文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは「不動産を通じて喜び・感動を」を経営理念として掲げ、不動産の仕入れから販売、ならびに注文住宅建築からアフターフォローに至るまでの不動産購入プロセスをワンストップソリューションで提供する「sumuzu」事業を展開しております。特に、メインサービスである「sumuzu Matching」においては住宅の設計プランの取得、複数業者とのコンペ組成、業者選定までのフローが完全オンラインかつ匿名性を保ったままの実行が可能であり、これを当社の主力サービスとして位置付けています。
2020年初頭より顕在化している新型コロナウイルスの影響にあたり、不動産仲介および売買については、外出自粛による顧客の不動産検討が鈍化することによる売上低下が懸念されます。その一方、顧客の不動産探しのオンライン化傾向がより強まっていると当社は捉えており、当社が運営する「sumuzu Matching」をはじめとするオンラインサービスからの集客状況は今後も好調に推移していくと見込んでおり、売上・利益の下支えを想定程度見込んでおります。この状況にあって、営業人材の教育による集客から契約への成約率の強化と、オンラインサービスの拡充による自社サイト「sumuzu」のユーザビリティ向上が、直近の経営課題であると捉えております。
「富裕層顧客からのリピート・紹介率の向上」という当社グループ従来の基本戦略を維持しつつ、富裕層顧客データの蓄積およびその活用による効果的アプローチを行うことで、さらなるリピート・紹介の獲得を加速し、効率的な収益力を確保することで、より盤石な営業基盤の構築を図ります。
当社グループにおいては、下記の数字を重要な経営指標としています。
当社の主力事業である「sumuzu」事業においては、仕入から販売までグループ内で一貫して行うことが出来るという強みを有しており、「sumuzu」事業の売上(不動産の開発分譲、不動産売買・仲介、オーダーメイド住宅のマッチング)におけるグループ連結売上における全社員1人当たりの売上高を重要な指標としております。
当社グループにおいては、「sumuzu」事業における仕入れから販売、オーダーメイド住宅のマッチングまでを包括的に行うこと、および紹介顧客・リピート顧客の成約を特に重視した営業戦略をとっており、賃貸事業も含めた高利益体質の構築に重点をおいております。そのため、グループ連結売上における全社員1人当たりの営業利益を重要な指標としております。
当社グループは、「sumuzu」事業における成約顧客に対して、建築メーカー選びに関するコンサルティングを実施しております。特に、土地選定の段階から建築プランを顧客と一緒に検討し、安心して不動産取引を行って頂くという営業ノウハウを有しており、この点が紹介・リピート顧客の獲得の源泉の一つと考えております。そのため、当社では土地成約案件に占める建物請負紹介成約比率を重要な指標としております。
2020年3月期の建物請負紹介成約比率は約3割(注1)となっております。
(注1)建物請負紹介成約比率については、2020年3月期(2019年4月1日~2020年3月31日)における建築請負紹介件数を、同期間における一般顧客への土地売却件数で除して算出したものです。
当社の今後のIT戦略を考えるうえで、自社サイト「sumuzu」を基軸とした集客活動は営業効率に大きな影響を与えるため、当社においてストックしている累計顧客データ数を重要指標としており、2020年3月末時点で約 12,825件となっております。
あらゆる業界、業種においてIT化の流れが加速している一方で、少子高齢化、人口飽和、核家族化、所得の伸び悩み、都市部への人口集中等、さまざまな社会構造的要因により、不動産という個人資産の有効活用が果たす役割は一層大きくなっていきます。30代後半~40代の不動産のメイン購入層については、今後はいわゆるデジタルネイティブ世代(注1)が占める割合が一気に上昇することが予見され、住宅購入に関する顧客の意思決定の大部分がインターネットで完結し、今後の不動産ビジネスにおいては、ITの活用度合いによって企業の成長が二極化することを想定しています。
こういった状況下において、当社グループは不動産テック企業として建築業者と顧客の自動マッチングプラットフォームの強化、データビジネスの拡充を武器とし、リアル不動産とITの融合を強力に推し進めていきます。
(注1)学生時代からインターネットやパソコンのある生活環境の中で育ってきた世代であり、日本では1980年代以降とされている。
当社グループは、当社で不動産を購入した顧客のデータ、および購入見込顧客のデータを豊富に保有しております。顧客データはデータビジネスという視点で見た場合の利用価値が非常に高く、当該データをより一層拡充していくことは、当社グループの競争優位性の確保に大いに資するものと考えています。
データ活用による成約率の向上、およびリピート・紹介率の向上を推進すると共に、当社グループのプラットフォーム事業の強化に繋がるさまざまなサービス(別荘需要、富裕層同士のコミュニケーション等)を展開し、顧客との接点を拡大していきます。
