当中間期において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中における将来に関する事項は、当中間期の末日現在において判断したものであります。
当中間期における国内経済は、雇用・所得環境の改善のもとで、緩やかな景気回復が継続しました。しかしながら、米国の通商政策の影響による金融資本市場の変動、物価上昇、急激な為替変動など、景気を下押しするリスクが存在しております。
国内の収益不動産売買市場においては、国内の長期金利の指標となる新発10年物国債利回りが1.5%台の高い水準で推移し、借入金の支払利息増加や不動産価格の下落圧力などが引き続き懸念されているものの、不動産投資への旺盛な需要を背景に、売買市況は依然として活況を呈しています。
一棟収益不動産においては、住宅・オフィスの両セクターにおいて、都心部の賃料は、賃上げや物価高に伴って高水準で推移しています。加えて、建築費の上昇から新築物件の価格高騰がみられております。
不動産小口化商品においては市場規模が年々拡大しております。国土交通省の調査※によると、任意組合型商品への新規出資額は、2014年の65億円から2024年には718億円と約11倍に達しています。(※国土交通省「不動産特定共同事業の利活用促進ハンドブック(令和7年7月)」)
当社グループの拠点がある米国ロサンゼルスにおいては、政策金利が引き続き高水準で維持されており、資金調達環境の悪化によって収益不動産の売買需要を押し下げている状況にあります。
このような事業環境のもと、当社グループは2025年2月13日付で「企業価値向上に向けた成長戦略」を公表し、2027年までにROEを13~14%以上に改善させ、成長を加速させると共に、株主資本コストを低減させるためのあらゆる施策を講じることで、株主の皆様の期待に応えることを目指しております。
その達成に向けて、当中間期においては不動産小口化商品の販売加速化、一棟収益不動産の仕入・商品化・販売の強化推進、及びノンアセット事業を含む新規事業の立上げ等に取り組んでまいりました。
その結果、当中間期における売上高は32,965百万円(期初通期計画に対する進捗率59.9%)、営業利益は2,954百万円(同82.1%)、税前利益は2,569百万円(同91.8%)、親会社株主に帰属する中間純利益は1,607百万円(同90.3%)となりました。
なお、期初の通期業績計画に対する税前利益の計画進捗率が91.8%となったことをうけ、2025年8月7日付「通期業績計画および配当予想の修正(増配)に関するお知らせ」にて公表のとおり、2025年12月期の通期業績計画を上方修正いたしました。これにより、修正計画に対する進捗率は、売上高が54.5%、営業利益は59.1%、税前利益は64.2%、親会社株主に帰属する中間純利益は63.3%となっております。
当中間期の経営成績は以下の表のとおりです。
(単位:百万円)
(注)(不動産販売)は「収益不動産販売事業」、(ストック)は「ストック型フィービジネス」、「税前利益」は「税金等調整前中間純利益」、「純利益」は「親会社株主に帰属する中間純利益」をそれぞれ省略したものです。また、「通期計画進捗率」は2025年8月7日付公表の修正後の通期計画に対する進捗率です。
セグメントの概況は次のとおりです。なお、当社グループでは営業利益をセグメント利益としております。
(収益不動産販売事業)
売上高 30,138百万円、営業利益 3,407百万円となりました。
国内の一棟収益不動産販売事業において、当中間期の売上高が18,520百万円となり、前年同期比166%と大幅に拡大いたしました。収益不動産に対する内部成長施策が奏功し、売上総利益についても、前年同期比161%の2,882百万円となりました。さらなる成長に向けて新たにホテルの取得を実行しており、アセットタイプの多様化に向けた施策を進めてまいります。
不動産小口化商品販売事業においては、当中間期の売上高が10,932百万円(前年同期比172%)、売上総利益が2,578百万円(前年同期比150%)と国内一棟再販事業と同様に大きく成長しました。既存の収益不動産事業の強みを活かした良質な商品供給が、投資家だけでなく販売提携パートナーからの高い評価を得ております。また、こうした評判が、金融機関・税理士等との提携による販売ネットワークをよりいっそう拡充する好循環に繋がっています。
仕入高は24,785百万円となりました。20人以上の仕入専門組織による戦略的な仕入活動に加えて、関西・福岡へのエリア拡大に取り組んだ結果、前年同期を上回る優良物件の仕入を行うことができました。今後の利益の源泉となる収益不動産残高(販売または賃料収入を目的として保有する不動産の合計残高)は47,304百万円となり、前連結会計年度末より1,842百万円上回りました。
当中間期の国内外の仕入・販売状況は、以下の表のとおりです。
