下記の文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
当社は、「チャレンジを生み出し、世の中を面白くする」をビジョンに掲げ、「世界中のあらゆるスペースをシェアできるプラットフォームを創る」をミッションとしております。
今後の中長期的な方向性としては、以下のとおりです。その結果として、新たなスペース利用の可能性を創造し、スペースのシェアリングエコノミー(以下、「スペースシェアリング」とする)のモデルを確立・拡充していきます。
当社は、スペースシェアリングの先行者の強みである、業界有数の掲載数と蓄積してきたノウハウの2つを最大限生かし、さらなるプラットフォームの成長を推進します。
特にホストに対してアプローチを強化し、「スペースマーケット」でなければならない付加価値を提供し、ファンになってもらうことで、競合が現れても使い続けてもらえるプラットフォームへと成長させていきます。
周辺ソリューションの提供を通じたスペースのバリュー拡充
当社は、プラットフォーム運営のほか、スペースのプロデュース、スペースの利用に紐づく付加サービスの提供、IoTの導入、内装工事サービスとの連携などといった付加価値を提供していきます。
また、今後は料飲・デリバリーをはじめとしたその他の付加サービスの提供も検討しております。
この付加価値の領域とスペースの利用用途を広げ、それぞれを有機的に組み合わせることによって新しい取り組みに挑戦し、さらなる価値を提供していきます。
① 当社の収益構造
当社の売上高は、プラットフォームサービスに関する売上高と法人向けソリューションサービスに関する売上高により構成されております。プラットフォームサービスに関する売上高は、GMVの内ホスト手数料とゲスト手数料の合計であり、GMVは利用スペース数×利用スペースあたりのGMVにより算出されます。
② 重要視する指標
当社は、プラットフォームとしての価値を計る指標としてGMVを重視した経営を行っております。また、GMVの構成要素である利用スペース数、利用スペースあたりのGMVのうち、利用スペース数の拡大に軸足を置いております。
③ 当社のプラットフォームの特徴
当社のプラットフォームの特徴として、ホストにより貸し出されるスペース数が蓄積する事により、ゲストの利用が増加し、ゲストの利用が増加する事で、集客力の高まったプラットフォームに更に新規のホストが登録し、貸し出されるスペース数が更に蓄積するというネットワーク外部性が働き、継続したスペースの利用が為される構造を有しております。当社は、今後も利用スペース数の継続的な拡大を目指したいと考えており、中期的に1年間で利用スペース数を約8万とする事を目指しております。
当社はネットワーク外部性を有するプラットフォームならではの事業成長サイクルを構築し、一定の開発・運営リソースでレバレッジの効いた収益獲得構造の構築を図る方針です。
当社は、ネットワーク外部性が働く事により利用スペース数が拡大し、GMVが拡大し、売上高が拡大する事業構造を有しております。また、売上高の拡大と共に広告効率・オペレーション効率が向上し、営業利益率が継続的に改善する収益構造を有しております。
上記における将来に関する事項は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績等は「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載の要因及びその他の要因により大きく異なる可能性があります。
当社の事業に関連する国内シェアリングエコノミーサービス市場規模(資産・サービス提供者と利用者の間の取引金額ベース)は、2018年度は1兆8,874億円と推計されており、現状のペースで成長した場合は2030年度に5兆7,589億円に、成長に向けた課題が解決した場合には2030年度に2018年度の約6倍の11兆1,275億円に達すると予測されています。(注1)
また、「シェアリングエコノミー」という言葉の認知の割合は26.9%まで上昇し、年々、シェアリングエコノミーの認知が拡大している状況となっています。特に、シェアリングエコノミーのいずれかのサービスを知っている人の割合は47.5%まで上昇し、そのうち、当社の事業領域である「場所・空間」のサービスを知っている人の割合は64.1%となり、シェアリングエコノミーの領域で「場所・空間」のサービスの認知度が着実に上昇している状況です。(注2)
近年、これまでの過剰生産、過剰消費が見直され、人々の消費スタイルは所有から共有へと変わってきたと当社では考えております。また、テクノロジーの進歩によって、シェアリングの取引(例えば、物のシェアリングとしてフリマアプリ、労働力のシェアリングとしてクラウドソーシング、移動のシェアリングとしてカーシェア等)が手軽かつ安全に実現できるようになってきたと当社では考えております。これらを背景に、上記のとおり、世の中はシェアリングエコノミーの時代へと突入したと当社では考えており、当社は「場所のシェアリング」の代表的な事業者となる事を目指して事業を展開してまいりました。海外にも類似サービスが複数存在しており、グローバルで時間貸しスペースの需要が確認できます。当社は日本で事業モデルを確立した後、海外展開も視野に入れております。
また、世の中の変化(シェアリングエコノミーの概念、多様性が認められる社会への変化等)により、ある程度決められた形式の中から選ぶのが一般的であった住まい方、働き方、余暇の過ごし方等について、多様性への対応が求められる時代になったと当社では考えております。当社は時間単位でスペースの貸し借りを出来るようにする事で、世の中の多様性に対応可能な選択肢を提供してまいります。