当社グループが手掛ける「sumuzu」事業の特徴として、土地の仕入れから住宅の完成・引渡に至るまでの全てのプロセスをワンストップでサポートすることが挙げられます。当社グループでは、不動産デベロップメント(不動産の仕入れ、分譲)、不動産マッチング(売買・仲介)、注文住宅マッチング(建築家、建築業者マッチング)を通じて住宅を提供することを1つのサイクルと考えており、基幹サービスである「sumuzu Matching」の推進を行うことで「sumuzu」事業を成長させていきます。
(注1)モノを購入することに価値をおいた消費行動
(注2)商品やサービスを購入し、そこから得られる体験や感動に重きをおいた消費行動
現在当社グループでは城南エリアを中心に事業展開を行っており、桜新町、自由が丘、恵比寿の3拠点体制となっています。当社グループはこの城南エリアにおいて富裕層顧客の支持を獲得し、紹介・リピート割合を一層増加させていきたいと考えております。東京におけるさらなる富裕層顧客のシェア拡大を目指していくとともに、富裕層顧客へのサービス提供にあたっては非常に高いサービスの質を求められるため、従来培ってきた事業ノウハウをベースに、地方の主要都市への事業展開を行うことを中長期的な戦略として視野に入れております。店舗展開時には、多店舗展開を行うのではなく、インターネット集客に注力し、少数店舗で効率的な営業活動を行う方針であります。ネットによる集客を行い、店舗・イベント等のリアルで得られた情報の蓄積を、再度オンライン上の活動に活かすという良サイクルを回すことにより、効率的な営業展開を実現してまいります。
技術革新のスピードが速く、常に先端技術を取り入れていかなければならない状況下にあって、当社グループにおけるITサービス構築のためにより優秀な人材を確保することが急務であります。そのため、エンジニア採用については今後も積極的な採用に取り組み、教育制度を整備することで、優秀な人材の確保・育成に取り組んでいく方針であります。
当社グループの事業は、コンピュータ・システムを結ぶ通信ネットワークを利用しており、自然災害や事故等により通信ネットワークが切断された場合には、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。このため、当社グループではセキュリティ対策やシステムの安定性確保に取り組んでいく方針であります。
当社グループにおいては、自社グループ独自の販売用不動産を保有していることが、当社グループの販売力の一つの重要な要素となるため、今後の安定的な仕入れの実施は当社グループの重要な課題でありますが、現在当社が運営する「sumuzu」サイトをはじめとしたインターネットによる販売活動の効率化によって早期売却を実現していきます。また、仕入においては当社グループ内においてその時の市況に合わせた仕入検討を行っているほか、在庫リスクへの対応として、グループ内の仕入部門と販売部門を横断する稟議によって判断を行うことで、確実な出口戦略(売価設定や販売担当部門の検討)を構築しています。
当社グループでは「不動産を通じて喜び感動を」という理念のもと、営業人材の採用に力を入れております。そのため、「コミュニケーション能力」を重視した採用活動を行い、質の高い提案が出来る営業体制の構築が課題であります。人材採用にあたっては、人材採用のポータルサイト、人材紹介サービスの利用のほか、ダイレクトリクルーティングにも力を入れており、より当社グループの社風にマッチした人材の確保と、採用費用の削減を実現してまいります。また、入社1~2年目の新人に対しては社内研修を実施しています。研修は2週間に一度行い、テーマごとに講師の選定を行い、外部講師も招聘しつつ新人育成に力を入れています。
継続的に当社グループが成長を遂げていくためには、経営上のリスクを適切に把握し、当該リスクをコントロールするための内部管理体制の強化が重要な課題と考えております。具体的には、監査役と内部監査担当者との積極的な連携、定期的な内部監査の実施、有効かつ効果的な監査役監査の実施、社内経営陣によるコンプライアンス委員会の開催を通じて内部管理体制を強化してまいります。
当社グループの事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を、以下のとおり記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。なお、本項の記載内容は当社株式の投資に関する全てのリスクを網羅しているものではありません。当社グループは、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容もあわせて慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。本文における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループが属する不動産業界は、景気動向、金利水準、地価の水準等のマクロ経済要因の変動と企業業績が密接に関係しており、とりわけ当社グループにおいては、市場金利や消費税増税の動向、不動産に係る税制の改正や住宅取得希望者の心理動向等が、当社グループの業績及び事業の展開に影響を与える可能性があります。
