当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社経営の基本方針
当社グループは株式会社カクヤスを中核事業会社とし、グループ共通の価値観であるお客様のご要望に「なんでも」応えたいという意気込みや覚悟をもって、地域のお客様に一番便利だと感じて頂けることを願い「お酒を中心とした流通のインフラ」となることを経営方針として掲げております。
(2)目標とする経営指標
当社では、連結売上高及び連結経常利益が当社グループの成長を示す最重要指標と考え、重要視しております。また、連結営業キャッシュ・フローの最大化を常に念頭に置いた経営にも注力しております。
(3)中長期的な会社の経営戦略
① 飲食店向け市場のさらなる浸透
コロナ禍の収束化に伴う人流の活性化が期待される中、酒類需要を徹底的に取り込むことで、主要商圏における市場浸透を図るとともに、飲食店様向けの販促サイトの充実や、サービス・提案・商材のさらなる拡充を進めてまいります。また、当社グループの中核事業会社の株式会社カクヤスにおいては、三層物流(注)の構築により、展開エリアでの配達密度を高めることで、飲食店向け市場への浸透を図ってまいります。
(注)三層物流とは、家庭向け宅配枠の最大化と飲食店向け需要復調時の配達網整備を目的とした当社グループ独自の物流体制です。第一層は配送センターからのルート配達、第二層は飲食店向け小型倉庫からの即日配達、第三層は店舗・家庭向け小型倉庫からの即日配達を指します。
② 家庭向け販売の充実
コロナ禍を契機に、より高まっているデリバリーニーズに対し、ラストワンマイルの配達網を自社で構築している当社グループのお届けモデルの優位性を発揮するとともに、酒類以外の取り組みを更に強化することで家庭向け販売のさらなる充実を図ってまいります。
③ 人財育成と人財確保
業容拡大や全国展開を見据え次世代幹部候補となりうる人財を育成・プールしていくことでグループ経営を安定的に持続促進してまいります。また、各々のライフステージにあった働き方が出来るように多様な人財が能力を発揮できる職場環境を整えるとともに、社会の変化に合わせ、多様な人財を惹きつけられるような魅力のある労働環境を整備してまいります。
④ サステナビリティの取組みの強化
目まぐるしく変化する社会環境の中で当社グループが持続的に成長していくためには、サステナビリティ課題への対応は経営の重点課題の1つと捉えております。サステナビリティ課題へ適切に対処するとともに、社会とのつながりを強め、様々な社会課題を解決することで、社会と共に成長を続け、持続的な企業価値の向上を目指してまいります。
⑤ 財務戦略
安全性・収益性及び株式流動性の向上の視点から目指すべき資本効率等の財務指標を設定し、経営目標を達成するための資金調達や運用を行ってまいります。
(4)経営環境
国内酒類市場は、人口減少及び高齢化、若者の酒離れや健康志向による飲酒習慣の変化等により、長期的には縮小傾向にあると考えられますが、当社グループが事業活動の中心としております酒類食品流通・小売業界におきましては、新型コロナウイルス感染者数の減少や新型コロナウイルス感染症の5類への移行決定を踏まえた人流の活性化により、酒類需要の回復が進んでおります。
競争環境については、飲食店向け市場では、人流の活性化により需要が高まる中、当社グループは得意先をサポートする営業力や利便性の高い配達能力を堅持しており、中小の酒類販売業者より比較的優位な体制を維持しております。家庭向け市場では、ECサイトやクイックコマース等で酒類の宅配を強化する動きなどもあり、競争環境は厳しさを増しておりますが、自社構築している配達網は他社に対して優位な体制を維持しております。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループが営業活動を行っている酒類食品流通・小売業界を取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症の収束化によりさらなる酒類需要の回復が期待される中、当社グループが対処すべき課題は以下のとおりであります。
① 飲食店向け販売の強化
引き続き主要商圏への市場浸透により客数の獲得を図るとともに酒類に限らない商品の販売を強化することで、客単価の向上にも努めてまいります。
② 家庭向け販売の強化
引き続き伸びしろのある家庭向け宅配の強化を目的とした配達効率の向上、酒類以外の商品の取り扱い強化、メディアやSNS等を使用した顧客認知の拡大等により、お届けサービスを強化し、事業モデルの価値を高めてまいります。
③ 事業運営の効率化
物価上昇等はコストを押し上げる要因となっております。売上の拡大を図るとともに効率的な人員及びシステムの活用を行い事業運営の効率化を図ってまいります。
④ 財務基盤の強化
コロナ禍により当社の財務基盤が毀損したことから、今後の事業拡大のための投資資金を確保するため、機動的で確実性の高い資金調達方法の検討を行い、収益力の強化と合わせ安定的・持続的成長を可能にする強固な財務基盤を構築してまいります。
⑤ 人員確保と人財育成の強化
当社グループの強みである自社配達網を維持するためには、人員の確保及び育成は重要な課題と認識しております。グループ全体で人財の獲得に向けて各種採用活動を進めるとともに、ワークライフバランスや業務に必要な基礎的な知識や能力、またコンプライアンス等の教育を重視し、積極的な人員確保と育成を進めてまいります。
⑥ グループ間連携強化と企業価値の向上
グループ全体を統括する当社と事業会社である各子会社との役割と責任を明確化することで、経営の機動性を向上させ、効果的な経営資源の調達及び配分を行いグループ全体の企業価値の向上を図ってまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティの基本方針と取組み
当社グループは、2022年8月にグループ横断的なプロジェクトとして「サステナビリティ準備プロジェクト」を立ち上げ、サステナビリティ基本方針の策定及びマテリアリティの特定を進めてまいりました。サステナビリティ基本方針の策定及びマテリアリティの特定にあたっては、当社グループのバリューチェーンから考えられる「リスク」と「機会」を抽出し、「社会にとっての重要性」と「当社グループにとっての重要性」の視点で討議を行い、酒類販売事業を行っているという「当社グループの独自性」を加味し、取締役会での決議を経て、下記6個のマテリアリティを特定しました。
