当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社経営の基本方針
当社グループは、地域のお客様に一番便利だと感じて頂けるよう、お客様のご要望に「なんでも」応えたいという理念のもと、株式会社カクヤスを中核会社として事業を展開しております。
(2)目標とする経営指標
当社では、連結売上高及び連結経常利益を当社グループの成長を示す最重要指標と考えております。また、連結営業キャッシュ・フローの最大化を常に念頭に置いた経営にも注力しております。
(3)中長期的な会社の経営戦略
① 飲食店向け市場のさらなる浸透
コロナ禍からの回復により経済の正常化が進展する中、酒類需要を徹底的に取り込むことで、主要商圏における市場浸透を図るとともに、飲食店様向けの販促サイトの充実や、サービス・提案・商材のさらなる拡充を進めてまいります。
② 家庭向け販売の充実
コロナ禍を契機に、より高まっているデリバリーニーズに対し、ラストワンマイルの配達網を自社で構築している当社グループのお届けモデルの優位性を発揮するとともに、酒類以外の取り組みを更に強化することで家庭向け販売のさらなる充実を図ってまいります。
③ 人財育成と人財確保
業容拡大や全国展開を見据え次世代幹部候補となりうる人財を育成・プールしていくことでグループ経営を安定的に持続促進してまいります。また、各々のライフステージにあった働き方が出来るように多様な人財が能力を発揮できる職場環境を整えるとともに、社会の変化に合わせ、多様な人財を惹きつけられるような魅力のある労働環境を整備してまいります。
④ サステナビリティの取り組みの強化
目まぐるしく変化する社会環境の中で当社グループが持続的に成長していくためには、サステナビリティ課題への対応は経営の重点課題の1つと捉えております。サステナビリティ課題へ適切に対処するとともに、社会とのつながりを強め、様々な社会課題を解決することで、社会と共に成長を続け、持続的な企業価値の向上を目指してまいります。
⑤ 財務戦略
安全性・収益性及び株式流動性の向上の視点から目指すべき資本効率等の財務指標を設定し、経営目標を達成するための資金調達や運用を行ってまいります。
(4)経営環境
国内酒類市場は、人口減少及び高齢化、若者の酒離れや健康志向による飲酒習慣の変化等により、長期的には縮小傾向にあると考えられますが、当社グループを取り巻く環境は社会・経済活動が正常化し、市場は着実に回復しております。
競争環境については、飲食店向け市場では、人流の活性化により需要が高まる中、当社グループは得意先をサポートする営業力や利便性の高い配達能力を堅持しております。家庭向け市場では、自社構築している配達網を活かした独自のお届けサービスを展開しております。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループを取り巻く環境は、社会・経済活動が正常化し着実に回復しております。その中で当社グループが対処すべき課題は以下のとおりです。
① 飲食店向け販売の強化
個人飲食店を中心として営業活動を強化するとともに酒類に限らない商品の販売を強化することで、利益率の向上にも努めてまいります。
② 家庭向け販売の強化
宅配の強化を目的とした配達効率の向上、酒類以外の取り扱い強化に加え、なんでも酒やカクヤス公式アプリ及びECサイトの改修でお客様の利便性を改善することにより購入転換率を上昇させ、事業モデルの価値を高めてまいります。
③ 事業運営の効率化
出店を含めた拠点再編による配達網の最適化と、リヤカーや台車を含む配達手段の拡充で効率的な人員及びシステムの活用により事業運営の効率化を図ってまいります。
④ 財務基盤の強化
今後の事業拡大のための投資資金を確保するため、機動的で確実性の高い資金調達方法の検討を行い、安定的・持続的成長を可能にする強固な財務基盤を構築してまいります。
⑤ 人員確保と人財育成の強化
当社グループの強みである自社配達網を維持するためには、人員の確保及び育成は重要な課題と認識しております。当社グループで人財の獲得に向けて各種採用活動を進めるとともに、ワークライフバランスや業務に必要な基礎的な知識や能力、またコンプライアンス等の教育を重視し、積極的な人員確保と育成を進めてまいります。
⑥ グループ間連携強化と企業価値の向上
当社グループを統括する当社と事業会社である各子会社との役割と責任を明確化することで、経営の機動性を向上させ、効果的な経営資源の調達及び配分を行い当社グループの企業価値の向上を図ってまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティの基本方針と取組み
当社グループは持続可能な社会の実現に向け、地球環境や社会を取り巻く課題の解決を目指しており、2023年にサステナビリティ基本方針の策定及びマテリアリティの特定を行いました。
<サステナビリティ基本方針>
カクヤスグループは、「お客様のご要望に『なんでも』応えたい」という想いの実現に向け、ステークホルダーとの協働・共栄を通して、「持続可能な社会の実現」と「グループの成長」の両立を目指してまいります。
<マテリアリティ(重点課題)>
① 環境
② 酒・飲食文化と社会問題
③ コミュニティ
④ サプライチェーンマネジメント
⑤ 人財
⑥ ガバナンス
また、当社グループは、全社的な視点からサステナビリティに関わる方針、活動、施策を定め推進するための機関として2023年4月にグループサステナビリティ委員会を設置しました。グループサステナビリティ委員会は、代表取締役社長を委員長とし、当社及びグループ各社の取締役及び執行役員がそのメンバーとなっており、当社グループの社外取締役もオブザーバーとして参加しております。その上で、グループサステナビリティ委員会は、取締役会に定期的に報告する形を取っております。
更にグループサステナビリティ委員会の配下に「環境」「社会」「人財」の3つの分科会を設置し、分科会は関連部門と連携し各マテリアリティについての具体的な施策の推進を行う体制としております。
グループサステナビリティ委員会は、各分科会から取組みについての報告を受け、テーマ毎の目標の承認と必要な助言を行っております。また、サステナビリティに関するリスクと機会の分析を行い、リスク状況を網羅的に把握し、対応策のモニタリングを継続的に実施してまいります。影響度の高いリスク項目については、当社グループのリスク管理委員会にも共有し、当社グループ全体のリスク管理体制の中で管理しております。