また、このような経済情勢の変化は、土地の購入代金、建築費等の変動要因ともなり、価格の上昇・下落等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、不動産販売を行っており、2020年3月末時点で、たな卸資産として2,240,509千円計上しております。当社グループでは、見込んでいた販売価格での販売が困難な場合には、在庫リスクを軽減するため、販売価格の値引きにより販売を促進させる施策をとることがあります。その際、値引きによる利益の減少が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、販売不振のために滞留する販売用不動産が発生した場合には評価損が発生する可能性があり、その結果、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」により、当社グループが売主となる場合には新築住宅の構造上主要な部分及び雨水の浸水を防止する部分について10年間の瑕疵担保責任、中古住宅の場合には2年間の瑕疵担保責任が課されます。よって、万が一当社グループの販売した物件に重大な瑕疵があるとされた場合には、その直接的な原因が当社グループ以外の責任によるものであっても、当社グループは売主として瑕疵担保責任を負うことがあります。その結果、補償工事費の増加や当社グループの信用力低下により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、事業運営上、宅地建物取引業法、建築基準法、都市計画法、建設業法、国土利用計画法等による法的規制を受けております。
当社グループは、以下の主要な許認可を含めこれらの許認可等を受けるための諸条件及び関係法令の遵守に努めており、現状において当該許認可等が取り消しとなる事由は発生しておりませんが、今後、これらの関連法規が改廃された場合や新たな法的規制が設けられる場合、又はこれらの法令等の規制について遵守できなかった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、不動産の仕入れに際して、立地条件、面積、地盤、周辺環境及び仕入価格等について事前に十分調査し、その結果を踏まえて仕入れを行っております。他社との競争激化や地価の上昇等により、不動産の仕入れが計画通りとならない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループで行っている不動産の販売については、顧客への引渡時に売上計上されることから、市場動向、顧客の事情、天候の影響等によって想定通りに販売が進まず、引渡時期の変更等が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
景気の急激な変化は、当社グループが扱う住宅用不動産に対する顧客の購入意欲に影響を及ぼす可能性があります。現在、新型コロナウイルスの拡大により、景気の後退に至っておりますが、今後も、様々な外的要因により、景気の下振れによる不況に陥った場合、当社グループの財政状態や経営成績等に影響を与える可能性があります。当社では随時、新型コロナウイルスの影響について取締役会および経営会議の検討事項として協議を行っており、景気後退における大幅な不動産相場への影響、消費者動向について社内での認識共有を行い、適切な営業活動の実行を図っています。
(8) 新型コロナウイルスによる異常事態について
当社グループは、複数の拠点を保有し事業運営を行っております。新型コロナウイルスのパンデミック等の社会現象が、当社の想定を超える規模で発生し、複数拠点の運営が困難になった場合、当社グループの財政状態や経営成績等に大きな影響を与える可能性があります。当社グループの対策として、オフィスにおける三密回避を意識したテレワーク、社内入室の際のアルコール消毒や常時マスク着用の励行、時差出勤を導入しています。また、有事の際には拠点別の責任者の指示による迅速な対応と社内連絡体制を構築しています。
当社グループは、各事業において、見込顧客情報及び取引顧客情報等、当社グループ事業を通して取得した個人情報を保有しており、個人情報の保護に関する法律等による規制を受けております。