<サステナビリティ基本方針>
カクヤスグループは、「お客様のご要望に『なんでも』応えたい」という想いの実現に向け、ステークホルダーとの協働・共栄を通して、「持続可能な社会の実現」と「グループの成長」の両立を目指してまいります。
<マテリアリティ(重点課題)>
① 環境
② 酒・飲食文化と社会問題
③ コミュニティ
④ サプライチェーンマネジメント
⑤ 人財
⑥ ガバナンス
また、当社グループは、全社的な視点からサステナビリティ経営を推進していくための機関として2023年4月1日にグループサステナビリティ委員会を設置しました。グループサステナビリティ委員会は、代表取締役社長を委員長とし、当社及びグループ各社の取締役がそのメンバーとなっており、更に当社グループの社外取締役もオブザーバーとして参加しております。その上で、グループサステナビリティ委員会は、取締役会に定期的に報告する形を取っております。
更にグループサステナビリティ委員会の配下に6個のマテリアリティごとに分科会を設置し、分科会が各マテリアリティについての具体的な施策の検討・推進を行う体制としております。
グループサステナビリティ委員会は、各分科会から取組みについての報告を受け、テーマ毎の目標の承認と必要な助言を行ってまいります。また、サステナビリティに関するリスクと機会の分析を行い、リスク状況を網羅的に把握し、対応策のモニタリングを継続的に実施してまいります。影響度の高いリスク項目については、当社グループのリスク管理委員会にも共有し、当社グループ全体のリスク管理体制の中で管理してまいります。
取締役会は、グループサステナビリティ委員会より報告を受け、進捗や目標の達成状況を監督し、適宜、方針・取組みの見直しを行ってまいります。
これらの関係性を図示しますと以下のようになります。
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体制 |
構成 |
役割 |
開催頻度 |
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グループサステナビリティ委員会 |
当社取締役 グループ各社社長及び副社長 |
・グループのサステナビリティ方針の策定 ・サステナビリティ戦略の決定 ・グループ全社従業員への啓蒙活動 |
四半期に1回 |
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分科会 |
グループ各社取締役、執行役員 関係部署担当者 |
各マテリアリティの具体的検討及び推進 |
随時 |
(2)気候変動に対する取組み(TCFD提言に沿った気候変動関連の情報開示)
①ガバナンス
当社グループでは、サステナビリティに関わる方針、活動、施策を定め推進する「グループサステナビリティ委員会」を四半期に一回の頻度で本委員会を開催してまいりますが、気候変動対応を本委員会の最重要課題として位置付けております。本委員会の傘下に、環境問題に関わる当社及び事業会社の環境担当者を中心とした「環境分科会」を設置しており、気候変動関連事項についての詳細な検討を行ってまいります。また、気候変動に関する本委員会の決定事項は、環境分科会を通じて当社グループに情報を展開して浸透させてまいります。
②戦略
当社グループは、事業全体の脱炭素化への歩みを進めるべく、今後起こり得る様々な事態を想定し、課題を把握して戦略立案とその実行に繋げるよう、TCFD提言や事業環境固有の状況を考慮したシナリオ分析を行ってまいります。移行リスクについては、政策や立法の動向、気候変動関連の技術開発動向、主として酒類飲料製品に係る市場の動向、顧客嗜好についての潜在的なシナリオに基づく評価を行ってまいります。また、気候変動が当社事業に影響するリスク(物理的リスク)についても、機会の抽出とともに対応してまいります。現時点で想定する主要なリスクと機会については下記のとおりです。
<影響度が高いと考えるリスク・機会>
ⅰ.想定するシナリオの定義
IPCCの「1.5℃特別報告書」において、気温上昇を約1.5℃に抑えるためには、2030年までに2010年比で世界全体のCO2排出量を約45%削減することが必要という見解が示されたことを踏まえ、当社グループでは、シナリオ分析を実施し、その結果に応じて戦略の見直しを適宜行ってまいります。現時点でのシナリオ分析により特定した主要なリスク、機会とその対応を以下に示します。なお、シナリオについては、以下のように定義します。
・想定期間と温度上昇シナリオ 中期:2030年まで、1.5℃ 長期:2050年まで、4℃
※対象事業は、当社グループの全事業です。
ⅱ.主な移行リスク
[項目] 政策と税制
[影響] 我が国で政府による炭素税が導入され、当社グループの収益低下に繋がる可能性があります。
[対応] 当社グループ事業の脱炭素化に向けた取組みは緒に就いたばかりでありますが、仮に炭素税がt-CO2eあたり10千円と仮定すると、その影響は大きいと見ております。物流拠点、店舗、事務所などの省エネルギー化、温室効果ガスの排出量削減などの取組みを通じてこの影響を減らしてまいります。
[項目] 市場と顧客の動向
[影響] 消費者のサステナビリティへの関心が高まり、対応が遅れた企業のサービスを消費者が忌避することで当社グループの収益が低下する可能性があります。
[対応] 当社グループのサプライヤーである大手ビールメーカーや主要顧客の一つである大手外食チェーンは、サステナビリティへの取組みが当社のそれより先行している所が多いですが、一早く追随し、サステナビリティ活動を推進してまいります。また、適切なマーケティング活動を通じて消費者の購買行動を把握するとともに、適切な営業活動を行ってまいります。
ⅲ.主な物理的リスク
[項目] 異常気象の発生
[影響] 全国規模での気象災害により、当社グループが保有する資産が罹災し、事業が継続できなくなり収益が低下する可能性があります。また、主要顧客の飲食店が被災し、商品を納入できなくなり当社グループの収益低下に繋がる可能性があります。
[対応] 当社グループ全体についての事業継続に関するBCP対策を進めてまいります。
