が見込まれており、半導体工場向けの配管加工工場として建設した北海道工場を活用して、受注拡大に努めてまいります。

・真空配管分野では、半導体産業の成長によるマーケットの拡大が期待されており、参入企業との競合が予想されます。そのため、真空配管分野の成長には、厳しい競合下での確実な受注が欠かせないものと認識しております。当社グループは、国内の半導体工場向け真空配管の基礎を築いた企業の1社であることから、国内の多くの半導体工場で、真空配管工事に携わり、また、真空機器(継手事業)を販売してまいりました。その経験から得たノウハウや実績を活用し、確実に受注してまいります。

 

c.自動車・ロボット事業

 自動車・ロボット事業は、主な販売先が自動車業界と産業用ロボット業界であり、これら特定の業界の景気動向の影響を受けやすい経営環境にあることから、事業ポートフォリオの多様化と収益性の向上を課題として認識し、以下の対応を行ってまいります。

・自動車業界向けの金属部品は、国産乗用車向けを中心に販売してまいりましたが、国内の乗用車需要の変動影響を大きく受けるため、乗用車とはマーケットの異なる貨物自動車向けや、海外の自動車メーカー向けの販売を強化し、特定車種の販売動向による業績影響の緩和を図ってまいります。

・ロボット業界向けの金属シャフトは、特定メーカーの大型機種への依存度が高く、顧客の販売動向が当事業セグメントの業績に大きく影響しているため、金属シャフトに限らない多種多様な産業用ロボット向け金属部品のバリエーションを整え、参入マーケットを増やしてまいります。

・自動車業界と産業用ロボット業界に続く、第3の市場開拓にも注力しております。金属塑性加工を施し軽量化した金属部品は、自動車・ロボット以外の市場でも需要があり、半導体工場の製造ラインで、部材を供給する装置に採用されております。この様な新しい市場を開拓し、業績の安定と成長を促進してまいります。

 

 

d.介護事業

 介護福祉用具レンタル市場規模は年々拡大傾向にあるものの、レンタル・販売価格については法令等により制約され、横ばいから下降傾向にあります。介護保険制度の改正による、利用者の自己負担の増加を起因として、福祉用具の利用を控えることによるレンタル・販売減少で事業環境の悪化に対応した事業展開をすることを課題として認識しております。在宅の利用者(要介護者)が希望する生活を営むための支援機器・用品へ、どのように対応していくかがポイントと考え、以下の対応を行ってまいります。

・取引先や出店エリアの選択と集中及びコストダウンによる事業効率化の推進により、収益を拡大してまいります。

・地域一番店に向けて法令遵守と定期点検で信用を構築してまいります。

・居宅介護支援事業の拡大による利用者数の増加を背景にしたヘルパー事業への展開、福祉用具のメンテナンスや洗浄/保管といった受託事業への展開及び障碍者就労支援事業への展開等を視野に入れ、福祉用具の製造小売から地域レンタルまで行う、一気通貫の新ビジネスモデルの構築に注力してまいります。

 

 なお、当社連結子会社において、複数年にわたり外注先との間で架空の取引等が発生している可能性が判明しました。これを受け、当社は2024年2月5日付で特別調査委員会(外部の独立した第三者である弁護士及び公認会計士を含む)を設置して調査を開始し、2024年3月26日に同委員会より調査報告書を受領しました。その結果、当社連結子会社において、得意先及び外注先との間で架空の取引に係る代金の受領及び支払がなされていた事実が判明しました。本件事案につきましては、2024年3月26日付「特別調査委員会の調査報告書受領及び当社の対応に関するお知らせ」にて公表いたしました特別調査委員会の調査報告書による指摘・提言を真摯に受け止め、2024年4月15日付「再発防止策の策定に関するお知らせ」にて公表いたしました再発防止策を実施し、内部統制の強化に努めております。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)サステナビリティに関する共通の考え方及び取組

 ① 考え方

 当社グループのサステナビリティに関する考え方は、持続可能な社会の実現への貢献、すなわち、経済、社会、環境が持続可能になるように企業活動そのものを変えていこうというものです。気候変動などの地球環境問題への配慮、人権の尊重、従業員の健康・労務環境への配慮や公正・適切な処遇、取引先との公正・適切な取引、自然災害への危機管理など、サステナビリティに関する課題への対応は、リスクの減少のみならず、当社グループの提供する製品・サービスが、社会のサステナビリティの課題解決への貢献と捉え、事業を展開しております。