これらの個人情報については、個人情報を有する当社グループの各社にて細心の注意を払って管理しておりますが、万が一、外部漏洩等の事態が発生した場合、損害賠償や社会的信用の失墜等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、物件取得及び建築等の事業資金を金融機関からの借入金により調達しております。市場金利が上昇する局面においては、支払利息等の増加により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループでは有利子負債の返済原資を主に取得した物件の売却代金としており、物件の売却時期が計画から遅延した場合、又は、売却金額が当社の想定を下回った場合には、当社グループの資金繰りに影響を及ぼし、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが所有する固定資産において、急激な経済情勢の変化や金融情勢の悪化等により事業の恒常的なキャッシュ・フローの将来にわたる収益性の著しい低下や保有資産の時価の著しい下落が認識された場合、減損会計を適用することで当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
火災、破裂爆発、落雷、風、ひょう雪災、水災、地震火災、地震破裂、地震倒壊、噴火及び津波並びに電気的事故、機械的事故その他偶然不測の事故並びに戦争、暴動、騒乱、テロ等の災害により、当社グループが保有する物件について滅失、劣化又は毀損し、その価値が影響を受ける可能性があります。また、偶然不測の事故・自然災害により不動産に対する投資マインドが冷え込んだ結果、不動産需要が減り、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度末現在、当社グループが関係する重大な訴訟の事実はありません。しかしながら、当社グループが売却した物件における瑕疵の発生、当社グループが行う開発工事にかかる近隣トラブル、当社グループが請け負った工事に対する顧客からのクレーム、入退去時のテナント等とのトラブル等を起因とする、又はこれらから派生する訴訟その他の請求が発生する可能性があります。これらの訴訟等の内容及び結果によっては当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
収益物件の賃借人との賃貸借契約の期間満了時に契約が更改される保証はないこと、また賃借人が一定期間前の通知を行うことにより賃貸借期間中であっても賃貸借契約を解約できることとされている場合もあるため、賃貸借契約の解約が増加した場合、後継賃借人が見つかるまでの間、賃貸収入が減少する等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、法令遵守、サービスの品質・安全性の確保、知的財産権管理、個人情報管理等に努めております。しかしながら、当社グループを取り巻く環境や競合他社及び競業他社を取り巻く環境において何らかの問題が発生した場合、取引先からの評価に悪影響を与え、それにより当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの運営する「sumuzu」は、インターネット環境が必要なサービスであり、自然災害や事故等により通信ネットワークが切断された場合やサーバーに不具合があった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループではセキュリティ対策やシステムの安定性確保に取り組んでおりますが、何らかの理由によりシステムトラブルが発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが開発・運営を行っている自社サイト「sumuzu」は、顧客の実際の成約実例の写真、情報の掲載をしております。著作権および個人情報保護の観点から、掲載にあたっては全掲載内容について顧客および施工業者等、掲載の承諾を得ておりますが、掲載内容について何らかの理由により問題が発生した場合には、顧客等からのクレームを起因とする、又はこれらから派生する訴訟その他の請求が発生する可能性があります。これらの訴訟等の内容及び結果によっては当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、現在「sumuzu」においては、集客メディアとして記事コンテンツの配信、オーダーメイド住宅のマッチングサービスを運営しております。今後は、インターネットによる不動産マッチングフローの完結や蓄積した顧客データをベースにビジネスの拡大を検討しておりますが、当社が想定するとおり事業が進捗しない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は役員及び従業員に対し、長期的な企業価値向上に対するインセンティブとして新株予約権を付与しております。
新株予約権の権利行使が行われた場合、当社株式が新たに発行され、既存株主が有する株式の価値が希薄化する可能性があります。なお、当連結会計年度末現在、新株予約権による潜在株式数は112,300株であり、発行済株式総数2,775,393株の4.05%に相当しております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