[項目] 平均気温の上昇
[影響] 平均気温の上昇による労働条件悪化が配達従業員の作業効率に悪影響を及ぼし、収益の減少に繋がる可能性があります。また、消費者の嗜好に変化が起こり、季節商材などの売上が減少する可能性があります。
[対応] 物流施設や店舗での就業条件の改善を検討してまいります。商材の拡充に努め、適切なマーケティング活動を通じて消費者の購買行動を把握するとともに、適切な営業活動を行ってまいります。
ⅳ.主な機会
[項目] 温室効果ガス低排出サービスの開発
[影響] 酒類・飲料メーカーが輸送の低炭素化や容器のリユースを進めること、さらにリターナブル梱包のニーズが拡大することにより、配達だけでなく回収の機能を担うことが可能な当社グループへのニーズが高まり収益が増加する可能性があります。
[対応] 空容器の回収は従来から実施しておりますが、自社物流体制をとる当社グループの強みを活かし、新たなサービス展開を検討してまいります。
[項目] 新市場へのアクセス
[影響] 気温上昇に伴い宅配需要が高まる中で、酒類以外の新たな宅配商品市場に参入することにより収益が増加する可能性があります。
[対応] 自転車配達や回収ニーズのある新規商品開発などを検討してまいります。
③リスク管理
当社グループは、TCFD提言に基づき、気候変動関連のリスク及び機会を捕捉し評価してまいります。リスクと機会の抽出は、当社グループ全体を対象に各事業の主管部門及び本委員会事務局が行います。抽出されたリスクと機会については、環境分科会で討議した後に本委員会に報告し、本委員会が必要に応じてリスクの低減、統制、移動、受容について検討してまいります。また、影響度の高いリスク項目については、当社グループのリスク管理委員会にも共有し、当社グループ全体のリスク管理体制の中で管理してまいります。
④指標及び目標
当社グループ事業の約8割以上は、酒類・飲料を中心とした商品をお客様へ配達することから成り立っており、主に配送行為によって生じる温室効果ガスの削減が課題になります。短期的な指標は定めておりませんが、現時点では2050年までの長期目標として温室効果ガスの排出量をネットゼロとすることを掲げております。この目標達成のためのマイルストーン(道標)として、当社グループが自社で直接排出するスコープ1(自社車両、物流拠点、オフィスなどでの直接排出量)、及びスコープ2(自社で電力などを消費したエネルギーによる間接排出量)を計測しました。
スコープ1、スコープ2の温室効果ガス排出量
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分類 |
排出量 (単位: t-CO2) |
対象 |
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スコープ1 |
4,439 |
当社及び連結子会社5社 |
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スコープ2 |
5,723 |
同上 |
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合 計 |
10,162 |
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※ 集計期間: 当社グループ各社の2021年度決算期間(12か月)
スコープ1、2の目標削減量につきましては、今後検討してまいります。また、スコープ3(スコープ1,2以外のサプライチェーン上での温室効果ガス排出量:その他の間接的排出量)の計測可否につきましても今後検討してまいります。
なお、算定対象期間とした2021年度は、コロナ禍で当社グループの業績が大きな影響を受けた期間でありますので、今後の計測値と比較して、温室効果ガスの排出量が過小となる可能性があります。
(3)人的資本、多様性に関する取組み
当社グループは創業から100年を数え、この先の100年もお客様から求められる企業であり続けるために、お客様からの“ありがとう”に仕事の喜びを感じる人財を採用し、社会に貢献できる人財の成長を支援します。
当社グループで働く従業員が働くことにやりがいを感じられる会社であり続けるために、採用・育成・環境整備の軸となる人事ポリシーを定め、人的資本に関する諸施策を進めてまいります。
①人事ポリシー
今後もお客様から求められる企業であり続けるために、カクヤスグループのアイデンティティである「カクヤスグループを支える5つの条件」「スピリット・オブ・カクヤス」を従業員へ浸透し続けることが不可欠であると考えております。
カクヤスグループは、アイデンティティに込めた想いに「共感」する従業員一人ひとりに対し、多様な価値観・ライフスタイルの中で最大の成果が出せるように、成長の機会を提供し、応援し続けることで、個と企業が互いに成長し合える環境を目指します。
<カクヤスグループを支える5つの条件>
<SPIRIT OF KAKUYASU>
②人財育成方針
当社グループのサービスの創造の源泉である「地域としてのコミュニティに自然ととけ込む存在でありたい」「お客様のご要望になんでも応えたい」を具現化していくためには、自律・自立型従業員の育成を行い、従業員の目標と事業戦略のベクトルを合わせて人財価値を最大化させることが重要であると考えます。従業員の成長を会社が応援し、一人ひとりの能力・やる気の高まりを循環させることで従業員が成長を実感していく循環型育成を目指してまいります。
<循環型育成図>
<自律的なキャリア構築を支援する主な制度>
等級、職種による各種研修制度について年間計画を立てて実施しておりますが、研修以外の支援施策については、以下のとおり実施しております。
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自己申告制度 (全社員対象 年1回) |
仕事に対する達成度合い、キャリアプラン、保持資格、職場環境等について、本人からの申告を元に組織異動等を実施しております。 |
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資格支援制度 |