取締役会は、グループサステナビリティ委員会より報告を受け、進捗や目標の達成状況を監督し、適宜、方針・取組みの見直しを行ってまいります。
これらの関係性を図示しますと以下のようになります。
|
体制 |
構成 |
役割 |
開催頻度 |
|
グループサステナビリティ委員会 |
委員長:当社代表取締役社長 グループ取締役及び執行役員 |
・グループのサステナビリティ方針の策定 ・サステナビリティ戦略の決定 ・グループ全社従業員への啓発活動 |
四半期に1回 |
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分科会 |
関係部署部門長及び担当者 |
各マテリアリティの取組み推進 |
随時 |
(2)気候変動に対する取組み(TCFD提言に沿った気候変動関連の情報開示)
①ガバナンス
小売・物流を本業とする当社グループにとり、気候変動によるリスクは、事業継続に影響を与える重要課題と捉えており、以下の体制を整えております。
サステナビリティに関わる方針及び戦略を決定するグループサステナビリティ委員会はカクヤスグループ代表取締役社長を委員長とし、グループ各社取締役及び執行役員で構成され、四半期に一回の頻度で開催しております。
気候変動における具体的な取組みは、当委員会傘下の環境分科会が各事業の主幹部門と連携して推進し、当委員会事務局が進捗を管理しております。その上で、重要事項はサステナビリティ委員会にて討議した後に、取締役会での報告を通じて進捗状況を監督しております。
②戦略
ⅰ.リスク・機会の特定
気候変動リスクについては、温室効果ガス排出に関する規制等の脱炭素経済への「移行」に関するリスクと、気象災害の激甚化等の気候変動による「物理的」変化への「適応」に関するリスクが考えられ、それらは、グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、これらのリスク・機会による影響の発現時期並びに簡易的なシナリオ分析に基づく財務インパクトを定性的に評価しました。
<気候変動に関する主なリスク・機会>
|
時間軸 |
短期:3年程度、 中期:2030年頃まで、 長期:2050年以降 |
|
発現可能性 |
高:発現が見込まれるもの、低:めったに発現しないもの、 その中間(ある程度の発現が見込まれるもの)を「中」とする |
|
影響度(売上高) |
大:100億円以上、中:10億円以上100億円未満、小:10億円未満 |
|
影響度(費用・利益) |
大:3億円以上、中:30百万円以上3億円未満、小:30百万円未満 |
|
リスク・機会の項目 |
事業影響 |
時間軸 |
発現 可能性 |
影響度 |
|
|
移行 リスク |
炭素価格の導入 |
炭素価格の導入による操業コストの増加 |
中期 |
高 |
中 |
|
フロン規制強化 |
拠点におけるノンフロン設備等への投資コストの増加 |
中~長期 |
高 |
大 |
|
|
エネルギー価格の上昇 |
燃料価格等の上昇による操業コストの増加 |
中期 |
高 |
小 |
|
|
原材料コストの上昇 |
仕入先の気候変動対応費用が転嫁されることによる仕入コストの増加(または仕入価格の上昇) |
中期 |
中 |
大 |
|
|
低排出技術への移行 |
配送車両のEV化等による操業コストの増加 |
中期 |
高 |
大 |
|
|
環境配慮設備の導入等に伴う設備投資コストの増加 |
中期 |
高 |
中 |
||
|
消費者、投資家の評判変化 |
環境配慮への遅れによる企業評価の低下 |
短~中期 |
中 |
中 |
|
|
物理的リスク |
気候災害の激甚化 |
店舗や配送拠点の浸水等による被害、 休業による売上の減少 |
中~長期 |
中 |
中 |
|
仕入先の被害による仕入停止や遅れによる仕入コストの増加と売上の減少 |
中~長期 |
中 |
中 |
||
|
降水・気温パターンの変化 |
計画休業の増加による売上高の減少 |
中期 |
高 |
中 |
|
|
平均気温の上昇 |
労働生産性の悪化による売上の減少や操業コストの増加 |
中期 |
高 |
中 |
|
|
リスク・機会の項目 |
事業影響 |
時間軸 |
発現 可能性 |
影響度 |
|
|
物理的 リスク |
海面上昇 |
風水災の頻繁化・激甚化によるサプライチェーンの途絶に伴う売上高の減少と移転コストの増加 |
長期 |
低 |
中 |
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機会 |
低排出量商品及びサービスの開発と拡張 |
回収サービスの需要拡大による売上の増加 |
中~長期 |
中 |
小 |
|
消費者の嗜好の移り変わり |
環境配慮型商品・サービスの開発による売上の増加 |
短期 |
高 |
小 |
|
|
新たな市場(需要)への アクセス |
気温上昇による顧客の嗜好の変化に合わせた商品・サービスの開発による売上の増加 |
短期 |
高 |
小 |
|
ⅱ.シナリオ分析
抽出・整理した気候関連リスク・機会について、特に発現可能性が高いと考えられるテーマについて、シナリオ分析を実施しました。分析結果は、以下の当社ホームページに掲載しております。
分析の結果、炭素価格やエネルギー価格の変動が与える影響(コスト)は数億円程度と見込まれることから、当社グループの財務への影響は限定的であることが分かりました。今回実施した分析の想定においては、分析対象としたリスクに対し当社グループはレジリエンスを有していると考えられます。引き続き、設備・機器などの入れ替えの投資検討を進めるとともに、その他の様々な取り組みを通じで、2050年カーボンニュートラルの実現と脱炭素社会の実現に貢献してまいります。
③リスク管理
カクヤスグループでは、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)に基づき、財務影響をもたらす気候変動関連のリスク及び機会を識別し、評価しております。
リスクと機会の抽出は、当社グループ全体を対象に当委員会事務局が行い、当委員会に報告しております。抽出されたリスク・機会がもたらす財務影響を分析し、環境分科会を中心に対応策を検討し、当委員会に報告した上で、各事業の主管部門とともに取り組みを推進しております。影響度の高いリスクについては、委員会事務局より当社グループのリスク管理委員会に共有し、管理しております。
④指標及び目標