 

 ② ガバナンス

 当社グループのサステナビリティに関する課題の認識、戦略の検討、リスク管理、目標設定とそのフォローにつきましては、リスク管理委員会を中心に行っております。リスク管理委員会は、業務執行取締役、監査等委員取締役及び内部監査室を含む委員で構成され、毎月開催しております。

 

 ③ リスク管理

 当社グループがサステナビリティに関するリスク及び機会を認識した際には、リスク管理委員会に報告され、リスク管理委員会で識別・評価を行います。重要なリスク及び機会については、取締役会に報告され、取締役会の判断に基づき、リスク管理委員を中心に対処いたします。

 

(2)気候変動

 ① ガバナンス

 当社グループの気候変動に関するガバナンスは、上記の(1)サステナビリティに関する共通の考え方及び取組②ガバナンスに記載の通りです。

 

② 戦略

 リスク管理委員会では、気候変動に関する課題につき、国際的な動向把握、他社事例研究、当社グループの過去からのデータ分析などの活動を通して戦略を検討しております。中期的な施策としては、千葉工場の拡張工事が完了し、今後、海外グループ会社の日本国内向け製品の製造ラインを千葉工場へ移設することにより、輸送コストの削減、発電効率の向上、温室効果ガス(CO2)の削減につなげたいと考えております。

 

施策

期待される効果

・ 中国(天津、上海)、ベトナム(ホーチミン)の子会社工場で行っている国内向け製品・部品等の製造を国内工場に移管する。

・ 中国、ベトナムから日本への長距離輸送で発生する温室効果ガスの減少が見込まれる。

・ 発電効率に優れた日本国内の製造比率が高まり、温室効果ガスの発生の減少が見込まれる。

・ 新しい工場設備の導入

  (古い工場設備からの交換を含む。)

・ エネルギー効率の向上による温室効果ガス低減効果が見込まれる。

 

 また、下記④指標及び目標の対象ではありませんが、当社グループの展開する事業そのものが温室効果ガス(CO2)の削減効果を有し、社会貢献に繋がるものとして、下記の事業を展開しております。

  (電力分野)

・ 発電時に温室効果ガス(CO2)が発生しない、原子力発電所、水力発電所、地熱発電所等の発電所向け配管継手の製造。

・ 工場等に電力を供給する、水素発電機用の配管継手を製造。

  (自動車分野)

・ 水素自動車に水素を補給するために設置される、水素ステーション向け配管継手の製造。

・ EV車向けの軽量化した金属製自動車部品の製造。

  (造船分野)

・ 水素用の配管継手が、世界初の水素運搬船に採用され、現在、実用化に向け、研究・開発中。

 

③ リスク管理

 気候変動に関するリスクについては、リスク管理委員会を中心に、中長期的にどのような気候変動に見舞われるリスクや機会があるのか、また、その変動により当社グループにどのような財務的影響があるのかを検討中であり、経営戦略にも反映してまいります。

 

④ 指標及び目標

 気候変動に関する指標及び目標は、現状、Scope1及びScope2に該当する温室効果ガス(CO2)排出量を当社グループ全体で把握し、2050年度までに温室効果ガス(CO2)排出量ネットゼロを削減目標に定め、上記②戦略に記載の施策に取り組んでおります。

 

当社グループの温室効果ガス排出量(単位:t-CO2)                  2025年3月11日集計

 

Scope1

Scope2

合計

2023年12月期

255

5,298

5,553

2024年12月期

166

5,234

5,401

 

(3)人的資本(人材の多様性を含む)

① ガバナンス

 当社グループの人的資本に関するガバナンスは、上記の(1)サステナビリティに関する共通の考え方及び取組②ガバナンスに記載の通りです。

 

② 戦略

 人的資本に関する戦略は、人材の育成や働きやすい環境の整備等であるが、スキルアップ、公正・適切な処遇、多様で柔軟な働き方、出産・育児サポート、介護サポート等の具体化を検討中であります。当社グループの人材の多様性については、1988年の中国への進出、1994年のベトナムへの進出以来、アジアの人材の活躍を実現しております。