(注1)一般社団法人シェアリングエコノミー協会と株式会社情報通信総合研究所による共同調査より
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000032.000022734.html
(注2)2019年7月「国内シェアリングエコノミーに関する意識調査2019」(PwCコンサルティング合同会社)
① シェアによって利用されるスペースの増加
当社はこれまで、様々な用途で快適に利用ができる良質なスペースが増加することで、事業の成長を実現してまいりました。
スペース領域におけるシェアリングエコノミーは依然として成長の途上と認識しており、今後も継続して、当社プラットフォームで利用される良質なスペースを増加させることに取り組んでまいります。
② 継続したサービスの改善・運営の効率化
当社は、シェアリングエコノミーという比較的新しい領域でサービスの提供を行っております。このため、利用者にとっての利便性を高めるため、継続したサービスの改善に努め、また、効率的な運営体制・オペレーションの構築に取り組んでまいります。
③ 様々な事業者との協働によるスペースシェアの普及
当社は、場所に対してシェアという新しい考え方を提起し、これまでサービス提供を行ってまいりました。これまでに多くの方々にサービスを利用いただいておりますが、スペースのシェアをより価値のあるものとして提供し、スペースシェアをさらに多くの人に利用いただくため、また、社会に対して価値を提供し、課題を解決すべく、不動産事業者様やスペースシェアの領域においてソリューションを提供する様々な事業者様と協働し、スペースシェアの価値向上と普及に取り組んでまいります。
④ システムの安定性・サービスの安全性・健全性強化
当社は、インターネットを介したサービスを展開していることから、サービス提供に係るシステム稼働の安定性を確保することが経営上重要な課題であると認識しております。そのため、突発的なアクセス増加にも耐えられるようなサーバー設備の強化や、そのための人員確保、教育・研修などを継続的に行ってまいります。当社はサービスの安全性・健全性強化の一環として、内閣官房IT総合戦略室が主宰したシェアリングエコノミー検討会議が策定した「シェアリングエコノミー・モデルガイドライン」に準拠した、(一社)シェアリングエコノミー協会による「シェアリングエコノミー認証制度」に賛同し、第1号認証を受けております。
⑤ テクノロジーを最大限に活用したサービスの成長
当社は、テクノロジーを最大限に活用し、サービス運営の効率化、データの蓄積・分析、AI・ディープラーニング等の新しい技術の活用、という観点を中心にサービスの成長に取り組んでまいります。
⑥ 情報管理体制の強化
当社は、ゲスト・ホストの個人情報を多く預かっており、その情報管理を強化していくことが重要であると考えております。現在、個人情報保護方針及び社内規程に基づき管理を徹底しておりますが、2019年9月にはISMS認証を取得し、今後も、社内教育・研修の実施やシステムの整備等を継続して行ってまいります。
⑦ 組織体制の強化と内部統制及びコンプライアンス体制の強化
当社は、今後更なる事業拡大を推進するに当たって、従業員のモチベーションを引き出す目標管理制度や福利厚生等の人事制度構築に努めながら、業務遂行能力、人格、当社の企業文化及び経営方針への共感を兼ね備え、様々な分野で活躍出来る優秀な人材の採用に取り組んでまいります。組織設計においては少人数単位でのチーム制を採用すると同時に、チーム毎の自律性を促すよう権限の委譲を推し進めることで意思決定の質とスピードを維持するなど、従業員のパフォーマンスを最大化させる取り組みを引き続き継続していく方針であります。
当社は、持続的企業価値向上と透明性の高い健全な経営を実現することを経営の最重要課題の一つとして位置づけ、内部統制及びコンプライアンスの強化に取り組んでまいります。関係法令・規則の遵守、役職員一人ひとりの高い倫理観の醸成、社会的良識を持った責任ある行動を目指し、社内教育を行ってまいります。また、代表取締役を委員長とする「コンプライアンス委員会」を設置して、コンプライアンス上の重要な問題を審議し、対応策を検討する体制を採っており、これを適切に運用することによりコンプライアンスの徹底と社会的信用の向上を図っていく方針であります。
営業キャッシュ・フローについては、過年度から継続的にマイナスとなっておりますが、第5期事業年度が278,964千円のマイナスであったのに対し、第6期事業年度は75,042千円のマイナスとなっており、キャッシュ・フローの定常的な創出能力について改善は進んでおります。
当社はプラットフォームとしての価値を計る指標としてGMVを重視した経営を行っておりますが、引き続き、中期経営計画においてGMVの構成要素である利用スペース数等の継続的な増加を図る事により、キャッシュ・フローを定常的に創出できる体制の構築を目指す方針です。