お酒に関する資格取得の促進を目的に、難易度等をもとに合格した社員へ報奨金を支給しております。 また、今後については、業務に関係無く、多様なキャリア選択が可能な資格取得についても支援を検討しております。 |
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キャリア相談窓口の設置 |
キャリアカウンセラー資格を持つ社内外のスタッフによる相談を実施しております。 |
③社内環境整備方針
企業が継続し続けるためには、従業員が健全な状態で、安心して活き活きと働ける職場環境を整備することが重要と考えております。従業員が意欲をもって働き続けられるよう、健康経営をはじめ、円滑なコミュニケーションの推進、福利厚生諸制度の充実、交通事故の防止、労働安全衛生体制の構築を社内外の関係各所と連携し、心理的安全性の高い職場で従業員が心身ともに満足した状態で、楽しく働くことができる環境作りに努めております。また、エンゲージメントサーベイも検討しており、従業員の声を数値的に捉え、実効性の高い取り組みを進めてまいります。
<主な取り組み内容>
ⅰ.健康経営
当社グループ4社は、優良な健康経営を実践している企業に対して、経済産業省・日本健康会議が顕彰する「健康経営優良法人2023(大規模法人部門)」に認定されました。2022年度に続き、当社は4年連続、株式会社カクヤスは3年連続、ダンガミ・サンノー株式会社と明和物産株式会社は初の認定となります。健康経営の実践に向けた基礎的な土台づくり、各種研修、交通事故や労災への各種対策を行っていることが評価されました。
ⅱ.コミュニケーション
従業員間、会社と従業員、部門間、グループ内会社間と交流の機会を増やすことで、さまざまなつながりを意識する機会を設け、当社グループならではであるチームプレーでの業務遂行力を高めてまいります。
・社員総会の開催(年2回)
事業の方向性、各部門の施策等共有しております。
・家族も含む社員親睦会の開催(年1回/1人)
部門間、家族交流を目的に、バーベキュー等の飲食イベントを開催しております。
・同好会活動
サッカー、野球、釣り、バイク等の各種活動の費用を支援しております。
ⅲ.労災・交通事故の防止
グループ全体の安全衛生体制を構築するために、毎月1回中央安全衛生会議を実施し、労災削減への具体的施策の検討、健康を維持するためのリスクの逓減について、産業医及び各部門から選定された委員にて活発な意見を出し合いながら積極的に取り組んでおります。また、その内容については、本社及び子会社の各事業所の安全衛生委員会へ共有を行い、更に周知の和を広げております。
交通安全については、朝礼時の啓発や、車輛搭載のドライブレコーダーにて、安全運転の記録をデジタルで可視化することで車輛を運転する従業員の安全運転の確認及び教育に役立てております。
④多様性に関する活動
当社グループでは、ダイバーシティマネジメントの専門組織を設け、各種施策を実施しております。当社グループ全体としては、指導的地位にある女性の比率を2030年度末までに30%という政府目標を支持し、中長期の視点で性別に関係無く活躍できる環境づくりを推進しております。また多様な人財の活躍を支援するための施策として、柔軟な働き方を実現する各種制度をはじめ、中途入社社員の積極的な採用、退職した社員の再入社、アルバイトからの正社員登用の促進、障碍者雇用の推進、性自認及び性的指向等を問わず、働きやすい職場づくりなどを進めています。多様な価値観や意見がぶつかることで個の創造が高まり、組織力の最大の発揮に結びつくものと考えております。また、ホットライン窓口(相談・通報制度)を設け、各種相談を受け付けております。
<多様性の指標>2023年3月31日現在
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女性管理職比率 (注)1. |
中途入社率 (注)2. |
新卒入社率 (注)2. |
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連結 計 |
8.2% |
69.7% |
30.3% |
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株式会社カクヤスグループ |
0.0% |
66.7% |
33.3% |
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株式会社カクヤス |
7.1% |
65.2% |
34.8% |
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ダンガミ・サンノー株式会社 |
15.8% |
97.4% |
2.6% |
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明和物産株式会社 |
0.0% |
100.0% |
0.0% |
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。女性管理職比率が低くなっている主要因は、当社では従業員数が6名と少ないこと、各子会社においてはドライバー職など男性比率の高い職種が従業員全体の割合を大きく占めていることがあげられます。
2.2023年3月31日付在籍者の採用区分比率であります。当社グループ全体で中途入社率が60%以上と高い比率になっており、各社において多様な経験、価値観をもった人財が活躍しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重大な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)国内市場・経済の動向及び人口の変動による影響について
当社グループの売上は、その殆どが酒類販売で構成されておりますが、酒類販売は、景気動向、人口変動、少子高齢化等による影響を受けやすく、これらの動向が当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(2)労働環境の変化、人材の確保について
当社グループが、今後更なる業容拡大を図るためには、配達職、パート・アルバイト労働者、優秀な人材の確保及び社内人材の育成、人材の外部流出の防止が重要な課題と考えております。足元ではEコマース市場の成長による宅急便需要の増加やサービスの高度化により、人材確保競争が激しくなっております。