当社グループの売上の8割以上は、酒類・飲料を中心とした商品をお客様へ配達することから成り立っており、主に配達によって生じる温室効果ガスの削減が課題となります。
気候変動におけるリスク・機会を管理するための指標として、温室効果ガス排出量(Scope1・Scope2)を計測し、現時点では2050年までの長期目標として、温室効果ガスの排出量をネットゼロにすることを掲げ、目標達成に向けて取り組んでおります。
Scope1、Scope2の温室効果ガス排出量
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分類 |
排出量(単位:t-CO2) |
対象 |
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|
2021年度 |
2022年度 |
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Scope1(直接排出) |
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当社及び連結子会社5社 |
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Scope2(間接排出) |
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合計 |
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(注)1.集計期間: 当社グループ各社の決算期間(12か月)
2.対象会社:2022年度の算定の為、カクヤスグループ、カクヤス、ダンガミ・サンノー、明和物産、検
校、NSKの計6社を対象に算定
3.Scope2はマーケット基準を採用
Scope2につきましては、2021年度はロケーション基準で開示しておりましたが、温室効果ガス排出量の削減施策の効果検証を行うため、今年度よりその効果が見えやすいマーケット基準で開示しております。
2022年度は感染症による活動自粛が緩和されたことによる活動量の増加や取扱商品の拡大による設備投資などの影響を受け、排出量が全体的に増加傾向にありますが、配達用車両としてEV軽自動車の導入や、再生可能エネルギー由来電源への切り替えなどの温室効果ガス排出量の削減に向けた取り組みを強化してまいります。
物流を担う企業として、サプライチェーンにおける排出量も重要であると認識しており、Scope3の算定も今後検討してまいります。
(3)人的資本、多様性に関する取組み
当社グループは創業から100年を数え、この先の100年もお客様から求められる企業であり続けるために、お客様からの“ありがとう”に仕事の喜びを感じる人財を採用し、社会に貢献できる人財の成長を支援します。
当社グループで働く従業員が働くことにやりがいを感じられる会社であり続けるために、採用・育成・環境整備の軸となる人事ポリシーを定め、人的資本に関する諸施策を進めてまいります。
①人事ポリシー
今後もお客様から求められる企業であり続けるために、カクヤスグループのアイデンティティである「カクヤスグループを支える5つの条件」「スピリット・オブ・カクヤス」を従業員へ浸透し続けることが不可欠であると考えております。
カクヤスグループは、アイデンティティに込めた想いに「共感」する従業員一人ひとりに対し、多様な価値観・ライフスタイルの中で最大の成果が出せるように、成長の機会を提供し、応援し続けることで、個と企業が互いに成長し合える環境を目指します。
<カクヤスグループを支える5つの条件>
もっとも大事なのは、将来にわたって「カクヤスグループらしさ」を持ち続けていくことだと考えています。経営トップ以下全員が、以下5つの「カクヤスグループを支える条件」を決して忘れないようにしています。
詳細は以下の当社ホームページに掲載しております。
<SPIRIT OF KAKUYASU>
②人財育成方針
当社は、お酒を中心とした流通のインフラ企業として「お客様のご要望に『なんでも』応えたい」という想いをお客様へお届けしている企業です。これまで、当社の成長の多くはそんな想いを持った従業員が1つ1つ試行錯誤しながら、ひたむきに努力してきた結果から成り立ち、今のビジネスに繋がっています。「新たに生み出すサービスは誰にも真似されない」という当社の考えを継続的に発展させていくために必要なのは、目の前の業務に没頭することだけではなく、従業員がサービスの立案者として最前線で活躍していることです。
“常に1歩先を考案し、自ら変化させていく意欲を持つこと”そのものが自己成長に繋がり、結果として会社の持続的な発展にも繋がっていくと考えています。
当社の研修制度は、従業員のアイディアや気付きを具現化するために、必要な知識を深め、視野を広げることで自己成長を促すことを目的としています。
人生100年時代となったいま 社会・経済環境が劇的に変化していく中で、私たちを取り巻く就業・雇用環境は非常に激しいスピードで変化しています。自身の将来を見つめ直した時に、自分のキャリアは自分で切り開いていけるよう、カクヤスグループへ入社した従業員に対しては全員に学びの場を提供し、業務に必要な知識から、専門性の強化、会社をけん引する未来のリーダー育成まで、幅広い研修制度を用意しています。一人でも多くの従業員が自身の秘める可能性をチャンスに変えることで、社内の部署に関係なく幅広い経験やスキルを身に付けること、さらには他の企業からも求められる人財になっていくこと(=エンプロイアビリティ)を叶え、カクヤスグループで働く従業員が「自信をもって人生のキャリアを歩んでいけること」を最終的な人財開発のゴールに掲げています。
<循環型育成図>
<自律的なキャリア構築を支援する主な制度>
以下のキャリア支援全体図をもとに、各等級の目指す姿に向けた必要なスキル習得の機会やキャリア開発支援など、全従業員に対する成長や学びの機会を幅広く提供しております。
|
等級 |
目指す姿 |
求められるスキル (組織活性/事業推進) |
キャリア開発 |
職種別/専門 |
自己啓発 |
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課長 |
個の成長を支援し、課をまとめ成果を上げ続けることができる |
組織設計力 |
経営基礎力 |
・次世代経営 者育成研修 ・社員提案制 度 談窓口 ・自己申告制 度 けキャリア デザイン研 修 けキャリア カウンセリ ング |