以下において、当社の事業展開その他に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも、そのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資家の判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。当社は、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営環境」に記載のとおり、当社では、今後もシェアリングエコノミーサービス市場におけるスペースシェア市場の堅調な成長を見込んでおりますが、予測通りに市場が拡大しなかった場合には、中期経営計画を達成できない可能性や、当社の事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
現在、スペースシェアリングをターゲットとした事業を展開する競合企業が複数存在しており、また、今後の市場規模拡大に伴い新規参入もあり得ると考えております。当社は幅広い顧客ニーズに対応できる掲載スペースのラインナップの拡充を進めるとともに、積極的なマーケティング活動やカスタマーサポートの充実に取り組んでおり、市場における優位性を構築し、競争力を向上させてまいりました。今後も顧客目線に立ってサービスをより充実させていくと同時に、知名度向上に向けた取り組みを積極的に行ってまいりますが、他に優れたビジネスモデルや競争力のある条件でサービスを提供する競合会社が現れた場合等には、既存事業者や新規参入事業者を含めた競争の激化により、当社の財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社が運営する「スペースマーケット」では、旅館業法に基づく許可を取得している旅館やホテルを仲介する「宿泊」カテゴリーを2016年から開始しております。そのため、当社は旅行業法の第三種国内旅行業登録を受けており、同法を遵守して業務を行なっております。なお、現状において取消事由となるような事象は発生しておりません。
当社は、各種法規制遵守のため、法規制の改正動向等を踏まえ、適切に対応しておりますが、かかる動向を全て事前に正確に予測することは不可能又は著しく困難な場合もあり、当社がこれに適時かつ適切に対応できない場合には、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社が、法規制等に抵触しているとして何らかの行政処分を受けた場合、及び新たな法規制の適用又は規制当局の対応の重要な変更等により、当社が展開する「スペースマーケット」の運営に何らかの制約が生じた場合には、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社のサービスは技術革新のスピードが早く、先端のニーズに合致させたシステム・ソリューションの構築を行うためには、常に先進の技術・ノウハウを把握し、取り入れていく必要があります。
このため、当社は、エンジニアの採用・育成や創造的な職場環境の整備、技術、知見、ノウハウの取得に注力するとともに、開発環境の整備等を進めております。しかしながら、かかる知見やノウハウの獲得に困難が生じた場合、また技術革新に対する当社の対応が遅れた場合には、当社の競争力が低下する可能性があります。更に、新技術への対応のために追加的なシステム、人件費などの支出が拡大する可能性があります。このような場合には、当社の技術力低下、それに伴うサービスの質の低下、そして競争力の低下を招き、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社が展開するサービスは、取引の場であるマーケットプレイスを提供することをその基本的性質としております。このため当社では、マーケットプレイスの健全性確保のため、サービス内における禁止事項を利用規約に明記することにより、法令や公序良俗に反する行為の排除に努めております。また、監視・通報制度の強化により、問題発見及び対処の一層の迅速化を進める予定であります。
しかしながら、当社のサービスにおいて、公序良俗に違反するようなスペースの利用がされた場合や、第三者の知的財産権を侵害する行為、詐欺その他の法令違反行為等が行われた場合には、当社又は当社が提供するサービスに対する信頼性が低下し、ユーザ離れにつながる可能性があります。更に、問題となる行為を行った当事者だけでなく、当社もプラットフォームを提供する者としての責任を問われた場合、当社の企業イメージ、信頼性の毀損、ひいては当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社の業績は、パーティーやイベント用途での貸しスペース利用需要が増えることに伴う季節変動があり、クリスマス、忘年会等での利用が増加する第4四半期(10月~12月)の売上が他の四半期に比べて高くなる傾向があります。
当社では、主に法人による会議室利用の促進等により売上の平準化を図っておりますが、上記需要を取り込めなかった場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、当社サービスの認知度向上による新規顧客獲得や、法人顧客獲得やアライアンス拡充による顧客基盤拡大、および提供サービスの価値向上のためのさらなるスペース開拓等の施策を行なっておりますが、これらの施策が想定通りに奏功しなかった場合には、中期経営計画を達成できない可能性や、当社の財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
ホストもしくはゲストによる違法行為やトラブル、第三者の権利侵害があった場合等には、当社はホストもしくはゲストその他の第三者に対して賠償責任を負わない旨を利用規約等で定めているものの、当社に対してホストもしくはゲストその他の第三者から訴訟その他の請求を提起される可能性があります。