当社グループは、運転免許取得支援や社員寮の拡充、多様な働き方の提供や業務に見合った報酬体系を構築することで、配達職の確保に努めておりますが、今後、労働力の減少により人材確保競争の激化、景気回復、雇用環境の好転に伴う賃上げ圧力の増大、社会保障政策に伴う社会保険料率の引き上げ等による人件費の上昇、処遇格差の縮小を目的とする各種労働関連法等により労働コストが増加した場合、社内人材の育成及び採用が進まない場合、人材が外部に流出した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(3)地震、台風、津波、豪雪等の自然災害について
当社グループの店舗・施設の周辺地域において、予想を超える大地震・津波・風水雪害等の自然災害、火災等による、①商品、店舗、物流施設、情報システム及びネットワークの物理的な損害、②当社グループの販売活動や物流・調達活動の阻害、③料飲店等の事業運営に支障が出る等の場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。特に、当社グループの拠点が東京都23区に集中していることから、東京都23区及びその周辺において上記の自然災害が発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(4)法律、規制等の変更について
当社グループは、国内で事業を遂行していくうえで、酒税法、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律、20歳未満の者の飲酒の禁止に関する法律、食品衛生法等様々な法的規制等の適用を受けております。これらの法律、規制、基準等が変更された場合、又は予期し得ない法律、規制等が新たに導入された場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(5)税制改正について
消費税や酒税等の税制改正により税率が引き上げられた場合には、顧客の消費が落ち込み、売上高の減少が生じ、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(6)酒類販売業免許について
当社グループでは、酒税法に規定されている「酒類販売業免許」を取得しております。酒類販売業免許は酒類を継続的に販売すること(営利目的とするかどうか又は特定若しくは不特定の者に販売するかどうか問わない)が認められる免許で有効期限はありません。当該免許は、当社グループの主要な事業活動を継続する上で不可欠な免許であり、本書提出日までの間、取消事由は発生しておりません。しかしながら、将来において、当該免許の取消等があった場合には、主要な事業活動に支障をきたすとともに業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(7)競合による影響について
当社グループは、国内酒類市場において、飲食店向け販売及び家庭向け販売に事業展開をしております。飲食店向け販売については、当社グループを含めた大手酒販店での競争が激しくなっており、家庭向け販売については、酒類専門小売業者以外にも、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、インターネット通信販売等の大小様々な事業者が多く存在しており競争が激化しております。
顧客の利便性を日々追求し、消費財流通サービスを飲食店向け販売及び家庭向け販売ともに拡大して参りますが、予期し得ない競合他社の活動、顧客嗜好の変化等が生じた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(8)通信回線について
通信網等の維持管理は電話事業者において行われており、当社グループが顧客にサービスを確実に提供するためには、電話事業者の通信網等が適切に機能していることが前提となります。電話事業者の通信網等が適切に機能していないことにより、受注業務等に支障が生じた場合、サービスの全部若しくは一部の停止、又は水準低下が発生し、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(9)情報セキュリティ及び個人情報の管理について
当社グループは、情報セキュリティ及び個人情報保護を経営の重要課題の1つとして捉え、体制の強化や従業員教育などを通じて、システムとデータの保守・管理に万全を尽くしております。しかしながら、万一個人情報が外部へ漏洩するような事態となった場合や不正利用等の事態が生じた場合は、社会的信用が毀損し、売上の減少又は損害賠償による費用の発生等が考えられ、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(10)配達業務について
当社グループの配達業務を伴う売上高の連結売上高に対する構成比は当連結会計年度において84.2%となっており重要な割合を占めております。国や自治体等による祭礼行事等の催し物・路上競技等による交通規制、停電、通信障害等により、配達業務が困難な状況になった場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(11)重大交通事故による社会的信用低下について
当社グループは、公道を使用して車両により営業及びサービス活動を行っております。当社グループは車両運行にあたり、人命の尊重を最優先とし、安全管理対策に努めておりますが、従業員が重大な交通事故を発生させてしまった場合には、社会的信用が低下し、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(12)訴訟その他法的手続きについて
当社グループは、現在業績及び財務状況に影響を及ぼすような訴訟等は発生しておりませんが、その事業活動の遂行において、消費者、取引先及び従業員等により提起される訴訟その他の法的手続の当事者となるリスクを有しています。これらの手続きは結果の予想が困難であり、多額の費用が必要となったり、事業活動に影響を及ぼしたりする可能性があります。さらに、これらの手続きにおいて当社グループに不利な判断がなされた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(13)特定商品への依存について