(単位:百万円)
(ストック型フィービジネス)
売上高 3,073百万円、営業利益 619百万円となりました。
ストック型フィービジネスは、当社グループが保有する収益不動産からの賃料収入を収益の柱とする他、株式会社エー・ディー・パートナーズ及びADW Management USA, Inc.の不動産管理収入などがあります。
ストック型フィービジネスは当社グループの業績の安定性を担保するという重要な位置づけであります。販売目線での商品価値の向上は、同時に当社グループ保有時の賃料収入の確保につながると認識しております。また、株式会社エー・ディー・パートナーズのプロパティ・マネジメントも、物件単価上昇に伴い顧客層の変化があったため、更なる効率化と対応力を高めていく必要があります。
当中間期のストック型フィー収入の内訳は、以下の表のとおりです。
(単位:百万円)
(注)1.各セグメントの営業利益は、全社費用等のセグメントに配賦しない費用及びセグメント間の内部取引による営業費用控除前の数値であり、その合計は連結営業利益と一致しません。
2.「ストック型フィービジネス」のうち、自社保有の収益不動産からの賃料や、販売済みの収益不動産のプロパティ・マネジメント受託によるフィー収入等を「ストック型」、顧客リレーションから派生的に得られる仲介収入、管理物件等の修繕工事フィーを「フロー型」と位置付けております。
当中間期においても引き続き、事業規模拡大に向けて収益不動産の仕入を意欲的に行い、併せて仕入に際しての借入も積極的に行いました。結果として収益不動産残高(販売または賃料収入を目的として保有する不動産の合計残高)は前連結会計年度末から1,842百万円増加し47,304百万円、有利子負債(短期借入金、1年内償還予定の社債、1年内返済予定の長期借入金、社債及び長期借入金)が540百万円増加しました。その結果、資産合計と負債純資産合計は、前連結会計年度末と比較し1,586百万円増加しました。
自己資本は、1,049百万円増加し19,765百万円となったため、自己資本比率は前連結会計年度末からやや改善し32.2%となりました。
中間連結貸借対照表の詳細は以下のとおりです。
「構成比」は、資産合計(負債純資産合計)に対する比率を示しています。
(資産)
当中間期末における資産合計は61,396百万円となりました。うち、販売用不動産と仕掛販売用不動産が38,086百万円(構成比62.0%)、現金及び預金が9,685百万円(構成比15.8%)、賃料収入を目的として保有する不動産(有形固定資産に含む)が9,217百万円(構成比15.0%)を占めております。
(負債)
当中間期末における負債合計は、41,594百万円となりました。うち、収益不動産の増加に伴い有利子負債が540百万円増加し、36,202百万円を占めています。
(純資産)
純資産合計は、19,802百万円となりました。うち、資本金及び資本剰余金が11,708百万円を占めています。
当中間期における現金及び現金同等物(以下、資金という)は、前連結会計年度より402百万円減少し、9,659百万円となりました。
当中間期における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動の結果、資金は504百万円増加しました。これは、税金等調整前中間純利益2,569百万円を計上した一方、棚卸資産の取得により、資金が1,461百万円減少したことが主な要因です。
当中間期の営業活動においては、商品企画を軸とした仕入活動の遂行と物件の大型化が営業効率を向上させたことで、優良な棚卸資産の仕入れを行うことができました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、資金は598百万円減少しました。これは、建設中の系統所蓄電所を含む有形固定資産の取得による支出523百万円を行ったことが主な要因です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、資金は190百万円減少しました。借入金、社債およびクラウドファンディングによる収入が合計23,029百万円と、同じ項目の支出の合計22,990百万円を39百万円上回った一方で、配当金の支払268百万円を行ったことが主な要因です。
当中間期において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(注)1.従業員数には、派遣社員を除く従業員数を記載しております。
2.当中間連結会計期間における主な増減は、新入社員の入社によるものです。
(注)1.従業員数には、派遣社員を除く従業員数を記載しております。
2.当中間会計期間における主な増減は、新入社員の入社及び組織体制強化によるものです。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。