一方、当社が第三者に何らかの権利を侵害され、又は損害を被った場合には、訴訟等による当社の権利保護のために多大な費用を要する可能性もあります。
このような場合には、その訴訟等の内容又は請求額によっては、当社の事業及び業績並びに企業としての社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、運営するコンテンツ及びサービスに関する知的財産権の獲得に努めております。また、第三者の知的財産権の侵害を防ぐ体制として、当社のコーポレート部及び顧問弁護士への委託等による事前調査を行っております。
しかしながら、万が一、当社が第三者の知的財産権を侵害した場合には、当該第三者から損害賠償請求や使用差止請求等の訴えを起こされる可能性があり、これらに対する対価の支払い等が発生する可能性があります。また、当社が保有する知的財産権について、第三者により侵害される可能性があるほか、当社が保有する権利の権利化が出来ない場合もあります。こうした場合、当社の事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社は、今後急速な成長が見込まれる事業の展開や企業規模の拡大に伴い、継続的に幅広く優秀な人材を採用し続けることが必須であると認識しております。質の高いサービスの安定稼働や競争力の向上に当たっては、開発部門を中心に極めて高度な技術力・企画力を有する人材が要求されていることから、一定以上の水準を満たす優秀な人材を継続的に採用すると共に、既存の人材の更なる育成・維持に積極的に努めていく必要性を強く認識しております。
しかしながら、当社の採用基準を満たす優秀な人材の確保や人材育成が計画通りに進まなかった場合には、当社の事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、企業価値を継続的かつ安定的に高めていくためには、コーポレート・ガバナンスが有効に機能するとともに、適切な内部管理体制の整備が必要不可欠であると認識しております。業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保のための内部統制システムの適切な整備・運用、更に法令・定款・社内規程等の遵守を徹底しておりますが、事業の急速な拡大により、十分な内部管理体制の整備が追いつかない状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社の事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社の代表取締役社長である重松大輔は、創業者であると同時に、創業以来当社の経営方針や事業戦略の決定及びその遂行において重要な役割を果たしております。当社では、取締役会やその他会議体において役員及び社員への情報共有や権限委譲を進めるなど組織体制の強化を図りながら、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めております。
しかしながら、何らかの理由により同氏が当社の経営執行を継続することが困難になった場合には、当社の事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 個人情報の保護について
当社は、ゲスト・ホストの個人情報を保有しており、「個人情報の保護に関する法律」の適用を受けております。これらの個人情報については、「プライバシーポリシー」及び「個人情報保護規程」を定めており、社内教育の徹底と管理体制の構築を行っております。しかしながら、何らかの理由でこれらの個人情報が外部に流出し、悪用されるといった事態が発生した場合には、当社の財政状態及び経営成績並びに企業としての社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、2014年1月に設立されており、設立後の経過期間は6年程度の社歴の浅い会社であります。当社が事業を展開するシェアリングエコノミー業界を取り巻く環境はスピードが速く流動的であるため、当社における経営計画の策定には不確定事象が含まれざるを得ない状況にあります。また、過年度の業績については当期純損失を計上していることや、急速な成長過程にあることも考慮すると、過年度の経営成績は期間業績比較を行うための十分な材料とはならず、過年度の業績のみでは今後の業績を判断する情報としては不十分な可能性があります。
また、GMVその他の指標については、当社内において合理的と考える方法により算定したものであり、他社との比較可能性が必ずしもあるとは限らないことに加え、上記のような事情から過去の数値が今後の動向を判断する材料としては不十分な可能性があります。
当社が運営する「スペースマーケット」は、利用スペース数等の継続的な増加によりGMV及び売上高が増加している一方で、事業拡大に伴い人件費等の経費も増加している事、認知度向上等を目指したマーケティング投資や新規顧客の開拓・深耕等を積極的に進めて来た事により、第5期事業年度までの各期の経営成績は営業損益以下の各段階損益において赤字となっておりましたが、第6期事業年度において、損益分岐点に到達し、営業損益以下の各段階損益が黒字化しました。
一方、営業キャッシュ・フローについては、第5期事業年度が278,964千円のマイナスであったのに対し、第6期事業年度は75,042千円のマイナスとなっており、キャッシュ・フローの定常的な創出能力について改善は進んでいるものの、未だマイナスの状況が継続しております。