当社グループは、ビール類が仕入高の重要な割合を占めております。ビール類以外の酒類全般における商品ラインアップの充実、酒類事業以外の飲料、食品の取扱い等の拡大を図っておりますが、市場動向によるビール類販売の大幅な減少等、予期せぬ事態が発生した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(14)業績の季節変動、天候等について
酒類販売の需要は、季節や天候に影響を受けやすく、当社グループにおいては、3月や12月に需要が高まり、売上が増加いたします。このような繁忙期に季節変動や天候不順により営業に支障が生じた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(15)商品の安全性について
当社グループは、商品の安全性に日頃より十分な注意を払い、商品管理の徹底、チェック体制の確立などに努めておりますが、取扱商品に重大な事故が生じた場合には、当社グループに対する信頼の低下、商品回収や廃棄等の対応コストが発生し、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(16)レピュテーションリスクについて
当社グループは、事業を遂行していくため、多くの従業員を雇用しておりますが、現在業績及び財務状況に影響を及ぼすような従業員等による不適切な情報発信からなる風評被害は発生しておりません。近年、社会的に、SNS等を用いた従業員による不適切な情報発信からなる風評被害が頻発していることを受け、当社グループでもSNSに関するガイドラインを設けて研修、教育を行い防止に努めておりますが、従業員から不適切な情報が発信された場合には、当社グループの社会的信用が低下し、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(17)親会社との関係について
①資本的関係について
当社の親会社である株式会社SKYグループホールディングスは、当連結会計年度末現在、当社発行済株式の47.4%を所有しております。同社から当社グループに対する事業上の制約はなく、当社グループの自主性・独立性は確保されておりますが、同社による議決権の行使の結果によっては、当社グループの意思決定に対して影響を与える可能性があります。
②人的関係について
当社グループと株式会社SKYグループホールディングスを含む親会社グループとの間で、役員の兼務、従業員の出向等の人的関係はありません。今後も親会社グループからの独立性を確保していくために、親会社グループとの間で役員の兼務、従業員の出向等は行わない方針であります。
③競合について
親会社グループ各社の事業内容は、業務用食品・食材の企画・販売、オフィス建装、生花・花器・輸入及び販売、冠婚葬祭用の贈答品、投資事業等となっております。
しかし、今後当社グループの経営方針及び事業展開を変更した場合、又は親会社グループ各社が経営方針及び事業展開を変更した場合には、将来的に競合する可能性があり、当社グループの業績及び財務状況に何らかの影響を及ぼす可能性があります。
(18)感染症の発生について
当社グループは、新型コロナウイルス感染症を含む感染症の発生及び拡大に際して、顧客、取引先及び従業員の安全第一を考え、地域のライフラインとして営業継続するための対策を講じております。しかしながら、感染症の影響が当社グループの想定を上回る規模に拡大した場合、景気の悪化及び各種イベントの中止や延期等による酒類・飲料・食品の全体消費量の減少が生じ、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(19)M&A及び事業提携・資本提携について
当社グループは、既存事業の規模拡大及び新たな事業分野に進出するに際し、M&A、資本提携を行う場合があります。実行するにあたっては対象会社に対して、入念な調査、検討を行いますが、実施後に業績未達等によるのれん等の減損、当初予期していなかった事業上の問題の発生・取引関連費用の負担等によって、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、資本・業務提携については、当初に企図した成果が得られないと判断される場合は、契約の解消による出資の解消等が生じ、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(20)減損損失について
当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しております。今後とも収益性の向上に努める所存でありますが、店舗業績の不振等により、固定資産及びリース資産の減損会計による損失を計上することとなった場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(21)資金調達及び調達コストについて
当社グループは、資材の調達等のための資金を迅速に、かつ確実に取得するために、資金の一部を有利子負債で調達しております。調達の際は、金利の変動リスクを軽減するために、固定金利での調達やデリバティブ取引を利用しているものの、金利の大幅な上昇があった場合、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
(22)国際情勢等の影響によるリスク
当社グループが営業活動を行っている地域や、主要な取引先が営業活動を行っている地域がテロ・戦争等の国際紛争や貿易摩擦の影響を被った場合、サプライチェーンの寸断等により商品の仕入れが滞るなど、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。また、当社グループの配達業務には、軽油・ガソリンなどの燃料が不可欠であり、世界的な原油価格の高騰や為替変動による燃料価格の想定を超えた値上がりは、コストの増加要因となり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(23)財務制限条項等