・店長研修 ・安全運転講習 ・商品知識研修 ・専門スキル習 得 ・コンプライア ンス研修 ・資格取得制度 ・新任営業職研 修 ・中途入社者向 け研修 |
・通信教育 制度 ・eラーニ ング制度 |
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部下育成 |
完遂力 |
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課長代理 |
高い個人目標・当事者意識をもち管理職の補佐が行える |
自己理解 |
考え抜く力 |
|||
|
マネジメント能力 |
情報収集力・ 分析力 |
|||||
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主任 |
自立・自立した思考を持ち様々な場面でリーダーシップを発揮している |
業界理解 |
柔軟性 |
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|
自己管理能力 |
交渉力 |
|||||
|
一般 |
主体的に業務に取り組み、周囲と連携しながら一人前として結果を出している |
後輩指導 |
お客様対応力 |
|||
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自己表現力 |
時間管理能力 |
|||||
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一般 |
ビジネスコミュニケーションスキルを習得し、早期に一人立ちできる |
社会人スキル |
会社理解・認識 |
|||
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協調性 |
目標遂行能力 |
|||||
<主な取り組み内容>
ⅰ.社員提案制度
当社の大切にしている考えである「お客様のご要望」を叶えるべく、全従業員がお客様の声をもとに事業提案できる機会を用意し、更なる客様満足度の向上、社員のモチベーション向上や成長に繋げております。
ⅱ.自己申告制度
仕事に対する達成度合い、キャリアプラン、保持資格、職場環境等について、本人からの申告を元に組織異動等を実施しております。
ⅲ.キャリア相談窓口
キャリアカウンセラー資格を持つ社内外のスタッフによる相談を実施しております。
ⅳ.部下育成を目的とした管理職向けキャリア開発研修
部下の自律的な成長を促すために必要な管理職研修を実施しております。
ⅴ.次世代経営者育成
経営との信頼関係の構築を行うと同時に、高度なビジネススキル習得や実際の自社課題に対するアクションラーニングに取組み、次世代の経営幹部候補としての人財育成を行っております。
ⅵ.商品知識習得
お客様への提案力向上のため、社内外の知見を持った方に協力いただき、カクヤスオリジナルのお酒の基礎講座を開講致します。また、より専門的なお酒の資格制度についても支援制度を設けております。
<専門的なお酒の資格一覧>
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ジャンル |
NO |
資格呼称 |
ジャンル |
NO |
資格呼称 |
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焼酎 |
① |
焼酎きき酒師 |
ワイン |
① |
ワインエキスパート |
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日本酒 |
① |
きき酒師 |
② |
ソムリエ |
|
|
② |
WSET 酒レベル③ |
③ |
ワインエキスパートエクセレンス |
||
|
③ |
SAKE DIPLOMA |
④ |
ソムリエエクセレンス |
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ウィスキー |
① |
ウィスキーエキスパート |
⑤ |
WSET レベル② |
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|
② |
ウィスキープロフェッショナル |
⑥ |
WSET レベル③ |
||
|
⑦ |
WSET レベル④(DIPLOMA) |
③社内環境整備方針
企業が継続し続けるためには、従業員が健全な状態で、安心して活き活きと働ける職場環境を整備することが重要と考えております。従業員が意欲をもって働き続けられるよう、健康経営をはじめ、円滑なコミュニケーションの推進、福利厚生諸制度の充実、交通事故の防止、労働安全衛生体制の構築を社内外の関係各所と連携し、心理的安全性の高い職場で従業員が心身ともに満足した状態で、楽しく働くことができる環境作りに努めております。また、エンゲージメントサーベイも検討しており、従業員の声を数値的に捉え、実効性の高い取り組みを進めてまいります。
<主な取り組み内容>
ⅰ.健康経営
当社グループ3社は、優良な健康経営を実践している企業に対して、経済産業省・日本健康会議が顕彰する「健康経営優良法人2024(大規模法人部門)」に認定されました。2023年度に続き、当社は5年連続、株式会社カクヤスは4年連続、明和物産株式会社は2年連続の認定となります。健康経営の実践に向けた基礎的な土台作り、各種研修、交通事故や労災の各種対策を行っていることが評価されました。
ⅱ.コミュニケーション
従業員間、会社と従業員、部門間、グループ内会社間と交流の機会を増やすことで、さまざまなつながりを意識する機会を設け、当社グループならではであるチームプレーでの業務遂行力を高めてまいります。
・社員総会の開催(年2回)
事業の方向性、各部門の施策等共有しております。
・家族も含む社員親睦会の開催(年1回/1人)
部門間、家族交流を目的に、バーベキュー等の飲食イベントを開催しております。
・同好会活動
サッカー、野球、釣り、バイク等の各種活動の費用を支援しております。
ⅲ.労災・交通事故の防止
グループ全体の安全衛生体制を構築するために、毎月1回中央安全衛生会議を実施し、労災削減への具体的施策の検討、健康を維持するためのリスクの逓減について、産業医及び各部門から選定された委員にて活発な意見を出し合いながら積極的に取り組んでおります。また、その内容については、本社及び子会社の各事業所の安全衛生委員会へ共有を行い、更に周知の和を広げております。