当社はプラットフォームとしての価値を計る指標としてGMVを重視した経営を行っておりますが、引き続き、中期経営計画においてGMVの構成要素である利用スペース数等の継続的な増加を図る事により、キャッシュ・フローを定常的に創出できる体制の構築を目指す方針です。
なお、想定どおりのマーケティングPR等活動の効果が得られない場合には、計画通りに事業が伸長しない可能性や中期経営計画を達成できない可能性があり、当社の事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社の事業は、すべてインターネットを介して行われており、そのサービス基盤はインターネットに接続するための通信ネットワークに依存をしております。安定的なサービス運営を行うために、サーバー設備等の強化や社内体制の構築を行っておりますが、アクセスの急激な増加等による負荷の拡大、地震等の自然災害や事故等により予期せぬトラブルが発生し、大規模なシステム障害が起こった場合には、当社の財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
地震等の自然災害、新型インフルエンザ等の感染症及びテロ等の人災が発生した場合、当社の開発・運用業務の停止、設備の損壊や電力供給の制限等により当社サービス提供に支障が生じる可能性のほか、被災に伴う掲載スペースの減少及びスペース利用需要の縮小に伴い、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社が今後も高い成長率を持続していくためには、当社サービスの認知度を向上させ、新規顧客を獲得することが必要不可欠であると考えております。当社はSEOやSNS・リファラル施策を始めとしたマーケティング施策により継続してサイトの認知度向上に取り組んでおりますが、今後、検索エンジンの運営者が検索結果を表示するロジックを変更するなどして、それまで有効であったSEO対策が機能しなくなった場合には、当社における集客力が低下し、当社の財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 第三者への依存について
当社はユーザにスマートフォン向けアプリを提供していることから、Apple Inc.及びGoogle Inc.が運営するプラットフォームを通じてアプリを提供することが、現段階の当社の事業にとって重要な前提条件となっております。また、当社は、ユーザの決済手段として、クレジットカード決済、後払い決済等の外部の事業者が提供するサービスを導入しております。したがって、これらの事業者の動向、事業戦略及び当社との関係等により、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
株式上場時の公募増資による調達資金の使途については、プラットフォームサービスに係る無形固定資産の取得等に充当する予定であります。
しかしながら、経営環境の急激な変化等により、上記の資金使途へ予定どおり資金を投入したとしても、想定どおりの投資効果を上げられない可能性があります。また、市場環境の変化が激しく、計画の変更を迫られ調達資金を上記以外の目的で使用する可能性がありますが、その場合は速やかに資金使途の変更について開示を行う予定であります。
当社は、当社の役員及び従業員に対するインセンティブを目的とし、新株予約権を付与しております。また、今後においても新株予約権を活用したインセンティブプランを活用していく方針であります。これらの新株予約権が権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。なお、本書提出日時点でこれらの新株予約権による潜在株式数は1,032,600株であり、潜在株式込みの発行済株式総数12,246,400株の8.4%に相当しております。
当社は株主還元を適切に行っていくことが重要であると認識しており、剰余金の配当については、内部留保とのバランスを考慮して適切な配当の実施をしていくことを基本方針としております。しかしながら、本書提出日現在では事業も成長段階にあることから内部留保が重要であると考え、配当を行っておらず、今後の配当実施可能性及び実施時期については未定であります。
2019年12月期末には、当社に税務上の繰越欠損金が存在しております。当社の経営成績が順調に推移することにより、繰越欠損金が解消した場合には、通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税が計上されることになり、当期純損益及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。
当事業年度末における当社の発行済株式総数は11,213,800株であり、このうち2,473,500株(議決権比率ベースで所有割合22.1%)をベンチャーキャピタル及びベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合(以下、「ベンチャーキャピタル等」という。)が所有しております。今後、当社株式の株価推移によっては、ベンチャーキャピタル等が所有する株式の全部又は一部を売却する可能性が考えられ、その場合、株式市場における当社株式の需給バランスが短期的に悪化し、当社株式の株価形成に影響を及ぼす可能性があります。