当社の借入金の一部には財務制限条項及び資産制限条項が付されております。財務制限条項及び資産制限条項に抵触した場合、期限の利益を喪失する等、当社グループの財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
財務制限条項等の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結貸借対照表関係 5 財務制限条項等」に記載のとおりであります。
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は下記のとおりとなります。
①財政状態の状況
(資産)
資産は、前連結会計年度末に比べ4,545百万円増加し、33,086百万円となりました。主な要因は、受取手形及び売掛金の増加3,297百万円、商品の増加916百万円、繰延税金資産の増加445百万円及び土地の増加408百万円が、流動資産のその他(主に未収還付消費税等)の減少510百万円及びのれんの減少159百万円を上回ったことによるものであります。
(負債)
負債は、前連結会計年度末に比べ4,037百万円増加し、30,271百万円となりました。主な要因は、買掛金の増加4,215百万円、流動負債のその他(主に未払消費税等)の増加715百万円が、長期借入金の減少818百万円、短期借入金の減少440百万円を上回ったことによるものであります。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べ507百万円増加し、2,815百万円となり自己資本比率は8.5%となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加609百万円が、利益剰余金の配当による減少186百万円を上回ったことによるものであります。
②経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による厳しい状況から行動制限の緩和等で社会・経済活動が緩やかに正常化し、回復の兆しが見られたものの、為替相場の急激な変動や物価の上昇等により、依然として先行きは不透明な状況が続いております。
当社グループが事業活動の中心としております酒類食品流通・小売業界におきましては、人流が活性化してきたことにより、酒類需要は回復、さらにはインバウンド需要の高まり等もあり、さらなる酒類需要の回復が期待されます。
このような状況のなか、当社グループは「お客様のご要望になんでも応えたい」という基本コンセプトのもと、当社グループ中核会社の株式会社カクヤスにおいては、アフターコロナを見据えた新たな宅配モデル「三層物流」の構築で配達能力を増強し、主に人流の活性化に伴う需要を取り込むことで売上高拡大を目指しました。また、酒類以外の商品の販売も強化いたしました。さらに、ブランド認知拡大のためにSNSを介した若年層とのコミュニケーションを強化するとともに、交通広告を東京・大阪・福岡の主要駅での展開、店舗における「なんでも酒やカクヤス」へのブランド変更を推進することで地域への浸透を図りました。
以上の結果、当連結会計年度における当社グループの経営成績は、売上高114,960百万円(前連結会計年度比34.4%増)、営業利益803百万円(前連結会計年度は営業損失3,328百万円)、経常利益800百万円(前連結会計年度は経常損失2,898百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益609百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失2,808百万円)となりました。
売上高全体としましては、飲食店向けが第3四半期から回復したことで大きく伸長し、前連結会計年度を上回りました。
売上区分別では、「飲食店向け」の売上高は、76,489百万円(前連結会計年度比64.6%増)となり、客数・客単価ともに前連結会計年度を上回りました。
「宅配」の売上高は、20,377百万円(前連結会計年度比1.2%減)となりました。前年コロナ禍において、在宅勤務の増加や外食機会の減少に伴うデリバリー需要が大きく伸びた反動もあり、客数は前連結会計年度を下回りました。客単価は酒類価格改定による商品単価増もあり、前連結会計年度を上回りました。
「店頭」の売上高は、16,327百万円(前連結会計年度比4.7%減)となりました。宅配と同様、前年コロナ禍において、外食機会の減少に伴う家飲み需要が大きく伸びた反動や三層物流の構築に伴うエリア再編による店舗拠点の見直しにより、客数は前連結会計年度を下回りました。客単価は酒類価格改定による商品単価増もあり、前連結会計年度を上回りました。
「卸その他」の売上高は、1,766百万円(前連結会計年度比36.0%増)となりました。
この結果、売上区分別の売上状況につきましては、売上構成比が「飲食店向け」66.5%、「宅配」17.7%、「店頭」14.2%、「卸その他」1.5%となりました。
営業利益につきましては、売上の伸長及び酒類価格改定による粗利率の向上も寄与したことで前連結会計年度より増加しました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましても、前連結会計年度と比較して固定資産の減損は増加したものの、繰越欠損金に係る繰延税金資産の回収可能性の評価見直し等により、前連結会計年度を上回る結果となりました。
なお、当社グループは、酒類販売事業の単一セグメントであるため、セグメント情報は記載しておりません。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は2,709百万円となり、前連結会計年度末に比べ38百万円減少いたしました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は2,531百万円(前連結会計年度は2,442百万円の支出)となりました。これは主に、減価償却費(698百万円)、仕入債務の増加額(4,306百万円)、未払消費税等の増加額(1,124百万円)等の増加要因が、売上債権の増加額(3,297百万円)、棚卸資産の増加額(916百万円)等の減少要因を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は1,149百万円(前連結会計年度は1,056百万円の支出)となりました。これは主に、敷金及び保証金の回収による収入(134百万円)、投資有価証券の売却による収入(104百万円)等の増加要因が、固定資産の取得による支出(1,174百万円)等の減少要因を下回ったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は1,420百万円(前連結会計年度は3,723百万円の収入)となりました。これは主に、長期借入れによる収入(715百万円)等の増加要因が、長期借入金の返済による支出(1,162百万円)、短期借入金の純減少額(812百万円)等の減少要因を下回ったことによるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