 なお、現在、当社が定める目標達成のための戦略については、下記の④指標及び目標の中で、目標ごとの戦略を記載しております。

 

③ リスク管理

 人的資本(人材の多様化を含む)に関するリスク管理として、アジア人材の活躍の基盤として人権の尊重が位置付けられるが、取締役向け勉強会にて採り上げ、当社グループの人権意識を高める努力を、リスク管理委員会を中心に行っております。

 

④ 指標及び目標

 人的資本関係では、社内環境整備の一環として、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出した値を、人的資本に関する戦略における指標としております。なお、当期の実績値については以下のとおりです。

 

当事業年度

補足説明

名称

管理職に占める女性労働者の割合

 (%)

(注)1.

男性労働者の育児休業取得率

 (%)

(注)2.

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1.

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

㈱テクノフレックス

(当社)

4.6

83.3

72.2

78.3

63.5

賃金差異について、人事制度における男女の処遇差はありません。

㈱TFエンジニアリング

0.0

0.0

98.4

66.5

167.4

ニトックス㈱

0.0

0.0

55.2

76.4

15.8

㈱中野製作所

0.0

0.0

67.7

81.7

52.3

㈱チューブフォーミング

0.0

0.0

73.3

73.3

68.1

㈱スペースケア

8.7

50.0

62.9

76.4

54.2

 (注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

 また当社では、下記の通り、人的資本関係で2つの目標と、それぞれの戦略を定めております。

 

1.

目 標

従業員の平均勤続年数を15年以上にする。

戦 略

従業員全員が女性活躍推進法に関する理解を深め、平均勤続年数を向上させるため、環境・支援体制を整える。

2.

目 標

育児休業の取得率を男性取得者1名以上、女性取得率90%以上にする。

戦 略

育児休業制度の周知や情報提供を行う。

 

 なお、経営環境の変化をふまえ、より人材育成の観点での検討が必要と考え、「人材育成」「健康経営の実践」等の課題につきましても、人的資本に関する戦略における具体的な指標及び目標を、検討してまいります。

 

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項には、以下のものがあり、必ずしもリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。これらのリスクについては、その発生可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。

 なお、文中の将来に関するリスクについては、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性のあるすべての事項を網羅するわけではありません。

(1)市場の変動に係るリスク

 当社グループの主要製品である管継手及び同関連製品の売上は、景気変動や国内外の設備投資の動向、特に建設投資の動向に影響を受けます。当社グループでは継手事業においては産業別の需要動向に応じて製品等の供給を行い、その関連分野としての防災・工事事業、自動車・ロボット事業、介護事業という成長マーケットを含んだ事業へと事業ポートフォリオを拡大してまいりましたが、想定以上に関連業界の設備投資が落ち込んだ場合、当社グループの業績または財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)海外生産に係るリスク

 当社グループは、生産拠点の集中リスクを回避するため、グローバル(中国、ベトナム)な生産体制を展開しておりますが、海外生産におきましては、イ.予期しない法律または規制の変更、ロ.人件費・物価等の大幅な上昇、ハ.ストライキ等による生産活動への支障、ニ.その他の経済的、社会的及び政治的混乱等のリスクが潜在しております。当社グループは、それらの法規制、社会情勢の変化等の情報収集を行い、変化への対応、リスクの回避に努めておりますが、予期せぬ事象が発生した場合、当社グループの業績または財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)為替、金利の変動に係るリスク

 当社グループは、海外子会社3社及び当社において、外貨(中国元、アメリカドル)建て資産及び負債があります。当社グループは取締役会によって定めた方針に基づき、為替変動等のリスクヘッジ対策を講じてまいりますが、予期せぬ事象が発生した場合、当社グループの業績または財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループは、金融機関からの借入により資金調達を行っておりますが、金利が上昇した場合、支払利息が増加し、当社グループの業績または財務状況が影響を受けます。

 

(4)原材料価格の変動に係るリスク

 当社グループは、主要原材料としてステンレス鋼を使用しております。ステンレス鋼は市況商品であることからその価格が上昇した場合、製品価格に反映させることを基本方針としておりますが、急騰により製品価格への転嫁が遅れた場合、当社グループの業績または財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)製品の欠陥に係るリスク