交通安全については、朝礼時の啓発や、車輛搭載のドライブレコーダーにて、安全運転の記録をデジタルで可視化することで車輛を運転する従業員の安全運転の確認及び教育に役立てております。
④多様性に関する活動
当社グループでは、ダイバーシティマネジメントの専門組織を設け、各種施策を実施しております。当社グループ全体としては、指導的地位にある女性の比率を2030年度末までに30%という政府目標を支持し、中長期の視点で性別に関係無く活躍できる環境づくりを推進しております。また、多様な人財の活躍を支援するための施策として、柔軟な働き方を実現する各種制度をはじめ、中途入社社員の積極的な採用、退職した社員の再入社、アルバイトからの正社員登用の促進、障碍者雇用の推進、性自認及び性的指向等を問わず、働きやすい職場づくりなどを進めています。多様な価値観や意見交換を行うことで個の創造が高まり、組織力の最大の発揮に結びつくものと考えております。また、ホットライン窓口(相談・通報制度)を設け、各種相談を受け付けております。
<主な取り組み内容>
ⅰ.セクシュアル・マイノリティの理解促進に向けて
LGBTQ+などのセクシュアル・マイノリティの理解促進に向けたハンドブックの作成や社内講演会を実施
することで全社の意識醸成を図り、Pride指標獲得を目指してまいります。
ⅱ.女性活躍推進
2024年4月より、現在の女性管理職に対するキャリアカウンセリングを開始しております。今後、ロールモデルとなる対象者へ向けて中長期的に生き生きと働き続けることを具現化する支援を行っております。また、非管理職の女性社員に対する個別インタビューを行い、その結果をもとにキャリア形成の支援や職場環境の整備へ役立ててまいります。
<多様性の指標>2024年3月31日現在
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(注)1. |
(注)2. |
(注)2. |
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連結 計 |
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株式会社カクヤスグループ |
20.8% |
85.8% |
14.2% |
|
株式会社カクヤス |
5.8% |
70.6% |
29.4% |
|
明和物産株式会社 |
0.0% |
100.0% |
0.0% |
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。女性管理職比率について、子会社であるカクヤスからの業務移管に伴い女性管理職が転籍したため、前年度0.0%に対して20.8%上昇しております。同要因により子会社であるカクヤスの女性管理職比率については前年度7.1%に対して1.3%低下しております。
2.2024年3月31日付在籍者の採用区分比率であります。当社グループ全体で中途入社率が70%以上と高い比率になっており、各社において多様な経験、価値観をもった人財が活躍しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重大な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)国内市場・経済の動向及び人口の変動による影響について
当社グループの売上は、その多くが酒類販売で構成されておりますが、酒類販売は、景気動向、人口変動、少子高齢化等による影響を受けやすく、これらの動向が当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(2)労働環境の変化、人財の確保について
当社グループが、今後更なる業容拡大を図るためには、配達職、パート・アルバイト労働者、優秀な人財の確保及び社内人財の育成、人財の外部流出の防止が重要な課題と考えております。足元ではEコマース市場の成長による宅急便需要の増加やサービスの高度化により、人財確保競争が激しくなっております。
当社グループは、運転免許取得支援や社員寮の拡充、多様な働き方の提供や業務に見合った報酬体系を構築することで、配達職の確保に努めておりますが、今後、労働力の減少により人財確保競争の激化、景気回復、雇用環境の好転に伴う賃上げ圧力の増大、社会保障政策に伴う社会保険料率の引き上げ等による人件費の上昇、処遇格差の縮小を目的とする各種労働関連法等により労働コストが増加した場合、社内人財の育成及び採用が進まない場合、人財が外部に流出した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(3)地震、台風、津波、豪雪等の自然災害について
当社グループの店舗・施設の周辺地域において、予想を超える大地震・津波・風水雪害等の自然災害、火災等による、①商品、店舗、物流施設、情報システム及びネットワークの物理的な損害、②当社グループの販売活動や物流・調達活動の阻害、③料飲店等の事業運営に支障が出る等の場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。特に、当社グループの拠点が東京都23区に集中していることから、東京都23区及びその周辺において上記の自然災害が発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(4)法律、規制等の変更について
当社グループは、国内で事業を遂行していくうえで、酒税法、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律、20歳未満の者の飲酒の禁止に関する法律、食品衛生法等様々な法的規制等の適用を受けております。これらの法律、規制、基準等が変更された場合、又は予期し得ない法律、規制等が新たに導入された場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(5)税制改正について
消費税や酒税等の税制改正により税率が引き上げられた場合には、顧客の消費が落ち込み、売上高の減少が生じ、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(6)酒類販売業免許について