下記の文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当事業年度のわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善、個人消費の持ち直しなどを背景として緩やかに回復してまいりましたが、2019年10月の消費税引き上げ、米中貿易摩擦や香港民主化のデモンストレーションをはじめとする海外の政治情勢の影響、新型コロナウィルスの拡大による世界経済への影響等により、景気の先行きについては依然として不透明な状況が続いております。
当社の事業領域であるシェアリングエコノミー領域においては、当社が代表理事を務める一般社団法人シェアリングエコノミー協会と株式会社情報通信総合研究所が共同で発表した調査(※1)において、2018年度のシェアリングエコノミー経済規模が過去最高となる1兆8,874億円を超えたことや、2030年度には11兆1,275億円と約6倍の予測になることが分かりました。また、PwCコンサルティング合同会社が公表した「国内シェアリングエコノミーに関する意識調査2019」(※2)では、「シェアリングエコノミー」という言葉の認知の割合が26.9%まで上昇し、年々、シェアリングエコノミーの認知が拡大している状況となっています。特に、シェアリングエコノミーのいずれかのサービスを知っている人の割合は47.5%まで上昇し、そのうち、当社の事業領域である「場所・空間」のサービスを知っている人の割合は64.1%となり、シェアリングエコノミーの領域で「場所・空間」のサービスの認知度が着実に上昇している状況です。
※1 2019年4月9日「シェアリングエコノミー市場調査2018年版」
※2 2019年7月「国内シェアリングエコノミーに関する意識調査2019」
このような状況の中で、当社事業においては、継続したプロダクト改善、積極的なマーケティング活動等を行い、大幅な増収・増益を達成しました。
サービスについては、①UI(ユーザインターフェース)・UX(ユーザエクスペリエンス)を意識したプラットフォームの改善、②イベント管理・集金決済を一気通貫で行うことを可能とした新サービス「スペースマーケットEVENT」のリリース、③スペースシェアの周辺事業者との連携強化を目的とした「スペースマーケット・パートナーズ」の取り組みの発表など、数多くの機能改善やスペースシェアの市場活性化等を行いました。
また、(一社)シェアリングエコノミー協会の活動を通じて、市場全体の活性化にも取り組み、4回目となったシェアリングエコノミーのカンファレンス「SHARE SUMMIT 2019」では、過去4回のうち、最高動員及び最高協賛企業数を記録しました。また、同協会への大手企業の入会も続き、同協会の会員数が300社を突破いたしました。
さらに、「インドア花見」、「プライベートビューイング」をはじめとした宣伝広告活動を行い、新しい文化・体験の創出に注力したほか、効率的なデジタルマーケティング活動を行い、GMV(プラットフォーム利用金額の総額)の継続的な成長を達成し、大きな成果を収めることができました。
加えて、2019年12月20日には、東京証券取引所マザーズ市場に上場いたしました。
以上の結果、当事業年度における売上高は873,897千円(前事業年度比51.1%増)、営業利益は43,941千円(前事業年度は営業損失268,659千円)、経常利益は32,023千円(前事業年度は経常損失271,923千円)、当期純利益は45,823千円(前事業年度は当期純損失274,213千円)となりました。
②財政状態の状況
(流動資産)
当事業年度末における流動資産は1,385,296千円となり、前事業年度末に比べ315,046千円増加いたしました。これはサービスの伸長による決済ボリューム増加に伴う売掛金及び未収入金残高が増加したことを主要因としております。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産は33,651千円となり、前事業年度末に比べ20,447千円増加いたしました。これは繰延税金資産の増加を主要因としております。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債は493,208千円となり、前事業年度末に比べ9,418千円増加いたしました。これは事業規模拡大に伴うホストへの債務、未払消費税及び預り金の増加の影響が借入金の返済額を上回ったことを主要因としております。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債は45,825千円となり、前事業年度末に比べ2,004千円減少いたしました。これは借入金の返済が進み長期借入金が減少したことを主要因としております。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は879,914千円となり、前事業年度末に比べ328,079千円増加いたしました。これは株式公開に伴う公募増資及び当期純利益を稼得したことを主要因としております。