2019年10月1日に消費税率の10%への引き上げが実施され、不動産業界だけでなく、様々な業界において消費者動向に一定の動きが見られましたが、税率引き上げに伴う駆け込み需要とその反動の大きさは、前回の消費税率引き上げ時ほどではなく、当社の経営環境についても比較的緩やかに推移しました。また、新型コロナウイルスの感染拡大による消費者の購買意欲の鈍化に依然として懸念はあったものの、不動産探しにおけるオンライン化の流れが加速された結果、当連結会計年度においては売上・利益ともに業績を向上させることが出来ました。
当社は2019年12月19日に東証マザーズへの上場を果たしましたが、これにより知名度、経営基盤が飛躍的に強化され、以降の営業活動にも大きなプラスの影響を及ぼし、販売・仕入両面での案件数は増加の一途を辿っています。
当社は顧客に対して「より質が高く」「より透明性の高い」情報提供を通じて、よりよい不動産探しを提供すると共に、効率的な仕入・販売の実現のため、基幹サイト「sumuzu」の拡大・改良を推進してきました。具体的な取り組みとしては、「sumuzu Matching」による建築請負の見込み顧客の獲得増加、相場ウォッチャーや、チャットボットの改良、sumuzuサイトのサポートスタッフの充実によるユーザビリティの向上、記事コンテンツとメルマガ会員の増強、およびマーケティングオートメーションの導入によるリードナーチャリングを実施し、「sumuzu」はメディアとして急成長を遂げるに至りました。
その結果、連結売上高が8,086,485千円と前年同期と比べ1,645,392千円(25.5%)の増収、連結営業利益が1,002,606千円と前年同期と比べ142,000千円(16.5%)の増益、連結経常利益が969,085千円と前年同期と比べ136,357千円(16.4%)の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は、675,228千円と前年同期と比べ103,616千円(18.1%)の増益となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
当セグメントにおきましては、2018年1月にリリースした自社サイト「sumuzu」の認知度とブランド力の向上に注力したため、従前の対面接客だけの販売方法に加えて多くの潜在顧客の取り込みに成功しました。業績としては、計画どおり不動産販売、仲介件数を伸長できたことにより、売上高は、8,013,071千円と前年同期と比べ1,649,796千円(25.9%)増収、セグメント利益は、1,204,723千円と前年同期と比べ187,205千円(18.4%)の増益となりました。
当セグメントにおきましては、周辺賃料相場の上昇に伴って保有物件の賃料増額改定により堅調に推移しました。これにより、売上高は、71,076千円と前年同期と比べ4,101千円(△5.5%)の減収、セグメント利益は、36,870千円と前年同期と比べ1,370千円(△3.6%)の減益となりました。
当連結会計年度末の総資産は、8,157,181千円となり、前連結会計年度末と比べ1,343,326千円増加となりました。これは主に、現金及び預金が1,097,633千円増加したこと及び有形固定資産が803,739千円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の負債合計は、3,682,265千円となり、前連結会計年度末と比べ60,029千円増加となりました。これは主に、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む。)が361,746千円減少したものの、短期借入金が339,402千円増加したこと及び未払法人税等が36,128千円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の純資産合計は4,474,916千円となり、前連結会計年度末と比べ1,283,296千円増加となりました。これは、公募増資及びストック・オプションの行使により資本金が322,712千円、資本剰余金が322,712千円増加したこと及び利益剰余金が637,872千円増加したことによるものであります。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の期末残高は、前連結会計年度末と比べ1,097,633千円増加し、3,691,032千円となりました。
営業活動の結果獲得した資金は1,291,769千円(前連結会計年度は188,735千円の収入)となりました。これは主に法人税等の支払額387,291千円があったものの、税金等調整前当期純利益1,024,744千円及びたな卸資産の減少616,927千円により資金獲得したことによるものであります。
投資活動の結果支出した資金は767,820千円(前連結会計年度は55,870千円の収入)となりました。これは主に有形及び無形固定資産の取得による支出826,438千円により資金支出したことによるものであります。
財務活動の結果獲得した資金は573,817千円(前連結会計年度は107,186千円の収入)となりました。これは主に、株式の発行による収入645,424千円により資金獲得したことによるものであります。