 当社グループは、ISO9001に準拠して製品の品質管理を行っておりますが、全ての製品について欠陥が発生しないという保証はありません。そのため、欠陥に伴う製造物賠償責任リスクを軽減するため、PL保険に加入しておりますが、保険でカバーできない多額のコストが発生した場合、当社グループの業績または財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)棚卸資産の廃棄、評価損に係るリスク

 当社グループは、在庫管理に充分留意しておりますが、市場動向、技術革新、製品のライフサイクル等の急激な変化により、製品の評価を見直す必要が発生し、棚卸資産の廃棄または評価損を計上する場合、当社グループの業績または財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)資産の減損に係るリスク

 当社グループは、固定資産の減損に関する会計基準を適用しております。将来、当社グループが保有する固定資産について、経営環境の著しい悪化等による収益性の低下や市場価格の下落等により、減損損失が発生した場合には、当社グループの業績または財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(8)知的財産権に係るリスク

 当社グループは、知的財産管理規程にて知的財産保護を定めるとともに、知的財産に係るトラブルを回避するため事前調査を行なっております。また、知的財産の保護やその侵害に関するリスクについては、リスク管理項目の対象としリスク管理委員会で対応策を検討し、必要に応じて弁理士に相談した上で、早急且つ適切な対応ができるよう努めております。しかしながら万が一、訴訟等に巻き込まれた場合、当社グループの業績または財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)大規模災害等に係るリスク

 当社グループは、生産拠点の分散化等により、一部の地域で大規模災害が生じた場合においても一定の製商品の供給を継続できる体制の構築に努めておりますが、複数の生産拠点地区において、大規模自然災害または火災等の事故が発生し生産設備及び物流機能が被害を受け、操業中止または出荷遅延等が生じた場合、当社グループの業績または財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)情報管理に係るリスク

 当社グループは、顧客の個人情報並びに顧客の技術、製造、販売及び営業に関する機密情報をさまざまな形態にて保有し、それらの情報を保護するため、適切なセキュリティ対策を講じておりますが、万が一、情報漏洩が発生した場合、法的責任を負う可能性がある他、当社グループの業績または財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)保有資産の価値下落によるリスク

 当社グループでは、保有資産価値の維持、保全に努めておりますが、保有する不動産や有価証券等の時価が著しく下落した場合、当社グループの業績または財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)製品競争力に係るリスク

 当社グループは、他社製品との差別化を図るため、製品・技術等に関連する特許等の知的財産権を取得し、または海外企業との技術提携によるライセンスの供与を受けておりますが、海外の特定地域において、当社グループの模倣製品が製造・販売された場合、またはライセンス契約の更新が困難となった場合、当社グループの業績または財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)M&Aに係るリスク

 当社グループは、当社グループの事業に関連する有力な技術等を保有する会社の買収によって、事業の拡大と成長を推進してまいりました。今後も、事業の成長を加速させるために有効と考えられる場合や、既存事業との大きな相乗効果が見込める場合などに、積極的にM&Aを検討していく方針です。

 M&Aの実施に際しては、業界動向等を慎重に見定めるとともに、買収対象企業に対して十分なデューデリジェンスを行ったうえで実施する予定でありますが、市場環境の急激な変化や、買収企業の競争力の低下等、予期せぬ事態が生じた場合には、投下資本の毀損が生じ、当社グループの業績または財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)訴訟等に係るリスク

 当社グループは、内部統制システムの整備・運用を適切に行っておりますが、取引先や第三者との間で予期せぬトラブルにより損害賠償請求等が発生し、訴訟等に至った場合、当社グループの業績または財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15)法令及び公的規制に係るリスク

 当社グループは、事業を展開する国内及び海外の全ての地域において、建設業法や介護保険法等、さまざまな法令及び公的規制の適用を受けており、これらの法令及び公的規制を遵守するため、内部統制の整備を図っておりますが、万が一、遵守していないと判断された場合、当社グループの業績または財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(16)ストック・オプションの行使等による株式価値希薄化について