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前事業年度末に比べ54,629千円増加し、当事業年度末には815,947千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動の結果使用した資金は、75,042千円(前事業年度は278,964千円の使用)となりました。これは税引前当期純利益が32,023千円だった一方、サービスの伸長に伴い未収入金が220,220千円増加したことを主要因としております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動の結果使用した資金は、2,472千円(前事業年度は7,295千円の使用)となりました。これは有形固定資産の取得による支出2,108千円を主要因としております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動の結果得られた資金は、132,144千円(前事業年度は896,644千円の収入)となりました。これは株式の発行による収入279,148千円と短期借入金の返済による支出145,000千円を主要因としております。
当社で行う事業は、提供するサービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
当社で行う事業は、提供するサービスの性質上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
当事業年度の販売実績は次のとおりであります。なお、当社はスペースマーケット事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がいないため、記載を省略しております。
3.当社は単一セグメントであるため、サービスごとに記載しております。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を合理的に勘案し判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表の作成にあたって採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況」に記載しております。
(売上高)
売上高は前事業年度比51.1%増の873,897千円(前事業年度は578,247千円)となりました。これは順調な市場及び顧客層の拡大により、当社サービス「スペースマーケット」に係る売上高が増加したことを主要因としております。
(売上原価、売上総利益)
売上原価は前事業年度比9.3%増の253,860千円(前事業年度は232,372千円)となりました。これは開発人員の増加等に伴う人件費の増加及び売上高の増加に伴うサーバーに係る費用の増加を主要因としております。以上の結果、売上総利益は前事業年度比79.3%増の620,036千円(前事業年度は345,875千円)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業損益)
販売費及び一般管理費は前事業年度比6.3%減の576,095千円(前事業年度は614,534千円)となりました。これは広告宣伝費の減少を主要因としております。以上の結果、営業利益は43,941千円(前事業年度は営業損失268,659千円)となりました。
(経常損益)
営業外収益は主に受取利息の計上により10千円、営業外費用は主に株式交付費及び上場関連費用の計上により11,928千円となりました。以上の結果、経常利益は32,023千円(前事業年度は経常損失271,923千円)となりました。
(当期純損益)
当期純利益は、当期より繰延税金資産を計上したことに伴い法人税等調整額を計上しております。
この結果、当期純利益は45,823千円(前事業年度は当期純損失274,213千円)となりました。
③ 財政状態の分析
当事業年度における財政状態の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」をご参照ください。
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社は常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制の強化、優秀な人材の確保、市場のニーズにあったサービスの展開等により、当社の経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。
当社の運転資金需要のうち主なものには、人件費、支払手数料、広告宣伝費等があります。運転資金は、主として内部資金により調達しております。
当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は815,947千円であり、当社の事業を推進していく上で十分な流動性を確保していると考えております。
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社はプラットフォームとしての価値を計る指標としてGMVを重視した経営を行っており、GMVをさらに因数分解し、利用スペース数、利用スペースあたりのGMV等の客観的な指標を重要な経営指標と位置付けております。当事業年度においては、「スペースマーケット」のプラットフォーム上の利用スペース数が年間累計で35.2千スペースに達し、第6期事業年度の利用スペース数も継続して増加した結果、売上高も堅調に推移したことから、目標の達成状況に関して一定の評価をしておりますが、今後も株主価値向上のための経営施策を実施してまいります。
重視する指標の推移
(注)1.GMVには消費税等は含まれておりません。
2.利用スペース数、利用スペースあたりのGMVは小数第2位を切り捨てしております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。