当社グループは生産を行っていないため、生産実績の記載はしておりません。
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間の取引を相殺消去した後の金額を記載しております。
当社グループは受注生産を行っていないため、受注実績の記載はしておりません。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間の取引を相殺消去した後の金額を記載しております。
3.主たる販売先は不特定多数の一般消費者であり、相手先別販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の販売先はありません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社の財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積り・仮定設定を必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績や状況に応じて合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りと異なる場合があります。当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 4会計方針に関する事項」に記載しております。
なお、新型コロナウイルスの影響に関する会計上の見積りについては、「第5経理の状況 1連結財務諸表 (1)連結財務諸表 注記事項 追加情報」に記載のとおりであります。
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ、1,343,326千円増加の8,157,181千円となりました。流動資産は、前連結会計年度末に比べ、516,999千円増加の6,116,507千円となりました。これは主に、現金及び預金が1,097,633千円増加したことによるものであります。固定資産は、前連結会計年度末に比べ、826,327千円増加の2,040,673千円となりました。これは主に、土地の取得により有形固定資産が803,739千円増加したことによるものであります。
(負債の部)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ、60,029千円増加の3,682,265千円となりました。流動負債は、前連結会計年度末に比べ、182,886千円増加の2,456,533千円となりました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金が244,198千円減少したものの、短期借入金が339,402千円増加したことによるものであります。固定負債は、前連結会計年度末に比べ、122,856千円減少の1,225,731千円となりました。これは主に、長期借入金が117,547千円減少したことによるものであります。
(純資産の部)
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ、1,283,296千円増加の4,474,916千円となりました。これは主に、公募増資及びストック・オプションの行使により資本金が322,712千円、資本剰余金が322,712千円増加したこと及び利益剰余金が637,872千円増加したことによるものであります。
2) 経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、商品売上の販売件数が増加し、かつ仲介・販売手数料の単価が上昇した事により、前連結会計年度比25.5%増の8,086,485千円となりました。
(売上総利益)
当連結会計年度の売上原価は、商品売上の増加に伴う仕入増加により、前連結会計年度比29.6%増の6,017,775千円となりました。この結果、売上総利益は前連結会計年度比15.2%増の2,068,709千円となりました。
当連結会計年度の売上総利益率については、前連結会計年度より2.3ポイント減少し25.6%となりました。これは、商品売上の増加に伴う仕入増加及び販売時の値引き等により、原価率の高い案件が増加したことによるものであります。
(販売費および一般管理費、営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、事業拡大に伴う研究開発費等の増加により、前連結会計年度比13.9%増の2,068,709千円となりました。この結果、営業利益は前連結会計年度比16.5%増の1,002,606千円となりました。
(経常利益)
当連結会計年度の営業外損益は、物件取得に伴う借入によって生じる支払利息の増加により、前連結会計年度比20.2%増の33,520千円の損失となりました。この結果、経常利益は前連結会計年度比16.4%増の969,085千円となりました。
(特別損益)