該当事項はありません。
b.受注実績
該当事項はありません。
c.仕入実績
当連結会計年度の仕入実績は、次のとおりであります。
なお、当社グループは、酒類販売事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
酒類販売事業(百万円) |
90,913 |
133.2 |
|
合計 |
90,913 |
133.2 |
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
なお、当社グループは、酒類販売事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
酒類販売事業(百万円) |
114,960 |
134.4 |
|
合計 |
114,960 |
134.4 |
(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため、記載を省略しております。
2.販売実績の4つの区分の「飲食店向け」、「宅配」、「店頭」、「卸その他」別の売上は以下の通りです。
|
区分名 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
飲食店向け (百万円) |
76,489 |
164.6 |
|
宅配 (百万円) |
20,377 |
98.8 |
|
店頭 (百万円) |
16,327 |
95.3 |
|
卸その他(百万円) |
1,766 |
136.0 |
|
合計 |
114,960 |
134.4 |
(注) 当連結会計年度より、従来の「業務用」を「飲食店向け」、「POS」を「店頭」に名称変更しております。当該変更は名称変更のみであり、その内容に与える影響はありません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するに当たりまして、重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。
当社の経営陣は、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っております。しかしながら、これらの見積り及び判断は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
なお、当連結会計年度の繰延税金資産の回収可能性及び固定資産の減損については、新型コロナウイルス感染症の影響について、入手可能な情報を基に合理的に見積り、数値を反映しております。
イ.繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金を有しております。これらにかかる繰延税金資産の計上にあたりましては、「税効果会計に係る会計基準」及び社内で定める基準等に従い回収可能性を判断しており、将来の課税所得見積りは、機関決定された利益計画等を基礎にその実現可能性について十分な検討を行い、必要に応じて評価性引当額を計上しております。しかし、将来の経営環境の変化などにより回収可能見込額が変動した場合には、回収が見込まれない繰延税金資産を取り崩す可能性があります。
ロ.固定資産の減損
当社グループは、飲食店向け売上が減少している一部の事業用資産について減損処理の要否を検討し、減損対象となった資産は、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として特別損失に計上しております。しかし、将来の経営環境の変化などにより見直しが必要になった場合、追加の減損損失を認識する可能性があります。
重要な会計上の見積りの詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載されているとおりであります。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、自社直営の店舗と店頭販売を行わない小型倉庫拠点及び配送センターを組み合わせた配達網の構築への投資を積極的に行い、継続的な事業成長を実現いたしました。
また、売上高の拡大に向けて、顧客数増加の各種施策に取り組んでまいりました。飲食店向け販売におきましては取引先の維持及び新規顧客の獲得に取り組むとともに、家庭向け販売においては顧客接点の拡大に向けて新規店舗の出店やウェブサイトの利便性向上を継続して行ってまいりました。新規出店につきましては、既存店舗との相乗効果や配達効率を考慮して、効率的な配達ネットワークを構築し、事業の成長を加速してまいります。
なお、経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ② 経営成績の状況 ③ キャッシュ・フローの状況」に含めて記載しております。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(4)経営者の問題認識と今後の方針
経営者の問題認識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
(5)資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、主に営業活動により得られた資金を新規出店に係る設備投資等に充当しております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。