当社グループでは、酒税法に規定されている「酒類販売業免許」を取得しております。酒類販売業免許は酒類を継続的に販売すること(営利目的とするかどうか又は特定若しくは不特定の者に販売するかどうか問わない)が認められる免許で有効期限はありません。当該免許は、当社グループの主要な事業活動を継続する上で不可欠な免許であり、本書提出日までの間、取消事由は発生しておりません。しかしながら、将来において、当該免許の取消等があった場合には、主要な事業活動に支障をきたすとともに業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(7)競合による影響について
当社グループは、国内酒類市場において、飲食店向け販売及び家庭向け販売に事業展開をしております。飲食店向け販売については、当社グループを含めた大手酒販店での競争が激しくなっており、家庭向け販売については、酒類専門小売業者以外にも、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、インターネット通信販売等の大小様々な事業者が多く存在しており競争が激化しております。
顧客の利便性を日々追求し、消費財流通サービスを飲食店向け販売及び家庭向け販売ともに拡大して参りますが、予期し得ない競合他社の活動、顧客嗜好の変化等が生じた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(8)特定商品への依存について
当社グループは、ビール類が仕入高の重要な割合を占めております。ビール類以外の酒類全般における商品ラインアップの充実、酒類事業以外の飲料、食品の取扱い等の拡大を図っておりますが、市場動向によるビール類販売の大幅な減少等、予期せぬ事態が発生した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(9)通信回線について
通信網等の維持管理は電話事業者において行われており、当社グループが顧客にサービスを確実に提供するためには、電話事業者の通信網等が適切に機能していることが前提となります。電話事業者の通信網等が適切に機能していないことにより、受注業務等に支障が生じた場合、サービスの全部若しくは一部の停止、又は水準低下が発生し、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(10)情報セキュリティ及び個人情報の管理について
当社グループは、情報セキュリティ及び個人情報保護を経営の重要課題の1つとして捉え、体制の強化や従業員教育などを通じて、システムとデータの保守・管理に万全を尽くしております。しかしながら、万一個人情報が外部へ漏洩するような事態となった場合や不正利用等の事態が生じた場合は、社会的信用が毀損し、売上の減少又は損害賠償による費用の発生等が考えられ、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(11)重大交通事故による社会的信用低下について
当社グループは、公道を使用して車両による配達サービス及び営業活動を行っております。当社グループは車両運行にあたり、人命の尊重を最優先とし、安全管理対策に努めておりますが、従業員が重大な交通事故を発生させてしまった場合には、社会的信用が低下し、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(12)訴訟その他法的手続きについて
当社グループは、現在業績及び財務状況に影響を及ぼすような訴訟等は発生しておりませんが、その事業活動の遂行において、消費者、取引先及び従業員等により提起される訴訟その他の法的手続の当事者となるリスクを有しています。これらの手続きは結果の予想が困難であり、多額の費用が必要となったり、事業活動に影響を及ぼしたりする可能性があります。さらに、これらの手続きにおいて当社グループに不利な判断がなされた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(13)業績の季節変動、天候等について
酒類販売の需要は、季節や天候に影響を受けやすく、当社グループにおいては、3月や12月に需要が高まり、売上が増加いたします。このような繁忙期に季節変動や天候不順により営業に支障が生じた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(14)商品の安全性について
当社グループは、商品の安全性に日頃より十分な注意を払い、商品管理の徹底、チェック体制の確立などに努めておりますが、取扱商品に重大な事故が生じた場合には、当社グループに対する信頼の低下、商品回収や廃棄等の対応コストが発生し、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(15)レピュテーションリスクについて
当社グループは、事業を遂行していくため、多くの従業員を雇用しておりますが、現在業績及び財務状況に影響を及ぼすような従業員等による不適切な情報発信からなる風評被害は発生しておりません。近年、社会的に、SNS等を用いた従業員による不適切な情報発信からなる風評被害が頻発していることを受け、当社グループでもSNSに関するガイドラインを設けて研修、教育を行い防止に努めておりますが、従業員から不適切な情報が発信された場合には、当社グループの社会的信用が低下し、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(16)親会社との関係について
①資本的関係について
当社の親会社である株式会社SKYグループホールディングスは、当連結会計年度末現在、当社発行済株式の47.1%を所有しております。同社から当社グループに対する事業上の制約はなく、当社グループの自主性・独立性は確保されておりますが、同社による議決権の行使の結果によっては、当社グループの意思決定に対して影響を与える可能性があります。
②人的関係について
当社グループと株式会社SKYグループホールディングス及びその子会社(以下親会社グループ)との間で、役員の兼務、従業員の出向等の人的関係はありません。今後も親会社グループからの独立性を確保していくために、親会社グループとの間で役員の兼務、従業員の出向等は行わない方針であります。
③競合について
親会社グループ各社の事業内容は、業務用食品・食材の企画・販売、オフィス建装、生花・花器・輸入及び販売、冠婚葬祭用の贈答品、投資事業等となっております。
しかし、今後当社グループの経営方針及び事業展開を変更した場合、又は親会社グループ各社が経営方針及び事業展開を変更した場合には、将来的に競合する可能性があり、当社グループの業績及び財務状況に何らかの影響を及ぼす可能性があります。