当連結会計年度の特別損益は、生命保険の解約による保険解約返戻金の減少により、前連結会計年度比5.5%減の55,658千円となりました。
(税金等調整前当期純利益)
当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度比14.9%増の1,024,744千円となりました。
(法人税等)
当連結会計年度の法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計は、前連結会計年度比9.2%増の349,516千円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比18.1%増の675,228千円となりました。
3) キャッシュ・フローの分析
「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
b.資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資金需要は、営業活動に関しては、仕入のための費用と人件費等の一般管理費が主な内容となっており、投資活動に関しては、事業用設備の取得が主な内容となっております。
当社グループは、運転資金、投資資金についてまず営業キャッシュ・フローで獲得した資金を投入し、不足分について銀行借入による資金の調達を実施しております。
c.経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当連結会計年度のグループ社員1人あたりの売上高は、取扱物件増加及びITの活用による効率的なマッチングにより、前連結会計年度比20.0%増の175,793千円となっており、効率的な営業活動が実施できていると考えております。
当連結会計年度のグループ社員1人あたりの営業利益は、ITの活用により販売費を必要最低限に抑えたことで、前連結会計年度比11.4%増の21,795千円となっており、効率的な営業活動が実施できていると考えております。
当連結会計年度の土地成約案件に占める建物請負紹介成約比率は、会社規模拡大にあたり新人比率が増加したことにより、前連結会計年度比2.1ポイント減の27.1%となっておりますが、比率としては依然として高い水準を確保できているため、効率的に請負紹介が成立していると考えております。
当社において保有する累計顧客データ数は、前連結会計年度末時点で7,800件、当連結会計年度末時点で約12,800件となっており、順調に増加しております。今後も、現在の成長率を保ちつつ、より整理された顧客情報の管理を徹底することで、より効率的な営業活動を展開できると考えております。
該当事項はありません。
当社グループは、主にITプラットフォーム「sumuzu」の研究開発を実施しています。
「不動産を通じて喜び感動を。」という経営理念のもと、顧客にインターネット上で透明性の高い情報を提供し、
快適でスムーズな不動産取引を行っていただくため、より高い技術の実現を目指して日々研究開発に取り組んでい
ます。
なお、当社グループの研究開発費は、sumuzu事業セグメントでのシステム開発に関するものとなっております。
①(研究開発活動の目的)
お客様にインターネットを通じて透明性の高い不動産情報提供、ならびにITを活用してオーダーメイド住宅
の土地探し~住宅完成までをワンストップ提供するプラットフォーム提供、不動産のストックビジネス化に向
けて中長期的なロードマップを策定していくことを目標に、不動産テックに関わる最新技術の調査・研究、シ
ステム開発およびサービス化による事業化検討を目的としています。
②(研究成果)
当連結会計年度における研究開発活動の主な成果は以下のとおりです。
・sumuzu Matchingの開発
ネットコンペでオーダーメイド住宅をマッチングするサービス「sumuzu Matching」を2019年10月に開始してお
り土地購入検討者の住宅希望条件と、その希望条件に興味を持ったsumuzu認定の住宅専門家がネット上でコンペ
に参加して、建築プランを提案するシステムで、さらなる機能追加を行い、オーダーメイド住宅の普及促進を目
指します。
・sumuzu 相場ウォッチャーの開発
ビジュアライズされた相場データを提供するサービス「sumuzu相場ウォッチャー」の機能追加を2019年11月に
実施しました。土地を条件から探すという概念ではなく、ビジュアライズされた相場データから土地を探すサー
ビスで、時系列の坪単価推移データ、期間・エリア別に坪単価が比較検討できる機能を提供しました。
・価格査定エンジンのPOC(概念実証)
AI(人工知能)を活用して土地の価格査定、推定を行うPOC(概念実証)を実施しています。土地情報データセ
ットの定義、学習・検証データ準備のためのツール開発、アノテーションの実施を行い、回帰モデルの実装と検
証を行いました。精度向上に向けたPOCを行い、インターネットで土地の価格推定が行えるサービスの提供を目指
しています。
以上により、当連結会計年度における研究開発費は34,883千円となりました。