 当社は、当社及びグループ会社の役職員に対し、長期的な企業価値向上に対するインセンティブとしてストック・オプションを付与しているほか、今後も優秀な人材確保のためストック・オプションを発行する可能性があります。現在付与されている、または今後付与するストックオプションの行使が行われた場合、発行済株式数が増加し、1株当たりの株式価値は希薄化し、株価形成に影響を与える可能性があります。2024年12月末現在、これらのストック・オプションによる潜在株式数は88,200株であり、発行済株式総数21,360,000株の0.41%に相当しております。

 

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

  文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。

  (1)経営成績等の状況の概要

① 経営成績の状況

当連結会計年度における我が国の経済は、雇用・所得環境が改善する中、緩やかな回復が期待されるものの、中国経済を含む海外景気の下振れリスクや金融資本市場の変動等により、依然として先行き不透明な状況が続いております。

このような状況の中、当社グループでは、自動車・ロボット事業において大口顧客の在庫調整の影響によって売上が減少したものの、継手事業において海外顧客向け売上が大きく増加したこと、防災・工事事業において利益率の高い大型案件が増益に寄与したこと等により、当社グループ全体として増収増益となりました。

以上の結果、当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高22,041百万円(前期比3.8%増)、営業利益2,196百万円(前期比48.2%増)、経常利益2,135百万円(前期比40.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,313百万円(前期比35.9%増)となりました。

 

各セグメントの経営成績については、以下のとおりであります。

(継手事業)

国内市場は売上が前年度からほぼ横ばい、かつ円安による利益率への悪影響があったものの、海外市場は好調で海外顧客向けの売上が大きく増加したこと等により、当事業全体としては増収増益となりました。

その結果、当事業の売上高は13,263百万円(前期比14.0%増)、セグメント利益は2,082百万円(前期比49.8%増)となりました。

 

(防災・工事事業)

前期の大型の不採算工事案件の反動で売上は減少したものの、今期は利益率の高い工事案件が発生したこと等により、当事業全体としては減収増益となりました。

 その結果、当事業の売上高は5,042百万円(前期比5.9%減)、セグメント利益は638百万円(前期比46.5%増)となりました。

 

(自動車・ロボット事業)

前年度下期に引き続き、大口顧客の在庫調整の影響によって売上が減少したこと等により減収減益となり、当事業の損益は赤字となりました。

その結果、当事業の売上高は1,855百万円(前期比22.0%減)、セグメント損失は52百万円(前期は56百万円のセグメント利益)となりました。

 

(介護事業)

当事業全体の売上は横ばいとなりましたが、販管費の削減等により増益となりました。

その結果、当事業の売上高は1,778百万円(前期比0.5%増)、セグメント利益は105百万円(前期比72.7%増)となりました。

 

(その他)

不動産賃貸事業は、業績に特段の変化は見られませんでした。

その結果、当事業の売上高は101百万円(前期比0.2%減)、セグメント利益は35百万円(前期比7.3%減)となりました。

 

 

② 財政状態の状況

当連結会計年度末の総資産については、主に現金及び預金1,083百万円の増加、受取手形、売掛金及び契約資産270百万円の増加、未収消費税等を含むその他流動資産378百万円の増加、建物及び構築物(純額)5,086百万円の増加、建設仮勘定3,022百万円の減少等により、前連結会計年度末と比較して3,440百万円増加し、35,891百万円となりました。

負債については、買掛金223百万円の増加、短期借入金1,900百万円の増加、長期借入金418百万円の増加等により、前連結会計年度末と比較して2,521百万円増加し、12,532百万円となりました。

純資産については、主に親会社株主に帰属する当期純利益1,313百万円、配当989百万円による利益剰余金323百万円の増加、為替換算調整勘定546百万円の増加等により、前連結会計年度末と比較して918百万円増加し、23,358百万円となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して1,083百万円増加し、5,105百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は、2,845百万円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益1,975百万円、減価償却費910百万円により資金が増加したものの、法人税等の支払額352百万円により資金が減少したことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は、3,365百万円となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出3,314百万円により資金が減少したことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果得られた資金は、1,435百万円となりました。これは主に短期借入金の純増減1,900百万円、長期借入れによる収入1,194百万円により資金が増加したものの、長期借入金の返済による支出669百万円、配当金の支払額989百万円により資金が減少したことによるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日)

生産高(千円)