(17)感染症の発生について
当社グループは、感染症の発生及び拡大に際して、顧客、取引先及び従業員の安全第一を考え、地域のライフラインとして営業継続するための対策を講じております。しかしながら、感染症の影響が当社グループの想定を上回る規模に拡大した場合、景気の悪化及び各種イベントの中止や延期等による酒類・飲料・食品の全体消費量の減少が生じ、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(18)M&A及び事業提携・資本提携について
当社グループは、既存事業の規模拡大及び新たな事業分野に進出する際、M&A、資本提携を行う場合があります。実行するにあたっては対象会社に対して、入念な調査、検討を行いますが、実施後に業績未達等によるのれん等の減損、当初予期していなかった事業上の問題の発生・取引関連費用の負担等によって、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、資本・業務提携については、当初に企図した成果が得られないと判断される場合は、契約の解消による出資の解消等が生じ、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(19)減損損失について
当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しております。今後とも収益性の向上に努める所存でありますが、店舗業績の不振等により、固定資産及びリース資産の減損会計による損失を計上することとなった場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(20)資金調達及び調達コストについて
当社グループは、資金の一部を有利子負債で調達しております。調達の際は、金利の変動リスクを軽減するために、固定金利による調達も一部利用しているものの、金利の大幅な上昇があった場合、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
(21)国際情勢等の影響によるリスク
当社グループが営業活動を行っている地域や、主要な取引先が営業活動を行っている地域がテロ・戦争等の国際紛争や貿易摩擦の影響を被った場合、サプライチェーンの寸断等により商品の仕入れが滞るなど、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。また、当社グループの配達業務には、軽油・ガソリンなどの燃料が不可欠であり、世界的な原油価格の高騰や為替変動による燃料価格の想定を超えた値上がりは、コストの増加要因となり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(22)財務制限条項等
当社の借入金の一部には財務制限条項及び資産制限条項が付されております。財務制限条項及び資産制限条項に抵触した場合、期限の利益を喪失する等、当社グループの財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
財務制限条項等の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結貸借対照表関係 5 財務制限条項等」に記載のとおりであります。
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は下記のとおりとなります。
①財政状態の状況
(資産)
資産は、前連結会計年度末に比べ867百万円増加し、33,953百万円となりました。主な要因は、受取手形及び売掛金の増加934百万円によるものであります。
(負債)
負債は、前連結会計年度末に比べ433百万円減少し、29,837百万円となりました。主な要因は、買掛金の増加398百万円、長期借入金の減少1,029百万円によるものであります。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べ1,300百万円増加し、4,116百万円となり自己資本比率は12.1%となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加1,595百万円、配当による利益剰余金の減少432百万円によるものであります。
②経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、社会・経済活動が正常化し、企業収益は改善基調にあるものの、個人消費や設備投資を含む内需が力強さを欠く状況であることから、持続的な経済成長には依然として課題がみられる状況です。
このような状況のなか、当社グループは「お客様のご要望になんでも応えたい」という基本コンセプトのもと、飲食店向け及び家庭向けの酒類需要をさらに取り込むべく、店舗及び小型出荷倉庫の出店、配送センターの開設を推進することで配達網の充実を図り、業容の拡大に努めてまいりました。
以上の結果、当連結会計年度における当社グループの経営成績は、売上高129,406百万円(前連結会計年度比12.6%増)、営業利益2,867百万円(前連結会計年度比257.0%増)、経常利益2,878百万円(前連結会計年度比259.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,595百万円(前連結会計年度比161.9%増)となりました。
売上区分別の売上状況につきましては、売上構成比が「飲食店向け」68.9%、「宅配」16.9%、「店頭」12.8%、「卸その他」1.4%となりました。
「飲食店向け」の売上高は、89,162百万円(前連結会計年度比16.6%増)となり、客数及び客単価は前連結会計年度を上回りました。
「宅配」の売上高は、21,830百万円(前連結会計年度比7.1%増)となりました。客数は前連結会計年度を若干下回りましたが、客単価はイベント需要や法人宅配需要が増え、前連結会計年度を上回りました。
「店頭」の売上高は、16,546百万円(前連結会計年度比1.3%増)となりました。客数は地域キャンペーンの前年実施の反動で前連結会計年度を下回りましたが、客単価は単価の高いイベント需要の回復が単価増に寄与したことで前連結会計年度を上回りました。
「卸その他」の売上高は、1,866百万円(前連結会計年度比5.7%増)となりました。