前年同期比(%)

継手事業

8,378,474

110.4

防災・工事事業

488,882

115.2

自動車・ロボット事業

1,623,589

81.7

合計

10,490,946

104.9

 (注)1.金額は製造原価により表示しております。

2.セグメント間の取引については相殺消去しております。

3.介護事業は生産活動を行っておりません。

 

b.受注実績

 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

  至 2024年12月31日)

受注高

(千円)

前年同期比

(%)

受注残高

(千円)

前年同期比

(%)

継手事業

6,215,684

112.8

1,976,272

122.8

防災・工事事業

3,978,946

44.0

8,279,292

94.2

合計

10,194,630

70.1

10,255,564

98.6

 (注)1.防災・工事事業は、消防設備の設計、施工、管理の金額となっております。その他については、受注生産を行っておりません。

2.介護事業は、受注生産を行っておりません。

3.自動車・ロボット事業は、各納入先より生産計画の提示を受け、これに基づき生産能力を勘案して生産計画を立てており、見込生産であります。

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

継手事業

13,263,841

114.0

防災・工事事業

5,042,346

94.1

自動車・ロボット事業

1,855,000

78.0

介護事業

1,778,640

100.5

その他

101,410

99.8

合計

22,041,238

103.8

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.主要顧客(総販売実績に対する割合が10%以上)に該当する相手先はありません。

3.上記のうち、株式会社テクノフレックスの製品売上高及び商品売上高の合計は、10,422,204千円であります。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。

① 重要な会計方針及び重要な会計上の見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、会計基準の範囲内にて合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。

詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)及び(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの経営成績等は、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況及び② 財政状態の状況」に記載のとおりであります。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、運転資金需要のうち主なものは原材料の仕入等の製造費用や販売費及び一般管理費等であり、投資等の資金需要は、設備投資等によるものであります。

これらの資金につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローのほか金融機関からの借入により必要な資金を調達しております。

 

④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」に記載のとおりであります。経営指標については適宜各種会議体において共有され、必要に応じて経営環境、財政状態及び業界環境等を総合的に勘案したうえで、対応策の検討を行い、必要な施策をタイムリーに実施してまいります。

なお、当社グループは目標とする経営指標等として、PER、PBR及びROEを掲げております。PERは目標を15.00倍以上にしており、2024年12月期におけるPERは15.24倍%となっております。PBRは1.20倍以上を目標としており、2024年12月期におけるPBRは0.86倍となっております。ROEは目標8.0%以上に対し、2024年12月期は5.7%となっております。

今後、企業価値向上のために、財務基盤を強化し事業投資に対する適正な評価と最適な資本構成を実現し、徹底した経営効率の改善により、資本効率を更に高め、経営の安定性及び株主還元を重視してまいります。

しかしながら、これらの経営指標の目標数値においては、様々なリスクや将来の経済状況の変化等の不確実性を有しており、その達成を保証するものではありません。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

当社グループは、「顧客により付加価値の高いものをより安価に提供すること」を研究開発の基本方針として、さまざまな角度から新製品の開発並びにその製造設備及び製造手法の開発に取り組んでおります。

継手事業のマーケットにおいては、競争プレイヤーは少なく、技術革新も盛んではないため、既存マーケットは顧客ニーズ対応のための研究開発となり、既存マーケットの拡大のため、加工素材の範囲拡大や海外規格の認証取得に関する研究開発を中心に行っております。

防災・工事事業においては、防災ニーズの高まりを背景に需要創造型の商品開発を中心に行っております。

自動車・ロボット事業においては、金属塑性加工技術を新たな産業分野へ応用するための研究開発を中心に行っております。

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費70,287千円であります。

当連結会計年度における各セグメント別の研究の目的、研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。

(1)継手事業

マーケット拡大のため、フレキシブル継手や貯水機能付給水管装置等の開発を行い、研究開発費は68,177千円となりました。

 

(2)防災・工事事業

研究開発費の計上はありませんでした。

 

(3)自動車・ロボット事業

金属塑性加工技術を新たな産業分野へ応用するための研究開発を継続しており、金属塑性加工の新技術の開発に係る研究開発費は2,105千円であります。

 

(4)介護事業

新商品の開発に係る研究開発費は4千円であります。