営業利益につきましては、売上の伸長により前連結会計年度を上回りました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましても、配送センターの固定資産売却益を計上したこともあり、前連結会計年度を上回りました。
なお、当社グループは、酒類販売事業の単一セグメントであるため、セグメント情報は記載しておりません。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は3,151百万円となり、前連結会計年度末に比べ441百万円増加いたしました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は2,785百万円(前連結会計年度は2,531百万円の収入)となりました。これは主に、減価償却費(736百万円)、仕入債務の増加額(482百万円)、減損損失(432百万円)等の増加要因が、売上債権の増加額(932百万円)、棚卸資産の増加額(464百万円)等の減少要因を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は207百万円(前連結会計年度は1,149百万円の支出)となりました。これは主に、固定資産の売却による収入(1,100百万円)等の増加要因が、固定資産の取得による支出(1,209百万円)等の減少要因を下回ったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は2,136百万円(前連結会計年度は1,420百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出(1,525百万円)、配当金の支払額(394百万円)、短期借入金の純減少額(326百万円)によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
該当事項はありません。
b.受注実績
該当事項はありません。
c.仕入実績
当連結会計年度の仕入実績は、次のとおりであります。
なお、当社グループは、酒類販売事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
酒類販売事業(百万円) |
100,334 |
110.4 |
|
合計 |
100,334 |
110.4 |
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
なお、当社グループは、酒類販売事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前年同期比(%) |
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酒類販売事業(百万円) |
129,406 |
112.6 |
|
合計 |
129,406 |
112.6 |
(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため、記載を省略しております。
2.販売実績の4つの区分の「飲食店向け」、「宅配」、「店頭」、「卸その他」別の売上は以下の通りです。
|
区分名 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
飲食店向け (百万円) |
89,162 |
116.6 |
|
宅配 (百万円) |
21,830 |
107.1 |
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店頭 (百万円) |
16,546 |
101.3 |
|
卸その他(百万円) |
1,866 |
105.7 |
|
合計 |
129,406 |
112.6 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するに当たりまして、重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
当社の経営陣は、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っております。しかしながら、これらの見積り及び判断は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
酒類販売事業に係る固定資産の減損
当社グループは、酒類販売事業に係る店舗及び販売物流倉庫の事業用資産について減損処理の要否を検討し、減損対象となった資産は、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として特別損失に計上しております。しかし、将来の経営環境の変化などにより見直しが必要になった場合、追加の減損損失を認識する可能性があります。
重要な会計上の見積りの詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、自社直営の店舗と店頭販売を行わない小型出荷倉庫拠点及び配送センターを組み合わせた配達網の構築への投資を積極的に行い、継続的な事業成長を実現いたしました。
また、売上高の拡大に向けて、顧客数増加の各種施策に取り組んでまいりました。飲食店向け販売におきましては取引先の維持及び新規顧客の獲得に取り組むとともに、家庭向け販売においては顧客接点の拡大に向けて新規店舗の出店やウェブサイトの利便性向上を継続して行ってまいりました。新規出店につきましては、既存店舗との相乗効果や配達効率を考慮して、効率的な配達ネットワークを構築し、事業の成長を加速してまいります。
なお、経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ② 経営成績の状況 ③ キャッシュ・フローの状況」に含めて記載しております。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(4)経営者の問題認識と今後の方針
経営者の問題認識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
(5)資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、主に営業活動により得られた資金を新規出店に係る設備投資等に充当しております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。